脱穀装置
【課題】脱穀済み穀稈(排藁)中に刺さり込んだ穀粒が、排藁と共に機外に排出されて脱穀のロスになるという課題。
【解決手段】脱穀装置の脱穀室12の上部に扱胴11を設け、脱穀室12の後方には搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒を落下処理させる四番処理装置36を設け、脱穀室12の後側側部には脱穀室12に排塵連通口により連通する排塵処理装置40を設け、脱穀室12の側部には二番物を還元処理する二番処理装置45を設け、四番処理装置36の近傍には該四番処理装置36から排出される穀粒と前記排塵処理装置40から排出される穀粒を回収して揺動選別棚25の始端部に搬送する三番処理置55を設ける。
【解決手段】脱穀装置の脱穀室12の上部に扱胴11を設け、脱穀室12の後方には搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒を落下処理させる四番処理装置36を設け、脱穀室12の後側側部には脱穀室12に排塵連通口により連通する排塵処理装置40を設け、脱穀室12の側部には二番物を還元処理する二番処理装置45を設け、四番処理装置36の近傍には該四番処理装置36から排出される穀粒と前記排塵処理装置40から排出される穀粒を回収して揺動選別棚25の始端部に搬送する三番処理置55を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脱穀室の側部後方に排塵処理室を設け、脱穀室の側方に扱胴の軸心と平行で外周に処理歯を有する処理胴を有する二番処理室を設け、該二番処理室の後部は排塵処理室の下方に位置させた構成は、公知である(特許文献1)
【特許文献1】特開2005−110689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、二番コンベアで戻された二番物および排塵処理室から落下する穀粒を、二番処理装置の二番処理胴により揺動選別棚の始端部に戻して再処理する構成であるが、脱穀済み穀稈(排藁)中に刺さり込んだ穀粒は、そのまま、排藁と共に機外に排出されてしまうので、当業者が「四番物」と呼ぶ穀粒が機外に排出されて脱穀のロスになるという課題がある。
本願は、四番物のロスを減少させて、脱穀効率を向上させるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上部に扱胴11を軸装した脱穀室12を設け、脱穀室12の扱網18の下方に、送風唐箕19からの送風と揺動により穀粒とその他の処理物を風選する揺動選別棚25により構成した揺動選別装置26を設け、前記脱穀室12の後方には搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒を落下処理させる処理歯39を設けた四番処理胴38を軸装して構成する四番処理装置36を設け、前記脱穀室12の後側側部には、前記扱胴11の軸心と略平行で外周に処理歯42を有する排塵処理胴41を軸装し、脱穀室12と排塵連通口44により連通する排塵処理装置40を設け、前記脱穀室12の側部には扱胴11の軸心と略平行で外周に二番処理歯48を有する二番処理胴47を軸装し、揺動選別棚25の下方の二番コンベア35により回収された二番物を還元処理する二番処理装置45を設け、前記四番処理装置36の近傍には該四番処理装置36から排出される穀粒と前記排塵処理装置40から排出される穀粒を回収して、前記揺動選別棚25の始端部に搬送する三番処理置55を設けた脱穀装置としたものであり、穀稈供給搬送装置13により搬送された穀稈は脱穀室12内に供給され、回転する扱胴11により脱穀され、脱穀された脱穀物(被処理物)は扱網18から下方の揺動選別棚25に落下し、揺動選別棚25の揺動と送風唐箕19の送風により選別され、穀粒は一番コンベア34から回収される。
また、穀稈供給搬送装置13により搬送された搬送穀稈は、脱穀室12で脱穀処理されると、脱穀室12の後方に設けた四番処理装置36では、回転する四番処理胴38の処理歯39により搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒を落下処理し、種々の経路を経て一番コンベア34に回収される。
また、脱穀室12で脱穀された脱穀物のうち、扱網18より落下しない脱穀物の一部は排塵連通口44から排塵処理装置40に入って処理される。
また、脱穀室12で脱穀されて扱網18から落下しない処理物は、排塵処理装置40に入り、排塵処理装置40内で回転する排塵処理胴41の処理歯42により攪拌処理される。
また、二番コンベアに回収された二番物は、二番処理装置45に還元され、二番処理胴47の二番処理歯48により攪拌処理され、二番処理装置45の二番処理物排出口51から、揺動選別棚25の始端部に落下して再処理される。
そして、四番処理装置36と、排塵処理装置40と、脱穀室12と、二番処理装置45のそれぞれから落下した穀粒は、三番処理装置55の受樋56に入り、三番処理胴57により揺動選別棚25の始端部に戻されて再処理される。
本発明は、前記三番処理装置55は、扱胴11の軸芯と平行方向の受樋56を設け、受樋56内に処理歯58を有する三番処理胴57を設けて構成し、前記受樋56には、前記四番処理装置36の下方に設けた四番処理物受け板59を接続した脱穀装置としたものであり、三番処理装置55の受樋56には四番処理物受け板59を設けているから、四番処理装置36の下方から落下した四番処理物を四番処理物受け板59が受け止めて、受樋56に誘導して回収する。
本発明は、三番処理装置55の三番処理胴57は、背面視、扱胴11の軸芯より下方に設け、該扱胴11と共に反時計回転に回転させるように構成した脱穀装置としたものであり、三番処理装置55の三番処理胴57は、扱胴11と共に反時計回転するので、四番処理装置36から遠心力により飛散する穀粒の回収が円滑に行われる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、四番処理装置36と、排塵処理装置40と、脱穀室12と、二番処理装置45のそれぞれから落下した穀粒を、三番処理装置55により揺動選別棚25の始端部に戻して再処理するので、三番物および四番物のロスを減少させて、脱穀効率を向上させることができる。
請求項2の発明では、四番処理装置36から落下する四番処理物を四番処理物受け板59が受け止めて、三番処理装置55の受樋56に誘導回収して、三番物および四番物のロスを減少させて、脱穀効率を向上させることができる。
請求項3の発明では、四番処理装置36から遠心力により飛散する穀粒を、三番処理装置55の受樋56に円滑に誘導して回収でき、三番物および四番物のロスを減少させて、脱穀効率を向上させることができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施例をコンバインの図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は機体フレーム1の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、6はグレンタンク5の前側に設けた操縦部、7は脱穀装置3の後側に設けたカッターである。
前記脱穀装置3は、上部に扱歯10を有する扱胴11を略水平に軸装した脱穀室12を設け、脱穀室12の一側には前記刈取部により刈り取った穀稈を供給搬送する穀稈供給搬送装置13の供給搬送チエン14を設けている(図3)。なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して以下説明するが、これにより構成が限定されるものではない。
【0007】
扱胴11は脱穀装置3の前板16と脱穀室後板17に軸装し、扱胴11の主として下方側は扱網18により包囲している。扱網18の下方には送風唐箕19の唐箕ケーシング20唐箕ケーシング20を設ける。前記脱穀室12の下方には前記送風唐箕19の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室21を形成し、風選室21内には、送風唐箕19の送風方向(前後方向)に往復揺動する揺動選別棚25により構成した揺動選別装置26を設ける。
揺動選別装置26の構成は任意であるが、一例を示すと、前記揺動選別棚25の始端部(前端部)を唐箕ケーシング20の上方に位置させて上下二段に並設した移送棚部27、28に形成する。各移送棚部27、28の上面には突起や凹凸を設けて揺動選別装置26の移送方向下手側に扱網18からの落下物を移送できればよい。
【0008】
上側移送棚部27の移送方向下手側にはグレンシーブ30を設ける。グレンシーブ30は、扱網18より落下した穀粒と異物とを選別するものであり、所定間隔をおいて揺動方向に複数並設する。グレンシーブ30は、薄い平板形状に形成し、移送方向の下手側(後側)が高くなるように傾斜させて設ける。
下側移送棚部28の始端部は上側移送棚部27よりも前側に位置させ、下側移送棚部28の移送方向下手側には選別網31を設ける。選別網31はグレンシーブ30より落下した穀粒と異物とを選別するものである。
【0009】
グレンシーブ30の下方から移送方向の下手側(後側)のストローラック32を設ける。 揺動選別棚25の下方には一番コンベア34を設け、一番コンベア34の後側には二番コンベア35を設ける。
しかして、扱胴11の後方(終端側)には、四番処理装置36を設ける。四番処理装置36は、脱穀室後板17の後方に仕切板37を設け、脱穀室後板17と仕切板37との間に四番処理胴38を軸装して構成する。四番処理装置36は搬送中の搬送穀稈の枝梗粒および搬送穀稈中に刺さっている刺さり粒等を四番処理胴38により落下処理するものである。実施例の四番処理装置36は、脱穀室12の後部に四番処理胴38を一体状に形成し、四番処理胴38の外周には処理歯39を設ける。処理歯39は、搬送穀稈中に刺さっている刺さり粒を落下させるのものであり、この点、穀稈から穀粒を分離する脱穀作用を奏する扱歯10と区別される。四番処理装置36は扱胴11の終端の扱歯10と四番処理胴38の始端部の処理歯39の間の外周を脱穀室後板17により包囲し、脱穀室後板17と仕切板37との間に形成する。
【0010】
前記脱穀室12の後部および四番処理装置36の側方には、排塵処理装置40を設ける。排塵処理装置40は、扱胴11の軸心と略平行な排塵処理胴41を軸装して構成する。排塵処理胴41の外周には処理歯42を設け、処理歯42の主として下方側は処理網43により包囲する。排塵処理装置40は、脱穀室12の後部に設けた排塵連通口44により脱穀室12と連通させている。
前記脱穀室12の側方には、二番コンベア35により回収された二番物を処理する二番処理装置45を設ける。二番処理装置45の始端部上方には二番還元装置46の先端を開口させ、二番還元装置46の基部は二番コンベア35の終端に接続している。二番処理装置45は排塵処理胴41と同心状に二番処理胴47を軸装し、二番処理胴47の外周には二番処理歯を設け、二番処理胴47の主として下方側は二番処理網49により包囲する。二番処理歯48は、穀稈供給搬送装置13の搬送方向と反対に揺動選別棚25の始端部(前端部)側に二番処理物を移送するように配置する。
【0011】
二番処理胴47の先端外周には二番処理胴47の軸心と略平行な排出羽根50を設け、排出羽根50の略直下に二番処理物排出口を形成し、二番処理物排出口51は下側移送棚部28の始端部上方に開口させる。
【0012】
しかして、脱穀装置3内には、四番処理装置36から排出される穀粒と排塵処理装置40から排出される穀粒を回収して、揺動選別棚25の始端部に搬送する三番処理装置55を設ける。三番処理装置55は、四番処理装置36および排塵処理装置40から排出される穀粒を、揺動選別棚25の中間部に直接落下させずに回収して、揺動選別棚25の始端部まで搬送するので、選別ロスを低減させて、脱穀能力を向上させる。
即ち、揺動選別棚25の中間部上面では、大量の藁屑が移動中であり、この状態の揺動選別棚25の中間部に四番処理装置36および排塵処理装置40から排出された穀粒を落下させても、そのまま揺動選別棚25により機外に排出されて選別ロスとなってしまうが、三番処理装置55により回収して藁屑発生の少ない揺動選別棚25の始端部に戻すので、一番コンベア34により回収する回収効率を向上させる。
【0013】
また、三番処理装置55を設けることにより脱穀室12の負荷も軽減させ、特に、早朝や高水分穀稈の脱穀の場合、負荷は大きく、三番処理装置55はこの負荷の軽減に貢献する。
【0014】
前記三番処理装置55は、扱胴11の軸芯と平行方向の受樋56を設け、受樋56内に三番処理胴57を設けて構成し、受樋56の外周には螺旋状の処理歯58を設け、受樋56内に回収された回収物を揺動選別棚25の始端部に搬送中に三番処理胴57の回転により枝梗粒や搬送穀稈中に刺さっている刺さり粒等の再処理も期待する。
前記受樋56には、四番処理物受け板59を設ける。四番処理物受け板59は四番処理装置36の下方から落下した四番処理物を受樋56に回収するように設ける。
したがって、四番処理装置36による処理で発生した穀粒を効率よく回収でき、また、脱穀室12や揺動選別棚25の負荷も軽減する。
【0015】
しかして、三番処理装置55の三番処理胴57は、背面視、扱胴11(四番処理胴38)の軸芯より右側下方に設け、扱胴11と共に反時計回転に回転させると(図5)、四番処理装置36から遠心力により飛散する穀粒の回収(取り込み)が円滑に行われて、好適である。
【0016】
図7は三番処理装置55の他の実施例であり、扱胴11は反時計回転方向に回転させ、三番処理胴57は時計回転方向に回転させ、刺さり穀粒の回収効率を向上させている。
【0017】
三番処理胴57の先端外周には三番処理胴57の軸心と略平行な排出羽根60を設け、排出羽根60の略直下に三番処理物排出口61を形成し、三番処理物排出口61は下側移送棚部28の始端部上方に開口させる。
したがって、三番処理装置55は、三番処理物排出口61で排出羽根60を時計回転方向に回転させ、移送棚部28への穀粒の排出を拡散させ、揺動選別棚25の選別性能を向上させる。
【0018】
しかして、 図8,9は三番処理装置55の実施例であり、三番処理装置55を二番処理装置45の二番処理物排出口51の下方まで延長配置して、三番処理胴57は背面視時計回転方向に回転させ、二番処理物排出口51より落下した二番処理物を回収して揺動選別棚25の始端部に排出羽根60により拡散排出させる。
したがって、三番処理装置55は、四番処理装置36と排塵処理装置40と二番処理装置45からの穀粒の回収効率を向上させる。
【0019】
しかして、 図10は、四番処理装置36と三番処理装置55の他の実施例であり、四番処理装置36の背面視左側略半分は網体63により包囲し、四番処理装置36の背面視右側略半分は四番処理物受け板59により包囲する。四番処理装置36の左側で比重の軽い藁屑を網体63より下方の揺動選別棚25に落下させ、四番処理装置36で搬送穀稈より回収した刺さり粒は、四番処理物受け板59を介して三番処理装置55の受樋56に回収する。
したがって、藁屑と穀粒の分離を良好にする。
この場合、網体63の目合は扱網脱穀室12の目合より大きく形成し、藁屑の落下を良好にすると、好適である。
【0020】
しかして、図11は、二番処理装置45と三番処理装置55の実施例であり、三番処理装置55の前方に設けた排出羽根60により排出する穀粒と、二番処理胴47の前方に設けた二番処理物排出口51から排出する穀粒とを、揺動選別棚25の始端部に拡散排出させるように構成する。
したがって、二番処理装置45と三番処理装置55の両方から穀粒を揺動選別棚25の左側方向に拡散排出するので、穀粒は揺動選別棚25上に均等に分散させることができ、揺動選別棚25の選別性能を向上させる。
【0021】
しかして、穀稈供給搬送装置13の供給搬送チエン14の終端には、排藁搬送装置65を設け、排藁搬送装置65の下方には三番処理装置55を設ける(図12)。
したがって、三番処理装置55は、四番処理装置36と排塵処理装置40と二番処理装置45のみならず、排藁搬送装置65により搬送中の排藁に付着している枝梗粒および搬送排藁中に刺さっている刺さり粒等を回収し、脱穀ロスを軽減させる。
【0022】
前記排藁搬送装置65の下方には排藁刺さり粒回収板67を設け、刺さり粒回収板67は三番処理装置55の四番処理物受け板59に接続する(図12)。
したがって、排藁搬送装置65により搬送中の排藁に付着している枝梗粒および搬送排藁中に刺さっている刺さり粒等は、搬送中に刺さり粒回収板67上に落下し、刺さり粒回収板67上に落下した穀粒は刺さり粒回収板67により三番処理装置55の受樋56に誘導されて回収される。
図中、70は脱穀室12の側板、80は吸引排塵ファン、81はエンジン、82はミッションである。
【0023】
(実施例の作用)
走行装置2により走行し、刈り取り部4で刈り取った穀稈は穀稈供給搬送装置13の供給搬送チエン14により搬送されて、脱穀室12に供給され、脱穀室12の扱胴11で脱穀される。脱穀された脱穀物は、扱網18より揺動選別棚25に落下し、揺動選別棚25の揺動と送風唐箕19からの送風により選別され、穀粒は揺動選別棚25の選別網選別網31から一番コンベア34に回収され、一番コンベア34により回収された穀粒はグレンタンク5に貯留される。
【0024】
また、二番コンベア35に回収された二番物は二番還元装置46により二番処理装置45に還元され、二番処理装置45の二番処理胴47により再処理されて揺動選別棚25の始端部に拡散排出される。
また、穀稈供給搬送装置13により搬送された搬送穀稈は、脱穀室12で脱穀処理されると、脱穀室12の後方に設けた四番処理装置36で、回転する四番処理胴38の処理歯39により搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒が落下処理され、種々の経路を経て揺動選別棚25に回収される。
また、脱穀室12で脱穀された脱穀物のうち、扱網18より落下しない脱穀物の一部は排塵連通口44から排塵処理装置40に入って処理される。
また、揺動選別棚25上の処理物は風選室21で風選され、揺動選別棚25より落下しない処理物のうち藁屑・塵埃は吸引排塵ファン80により機外に吸引排出される。
【0025】
この場合、一番コンベア34に回収される穀粒を「一番物」、二番コンベア35に回収される穀粒と他の被処理物を「二番物」、揺動選別棚25上の被処理物と共に揺動選別棚25の後部から機外に排出される被処理物(含む穀粒)を「三番物」、排藁搬送装置65により搬送中の排藁に混入して機外に排出される穀粒、青米、その他のものを「四番物」と当業者は呼んでおり、本願では、三番処理装置55を設けているので、従来であれば、排塵処理装置40や二番処理装置45から揺動選別棚25に直接落下して排出されてしまう穀粒を三番処理装置55により回収して、三番ロスを低減させる。
【0026】
また、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】脱穀装置の側面図。
【図3】同平面図。
【図4】同平面図(二番処理胴および排塵処理胴省略)。
【図5】同背面図。
【図6】同一部斜視図。
【図7】同背面図。
【図8】同側面図。
【図9】同背面図。
【図10】同背面図。
【図11】同側面図。
【図12】同平面図。
【符号の説明】
【0028】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部、5…グレンタンク、6…操縦部、7…カッター、11…扱胴、12…脱穀室、13…穀稈供給搬送装置、14…供給搬送チエン、16…前板、17…脱穀室後板、18…扱網、19…送風唐箕、20…唐箕ケーシング、21…風選室、25…揺動選別棚、26…揺動選別装置、27…移送棚部、28…移送棚部、30…グレンシーブ、31…選別網、32…ストローラック、34…一番コンベア、35…二番コンベア、36…四番処理装置、37…仕切板、38…四番処理胴、39…処理歯、40…排塵処理装置、41…排塵処理胴、42…処理歯、43…処理網、44…排塵連通口、46…二番還元装置、47…二番処理胴、48…二番処理歯、49…二番処理網、50…排出羽根、51…二番処理物排出口、55…三番処理装置、56…受樋、57…三番処理胴、58…処理歯、59…四番処理物受け板、60…排出羽根、61…三番処理物排出口、63…網体、65…排藁搬送装置、66…チエン、67…刺さり粒回収板。
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脱穀室の側部後方に排塵処理室を設け、脱穀室の側方に扱胴の軸心と平行で外周に処理歯を有する処理胴を有する二番処理室を設け、該二番処理室の後部は排塵処理室の下方に位置させた構成は、公知である(特許文献1)
【特許文献1】特開2005−110689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、二番コンベアで戻された二番物および排塵処理室から落下する穀粒を、二番処理装置の二番処理胴により揺動選別棚の始端部に戻して再処理する構成であるが、脱穀済み穀稈(排藁)中に刺さり込んだ穀粒は、そのまま、排藁と共に機外に排出されてしまうので、当業者が「四番物」と呼ぶ穀粒が機外に排出されて脱穀のロスになるという課題がある。
本願は、四番物のロスを減少させて、脱穀効率を向上させるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上部に扱胴11を軸装した脱穀室12を設け、脱穀室12の扱網18の下方に、送風唐箕19からの送風と揺動により穀粒とその他の処理物を風選する揺動選別棚25により構成した揺動選別装置26を設け、前記脱穀室12の後方には搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒を落下処理させる処理歯39を設けた四番処理胴38を軸装して構成する四番処理装置36を設け、前記脱穀室12の後側側部には、前記扱胴11の軸心と略平行で外周に処理歯42を有する排塵処理胴41を軸装し、脱穀室12と排塵連通口44により連通する排塵処理装置40を設け、前記脱穀室12の側部には扱胴11の軸心と略平行で外周に二番処理歯48を有する二番処理胴47を軸装し、揺動選別棚25の下方の二番コンベア35により回収された二番物を還元処理する二番処理装置45を設け、前記四番処理装置36の近傍には該四番処理装置36から排出される穀粒と前記排塵処理装置40から排出される穀粒を回収して、前記揺動選別棚25の始端部に搬送する三番処理置55を設けた脱穀装置としたものであり、穀稈供給搬送装置13により搬送された穀稈は脱穀室12内に供給され、回転する扱胴11により脱穀され、脱穀された脱穀物(被処理物)は扱網18から下方の揺動選別棚25に落下し、揺動選別棚25の揺動と送風唐箕19の送風により選別され、穀粒は一番コンベア34から回収される。
また、穀稈供給搬送装置13により搬送された搬送穀稈は、脱穀室12で脱穀処理されると、脱穀室12の後方に設けた四番処理装置36では、回転する四番処理胴38の処理歯39により搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒を落下処理し、種々の経路を経て一番コンベア34に回収される。
また、脱穀室12で脱穀された脱穀物のうち、扱網18より落下しない脱穀物の一部は排塵連通口44から排塵処理装置40に入って処理される。
また、脱穀室12で脱穀されて扱網18から落下しない処理物は、排塵処理装置40に入り、排塵処理装置40内で回転する排塵処理胴41の処理歯42により攪拌処理される。
また、二番コンベアに回収された二番物は、二番処理装置45に還元され、二番処理胴47の二番処理歯48により攪拌処理され、二番処理装置45の二番処理物排出口51から、揺動選別棚25の始端部に落下して再処理される。
そして、四番処理装置36と、排塵処理装置40と、脱穀室12と、二番処理装置45のそれぞれから落下した穀粒は、三番処理装置55の受樋56に入り、三番処理胴57により揺動選別棚25の始端部に戻されて再処理される。
本発明は、前記三番処理装置55は、扱胴11の軸芯と平行方向の受樋56を設け、受樋56内に処理歯58を有する三番処理胴57を設けて構成し、前記受樋56には、前記四番処理装置36の下方に設けた四番処理物受け板59を接続した脱穀装置としたものであり、三番処理装置55の受樋56には四番処理物受け板59を設けているから、四番処理装置36の下方から落下した四番処理物を四番処理物受け板59が受け止めて、受樋56に誘導して回収する。
本発明は、三番処理装置55の三番処理胴57は、背面視、扱胴11の軸芯より下方に設け、該扱胴11と共に反時計回転に回転させるように構成した脱穀装置としたものであり、三番処理装置55の三番処理胴57は、扱胴11と共に反時計回転するので、四番処理装置36から遠心力により飛散する穀粒の回収が円滑に行われる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、四番処理装置36と、排塵処理装置40と、脱穀室12と、二番処理装置45のそれぞれから落下した穀粒を、三番処理装置55により揺動選別棚25の始端部に戻して再処理するので、三番物および四番物のロスを減少させて、脱穀効率を向上させることができる。
請求項2の発明では、四番処理装置36から落下する四番処理物を四番処理物受け板59が受け止めて、三番処理装置55の受樋56に誘導回収して、三番物および四番物のロスを減少させて、脱穀効率を向上させることができる。
請求項3の発明では、四番処理装置36から遠心力により飛散する穀粒を、三番処理装置55の受樋56に円滑に誘導して回収でき、三番物および四番物のロスを減少させて、脱穀効率を向上させることができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施例をコンバインの図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は機体フレーム1の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、6はグレンタンク5の前側に設けた操縦部、7は脱穀装置3の後側に設けたカッターである。
前記脱穀装置3は、上部に扱歯10を有する扱胴11を略水平に軸装した脱穀室12を設け、脱穀室12の一側には前記刈取部により刈り取った穀稈を供給搬送する穀稈供給搬送装置13の供給搬送チエン14を設けている(図3)。なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して以下説明するが、これにより構成が限定されるものではない。
【0007】
扱胴11は脱穀装置3の前板16と脱穀室後板17に軸装し、扱胴11の主として下方側は扱網18により包囲している。扱網18の下方には送風唐箕19の唐箕ケーシング20唐箕ケーシング20を設ける。前記脱穀室12の下方には前記送風唐箕19の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室21を形成し、風選室21内には、送風唐箕19の送風方向(前後方向)に往復揺動する揺動選別棚25により構成した揺動選別装置26を設ける。
揺動選別装置26の構成は任意であるが、一例を示すと、前記揺動選別棚25の始端部(前端部)を唐箕ケーシング20の上方に位置させて上下二段に並設した移送棚部27、28に形成する。各移送棚部27、28の上面には突起や凹凸を設けて揺動選別装置26の移送方向下手側に扱網18からの落下物を移送できればよい。
【0008】
上側移送棚部27の移送方向下手側にはグレンシーブ30を設ける。グレンシーブ30は、扱網18より落下した穀粒と異物とを選別するものであり、所定間隔をおいて揺動方向に複数並設する。グレンシーブ30は、薄い平板形状に形成し、移送方向の下手側(後側)が高くなるように傾斜させて設ける。
下側移送棚部28の始端部は上側移送棚部27よりも前側に位置させ、下側移送棚部28の移送方向下手側には選別網31を設ける。選別網31はグレンシーブ30より落下した穀粒と異物とを選別するものである。
【0009】
グレンシーブ30の下方から移送方向の下手側(後側)のストローラック32を設ける。 揺動選別棚25の下方には一番コンベア34を設け、一番コンベア34の後側には二番コンベア35を設ける。
しかして、扱胴11の後方(終端側)には、四番処理装置36を設ける。四番処理装置36は、脱穀室後板17の後方に仕切板37を設け、脱穀室後板17と仕切板37との間に四番処理胴38を軸装して構成する。四番処理装置36は搬送中の搬送穀稈の枝梗粒および搬送穀稈中に刺さっている刺さり粒等を四番処理胴38により落下処理するものである。実施例の四番処理装置36は、脱穀室12の後部に四番処理胴38を一体状に形成し、四番処理胴38の外周には処理歯39を設ける。処理歯39は、搬送穀稈中に刺さっている刺さり粒を落下させるのものであり、この点、穀稈から穀粒を分離する脱穀作用を奏する扱歯10と区別される。四番処理装置36は扱胴11の終端の扱歯10と四番処理胴38の始端部の処理歯39の間の外周を脱穀室後板17により包囲し、脱穀室後板17と仕切板37との間に形成する。
【0010】
前記脱穀室12の後部および四番処理装置36の側方には、排塵処理装置40を設ける。排塵処理装置40は、扱胴11の軸心と略平行な排塵処理胴41を軸装して構成する。排塵処理胴41の外周には処理歯42を設け、処理歯42の主として下方側は処理網43により包囲する。排塵処理装置40は、脱穀室12の後部に設けた排塵連通口44により脱穀室12と連通させている。
前記脱穀室12の側方には、二番コンベア35により回収された二番物を処理する二番処理装置45を設ける。二番処理装置45の始端部上方には二番還元装置46の先端を開口させ、二番還元装置46の基部は二番コンベア35の終端に接続している。二番処理装置45は排塵処理胴41と同心状に二番処理胴47を軸装し、二番処理胴47の外周には二番処理歯を設け、二番処理胴47の主として下方側は二番処理網49により包囲する。二番処理歯48は、穀稈供給搬送装置13の搬送方向と反対に揺動選別棚25の始端部(前端部)側に二番処理物を移送するように配置する。
【0011】
二番処理胴47の先端外周には二番処理胴47の軸心と略平行な排出羽根50を設け、排出羽根50の略直下に二番処理物排出口を形成し、二番処理物排出口51は下側移送棚部28の始端部上方に開口させる。
【0012】
しかして、脱穀装置3内には、四番処理装置36から排出される穀粒と排塵処理装置40から排出される穀粒を回収して、揺動選別棚25の始端部に搬送する三番処理装置55を設ける。三番処理装置55は、四番処理装置36および排塵処理装置40から排出される穀粒を、揺動選別棚25の中間部に直接落下させずに回収して、揺動選別棚25の始端部まで搬送するので、選別ロスを低減させて、脱穀能力を向上させる。
即ち、揺動選別棚25の中間部上面では、大量の藁屑が移動中であり、この状態の揺動選別棚25の中間部に四番処理装置36および排塵処理装置40から排出された穀粒を落下させても、そのまま揺動選別棚25により機外に排出されて選別ロスとなってしまうが、三番処理装置55により回収して藁屑発生の少ない揺動選別棚25の始端部に戻すので、一番コンベア34により回収する回収効率を向上させる。
【0013】
また、三番処理装置55を設けることにより脱穀室12の負荷も軽減させ、特に、早朝や高水分穀稈の脱穀の場合、負荷は大きく、三番処理装置55はこの負荷の軽減に貢献する。
【0014】
前記三番処理装置55は、扱胴11の軸芯と平行方向の受樋56を設け、受樋56内に三番処理胴57を設けて構成し、受樋56の外周には螺旋状の処理歯58を設け、受樋56内に回収された回収物を揺動選別棚25の始端部に搬送中に三番処理胴57の回転により枝梗粒や搬送穀稈中に刺さっている刺さり粒等の再処理も期待する。
前記受樋56には、四番処理物受け板59を設ける。四番処理物受け板59は四番処理装置36の下方から落下した四番処理物を受樋56に回収するように設ける。
したがって、四番処理装置36による処理で発生した穀粒を効率よく回収でき、また、脱穀室12や揺動選別棚25の負荷も軽減する。
【0015】
しかして、三番処理装置55の三番処理胴57は、背面視、扱胴11(四番処理胴38)の軸芯より右側下方に設け、扱胴11と共に反時計回転に回転させると(図5)、四番処理装置36から遠心力により飛散する穀粒の回収(取り込み)が円滑に行われて、好適である。
【0016】
図7は三番処理装置55の他の実施例であり、扱胴11は反時計回転方向に回転させ、三番処理胴57は時計回転方向に回転させ、刺さり穀粒の回収効率を向上させている。
【0017】
三番処理胴57の先端外周には三番処理胴57の軸心と略平行な排出羽根60を設け、排出羽根60の略直下に三番処理物排出口61を形成し、三番処理物排出口61は下側移送棚部28の始端部上方に開口させる。
したがって、三番処理装置55は、三番処理物排出口61で排出羽根60を時計回転方向に回転させ、移送棚部28への穀粒の排出を拡散させ、揺動選別棚25の選別性能を向上させる。
【0018】
しかして、 図8,9は三番処理装置55の実施例であり、三番処理装置55を二番処理装置45の二番処理物排出口51の下方まで延長配置して、三番処理胴57は背面視時計回転方向に回転させ、二番処理物排出口51より落下した二番処理物を回収して揺動選別棚25の始端部に排出羽根60により拡散排出させる。
したがって、三番処理装置55は、四番処理装置36と排塵処理装置40と二番処理装置45からの穀粒の回収効率を向上させる。
【0019】
しかして、 図10は、四番処理装置36と三番処理装置55の他の実施例であり、四番処理装置36の背面視左側略半分は網体63により包囲し、四番処理装置36の背面視右側略半分は四番処理物受け板59により包囲する。四番処理装置36の左側で比重の軽い藁屑を網体63より下方の揺動選別棚25に落下させ、四番処理装置36で搬送穀稈より回収した刺さり粒は、四番処理物受け板59を介して三番処理装置55の受樋56に回収する。
したがって、藁屑と穀粒の分離を良好にする。
この場合、網体63の目合は扱網脱穀室12の目合より大きく形成し、藁屑の落下を良好にすると、好適である。
【0020】
しかして、図11は、二番処理装置45と三番処理装置55の実施例であり、三番処理装置55の前方に設けた排出羽根60により排出する穀粒と、二番処理胴47の前方に設けた二番処理物排出口51から排出する穀粒とを、揺動選別棚25の始端部に拡散排出させるように構成する。
したがって、二番処理装置45と三番処理装置55の両方から穀粒を揺動選別棚25の左側方向に拡散排出するので、穀粒は揺動選別棚25上に均等に分散させることができ、揺動選別棚25の選別性能を向上させる。
【0021】
しかして、穀稈供給搬送装置13の供給搬送チエン14の終端には、排藁搬送装置65を設け、排藁搬送装置65の下方には三番処理装置55を設ける(図12)。
したがって、三番処理装置55は、四番処理装置36と排塵処理装置40と二番処理装置45のみならず、排藁搬送装置65により搬送中の排藁に付着している枝梗粒および搬送排藁中に刺さっている刺さり粒等を回収し、脱穀ロスを軽減させる。
【0022】
前記排藁搬送装置65の下方には排藁刺さり粒回収板67を設け、刺さり粒回収板67は三番処理装置55の四番処理物受け板59に接続する(図12)。
したがって、排藁搬送装置65により搬送中の排藁に付着している枝梗粒および搬送排藁中に刺さっている刺さり粒等は、搬送中に刺さり粒回収板67上に落下し、刺さり粒回収板67上に落下した穀粒は刺さり粒回収板67により三番処理装置55の受樋56に誘導されて回収される。
図中、70は脱穀室12の側板、80は吸引排塵ファン、81はエンジン、82はミッションである。
【0023】
(実施例の作用)
走行装置2により走行し、刈り取り部4で刈り取った穀稈は穀稈供給搬送装置13の供給搬送チエン14により搬送されて、脱穀室12に供給され、脱穀室12の扱胴11で脱穀される。脱穀された脱穀物は、扱網18より揺動選別棚25に落下し、揺動選別棚25の揺動と送風唐箕19からの送風により選別され、穀粒は揺動選別棚25の選別網選別網31から一番コンベア34に回収され、一番コンベア34により回収された穀粒はグレンタンク5に貯留される。
【0024】
また、二番コンベア35に回収された二番物は二番還元装置46により二番処理装置45に還元され、二番処理装置45の二番処理胴47により再処理されて揺動選別棚25の始端部に拡散排出される。
また、穀稈供給搬送装置13により搬送された搬送穀稈は、脱穀室12で脱穀処理されると、脱穀室12の後方に設けた四番処理装置36で、回転する四番処理胴38の処理歯39により搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒が落下処理され、種々の経路を経て揺動選別棚25に回収される。
また、脱穀室12で脱穀された脱穀物のうち、扱網18より落下しない脱穀物の一部は排塵連通口44から排塵処理装置40に入って処理される。
また、揺動選別棚25上の処理物は風選室21で風選され、揺動選別棚25より落下しない処理物のうち藁屑・塵埃は吸引排塵ファン80により機外に吸引排出される。
【0025】
この場合、一番コンベア34に回収される穀粒を「一番物」、二番コンベア35に回収される穀粒と他の被処理物を「二番物」、揺動選別棚25上の被処理物と共に揺動選別棚25の後部から機外に排出される被処理物(含む穀粒)を「三番物」、排藁搬送装置65により搬送中の排藁に混入して機外に排出される穀粒、青米、その他のものを「四番物」と当業者は呼んでおり、本願では、三番処理装置55を設けているので、従来であれば、排塵処理装置40や二番処理装置45から揺動選別棚25に直接落下して排出されてしまう穀粒を三番処理装置55により回収して、三番ロスを低減させる。
【0026】
また、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】脱穀装置の側面図。
【図3】同平面図。
【図4】同平面図(二番処理胴および排塵処理胴省略)。
【図5】同背面図。
【図6】同一部斜視図。
【図7】同背面図。
【図8】同側面図。
【図9】同背面図。
【図10】同背面図。
【図11】同側面図。
【図12】同平面図。
【符号の説明】
【0028】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部、5…グレンタンク、6…操縦部、7…カッター、11…扱胴、12…脱穀室、13…穀稈供給搬送装置、14…供給搬送チエン、16…前板、17…脱穀室後板、18…扱網、19…送風唐箕、20…唐箕ケーシング、21…風選室、25…揺動選別棚、26…揺動選別装置、27…移送棚部、28…移送棚部、30…グレンシーブ、31…選別網、32…ストローラック、34…一番コンベア、35…二番コンベア、36…四番処理装置、37…仕切板、38…四番処理胴、39…処理歯、40…排塵処理装置、41…排塵処理胴、42…処理歯、43…処理網、44…排塵連通口、46…二番還元装置、47…二番処理胴、48…二番処理歯、49…二番処理網、50…排出羽根、51…二番処理物排出口、55…三番処理装置、56…受樋、57…三番処理胴、58…処理歯、59…四番処理物受け板、60…排出羽根、61…三番処理物排出口、63…網体、65…排藁搬送装置、66…チエン、67…刺さり粒回収板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に扱胴(11)を軸装した脱穀室(12)を設け、脱穀室(12)の扱網(18)の下方に、送風唐箕(19)からの送風と揺動により穀粒とその他の処理物を風選する揺動選別棚(25)により構成した揺動選別装置(26)を設け、前記脱穀室(12)の後方には搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒を落下処理させる処理歯(39)を設けた四番処理胴(38)を軸装して構成する四番処理装置(36)を設け、前記脱穀室(12)の後側側部には、前記扱胴(11)の軸心と略平行で外周に処理歯(42)を有する排塵処理胴(41)を軸装し、脱穀室(12)と排塵連通口(44)により連通する排塵処理装置(40)を設け、前記脱穀室(12)の側部には扱胴(11)の軸心と略平行で外周に二番処理歯(48)を有する二番処理胴(47)を軸装し、揺動選別棚(25)の下方の二番コンベア(35)により回収された二番物を還元処理する二番処理装置(45)を設け、前記四番処理装置(36)の近傍には該四番処理装置(36)から排出される穀粒と前記排塵処理装置(40)から排出される穀粒を回収して、前記揺動選別棚(25)の始端部に搬送する三番処理置(55)を設けた脱穀装置。
【請求項2】
請求項1において、前記三番処理装置(55)は、扱胴(11)の軸芯と平行方向の受樋(56)を設け、受樋(56)内に処理歯(58)を有する三番処理胴(57)を設けて構成し、前記受樋(56)には、前記四番処理装置(36)の下方に設けた四番処理物受け板(59)を接続した脱穀装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、三番処理装置(55)の三番処理胴(57)は、背面視、扱胴(11)の軸芯より下方に設け、該扱胴(11)と共に反時計回転に回転させるように構成した脱穀装置。
【請求項1】
上部に扱胴(11)を軸装した脱穀室(12)を設け、脱穀室(12)の扱網(18)の下方に、送風唐箕(19)からの送風と揺動により穀粒とその他の処理物を風選する揺動選別棚(25)により構成した揺動選別装置(26)を設け、前記脱穀室(12)の後方には搬送穀稈中に刺さり込んでいる刺さり粒を落下処理させる処理歯(39)を設けた四番処理胴(38)を軸装して構成する四番処理装置(36)を設け、前記脱穀室(12)の後側側部には、前記扱胴(11)の軸心と略平行で外周に処理歯(42)を有する排塵処理胴(41)を軸装し、脱穀室(12)と排塵連通口(44)により連通する排塵処理装置(40)を設け、前記脱穀室(12)の側部には扱胴(11)の軸心と略平行で外周に二番処理歯(48)を有する二番処理胴(47)を軸装し、揺動選別棚(25)の下方の二番コンベア(35)により回収された二番物を還元処理する二番処理装置(45)を設け、前記四番処理装置(36)の近傍には該四番処理装置(36)から排出される穀粒と前記排塵処理装置(40)から排出される穀粒を回収して、前記揺動選別棚(25)の始端部に搬送する三番処理置(55)を設けた脱穀装置。
【請求項2】
請求項1において、前記三番処理装置(55)は、扱胴(11)の軸芯と平行方向の受樋(56)を設け、受樋(56)内に処理歯(58)を有する三番処理胴(57)を設けて構成し、前記受樋(56)には、前記四番処理装置(36)の下方に設けた四番処理物受け板(59)を接続した脱穀装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、三番処理装置(55)の三番処理胴(57)は、背面視、扱胴(11)の軸芯より下方に設け、該扱胴(11)と共に反時計回転に回転させるように構成した脱穀装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−22748(P2008−22748A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197350(P2006−197350)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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