説明

脱穀装置

【課題】脱粒性の良い穀稈を藁屑類の発生を抑制しながら円滑に脱穀処理する。
【解決手段】扱室10内には前後方向の扱胴軸回りに回転する扱胴11を設け、扱室10の左右一側には前後方向の軸回りに回転する非連続の処理歯付き二番処理胴16の内装されている二番処理室15を設け、二番処理室15の後方には連続した処理歯付き排塵処理胴19の内装されている排塵処理室18を設け、扱室10、二番処理室15及び排塵処理室18の下方には揺動選別棚29を設ける。そして、扱胴11の外周面に扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の回転方向に対して回転下手側が後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、扱胴11の前側部の扱歯12,…の後送り傾斜角度よりも後側部の扱歯12,…の後送り傾斜角度を大きく構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン等の脱穀装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインの脱穀装置において、扱室の一側には二番処理胴を内装した二番処理室を配設し、この二番処理室の後方には排塵処理胴を内装した排塵処理室を設け、扱室の終端部から脱穀処理物が排塵処理室に供給されて脱穀処理され、扱室の受網から漏過した脱穀処理物及び下方の揺動選別棚で選別された二番物が二番処理室に供給されて脱穀処理されて、揺動選別棚の前側部に供給するように構成したものは公知である(特許文献1)。
【0003】
また、特許文献1の脱穀装置には、扱胴の後方にササリ落し胴を設け、ササリ落し胴には、扱胴の回転方向に対して所定角度傾斜させたササリ落し歯を設ける技術が記載されている。
【0004】
脱穀装置において、扱胴ドラムの外周面に、周方向に所定ピッチで、且つ、扱胴軸心方向に多数列に亘って扱歯を回転方向に沿うように植設したものは公知である(特許文献2)。
【特許文献1】特開2006−67837号公報
【特許文献2】特開2005−253388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術のように扱胴の扱歯を回転方向に沿うように植設したものでは、脱粒性の良い穀稈であると、脱穀時の後送り作用が弱く、藁屑類が多量に発生し、扱室から脱穀物を排塵処理室に引き継ぐ際に詰まりが生じるという不具合があった。そこで、この発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、扱室(10)内には前後方向の扱胴軸回りに回転する扱胴(11)を設け、前記扱室(10)の左右一側には前後方向の軸回りに回転し且つ前記扱室(10)の受網(13)から漏過した脱穀処理物及び揺動選別棚(29)からの還元二番物を脱穀処理する非連続の処理歯付き二番処理胴(16)の内装されている二番処理室(15)を設け、該二番処理室(15)の後方には連続した処理歯付き排塵処理胴(19)が内装されていて、且つ、前記扱室(10)後部からの脱穀処理物を受け継いで脱穀処理する排塵処理室(18)を設け、前記扱室(10)、二番処理室(15)及び排塵処理室(18)の下方には揺動選別棚(29)を設け、前記扱胴(11)の外周面に扱歯(12,…)を配設するにあたり、扱胴(11)の回転方向に対して後送り傾斜状に扱歯(12,…)を配設し、扱胴(11)の前側部の扱歯(12,…)の後送り傾斜角度よりも後側部の扱歯(12,…)の後送り傾斜角度を大きく構成したことを特徴とする脱穀装置とする。
【0007】
前記構成によると、扱胴(11)の前側部の後送り傾斜角度の小さな扱歯(12,…)により、穀稈が小さく後送りされながら脱穀処理され、また、扱胴(11)の後側部の後送り傾斜角度の大きな扱歯(12,…)により、穀稈が速く送られながら脱穀処理され脱穀物が排塵処理室(18)に供給される。また、扱室(10)から排塵処理室(18)に供給された脱穀処理物は、排塵処理胴(19)の連続した処理歯により穀粒の脱っぷを抑制しながら脱穀処理され下方の揺動選別棚(29)に供給される。また、二番処理室(15)には扱室(10)の受網(13)から漏過した脱穀処理物及び揺動選別棚(29)からの還元二番物が供給され、二番処理胴(16)の非連続の処理歯により熟れが処理されながら脱穀処理され揺動選別棚(29)に供給される。
【0008】
請求項2の発明は、扱胴(11)の前記扱歯(12,…)をソリッド型の扱歯に構成したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置とする。
前記構成によると、請求項1記載の発明の前記作用に加えて、ソリッド型の扱歯(12,…)により扱歯(12,…)への藁屑類の絡みつきを防止し藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理することができる。
【0009】
請求項3の発明は、扱室(10)内には前後方向の扱胴軸回りに回転する扱胴(11)を設け、前記扱室(10)の左右一側には前後方向の軸回りに回転し且つ前記扱室(10)の受網(13)から漏過した脱穀処理物及び揺動選別棚(29)からの還元二番物を脱穀処理する非連続の処理歯付き二番処理胴(16)の内装されている二番処理室(15)を設け、該二番処理室(15)の後方には連続した処理歯付きの排塵処理胴(19)が内装されていて、且つ、前記扱室(10)後部からの脱穀処理物を受け継いで脱穀処理する排塵処理室(18)を設け、前記扱室(10)、二番処理室(15)及び排塵処理室(18)の下方には揺動選別棚(29)を設け、前記扱胴(11)の外周面に扱歯(12,…)を配設するにあたり、扱胴(11)の前側部には回転方向に対して後送り傾斜に扱歯(12,…)を配設し、前記扱胴(11)の後側部の前記排塵処理室(18)の前側部の引継ぎ部には回転方向に沿うように扱歯(12,…)を配設したことを特徴とする脱穀装置とする。
【0010】
前記構成によると、扱室(10)では扱胴(11)の前側部の送り方向に傾斜した扱歯(12,…)により、穀稈は後側に送られながら脱穀処理され、扱胴(11)の後側部の塵処理室(18)の前側部の引継ぎ部では、回転方向に沿う扱歯(12,…)により脱穀処理されて脱穀物は排塵処理室(18)に送り込まれる。また、扱室(10)から排塵処理室(18)に供給された脱穀処理物は、排塵処理胴(19)の連続した処理歯により穀粒の脱っぷを抑制しながら脱穀処理されて下方の揺動選別棚(29)に供給される。また、二番処理室(15)には扱室(10)の受網(13)から漏過した脱穀処理物及び揺動選別棚(29)からの還元二番物が供給され、二番処理胴(16)の非連続の処理歯により熟れが処理されながら脱穀処理され揺動選別棚(29)に供給される。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明は、脱粒性の良い穀稈に対して藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、扱室(10)から排塵処理室(18)へ藁屑類の詰まりもなく円滑に送り込むことができ、馬力ロス及び穀粒ロスを少なくすることができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明の前記効果に加えて、扱胴(11)の後側部(11d)のソリッド型の扱歯(12,…)により、藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し排塵処理室(18)に円滑に送り込むことができる。
【0013】
請求項3の発明は、脱粒性の良い穀稈に対して藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、扱室(10)から排塵処理室(18)へ藁屑類の詰まりもなく円滑に送り込むことができ、馬力ロス及び穀粒ロスを少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。
図1にはコンバイン1の全体側面図が図示されている。コンバイン1の走行車台2の下方には左右一対の走行クローラ3,3を配設し、走行車台2上には、右側前部に操縦席4を、左側前部に脱穀部5を、操縦席4の後方にグレンタンク6を、脱穀部5及びグレンタンク6の後方に排稾処理装置7をそれぞれ配設している。脱穀部5の前方には、植立穀稈を引越しながら刈り取り後方の脱穀部5に搬送供給する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。
【0015】
次に、図2及び図3に基づき脱穀部5について説明する。図2は脱穀部5の切断側面図、図3は脱穀部5の切断正面図である。
扱室10内には前後方向の扱胴軸11aにより扱胴11を軸架し、扱胴11の外周面には多数の扱歯12,…を取り付け、扱胴11の下部外周を受網13で覆っている。扱室10の右側方(図3の左側)に二番処理室15を設け、この二番処理室15の後方に排塵処理室18を前後方向に沿うように設け、二番処理室15と排塵処理室18との間を仕切壁17により仕切っている。二番処理室15には前後方向の二番処理胴軸16aにより処理歯16b,…付きの二番処理胴16を軸架し、二番処理胴16の処理歯16b,…を、例えば、小さな板体を多数離間させた不連続状の処理歯で構成し、二番処理室15の二番処理胴16の下方を無孔あるいは有孔の底板15aで覆い、また、二番処理室15の後側端部の仕切壁17の前側部に後述の二番揚穀機35からの二番物を揚穀還元するように構成している。
【0016】
また、排塵処理室18には前後方向の排塵処理胴軸19aにより処理歯19b,…付きの排塵処理胴19を軸架し、排塵処理胴19の下方を無孔の底板18aにより覆っている。二番処理胴軸16aと排塵処理胴軸19aとを同一軸心状に連結して一体的に回転するようにし、機体前側から二番処理胴軸16aに動力を伝達したり、あるいは、機体後側から排塵処理胴軸19aに動力を伝達するように構成している。扱室10の後側部に排塵処理室18側に向けて開口している連通口10aから、排塵処理胴19の前側端部に脱穀処理物を引き継ぐように構成し、排塵処理胴19の処理歯19b,…を連続したラセン処理歯に構成し、扱室10から引き継いだ脱穀処理物を藁屑類の発生を抑制しながら脱穀するようにしている。
【0017】
また、二番処理胴16の扱室10に近い側を上側に向けて回転するように構成し、扱胴11の二番処理胴16に近い側を上側に向けて回転するように構成している。扱室10の左側方(図3では右側)には脱穀用穀稈を移送するフィードチエン21を設け、フィードチエン21の搬送下手側には排藁搬送装置(図示省略)を設け、脱穀済み排藁を後方の排稾処理装置7に搬送するように構成している。
【0018】
また、扱室10の下方から後方にかけて選別部26を設けている。選別部26の前側部の唐箕27から選別風路28に後側に向けて流れるように選別風を送り、選別風路28には前後斜め上下に往復揺動する揺動選別棚29を配設している。揺動選別棚29の上側部には、前側から後側に向けてグレンパン29a、チャフシーブ29b及びストローラック29cからなる粗選別部を構成し、揺動選別棚29の下側部には前側から後側に向けて下部グレンパン29d及び網体の下部グレンシーブ29eからなる精選別部を構成している。そして、扱室10、排塵処理室18及び二番処理室15から落下する脱穀処理物を受けて、後側に揺動移送しながら比重選別するように構成している。
【0019】
選別風路28の底部前側部に選別一番穀粒を受ける一番ラセン31a付きの一番受樋31を設け、底部後側部に選別二番物を受ける二番ラセン32a付きの二番受樋32を設け、選別風路28の後側終端部で且つ揺動選別棚29の後端側上方部位に横断流ファン33を配設し、揺動選別棚29で選別されながら後側に送られる軽い藁屑類、及び、排塵処理室18から排出される軽い藁屑類を機外に吸引排出するように構成している。
【0020】
また、一番受樋31に選別された穀粒は一番揚穀機(図示省略)により前記グレンタンク6に揚穀収納され、また、二番受樋32に選別された二番物は二番揚穀機35により揚穀されて二番処理室15の後側端部に供給され、二番処理胴16の処理歯16b,…により前側に送られながら脱穀処理され、二番処理室15の前側部から揺動選別棚29の前側部に落下供給されて選別される。
【0021】
前記構成によると、フィードチエン21により穀稈が扱室10に供給され後側に向けて搬送されると、回転している扱胴11の扱歯12,…と受網13により脱穀され、受網13から漏過した穀粒や枝梗、穂切れ粒は揺動選別棚29の前側部に落下し選別される。また、比較的大きな藁屑類の多い脱穀処理物は扱室10の後側端部の連通口10aを経て排塵処理室18に送り込まれ、排塵処理胴19の処理歯19b,…により後側に送られながら脱穀処理され、後部の排出口から揺動選別棚29の後側部に落下し選別される。
【0022】
また、扱室10で脱穀処理中の一部の枝梗粒や穂切れ粒は受網13を通って二番処理室15に漏過供給され、また、揺動選別棚29により選別された二番物は二番揚穀機35を経由して揚穀還元されて二番処理室15の後側部に供給され、これらの脱穀処理物は前二番処理胴20の処理歯20b,…により前側に送られながら脱穀処理され、前側部の排出口15bから揺動選別棚29の前側部に落下供給され選別される。
【0023】
次に、図4により扱胴11に配設する扱歯12,…について説明する。図4には扱胴11に配設した扱歯12,…の展開図が図示されている。なお、図4の右側がフィードチエン21側、左側が二番処理室15側、下側が前側部、上側が後側部である。
【0024】
扱歯12は図3に示すように、側面視逆V字型に構成されていて、扱胴11の前後一対の取付孔(図示省略)に扱歯12の前後端部を挿入し、ボルト・ナット(図示省略)により取り付けいる。そして、扱胴11の外周面に多数の扱歯12,…を前後方向及び回転方向にずらしてラセン状になるように配設している。扱胴11の下部外周を覆う受網13には、前側から後側にかけて前仕切板41a、中仕切板41b及び前記仕切板17,…を扱胴11の回転方向に沿わせて設けている。そしてこの前中仕切板41a,41b及び仕切板17の上側端部を受網13よりも上方に突出させ、且つ、扱歯12の先端部に前中仕切板41a,41bの上端が少し食い込むように構成して、脱穀物の後側への移動を遅らせ脱穀物の熟れを促進するように構成している。
【0025】
扱胴11の周面に扱歯12,…を配設するにあたり、図4に示すように、前側部の前仕切板41aまでの部分には、図3で時計方向に回転する扱胴11に、扱歯12,…を回転方向に沿うように取り付け、また、扱胴11の前仕切板41aから後仕切板14b及び仕切壁17までに対応する中途部11c、及び、仕切壁17から後側の後側部11dでは、回転方向に対して扱歯12の回転下手側ほど後側に位置するように後送り状の傾斜角度β,γを形成するように斜設している。そして、傾斜角度γを傾斜角度βより大きく構成している。
【0026】
前記構成によると、扱室10の前側部11bの扱胴11の前側部では、回転方向に沿う扱歯12,…12により搬送穀稈を扱室10に円滑に導入し、また、扱胴11の中途部11cでは、小さな後送り傾斜角度βの扱歯12,…により後側に小さく送りながら穀稈を脱穀し、また、扱胴11の後側部11dでは、大きな傾斜角度γの扱歯12,…により後側に大きく送りながら脱穀処理し、藁屑類を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0027】
従って、中国や台湾の脱粒性の良い穀稈に対して藁屑類の発生を抑制し、扱室10から排塵処理室18への引継ぎ部に藁屑類の詰まりを防止しながら送り込むことができ、馬力ロス及び穀粒ロスの少ない脱穀装置を提供することができる。
【0028】
また、図4に示す実施形態において、図3に示すように、扱歯12,…の逆V字型の内部に小形の逆V字型扱歯12bあるいは小形の板体を挿入固着したソリッド型の扱歯により構成してもよい。
【0029】
前記構成によると、扱歯12,…の逆V字型の内部に藁屑類が絡まりつくようなこともなく、中途部11cでの藁屑類の発生を抑制し、扱胴11の後側部11dの扱歯12,…により脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0030】
また、扱胴11の周面に扱歯12,…を配設するにあたり、図5に示すように、前側部11b及び中途部11cの部分には、図3で時計方向に回転する扱胴11に、回転方向に対して扱歯12の回転下手側ほど後側に位置するように後送り状の後送り傾斜角度α,βを形成するように斜設し、扱胴11の後部11dの部分では、扱歯12,…を回転方向に沿うように取り付け、扱歯12,…の逆V字型の内部に板状体を挿入固着したソリッド型の扱歯により構成してもよい。
【0031】
前記構成によると、扱室10の前側部11bの扱胴11の前側部11bでは、後送り傾斜状の扱歯12,…12により搬送穀稈を後側に送りながら扱室10に円滑に導入し、また、扱胴11の中途部11cでは、後傾斜状の扱歯12,…により後側に送りながら穀稈を脱穀しながら穀稈を速く後側に送り、また、扱胴11の後側部11dでは、回転方向に沿った扱歯12,…により脱穀処理しながら、藁屑類を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0032】
前記構成によると、扱胴11の扱歯12,…の逆V字型の内部に藁屑類が絡まりつくようなこともなく、穀稈を後側に速く送りながら脱穀し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0033】
また、図4の実施形態において、次のように構成してもよい。即ち、扱歯12,…を扱胴11の回転方向に対してわずかに後送り傾斜状にして配設するにあたり、扱胴11の中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを、扱胴11の後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γよりも大きく構成し、扱胴11の前側部11bでは、回転方向に沿うように扱歯12,…12の構成する。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0034】
前記構成によると、扱歯12,…の逆V字型の内部に藁屑類が絡まりつくようなこともなく、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により、扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀し、扱胴11の後側部11dでは後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…により脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に迅速に送り込むことができる。
【0035】
また、図4の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bには扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように前後に傾斜しないように配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには扱歯12,…を扱胴11の回転方向に対してわずかに後送り傾斜状に配設するにあたり、扱胴11の中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを、扱胴11の後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γよりも小さく構成する。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0036】
前記構成によると、扱歯の逆V字型の内部に藁屑類が絡まりつくようなこともなく、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀し、また、扱胴11の後側部11dの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀し、脱穀物の停滞を防止しながら連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0037】
また、図4の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bには扱胴11の回転方向に沿うように扱歯12,…を配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜状にして扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを、扱胴11の後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γよりも大きく構成し、そして、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0038】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀し、また、扱胴11の後側部11dの後送り傾斜角度の小さなソリッド型の扱歯12,…により、後側への送りを抑制しながら脱穀し、扱歯12,…への藁屑類の絡みつきを抑制しながら脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0039】
また、図4の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bに扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように扱歯12,…を配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには、回転方向に対して下手側をわずかに後側へ傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γよりも大きく構成する。
【0040】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りながら脱穀処理を促進し、また、扱胴11の後側部11dの送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により、後側に送りながら脱穀処理し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に迅速円滑に送り込むことができる。
【0041】
また、図4の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bに扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように扱歯12,…を配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには、回転方向に対して下手側を後側へわずかに後送り状に傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>γになるように構成する。
【0042】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの送り傾斜角度の小さな扱歯12,…により、穀稈をゆっくり後側に送りながら脱穀処理し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に迅速円滑に送り込むことができる。
【0043】
次に、図4の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bに扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように扱歯12,…を配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには、回転方向に対して下手側をわずかに後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γの関係を、β<γになるように構成する。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0044】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により、脱穀物を後側に速く送りながら脱穀処理し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に迅速円滑に送り込むことができる。
【0045】
また、図4に示す実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bに扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように扱歯12,…を配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには、回転方向に対して下手側をわずかに後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の後送り傾斜角度γの関係を、β>γになるように構成する。そして、前側部11b及び中途部11cの扱歯12,…を通中の扱歯で構成し、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0046】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの後送り傾斜角度の小さなソリッド型の扱歯12,…により、穀稈をゆっくり後側に送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に迅速円滑に送り込むことができる。
【0047】
また、図4の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bには、扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように扱歯12,…を配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには、回転方向に対して下手側をわずかに後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の後送り傾斜角度γの関係を、β<γになるように構成し、前側部11b及び中途部11cの扱歯12,…を通常の扱歯により構成し、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0048】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りながら脱穀処理を促進し、また、扱胴11の後側部11dの後送り傾斜角度の大きなソリッド型の扱歯12,…により、穀稈を後側に速く送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、連通口10aから脱穀物を排塵処理室18に迅速円滑に送り込むことができる。
【0049】
また、図4の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bには、扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように扱歯12,…を配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには、回転方向に対して下手側をわずかに後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γの関係を、β>γになるように構成する。そして、最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0050】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って藁屑類の発生を抑制しつつ、穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの送り傾斜角度の小さな扱歯12,…により、穀稈をゆっくり後側に送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に迅速円滑に送り込むことができる。
【0051】
次に、図5に基づき他の実施形態について説明する。扱胴11の前側部11b及び中途部11cに扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側送り状に傾斜するように扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dには扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように扱歯12,…を配設している。
【0052】
前記構成によると、前側部11bの後送り状に傾斜した扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り状に傾斜した扱歯12,…により後側に穀稈を送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの回転方向に沿った扱歯12,…により、回脱穀処理しながら脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0053】
また、図5の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b及び中途部11cには、扱歯12,…を扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように配設し、そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0054】
前記構成によると、前側部11bの後側に傾斜している扱歯12,…により、扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えつつ藁屑類の発生を抑制しながら導入し、また、中途部11cの後送り状に傾斜した扱歯12,…により後側に穀稈を送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの回転方向に沿った扱歯12,…により、藁屑類の発生を抑制しながら回脱穀処理し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0055】
次に、図6に基づき他の実施形態について説明する。扱胴11の前側部11bには扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側あるいは前側に傾斜して後送りあるいは前戻し状に扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の中途部11cには扱歯12,…を回転方向に対して下手側が後側に傾斜する後送り状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を回転方向に対して下手側を前戻し傾斜するように配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを、後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γよりも小さく構成する。
【0056】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りながら脱穀処理を促進し、また、扱胴11の後側部11dの回転方向に対して前側に大きく戻り傾斜している扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0057】
また、図6の実施形態において、次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bには扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側あるいは前側に傾斜して後送りあるいは前戻し状に扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の中途部11cには扱歯12,…を回転方向に対して後送り状に傾斜するように配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前側へ戻り傾斜状に配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを、後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γよりも小さく構成し、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0058】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により、扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により、後側に速く送りながら藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0059】
また、図6の実施形態において、次のように構成してもよい。即ち、扱胴11の前側部11bには扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側あるいは前側に傾斜して後送りあるいは前戻し状に扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の中途部11cには扱歯12,…を後送り状に配設し、また、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前へ戻し状に配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを、後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γよりも小さく構成し、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0060】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りながら脱穀処理を促進し、また、扱胴11の後側部11dでは前戻し傾斜角度の大きな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0061】
また、図6の実施形態において、次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bには扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側あるいは前側に傾斜して後送りあるいは前戻し状に扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを、後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γよりも大きく構成する。
【0062】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0063】
また、図6の実施形態において、次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bには扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dには、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側あるいは前側に傾斜して後送りあるいは前戻し状に扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを、後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γよりも小さく構成し、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0064】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cでは後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理を促進し、また、扱胴11の後側部11dでは前戻し傾斜角度の大きな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0065】
また、図6の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bには扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように配設し、扱胴11の中途部11c及び後側部11dに扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側あるいは前側に傾斜して後送りあるいは前戻し状に扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βを、後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γよりも大きく構成する。そして、最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0066】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えつつ藁屑類の発生を抑制しながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理を促進し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の大きな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0067】
また、図6の実施形態において、次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に沿うように、あるいは、回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11bには扱胴11の回転方向に沿うように扱歯12,…を配設し、中途部11cには回転方向に対して下手側を後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dには回転方向に対して下手側を前戻し傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β<γになるように構成する。そして、前側部11b及び中途部11cの扱歯12,…を通常の扱歯により構成し、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0068】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの戻り傾斜角度の大きなソリッド型の扱歯12,…により、穀稈を前側に大きく戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0069】
また、図6の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に沿うように、あるいは、回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11bには扱胴11の回転方向に沿うように扱歯12,…を配設し、中途部11cには回転方向に対して下手側を後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dには回転方向に対して下手側を前戻し傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>γになるように構成する。
【0070】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの戻り傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に小さく戻しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0071】
図6の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に沿うように、あるいは、回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11bには扱胴11の回転方向に沿うように扱歯12,…を配設し、中途部11cには回転方向に対して下手側を後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dには回転方向に対して下手側を前戻し傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β<γになるように構成する。
【0072】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…により後側に送りながら脱穀処理を促進し、また、扱胴11の後側部11dの戻り傾斜角度の大きな扱歯12,…により、脱穀物を前側に大きく戻しながら脱穀処理を促進し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0073】
また、図6の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に沿うように、あるいは、回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11bには扱胴11の回転方向に沿うように扱歯12,…を配設し、中途部11cには回転方向に対して下手側を後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dには回転方向に対して下手側を前戻し傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>γになるように構成する。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0074】
前記構成によると、扱歯12a,…により藁屑類の発生を抑制しながら、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの戻り傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に少し戻しながら脱穀処理を促進し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0075】
また、図6の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に沿うように、あるいは、回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11bには扱胴11の回転方向に沿うように扱歯12,…を配設し、中途部11cには回転方向に対して下手側を後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dには回転方向に対して下手側を前戻し傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>γになるように構成する。そして、前側部11b及び中途部11cの扱口を通常の扱歯により構成し、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0076】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの戻り傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に少し戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0077】
また、図6の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に沿うように、あるいは、回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11bには扱胴11の回転方向に沿うように扱歯12,…を配設し、中途部11cには回転方向に対して下手側を後送り傾斜するように扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dには回転方向に対して下手側を前戻し傾斜するように扱歯12,…を配設し、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度βと後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β<γになるように構成する。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0078】
前記構成によると、扱歯12a,…により藁屑類の発生を抑制しながら、前側部11bの回転方向に沿った扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…によりゆっくり後側に送りながら脱穀処理を促進し、また、扱胴11の後側部11dの戻り傾斜角度の大きな扱歯12,…により、脱穀物を前側に大きく戻しながら脱穀処理を促進し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0079】
次に、図7に基づき他の実施形態について説明する。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dに扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側に傾斜して後送り状に扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の前側部11aの扱歯12の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γを、α<β<γになるように配設し、そして、前側部11b及び中途部11cの扱歯12,…を通常の扱歯で構成し、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0080】
前記構成によると、前側部11bの後送り状に小さく傾斜する扱歯12,…により、扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の中程度の扱歯12,…により後側に比較的速く送りながら脱穀し、扱胴11の後側部11dの後送り傾斜角度の大きなソリッド型の扱歯12,…により、後側へ速く送りながら脱穀し、扱歯への藁屑類の絡みつきを抑制しながら脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0081】
また、図7の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dに扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜状にして扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の前側部11aの扱歯12の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の後送り傾斜角度γを、α<β<γになるように配設し、そして、前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を通常の扱歯で構成する。
【0082】
前記構成によると、前側部11bの後送り状に小さく傾斜する扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整列しながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の中程度の扱歯12,…により後側に比較的速く送りながら脱穀し、扱胴11の後側部11dの後送り傾斜角度の大きなソリッド型の扱歯12,…により、後側への送りを速くしながら脱穀し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0083】
また、図7の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dに扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜状にして扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の前側部11aの扱歯12の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後0部11dの扱歯12,…の後送り傾斜角度γを、α<β<γになるように配設し、そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0084】
前記構成によると、前側部11bの後送り状に小さく傾斜する扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整列しながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の中程度の扱歯12,…により、後側に比較的速く送りながら藁屑類の発生を抑制しながら脱穀し、また、扱胴11の後側部11dの後送り傾斜角度の大きなソリッド型の扱歯12,…により、後側への送りを速くし藁屑類の発生を抑制しながら脱穀し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に迅速に送り込むことができる。
【0085】
また、図7の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dには、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜状にして扱歯12,…を配設するにあたり、扱胴11の前側部11aの扱歯12の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の後送り傾斜角度γを、α<β<γになるように配設する。
【0086】
前記構成によると、前側部11bの後送り状に小さく傾斜する扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整列しながら導入し、また、中途部11cの中程度の傾斜角度の扱歯12,…により、後側に比較的速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの傾斜角度の大きな扱歯12,…により、後側への送りを速くしながら脱穀しながら、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に円滑に送り込むことができる。
【0087】
次に、図8に基づき他の実施形態について説明する。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dに、扱歯12,…を扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには後送り傾斜状の扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dには前戻し傾斜状の扱歯12,…を配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、α<γになるように構成する。
【0088】
前記構成によると、前側部11bの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の比較的大きな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0089】
次に、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、γ<βになるように構成する。
【0090】
前記構成によると、前側部11bの後送り傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0091】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dには、扱歯12,…を扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、γ>βになるように構成する。
【0092】
前記構成によると、前側部11bの傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の大きな扱歯12,…により、脱穀物を前側に大きく戻しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0093】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γの関係を、β>α、α>γになるように構成する。
【0094】
前記構成によると、前側部11bの傾斜角度の比較的大きな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に小さく戻しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0095】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の傾斜角度γの関係を、β>α、α<γになるように構成する。
【0096】
前記構成によると、前側部11bの傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの回転方向に対して前側に比較的大きく傾斜している扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0097】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、β>γになるように構成する。そして、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成し、他の扱歯12,…を普通型の扱歯により構成する。
【0098】
前記構成によると、前側部11bの傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0099】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dには、の扱歯12,…を扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、β<γになるように構成し、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成し、他の扱歯12,…を普通型の扱歯により構成する。
【0100】
前記構成によると、前側部11bの傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の大きな扱歯12,…により、脱穀物を前側に大きく戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0101】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、α>γになるように構成し、後側部11dの扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成し、他の扱歯12,…を普通型の扱歯により構成する。
【0102】
前記構成によると、前側部11bの傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0103】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、α<γになるように構成する。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0104】
前記構成によると、前側部11bの傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って藁屑類の発生を抑制しながら穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの回転方向に対して前側に比較的大きく傾斜している扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0105】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、β>γになるように構成する。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0106】
前記構成によると、前側部11bの傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って藁屑類の発生を抑制しながら穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの前戻し傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0107】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、β<γになるように構成する。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0108】
前記構成によると、前側部11bの送り傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って藁屑類の発生を抑制しながら穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの戻り傾斜角度の大きな扱歯12,…により、脱穀物を前側に大きく戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0109】
また、図8の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11b、中途部11c及び後側部11dの扱歯12,…を、扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後送り傾斜あるいは前戻し傾斜に配設するにあたり、扱胴11の前側部11b、中途部11cには扱歯12,…を後送り傾斜状に配設し、扱胴11の後側部11dには扱歯12,…を前戻し傾斜状に配設し、前側部11bの扱歯12,…の後送り傾斜角度α、中途部11cの扱歯12,…の後送り傾斜角度β及び後側部11dの扱歯12,…の前戻し傾斜角度γの関係を、β>α、α>γになるように構成する。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0110】
前記構成によると、前側部11bの送り傾斜角度の小さな扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って藁屑類の発生を抑制しながら穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜角度の大きな扱歯12,…により後側に速く送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの戻り傾斜角度の小さな扱歯12,…により、脱穀物を前側に少し戻しつつ藁屑類の発生を抑制しながら多数回脱穀処理し、熟れた脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0111】
次に、図9に基づき他の実施形態について説明する。扱胴11の前側部11bの扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように配設し、扱胴11の中途部11cには扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側送りに傾斜した扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dの扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように配設する。
【0112】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えながら導入し、また、中途部11cの後送り傾斜状の扱歯12,…により後側に穀稈を送りながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの回転方向に沿った扱歯12,…により回脱穀処理し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【0113】
また、図9の実施形態において次のように構成してもよい。扱胴11の前側部11bの扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように配設し、扱胴11の中途部11cには扱胴11の回転方向に対して回転下手側をわずかに後側送り傾斜状に扱歯12,…を配設し、扱胴11の後側部11dの扱歯12,…を扱胴11の回転方向に沿うように前後方向に傾斜しないように配設している。そして、これらの扱歯12,…を最前側部の扱歯12a,…を内部開放型の通常の扱歯により構成し、それ以外の後側の扱歯12,…をソリッド型の扱歯により構成する。
【0114】
前記構成によると、前側部11bの回転方向に沿う扱歯12,…により扱室10の後下り傾斜の入口底板10cに沿って穀稈を長手方向に整えつつ藁屑類の発生を抑制しながら導入し、また、中途部11cの後送り状に傾斜した扱歯12,…により後側に穀稈を送りつつ藁屑類の発生を抑制しながら脱穀処理し、また、扱胴11の後側部11dの回転方向に沿った扱歯12,…により、脱穀物を藁屑類の発生を抑制しながら回脱穀処理し、脱穀物を連通口10aから排塵処理室18に送り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】コンバインの左側面図
【図2】脱穀選別装置の切断側面図
【図3】脱穀選別装置の切断正面図
【図4】扱胴に扱歯を配設した状態の展開図
【図5】扱胴に扱歯を配設した状態の展開図
【図6】扱胴に扱歯を配設した状態の展開図
【図7】扱胴に扱歯を配設した状態の展開図
【図8】扱胴に扱歯を配設した状態の展開図
【図9】扱胴に扱歯を配設した状態の展開図
【符号の説明】
【0116】
10 扱室
11 扱胴
12 扱歯
13 受網
15 二番処理室
16 二番処理胴
19 排塵処理胴
20 揺動選別棚
29 揺動選別棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室(10)内には前後方向の扱胴軸回りに回転する扱胴(11)を設け、前記扱室(10)の左右一側には前後方向の軸回りに回転し且つ前記扱室(10)の受網(13)から漏過した脱穀処理物及び揺動選別棚(29)からの還元二番物を脱穀処理する非連続の処理歯付き二番処理胴(16)の内装されている二番処理室(15)を設け、該二番処理室(15)の後方には連続した処理歯付き排塵処理胴(19)が内装されていて、且つ、前記扱室(10)後部からの脱穀処理物を受け継いで脱穀処理する排塵処理室(18)を設け、前記扱室(10)、二番処理室(15)及び排塵処理室(18)の下方には揺動選別棚(29)を設け、前記扱胴(11)の外周面に扱歯(12,…)を配設するにあたり、扱胴(11)の回転方向に対して後送り傾斜状に扱歯(12,…)を配設し、扱胴(11)の前側部の扱歯(12,…)の後送り傾斜角度よりも後側部の扱歯(12,…)の後送り傾斜角度を大きく構成したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
扱胴(11)の前記扱歯(12,…)をソリッド型の扱歯に構成したことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置。
【請求項3】
扱室(10)内には前後方向の扱胴軸回りに回転する扱胴(11)を設け、前記扱室(10)の左右一側には前後方向の軸回りに回転し且つ前記扱室(10)の受網(13)から漏過した脱穀処理物及び揺動選別棚(29)からの還元二番物を脱穀処理する非連続の処理歯付き二番処理胴(16)の内装されている二番処理室(15)を設け、該二番処理室(15)の後方には連続した処理歯付きの排塵処理胴(19)が内装されていて、且つ、前記扱室(10)後部からの脱穀処理物を受け継いで脱穀処理する排塵処理室(18)を設け、前記扱室(10)、二番処理室(15)及び排塵処理室(18)の下方には揺動選別棚(29)を設け、前記扱胴(11)の外周面に扱歯(12,…)を配設するにあたり、扱胴(11)の前側部には回転方向に対して後送り傾斜に扱歯(12,…)を配設し、前記扱胴(11)の後側部の前記排塵処理室(18)の前側部の引継ぎ部には回転方向に沿うように扱歯(12,…)を配設したことを特徴とする脱穀装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−69(P2008−69A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172606(P2006−172606)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】