説明

腎症の治療および予防のための組成物

高血圧性および糖尿病性腎症を含めた腎症の予防および治療のための組成物および方法、ならびにインスリン抵抗性およびメタボリック症候群に関する腎症が記載される。本発明の組成物は、グルカゴン様ペプチド-1、インクレチン、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、エキセンディン、またはそれらのいずれかの(アゴニストアナログを含めた)アナログ、誘導体、または変異体に対するレセプターに結合する化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全文において引用によって本明細書中に援用される2002年12月17日に出願された米国仮出願第60/434,508号;および2002年12月19日に出願された米国仮出願第60/434,888号に対して優先権を主張する2003年12月17日に出願された“Prevention and Treatment of Cardiac Arrhythmias”と題された米国第__________号に対して優先権の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、GLP-1および関連した化合物を用いて、腎症、および特に高血圧性および糖尿病性腎症を治療する組成物および方法に関する。
【0003】
発明の背景
末期腎不全(ESRD)は、米国において、大きな健康問題である。発生率は、1988年の155/100万人から、1997年の296へと、過去10年間で着実に増加している。病気は、具体的には、アフリカ系アメリカ人、アメリカインディアン、アラスカ先住民、ハワイ先住民および他の太平洋諸島系、およびヒスパニック系アメリカ人といった人種的少数派および少数民族において、特によく見られる。
【0004】
ESRDの4つの主な原因は、糖尿病(主に2型)、高血圧、糸球体腎炎、および嚢胞性腎臓病を含む。様々な民族および人種群の間のESRDの原因には、有意なばらつきがある。例えば、糖尿病性腎症がアメリカインディアン/アラスカ先住民、アジア系アメリカ人、ハワイ先住民および他の太平洋諸島系、ヒスパニック系アメリカ人、および白人において、ESRDの主要な原因である一方で、高血圧性腎症が、アフリカ系アメリカ人において最も頻繁に報告されるESRDの原因である。
【0005】
現在、ESRD患者は、透析を受けるか、あるいは移植を通して新たな腎臓を受け取らなければならない。毎年、高血圧は、米国において、15,000以上のESRDの新たなケースを生む。
【0006】
糖尿病性腎症は、糖尿病の結果として発症する腎臓病である。糖尿病は、米国人口の約5%に影響を及ぼす。糖尿病患者の約25%ないし40%が、最終的には、糖尿病性腎症を発症し、これはその最終段階はESRDである5つの予測できる段階を通して進行し、そうすると腎代償療法(つまり、血液透析、腹膜透析、腎臓移植)が必要になる。
【0007】
高血圧および糖尿病は、相乗的に作用しながら、同一の患者に、しばしば共存する。腎症の根底にあるメカニズムは、完全には理解されていないが、糸球体高血圧およびそれに続く損傷を招く糸球体充血、続いての反応性血管収縮の期間を含むと仮定されている。腎症の初期徴候は、尿中の蛋白質(例えば、蛋白尿)、腎臓損傷の程度に関連し得る濃度である。最終的に、糸球体硬化症が発症し、機能する腎単位の進行性消失が起こる。血清クレアチニンおよび血中尿素窒素(BUN)の上昇ならびに過剰な流動体の蓄積と共に、老廃物を濾過/分泌し、電解質および水バランスを維持する腎臓の能力は失われる。この段階で、患者は、一般的に、末期腎不全(ESRD)と診断される。
【0008】
また、共存する高血圧を患っているか否かに拘わらず、いわゆる「メタボリック症候群」を有する患者のように、インスリン抵抗性を有する個人もリスクにある。
【0009】
アンジオテオンシン変換酵素阻害剤またはカルシウムチャンネル遮断薬、ベラパミルによる治療によって、腎症の進行の速度を妨げることができる。しかしながら、ESRDは避けられない。腎不全へと進行するESRDは、透析または腎移植によって治療可能である。これらは、現在、メディケア(Medicare)によって、(患者の年齢に関係なく)100億ドルの年間コストで補償されている高額な療法である。ESRDの患者数は増加している。
【0010】
従って、高血圧、インスリン抵抗性、および/または糖尿病と併発しているものを含む腎障害および腎症のための効果的な治療に対する現実的かつ引き続き存在する必要性があることが分かる。本発明は、この必要性の達成をその主な目的として有する。
【0011】
発明の概要
本発明は、高血圧性および糖尿病性腎症、およびインスリン抵抗性およびメタボリック症候群と関連した腎症を含む腎症の予防および治療のための組成物および方法を記載する。本発明は、これらの目的を、中でも、高血圧、内皮機能、腎機能、および糸球体硬化症を改善するまたはそれらの悪化を防ぐことによって達成する。本発明の組成物は、グルカゴン様ペプチド-1、インクレチン、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、エキセンディン、またはそのいずれかのアゴニスト、アナログ(好ましくは、アゴニストアナログ)、誘導体、変異体、もしくは生物学的に活性な断片に対するレセプターに結合する化合物を含む。
【0012】
1つの具体例において、本発明は、本発明の化合物を投与することを特徴とする、高血圧性および糖尿病性腎症、またはインスリン抵抗性に関連したものを含む腎症を予防または治療するための方法を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、減少された血管拡張能力、あるいは糸球体硬化症または糸球体流量のいずれかの他の減少を有する患者における内皮機能を改善する方法を提供する。内皮機能のそのような改善は、高血圧を減らすことおよび糸球体の毛細血管の機能を改善することの両方に役立つ。さらなる具体例において、本発明の分子は、腎症のESRDへの進行を防ぐ、蛋白尿および/または糸球体硬化症を防ぐ、それらの進行を遅らせる、それらを治療するまたは改善するのに有用である。
【0014】
本発明の好ましい具体例において、該化合物は、GLP-1またはエキセンディン-3またはエキセンディン-4、あるいはそれらの生物学的に活性なアナログ、誘導体、変異体、または断片である。好ましい用量は、約0.001μg/kg/用量ないし約1.0μg/kg/用量、あるいは少なくとも40pg/mlの治療的血漿レベルを達成するのに十分な用量である。
【0015】
上記の目的の各々を達成する手段および様式は、以後続く本発明の詳細な記載から明白になるだろう。
【0016】
発明の詳細な記載
本発明は、高血圧性、糖尿病性、および他のタイプの腎症、例えば、鎮痛薬性腎症、IgA腎症、虚血性腎症、HIV関連腎症、膜性腎症、糸球体硬化症等の治療のための組成物およびそれらの使用に関する。本発明は、高血圧性および/または糖尿病性腎症、および共存する高血圧あるなしで、インスリン抵抗性患者に起こるまたは起こる可能性が高い腎症を予防または治療する際に使用するのに特に有効である。
【0017】
理論に縛られずに言えば、本発明の分子は、インスリン抵抗性、陽イオンバランス、高血圧を改善することによって、および/または細胞による使用のためのATPのより一層の生産、および冒された組織に対する減少した酸化ストレスを招く遊離脂肪酸の酸化よりも腎臓(および別の場所)内の(内皮細胞を含む)細胞によるグルコース酸化を促進することによって、ある程度作用する。
【0018】
本発明の分子は、グルカゴン様ペプチド-1、インクレチン、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、エキセンディン、またはそのいずれかのアゴニスト、アナログ(好ましくは、アゴニストアナログ)、誘導体、変異体、または生物学的に活性な断片に対するレセプターに結合する化合物を含む。
【0019】
好ましくは塩基分子と少なくとも50または55%アミノ酸配列同一性、より好ましくは塩基分子と70%、80%、90%、または95%アミノ酸配列同一性を有する、挿入、置換、延長、または欠失を含むか否かに拘わらず、塩基分子(例えば、レセプター結合化合物、インクレチン、GLP-1、またはエキセンディン)のものから由来した配列のいずれかのペプチドを含む。そのようなアナログは、保存的または非保存的アミノ酸置換(非天然アミノ酸およびLおよびD形態を含む)を含んでよい。「アゴニストアナログ」は、レセプター結合/競合研究のような当該分野で知られる測定によって評価された時に、好ましくは塩基分子より良い効能、または塩基分子と比較して5桁(プラスまたはマイナス)以内、より好ましくは4、3、2、または1桁の効能を有する塩基分子の少なくとも1つの特徴または作用を呈するアナログである。
【0020】
「誘導体」は、分子内、分子に付着した、分子に結合した、あるは分子と関連した化学的修飾を有するいずれかの塩基分子またはアナログを含む。そのような化学的修飾は、内部リンカー(例えば、スペーシングまたは構造誘導)または分子量促進分子(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアミノ酸部位等)のような付随分子、または組織標的分子を含み得る。そのような分子の例は当該分野で知られており、例えば、マレイミド基で修飾されたGLP-1およびエキセンディンを含むインスリントロピックペプチドは、本明細書中に引用によって援用される米国特許第6,593,295号に記載されている。
【0021】
「変異体」は、当業者に知られているように、用語「アナログ」および「誘導体」に網羅されない塩基分子、アナログまたは変異体へのいずれかの修飾を含む。例えば、変異体は、選択された分子の代用形またはキメラを含み得る。小分子は、それらがGLP-1またはエキセンディンのレセプターに結合するか、あるいは本明細書中に記載されるような腎症予防または治療特徴を有する限り、本発明において有用な化合物に含まれる。既知のGLP-1レセプターに依存的でない薬理学に基づいて、それらは本発明において有用であるが、インクレチン、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、エキセンディン、またはアナログ、誘導体、または変異体として記載されるペプチド分子の全てが、GLP-1に対するレセプターに結合するわけではないことが理解される。これらの分子は、それでもなお、例えばGLP-1(9-36)、およびそのアゴニスト、アナログ、誘導体、および変異体といった、本明細書に記載される所望の生物学的活性を有し得る。本発明の範囲内に網羅される他の例示的化合物は、本明細書中に引用によって援用される米国特許第6,569,832号;同第6,528,486号;同第6,514,500号;同第6,458,924号;同第6,451,987号;同第6,451,974号;同第6,268,343号に記載されているものを含む。
【0022】
用語が上記で使用されるように、本発明の塩基分子の例は、アミド化されているまたはされていない(しばしば、GLP-1[7-36]NH2)グルカゴン様ペプチド-1[7-36]としても知られるGLP-1、アミノ酸配列His Ala Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Lys Gly Arg-[所望によりNH2](配列番号:1)を有するプログルカゴン遺伝子の生成物である。GLP-1は、腸内のL-型細胞によって生成されるホルモンであり、食事の消化後に放出される。GLP-1は、2型糖尿病患者において、インスリンの分泌を増加させることによって、およびグルカゴンの分泌を阻害することによって、インスリン抵抗性およびグルコース利用を改善する。GLP-1に対するレセプターは、膵島細胞、胃腸管、および肺、心臓、中枢神経系および腎臓で発現される。GLP-1は、様々な生物学的効果を生むと報告されている(例えば、Orskov, et al., Diabetes, 42: 658-61, 1993;D'Alessio, et al., J. Clin. Invest., 97: 133-38, 1996, Williams B, et al., J Clin Endocrinol Metab 81(1): 327-32, 1996 ;Wettergren A, et al., Dig Dis Sci 38 (4): 665-73, 1993 ;Schjoldager BT, et al., Dig Dis Sci 34 (5): 703-8, 1989;O'Halloran DJ, et al., J Endocrinol 126(1): 169-73, 1990;Wettergren A, et al., Dig Dis Sci 38 (4): 665-73,1993)。また、カルボキシ末端でさらなるグリシン残基を有するGLP-1[7-37]は、ヒトにおいて、インスリン分泌を刺激する(Orskov, et al., Diabetes, 42: 658-61,1993)。
【0023】
本発明の組成物はGLP-1アゴニストアナログを含む。「アゴニストアナログ」によって、GLP-1の少なくとも1つの効果を模倣する化合物を意味する。アゴニストアナログのこの定義は、GLP-1が特定の効果を引き起こすレセプターまたは複数のレセプターに結合する化合物を含むことができる。アゴニスト活性を有する特定のGLP-1アナログは、Glucagon-Like Insulinotropic Peptide Analogs, Compositions and Methods of Useと題された1996年4月30日に発行されたChen et al.,米国特許第5,512,549号に記載されている。アゴニスト活性を有する他のGLP-1アナログは、Biologically Active Fragments of Glucagon-Like Insulinotropic Peptideと題された1996年11月12日に発行されたJohnson et al.,米国特許第5,574,008号に記載されている。アゴニスト活性を有するさらに他のGLP-1アナログは、GLP-1 Analogs Useful for Diabetes Treatmentと題された1996年8月13日に発行されたBuckley et al., 米国特許第5,545,618号に記載されている。全ての3つの言及された米国特許は、本明細書中に引用によって援用される。本発明は、組換えヒトGLP-1アナログ、および組換えさもなければ合成であるかに拘わらず、他の種から由来したGLP-1アナログの使用を含む。
【0024】
特定の態様において、本発明の方法で使用されるGLP-1アゴニストアナログは、本明細書中に引用によって援用される米国特許第5,118,666号に開示されるように、GLP-1(7-34)およびGLP-1(7-35)であってもよく、ならびに本明細書中に引用によって援用される米国特許第5,120,712号に開示されるようにGLP-1(7-37)であってもよい。また、WO01/98331記載のもののように、凝集する傾向が低いGLP-1アナログ;N-末端切断を有するGLP-1アナログ、米国特許第5,574,008号;アシル基が結合したGLP-1アナログ、米国特許第5,512,549号;アミド化されたGLP-1アナログ、WO02/48192;および米国特許出願第10/276772号のGLP-1アナログも含まれ、これらの全ては引用によって援用される。
【0025】
さらなる例示的アナログは、位置8にて修飾されたGLP-1アナログを含む、例えば引用によって援用される米国特許第5,981,488号。簡潔に言えば、アナログは、式(XI)、R1-X-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Y-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Z-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-R2(配列番号:33)
[式中:
R1は、His、D-ヒスチジン、デスアミノヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、ベータ.-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、アルファ-フルオロメチル-ヒスチジン、およびアルファ-メチル-ヒスチジンよりなる群から選択され;
Xは、Met、Asp、Lys、Thr、Leu、Asn、Gln、Phe、Val、およびTyrよりなる群から選択され
YおよびZは、独立して、Glu、Gln、Ala、Thr、Ser、およびGlyよりなる群から選択され、ならびに;
R2は、NH2、およびGly-OHよりなる群から選択され;但し、もしR1がHis、XがVal、YがGlu、およびZがGluであるならば、R2はNH2である]
のものまたはその医薬上許容される塩を含む。
【0026】
V8-GLP-1および他の位置8アナログは、引用によって援用される米国特許第5,705,483号で見つけることができる。簡潔に言えば、アナログは、式(XII)、R1-X-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Y-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Z-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-R2(配列番号:34)
[式中:
R1は、L-ヒスチジン、D-ヒスチジン、デスアミ-ノヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、ベータ-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、アルファ-フルオロメチル-ヒスチジン、およびアルファ-メチル-ヒスチジンよりなる群から選択され;
Xは、Ala、Gly、Val、Thr、Ile、およびアルファ-メチル-Alaよりなる群から選択され;
Yは、Glu、Gln、Ala、Thr、Ser、およびGlyよりなる群から選択され;
Zは、Glu、Gln、Ala、Thr、Ser、およびGlyよりなる群から選択され;
R2は、NH2、およびGly-OHよりなる群から選択され;但し、化合物が約6.0ないし約9.0の範囲の等電点を有し、さらにR1がHis、XがAla、YがGlu、およびZがGluである時、R2はNH2でなければならない]
のものを含む。
【0027】
他の態様において、GLP-1アゴニストアナログは、例えば、Gln9-GLP-1(7-37)、D-Gln9-GLP-1(7-37)、アセチル-Lys9-GLP-1(7-37)、Thr16-Lys18-GLP-1(7-37)、およびLys18-GLP-1(7-37)のような当該分野で知られるGLP-1の変異体またはアナログである。GLP-1の誘導体は、また、本発明において考慮され、例えば、酸付加塩、カルボキシレート塩、低級アルキルエステル、およびアミド(例えばW091/11457参照)を含む。本発明における使用にとっては必要ではないが、一般的に、GLP-1の様々な形態は、インスリン分泌(インスリントロピック作用)およびcAMP形成を刺激することが分かっている(例えば、Mojsov, S., Int.J. Peptide Protein Research, 40: 333-343 (1992)参照)。
【0028】
さらに他の態様において、本発明は、一般式(I):
【0029】
【表1】

【0030】
[式中、R1は、4-イミダゾプロピオニル(デス-アミノ-ヒスチジル)、4-イミダゾアセチル、または4-イミダゾ-アルファ、アルファジメチル-アセチルよりなる群から選択され;
R2はC6-C10非分岐アシルよりなる群から選択されるか、あるいは存在せず;
R3は、Gly-OHまたはNHよりなる群から選択され;ならびに、
Xaa40はLysまたはArgである]のGLP-1アゴニストを考慮する。
【0031】
1つの具体例において、GLP-1アゴニストは、式I(配列番号:2)のペプチド部分のアミノ末端に結合したペプチドを介して、様々なR基を付加することから生起する天然に生じるGLP-1(7-37)である。所望により、本発明のさらなる化合物は、Lys34残基のイプシロンアミノ基をアシル化することによって、および位置26にて、制限されたアミノ酸置換をなすことによって、あるいはカルボキシ末端を改変することによって作成することができる。
【0032】
上記式に関して、使用される命名図式は、GLP-1の加工された形態辺りで発展してきたものであることに注意すべきである。この図式において、既知のGLP-1(7-37)OHのアミノ末端は、番号7が割り当てられ、カルボキシ末端は番号37が割り当てられている。従って、式Iの最初のAla残基は、GLP-1(7-37)OHの残基8に対応する。同様に、式IのXaa40は、GLP-1(7-37)OHの残基26に対応するなどのようになる。
【0033】
さらに他の態様において、本発明は、式(II):
R4-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Xaa4l-Gly-Arg-R5(配列番号:3)
[式中、R4は:
a)H2 N;
b)H2 N-Ser;
c)H2 N-Val-Ser;
d)H2 N-Asp-Val-Ser;
e)H2 N-Ser-Asp-Val-Ser(配列番号:4);
f)H2 N-Thr-Ser-Asp-Val-Ser(配列番号:5);
g)H2 N-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser(配列番号:6);
h)H2 N-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser(配列番号:7);
i)H2 N-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser(配列番号:8);
j)H2 N-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser(配列番号:9);または
k)H2 N-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser(配列番号:10);
よりなる群から選択され、
Xaa41は、LysまたはArgよりなる群から選択され;および、
ここに、R5は、NH、OH、Gly-NH、またはGly-OHよりなる群から選択される]
の生物学的に活性なGLP-1断片を提供する。
【0034】
さらに他の態様において、本発明は、GLP-1(7-34);(7-35);(7-36)または(7-37)ヒトペプチドの修飾された形態またはそのC-末端アミド化形態を提供する。天然のペプチドは、アミノ酸配列(配列番号:11):
【0035】
【表2】

【0036】
[式中、(G)、(R)、および(G)は、示された鎖の長さに依存して存在するか、あるいは存在しない]
を有する。修飾された形態は、天然の構造の1またはそれを超える改変を含有し、治療的使用に対して改善された能力を有する。修飾された形態がグルカゴンを超える効力を有して、血漿におけるインスリン分泌または高められた安定性を可能にするかのいずれかまたは両方である。
【0037】
本発明のアナログは:
(a)位置26および/または34におけるリシンに代えての中性アミノ酸、アルギニン、またはリシンのD形態、および/または位置36におけるアルギニンに代えての中性アミノ酸、リシン、またはアルギニンのD形態の置換;
(b)位置31におけるトリプトファンに代えての酸化耐性アミノ酸の置換;
(c)次のうちの少なくとも1つによる置換:
位置16におけるVに代えてのY;
位置18におけるSに代えてのK;
位置21におけるEに代えてのD;
位置22におけるGに代えてのS;
位置23におけるQに代えてのR;
位置24におけるAに代えてのR;および
位置26におけるKに代えてのQ;
(d)次のうちの少なくとも1つを含む置換:
位置8におけるAに代えての代替小中性アミノ酸;
位置9におけるEに代えての代替酸性アミノ酸または中性アミノ酸;
位置10におけるGに代えての代替中性アミノ酸;および
位置15におけるDに代えての代替酸性アミノ酸;および
(e)位置7におけるヒスチジンに代えての代替中性アミノ酸またはヒスチジンのDまたはN-アシル化もしくはアルキル化形態の置換よりなる群から選択された配列番号:11の少なくとも1つの修飾を有するこれまでの配列、またはそのC-末端アミドを有し得る。
【0038】
修飾(a)、(b)、(d)および(e)に関して、置換されたアミノ酸は、例えばCのように上付き文字†によって示されるように、D形態であってもよい。また、位置7にて置換されたアミノ酸は、N-アシル化またはN-アルキル化形態であってもよい。
【0039】
もう1つの態様において、本発明は、劣化に対する高められた耐性が下記のように定義されるGLP-1(7-37)と比較して、血漿における高められた劣化耐性を示すペプチドに指向される。これらのアナログにおいて、GLP-1(7-34)ないしGLP-1(7-37)またはそれらのC-末端アミド化形態の上記の切形形態のいずれかは、
(a)位置7におけるHに代えてのD-中性またはD-酸性アミノ酸の置換、または
(b)位置8におけるAに代えてのD-アミノ酸の置換、または
(c)両方、または
(d)位置7におけるHに代えてのいずれかの天然に生じるアミノ酸のN-アシル化またはN-アルキル化形態の置換
によって修飾される。
【0040】
従って、劣化に対して耐性のある本発明のアナログは、(N-アシル(1-6C)AA)7GLP-1(7-37)および(N-アルキル(1-6C)AA)7GLP-1(7-37)を含み、ここにAAはリシル残基であり、一方または両方の窒素はアルキル化またはアシル化されていてもよい。AAはインスリン刺激活性の保持と一致したいずれかのアミノ酸を表す。
【0041】
配列番号:11の7および8位置におけるD-アミノ酸の置換に関して、いずれかの酸性または中性アミノ酸のD残基は、再びインスリン刺激活性と一致した、位置7で使用することができ、いずれかのアミノ酸のD残基は再びインスリン刺激活性と一致した、位置8で使用できる。位置7および8の一方または両方は、D-アミノ酸によって置換されてもよく;また、位置7のD-アミノ酸は、上記のように、アシル化またはアルキル化されてもよい。これらの修飾された形態は、GLP-1(7-37)に対してだけでなく、上記のより短い切断アナログにも適用することができる。
【0042】
特許請求される発明の実施において有用な他の修飾されたGLP-1、ならびにエキセンディンは、引用によって援用される米国特許第6,528,486号で見出すことができる。さらに、GLP-1(7-36)アミドレセプターを介して活性を呈するグルカゴン様ペプチドのアゴニストが記載されている。EP 0708179 A2;Hjorth et al., J. Biol. Chem. 269;30121 (1994);Siegel et al., Amer. Diabetes Assoc.57th Scientific Session, Boston (1997);Hareter et al., Amer. Diabetes Assoc.57th Scientific Session, Boston (1997);Adelhorst et al., J. Biol. Chem. 269,6275 (1994);Deacon et al., 16th International Diabetes Federation Congress Abstracts, Diabetologia Supplement (1997);Irwin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94;7915 (1997);Mojsov, Int. J. Peptide Protein Res. 40;333 (1992). Goke & Byrne, Diabetic Medicine 13;854 (1996)参照。最近の出版物は、クロゴケグモGLP-1およびSer2 GLP-1を開示する。Holz & Hakner, Comp. Biochem. Physiol, Part B 121;177 (1998)およびRitzel et al., J. Endocrinol 159 ;93 (1998)参照。
【0043】
先述のように、GLP-1アナログ、ならびにエキセンディンアナログは、GLP-1(7-36)、エキセンディン-4またはエキセンディン-3と比較して、1またはそれを超えるアミノ酸置換、付加、延長、または欠失を含有するペプチドであってもよい。1つの具体例において、置換、欠失、または付加の数は、30アミノ酸またはそれ未満、25アミノ酸またはそれ未満、20アミノ酸またはそれ未満、15アミノ酸またはそれ未満、10アミノ酸またはそれ未満、5アミノ酸またはそれ未満またはこれらの量の間のいずれかの整数である。本発明の1つの態様において、置換は、1またはそれを超える保存的置換を含む。「保存的」置換は、当該分野でよく知られるように、もう一方の生物学的に活性な同様の残基によるアミノ酸残基の置き換えを示す。保存的置換の例は、イソロイシン、バリン、ロイシン、またはメチオニンのような疎水性残基のもう一方に代えての置換、またはもう一方に代えての1つの極性残基の置換、例えば、リシンに代えてのアルギニンの、アスパラギン酸に代えてのグルタミン酸の、あるいはアスパラギンに代えてのグルタミンの置換等を含む。
【0044】
さらに、GLP-1アナログは、化学的に誘導体化または改変された上記のペプチド、例えば、非天然アミノ酸残基(例えば、タウリン、β-およびγ-アミノ酸残基およびD-アミノ酸残基)を有する、アミド、エステルのようなC-末端官能基修飾、およびアシル化アミン、シッフ塩基のようなC-末端ケトン修飾およびN-末端官能基修飾を有する、または例えばアミノ酸ピログルタミン酸で見出される環化を有するペプチドを含むと理解される。下記のものを含むエキセンディンアナログは、同様の修飾を有し得る。
【0045】
本発明の他の組成物は、ドクトカゲで見受けられる天然に生じるエキセンディンペプチドおよび関連したペプチドを指すエキセンディンを含む。好ましいエキセンディンは、Heloderma horridumの唾液分泌に存在するエキセンディン-3(配列番号:12)、Heloderma suspectumの唾液分泌に存在するペプチドであるエキセンディン-4(配列番号:14)(Eng, J., et al., J. Biol. Chem., 265: 20259-62, 1990;Eng., J., et al., J. Biol. Chem., 267: 7402-05, 1992)、およびそれらのいずれかのアゴニスト、アナログ、誘導体、または変異体、ならびにその生物学的に活性な断片を含む。ドクトカゲの唾液分泌中に生じるエキセンディン-4は、アミド化ペプチドである。しかしながら、用語「エキセンディン」「エキセンディン-3」、および「エキセンディン-4」は、ペプチドのアミド化ペプチドおよびペプチドの酸形態の両方を指すことが理解されるべきである。同様に、GLP-1への言及は、一般的に、アミド化7-36分子を指すが、非アミド化分子、およびアナログも含むように意図され、同様にこれらのペプチドの変異体はアミド化されていてもされていなくてもよい。
【0046】
「エキセンディンアゴニスト」は、天然に生じるエキセンディンが効果を発揮するレセプターまたは複数のレセプターに結合することによって、エキセンディンのいずれかの効果を模倣する化合物を指す。この文脈におけるエキセンディン「アゴニスト活性」は、本明細書中に記載されるもののように、エキセンディンの生物学的活性を有することを意味し;しかしアゴニストの活性は、天然のエキセンディンよりも強力でなくてもより強力であってもよいと理解される。
【0047】
エキセンディン-4は、39-アミノ酸ポリペプチドである。本発明の分子の特定の配列は、表1において比較される。
【0048】
【表3】

【0049】
様々な実験が、エキセンディン-4およびGLP-1の生物学的活性を比較し、特定の目安に対し、エキセンディン-4に対するより好ましい特性のスペクトルを示している。エキセンディンは、血糖値を下げ、HbA1c(血糖値を評価するのに使用されるグリコシル化ヘモグロビンの測定)を低下させ、インスリン感受性を改善し、グルコースに対するインスリン応答を改善することを示している。より高い血糖値は、より大きいグルコース低下効果と関連しており、すなわち、エキセンディン-4の観察されたグルコース低下効果は、グルコース依存性で、もし動物が既に正常血糖であれば最小であるように見受けられる。GLP-1と比較したエキセンディン-4による分解研究は、エキセンディン-4が分解に対して比較的耐性があることを示す。
【0050】
本明細書において使用されるように、用語「エキセンディンアゴニスト」は、上記のもののうちの1つを含む、エキセンディンが効果を発揮するレセプターまたは複数のレセプターに結合するか、あるいはそれを活性化させるペプチド、ペプチドミメティクス、または他の化学的化合物であるかに拘わらず、いずれかの分子を含む。エキセンディンアゴニストは、インビトロアッセイにおいて、GLP-1レセプター分子を結合し、とりわけ、インスリン生成β細胞に対する二次メッセンジャー活性を誘発し得るインスリントロピック活性を有する分子を含み得るが、これらの作用は、本発明において有用なエキセンディンアゴニストまたはアナログに必要ではない。
【0051】
エキセンディンの構造活性相関(SAR)が、代謝に対する安定性、および物理的特徴の改良に関するエキセンディンの活性に関連し得る構造につき調査され、特にそれがペプチド安定性および代わりの送達系への服従に関係するため、様々なエキセンディンアゴニストペプチド化合物が発明されている。エキセンディンアゴニストは、1またはそれを超える天然にまたは非天然に生じるアミノ酸が、もう1つの(複数の)アミノ酸によって付加、挿入、排除または置換されるアゴニスト活性を有するエキセンディンアナログを含む。好ましいエキセンディンアナログは、エキセンディン-4のペプチドアナログである。
【0052】
エキセンディンアナログは、本明細書中に定義されるように、本発明において機能的であるアゴニスト活性を有する生物学的に活性なエキセンディンアナログを発現するポリヌクレオチドによってコードされる。例えば、本発明において有用なエキセンディンアナログは、エキセンディン-4またはエキセンディン-3と比較して、1またはそれを超えるアミノ酸置換、延長、付加または欠失を含有するペプチドであってよい。1つの具体例において、置換、延長、欠失、または付加の数は、30アミノ酸またはそれ未満、25アミノ酸またはそれ未満、20アミノ酸またはそれ未満、15アミノ酸またはそれ未満、10アミノ酸またはそれ未満、5アミノ酸またはそれ未満またはこれらの量の間のいずれかの整数である。本発明の1つの態様において、置換は、1またはそれを超える保存的置換を含む。化学的に誘導体化されたまたは改変された化合物および配列番号:12および14に対して好ましいアミノ酸相同性を有するペプチドを含むエキセンディンアナログは、先に記載されており、特許請求される発明の範囲内であると考えられる。
【0053】
アゴニスト活性を有する新規のエキセンディンアナログは、1997年8月8日に出願された米国特許出願番号第60/055,404号の利益を主張する、1998年8月6日に出願された"Novel Exendin Agonist Compounds"と題されたPCT出願番号第PCT/US98/16387号に記載されており、これらの両方は、本明細書において、引用によって援用される。
【0054】
アゴニスト活性を有する他の新規エキセンディンアナログは、1997年11月14日に出願された米国仮出願番号第60/065,442号の利益を主張する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号題PCT/US98/24210号に記載されており、これらの両方は、引用によって本明細書中に援用される。
【0055】
アゴニスト活性を有するさらなる他の新規エキセンディンアナログは、1997年11月14日に出願された米国仮出願番号第60/066,029号の利益を主張する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号に記載されており、これらの両方は、引用によって本明細書中に援用される。
【0056】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、1996年8月8日に出願された米国特許出願番号第08/694,954号の一部継続出願である、"Methods for Regulating Gastrointestinal Activity"と題された1997年8月8日に出願されたPCT出願番号第PCT/US97/14199号に記載されており、これらの両方は、引用によって本明細書中に援用される。
【0057】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、1997年1月7日に出願された米国仮出願番号第60/034,905号に対して優先権を主張する、"Use of Exendins and Agonists Thereof for the Reduction of Food Intake"と題された1998年1月7日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/00449号に記載されており、これらの両方は、引用によって本明細書中に援用される。
【0058】
エキセンディンアゴニスト活性は、例えば、引用された出願において、引用によって援用されるアッセイにおいて活性を確認することによって評価することができる。エキセンディンまたはエキセンディンアゴニストの効果は、エキセンディンの効果を決定するためのそれに記載された方法、または他の当該分野で知られるまたは同等の方法を用いて、同定、評価、またはスクリーニングされる。潜在的なエキセンディンアゴニスト化合物または候補エキセンディンアゴニスト化合物のためのスクリーニングアッセイは、インビトロGLP-1レセプター競合アッセイまたは直接的結合スクリーニング、または増加されたcAMP生成またはインスリン合成のような活性スクリーニングを含み得る。
【0059】
アゴニスト活性を有する特定の好ましいエキセンディンアナログは:
エキセンディン-4(1-30)[配列番号:19: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Met Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Trp Leu Lys Asn Gly Gly];
エキセンディン-4(1-30)アミド[配列番号:20: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Met Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Trp Leu Lys Asn Gly Gly-NH2];
エキセンディン-4(1-28)アミド[配列番号:21: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Met Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Trp Leu Lys Asn-NH2] ;
14Leu 25Phe エキセンディン-4アミド[配列番号:22: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Leu Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Phe Leu Lys Asn Gly Gly Pro Ser Ser Gly Ala Pro Pro Pro Ser-NH2];
l4Leu, 25Phe エキセンディン-4(1-28)アミド[配列番号:23: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Leu Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Phe Leu Lys Asn-NH2];および
14Leu,22Ala,25Phe エキセンディン-4(1-28)アミド[配列番号:24: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Leu Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Ala Ile Glu Phe Leu Lys Asn-NH2]を含む。
【0060】
また、式(III-X)の化合物の医薬上許容される塩ならびに該化合物およびその塩を含む医薬組成物も、本発明の範囲内に含まれる。
【0061】
式III
また、アゴニスト活性を有するエキセンディンアナログは、式(III)[配列番号:25]:
【0062】
【表4】

【0063】
[式中
Xaa1は、His、ArgまたはTyrであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Ala、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThr であり;
Xaa9は、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、AlaまたはLeuであり;
Xaa22は、Ala、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
Xaa27は、AlaまたはLysであり;
Xaa28は、AlaまたはAsnであり;
Z1は-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2または
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンまたはN-アルキルアラニンであり;および
Z2は-OHまたは-NHであり;
但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaal6、Xaa17、Xaal9、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以上がAlaではない]
の化合物を含む米国第09/554,533号記載のものを含む。
【0064】
N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンに対して好ましいN-アルキル基は、好ましくは1ないし約6の炭素原子、より好ましくは1ないし4の炭素原子を有する低級アルキル基を含む。
【0065】
好ましいエキセンディンアナログは、Xaa1がHisまたはTyrであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisである。
【0066】
Xaa2がGlyである化合物が好ましい。
【0067】
Xaa14が、Leu、ペンチルグリシンまたはMetである化合物が好ましい。
【0068】
好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものである。
【0069】
好ましい化合物は、Xaa6がPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa22がPheまたはナフチルアラニンであり、ならびにXaa23がIleまたはValであるものである。
【0070】
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38が、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンから選択される化合物が好ましい。
【0071】
好ましくは、Z1は-NH2である。
【0072】
好ましくは、Z2は-NH2である。
【0073】
1つの態様によると、式(III)[式中、Xaa1はHisまたはTyrであり;Xaa2はGlyであり;Xaa6はPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa14はLeu、ペンチルグリシンまたはMetであり;Xaa22はPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa23はIleまたはValであり;Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。より好ましくは、Z1は-NH2である。
【0074】
特に好ましい態様によると、特に好ましい化合物は、式(III)[式中:Xaa1は、HisまたはArgであり;Xaa2は、GlyまたはAlaであり;Xaa3は、AspまたはGluであり;Xaa5は、AlaまたはThrであり;Xaa6は、Ala、Pheまたはネフチルアラインであり;Xaa7は、ThrまたはSerであり;Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;Xaa9は、AspまたはGluであり;Xaa10は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり;Xaa11は、AlaまたはSerであり;Xaa12は、AlaまたはLysであり;Xaa13は、AlaまたはGlnであり;Xaa14は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり;Xaa15は、AlaまたはGluであり;Xaa16は、AlaまたはGluであり;Xaa17は、AlaまたはGluであり;Xaa19は、AlaまたはValであり;Xaa20は、AlaまたはArgであり;Xaa21は、AlaまたはLeuであり;Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa23は、Ile、Valまたはtert-ブチルグリシンであり;Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;Xaa25は、Ala、TrpまたはPheであり;Xaa26は、AlaまたはLeuであり;Xaa27は、AlaまたはLysであり;Xaa28は、AlaまたはAsnであり;Z1-OH、-NH2、Gly-Z2、Gly Gly-Z2、Gly Gly Xaa31-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2 であり;Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro ホモプロリン、チオプロリンまたはN-メチルアラニンであり;ならびにZ2は-OHまたは-NH2であり;但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以上がAlaではない]のものを含む。特に好ましい化合物は、"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された、1998年11月13日に出願されたPCT出願第PCT/US98/24210号に記載の、そこで化合物2-23で確認されるものを含む。
【0075】
特に好ましい態様によると、Xaa14が、Leu、Ile、Valまたはペンチルグリシン、より好ましくはLeuまたはペンチルグリシンであり、およびXaa25がPhe、Tyrまたはナフチルアラニン、より好ましくはPheまたはナフチルアラニンである化合物が提供される。これらの化合物は、インビトロおよびインビボの両方、ならびに化合物の合成の間、酸化的分解反応により感受性でないだろう。
【0076】
式IV
アゴニスト活性を有するエキセンディンアナログは、式(IV)[配列番号:26]:
【0077】
【表5】

【0078】
[式中:
Xaa1は、His、Arg、Tyr、Ala、Norval、ValまたはNorleuであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、Ala、AspまたはGluであり;
Xaa4は、Ala、Norval、Val、NorleuまたはGlyであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、Ala、Norval、Val、Norleu、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGln であり;
Xaa14は、Ala、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、AlaまたはLeuであり;
Xaa22は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
Xaa27は、AlaまたはLysであり;
Xaa28は、AlaまたはAsnであり;
Z1は-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2または
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Xaa39-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンまたはN-アルキルアラニンであり;ならびに
Z2は-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa9、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以上がAlaではなく;また、もしXaa1が、His、ArgまたはTyrであれば、Xaa3、Xaa4およびXaa9のうちの少なくとも1つは、Alaである]の化合物を含む、米国仮出願第09/554,531号記載のものも含む。
【0079】
N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンのための好ましいN-アルキル基は、1ないし約6の炭素原子、より好ましくは1ないし4の炭素原子を有する低級アルキル基を含む。式(II)の適当な化合物は、"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願された出願番号第PCT/US98/24273号に記載の、実施例1-89(それぞれ“化合物1-89”)において同定されたもの、ならびに実施例104および105において同定された対応する化合物を含む。
【0080】
好ましいそのようなエキセンディンアナログは、Xaa1がHis、AlaまたはNorvalであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisまたはAlaである。最も好ましくはXaa1はHisである。
【0081】
式(IV)[式中:Xaa2は、Glyである]の化合物が好ましい。
【0082】
式(IV)[式中:Xaa3は、Alaである]の化合物が好ましい。
【0083】
式(IV)[式中:Xaa4は、Alaである]の化合物が好ましい。
【0084】
式(IV)[式中:Xaa9は、Alaである]の化合物が好ましい。
【0085】
式(IV)[式中:Xaa14は、Leu、ペンチルグリシンまたはMetである]の化合物が好ましい。
【0086】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものである。
【0087】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa6がAla、Pheまたはナフチルアラニン;Xaa22がPheまたはナフチルアラニン;ならびにXaa23がIleまたはValであるものである。
【0088】
式(IV)[式中、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。
【0089】
好ましくは、Z1は-NH2である。
【0090】
好ましくは、Z2は-NH2である。
【0091】
1つの態様によると、式(IV)[式中、Xaa1はAla、HisまたはTyr、より好ましくはAlaまたはHisであり;Xaa2はAlaまたはGlyであり;Xaa6はPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa14はAla、Leu、ペンチルグリシンまたはMetであり;Xaa22はPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa23はIleまたはValであり;Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択され;およびXaa39はSerまたはTyr、より好ましくはSerである]の化合物が好ましい。より好ましくは、Z1は-NH2である。
【0092】
特に好ましい態様によると、好ましい化合物は、式(IV)[式中:Xaa1はHisまたはAlaであり;Xaa2はGlyまたはAlaであり;Xaa3はAla、AspまたはGluであり;Xaa4はAlaまたはGlyであり;Xaa5はAlaまたはThrであり;Xaa6はPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa7はThrまたはSerであり;Xaa8はAla、SerまたはThrであり;Xaa9はAla、AspまたはGluであり;Xaa10はAla、Leuまたはペンチルグリシンであり;Xaa11はAlaまたはSerであり;Xaa12はAlaまたはLysであり;Xaa13はAlaまたはGlnであり;Xaa14はAla、Leu、Metまたはペンチルグリシンであり;Xaa15はAlaまたはGluであり;Xaa16はAlaまたはGluであり;Xaa17はAlaまたはGluであり;Xaa19はAlaまたはValであり;Xaa20はAlaまたはArgであり;Xaa21はAlaまたはLeuであり;Xaa22はPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa23はIle、Valまたはtert-ブチルグリシンであり;Xaa24はAla、GluまたはAspであり;Xaa25はAla、TrpまたはPheであり;Xaa26はAlaまたはLeuであり;Xaa27はAlaまたはLysであり;Xaa28はAlaまたはAsnであり;Z1は-OH、-NH2、Gly-Z2、Gly Gly-Z2、Gly Gly Xaa31-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2またはGly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Xaa39-Z2であり;Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro ホモプロリン、チオプロリンまたはN-メチルアラニンであり;ならびにZ2は、-OHまたは-NH2であり;但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以上がAlaではなく;また、但し、もしXaa1がHis、ArgまたはTyrであるならば、Xaa3、Xaa4およびXaa9のうちの少なくとも1つはAlaである]のものを含む。式(IV)の特に好ましい化合物は、配列番号5-93のアミノ酸配列を有する、"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願された出願番号第PCT/US98/24273号に記載のものを含む。
【0093】
特に好ましい態様によると、式(IV)[式中、Xaa14はAla、Leu、Ile、Valまたはペンチルグリシンであり、より好ましくは、Leuまたはペンチルグリシンであり、ならびにXaa25はAla、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり、より好ましくは、Pheまたはナフチルアラニンである]の化合物が提供される。これらの化合物は、インビトロおよびインビボの両方、ならびに化合物の合成の間、酸化的分解反応に対してより感受性でなくなるだろう。
【0094】
式V
また、例えば、それぞれ28、29または30アミノ酸残基の長さを有するペプチドを含まない化合物の属概念といった、様々な長さのペプチドを有する化合物のより狭い属概念も、本発明の範囲内のものである。加えて、本発明は、例えば式(V)[配列番号 27]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Gly Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19
Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28-Z1;
[式中:
Xaa1は、HisまたはArgであり;
Xaa2は、GlyまたはAlaであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Ala、Pheまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、AlaまたはLeuであり;
Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Valまたはtert-ブチルグリシンであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、またはPheであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
Xaa27は、AlaまたはLysであり;
Xaa28は、AlaまたはAsnであり;
Z1は、-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly -Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2または
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-メチルイルアラニンから選択され;ならびに
Z2は、-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうち3つ以上がAlaではない]の化合物;およびその医薬上許容される塩といった、特定のアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24210号に記載の化合物のより狭い属概念を含む。
【0095】
式VI
加えて、本発明は、例えば、式[VI][配列番号28]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa5 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19
Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28-Z1
[式中:
Xaa1は、HisまたはAlaであり;
Xaa2は、GlyまたはAlaであり;
Xaa3は、Ala、AspまたはGluであり;
Xaa4は、AlaまたはGlyであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Pheまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、Ala、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leu、Metまたはペンチルグリシンであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、AlaまたはLeuであり;
Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Valまたはtert-ブチルグリシンであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、TrpまたはPheであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
Xaa27は、AlaまたはLysであり;
Xaa28は、AlaまたはAsnであり;
Z1は、-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Ser-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリン、またはN-メチルイルアラニンであり;ならびに
Z2は、-OHまたは-NHであり;
但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27、およびXaa28のうちの3つ以内はAlaであり;ならびに、もしXaa1が、His、ArgまたはTyrならば、Xaa3、Xaa4およびXaa9のうちの少なくとも1つは、Alaである]の化合物;およびその医薬上許容される塩といった特定のアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号に記載のペプチド化合物のより狭い属概念を含む。
【0096】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa1がHis、Ala、Norvalまたは4-イミダゾプロピオニルであるものを含む。好ましくは、Xaa1はHis、または4-イミダゾプロピオニルまたはAla、より好ましくはHisまたは4-イミダゾプロピオニルである。
【0097】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa2がGlyであるものを含む。
【0098】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa4がAlaであるものを含む。
【0099】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa9がAlaであるものを含む。
【0100】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa14がLeu、ペンチルグリシンまたはMetであるものを含む。
【0101】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものを含む。
【0102】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa6がAla、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa22がPheまたはナフチルアラニンであり;ならびにXaa23がIleまたはValであるものを含む。
【0103】
式(VI)の好ましい化合物は、Z1が-NH2であるものを含む。
【0104】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38が、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンよりなる群から選択されるものを含む。
【0105】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa39がSerまたはTyr、好ましくはSerであるものを含む。
【0106】
式(VI)の好ましい化合物は、Z2が-NH2であるものを含む。
【0107】
式(VI)の好ましい化合物は、Z1が-NH2であるものを含む。
【0108】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa21がLys-NH2-R[式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。
【0109】
式(VI)の好ましい化合物は、X1がLys Asn、Lys-NHε-R Asn、またはLys-NHε-R Ala[式中、RはLys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。式(VI)の好ましい化合物は、配列番号95-110から選択される"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号記載のアミノ酸配列を有するものを含む。
【0110】
式VII
また、式(VII)[配列番号:29]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Gly Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19 Xaa20
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 X1 -Z1
[式中、
Xaa1は、His、ArgまたはTyrまたは4-イミダゾプロピオニルであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Ala、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、Ala、LeuまたはLys-NHε-R(式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアルキルアルカノイルである)であり;
Xaa22は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
X1は、Lys Asn、Asn Lys、Lys-NHε-R Asn、Asn Lys-NHε-R、Lys-NHε-R Ala、Ala Lys-NHε-R(式中Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアルキルアルカノイルである)であり、
Z1は、-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2または
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンでありよりなる群から選択され;ならびに
Z2は、-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、およびXaa26の3つ以上がAlaではない]の化合物を含む"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24210号記載の化合物が提供される。また、該化合物およびその塩を含む式(VII)の化合物の医薬上許容される塩および医薬組成物も本発明の範囲内のものである。
【0111】
式(VII)の好ましいエキセンディンアナログは、Xaa1がHis、Tyrまたは4-イミダゾプロピオニルであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisである。
【0112】
式(VII)[式中、Xaa1は4-イミダゾプロピオニルである]の化合物が好ましい。
【0113】
式(VII)[式中、Xaa2はGlyである]の化合物が好ましい。
【0114】
式(VII)の好ましい化合物は、Xaa14がLeu、ペンチルグリシンまたはMetであるものである。
【0115】
式(VII)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものである。
【0116】
1つの態様によると、式(VII)[式中、Xaa6はPheまたはナフチルアラニンであり;およびXaa22はPheまたはナフチルアラニンであり;ならびにXaa23はIleまたはValである]の化合物が好ましい。より好ましくは、Z1 は-NH2である。1つの態様によると、式(VII)[式中、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンよりなる群から選択される]のそのような化合物が特に好ましい。より好ましくは、Z2は-NH2である。
【0117】
式(VII)の好ましい化合物は、X1がLys Asn、Lys-NHε-R Asn、またはLys-NHε-R Ala[式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。式(VII)の好ましい化合物は、化合物番号62-69として同定された、"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24210号記載の化合物を含む。
【0118】
好ましいそのようなエキセンディンアナログは、Xaa1がHis、AlaまたはNorValであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisまたはAlaである。最も好ましくは、Xaa1はHisである。
【0119】
式(VII)[式中、Xaa2はGlyである]の化合物が好ましい。
【0120】
式(VII)[式中、Xaa3はAlaである]の化合物が好ましい。
【0121】
式(VII)[式中、Xaa4がAlaである]の化合物が好ましい。
【0122】
式(VII)[式中、Xaa9がAlaである]の化合物が好ましい。
【0123】
式(VII)[式中、Xaa14は、Leu、ペンチルグリシンまたはMetである]の化合物が好ましい。
【0124】
式(VII)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものである。
【0125】
式(VII)の好ましい化合物は、Xaa6がAla, Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa22がPheまたはナフチルアラニンであり;ならびにXaa23がIleまたはValであるものである。
【0126】
式(VII)[式中、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。
【0127】
好ましくは、Z1は-NH2である。
【0128】
好ましくは、Z2は-NH2である。
【0129】
1つの態様によると、式(VII)[式中、Xaa1はAla、HisまたはTyr、より好ましくはAlaまたはHisであり;Xaa2は、AlaまたはGlyであり;Xaa6は、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa14は、Ala、Leu、ペンチルグリシンまたはMetであり;Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa23は、IleまたはValであり;Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択され;ならびにXaa39は、SerまたはTyr、より好ましくはSerである]の化合物が好ましい。より好ましくは、Z1は、-NH2である。
【0130】
特に好ましい態様によると、好ましい化合物は、式(VII)[式中: Xaa1は、HisまたはAlaであり;Xaa2は、GlyまたはAlaであり;Xaa3は、Ala、AspまたはGluであり;Xaa4は、AlaまたはGlyであり;Xaa5は、AlaまたはThrであり;Xaa6は、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa7は、ThrまたはSerであり;Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;Xaa9は、Ala、AspまたはGluであり;Xaa10は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり;Xaa11は、AlaまたはSerであり;Xaa12は、AlaまたはLysであり;Xaa13は、AlaまたはGlnであり;Xaa14は、Ala、Leu、Metまたはペンチルグリシンであり;Xaa15は、AlaまたはGluであり;Xaa16は、AlaまたはGluであり;Xaa17は、AlaまたはGluであり;Xaa19は、AlaまたはValであり;Xaa20は、AlaまたはArgであり;Xaa21は、AlaまたはLeuであり;Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa23は、Ile、Valまたはtert-ブチルグリシンであり;Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;Xaa25は、Ala、TrpまたはPheであり;Xaa26は、AlaまたはLeuであり;Xaa27は、AlaまたはLysであり;Xaa28は、AlaまたはAsnであり;Z1は、-OH、-NH2、Gly-Z2、Gly Gly-Z2、Gly Gly Xaa31-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2またはGly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Xaa39-Z2であり;Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro ホモプロリン、チオプロリンまたはN-メチルアラニンであり;ならびにZ2は、-OHまたは-NH2であり;但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以内はAlaであり;また、もしXaa1が、His、ArgまたはTyrならば、Xaa3、Xaa4およびXaa9のうちの少なくとも1つは、Alaである]のものを含む。式(VII)の特に好ましい化合物は、配列番号5-93として同定されたアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24210号記載のものを含む。
【0131】
特に好ましい態様によると、式(VII)[式中、Xaa14はAla、Leu、Ile、Valまたはペンチルグリシン、より好ましくはLeuまたはペンチルグリシンであり、Xaa25はAla、Phe、Tyrまたはナフチルアラニン、より好ましくはPheまたはナフチルアラニンである]の化合物が好ましい。これらの化合物は、インビトロおよびインビボの両方、ならびに化合物の合成の間、酸化的分解反応に対して、より感受性が低くなるだろう。
【0132】
式VIII
また、式(VI)[配列番号 30]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19 Xaa20
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 X1-Z1
[式中、
Xaa1は、His、Arg、Tyr、Ala、Norval、Val、Norleuまたは4-イミダゾプロピオニルであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、Ala、AspまたはGluであり;
Xaa4は、Ala、Norval、Val、NorleuまたはGlyであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、Ala、Norval、Val、Norleu、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、Ala、LeuまたはLys-NHε-R(式中、Rは、Lys、Arg、C1-10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアレイル-アルカノイルである)であり;
Xaa22は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
X1は、Lys Asn、Asn Lys、Lys-NHε-R Asn、Asn Lys-NHε-R、Lys-NHε-R Ala、Ala Lys-NHε-R(式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアルキルアルカノイルである)であり;
Z1は、-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2または
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Xaa39-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンよりなる群から選択され;ならびに
Z2は、-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa9、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、 Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26のうちの3つ以内はAlaであり;また、もしXaa1が、His、Arg、Tyr、または4-イミダゾプロピオニルならば、Xaa3、Xaa4およびXaa9のうちの少なくとも1つはAlaである]の化合物を含む"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号記載のペプチド化合物も提供される。
【0133】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa1がHis、Ala、Norvalまたは4-イミダゾプロピオニルであるものを含む。好ましくは、Xaa1は、His、または4-イミダゾプロピオニルまたはAla、より好ましくは、Hisまたは4-イミダゾプロピオニルである。
【0134】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa2がGlyであるものを含む。
【0135】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa4がAlaであるものを含む。
【0136】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa9がAlaであるものを含む。
【0137】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa14がLeu、ペンチルグリシンまたはMetであるものを含む。
【0138】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものを含む。
【0139】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa6がAla、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa22がPheまたはナフチルアラニンであり;およびXaa23がIleまたはValであるものを含む。
【0140】
式(VIII)の好ましい化合物は、Z1が-NH2であるものを含む。
【0141】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38が、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンよりなる群から選択されるものを含む。
【0142】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa39がSerまたはTyr、好ましくはSerであるものを含む。
【0143】
式(VIII)の好ましい化合物は、Z2が-NH2であるものを含む。
【0144】
式(VIII)の好ましい化合物は、Z1が-NH2であるものを含む。
【0145】
式(VIII)の好ましい化合物は、Xaa21がLys-NHε-R[式中、RはLys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。
【0146】
式(VIII)の好ましい化合物は、X1がLys Asn、Lys-NHε-R Asn、またはLys-NHε-R Ala[式中、RはLys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。
【0147】
式(VIII)の好ましい化合物は、配列番号95-110として同定されたものから選択されるアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号記載のものを含む。
【0148】
式IX
本発明によると、特に有用な化合物は、式(IX)[配列番号 31]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Gly Thr Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8
Ser Lys Gln Xaa9 Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu
Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Leu Lys Asn Gly Gly Xaa14
Ser Ser Gly Ala Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18-Z
[式中:
Xaa1は、His、ArgまたはTyrであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa4は、Phe、Tyrまたはナフタラニンであり;
Xaa5は、ThrまたはSerであり;
Xaa6は、SerまたはThrであり;
Xaa7は、AspまたはGluであり;
Xaa8は、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa9は、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa10は、Phe、Tyrまたはナフタラニンであり;
Xaa11は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa12は、GluまたはAspであり;Xaa13は、Trp、Phe、Tyr、またはナフチルアラニンであり;
Xaa14、Xaa15、Xaa16およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンまたはN-アルキルアラニンであり;
Xaa18は、Ser、ThrまたはTyrであり;ならびにZは、-OHまたは-NH2であり;
但し、該化合物は配列番号12または14のいずれの式も有さない]の化合物を含む"Use of Exendins And Agonists Thereof For The Reduction of Food Intake"と題された1998年1月7日に出願された米国特許出願番号第09/003,869号に記載のアゴニスト活性を有するエキセンディンアナログである。N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンに好ましいN-アルキル基は、好ましくは1ないし約6の炭素原子、より好ましくは1ないし4の炭素原子を有する低級アルキル基を含む。また、式(IX)の化合物の医薬上許容される塩も、本発明において有用である。
【0149】
好ましいエキセンディンアナログは、Xaa1がHisまたはTyrであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisである。
【0150】
Xaa2がGlyである化合物が好ましい。
【0151】
Xaa9が、Leu、ペンチルグリシンまたはMetである化合物が好ましい。
【0152】
好ましい化合物は、Xaa13がTrpまたはPheであるものを含む。
【0153】
また、Xaa4がPheまたはナフタラニン;Xaa11がIlまたはValであり、Xaa14、Xaa15、Xaa16およびXaa17が、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択される化合物が好ましい。好ましくは、N-アルキルアラニンは、1ないし約6の炭素原子のN-アルキル基を有する。
【0154】
特に好ましい態様によると、Xaa15、Xaa16およびXaa17は同一のアミノ酸残基である。
【0155】
Xaa18がSerまたはTyr、より好ましくはSerである化合物が好ましい。
【0156】
好ましくは、Zは-NH2である。
【0157】
1つの態様によると、式(VII)[式中、Xaa1は、HisまたはTyr、より好ましくはHisであり;Xaa2は、Glyであり;Xaa4は、Pheまたはナフタラニンであり;Xaa9は、Leu、ペンチルグリシンまたはMetであり;Xaa10は、Pheまたはナフタラニンであり;Xaa11は、IleまたはValであり;Xaa14、Xaa15、Xaa16 およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択され;ならびにXaa18は、SerまたはTyr、より好ましくはSerである]の化合物が好ましい。より好ましくは、Zは、-NH2である。
【0158】
特に好ましい態様によると、特に好ましい化合物は、式(IX)[式中: Xaa1は、HisまたはArgであり;Xaa2は、Glyであり;Xaa3は、AspまたはGluであり;Xaa4は、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa5は、ThrまたはSerであり;Xaa6は、SerまたはThrであり;Xaa7は、AspまたはGluであり;Xaa8は、Leuまたはペンチルグリシンであり;Xaa9は、Leuまたはペンチルグリシンであり;Xaa10は、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa11は、Ile、Valまたはt-ブチルチルグリシンであり;Xaa12は、GluまたはAspであり;Xaa13は、TrpまたはPheであり;Xaa14、Xaa15、Xaa16、およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリン、またはN-メチルアラニンであり;Xaa18は、SerまたはTyrであり: ならびにZは、-OHまたは-NH2であり;但し、該化合物は配列番号7または9のいずれの式も有さない]のものを含む。より好ましくは、Zは、-NH2である。
【0159】
特に好ましい態様によると、Xaa9がLeu、Ile、Valまたはペンチルグリシン、より好ましくはLeuまたはペンチルグリシンであり、Xaa13がPhe、Tyrまたはナフチルアラニン、より好ましくはPheまたはナフチルアラニンである化合物が提供される。これらの化合物は、作用の有利な持続を呈し、インビトロおよびインビボの両方、ならびに化合物の合成の間、酸化的分解反応の影響を受けにくいと考えられている。
【0160】
式X
また、式(X)[配列番号:32]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Gly Thr Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8
Ser Lys Gln Xaa9 Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu
Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Leu X1 Gly Gly Xaa14
Ser Ser Gly Ala Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18-Z
[式中:
Xaa1は、His、Arg、Tyrまたは4-イミダゾプロピオニルであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa4は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa5は、ThrまたはSerであり;
Xaa6は、SerまたはThrであり;
Xaa7は、AspまたはGluであり;
Xaa8は、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa9は、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa10は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa11は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa12は、GluまたはAspであり;
Xaa13は、Trp、Phe、Tyr,またはナフチルアラニンであり;X1は、Lys Asn、Asn Lys、Lys-NHε-R Asn、Asn Lys-NHε-R(式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアルキルアルカノイルである)であり;
Xaa14、Xaa15、Xaa16およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンまたはN-アルキルアラニンであり;
Xaa18は、Ser、ThrまたはTyrであり;Zは、-OHまたは-NH2であり;
但し、該化合物は配列番号7または9のいずれの式も有さない]の化合物を含む"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年8月6日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/16387号に記載の化合物も提供される。式(X)の適当な化合物は、配列番号37-40のアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年8月6日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/16387号に記載の化合物を含む。
【0161】
式(X)の好ましいエキセンディンアナログは、Xaa1が、His、Tyrまたは4-イミダゾプロピオニルであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisまたは4-イミダゾプロピオニルである。
【0162】
式(X)[式中、Xaa2はGlyである]の化合物が好ましい。
【0163】
式(X)[式中、Xaa9はLeu、ペンチルグリシンまたはMetである]の化合物が好ましい。
【0164】
式(X)[式中、Xaa13はTrpまたはPheである]の化合物が好ましい。
【0165】
式(X)[式中、X1は、Lys Asn、またはLys-NHε-R Asn(式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである)である]の化合物が好ましい。
【0166】
また、式(X)[式中、Xaa4はPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa10はPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa11はIleまたはValであり、Xaa14、Xaa15、Xaa16およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。特に好ましい態様によると、Xaa18はSerまたはTyrである。Xaa18がSerである化合物が好ましい。好ましくは、Zは-NH2である。
【0167】
1つの好ましい態様によると、式(X)[式中、Xaa4はPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa10は、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa11は、IleまたはVal、X1は、Lys Asn、またはLys-NHε-R Asn(式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである)であり、Xaa14、Xaa15、Xaa16 およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。
【0168】
本明細書に記載されるエキセンディンアナログのような、ペプチドであるエキセンディンおよびエキセンディンアゴニストは、例えば、本明細書中に引用によって援用されるEng, et al., J. Biol. Chem. 265:20259-62, 1990;およびEng, et al., J. Biol. Chem. 267:7402-05, 1992に記載のペプチド精製を介して調製することができる。別法として、エキセンディン、インクレチン、GLP-1、およびペプチドであるアゴニスト、アナログ、誘導体および変異体は、例えば、本明細書中に引用によって援用されるRaufman, et al., J. Biol. Chem. 267:21432-37, 1992)に記載の、先に記載され、当該分野でよく知られているように、標準の固相ペプチド合成技術および好ましくは自動または半自動ペプチド合成器を用いる当業者に知られる方法によって調製することができる。
【0169】
また、本発明のペプチド分子は、現在当該分野で知られる方法を用いる組換えDNA技術を用いて調製することができる。当該分野で知られるようなさらなる段階において分子にいずれかの必要な化学的修飾を加えながら、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d Ed., Cold Spring Harbor (1989)参照。別法として、そのような化合物は、均一相ペプチド合成方法によって調製することができる。本発明において有用な非-ペプチド化合物は、当該分野で知られる方法によって調製可能である。例えば、リン酸塩含有アミノ酸およびそのようなアミノ酸を含有するペプチドは、当該分野で知られる方法によって調製することができる。例えば、Bartlett and Landen, Biorg. Chem. 14:356-377 (1986)参照。また、先に論議したように、GLP-1およびそのアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、および断片を作成および/または精製する方法を使用して、エキセンディン、そのアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、および断片を作成および/または精製することができる。
【0170】
また、配列番号:1、12、および14、ならびにその不完全な配列に対して、50%または55%を超えるアミノ酸配列同一性、および好ましくは70、80、90、または95%を超えるアミノ酸配列同一性を有するペプチド配列も本発明に含まれる。本明細書において使用されるように、配列同一性とは、当該分野でよく知られた標準アルゴリズムを用いて、2つの分子の間でなされる比較を指す。本発明に関する配列同一性を計算する好ましいアルゴリズムは、Smith-Watermanアルゴリズムであり、例えば、配列番号:1[つまり、GLP-1(1-37)]、配列番号:12または14[それぞれ、エキセンディン-3および4]を参照配列として使用して、その長さにわたり、相同性のパーセンテージ同一性を定義することができる。いくつかのパラメーター値が、他よりもより生物学的に現実的な結果を与えることが分かっているが、マッチ、ミスマッチ、および挿入または欠失に対するパラメーター値の選択は任意である。Smith-Watermanアルゴリズムに対するパラメーター値の1つの好ましい組は、マッチ残基 に対して1およびミスマッチ残基(残基は単一のヌクレオチドまたは単一のアミノ酸のいずれかである)に対して-1/3の値を使用する「最大同様性セグメント」アプローチに記載されている。Waterman, Bull. Math. Biol. 46;473 (1984)。挿入および欠失(indels)、xは、xk=1+1/3k[式中、kは所与のインサートまたは欠失における残基の数である]として重み付けされる。同文献。
【0171】
例えば、18のアミノ酸置換および3つのアミノ酸の挿入を除き、配列番号:1の37-アミノ酸残基配列に対して同一である配列は:
【数1】

によって与えられるパーセント同一性を有するだろう。
【0172】
このアルゴリズムをいずれかのアミノ酸配列と使用して、配列相同性を決定することができる。相同性を決定する目的のため、成熟配列の切形は無視するべきである。より低い程度の相同性、匹敵する生物活性、および同様の発現特徴を有する配列は同等と考えられる。
【0173】
GLP-1アゴニストおよび/またはアナログの生物学的活性は、当業者によく知られているインビトロおよびインビボ動物モデルおよびヒト研究によって決定することができる。GLP-1生物学的活性は、標準的な方法によって、一般的に、例えばRINmSF細胞またはINS-1細胞のようなインスリノーマ細胞系統といった、その表面上にGLP-1レセプターを発現する適当な細胞を提供することを含むレセプター結合活性スクリーニング手順によって、決定することができる。Mojsov, Int. J. Peptide Protein Res. 40; 333 (1992)およびEP 0708179 A2参照。GLP-1レセプターは、例えば、インスリン生産膵臓β-細胞上で見受けられる細胞表面蛋白質であり;GLP-1(7-36)レセプターは当該分野で特徴付けられている。また、GLP-1およびエキセンディンが作用する位置にさらなるレセプターが存在すると考えられ、本発明が作用している効果を仲介し得る。化学物質またはペプチドが特定のGLP-1レセプターに結合するまたはそれを活性化させるかを決定する方法は、当業者に知られている。例えば、米国特許第6,051,689号、同第5,846,747号、および同第5,670,360号は、GLP-1レセプター、ならびにそれらを使用する方法を記載する。また、GLP-1レセプターを発現するように作成された細胞を使用することもできる。ラジオイムノアッセイ方法を用いてトレーサーの膜への特異的な結合を測定することに加えて、cAMP活性またはグルコース依存性インスリン生産もまた測定できる。1つの方法において、GLP-1レセプターをコードするポリヌクレオチドを使用して、細胞がGLP-1レセプター蛋白質を発現するように該細胞をトランスフェクトする。すなわち、例えば、これらの方法は、そのような細胞をスクリーニングすべき化合物と接触させ、そのような化合物がシグナルを発生する(つまり、レセプターを活性化させる)か否かを決定することによって、レセプターアゴニストについてのスクリーニングに使用することができる。他のスクリーニング技術は、例えばトランスフェクトされたCHO細胞といったGLP-1レセプターを発現する細胞の、レセプター活性化によって引き起こされた細胞外pHまたはイオン変化を測定するシステムにおける使用を含む。例えば、潜在的なアゴニストは、GLP-1蛋白質レセプターを発現する細胞と接触させてもよく、二次メッセンジャー応答(例えば、シグナル形質導入もしくはイオンまたはpH変化)を測定して、潜在的なアゴニストが効果的か否かを決定することができる。
【0174】
本発明の分子は、適当な医薬担体と併せて使用することができる。そのような組成物は、ポリペプチドの治療上有効量、および医薬上許容される担体または賦形剤を含む。本発明の化合物は、ヒト対象を含む動物に、いずれかの効果的な医薬上許容される形態で、例えば局所、洗浄、経口、坐剤、非経口、注射および/または注入用量形態で、局所、バッカル、舌下、肺またはスプレー式点鼻薬として、剤を送達するのに有効ないずれか他の様式で投与することができる。投与経路は、好ましくは、剤の送達および/または局所化を最適化するように設計され、本発明のペプチド分子に関しては、経皮または他の非経口注射経路、または経粘膜的送達を介するのが好ましい。
【0175】
慣用的担体と併せての投与に加えて、活性成分は、携帯用注入ポンプのような当業者に知られる様々な特別な送達薬物技術によって投与することができる。
【0176】
本発明のペプチド分子に適した処方は、米国第09/899,330および関連出願に記載されており、その全ては本明細書中に引用によって援用される。投与のためのさらなる処方は、その開示がその全文において本明細書中に引用によって援用されるRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., Wiley Publishing (1990)に記載されるように、当該分野で知られる方法および量に従い作ることができる。
【0177】
本発明のペプチドは、腎症を予防または治療するのに十分な量で、医薬上許容される担体と一緒に投与される。本発明の化合物は、非常に低い毒性および高い用量であっても低い程度の副作用を有する。本発明の化合物の用量範囲は、投与の経路および様式のような多くの要因、つまり、徐放性または持続性、例えば静脈注入または経皮注入、所望の用量計画等によって変動するだろう。
【0178】
次の範囲に制限されず、説明としてのみ提供するが、本発明のペプチドのための例示的用量範囲は、選択される組成物によって、0.001pmol/kgないし500nmol/kg/日を含み得る。用量範囲の下限は、約0.001pmol/kg、0.01pmol/kg、0.1pmol/kg、1pmol/kg、10pmol/kg、または100pmol/kgである。用量範囲の上限は、約10pmol/kg、100pmol/kg、1nmol/kg、10nmol/kg、100nmol/kg、250nmol/kgまたは500nmol/kgであり得る。所望の用量は、例えば、GLP-1およびエキセンディンと比較して、選択された活性組成物およびその相対的効力によって変動するだろう。また、所望の用量は、生物学的利用能、投与および処方の経路を含む他の要因によって決まるだろう。例えば、持続性注入ならびにボーラス用量および徐放性処方が考慮され、液体、ゲル、半固体または固体形態のペプチドの投与を含み得る。
【0179】
別法として、投与の形態によって、約0.0005μg/kg/用量ないし約12000μg/kg/用量を使用して、治療的血漿レベル(少なくとも5pg/ml、好ましくは少なくとも40pg/ml)を達成することができる。エキセンディン-4に似た効力を有する分子に関して、好ましくは、ピーク血漿レベルは約500pg/ml、より好ましくは約250pg/ml、最も好ましくは約150pg/mlを超えない。
【0180】
非経口投与されると、約0.001μg/kg/用量ないし約1.0μg/kg/用量の量のエキセンディンおよびアゴニストは、治療的効果を生む。
【0181】
静脈内投与(I.V.)による持続性注入のための例示的用量は、約0.1pmol/kg/分ないし10pmol/kg/分であり、経皮投与(s.c.)による持続性注入のための例示的用量は、約0.1pmol/kg/分ないし75pmol/kg/分であり、I.V.による単一注射(ボーラス)に対しては、約0.1nmol/kgないし2.0nmol/kgであり、s.c.による単一注射(ボーラス)に対しては、約0.1nmol/kgないし100nmol/kgであってよい。前述の用量は、単一用量/日として投与されてよく、あるいは投与につき複数の用量/日に分けられてもよい。本発明のペプチドは、1日に、1回ないし数回投与され得る。
【0182】
GLP-1ペプチドの投与の好ましい方法が、持続性適用を介してであってもよい一方、上記の送達の他の形態も考えられる。しかしながら、例示的な用量割合は、徐放性経皮、筋肉内、腹腔内、徐放性で注射された持続性薬剤、肺吸入法、ならびに静脈内、バッカル、パッチまたは他の徐放性送達方法によって送達されるGLP-1の約1ないし約10pmol/kg/分の範囲内であり得る。本発明の分解耐性GLP-1アナログ、誘導体または変異体、エキセンディン、アナログ、誘導体または変異体、および他の分子は、持続的に送達される必要はないが、ボーラスまたは徐放性用量に適しており、記載されるものよりずっと低い用量であってもよい。
【0183】
また、担体成分と適合性のある本発明の組成物以外の他の薬物を、医薬処方に配合してもよい。そのような薬物は、当業者によってすぐに確認でき、例えば、抗炎剤、利尿剤、血管拡張剤等を含み得る。
【0184】
本発明では、本発明の組成物の上記の活性形態の使用が考えられるのみならず、当該化合物に代謝されるプロドラッグ(プロフォーム)およびその生物学的に活性な塩形態、ならびに同一の医薬効果を供する光学異性体も含む。
【0185】
また、本発明の組成物を、ペプチドの生物学的活性を高めるまたは長引かせるために、ペプチドのインビボ半減期を促進する当該分野で知られる剤と併せて使用することができる。例えば、分子または化学部位を、その投与の前に、本発明の組成物に共有結合させてもよい。別法として、促進剤を、組成物と同時に投与してもよい。なおさらに、剤は、組成物の投与と同時にまたは後で投与されてもよい本発明の組成物の酵素分解を阻害することが分かっている分子を含み得る。そのような分子は、例えば、経口的に、注射によって、または当該分野で知られるいずれかの他の手段によって投与され得る。
【0186】
腎症を予防するために、本発明に従い、いつまたはどれぐらいの頻度で、GLP-1を投与しなければならないかに関する厳重な規則はないが、一般的なガイドラインとして、GLP-1は、インスリン抵抗性、糖尿病、未制御の高血圧病歴、腎臓病、増加したクレアチニンクリアランスレベル、蛋白尿、および非白人の家系を含むがこれらに制限されるわけではない、病気の発症に対して存在する2またはそれを超えるリスク要因を有する患者に投与することができる。
【0187】
次の実施例は、本発明のペプチド分子の用途の説明として提供され、制限するように意図されていない。
【実施例】
【0188】
Dahl Sラットは、インスリン抵抗性であり、塩分の多い食事をやると、すぐに重度の高血圧および腎障害を発症する。平均動脈圧(MAP)の増加は、総体液容量をサーボ制御することによってあるいは利尿薬を使用することによって予防することができるナトリウム貯留と関連している。Dahl Sラットは、ヒトにおいて、食塩感受性高血圧症と関連した多くの表現型特徴を呈する。具体的には、それらは食塩感受性、インスリン抵抗性および高脂血性である。それらは、高血圧の発症に続いて、糸球体硬化症も発症する。塩分の多い食事を与えられたDahl Sラットにおいて見られる腎障害のタイプは、糖尿病性腎症患者、および末期腎不全の発症率が、白人の高血圧患者の16倍高い高血圧のアフリカ系アメリカ人において見られるものに似ている。
【0189】
実施例1:方法
高血圧の発症を防ぐために、出生時から低塩食餌(0.1% NaCl)に維持された雄のDahl感受性/Jr(Dahl S)ラットに対して、実験を行った。ラットが9週令の時、それらにケタミン(40mg/kg)、キシラジン(2.5mg/kg)、およびアセプロマジン(0.6mg/kg)のi.m.注射で麻酔をかけ、カテーテルをMAP(平均動脈圧)およびi.v.注入(10ml/日)の長期にわたる測定のために、大腿動脈および血管に移植した。ラットは、感染症を予防するために、エンロフロキサシン(Baytril, 2.5mg/kg)のi.m.注射を受け、手術から回復するのに4−5日与えられた。
【0190】
MAPおよび腎機能障害に対するrGLP-1の効果の評価
MAPを3日間連続して測定し、血液試料および一晩尿試料を、対照期間の間に収集し、その間、ラットを低塩食餌(0.4 NaCl)に維持し、10ml/日の割合で、組換えグルカゴン様ペプチド-1(7-36)アミド(rGLP-1)(0.9%生理食塩水に対して5%マニトール溶液)のために、ビヒクルを与える。次いで、ラットを、14日間、高塩食餌(8% NaCl)に代えた。ラットの一群は、1ug/kg/分の用量で、rGLP-1の連続i.v.注入を受け、一方、ラットの他の群は、ビヒクルを注入された。MAPは、11:00 AMおよび3:00 PMの間、300Hzの試料率で、コンピューター化されたデータ収集システム(WINDAQ software, DataQ Instruments Inc. Akron, OH)を用いて、高塩食餌の3、7、10および14日目に大腿動脈に移植されたカテーテルから直接的に記録され、その間、ラットは意識があり、檻の中で自由に動いていた。MAPを1分間にわたって平均化し、記録セッションに対する平均値に変換した。加えて、血液試料を、血漿クレアチニン濃度の測定のために、動脈カテーテルから収集し、一晩尿試料を、高塩食餌の開始後7および14日目に、蛋白尿および微量アルブミン尿の測定のために収集した。尿蛋白濃度は、ウシ血清アルブミンを標準として、Bradford法(Bio-Rad Laboratories Hercules, CA)によって決定した。尿アルブミン濃度を、アルブミンブルー580法(Molecular Probes, Eugene, OR)を用いて測定した。
【0191】
腎臓の組織学的評価
実験の終わりに、ラットをペントバルビタール(60mg/Kg,i.p.)で麻酔をかけ、腎臓を収集し、重さを計り、5%緩衝ホルマリン溶液中で固定した。後に、組織をパラフィンに埋め込み、区切って、Masonの三重染色で染色し、光学顕微鏡で検査した。糸球体硬化症の程度を、メサンギウム基質で満たされた糸球体毛細血管領域のパーセンテージに基づき、0−4のスケールで、先にRaij et alによって記載されたように、スコア取りした。0スコアは、損傷なしを示し、スコア2は糸球体毛細血管領域の50%がマトリックスで満たされていることを示し、スコア4は所与の糸球体の全毛細血管の完全な閉鎖を示す。また、腎臓区分は、腎間質の線維化の程度につき検査され、蛋白円柱によって占有された延髄領域のパーセンテージは、少なくとも10領域/腎臓区分に対して、Metamorphイメージングプログラムを用いて決定した。
【0192】
統計学的分析
平均値±SEを表す。ビヒクル-およびrGLP-1処置群において測定された平均値の差の有意性を、反復測定に、二元ANOVAを用いて、引き続いて、Duncanの多重範囲テストまたは対応のないt-検定を用いて分析した。群内差の有意性は、反復測定に、ANOVAを用いてテストした。P値<0.05を、統計学的に有意と考えた。
【0193】
実施例2:高血圧の発生に対するrGLP-1の効果
ラットを、3日間の対照期間の間、低塩食餌(0.4% NaCl)に維持した。次いで、ラットを、高塩食餌(8% NaCl)に移し、rGLP-1(1μg/kg/分)またはビヒクルのいずれかを与えた。図1は、高塩食餌の開始の際のビヒクル処置ラットにおける高血圧の発症、およびGLP-1の投与によって与えられた保護を示す。括弧内の数字は、実験したラットの数を示す。*は、P<0.05対ビヒクル処置を示し、+はP<0.05対低塩食餌で測定された対照値を示す。ラットに低塩食餌を与えている間に測定されたベースラインMAPは、続いてrGLP-1またはビヒクルで処置されたラットにおいて同様であり、平均は122±2mmHgであった。MAPは、14日間で、高塩食餌を与えられたビヒクル処置されたDahl Sラットにおいて174±6mmHgまで増加した。対照的に、rGLP-1を注入されたラットにおいて、MAPの上昇は、有意に弱められ、MAPは136±7mmHgまでしか上昇しなかった。
【0194】
実施例3:腎機能障害に対するrGLP-1の効果
高塩食餌を与えられたDahl Sラットの蛋白尿、微量アルブミン尿および血漿クレアチニン濃度(腎損傷および腎症の指標)の発症に対するrGLP-1の効果を、図2に示す。ラットを、3日間の対照期間の間、低塩食餌(0.4% NaCl)に維持した。次いで、ラットを高塩食餌(8% NaCl)に移し、rGLP-1(1μg/kg/分)またはビヒクルを与えた。LS:低塩食餌、HS-7または-14:高塩食餌後、7または14日。括弧内の数字は、実験されたラットの数を示す。*は、P<0.05対ビヒクル処置を示し、+は、低塩食餌で測定されたP<0.05対対照値を示す。蛋白質およびアルブミンの排出量は、ビヒクル処置されたDahl Sラットにおいて、高塩食餌の14日後、有意に増加した(図2Aおよび2B)。これは、血漿クレアチニン濃度、糸球体濾過率の指標における有意な増加と関連していた(GFR、図2C)。rGLP-1の長期投与は、蛋白質およびアルブミンの尿中排泄の増加を、それぞれ、62%および68%、有意に弱めた(図2Aおよび2B)。また、rGLP-1は、高塩食餌を与えられたDahl Sラットにおいて、血漿クレアチニン濃度の増加を、62%だけ減少させた(図2C)。
【0195】
実施例4:腎末端器官損傷の減少
14日間の高塩食餌(HS-14)を与えられたDahl Sラットにおける高血圧誘発性腎末端器官損傷に対するrGLP-1の効果を、図3に示す。ラットを、rGLP-1またはビヒクルで処置した。図3Bおよび3Cにおいて、低塩(LS)は、実験を通して、低塩(0.4% NaCl)食餌で維持された正常血圧のDahl Sラットの別の群から得られた結果を示す。括弧内の数字は、研究されたラットの数を示す。*は、P<0.05対高塩食餌を与えられ、ビヒクルで処置された対照Dahl Sラットを示す。Dahl SラットをrGLP-1で長期間処置すると、腎臓重量(図3A)、腎肥大の指標が減少した。ビヒクル処置されたDahl Sラットにおいて、検査されたほぼ全ての糸球体において、メサンギウム基質の顕著な拡大があり、全体的な糸球体の損傷スコアは、平均で3:1であり、糸球体毛細血管の領域の75%以上が基質で覆われていることを示した。ラットのrGLP-1による長期間処置は、基質拡大の程度および糸球体損傷を、有意に減少した(図3B)。また、比較のために、14日間低塩食餌に維持された正常血圧のDahl Sラットの群における糸球体損傷の程度を検査した。糸球体損傷スコアは、rGLP-1で処置され、高塩食餌を与えられたDahl Sラットにおいて見受けられるものから有意には異ならなかった(2.5±0.04対2.64±0.05,図3B)。これらの結果は、Dahl Sラットは高血圧の発症を最小化するために低塩食餌に維持されている時でさえ、高い程度の糸球体損傷を呈するという以前の報告と一致している[26]。同様に、ビヒクル処置されたラットの外髄に、尿細管の顕著な壊死および蛋白円柱の形成があった(図3C)。対照的に、蛋白円柱の数および細管壊死の程度は、rGLP-1で注入されたDahl Sラットの外髄において、大きく減少された(図3C)。
【0196】
実施例4:内皮機能の改善
ビヒクルおよびGLP-1処置されたラットの胸大動脈を収集し、119 NaCL、4.7 KCl、1.17 MgSO4、1.6 CaCl2、12 NaHCO3、1.18 NaH2PO4、0.03 EDTA、10 グルコースおよび10 HEPES(pH7.4)を含有する冷生理食塩水(PSS)に入れた。結合組織および2つの輪(長さ約5mm)を、各ラットの大動脈から調製した。輪を、力変換器(Model FT03E, Grass Instruments, Rhode Island)に接続したタングステン線の器官漕に配置した。血管をPSSに浸し、95%O2および5%CO2で泡立て、37℃に維持した。輪を、2-3gの圧力で予め負荷し、60mmol/l KClの脱分極濃度の漕への添加に引き続いて、再現可能な収縮が達成されるまで、60ないし90分間、平衡を保たせた。血管をノルエピネフリンで予め収縮させた(NE,10-7mol/l)。次いで、アセチルコリン(Ach,10-9ないし10-4mol/l)またはNOドナー、DEA NON-Oate(10-9ないし10-4mol/l)に対する累積用量-応答曲線を構築した。各用量-応答実験の間、輪を、新鮮なPSSに浸し、60分間、再度、平衡を保たせた。対照実験を、正常血圧のSprague-Dawley(SD)ラットの群からの大動脈輪に対して行った。
【0197】
図4は、内皮機能を回復するのを助けるGLP-1の効果を示す。正常血圧のSDラットにおいて、Achは、NEで予め収縮された大動脈輪の圧力を90%だけ減少させた。AChに対する血管拡張反応は、高塩食餌を与えられた、ビヒクル処置されたDahl Sラットから調製された大動脈輪において顕著により小さかった。Dahl SラットのGLP-1による長期間治療は、部分的に、内皮機能を回復した。GLP-1処置ラットにおけるAchに対する血管拡張反応は、ビヒクル処置ラットにおいて見られるもののほぼ2倍であった(10-4Mにて57±4対35±5%緩和,図4a)。NOドナーに対する血管拡張反応は、全ラットからの大動脈輪にわたり同様であった(図4b)。
【0198】
これらの実施例は、本発明の例示的分子、GLP-1が、降圧作用および腎臓保護作用を有することを示す。
【0199】
上記実施例から、本発明が、記載の目的を達成することが分かる。手順における変更は、本発明の精神および範囲から逸脱せずに行うことができる。本明細書中に引用された特許の内容は、全て、引用によって援用される。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】図1は、Dahl Sラットにおける平均動脈圧(MAP)に対するrGLP-1の効果を表す。
【図2】図2Aは、Dahl Sラットにおける蛋白尿濃度に対するrGLP-1の効果を表す。図2Bは、Dahl Sラットにおける微量アルブミン尿濃度に対するrGLP-1の効果を表す。図2Cは、Dahl Sラットにおける血漿クレアチニン濃度に対するrGLP-1の効果を表す。
【図3】図3Aは、Dahl Sラットにおける腎臓重量に対するrGLP-1の効果を表す。図3Bは、Dahl Sラットにおける糸球体障害に対するrGLP-1の効果を表す。図3Cは、Dahl Sラットの外髄における蛋白質円柱の形成に対するrGLP-1の効果を表す。
【図4】図4は、大動脈輪における内皮機能に対するrGLP-1の効果を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのような治療を必要とする対象において、腎症の予防または治療用の医薬の製造における、グルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンである化合物の使用。
【請求項2】
腎症を患っている対象において、腎症のESRDへの進行を予防するための医薬の製造における、グルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンである化合物の使用。
【請求項3】
減少した血管拡張能力を有する対象において、内皮機能を改善するための医薬の製造における、グルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンである化合物の使用。
【請求項4】
それを必要とする対象における、蛋白尿を減少させるための医薬の製造における、グルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンである化合物の使用。
【請求項5】
その必要のある対象において、糸球体硬化症の進行を防ぐまたは遅らせるための医薬の製造における、グルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンである化合物の使用。
【請求項6】
対象が、インスリン抵抗性、糖尿病、または高血圧にも罹っている請求項1ないし5のいずれか1記載の使用。
【請求項7】
GLP-1がGLP-1(7-36)NH2、またはその生物学的に活性なアナログ、誘導体、変異体、もしくは断片である請求項1ないし6のいずれか1記載の使用。
【請求項8】
エキセンディンがエキセンディン-3、エキセンディン-4、またはその生物学的に活性なアナログ、誘導体、変異体、もしくは断片である請求項1ないし6のいずれか1記載の使用。
【請求項9】
組成物が、約0.001pmol/kgないし20nmol/kgの用量で投与される請求項1ないし8のいずれか1記載の使用。
【請求項10】
組成物が、約0.001μg/kg/用量ないし約1.0μg/kg/用量の用量で投与される請求項1ないし8のいずれか1記載の使用。
【請求項11】
組成物が、少なくとも40pg/mlの治療的血漿レベルを達成するのに十分な用量で投与される請求項1ないし10のいずれか1記載の使用。
【請求項12】
化合物が末梢投与される請求項1ないし11のいずれか1記載の使用。
【請求項13】
化合物が、約0.1pmol/kg/分から最大約10pmol/kg/分の用量で静脈内投与される請求項1ないし12のいずれか1記載の使用。
【請求項14】
化合物が約0.1pmol/kg/分ないし75pmol/kg/分の用量で皮下投与される請求項1ないし12のいずれか1記載の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンを含むことを特徴とする、対象において腎症を治療または予防するための医薬組成物。
【請求項2】
ルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンを含むことを特徴とする、腎症を有する対象において腎症のESRDへの進行を予防するための医薬組成物。
【請求項3】
ルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンを含むことを特徴とする、減少した血管拡張能力を有する対象において内皮機能を改善するための医薬組成物。
【請求項4】
ルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンを含むことを特徴とする、対象において蛋白尿を減少させるための医薬組成物。
【請求項5】
ルカゴン様ペプチド-1、またはそのいずれかの生物学的に活性なアゴニスト、アナログ、誘導体、変異体、もしくは断片に対するレセプターに結合するインクレチン、GLP-1、エキセンディンを含むことを特徴とする、対象において糸球体硬化症の進行を防ぐまたは遅らせるための医薬組成物。
【請求項6】
対象が、インスリン抵抗性、糖尿病、または高血圧にも罹っている請求項1ないし5のいずれか1記載の医薬組成物
【請求項7】
GLP-1がGLP-1(7-36)NH2、またはその生物学的に活性なアナログ、誘導体、変異体、もしくは断片である請求項1ないし6のいずれか1記載の医薬組成物
【請求項8】
エキセンディンがエキセンディン-3、エキセンディン-4、またはその生物学的に活性なアナログ、誘導体、変異体、もしくは断片である請求項1ないし6のいずれか1記載の医薬組成物
【請求項9】
当該組成物が、約0.001pmol/kgないし20nmol/kgの用量で投与される請求項1ないし8のいずれか1記載の医薬組成物
【請求項10】
当該組成物が、約0.001μg/kg/用量ないし約1.0μg/kg/用量の用量で投与される請求項1ないし8のいずれか1記載の医薬組成物
【請求項11】
当該組成物が、少なくとも40pg/mlの治療的血漿レベルを達成するのに十分な用量で投与される請求項1ないし10のいずれか1記載の医薬組成物
【請求項12】
化合物が末梢投与される請求項1ないし11のいずれか1記載の医薬組成物
【請求項13】
化合物が、約0.1pmol/kg/分から約10pmol/kg/分までの用量で静脈内投与される請求項1ないし12のいずれか1記載の医薬組成物
【請求項14】
化合物が約0.1pmol/kg/分ないし75pmol/kg/分の用量で皮下投与される請求項1ないし12のいずれか1記載の医薬組成物

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−514649(P2006−514649A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562333(P2004−562333)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040713
【国際公開番号】WO2004/056317
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(598133654)アミリン・ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】AMYLIN PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】