膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、電気光学装置、及び電子機器
【課題】本発明は、基板上に配置されるそれぞれの液状材料の特性に応じて、多数形成されるそれぞれの機能膜の膜厚が不均一になることを抑制することができる膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、電気光学装置、及び電子機器を提供する。
【解決手段】本発明による膜形成方法は、基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、機能膜形成領域に、機能膜の材料を含む第一の量の液状材料を配置する材料配置工程と、材料配置工程において配置された液状材料を乾燥させて機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁形成工程において形成する隔壁の高さを変える膜形成方法である。
【解決手段】本発明による膜形成方法は、基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、機能膜形成領域に、機能膜の材料を含む第一の量の液状材料を配置する材料配置工程と、材料配置工程において配置された液状材料を乾燥させて機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁形成工程において形成する隔壁の高さを変える膜形成方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶装置のカラーフィルタ膜などのような機能膜を形成する膜形成方法、当該機能膜を有する電気光学基板の製造方法、及び当該機能膜を有する電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、電気光学装置、及び当該電気光学装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カラー液晶装置のカラーフィルタ膜や有機エレクトロルミネセンス(以下、「有機EL」と表記する。)装置の発光膜などの機能膜を形成する技術として、機能膜の材料を含む液状材料を塗布し、当該液状材料を乾燥させて機能膜を形成する技術が知られている。機能膜は厚さによって特性が異なることから、各機能膜において、厚さが実現すべき機能特性に最適な厚さであって、各部分の厚さが均一であることが求められる。同様な理由から、カラー液晶装置などに形成された互いに同一の機能(特性)を備えることが必要な複数の機能膜は、その膜厚が互いに均等であることが求められる。しかし、液状材料を乾燥させることで形成された機能膜は、中央部分が厚い凸形状や、中央部分が薄い凹形状になることで、同一機能膜における膜厚が均一でなかったり、凸形状や凹形状の形状がばらつくことで、機能膜間で膜厚が均等でなかったりする場合があった。
【0003】
例えばカラー液晶装置のカラーフィルタ膜では、膜厚が均一でないカラーフィルタ膜は、均一であるカラーフィルタ膜とは透過光量が異なることから、当該膜厚が均一でないカラーフィルタ膜が対応する画素の輝度が、膜厚が均一であるカラーフィルタ膜を前提とした画素の輝度とは異なってしまう。画像の最小単位(以降、「絵素」と表記する。)を構成する複数の画素の輝度が前提とした輝度からずれると、絵素の輝度や色が表示すべき輝度や色と異なってしまう。一つのカラー液晶装置に形成された複数のカラーフィルタ膜間で膜厚が均等でない場合には、輝度むらや色むらが発生する。
【0004】
特許文献1には、液状材料(液体材料)を配置するために滴下する液滴の大きさに対して、液状材料を配置する領域の大きさ及び当該領域を規定する隔壁(バンク)の大きさを規定することで、膜厚のばらつきを少なくすることができる基板(薄膜パターニング用基板)の構成が開示されている。特許文献2には、液状材料の配置領域と当該配置領域を規定する隔壁の側壁とを斜めの連結面で連結し、当該連結面に囲まれた領域に薄膜(画像素子)を形成することで、平坦な薄膜を形成する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−353594号公報
【特許文献2】特開2004−198486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、機能膜の液状材料の乾燥特性は、当該液状材料に含まれる溶質や溶媒やそれらの含有割合などによって異なっている。液状材料が乾燥して形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状は液状材料の乾燥特性の影響を受けることから、同一環境下で乾燥しても形成される機能膜の断面形状は、液状材料毎に異なっている。このため、特許文献1や特許文献2に開示されたように、液状材料の個別の特性に関わりなく隔壁の形状を規定すると、様々な種類の液状材料において必ずしも均一厚の膜が得られないという課題があった。特に、カラーフィルタを構成する各色のフィルタ膜を形成する場合のように、複数種類の液状材料を同一基板上に配置して機能膜を形成する場合には、1種類の機能膜を均一厚にできても、他の種類の機能膜は必ずしも均一厚にできないことから、同一基板上において、実現すべき機能が実現できるものとできないものとが混在することで、基板全体として好適な機能が得られ難いという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、基板上に配置されるそれぞれの液状材料の特性に応じて、多数形成されるそれぞれの機能膜の膜厚が不均一になることを抑制することができる膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、電気光学装置、及び電子機器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による膜形成方法は、基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、機能膜形成領域に、機能膜の材料を含む第一の量の液状材料を配置する材料配置工程と、材料配置工程において配置された液状材料を乾燥させて機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁形成工程において形成する隔壁の高さを変えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る膜形成方法によれば、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁の高さを変える。液状材料を乾燥させることで機能膜を形成する製膜方法においては、隔壁で区画された領域に同一量の液状材料を配置して乾燥させた場合、領域を区画する隔壁の高さによって、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が異なることが本発明の発明者などによって確認されている。本発明に係る膜形成方法によれば、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁の高さを変えることで、機能膜の断面形状を調整することができる。これにより、基板上に形成されるそれぞれの機能膜において、膜厚が不均一になることを抑制することができる。
【0010】
本発明において、膜形成方法は、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような機能膜を形成するための第一の量の液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、第一の高さより高くすることが好ましい。
【0011】
隔壁で区画された領域に同一量の液状材料を配置して乾燥させた場合、領域を区画する隔壁の高さが高い方が、形成される機能膜は中央部が周辺部より薄い凹形状になりやすいことが本発明の発明者などによって確認されている。この膜形成方法によれば、機能膜を形成するために機能膜形成領域に配置すべき液状材料の量が第一の量であって、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の断面形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、第一の高さより高くする。これにより、形成される機能膜の断面形状を、中央側の膜厚が周辺側の膜厚より厚い形状から中央側の膜厚が周辺側の膜厚より薄い形状の方に修正することができる。従って、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状を、中央側の膜厚が周辺側の膜厚より厚い凸形状から均一な膜厚に近づけることができる。
【0012】
本発明において、膜形成方法は、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような機能膜を形成するための第一の量の液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、第一の高さより低くすることが好ましい。
【0013】
隔壁で区画された領域に同一量の液状材料を配置して乾燥させた場合、領域を区画する隔壁の高さが低い方が、形成される機能膜は中央部が周辺部より厚い凸形状になりやすいことが本発明の発明者などによって確認されている。この膜形成方法によれば、機能膜を形成するために機能膜形成領域に配置すべき液状材料の量が第一の量であって、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の断面形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、第一の高さより低くする。これにより、形成される機能膜の断面形状を、中央側の膜厚が周辺側の膜厚より薄い形状から中央側の膜厚が周辺側の膜厚より厚い形状の方に修正することができる。従って、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状を、中央側の膜厚が周辺側の膜厚より薄い凹形状から均一な膜厚に近づけることができる。
【0014】
本発明において、膜形成方法は、機能膜形成領域の底面を、当該底面からの隔壁の高さが高くなるように削ることで隔壁の高さを変えることが好ましい。
【0015】
この膜形成方法によれば、機能膜形成領域の底面が削られることで、基板の厚さ方向において、機能膜形成領域の底面の位置が低くなる。これにより、基板上に形成する隔壁自体の高さを変えることなく、機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、機能膜形成領域側から見て実質的に高くして、隔壁の高さを変えることができる。
【0016】
本発明において、膜形成方法は、機能膜形成領域の底部に薄膜を形成することで、隔壁の高さを変えることが好ましい。
【0017】
この膜形成方法によれば、機能膜形成領域の底面に薄膜が形成されることで、基板の厚さ方向において、機能膜形成領域の底面の位置が高くなる。これにより、基板上に形成する隔壁自体の高さを変えることなく、機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、機能膜形成領域側から見て実質的に低くして、隔壁の高さを変えることができる。
【0018】
本発明による膜形成方法は、基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、機能膜形成領域に機能膜の材料を含む液状材料を配置する材料配置工程と、材料配置工程において配置された液状材料を乾燥させて機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、隔壁の機能膜形成領域を構成する側面が機能膜形成領域の底面となす機能膜形成領域側の立上り角度が第一の角度である場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁形成工程において形成する隔壁の側面が底面となす立上り角度を変えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る膜形成方法によれば、隔壁の側面の立上り角度が第一の角度である機能膜形成領域に液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁の側面の立上り角度を変える。液状材料を乾燥させることで機能膜を形成する成膜方法においては、機能膜形成領域を区画する隔壁の立上り角度によって、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が異なることが本発明の発明者などによって確認されている。本発明に係る膜形成方法によれば、隔壁の側面の立上り角度が第一の角度である機能膜形成領域に液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁の側面の立上り角度を変えることで、機能膜の断面形状を調整することができる。これにより、基板上に形成されるそれぞれの機能膜において、膜厚が不均一になることを抑制することができる。なお、側面の立上り角度は、側面が機能膜形成領域の底面となす機能膜形成領域側の立上り角度であって、隔壁の断面の角の角度ではなく、機能膜形成領域の断面の角の角度である。
【0020】
本発明において、膜形成方法は、隔壁の側面が底面となす立上り角度が第一の角度のときに形成される機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような機能膜を形成するための液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の立上り角度を、第一の角度より小さくすることが好ましい。
【0021】
隔壁で区画された領域に液状材料を配置して乾燥させた場合、機能膜形成領域を区画する隔壁の側面の機能膜形成領域側の立上り角度が小さいほど、形成される機能膜は中央部分の膜厚が周辺部分の膜厚より薄い凹形状になりやすいことが本発明の発明者などによって確認されている。この膜形成方法によれば、隔壁の側面が底面となす立上り角度が第一の角度のときに形成される機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような機能膜を形成するための液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の立上り角度を、第一の角度より小さくする。これにより、形成される機能膜の断面形状を、中央部分が周辺部分より厚い凸形状から中央側の膜厚が周辺側の膜厚より薄い形状の方に近づけるように修正することができる。従って、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状を、中央部分が周辺部分より厚い凸形状から均一な膜厚の断面形状に近づけることができる。
【0022】
本発明において、膜形成方法は、隔壁の側面が底面となす立上り角度が第一の角度のときに形成される機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような機能膜を形成するための液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の立上り角度を、第一の角度より大きくすることが好ましい。
【0023】
隔壁で区画された領域に液状材料を配置して乾燥させた場合、機能膜形成領域を区画する隔壁の側面の機能膜形成領域側の立上り角度が大きいほど、形成される機能膜は中央部分の膜厚が周辺部分の膜厚より厚い凸形状になりやすいことが本発明の発明者などによって確認されている。この膜形成方法によれば、隔壁の側面が底面となす立上り角度が第一の角度のときに形成される機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような機能膜を形成するための液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の立上り角度を、第一の角度より大きくする。これにより、形成される機能膜の断面形状を、中央部分が周辺部分より薄い凹形状から中央側の膜厚が周辺側の膜厚より厚い形状の方に修正することができる。従って、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状を、中央部分が周辺部分より薄い凹形状から均一な膜厚の断面形状に近づけることができる。
【0024】
本発明による電気光学基板の製造方法は、機能膜を有する電気光学基板の製造方法であって、少なくとも1種類の機能膜を上述した膜形成方法を用いて形成することを特徴とする。
【0025】
本発明に係る電気光学基板の製造方法によれば、機能膜における膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて機能膜を形成することから、一つの機能膜における膜厚のばらつきが小さい、好適な電気光学基板を製造することができる。例えば当該膜形成方法を用いて色要素膜を形成するカラーフィルタ基板であれば、表示するべき色や輝度を正確に表示し易いというように、高性能の電気光学基板を製造することができる。
【0026】
本発明による電気光学装置の製造方法は、機能膜を有する電気光学装置の製造方法であって、少なくとも1種類の機能膜を上述した膜形成方法を用いて形成することを特徴とする。
【0027】
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、機能膜における膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて機能膜を形成することから、一つの機能膜における膜厚のばらつきが小さい、好適な電気光学装置を製造することができる。例えば当該膜形成方法を用いて発光膜を形成する有機EL表示装置であれば、表示するべき色や輝度を正確に表示し易いというように、高性能の電気光学装置を製造することができる。
【0028】
本発明による機能膜は、上述した膜形成方法を用いて形成することを特徴とする。
【0029】
本発明に係る機能膜の構成によれば、機能膜における膜厚の均一化を実行することができる膜形成方法を用いて形成されていることから、一つの機能膜における膜厚のばらつきが小さい。これにより、機能膜の所望の機能を実現し易い好適な機能膜を実現することができる。
【0030】
本発明において、機能膜は、機能膜の平面形状が略円形又は略長円形状であることが好ましい。
【0031】
機能膜材料を含む液状材料を乾燥させて機能膜を形成する場合、形成するべき機能膜の縁の形状によって当該縁の近くの液状材料の乾燥状態が異なる。このため、機能膜の厚みが縁の形状によって部分的に異なり、全体の厚みが均一でなくなる。例えば、多角形の機能膜の辺の部分と角の部分とでは乾燥状態が異なることから、辺の部分と角の部分とで機能膜の厚さが均一でなくなる。この機能膜の構成によれば、機能膜の平面形状が略円形又は略長円形状であって、機能膜の縁は全て円弧の一部であることから、平面形状が多角形である機能膜に比べて、縁の形状が全周で略均一になる。これにより、全周にわたって乾燥状態が略同一になり全周にわたって膜厚を略均一にすることができる。従って、機能膜の形状がばらつく可能性が少ないことから、機能膜の所望の機能を実現し易い機能膜を実現することができる。
【0032】
本発明による電気光学基板は、機能膜を有する電気光学基板であって、少なくとも1種類の機能膜が、上記した機能膜であることを特徴とする。
【0033】
本発明に係る電気光学基板によれば、少なくとも1種類の機能膜が、機能膜の所望の機能を実現し易い好適な機能膜であることから、所望の機能を実現し易い好適な電気光学基板を実現することができる。
【0034】
本発明による電気光学装置は、機能膜を有する電気光学装置であって、少なくとも1種類の機能膜が、上記した機能膜であることを特徴とする。
【0035】
本発明に係る電気光学装置によれば、少なくとも1種類の機能膜が、機能膜の所望の機能を実現し易い好適な機能膜であることから、所望の機能を実現し易い好適な電気光学装置を実現することができる。
【0036】
本発明によるカラーフィルタの色要素膜は、上述した膜形成方法を用いて形成されることを特徴とする。
【0037】
本発明に係るカラーフィルタの色要素膜の構成によれば、色要素膜における膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて形成されていることから、一つの色要素膜における膜厚のばらつきが小さい。これにより、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタの色要素膜を実現することができる。
【0038】
本発明によるカラーフィルタは、カラーフィルタを構成する色要素膜が、上述した膜形成方法を用いて形成されていることを特徴とする。
【0039】
本発明に係るカラーフィルタの構成によれば、カラーフィルタを構成する色要素膜が、色要素膜における膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて形成されていることから、一つの色要素膜における膜厚のばらつきが小さい。これにより、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタを実現することができる。
【0040】
本発明によるカラーフィルタ基板は、上述したカラーフィルタを備えることを特徴とする。
【0041】
本発明に係るカラーフィルタ基板の構成によれば、カラーフィルタ基板が備えるカラーフィルタは、カラーフィルタを構成する色要素膜が、一つの色要素膜における膜厚のばらつきが小さいことから、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタを実現することができる。これにより、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタ基板を実現することができる。
【0042】
本発明による液晶表示装置は、上述したカラーフィルタの色要素膜を備えることを特徴とする。
【0043】
本発明に係る液晶表示装置の構成によれば、液晶表示装置は、膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて形成されていることから、一つの色要素膜における膜厚のばらつきが小さいため、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタの色要素膜を備える。これにより、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適な液晶表示装置を実現することができる。
【0044】
本発明による電子機器は、上述した電気光学装置を備えることを特徴とする。
【0045】
本発明に係る電子機器によれば、所望の機能を実現し易い好適な電気光学装置を備えることから、所望の機能を実現し易い好適な電子機器を実現することができる。
【0046】
本発明による電子機器は、上述した液晶表示装置を備えることを特徴とする。
【0047】
本発明に係る電子機器によれば、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適な液晶表示装置を備えることから、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適な電子機器を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明に係る膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、電気光学装置、及び電子機器の一実施形態について図面を参照して、説明する。
【0049】
(第一の実施形態)
第一の実施形態では、膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、及び電気光学装置の一実施形態について、説明する。本実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を製造する工程において、機能膜の一例であるフィルタ膜としての色要素膜を形成する工程で用いられる膜形成方法を例に説明する。
【0050】
<液晶表示パネルの構成>
最初に、図1を参照して、液晶表示パネルについて説明する。図1は、液晶表示パネルの構造を示す概略図である。図1(a)は、液晶表示パネルについて、各構成要素とともにフィルタ基板側から見た平面図であり、図1(b)は図1(a)にA−Aで示した断面における断面形状を示す概略断面図である。なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0051】
図1(a)および(b)に示すように、液晶表示パネル10は、TFT(Thin Film Transistor)素子3及び画素電極6bを有する素子基板1と、対向電極6a及びカラーフィルタ5を有するフィルタ基板2と、シール材4によって接着された素子基板1とフィルタ基板2との隙間に充填された液晶8とを備えている。素子基板1はフィルタ基板2より一回り大きく額縁状に張り出した状態となっている。
【0052】
素子基板1は、厚さおよそ1.2mmの石英ガラス基板を用いており、その表面には画素を構成する画素電極6bと、3端子のうちの一つが画素電極6bに接続されたTFT素子3が形成されている。TFT素子3の残りの2端子は、画素電極6bを囲んで互いに絶縁状態で格子状に配置されたデータ線(図示省略)と走査線(図示省略)とに接続されている。データ線は、Y軸方向に引き出されて、端子部16においてデータ線駆動回路部9aに接続されている。走査線は、X軸方向に引き出され、左右の額縁領域に形成された2つの走査線駆動回路部9b,9bに個々に接続されている。各データ線駆動回路部9aおよび走査線駆動回路部9bの入力側配線は、端子部16に沿って配列した実装端子11にそれぞれ接続されている。端子部16とは反対側の額縁領域には、2つの走査線駆動回路部9b,9bを繋ぐ配線12が設けられている。
【0053】
フィルタ基板2は、厚みおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板2aを用いており、共通電極としての対向電極6aが設けられている。対向電極6aは、ガラス基板2aの四隅に設けられた上下導通部14を介して素子基板1側に設けられた配線と導通しており、当該配線も端子部16に設けられた実装端子11に接続されている。また、フィルタ基板2には、画素電極6bと対向する位置に色要素膜53が形成されたカラーフィルタ5が設けられている。
【0054】
液晶8に面する素子基板1の表面およびフィルタ基板2の表面には、それぞれ配向膜7b、配向膜7aが形成されている。
【0055】
液晶表示パネル10は、外部駆動回路と電気的に繋がる中継基板が実装端子11に接続される。そして、外部駆動回路からの入力信号が各データ線駆動回路部9aおよび走査線駆動回路部9bに入力されることにより、TFT素子3が画素電極ごとにスイッチングされ、画素電極6bと対向電極6aとの間に駆動電圧が印加されて表示が行われる。
【0056】
尚、図1では図示省略したが、液晶表示パネル10の表裏面には、それぞれ入出射する光を偏向する偏光板が設けられる。
【0057】
<カラーフィルタ>
次に、図2を参照して、フィルタ基板2に形成されているカラーフィルタ5及びカラーフィルタ5における色要素膜53の配列について説明する。図2(a),(b)は、3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図である。
【0058】
上述したように、フィルタ基板2は、厚みおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板2aを用いて形成されている。カラーフィルタ5は、方形状のガラス基板2aの表面に複数の色要素領域52をドットパターン状、本実施形態ではドット・マトリクス状に形成し、当該色要素領域52に色要素膜53を形成することによって形成されている。上述したように、素子基板1とフィルタ基板2とが組み合わされると、色要素膜53は画素電極6bと対向しており、画素電極6bと対向電極6aとの間に駆動電圧を印加して液晶8の配向を変えることで制御される光が色要素膜53を透過する。色要素膜53は光学フィルタであって、色要素膜53を透過した光は色要素膜53の色に対応した色の光になる。色要素領域52が機能膜形成領域に相当し、色要素膜53が機能膜に相当する。フィルタ基板2が、機能膜を有する電気光学基板に相当する。
【0059】
図2(a),(b)に示すように、色要素膜53は、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁56によって区画されてドット・マトリクス状に並んだ複数の例えば方形状の色要素領域52を色材で埋めることによって形成される。例えば、色要素膜53を構成する色材を含む液状材料を色要素領域52に充填し、当該液状材料の溶媒を蒸発させて液状材料を乾燥させることで、色要素領域52を埋める膜状の色要素膜53を形成する。
【0060】
色要素膜53の配列としては、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が知られている。ストライプ配列は、図2(a)に示したように、マトリクスの縦列が全て同色の色要素膜53になる配列である。モザイク配列は、図2(b)に示したように、横方向の各行ごとに色要素膜53一つ分だけ色をずらした配列で、3色フィルタの場合、縦横の直線上に並んだ任意の3つの色要素膜53が3色となる配列である。そして、デルタ配列は、色要素膜53の配置を段違いにし、3色フィルタの場合、任意の隣接する3つの色要素膜53が異なる色となる配色である。
【0061】
図2(a),(b)に示した3色フィルタにおいて、色要素膜53は、それぞれが、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちのいずれか1色の色材によって形成されている。隣り合って形成されたR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色要素膜53R,53G,53Bを各1個づつ含む色要素膜53の組で、画像を構成する最小単位である絵素のフィルタ(以下、「絵素フィルタ54」と表記する。)を形成している。1絵素フィルタ54内の色要素膜53R,53G,53Bのいずれか1つ又はそれらの組み合わせに光を選択的に通過させることにより、フルカラー表示を行う。このとき、透光性のない樹脂材料によって形成された隔壁56はブラックマトリクスとして作用する。
【0062】
<液滴吐出法及び液滴吐出ヘッド>
次に、液状材料を色要素領域52に充填する際に用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加して吐出ノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
【0063】
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。このうち、ピエゾ方式は、液状材料に熱を加えないため、材料の組成等に影響を与えないなどの利点を有する。本実施形態では、液状材料選択の自由度の高さ、及び液滴の制御性の良さの点から上記ピエゾ方式を用いる。
【0064】
次に、本発明に係るデバイスを液滴吐出法によって製造する際に用いられるデバイス製造装置の液滴吐出ヘッドについて説明する。このデバイス製造装置は、液滴吐出ヘッドから基板に対して液滴を吐出(滴下)することによりデバイスを製造する液滴吐出装置(インクジェット装置)である。図3は、液滴吐出ヘッドの外観の概要を示す図である。図3(a)は、液滴吐出ヘッドの外観の概要を示す斜視図であり、図3(b)は、ノズルの配列を示す模式図である。図3(a)に示すように、液滴吐出ヘッド62は、例えば、複数の吐出ノズル67が配列されてなるノズル列68を有する。図3(b)に示すように吐出ノズル67の数は例えば180であり、吐出ノズル67の孔径は例えば28μmであり、吐出ノズル67のピッチは例えば141μmである。図3(a)に示す基準方向Sは、基板上の任意の位置に液滴を着弾させるために液滴吐出ヘッド62が基板に対して相対移動する際の主走査方向を示し、配列方向Tはノズル列68における吐出ノズル67の配列方向を示している。
【0065】
図4(a)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視図であり、図4(b)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の詳細構造を示す断面図である。図4(a),(b)に示すように、それぞれの液滴吐出ヘッド62は、振動板73と、ノズルプレート74とを、備えている。振動板73と、ノズルプレート74との間には、液状材料タンク(図示省略)から供給孔77を介して供給される材料液が常に充填される液たまり75が位置している。また、振動板73と、ノズルプレート74との間には、複数のヘッド隔壁71が位置している。そして、振動板73と、ノズルプレート74と、1対のヘッド隔壁71とによって囲まれた空間がキャビティ70である。キャビティ70は吐出ノズル67に対応して設けられているため、キャビティ70の数と吐出ノズル67の数とは同じである。キャビティ70には、1対のヘッド隔壁71間に位置する供給口76を介して、液たまり75から材料液が供給される。
【0066】
振動板73上には、それぞれのキャビティ70に対応して、振動子72が位置する。振動子72は、ピエゾ素子72cと、ピエゾ素子72cを挟む1対の電極72a、72bとから成る。この1対の電極72a、72bに駆動電圧を与えることで、対応する吐出ノズル67から液状材料が液滴となって吐出される。吐出ノズル67から吐出される液状材料の一部がノズルプレート74に付着することを抑制するために、ノズルプレート74の外面は、液状材料に対して撥液性を有する撥液処理層2Pが形成されている。
【0067】
制御装置(図示省略)は、ピエゾ素子72cへの印加電圧の制御、すなわち駆動信号を制御することにより、複数の吐出ノズル67のそれぞれに対して、液状材料の吐出制御を行う。より詳細には、吐出ノズル67から吐出される液滴の体積や、単位時間あたりに吐出する液滴の数、基板上に着弾した液滴同士の距離などを変化させることができる。例えば、ノズル列68に並ぶ複数の吐出ノズル67の中から、液滴を吐出させる吐出ノズル67を選択的に使用することにより、配列方向Tの方向では、ノズル列68の長さの範囲であって吐出ノズル67のピッチ間隔で、複数の液滴を同時に吐出することができる。基準方向Sの方向では、基板上に着弾した液滴同士の距離を、当該液滴を吐出する吐出ノズル67ごとに個別に変化させることができる。なお、吐出ノズル67のそれぞれから吐出される液滴の体積は、1pl〜300pl(ピコリットル)の間で可変である。
【0068】
<隔壁高さと膜厚形状>
次に、図5を参照して、色要素領域52に充填された液状材料530を乾燥させて色要素膜53を形成する際の、ガラス基板2a上に形成された隔壁56の高さと、形成される色要素膜53の厚さ方向の断面における断面形状との関係を説明する。図5(a)は、隔壁の高さが高い場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図であり、図5(b)は、隔壁の高さが低い場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図である。
【0069】
図5(a)に二点鎖線で示したように色要素領域52に充填された液状材料530は、乾燥して同図に示したような断面形状の色要素膜53が形成される。図5(a)に示したように隔壁56の高さH1が高い場合は、図5(b)に示したように低い場合に比べて、隔壁56の壁面に濡れ広がる長さが長くなることから、液状材料530が乾燥する過程において液状材料530が流動・対流・拡散できる距離が長くなる。このため、色要素膜53の断面形状は、図5(a)に示したような、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。
【0070】
図5(b)に二点鎖線で示したように色要素領域52に充填された液状材料530は、乾燥して同図に示したような断面形状の色要素膜53が形成される。図5(b)に示したように隔壁56の高さH2が低い場合は、図5(a)に示したように高い場合に比べて、隔壁56の壁面に濡れ広がる長さが短くなることから、液状材料530が乾燥する過程において液状材料530が流動・対流・拡散できる距離が少ない。このため、色要素膜53の断面形状は、図5(b)に示したような、中央部が盛り上がるようにして厚くなり、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。
【0071】
ここで説明した隔壁56の高さと、形成される色要素膜53の断面形状との関係は、本発明の発明者らによって実験的に確認されている。なお、凹形状と凸形状の境界である均一な膜厚が得られる隔壁56の高さは、個々の液状材料の乾燥特性によって異なるため、隔壁56の形状を決定する前に、乾燥雰囲気や環境温度などの条件を機能膜形成工程と合わせたうえで、確認することが好ましい。
【0072】
<フィルタ基板の製造>
次に、フィルタ基板2の色要素膜53R,53G,53Bを形成する色要素膜形成工程について、図6および図7を参照して説明する。図6はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャートであり、図7(a)〜(d)はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図である。
【0073】
図6に示したステップS1では、図7(a)に示すように、ガラス基板2aの表面の一部をエッチングなどによって取り除くことで、基板凹部57を形成する。1個の基板凹部57の大きさは、図2を参照して説明した隔壁56によって区画形成される1個の色要素領域52の底面より大きく、隔壁56を隔てて隣り合う色要素領域52の底面には達しない大きさにする。
【0074】
次に、ステップS2では、図7(a)に示すように、ガラス基板2aの表面の一部を覆う透明膜58を形成する。透明膜58は、例えば、ガラス基板2aの表面に透明膜58の材料を含む液状材料を塗布し、乾燥させてガラス基板2aの表面の全面を覆う透明膜を形成し、フォトエッチングなどで、形成する。1個の透明膜58の大きさは、基板凹部57と同様に、隔壁56によって区画形成される1個の色要素領域52の底面より大きく、隔壁56を隔てて隣り合う色要素領域52の底面には達しない大きさにする。
【0075】
次に、ステップS3では、図7(b)に示すように、ガラス基板2aの表面に隔壁56を形成する。隔壁56は、例えば、ガラス基板2aの表面に隔壁56の材料を含む液状材料を塗布し、乾燥させて隔壁膜を形成し、フォトエッチングなどで色要素領域52などの部分を取り除くことで、形成する。
【0076】
隔壁56の高さは、色要素領域底52Baがガラス基板2aの表面である色要素領域52BではHBであり、色要素領域底52Gaが透明膜58の表面である色要素領域52GではHGであり、色要素領域底52Raが基板凹部57の表面である色要素領域52RではHRである。色要素領域52Rにおける隔壁56の高さHRは、基板凹部57を形成することで底部が削られた状態となるような位置に隔壁56を形成することで、ガラス基板2aの表面に形成された隔壁56の高さであるHBより高くなっている。色要素領域52Gにおける隔壁56の高さHGは、底部に透明膜58が形成された状態となるように隔壁56を形成することで、ガラス基板2aの表面に形成された隔壁56の高さであるHBより低くなっている。この場合、ステップS1とステップS2とステップ3とが隔壁形成工程に相当する。
【0077】
次に、ステップS4では、隔壁56が形成されたガラス基板2aを洗浄する。ガラス基板2aが機能膜を形成する基板に相当する。
【0078】
次に、ステップS5では、隔壁56が形成され洗浄されたガラス基板2aを、液状材料を充填し易くするために、表面処理する。隔壁裾56aに囲まれた色要素領域底52Ra,52Ga,52Baと、隔壁側面56bとが色要素膜53の材料を含む液状材料530に対して親液性となるように処理し、隔壁頂部56cは液状材料530に対して撥液性となるように処理する。この処理によって、色要素領域52に配置された液状材料530が色要素領域52に馴染み易くなると共に、色要素領域52から溢れ出し難くなる。
【0079】
次に、ステップS6では、色要素材料液を塗布する。図7(c)に示すように、隔壁56によって形成された複数の色要素領域52R,52G,52Bのそれぞれに色要素形成材料を含む液状材料530を液滴吐出ヘッド62から液滴530aとして吐出し、色要素領域52に液状材料530を充填する。勿論、異なる色の各色要素膜53R,53G,53Bが形成される各色要素領域52R,52G,52Bに対して異なる色要素材料を含む液状材料530R,530G,530Bを吐出して、充填する。上述した3色カラーフィルタ(図2(a),(b)参照)のように、異なる色の各色要素膜53R,53G,53Bが形成される各色要素領域52R,52G,52Bに対応して、異なる色要素材料を含む3種の液状材料530R,530G,530Bを液滴吐出ヘッド62に順次充填して、各色要素領域52R,52G,52Bに向けて吐出する。あるいは、複数の液滴吐出ヘッド62を用意し、それぞれに異なる色要素材料を含む液状材料530R,530G,530Bを充填して吐出してもよい。色要素領域52R,52G,52Bにそれぞれ充填する液状材料530R,530G,530Bは、形成された各色要素膜53R,53G,53Bの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量をそれぞれ充填する。ステップS6の色要素領域52R,52G,52Bに液状材料530R,530G,530Bを充填する工程が、材料配置工程に相当する。
【0080】
次に、ステップS7では、ガラス基板2a上に配置した液状材料530を乾燥させて、色要素膜53を形成する。ステップS7の乾燥成膜工程を実行して、図7(d)に示すように、色要素膜面531R,531G,531Bが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53R,53G,53Bが形成される。
【0081】
本実施形態の液状材料530Rは、色要素膜53Rの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が図7(d)に二点鎖線で示した表面532Rのように凸形状となる。上述したように、隔壁56の高さが高い場合は、低い場合に比べて、形成される色要素膜53の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。色要素領域底52Raが基板凹部57の表面である色要素領域52Rにおける隔壁56の高さはHBより高いHRである。これにより、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合の凸形状が是正されて、図7(d)に示したように、色要素膜面531Rが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Rが形成される。
【0082】
本実施形態の液状材料530Gは、色要素膜53Gの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が図7(d)に二点鎖線で示した表面532Gのように凹形状となる。上述したように、隔壁56の高さが低い場合は、高い場合に比べて、形成される色要素膜53の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。色要素領域底52Gaが透明膜58の表面である色要素領域52Gにおける隔壁56の高さは、HBより低いHGである。これにより、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合の凹形状が是正されて、図7(d)に示したように、色要素膜面531Gが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Gが形成される。
【0083】
本実施形態の液状材料530Bは、色要素膜53Bの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が図7(d)に示した表面532Bのように略平坦なる。これにより、図7(d)に示したように、液状材料530Bを隔壁56の高さがHBである色要素領域52Bに充填して乾燥させることで、色要素膜面531Bが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Bが形成される。隔壁56の高さHBが、第一の高さに相当する。
【0084】
なお、色要素膜53R,53G,53Bの有効な部分には関与しないため図7(d)では省略したが、色要素膜53R,53G,53Bの縁の部分には、図5に示した色要素膜53と同様に、液状材料530R,G,Bの隔壁側面56bに濡れ広がった部分が乾燥したものが連なっている。
【0085】
以下、第一の実施形態の効果を記載する。第一の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液状材料530Rは、色要素膜53Rの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が凸形状となる。隔壁56の高さが高い場合は、低い場合に比べて、形成される色要素膜53の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。基板凹部57を設けて色要素領域底52Raが基板凹部57の表面である色要素領域52Rにおける隔壁56の高さをHBより高いHRとすることで、凸形状を是正して、色要素膜面531Rが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Rを形成することができる。
【0086】
(2)液状材料530Gは、色要素膜53Gの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が凹形状となる。隔壁56の高さが低い場合は、高い場合に比べて、形成される色要素膜53の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。透明膜58を設けて色要素領域底52Gaが透明膜58の表面である色要素領域52Gにおける隔壁56の高さを、HBより低いHGとすることで、凹形状を是正して、色要素膜面531Gが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Gを形成することができる。
【0087】
(3)液晶表示パネル10は、膜厚が略均一な色要素膜53R,53G,53Bを備えることで、色要素膜53R,53G,53Bが透過させるべき光量を透過させることができるような色要素膜53を容易に形成することができる。従って、透過させるべき光量を透過させることで実現すべき輝度が実現できる、好適な液晶表示パネル10を実現することができる。
【0088】
(第二の実施形態)
次に、本発明に係る膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、及び電気光学装置の一実施形態である第二の実施形態について図面を参照して、説明する。本実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を製造する工程において、機能膜の一例であるフィルタ膜としての色要素膜を形成する工程で用いられる膜形成方法を例に説明する。本実施形態の液滴吐出装置は、第一の実施形態で説明した液滴吐出装置と実質的に同一のものであるため、液滴吐出装置に関する説明は省略する。
【0089】
本実施形態の液晶表示パネル100の構成は、第一の実施形態で説明した液晶表示パネル10と実質的に同一のものである。液晶表示パネル10とは異なる色要素膜の形状及び色要素膜を形成する工程で用いられる膜形成方法について説明する。
【0090】
<カラーフィルタ>
最初に、フィルタ基板102(図8参照)に形成されているカラーフィルタ5(図1参照)における色要素膜153の配列について説明する。フィルタ基板102は、色要素膜153の形状が色要素膜53と異なる以外は、図1に示したフィルタ基板2と基本的に同様である。図8は、3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図である。
【0091】
図8に示すように、色要素膜153は、透光性のない樹脂材料によって形成された隔壁156によって区画されて並んだ複数の色要素領域152を色材で埋めることによって形成される。例えば、色要素膜153を構成する色材を含む液状材料を色要素領域152に充填し、当該液状材料の溶媒を蒸発させて液状材料を乾燥させることで、色要素領域152を埋める膜状の色要素膜153を形成する。色要素領域152が機能膜形成領域に相当し、色要素膜153が機能膜に相当する。フィルタ基板102が、機能膜を有する電気光学基板に相当する。
【0092】
ガラス基板2a(図1参照)上の3色の色要素膜153R,153G,153Bは、例えば、図8に示すように、同色系の色要素膜153が図面において上下方向に配列したストライプ配列に配置されている。各色要素膜153の平面形状は略円形である。図の上下方向に並ぶ色要素膜153を一つおきに図の左右方向にずらすことで、色要素膜153の配置密度を上げている。
【0093】
図8に示した3色フィルタにおいて、色要素膜153は、それぞれが、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちのいずれか1色の色材によって形成されている。隣り合って形成されたR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色要素膜153R,153G,153Bを各1個づつ含む色要素膜153の組で、画像を構成する最小単位である絵素のフィルタを形成している。1絵素フィルタ内の色要素膜153R,153G,153Bのいずれか1つ又はそれらの組み合わせに光を選択的に通過させることにより、フルカラー表示を行う。このとき、透光性のない樹脂材料によって形成された隔壁156はブラックマトリクスとして作用する。
【0094】
<隔壁面角度と膜厚形状>
次に、色要素領域152に充填された液状材料530を乾燥させて色要素膜153を形成する際の、ガラス基板2a上に形成された隔壁156の壁面が色要素領域152の底面であるガラス基板2aの面となす角度と、形成される色要素膜153の厚さ方向の断面における断面形状との関係を説明する。図9(a)は、隔壁の壁面が底面となす角度が大きい場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図であり、図9(b)は、壁面が底面となす角度が小さい場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図である。
【0095】
図9(a)に二点鎖線で示したように色要素領域152に充填された液状材料530は、乾燥して同図に示したような断面形状の色要素膜153が形成される。図9(a)に示したように隔壁156の壁面が色要素領域152の底面であるガラス基板2aの面となす角度θ1が大きい場合は、図9(b)に示した角度θ2のように小さい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、図9(a)に示したような、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。
【0096】
図9(b)に二点鎖線で示したように色要素領域152に充填された液状材料530は、乾燥して同図に示したような断面形状の色要素膜153が形成される。図9(b)に示したように隔壁156の壁面が色要素領域152の底面であるガラス基板2aの面となす角度θ2が小さい場合は、図9(a)に示した角度θ1のように大きい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、図9(b)に示したような、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。
【0097】
ここで説明した隔壁156の壁面がガラス基板2aの面となす角度と、形成される色要素膜153の断面形状との関係は、本発明の発明者らによって実験的に確認されている。なお、凹形状と凸形状の境界である均一な膜厚が得られる壁面と底面とがなす角度は、個々の液状材料の乾燥特性によって異なるため、隔壁156の形状を決定する前に、乾燥雰囲気や環境温度などの条件を機能膜形成工程と合わせたうえで、確認することが好ましい。
【0098】
<フィルタ基板の製造>
次に、フィルタ基板102の色要素膜153R,153G,153Bを形成する色要素膜形成工程について図10および図11を参照して説明する。図10はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャートであり、図11(a)〜(d)はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図である。
【0099】
図10に示したステップS21では、図11(a)に示すように、ガラス基板2aの表面に隔壁156を形成することで、色要素領域152を形成する。隔壁156は、例えば、ガラス基板2aの表面に隔壁156の材料を含む液状材料を塗布し、乾燥させて隔壁膜を形成し、フォトエッチングなどで色要素領域152などの部分を取り除くことで、形成する。隔壁156の側面がガラス基板2aの表面となす角度である立上り角度θ0は各隔壁156間において略均一である。
【0100】
次に、ステップS22では、側面156Rb,156Gb,156Bbの角度を調整する。図11(b)に示すように、充填する液状材料の特性に合わせて側面156Rb,156Gb,156Bbが色要素領域底152Ra,152Ga,152Baとなす角度を、それぞれ立上り角度θR,θG,θBに調整する。立上り角度θRは立上り角度θ0のままであり、立上り角度θBは立上り角度θR(立上り角度θ0)より大きく、立上り角度θGは立上り角度θBよりさらに大きくなっている。側面156Rb,156Gb,156Bbがガラス基板2aの表面と接触する位置である隔壁裾156Ra,156Ga,156Baに囲まれた領域が、色要素領域底152Ra,152Ga,152Baである。
【0101】
立上り角度θR,θG,θBの調整は、例えば、隔壁156を焼成して形状を固定化する際のだれ具合を調整することで実行する。フォトエッチングなどで色要素領域152などの部分を取り除くことで、形成された状態の隔壁156は充分固化されていないため焼成して固化する。その際に隔壁156の側面がだれて図11(a)に示した立上り角度θ0が大きくなる。立上り角度θR,θG,θBの調整は、隔壁156をフォトエッチングの際に光が当っていない側から、即ちガラス基板2aを介して露光させることで固化させることができることを利用する。
【0102】
より詳細には、色要素領域底152Ra,152Ga,152Baの周囲の隔壁156の側面156Rb,156Gb,156Bbの近傍に選択的に露光させることができるマスクを用いて、焼成の前に、色要素領域底152Ra,152Ga,152Baの周囲の隔壁156の側面156Rb,156Gb,156Bbの近傍を適宜露光させる。色要素領域底152Gaを囲む側面156Gbは、露光させないようにマスクすることで、焼成の際にだれが大きくなり、立上り角度θGは大きくなる。色要素領域底152Baを囲む側面156Bbは、マスクに開口部を設け露光させるようにすることで、焼成の際にだれる量を抑制する。これにより、側面156Bbは側面156Gbよりだれの程度が小さくなるため、立上り角度θBは、立上り角度θGより小さくなる。即ち、立上り角度θGは、立上り角度θBより大きくなる。色要素領域底152Raを囲む側面156Rbは、マスクに開口部を設け露光させて充分固化させることで、焼成の際には殆どだれないようにする。これにより、側面156Rbの立上り角度θRは、立上り角度θ0が維持されて、立上り角度θ0より大きくなった立上り角度θBより小さくなる。側面156Rb,156Gb,156Bbの角度が立上り角度θR,θG,θBに調整されて、当該側面156Rb,156Gb,156Bbに囲まれた色要素領域152R,152G,152Bが形成される。この場合、ステップS21とステップS22とが隔壁形成工程に相当する。
【0103】
次に、ステップS23では、色要素領域152R,152G,152Bが形成されたガラス基板2aを洗浄する。ガラス基板2aが機能膜を形成する基板に相当する。
【0104】
次に、ステップS24では、色要素領域152R,152G,152Bが形成され洗浄されたガラス基板2aを、液状材料530を充填し易くするように、表面処理する。隔壁裾156Ra、隔壁裾156Ga、又は隔壁裾156Baに囲まれた色要素領域底152Ra,152Ga,152Baと、側面156Rb,156Gb,156Bbとが色要素膜153の材料を含む液状材料530に対して親液性となるように処理し、隔壁頂部156cは液状材料530に対して撥液性となるように処理する。この処理によって、色要素領域152R,152G,152Bに配置された液状材料530が色要素領域152R,152G,152Bに馴染み易くなると共に、色要素領域152R,152G,152Bから溢れ出し難くなる。
【0105】
次に、ステップS25では、色要素材料液を塗布する。図11(c)に示すように、隔壁156によって区画形成された複数の色要素領域152R,152G,152Bのそれぞれに色要素膜153の形成材料を含む液状材料530を液滴吐出ヘッド62から液滴530aとして吐出し、色要素領域152R,152G,152Bに液状材料530を充填する。勿論、異なる色の各色要素膜153R,153G,153Bが形成される各色要素領域152R,152G,152Bに対して異なる色要素材料を含む液状材料530R,530G,530Bを吐出して、充填する。上述した3色カラーフィルタ(図8参照)のように、異なる色の各色要素膜153R,153G,153Bが形成される各色要素領域152R,152G,152Bに対応して、異なる色要素材料を含む3種の液状材料530R,530G,530Bを液滴吐出ヘッド62に順次充填して、各色要素領域152R,152G,152Bに向けて吐出する。あるいは、複数の液滴吐出ヘッド62を用意し、それぞれに異なる色要素材料を含む液状材料530R,530G,530Bを充填して吐出してもよい。色要素領域152R,152G,152Bにそれぞれ充填する液状材料530R,530G,530Bは、形成された各色要素膜153R,153G,153Bの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量をそれぞれ充填する。ステップS25の色要素領域152R,152G,152Bに液状材料530R,530G,530Bを充填する工程が、材料配置工程に相当する。
【0106】
次に、ステップS26では、ガラス基板2a上に配置した液状材料530を乾燥させて、色要素膜153を形成する。ステップS26の乾燥成膜工程を実行して、図11(d)に示すように、色要素膜面536R,536G,536Bが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153R,153G,153Bが形成される。
【0107】
本実施形態の液状材料530Rは、色要素膜153Rの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が図11(d)に二点鎖線で示した表面537Rのように凸形状となる。上述したように、隔壁156の壁面が色要素領域152の底面となす角度が小さい場合は、大きい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。ステップS22において側面角度が調整されて、隔壁156の側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度である立上り角度θRは、立上り角度θBより小さくなっている。これにより、液状材料530Rを側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合の凸形状が是正されて、図11(d)に示したように、色要素膜面536Rが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Rが形成される。
【0108】
本実施形態の液状材料530Gは、色要素膜153Gの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が図11(d)に二点鎖線で示した表面537Gのように凹形状となる。上述したように、隔壁156の壁面が色要素領域152の底面となす角度が大きい場合は、小さい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。ステップS22において側面角度が調整されて、隔壁156の側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度である立上り角度θGは、立上り角度θBより大きくなっている。これにより、液状材料530Gを側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合の凹形状が是正されて、図11(d)に示したように、色要素膜面536Gが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Gが形成される。
【0109】
本実施形態の液状材料530Bは、色要素膜153Bの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Bbが色要素領域底152Baとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が図11(d)に二点鎖線で示した表面537Bのように略平坦になる。これにより、図11(d)に示したように、液状材料530Bを側面156Bbが色要素領域底152Baとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152Bに充填して乾燥させることで、図11(d)に示したように、色要素膜面536Bが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Bが形成される。側面156Bbが色要素領域底152Baとなす立上り角度θBが、第一の角度に相当する。
【0110】
なお、色要素膜153R,153G,153Bの有効な部分には関与しないため図11(d)では省略したが、色要素膜153R,153G,153Bの縁の部分には、図9に示した色要素膜153と同様に、液状材料530R,G,Bの側面156Rb,156Gb,156Bbに濡れ広がった部分が乾燥したものが連なっている。
【0111】
以下、第二の実施形態の効果を記載する。第二の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液状材料530Rは、色要素膜153Rの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が凸形状となる。隔壁156の壁面が色要素領域152の底面となす角度が小さい場合は、大きい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。ステップS22において側面角度を調整して、隔壁156の側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度である立上り角度θRを、立上り角度θBより小さくしていることで、凸形状を是正して、色要素膜面536Rが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Rを形成することができる。
【0112】
(2)液状材料530Gは、色要素膜153Gの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が凹形状となる。隔壁156の壁面が色要素領域152の底面となす角度が大きい場合は、小さい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。ステップS22において側面角度を調整して、隔壁156の側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度である立上り角度θGを、立上り角度θBより大きくすることで、凹形状を是正して、色要素膜面536Gが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Gを形成することができる。
【0113】
(3)フィルタ基板102は、膜厚が略均一な色要素膜153R,153G,153Bを備えることで、色要素膜153R,153G,153Bが透過させるべき光量を透過させることができるような色要素膜153R,153G,153Bを容易に形成することができる。従って、透過させるべき光量を透過させることで実現すべき輝度が実現できる、好適なフィルタ基板102を実現することができる。
【0114】
(4)液晶表示パネル100は、膜厚が略均一な色要素膜153R,153G,153Bを備えることで、色要素膜153R,153G,153Bが透過させるべき光量を透過させることができるような色要素膜153R,153G,153Bを容易に形成することができる。従って、透過させるべき光量を透過させることで実現すべき輝度が実現できる、好適な液晶表示パネル100を実現することができる。
【0115】
(5)色要素領域152の平面形状が円形であって、形成される色要素膜153の平面形状が円形である。色要素膜153の縁は全て円弧の一部であることから、縁の形状が全周で均一になる。これにより、縁の形状が異なることに起因する厚み方向の形状のばらつきが抑制されることから、全周にわたって乾燥状態が略同一になり全周にわたって色要素膜153の膜厚を略均一にすることができる。また、隔壁156の側面の立上り角度を変えることが膜厚に及ぼす影響における、縁の形状が異なることに起因するばらつきが抑制されることから、隔壁156の側面の立上り角度を変えることによる膜厚の制御を容易に実行することができる。
【0116】
(第三の実施形態)
次に、本発明に係る電子機器について説明する。本実施形態の電子機器は、第一の実施形態又は第二の実施形態で説明した液晶表示装置を備えた電子機器である。本実施形態の電子機器の具体例について説明する。
【0117】
図12(a)は、電子機器の一例である大型液晶テレビを示す外観斜視図である。図12(a)に示すように、電子機器の一例である大型液晶テレビ200は、表示部201を備えている。表示部201は、第一の実施形態で説明した液晶表示パネル10を表示手段として搭載している。
【0118】
図12(b)は、電子機器の一例であるワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した外観斜視図である。図12(b)において、携帯型情報処理装置220は、情報処理装置筐体223を有し、キーボードなどの入力部224と表示部222とを備えている。表示部222は、第二の実施形態で説明した液晶表示パネル100を表示部222を構成する表示手段として搭載している。
【0119】
以下、第三の実施形態の効果を記載する。第三の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)大型液晶テレビ200は、実現すべき輝度が実現できる、好適な液晶表示パネル10を備えることで、実現すべき輝度が実現できる、好適な表示が可能な液晶テレビを実現することができる。
【0120】
(2)携帯型情報処理装置220は、実現すべき輝度が実現できる、好適な液晶表示パネル100を備えることで、実現すべき輝度が実現できる、好適な表示が可能な携帯型情報処理装置を実現することができる。
【0121】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、前記各実施形態に限らない。本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0122】
(変形例1)前記第一の実施形態においては、隔壁56の高さを変えるために基板凹部57及び透明膜58を形成していたが、基板凹部57及び透明膜58を形成することは必須ではない。高さが異なる隔壁56を形成してもよい。隔壁56を挟んで異なる液状材料を配置する場合には、隔壁56の頂上に段差を設けたり頂上を傾けたりすることで、単独の隔壁56で異なる高さの隔壁を形成してもよい。
【0123】
(変形例2)前記第一の実施形態においては、隔壁56の高さを変えるために基板凹部57及び透明膜58を形成していたが、基板凹部57及び透明膜58の双方を形成することは必須ではない。基板凹部57の深さを変えて異なる深さの基板凹部57を形成することでも、異なる隔壁56の高さを実現することができる。厚さが異なる複数種類の透明膜58を形成することでも、異なる隔壁56の高さを実現することができる。
【0124】
(変形例3)前記第一及び第二の実施形態においては、隔壁56,156は、隔壁膜を予め形成し、当該隔壁膜から色要素領域52などの部分を取り除くことで形成する方法を説明したが、隔壁56,156は、直接形成する方法で形成することもできる。例えば、前記第一の実施形態において説明した液滴吐出ヘッド62を用いて隔壁56,156の材料を含む液状材料を吐出して、基板上の隔壁56,156を形成する位置に選択的に配置することでも形成することができる。この方法によれば、除去する材料が発生しないため、材料が無駄に消費されることを抑制することができる。
【0125】
(変形例4)前記第一及び第二の実施形態においては、液状材料を充填する色要素領域52や色要素領域152の平面形状は、略方形又は略円形であったが、液状材料を配置する領域の形状は方形又は円形に限らずどのような形状であってもよい。例えば、長円形状であってもよい。長円形状の縁は全て円弧であり、曲率半径の違いによる差以外は縁の形状が全周で略均一になる。これにより、縁の形状が異なることに起因する厚み方向の形状のばらつきを抑制することができる。また、多角形形状の角部を円弧状にしてもよい。液状材料は角部分に充填し難いものもあるため、そのような液状材料を充填する方形領域の角部分を円弧状にすることで、未充填部分が発生することを抑制することができる。
【0126】
(変形例5)前記第一及び第二の実施形態においては、液状材料を配置するためにインクジェット方式の液滴吐出ヘッド62を用いていたが、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドを用いることは必須ではない。例えばマイクロディスペンサを用いるなど、微少量の液状材料を目的の配置位置に配置できる方法であればよい。
【0127】
(変形例6)前記第一及び第二の実施形態においては、ガラス基板2aの表面処理は、隔壁56又は隔壁156を形成した後に実行していたが、表面処理の実行時期は隔壁56又は隔壁156を形成した後に限らない。前記第一及び第二の実施形態で説明した各部の親液性又は撥液性が形成されればよい。
【0128】
(変形例7)前記第一及び第二の実施形態においては、ガラス基板2aの表面処理を実行することで、前記第一及び第二の実施形態で説明した各部の親液性又は撥液性を形成していたが、表面処理を実行することは必須ではない。液状材料に対して親液性又は撥液性を有する材料を用いて基板や隔壁又はバンクを形成することで、前記第一及び第二の実施形態で説明した各部の親液性又は撥液性を実現してもよい。
【0129】
(変形例8)前記第一及び第二の実施形態においては、機能膜の一例として、液晶表示装置のカラーフィルタの色要素膜について説明したが、本発明による膜形成方法は様々な機能膜の形成方法として利用できる。例えば、有機EL表示装置の正孔輸送層や発光層のような機能膜を形成する膜形成方法としても利用できる。また、液晶表示装置の配向膜のように、1枚の基板上に1枚の大きな機能膜を形成するような膜形成方法としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】(a)第一の実施形態の液晶表示パネルの構造を示す平面図、(b)は(a)のA−Aで示した断面における概略断面図。
【図2】第一の実施形態の液晶表示パネルの3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図。
【図3】(a)液滴吐出ヘッドの外観の概要を示す斜視図、(b)ノズルの配列を示す模式図。
【図4】(a)液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視図、(b)液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の詳細構造を示す断面図。
【図5】(a)隔壁の高さが高い場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図、(b)隔壁の高さが低い場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図。
【図6】第一の実施形態の液晶表示パネルのフィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャート。
【図7】第一の実施形態の液晶表示パネルのフィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図。
【図8】第二の実施形態の液晶表示パネルの3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図。
【図9】(a)隔壁の壁面が底面となす角度が大きい場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図、(b)壁面が底面となす角度が小さい場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図。
【図10】第二の実施形態の液晶表示パネルのフィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャート。
【図11】第二の実施形態の液晶表示パネルのフィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図。
【図12】(a)大型液晶テレビを示す外観斜視図、(b)携帯型情報処理装置の一例を示す外観斜視図。
【符号の説明】
【0131】
2…フィルタ基板、2a…ガラス基板、5…カラーフィルタ、10…液晶表示パネル、52,52B,52G,52R…色要素領域、53,53B,53G,53R…色要素膜、56,156…隔壁、56b…隔壁側面、57…基板凹部、58…透明膜、100…液晶表示パネル、102…フィルタ基板、152,152B,152G,152R…色要素領域、153,153B,153G,153R…色要素膜、156Bb,156Gb,156Bb…側面、200…大型液晶テレビ、220…携帯型情報処理装置、530,530B,530G,530R…液状材料、532B,532G,532R…表面、536B,536G,536R…色要素膜面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶装置のカラーフィルタ膜などのような機能膜を形成する膜形成方法、当該機能膜を有する電気光学基板の製造方法、及び当該機能膜を有する電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、電気光学装置、及び当該電気光学装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カラー液晶装置のカラーフィルタ膜や有機エレクトロルミネセンス(以下、「有機EL」と表記する。)装置の発光膜などの機能膜を形成する技術として、機能膜の材料を含む液状材料を塗布し、当該液状材料を乾燥させて機能膜を形成する技術が知られている。機能膜は厚さによって特性が異なることから、各機能膜において、厚さが実現すべき機能特性に最適な厚さであって、各部分の厚さが均一であることが求められる。同様な理由から、カラー液晶装置などに形成された互いに同一の機能(特性)を備えることが必要な複数の機能膜は、その膜厚が互いに均等であることが求められる。しかし、液状材料を乾燥させることで形成された機能膜は、中央部分が厚い凸形状や、中央部分が薄い凹形状になることで、同一機能膜における膜厚が均一でなかったり、凸形状や凹形状の形状がばらつくことで、機能膜間で膜厚が均等でなかったりする場合があった。
【0003】
例えばカラー液晶装置のカラーフィルタ膜では、膜厚が均一でないカラーフィルタ膜は、均一であるカラーフィルタ膜とは透過光量が異なることから、当該膜厚が均一でないカラーフィルタ膜が対応する画素の輝度が、膜厚が均一であるカラーフィルタ膜を前提とした画素の輝度とは異なってしまう。画像の最小単位(以降、「絵素」と表記する。)を構成する複数の画素の輝度が前提とした輝度からずれると、絵素の輝度や色が表示すべき輝度や色と異なってしまう。一つのカラー液晶装置に形成された複数のカラーフィルタ膜間で膜厚が均等でない場合には、輝度むらや色むらが発生する。
【0004】
特許文献1には、液状材料(液体材料)を配置するために滴下する液滴の大きさに対して、液状材料を配置する領域の大きさ及び当該領域を規定する隔壁(バンク)の大きさを規定することで、膜厚のばらつきを少なくすることができる基板(薄膜パターニング用基板)の構成が開示されている。特許文献2には、液状材料の配置領域と当該配置領域を規定する隔壁の側壁とを斜めの連結面で連結し、当該連結面に囲まれた領域に薄膜(画像素子)を形成することで、平坦な薄膜を形成する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−353594号公報
【特許文献2】特開2004−198486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、機能膜の液状材料の乾燥特性は、当該液状材料に含まれる溶質や溶媒やそれらの含有割合などによって異なっている。液状材料が乾燥して形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状は液状材料の乾燥特性の影響を受けることから、同一環境下で乾燥しても形成される機能膜の断面形状は、液状材料毎に異なっている。このため、特許文献1や特許文献2に開示されたように、液状材料の個別の特性に関わりなく隔壁の形状を規定すると、様々な種類の液状材料において必ずしも均一厚の膜が得られないという課題があった。特に、カラーフィルタを構成する各色のフィルタ膜を形成する場合のように、複数種類の液状材料を同一基板上に配置して機能膜を形成する場合には、1種類の機能膜を均一厚にできても、他の種類の機能膜は必ずしも均一厚にできないことから、同一基板上において、実現すべき機能が実現できるものとできないものとが混在することで、基板全体として好適な機能が得られ難いという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、基板上に配置されるそれぞれの液状材料の特性に応じて、多数形成されるそれぞれの機能膜の膜厚が不均一になることを抑制することができる膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、電気光学装置、及び電子機器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による膜形成方法は、基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、機能膜形成領域に、機能膜の材料を含む第一の量の液状材料を配置する材料配置工程と、材料配置工程において配置された液状材料を乾燥させて機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁形成工程において形成する隔壁の高さを変えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る膜形成方法によれば、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁の高さを変える。液状材料を乾燥させることで機能膜を形成する製膜方法においては、隔壁で区画された領域に同一量の液状材料を配置して乾燥させた場合、領域を区画する隔壁の高さによって、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が異なることが本発明の発明者などによって確認されている。本発明に係る膜形成方法によれば、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁の高さを変えることで、機能膜の断面形状を調整することができる。これにより、基板上に形成されるそれぞれの機能膜において、膜厚が不均一になることを抑制することができる。
【0010】
本発明において、膜形成方法は、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような機能膜を形成するための第一の量の液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、第一の高さより高くすることが好ましい。
【0011】
隔壁で区画された領域に同一量の液状材料を配置して乾燥させた場合、領域を区画する隔壁の高さが高い方が、形成される機能膜は中央部が周辺部より薄い凹形状になりやすいことが本発明の発明者などによって確認されている。この膜形成方法によれば、機能膜を形成するために機能膜形成領域に配置すべき液状材料の量が第一の量であって、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の断面形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、第一の高さより高くする。これにより、形成される機能膜の断面形状を、中央側の膜厚が周辺側の膜厚より厚い形状から中央側の膜厚が周辺側の膜厚より薄い形状の方に修正することができる。従って、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状を、中央側の膜厚が周辺側の膜厚より厚い凸形状から均一な膜厚に近づけることができる。
【0012】
本発明において、膜形成方法は、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような機能膜を形成するための第一の量の液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、第一の高さより低くすることが好ましい。
【0013】
隔壁で区画された領域に同一量の液状材料を配置して乾燥させた場合、領域を区画する隔壁の高さが低い方が、形成される機能膜は中央部が周辺部より厚い凸形状になりやすいことが本発明の発明者などによって確認されている。この膜形成方法によれば、機能膜を形成するために機能膜形成領域に配置すべき液状材料の量が第一の量であって、隔壁の高さが第一の高さである機能膜形成領域に第一の量の液状材料を配置した場合に形成される機能膜の断面形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、第一の高さより低くする。これにより、形成される機能膜の断面形状を、中央側の膜厚が周辺側の膜厚より薄い形状から中央側の膜厚が周辺側の膜厚より厚い形状の方に修正することができる。従って、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状を、中央側の膜厚が周辺側の膜厚より薄い凹形状から均一な膜厚に近づけることができる。
【0014】
本発明において、膜形成方法は、機能膜形成領域の底面を、当該底面からの隔壁の高さが高くなるように削ることで隔壁の高さを変えることが好ましい。
【0015】
この膜形成方法によれば、機能膜形成領域の底面が削られることで、基板の厚さ方向において、機能膜形成領域の底面の位置が低くなる。これにより、基板上に形成する隔壁自体の高さを変えることなく、機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、機能膜形成領域側から見て実質的に高くして、隔壁の高さを変えることができる。
【0016】
本発明において、膜形成方法は、機能膜形成領域の底部に薄膜を形成することで、隔壁の高さを変えることが好ましい。
【0017】
この膜形成方法によれば、機能膜形成領域の底面に薄膜が形成されることで、基板の厚さ方向において、機能膜形成領域の底面の位置が高くなる。これにより、基板上に形成する隔壁自体の高さを変えることなく、機能膜形成領域を区画形成する隔壁の高さを、機能膜形成領域側から見て実質的に低くして、隔壁の高さを変えることができる。
【0018】
本発明による膜形成方法は、基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、機能膜形成領域に機能膜の材料を含む液状材料を配置する材料配置工程と、材料配置工程において配置された液状材料を乾燥させて機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、隔壁の機能膜形成領域を構成する側面が機能膜形成領域の底面となす機能膜形成領域側の立上り角度が第一の角度である場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁形成工程において形成する隔壁の側面が底面となす立上り角度を変えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る膜形成方法によれば、隔壁の側面の立上り角度が第一の角度である機能膜形成領域に液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁の側面の立上り角度を変える。液状材料を乾燥させることで機能膜を形成する成膜方法においては、機能膜形成領域を区画する隔壁の立上り角度によって、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が異なることが本発明の発明者などによって確認されている。本発明に係る膜形成方法によれば、隔壁の側面の立上り角度が第一の角度である機能膜形成領域に液状材料を配置した場合に形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、隔壁の側面の立上り角度を変えることで、機能膜の断面形状を調整することができる。これにより、基板上に形成されるそれぞれの機能膜において、膜厚が不均一になることを抑制することができる。なお、側面の立上り角度は、側面が機能膜形成領域の底面となす機能膜形成領域側の立上り角度であって、隔壁の断面の角の角度ではなく、機能膜形成領域の断面の角の角度である。
【0020】
本発明において、膜形成方法は、隔壁の側面が底面となす立上り角度が第一の角度のときに形成される機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような機能膜を形成するための液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の立上り角度を、第一の角度より小さくすることが好ましい。
【0021】
隔壁で区画された領域に液状材料を配置して乾燥させた場合、機能膜形成領域を区画する隔壁の側面の機能膜形成領域側の立上り角度が小さいほど、形成される機能膜は中央部分の膜厚が周辺部分の膜厚より薄い凹形状になりやすいことが本発明の発明者などによって確認されている。この膜形成方法によれば、隔壁の側面が底面となす立上り角度が第一の角度のときに形成される機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような機能膜を形成するための液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の立上り角度を、第一の角度より小さくする。これにより、形成される機能膜の断面形状を、中央部分が周辺部分より厚い凸形状から中央側の膜厚が周辺側の膜厚より薄い形状の方に近づけるように修正することができる。従って、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状を、中央部分が周辺部分より厚い凸形状から均一な膜厚の断面形状に近づけることができる。
【0022】
本発明において、膜形成方法は、隔壁の側面が底面となす立上り角度が第一の角度のときに形成される機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような機能膜を形成するための液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の立上り角度を、第一の角度より大きくすることが好ましい。
【0023】
隔壁で区画された領域に液状材料を配置して乾燥させた場合、機能膜形成領域を区画する隔壁の側面の機能膜形成領域側の立上り角度が大きいほど、形成される機能膜は中央部分の膜厚が周辺部分の膜厚より厚い凸形状になりやすいことが本発明の発明者などによって確認されている。この膜形成方法によれば、隔壁の側面が底面となす立上り角度が第一の角度のときに形成される機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような機能膜を形成するための液状材料を配置すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁の立上り角度を、第一の角度より大きくする。これにより、形成される機能膜の断面形状を、中央部分が周辺部分より薄い凹形状から中央側の膜厚が周辺側の膜厚より厚い形状の方に修正することができる。従って、形成される機能膜の厚さ方向の断面の断面形状を、中央部分が周辺部分より薄い凹形状から均一な膜厚の断面形状に近づけることができる。
【0024】
本発明による電気光学基板の製造方法は、機能膜を有する電気光学基板の製造方法であって、少なくとも1種類の機能膜を上述した膜形成方法を用いて形成することを特徴とする。
【0025】
本発明に係る電気光学基板の製造方法によれば、機能膜における膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて機能膜を形成することから、一つの機能膜における膜厚のばらつきが小さい、好適な電気光学基板を製造することができる。例えば当該膜形成方法を用いて色要素膜を形成するカラーフィルタ基板であれば、表示するべき色や輝度を正確に表示し易いというように、高性能の電気光学基板を製造することができる。
【0026】
本発明による電気光学装置の製造方法は、機能膜を有する電気光学装置の製造方法であって、少なくとも1種類の機能膜を上述した膜形成方法を用いて形成することを特徴とする。
【0027】
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、機能膜における膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて機能膜を形成することから、一つの機能膜における膜厚のばらつきが小さい、好適な電気光学装置を製造することができる。例えば当該膜形成方法を用いて発光膜を形成する有機EL表示装置であれば、表示するべき色や輝度を正確に表示し易いというように、高性能の電気光学装置を製造することができる。
【0028】
本発明による機能膜は、上述した膜形成方法を用いて形成することを特徴とする。
【0029】
本発明に係る機能膜の構成によれば、機能膜における膜厚の均一化を実行することができる膜形成方法を用いて形成されていることから、一つの機能膜における膜厚のばらつきが小さい。これにより、機能膜の所望の機能を実現し易い好適な機能膜を実現することができる。
【0030】
本発明において、機能膜は、機能膜の平面形状が略円形又は略長円形状であることが好ましい。
【0031】
機能膜材料を含む液状材料を乾燥させて機能膜を形成する場合、形成するべき機能膜の縁の形状によって当該縁の近くの液状材料の乾燥状態が異なる。このため、機能膜の厚みが縁の形状によって部分的に異なり、全体の厚みが均一でなくなる。例えば、多角形の機能膜の辺の部分と角の部分とでは乾燥状態が異なることから、辺の部分と角の部分とで機能膜の厚さが均一でなくなる。この機能膜の構成によれば、機能膜の平面形状が略円形又は略長円形状であって、機能膜の縁は全て円弧の一部であることから、平面形状が多角形である機能膜に比べて、縁の形状が全周で略均一になる。これにより、全周にわたって乾燥状態が略同一になり全周にわたって膜厚を略均一にすることができる。従って、機能膜の形状がばらつく可能性が少ないことから、機能膜の所望の機能を実現し易い機能膜を実現することができる。
【0032】
本発明による電気光学基板は、機能膜を有する電気光学基板であって、少なくとも1種類の機能膜が、上記した機能膜であることを特徴とする。
【0033】
本発明に係る電気光学基板によれば、少なくとも1種類の機能膜が、機能膜の所望の機能を実現し易い好適な機能膜であることから、所望の機能を実現し易い好適な電気光学基板を実現することができる。
【0034】
本発明による電気光学装置は、機能膜を有する電気光学装置であって、少なくとも1種類の機能膜が、上記した機能膜であることを特徴とする。
【0035】
本発明に係る電気光学装置によれば、少なくとも1種類の機能膜が、機能膜の所望の機能を実現し易い好適な機能膜であることから、所望の機能を実現し易い好適な電気光学装置を実現することができる。
【0036】
本発明によるカラーフィルタの色要素膜は、上述した膜形成方法を用いて形成されることを特徴とする。
【0037】
本発明に係るカラーフィルタの色要素膜の構成によれば、色要素膜における膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて形成されていることから、一つの色要素膜における膜厚のばらつきが小さい。これにより、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタの色要素膜を実現することができる。
【0038】
本発明によるカラーフィルタは、カラーフィルタを構成する色要素膜が、上述した膜形成方法を用いて形成されていることを特徴とする。
【0039】
本発明に係るカラーフィルタの構成によれば、カラーフィルタを構成する色要素膜が、色要素膜における膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて形成されていることから、一つの色要素膜における膜厚のばらつきが小さい。これにより、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタを実現することができる。
【0040】
本発明によるカラーフィルタ基板は、上述したカラーフィルタを備えることを特徴とする。
【0041】
本発明に係るカラーフィルタ基板の構成によれば、カラーフィルタ基板が備えるカラーフィルタは、カラーフィルタを構成する色要素膜が、一つの色要素膜における膜厚のばらつきが小さいことから、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタを実現することができる。これにより、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタ基板を実現することができる。
【0042】
本発明による液晶表示装置は、上述したカラーフィルタの色要素膜を備えることを特徴とする。
【0043】
本発明に係る液晶表示装置の構成によれば、液晶表示装置は、膜厚の均一化を実現することができる膜形成方法を用いて形成されていることから、一つの色要素膜における膜厚のばらつきが小さいため、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適なカラーフィルタの色要素膜を備える。これにより、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適な液晶表示装置を実現することができる。
【0044】
本発明による電子機器は、上述した電気光学装置を備えることを特徴とする。
【0045】
本発明に係る電子機器によれば、所望の機能を実現し易い好適な電気光学装置を備えることから、所望の機能を実現し易い好適な電子機器を実現することができる。
【0046】
本発明による電子機器は、上述した液晶表示装置を備えることを特徴とする。
【0047】
本発明に係る電子機器によれば、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適な液晶表示装置を備えることから、表示するべき色や輝度を正確に表示し易い好適な電子機器を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明に係る膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、電気光学装置、及び電子機器の一実施形態について図面を参照して、説明する。
【0049】
(第一の実施形態)
第一の実施形態では、膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、及び電気光学装置の一実施形態について、説明する。本実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を製造する工程において、機能膜の一例であるフィルタ膜としての色要素膜を形成する工程で用いられる膜形成方法を例に説明する。
【0050】
<液晶表示パネルの構成>
最初に、図1を参照して、液晶表示パネルについて説明する。図1は、液晶表示パネルの構造を示す概略図である。図1(a)は、液晶表示パネルについて、各構成要素とともにフィルタ基板側から見た平面図であり、図1(b)は図1(a)にA−Aで示した断面における断面形状を示す概略断面図である。なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0051】
図1(a)および(b)に示すように、液晶表示パネル10は、TFT(Thin Film Transistor)素子3及び画素電極6bを有する素子基板1と、対向電極6a及びカラーフィルタ5を有するフィルタ基板2と、シール材4によって接着された素子基板1とフィルタ基板2との隙間に充填された液晶8とを備えている。素子基板1はフィルタ基板2より一回り大きく額縁状に張り出した状態となっている。
【0052】
素子基板1は、厚さおよそ1.2mmの石英ガラス基板を用いており、その表面には画素を構成する画素電極6bと、3端子のうちの一つが画素電極6bに接続されたTFT素子3が形成されている。TFT素子3の残りの2端子は、画素電極6bを囲んで互いに絶縁状態で格子状に配置されたデータ線(図示省略)と走査線(図示省略)とに接続されている。データ線は、Y軸方向に引き出されて、端子部16においてデータ線駆動回路部9aに接続されている。走査線は、X軸方向に引き出され、左右の額縁領域に形成された2つの走査線駆動回路部9b,9bに個々に接続されている。各データ線駆動回路部9aおよび走査線駆動回路部9bの入力側配線は、端子部16に沿って配列した実装端子11にそれぞれ接続されている。端子部16とは反対側の額縁領域には、2つの走査線駆動回路部9b,9bを繋ぐ配線12が設けられている。
【0053】
フィルタ基板2は、厚みおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板2aを用いており、共通電極としての対向電極6aが設けられている。対向電極6aは、ガラス基板2aの四隅に設けられた上下導通部14を介して素子基板1側に設けられた配線と導通しており、当該配線も端子部16に設けられた実装端子11に接続されている。また、フィルタ基板2には、画素電極6bと対向する位置に色要素膜53が形成されたカラーフィルタ5が設けられている。
【0054】
液晶8に面する素子基板1の表面およびフィルタ基板2の表面には、それぞれ配向膜7b、配向膜7aが形成されている。
【0055】
液晶表示パネル10は、外部駆動回路と電気的に繋がる中継基板が実装端子11に接続される。そして、外部駆動回路からの入力信号が各データ線駆動回路部9aおよび走査線駆動回路部9bに入力されることにより、TFT素子3が画素電極ごとにスイッチングされ、画素電極6bと対向電極6aとの間に駆動電圧が印加されて表示が行われる。
【0056】
尚、図1では図示省略したが、液晶表示パネル10の表裏面には、それぞれ入出射する光を偏向する偏光板が設けられる。
【0057】
<カラーフィルタ>
次に、図2を参照して、フィルタ基板2に形成されているカラーフィルタ5及びカラーフィルタ5における色要素膜53の配列について説明する。図2(a),(b)は、3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図である。
【0058】
上述したように、フィルタ基板2は、厚みおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板2aを用いて形成されている。カラーフィルタ5は、方形状のガラス基板2aの表面に複数の色要素領域52をドットパターン状、本実施形態ではドット・マトリクス状に形成し、当該色要素領域52に色要素膜53を形成することによって形成されている。上述したように、素子基板1とフィルタ基板2とが組み合わされると、色要素膜53は画素電極6bと対向しており、画素電極6bと対向電極6aとの間に駆動電圧を印加して液晶8の配向を変えることで制御される光が色要素膜53を透過する。色要素膜53は光学フィルタであって、色要素膜53を透過した光は色要素膜53の色に対応した色の光になる。色要素領域52が機能膜形成領域に相当し、色要素膜53が機能膜に相当する。フィルタ基板2が、機能膜を有する電気光学基板に相当する。
【0059】
図2(a),(b)に示すように、色要素膜53は、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁56によって区画されてドット・マトリクス状に並んだ複数の例えば方形状の色要素領域52を色材で埋めることによって形成される。例えば、色要素膜53を構成する色材を含む液状材料を色要素領域52に充填し、当該液状材料の溶媒を蒸発させて液状材料を乾燥させることで、色要素領域52を埋める膜状の色要素膜53を形成する。
【0060】
色要素膜53の配列としては、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が知られている。ストライプ配列は、図2(a)に示したように、マトリクスの縦列が全て同色の色要素膜53になる配列である。モザイク配列は、図2(b)に示したように、横方向の各行ごとに色要素膜53一つ分だけ色をずらした配列で、3色フィルタの場合、縦横の直線上に並んだ任意の3つの色要素膜53が3色となる配列である。そして、デルタ配列は、色要素膜53の配置を段違いにし、3色フィルタの場合、任意の隣接する3つの色要素膜53が異なる色となる配色である。
【0061】
図2(a),(b)に示した3色フィルタにおいて、色要素膜53は、それぞれが、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちのいずれか1色の色材によって形成されている。隣り合って形成されたR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色要素膜53R,53G,53Bを各1個づつ含む色要素膜53の組で、画像を構成する最小単位である絵素のフィルタ(以下、「絵素フィルタ54」と表記する。)を形成している。1絵素フィルタ54内の色要素膜53R,53G,53Bのいずれか1つ又はそれらの組み合わせに光を選択的に通過させることにより、フルカラー表示を行う。このとき、透光性のない樹脂材料によって形成された隔壁56はブラックマトリクスとして作用する。
【0062】
<液滴吐出法及び液滴吐出ヘッド>
次に、液状材料を色要素領域52に充填する際に用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加して吐出ノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
【0063】
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。このうち、ピエゾ方式は、液状材料に熱を加えないため、材料の組成等に影響を与えないなどの利点を有する。本実施形態では、液状材料選択の自由度の高さ、及び液滴の制御性の良さの点から上記ピエゾ方式を用いる。
【0064】
次に、本発明に係るデバイスを液滴吐出法によって製造する際に用いられるデバイス製造装置の液滴吐出ヘッドについて説明する。このデバイス製造装置は、液滴吐出ヘッドから基板に対して液滴を吐出(滴下)することによりデバイスを製造する液滴吐出装置(インクジェット装置)である。図3は、液滴吐出ヘッドの外観の概要を示す図である。図3(a)は、液滴吐出ヘッドの外観の概要を示す斜視図であり、図3(b)は、ノズルの配列を示す模式図である。図3(a)に示すように、液滴吐出ヘッド62は、例えば、複数の吐出ノズル67が配列されてなるノズル列68を有する。図3(b)に示すように吐出ノズル67の数は例えば180であり、吐出ノズル67の孔径は例えば28μmであり、吐出ノズル67のピッチは例えば141μmである。図3(a)に示す基準方向Sは、基板上の任意の位置に液滴を着弾させるために液滴吐出ヘッド62が基板に対して相対移動する際の主走査方向を示し、配列方向Tはノズル列68における吐出ノズル67の配列方向を示している。
【0065】
図4(a)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視図であり、図4(b)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の詳細構造を示す断面図である。図4(a),(b)に示すように、それぞれの液滴吐出ヘッド62は、振動板73と、ノズルプレート74とを、備えている。振動板73と、ノズルプレート74との間には、液状材料タンク(図示省略)から供給孔77を介して供給される材料液が常に充填される液たまり75が位置している。また、振動板73と、ノズルプレート74との間には、複数のヘッド隔壁71が位置している。そして、振動板73と、ノズルプレート74と、1対のヘッド隔壁71とによって囲まれた空間がキャビティ70である。キャビティ70は吐出ノズル67に対応して設けられているため、キャビティ70の数と吐出ノズル67の数とは同じである。キャビティ70には、1対のヘッド隔壁71間に位置する供給口76を介して、液たまり75から材料液が供給される。
【0066】
振動板73上には、それぞれのキャビティ70に対応して、振動子72が位置する。振動子72は、ピエゾ素子72cと、ピエゾ素子72cを挟む1対の電極72a、72bとから成る。この1対の電極72a、72bに駆動電圧を与えることで、対応する吐出ノズル67から液状材料が液滴となって吐出される。吐出ノズル67から吐出される液状材料の一部がノズルプレート74に付着することを抑制するために、ノズルプレート74の外面は、液状材料に対して撥液性を有する撥液処理層2Pが形成されている。
【0067】
制御装置(図示省略)は、ピエゾ素子72cへの印加電圧の制御、すなわち駆動信号を制御することにより、複数の吐出ノズル67のそれぞれに対して、液状材料の吐出制御を行う。より詳細には、吐出ノズル67から吐出される液滴の体積や、単位時間あたりに吐出する液滴の数、基板上に着弾した液滴同士の距離などを変化させることができる。例えば、ノズル列68に並ぶ複数の吐出ノズル67の中から、液滴を吐出させる吐出ノズル67を選択的に使用することにより、配列方向Tの方向では、ノズル列68の長さの範囲であって吐出ノズル67のピッチ間隔で、複数の液滴を同時に吐出することができる。基準方向Sの方向では、基板上に着弾した液滴同士の距離を、当該液滴を吐出する吐出ノズル67ごとに個別に変化させることができる。なお、吐出ノズル67のそれぞれから吐出される液滴の体積は、1pl〜300pl(ピコリットル)の間で可変である。
【0068】
<隔壁高さと膜厚形状>
次に、図5を参照して、色要素領域52に充填された液状材料530を乾燥させて色要素膜53を形成する際の、ガラス基板2a上に形成された隔壁56の高さと、形成される色要素膜53の厚さ方向の断面における断面形状との関係を説明する。図5(a)は、隔壁の高さが高い場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図であり、図5(b)は、隔壁の高さが低い場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図である。
【0069】
図5(a)に二点鎖線で示したように色要素領域52に充填された液状材料530は、乾燥して同図に示したような断面形状の色要素膜53が形成される。図5(a)に示したように隔壁56の高さH1が高い場合は、図5(b)に示したように低い場合に比べて、隔壁56の壁面に濡れ広がる長さが長くなることから、液状材料530が乾燥する過程において液状材料530が流動・対流・拡散できる距離が長くなる。このため、色要素膜53の断面形状は、図5(a)に示したような、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。
【0070】
図5(b)に二点鎖線で示したように色要素領域52に充填された液状材料530は、乾燥して同図に示したような断面形状の色要素膜53が形成される。図5(b)に示したように隔壁56の高さH2が低い場合は、図5(a)に示したように高い場合に比べて、隔壁56の壁面に濡れ広がる長さが短くなることから、液状材料530が乾燥する過程において液状材料530が流動・対流・拡散できる距離が少ない。このため、色要素膜53の断面形状は、図5(b)に示したような、中央部が盛り上がるようにして厚くなり、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。
【0071】
ここで説明した隔壁56の高さと、形成される色要素膜53の断面形状との関係は、本発明の発明者らによって実験的に確認されている。なお、凹形状と凸形状の境界である均一な膜厚が得られる隔壁56の高さは、個々の液状材料の乾燥特性によって異なるため、隔壁56の形状を決定する前に、乾燥雰囲気や環境温度などの条件を機能膜形成工程と合わせたうえで、確認することが好ましい。
【0072】
<フィルタ基板の製造>
次に、フィルタ基板2の色要素膜53R,53G,53Bを形成する色要素膜形成工程について、図6および図7を参照して説明する。図6はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャートであり、図7(a)〜(d)はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図である。
【0073】
図6に示したステップS1では、図7(a)に示すように、ガラス基板2aの表面の一部をエッチングなどによって取り除くことで、基板凹部57を形成する。1個の基板凹部57の大きさは、図2を参照して説明した隔壁56によって区画形成される1個の色要素領域52の底面より大きく、隔壁56を隔てて隣り合う色要素領域52の底面には達しない大きさにする。
【0074】
次に、ステップS2では、図7(a)に示すように、ガラス基板2aの表面の一部を覆う透明膜58を形成する。透明膜58は、例えば、ガラス基板2aの表面に透明膜58の材料を含む液状材料を塗布し、乾燥させてガラス基板2aの表面の全面を覆う透明膜を形成し、フォトエッチングなどで、形成する。1個の透明膜58の大きさは、基板凹部57と同様に、隔壁56によって区画形成される1個の色要素領域52の底面より大きく、隔壁56を隔てて隣り合う色要素領域52の底面には達しない大きさにする。
【0075】
次に、ステップS3では、図7(b)に示すように、ガラス基板2aの表面に隔壁56を形成する。隔壁56は、例えば、ガラス基板2aの表面に隔壁56の材料を含む液状材料を塗布し、乾燥させて隔壁膜を形成し、フォトエッチングなどで色要素領域52などの部分を取り除くことで、形成する。
【0076】
隔壁56の高さは、色要素領域底52Baがガラス基板2aの表面である色要素領域52BではHBであり、色要素領域底52Gaが透明膜58の表面である色要素領域52GではHGであり、色要素領域底52Raが基板凹部57の表面である色要素領域52RではHRである。色要素領域52Rにおける隔壁56の高さHRは、基板凹部57を形成することで底部が削られた状態となるような位置に隔壁56を形成することで、ガラス基板2aの表面に形成された隔壁56の高さであるHBより高くなっている。色要素領域52Gにおける隔壁56の高さHGは、底部に透明膜58が形成された状態となるように隔壁56を形成することで、ガラス基板2aの表面に形成された隔壁56の高さであるHBより低くなっている。この場合、ステップS1とステップS2とステップ3とが隔壁形成工程に相当する。
【0077】
次に、ステップS4では、隔壁56が形成されたガラス基板2aを洗浄する。ガラス基板2aが機能膜を形成する基板に相当する。
【0078】
次に、ステップS5では、隔壁56が形成され洗浄されたガラス基板2aを、液状材料を充填し易くするために、表面処理する。隔壁裾56aに囲まれた色要素領域底52Ra,52Ga,52Baと、隔壁側面56bとが色要素膜53の材料を含む液状材料530に対して親液性となるように処理し、隔壁頂部56cは液状材料530に対して撥液性となるように処理する。この処理によって、色要素領域52に配置された液状材料530が色要素領域52に馴染み易くなると共に、色要素領域52から溢れ出し難くなる。
【0079】
次に、ステップS6では、色要素材料液を塗布する。図7(c)に示すように、隔壁56によって形成された複数の色要素領域52R,52G,52Bのそれぞれに色要素形成材料を含む液状材料530を液滴吐出ヘッド62から液滴530aとして吐出し、色要素領域52に液状材料530を充填する。勿論、異なる色の各色要素膜53R,53G,53Bが形成される各色要素領域52R,52G,52Bに対して異なる色要素材料を含む液状材料530R,530G,530Bを吐出して、充填する。上述した3色カラーフィルタ(図2(a),(b)参照)のように、異なる色の各色要素膜53R,53G,53Bが形成される各色要素領域52R,52G,52Bに対応して、異なる色要素材料を含む3種の液状材料530R,530G,530Bを液滴吐出ヘッド62に順次充填して、各色要素領域52R,52G,52Bに向けて吐出する。あるいは、複数の液滴吐出ヘッド62を用意し、それぞれに異なる色要素材料を含む液状材料530R,530G,530Bを充填して吐出してもよい。色要素領域52R,52G,52Bにそれぞれ充填する液状材料530R,530G,530Bは、形成された各色要素膜53R,53G,53Bの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量をそれぞれ充填する。ステップS6の色要素領域52R,52G,52Bに液状材料530R,530G,530Bを充填する工程が、材料配置工程に相当する。
【0080】
次に、ステップS7では、ガラス基板2a上に配置した液状材料530を乾燥させて、色要素膜53を形成する。ステップS7の乾燥成膜工程を実行して、図7(d)に示すように、色要素膜面531R,531G,531Bが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53R,53G,53Bが形成される。
【0081】
本実施形態の液状材料530Rは、色要素膜53Rの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が図7(d)に二点鎖線で示した表面532Rのように凸形状となる。上述したように、隔壁56の高さが高い場合は、低い場合に比べて、形成される色要素膜53の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。色要素領域底52Raが基板凹部57の表面である色要素領域52Rにおける隔壁56の高さはHBより高いHRである。これにより、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合の凸形状が是正されて、図7(d)に示したように、色要素膜面531Rが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Rが形成される。
【0082】
本実施形態の液状材料530Gは、色要素膜53Gの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が図7(d)に二点鎖線で示した表面532Gのように凹形状となる。上述したように、隔壁56の高さが低い場合は、高い場合に比べて、形成される色要素膜53の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。色要素領域底52Gaが透明膜58の表面である色要素領域52Gにおける隔壁56の高さは、HBより低いHGである。これにより、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合の凹形状が是正されて、図7(d)に示したように、色要素膜面531Gが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Gが形成される。
【0083】
本実施形態の液状材料530Bは、色要素膜53Bの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が図7(d)に示した表面532Bのように略平坦なる。これにより、図7(d)に示したように、液状材料530Bを隔壁56の高さがHBである色要素領域52Bに充填して乾燥させることで、色要素膜面531Bが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Bが形成される。隔壁56の高さHBが、第一の高さに相当する。
【0084】
なお、色要素膜53R,53G,53Bの有効な部分には関与しないため図7(d)では省略したが、色要素膜53R,53G,53Bの縁の部分には、図5に示した色要素膜53と同様に、液状材料530R,G,Bの隔壁側面56bに濡れ広がった部分が乾燥したものが連なっている。
【0085】
以下、第一の実施形態の効果を記載する。第一の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液状材料530Rは、色要素膜53Rの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が凸形状となる。隔壁56の高さが高い場合は、低い場合に比べて、形成される色要素膜53の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。基板凹部57を設けて色要素領域底52Raが基板凹部57の表面である色要素領域52Rにおける隔壁56の高さをHBより高いHRとすることで、凸形状を是正して、色要素膜面531Rが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Rを形成することができる。
【0086】
(2)液状材料530Gは、色要素膜53Gの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、隔壁56の高さがHBである色要素領域52に充填して乾燥させた場合には、色要素膜53の表面が凹形状となる。隔壁56の高さが低い場合は、高い場合に比べて、形成される色要素膜53の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。透明膜58を設けて色要素領域底52Gaが透明膜58の表面である色要素領域52Gにおける隔壁56の高さを、HBより低いHGとすることで、凹形状を是正して、色要素膜面531Gが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53Gを形成することができる。
【0087】
(3)液晶表示パネル10は、膜厚が略均一な色要素膜53R,53G,53Bを備えることで、色要素膜53R,53G,53Bが透過させるべき光量を透過させることができるような色要素膜53を容易に形成することができる。従って、透過させるべき光量を透過させることで実現すべき輝度が実現できる、好適な液晶表示パネル10を実現することができる。
【0088】
(第二の実施形態)
次に、本発明に係る膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、及び電気光学装置の一実施形態である第二の実施形態について図面を参照して、説明する。本実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を製造する工程において、機能膜の一例であるフィルタ膜としての色要素膜を形成する工程で用いられる膜形成方法を例に説明する。本実施形態の液滴吐出装置は、第一の実施形態で説明した液滴吐出装置と実質的に同一のものであるため、液滴吐出装置に関する説明は省略する。
【0089】
本実施形態の液晶表示パネル100の構成は、第一の実施形態で説明した液晶表示パネル10と実質的に同一のものである。液晶表示パネル10とは異なる色要素膜の形状及び色要素膜を形成する工程で用いられる膜形成方法について説明する。
【0090】
<カラーフィルタ>
最初に、フィルタ基板102(図8参照)に形成されているカラーフィルタ5(図1参照)における色要素膜153の配列について説明する。フィルタ基板102は、色要素膜153の形状が色要素膜53と異なる以外は、図1に示したフィルタ基板2と基本的に同様である。図8は、3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図である。
【0091】
図8に示すように、色要素膜153は、透光性のない樹脂材料によって形成された隔壁156によって区画されて並んだ複数の色要素領域152を色材で埋めることによって形成される。例えば、色要素膜153を構成する色材を含む液状材料を色要素領域152に充填し、当該液状材料の溶媒を蒸発させて液状材料を乾燥させることで、色要素領域152を埋める膜状の色要素膜153を形成する。色要素領域152が機能膜形成領域に相当し、色要素膜153が機能膜に相当する。フィルタ基板102が、機能膜を有する電気光学基板に相当する。
【0092】
ガラス基板2a(図1参照)上の3色の色要素膜153R,153G,153Bは、例えば、図8に示すように、同色系の色要素膜153が図面において上下方向に配列したストライプ配列に配置されている。各色要素膜153の平面形状は略円形である。図の上下方向に並ぶ色要素膜153を一つおきに図の左右方向にずらすことで、色要素膜153の配置密度を上げている。
【0093】
図8に示した3色フィルタにおいて、色要素膜153は、それぞれが、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちのいずれか1色の色材によって形成されている。隣り合って形成されたR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色要素膜153R,153G,153Bを各1個づつ含む色要素膜153の組で、画像を構成する最小単位である絵素のフィルタを形成している。1絵素フィルタ内の色要素膜153R,153G,153Bのいずれか1つ又はそれらの組み合わせに光を選択的に通過させることにより、フルカラー表示を行う。このとき、透光性のない樹脂材料によって形成された隔壁156はブラックマトリクスとして作用する。
【0094】
<隔壁面角度と膜厚形状>
次に、色要素領域152に充填された液状材料530を乾燥させて色要素膜153を形成する際の、ガラス基板2a上に形成された隔壁156の壁面が色要素領域152の底面であるガラス基板2aの面となす角度と、形成される色要素膜153の厚さ方向の断面における断面形状との関係を説明する。図9(a)は、隔壁の壁面が底面となす角度が大きい場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図であり、図9(b)は、壁面が底面となす角度が小さい場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図である。
【0095】
図9(a)に二点鎖線で示したように色要素領域152に充填された液状材料530は、乾燥して同図に示したような断面形状の色要素膜153が形成される。図9(a)に示したように隔壁156の壁面が色要素領域152の底面であるガラス基板2aの面となす角度θ1が大きい場合は、図9(b)に示した角度θ2のように小さい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、図9(a)に示したような、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。
【0096】
図9(b)に二点鎖線で示したように色要素領域152に充填された液状材料530は、乾燥して同図に示したような断面形状の色要素膜153が形成される。図9(b)に示したように隔壁156の壁面が色要素領域152の底面であるガラス基板2aの面となす角度θ2が小さい場合は、図9(a)に示した角度θ1のように大きい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、図9(b)に示したような、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。
【0097】
ここで説明した隔壁156の壁面がガラス基板2aの面となす角度と、形成される色要素膜153の断面形状との関係は、本発明の発明者らによって実験的に確認されている。なお、凹形状と凸形状の境界である均一な膜厚が得られる壁面と底面とがなす角度は、個々の液状材料の乾燥特性によって異なるため、隔壁156の形状を決定する前に、乾燥雰囲気や環境温度などの条件を機能膜形成工程と合わせたうえで、確認することが好ましい。
【0098】
<フィルタ基板の製造>
次に、フィルタ基板102の色要素膜153R,153G,153Bを形成する色要素膜形成工程について図10および図11を参照して説明する。図10はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャートであり、図11(a)〜(d)はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図である。
【0099】
図10に示したステップS21では、図11(a)に示すように、ガラス基板2aの表面に隔壁156を形成することで、色要素領域152を形成する。隔壁156は、例えば、ガラス基板2aの表面に隔壁156の材料を含む液状材料を塗布し、乾燥させて隔壁膜を形成し、フォトエッチングなどで色要素領域152などの部分を取り除くことで、形成する。隔壁156の側面がガラス基板2aの表面となす角度である立上り角度θ0は各隔壁156間において略均一である。
【0100】
次に、ステップS22では、側面156Rb,156Gb,156Bbの角度を調整する。図11(b)に示すように、充填する液状材料の特性に合わせて側面156Rb,156Gb,156Bbが色要素領域底152Ra,152Ga,152Baとなす角度を、それぞれ立上り角度θR,θG,θBに調整する。立上り角度θRは立上り角度θ0のままであり、立上り角度θBは立上り角度θR(立上り角度θ0)より大きく、立上り角度θGは立上り角度θBよりさらに大きくなっている。側面156Rb,156Gb,156Bbがガラス基板2aの表面と接触する位置である隔壁裾156Ra,156Ga,156Baに囲まれた領域が、色要素領域底152Ra,152Ga,152Baである。
【0101】
立上り角度θR,θG,θBの調整は、例えば、隔壁156を焼成して形状を固定化する際のだれ具合を調整することで実行する。フォトエッチングなどで色要素領域152などの部分を取り除くことで、形成された状態の隔壁156は充分固化されていないため焼成して固化する。その際に隔壁156の側面がだれて図11(a)に示した立上り角度θ0が大きくなる。立上り角度θR,θG,θBの調整は、隔壁156をフォトエッチングの際に光が当っていない側から、即ちガラス基板2aを介して露光させることで固化させることができることを利用する。
【0102】
より詳細には、色要素領域底152Ra,152Ga,152Baの周囲の隔壁156の側面156Rb,156Gb,156Bbの近傍に選択的に露光させることができるマスクを用いて、焼成の前に、色要素領域底152Ra,152Ga,152Baの周囲の隔壁156の側面156Rb,156Gb,156Bbの近傍を適宜露光させる。色要素領域底152Gaを囲む側面156Gbは、露光させないようにマスクすることで、焼成の際にだれが大きくなり、立上り角度θGは大きくなる。色要素領域底152Baを囲む側面156Bbは、マスクに開口部を設け露光させるようにすることで、焼成の際にだれる量を抑制する。これにより、側面156Bbは側面156Gbよりだれの程度が小さくなるため、立上り角度θBは、立上り角度θGより小さくなる。即ち、立上り角度θGは、立上り角度θBより大きくなる。色要素領域底152Raを囲む側面156Rbは、マスクに開口部を設け露光させて充分固化させることで、焼成の際には殆どだれないようにする。これにより、側面156Rbの立上り角度θRは、立上り角度θ0が維持されて、立上り角度θ0より大きくなった立上り角度θBより小さくなる。側面156Rb,156Gb,156Bbの角度が立上り角度θR,θG,θBに調整されて、当該側面156Rb,156Gb,156Bbに囲まれた色要素領域152R,152G,152Bが形成される。この場合、ステップS21とステップS22とが隔壁形成工程に相当する。
【0103】
次に、ステップS23では、色要素領域152R,152G,152Bが形成されたガラス基板2aを洗浄する。ガラス基板2aが機能膜を形成する基板に相当する。
【0104】
次に、ステップS24では、色要素領域152R,152G,152Bが形成され洗浄されたガラス基板2aを、液状材料530を充填し易くするように、表面処理する。隔壁裾156Ra、隔壁裾156Ga、又は隔壁裾156Baに囲まれた色要素領域底152Ra,152Ga,152Baと、側面156Rb,156Gb,156Bbとが色要素膜153の材料を含む液状材料530に対して親液性となるように処理し、隔壁頂部156cは液状材料530に対して撥液性となるように処理する。この処理によって、色要素領域152R,152G,152Bに配置された液状材料530が色要素領域152R,152G,152Bに馴染み易くなると共に、色要素領域152R,152G,152Bから溢れ出し難くなる。
【0105】
次に、ステップS25では、色要素材料液を塗布する。図11(c)に示すように、隔壁156によって区画形成された複数の色要素領域152R,152G,152Bのそれぞれに色要素膜153の形成材料を含む液状材料530を液滴吐出ヘッド62から液滴530aとして吐出し、色要素領域152R,152G,152Bに液状材料530を充填する。勿論、異なる色の各色要素膜153R,153G,153Bが形成される各色要素領域152R,152G,152Bに対して異なる色要素材料を含む液状材料530R,530G,530Bを吐出して、充填する。上述した3色カラーフィルタ(図8参照)のように、異なる色の各色要素膜153R,153G,153Bが形成される各色要素領域152R,152G,152Bに対応して、異なる色要素材料を含む3種の液状材料530R,530G,530Bを液滴吐出ヘッド62に順次充填して、各色要素領域152R,152G,152Bに向けて吐出する。あるいは、複数の液滴吐出ヘッド62を用意し、それぞれに異なる色要素材料を含む液状材料530R,530G,530Bを充填して吐出してもよい。色要素領域152R,152G,152Bにそれぞれ充填する液状材料530R,530G,530Bは、形成された各色要素膜153R,153G,153Bの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量をそれぞれ充填する。ステップS25の色要素領域152R,152G,152Bに液状材料530R,530G,530Bを充填する工程が、材料配置工程に相当する。
【0106】
次に、ステップS26では、ガラス基板2a上に配置した液状材料530を乾燥させて、色要素膜153を形成する。ステップS26の乾燥成膜工程を実行して、図11(d)に示すように、色要素膜面536R,536G,536Bが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153R,153G,153Bが形成される。
【0107】
本実施形態の液状材料530Rは、色要素膜153Rの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が図11(d)に二点鎖線で示した表面537Rのように凸形状となる。上述したように、隔壁156の壁面が色要素領域152の底面となす角度が小さい場合は、大きい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。ステップS22において側面角度が調整されて、隔壁156の側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度である立上り角度θRは、立上り角度θBより小さくなっている。これにより、液状材料530Rを側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合の凸形状が是正されて、図11(d)に示したように、色要素膜面536Rが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Rが形成される。
【0108】
本実施形態の液状材料530Gは、色要素膜153Gの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が図11(d)に二点鎖線で示した表面537Gのように凹形状となる。上述したように、隔壁156の壁面が色要素領域152の底面となす角度が大きい場合は、小さい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。ステップS22において側面角度が調整されて、隔壁156の側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度である立上り角度θGは、立上り角度θBより大きくなっている。これにより、液状材料530Gを側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合の凹形状が是正されて、図11(d)に示したように、色要素膜面536Gが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Gが形成される。
【0109】
本実施形態の液状材料530Bは、色要素膜153Bの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Bbが色要素領域底152Baとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が図11(d)に二点鎖線で示した表面537Bのように略平坦になる。これにより、図11(d)に示したように、液状材料530Bを側面156Bbが色要素領域底152Baとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152Bに充填して乾燥させることで、図11(d)に示したように、色要素膜面536Bが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Bが形成される。側面156Bbが色要素領域底152Baとなす立上り角度θBが、第一の角度に相当する。
【0110】
なお、色要素膜153R,153G,153Bの有効な部分には関与しないため図11(d)では省略したが、色要素膜153R,153G,153Bの縁の部分には、図9に示した色要素膜153と同様に、液状材料530R,G,Bの側面156Rb,156Gb,156Bbに濡れ広がった部分が乾燥したものが連なっている。
【0111】
以下、第二の実施形態の効果を記載する。第二の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液状材料530Rは、色要素膜153Rの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が凸形状となる。隔壁156の壁面が色要素領域152の底面となす角度が小さい場合は、大きい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて薄い、凹形状となりやすい。ステップS22において側面角度を調整して、隔壁156の側面156Rbが色要素領域底152Raとなす角度である立上り角度θRを、立上り角度θBより小さくしていることで、凸形状を是正して、色要素膜面536Rが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Rを形成することができる。
【0112】
(2)液状材料530Gは、色要素膜153Gの膜厚がカラーフィルタとして適切に機能するような膜厚となるような量を、側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度が立上り角度θBである色要素領域152に充填して乾燥させた場合には、色要素膜153の表面が凹形状となる。隔壁156の壁面が色要素領域152の底面となす角度が大きい場合は、小さい場合に比べて、色要素膜153の断面形状は、中央部の厚さが周辺部の厚さに比べて厚い、凸形状となりやすい。ステップS22において側面角度を調整して、隔壁156の側面156Gbが色要素領域底152Gaとなす角度である立上り角度θGを、立上り角度θBより大きくすることで、凹形状を是正して、色要素膜面536Gが略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜153Gを形成することができる。
【0113】
(3)フィルタ基板102は、膜厚が略均一な色要素膜153R,153G,153Bを備えることで、色要素膜153R,153G,153Bが透過させるべき光量を透過させることができるような色要素膜153R,153G,153Bを容易に形成することができる。従って、透過させるべき光量を透過させることで実現すべき輝度が実現できる、好適なフィルタ基板102を実現することができる。
【0114】
(4)液晶表示パネル100は、膜厚が略均一な色要素膜153R,153G,153Bを備えることで、色要素膜153R,153G,153Bが透過させるべき光量を透過させることができるような色要素膜153R,153G,153Bを容易に形成することができる。従って、透過させるべき光量を透過させることで実現すべき輝度が実現できる、好適な液晶表示パネル100を実現することができる。
【0115】
(5)色要素領域152の平面形状が円形であって、形成される色要素膜153の平面形状が円形である。色要素膜153の縁は全て円弧の一部であることから、縁の形状が全周で均一になる。これにより、縁の形状が異なることに起因する厚み方向の形状のばらつきが抑制されることから、全周にわたって乾燥状態が略同一になり全周にわたって色要素膜153の膜厚を略均一にすることができる。また、隔壁156の側面の立上り角度を変えることが膜厚に及ぼす影響における、縁の形状が異なることに起因するばらつきが抑制されることから、隔壁156の側面の立上り角度を変えることによる膜厚の制御を容易に実行することができる。
【0116】
(第三の実施形態)
次に、本発明に係る電子機器について説明する。本実施形態の電子機器は、第一の実施形態又は第二の実施形態で説明した液晶表示装置を備えた電子機器である。本実施形態の電子機器の具体例について説明する。
【0117】
図12(a)は、電子機器の一例である大型液晶テレビを示す外観斜視図である。図12(a)に示すように、電子機器の一例である大型液晶テレビ200は、表示部201を備えている。表示部201は、第一の実施形態で説明した液晶表示パネル10を表示手段として搭載している。
【0118】
図12(b)は、電子機器の一例であるワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した外観斜視図である。図12(b)において、携帯型情報処理装置220は、情報処理装置筐体223を有し、キーボードなどの入力部224と表示部222とを備えている。表示部222は、第二の実施形態で説明した液晶表示パネル100を表示部222を構成する表示手段として搭載している。
【0119】
以下、第三の実施形態の効果を記載する。第三の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)大型液晶テレビ200は、実現すべき輝度が実現できる、好適な液晶表示パネル10を備えることで、実現すべき輝度が実現できる、好適な表示が可能な液晶テレビを実現することができる。
【0120】
(2)携帯型情報処理装置220は、実現すべき輝度が実現できる、好適な液晶表示パネル100を備えることで、実現すべき輝度が実現できる、好適な表示が可能な携帯型情報処理装置を実現することができる。
【0121】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、前記各実施形態に限らない。本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0122】
(変形例1)前記第一の実施形態においては、隔壁56の高さを変えるために基板凹部57及び透明膜58を形成していたが、基板凹部57及び透明膜58を形成することは必須ではない。高さが異なる隔壁56を形成してもよい。隔壁56を挟んで異なる液状材料を配置する場合には、隔壁56の頂上に段差を設けたり頂上を傾けたりすることで、単独の隔壁56で異なる高さの隔壁を形成してもよい。
【0123】
(変形例2)前記第一の実施形態においては、隔壁56の高さを変えるために基板凹部57及び透明膜58を形成していたが、基板凹部57及び透明膜58の双方を形成することは必須ではない。基板凹部57の深さを変えて異なる深さの基板凹部57を形成することでも、異なる隔壁56の高さを実現することができる。厚さが異なる複数種類の透明膜58を形成することでも、異なる隔壁56の高さを実現することができる。
【0124】
(変形例3)前記第一及び第二の実施形態においては、隔壁56,156は、隔壁膜を予め形成し、当該隔壁膜から色要素領域52などの部分を取り除くことで形成する方法を説明したが、隔壁56,156は、直接形成する方法で形成することもできる。例えば、前記第一の実施形態において説明した液滴吐出ヘッド62を用いて隔壁56,156の材料を含む液状材料を吐出して、基板上の隔壁56,156を形成する位置に選択的に配置することでも形成することができる。この方法によれば、除去する材料が発生しないため、材料が無駄に消費されることを抑制することができる。
【0125】
(変形例4)前記第一及び第二の実施形態においては、液状材料を充填する色要素領域52や色要素領域152の平面形状は、略方形又は略円形であったが、液状材料を配置する領域の形状は方形又は円形に限らずどのような形状であってもよい。例えば、長円形状であってもよい。長円形状の縁は全て円弧であり、曲率半径の違いによる差以外は縁の形状が全周で略均一になる。これにより、縁の形状が異なることに起因する厚み方向の形状のばらつきを抑制することができる。また、多角形形状の角部を円弧状にしてもよい。液状材料は角部分に充填し難いものもあるため、そのような液状材料を充填する方形領域の角部分を円弧状にすることで、未充填部分が発生することを抑制することができる。
【0126】
(変形例5)前記第一及び第二の実施形態においては、液状材料を配置するためにインクジェット方式の液滴吐出ヘッド62を用いていたが、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドを用いることは必須ではない。例えばマイクロディスペンサを用いるなど、微少量の液状材料を目的の配置位置に配置できる方法であればよい。
【0127】
(変形例6)前記第一及び第二の実施形態においては、ガラス基板2aの表面処理は、隔壁56又は隔壁156を形成した後に実行していたが、表面処理の実行時期は隔壁56又は隔壁156を形成した後に限らない。前記第一及び第二の実施形態で説明した各部の親液性又は撥液性が形成されればよい。
【0128】
(変形例7)前記第一及び第二の実施形態においては、ガラス基板2aの表面処理を実行することで、前記第一及び第二の実施形態で説明した各部の親液性又は撥液性を形成していたが、表面処理を実行することは必須ではない。液状材料に対して親液性又は撥液性を有する材料を用いて基板や隔壁又はバンクを形成することで、前記第一及び第二の実施形態で説明した各部の親液性又は撥液性を実現してもよい。
【0129】
(変形例8)前記第一及び第二の実施形態においては、機能膜の一例として、液晶表示装置のカラーフィルタの色要素膜について説明したが、本発明による膜形成方法は様々な機能膜の形成方法として利用できる。例えば、有機EL表示装置の正孔輸送層や発光層のような機能膜を形成する膜形成方法としても利用できる。また、液晶表示装置の配向膜のように、1枚の基板上に1枚の大きな機能膜を形成するような膜形成方法としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】(a)第一の実施形態の液晶表示パネルの構造を示す平面図、(b)は(a)のA−Aで示した断面における概略断面図。
【図2】第一の実施形態の液晶表示パネルの3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図。
【図3】(a)液滴吐出ヘッドの外観の概要を示す斜視図、(b)ノズルの配列を示す模式図。
【図4】(a)液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視図、(b)液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の詳細構造を示す断面図。
【図5】(a)隔壁の高さが高い場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図、(b)隔壁の高さが低い場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図。
【図6】第一の実施形態の液晶表示パネルのフィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャート。
【図7】第一の実施形態の液晶表示パネルのフィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図。
【図8】第二の実施形態の液晶表示パネルの3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図。
【図9】(a)隔壁の壁面が底面となす角度が大きい場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図、(b)壁面が底面となす角度が小さい場合の色要素膜の断面形状の概要を示す模式断面図。
【図10】第二の実施形態の液晶表示パネルのフィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャート。
【図11】第二の実施形態の液晶表示パネルのフィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図。
【図12】(a)大型液晶テレビを示す外観斜視図、(b)携帯型情報処理装置の一例を示す外観斜視図。
【符号の説明】
【0131】
2…フィルタ基板、2a…ガラス基板、5…カラーフィルタ、10…液晶表示パネル、52,52B,52G,52R…色要素領域、53,53B,53G,53R…色要素膜、56,156…隔壁、56b…隔壁側面、57…基板凹部、58…透明膜、100…液晶表示パネル、102…フィルタ基板、152,152B,152G,152R…色要素領域、153,153B,153G,153R…色要素膜、156Bb,156Gb,156Bb…側面、200…大型液晶テレビ、220…携帯型情報処理装置、530,530B,530G,530R…液状材料、532B,532G,532R…表面、536B,536G,536R…色要素膜面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、
前記機能膜形成領域に、前記機能膜の材料を含む第一の量の液状材料を配置する材料配置工程と、
前記材料配置工程において配置された前記液状材料を乾燥させて前記機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、
前記隔壁の高さが第一の高さである前記機能膜形成領域に前記第一の量の前記液状材料を配置した場合に形成される前記機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、前記隔壁形成工程において形成する前記隔壁の高さを変えることを特徴とする膜形成方法。
【請求項2】
前記隔壁の高さが前記第一の高さである前記機能膜形成領域に前記第一の量の前記液状材料を配置した場合に形成される前記機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような前記機能膜を形成するための前記第一の量の前記液状材料を配置すべき前記機能膜形成領域を区画形成する前記隔壁の高さを、前記第一の高さより高くすることを特徴とする、請求項1に記載の膜形成方法。
【請求項3】
前記隔壁の高さが前記第一の高さである前記機能膜形成領域に前記第一の量の前記液状材料を配置した場合に形成される前記機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような前記機能膜を形成するための前記第一の量の前記液状材料を配置すべき前記機能膜形成領域を区画形成する前記隔壁の高さを、前記第一の高さより低くすることを特徴とする、請求項1に記載の膜形成方法。
【請求項4】
前記機能膜形成領域の底面を、当該底面からの前記隔壁の高さが高くなるように削ることで前記隔壁の高さを変えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膜形成方法。
【請求項5】
前記機能膜形成領域の底部に薄膜を形成することで、前記隔壁の高さを変えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膜形成方法。
【請求項6】
基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、
前記機能膜形成領域に前記機能膜の材料を含む液状材料を配置する材料配置工程と、
前記材料配置工程において配置された前記液状材料を乾燥させて前記機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、
前記隔壁の前記機能膜形成領域を構成する側面が前記機能膜形成領域の底面となす前記機能膜形成領域側の立上り角度が第一の角度である場合に形成される前記機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、前記隔壁形成工程において形成する前記隔壁の前記側面が前記底面となす前記立上り角度を変えることを特徴とする膜形成方法。
【請求項7】
前記隔壁の前記側面が前記底面となす前記立上り角度が前記第一の角度のときに形成される前記機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような前記機能膜を形成するための前記液状材料を配置すべき前記機能膜形成領域を区画形成する前記隔壁の前記立上り角度を、前記第一の角度より小さくすることを特徴とする請求項6に記載の膜形成方法。
【請求項8】
前記隔壁の前記側面が前記底面となす前記立上り角度が前記第一の角度のときに形成される前記機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような前記機能膜を形成するための前記液状材料を配置すべき前記機能膜形成領域を区画形成する前記隔壁の前記立上り角度を、前記第一の角度より大きくすることを特徴とする請求項6に記載の膜形成方法。
【請求項9】
機能膜を有する電気光学基板の製造方法であって、
少なくとも1種類の前記機能膜を請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする電気光学基板の製造方法。
【請求項10】
機能膜を有する電気光学装置の製造方法であって、
少なくとも1種類の前記機能膜を請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする機能膜。
【請求項12】
請求項11に記載の機能膜であって、前記機能膜の平面形状が略円形又は略長円形状であることを特徴とする機能膜。
【請求項13】
機能膜を有する電気光学基板であって、
少なくとも1種類の前記機能膜が、請求項11又は12に記載の機能膜であることを特徴とする電気光学基板。
【請求項14】
機能膜を有する電気光学装置であって、
少なくとも1種類の前記機能膜が、請求項11又は12に記載の機能膜であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項15】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成されることを特徴とするカラーフィルタの色要素膜。
【請求項16】
カラーフィルタを構成する色要素膜が、請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成されていることを特徴とする、カラーフィルタ。
【請求項17】
請求項16に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とするカラーフィルタ基板。
【請求項18】
請求項15に記載のカラーフィルタの色要素膜を備えることを特徴とする、液晶表示装置。
【請求項19】
請求項14に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする、電子機器。
【請求項20】
請求項18に記載の液晶表示装置を備えることを特徴とする、電子機器。
【請求項1】
基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、
前記機能膜形成領域に、前記機能膜の材料を含む第一の量の液状材料を配置する材料配置工程と、
前記材料配置工程において配置された前記液状材料を乾燥させて前記機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、
前記隔壁の高さが第一の高さである前記機能膜形成領域に前記第一の量の前記液状材料を配置した場合に形成される前記機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、前記隔壁形成工程において形成する前記隔壁の高さを変えることを特徴とする膜形成方法。
【請求項2】
前記隔壁の高さが前記第一の高さである前記機能膜形成領域に前記第一の量の前記液状材料を配置した場合に形成される前記機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような前記機能膜を形成するための前記第一の量の前記液状材料を配置すべき前記機能膜形成領域を区画形成する前記隔壁の高さを、前記第一の高さより高くすることを特徴とする、請求項1に記載の膜形成方法。
【請求項3】
前記隔壁の高さが前記第一の高さである前記機能膜形成領域に前記第一の量の前記液状材料を配置した場合に形成される前記機能膜の厚さ方向の断面の断面形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような前記機能膜を形成するための前記第一の量の前記液状材料を配置すべき前記機能膜形成領域を区画形成する前記隔壁の高さを、前記第一の高さより低くすることを特徴とする、請求項1に記載の膜形成方法。
【請求項4】
前記機能膜形成領域の底面を、当該底面からの前記隔壁の高さが高くなるように削ることで前記隔壁の高さを変えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膜形成方法。
【請求項5】
前記機能膜形成領域の底部に薄膜を形成することで、前記隔壁の高さを変えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膜形成方法。
【請求項6】
基板上に、機能膜を形成すべき機能膜形成領域を区画形成する隔壁を形成する、隔壁形成工程と、
前記機能膜形成領域に前記機能膜の材料を含む液状材料を配置する材料配置工程と、
前記材料配置工程において配置された前記液状材料を乾燥させて前記機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、
前記隔壁の前記機能膜形成領域を構成する側面が前記機能膜形成領域の底面となす前記機能膜形成領域側の立上り角度が第一の角度である場合に形成される前記機能膜の厚さ方向の断面の断面形状に応じて、前記隔壁形成工程において形成する前記隔壁の前記側面が前記底面となす前記立上り角度を変えることを特徴とする膜形成方法。
【請求項7】
前記隔壁の前記側面が前記底面となす前記立上り角度が前記第一の角度のときに形成される前記機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より厚い凸形状であるような前記機能膜を形成するための前記液状材料を配置すべき前記機能膜形成領域を区画形成する前記隔壁の前記立上り角度を、前記第一の角度より小さくすることを特徴とする請求項6に記載の膜形成方法。
【請求項8】
前記隔壁の前記側面が前記底面となす前記立上り角度が前記第一の角度のときに形成される前記機能膜の形状が、中央部分が周辺部分より薄い凹形状であるような前記機能膜を形成するための前記液状材料を配置すべき前記機能膜形成領域を区画形成する前記隔壁の前記立上り角度を、前記第一の角度より大きくすることを特徴とする請求項6に記載の膜形成方法。
【請求項9】
機能膜を有する電気光学基板の製造方法であって、
少なくとも1種類の前記機能膜を請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする電気光学基板の製造方法。
【請求項10】
機能膜を有する電気光学装置の製造方法であって、
少なくとも1種類の前記機能膜を請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする機能膜。
【請求項12】
請求項11に記載の機能膜であって、前記機能膜の平面形状が略円形又は略長円形状であることを特徴とする機能膜。
【請求項13】
機能膜を有する電気光学基板であって、
少なくとも1種類の前記機能膜が、請求項11又は12に記載の機能膜であることを特徴とする電気光学基板。
【請求項14】
機能膜を有する電気光学装置であって、
少なくとも1種類の前記機能膜が、請求項11又は12に記載の機能膜であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項15】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成されることを特徴とするカラーフィルタの色要素膜。
【請求項16】
カラーフィルタを構成する色要素膜が、請求項1乃至8の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成されていることを特徴とする、カラーフィルタ。
【請求項17】
請求項16に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とするカラーフィルタ基板。
【請求項18】
請求項15に記載のカラーフィルタの色要素膜を備えることを特徴とする、液晶表示装置。
【請求項19】
請求項14に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする、電子機器。
【請求項20】
請求項18に記載の液晶表示装置を備えることを特徴とする、電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−310156(P2007−310156A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139305(P2006−139305)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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