説明

膨張可能な予備成形ライナー

充填された際に、膨張する予備成形ライナーを提供する。ある実施形態では、予備成形ライナーは、ライナーを膨張させる複数の溝を有する中央部を備える。別の実施形態では、予備成形ライナーは、少なくとも膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材から形成される中央部を備える。さらに別の実施形態では、予備成形ライナーは、複数の溝を有し、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材から形成される中央部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予備成形容器ライナーを有する容器アセンブリに関する。特に本発明は膨張可能な予備成形ライナーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にガラス又はプラスチックから形成されるような再利用可能な哺乳瓶又は硬質容器は、乳児にミルク、ベビーフード(formula)、水及びその他の液体を供給するために用いられている。容器内部に液体を入れた後、ニップル(nipple)が容器に取り付けられ、アセンブリの使用準備が整う。一般に硬質容器はそれぞれの使用の間にクリーニング及び滅菌が行われ、実質的に時間及び労力(effort)を要する。硬質容器が備える別の制約として、乳児が液体を飲む際に大量の空気を飲むことである。この空気は乳児の腹部内で不快な膨満(distention)及び気体を生じさせる可能性があり、嘔吐及びその他の問題を引き起こす。
【0003】
さらに最近では、硬質容器の代わりに使い捨て形式の容器ライナーの態様が提案されている。ライナーは、バッグを支持するホルダに連結して用いられる。1度だけ使用されるライナーは、予備滅菌され、ホルダ内部に挿入される。この後、ライナーには液体が充填されて、ニップルがホルダに取り付けられる。この代替案は、経済的及び衛生的で乳児に授乳するための準備に必要な時間及び労力が大幅に削減される。さらに、液体が取り出されるにつれてライナーが潰れることにより、乳児が飲む空気の量を最小限に抑えられる。
【0004】
一般に使い捨ての容器ライナーは、2つのタイプのうちの1つを採用している。使い捨て容器ライナーの一方のタイプは、平坦バッグ又はサック(sac)状に形成されている。平坦バッグ又はサックタイプのライナーは、ホルダのリム(rim)の上方に取り付けられ、いったん充填されると、ホルダに対して膨張する。これにより、このような平坦バッグ又はサックタイプのライナーは、ホルダの内部容積と略同一の充填容積(filled volume)を実現する。しかし、平坦バッグ又はサックタイプのライナーをホルダのリムに取り付けることは、困難である。さらに、いったんホルダのリムに取り付けたライナーは、ライナーの充填の間にリムから滑り落ち易く、液体をこぼしてしまう。
【0005】
近年評判の使い捨ての容器ライナーの他方の特定タイプは、予備成形ライナーとして知られている。このような予備成形ライナーは半硬質ポリマーから一般に円柱状に予備成形されるため、ホルダ内部にライナーを落下することにより簡単に取り付けされる。しかし、先行技術の予備成形ライナーは、ホルダではなく、ライナーの内部容積と同一の充填容積のみ実現可能である。このため、容積はライナー及び容器の両方の全体サイズの増加によってのみ増加する。しかし、より大きなサイズでは子供の使用が困難となるため、サイズの増加は実施不可能である。また、サイズの増加により製造コストがより高くなる。
【0006】
したがって、前述の事項及び先行技術のその他の不利な効果を克服、緩和及び/又は軽減する予備成形容器ライナーが必要となる。
【発明の概要】
【0007】
好都合なことに、本発明は充填された際に膨張可能な予備成形ライナーを提供する。これにより、ライナーホルダの容積及び/又はサイズを変化させることなく容積の増加が実現する。
【0008】
好都合なことに、本発明は、充填された際に、ライナーの充填容積がライナーホルダの内部容積と略同一となるように膨張する予備成形ライナーを提供する。1つの実施形態では、予備成形ライナーは、ライナーを膨張させる複数の溝を有する中央部を備える。別の実施形態では、予備成形ライナーは、少なくとも膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材から形成される中央部を備える。さらに別の実施形態では、予備成形ライナーは、複数の溝を有し、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材から形成される中央部を備える。
【0009】
ネック部、中央部及びベース部を備える予備成形ライナーを提供する。ネック部は開口上端を有し、ベース部は閉口下端を有する。中央部はネック部から長手軸方向に沿って延びている。ベース部は中央部から長手軸方向に沿って延びている。中央部は、長手方向軸から径方向に膨張し、径方向について内側に長手方向軸に向かって潰れる。
【0010】
また、ネック部、中央部及びベース部を備え、中央部は分割壁により分離される溝を有する予備成形ライナーを提供する。ネック部は開口上端を有し、ベース部は閉口下端を有する。中央部はネック部から長手軸方向に沿って延びている。ベース部は中央部から長手軸方向に沿って延びている。溝は、長手方向軸から径方向に膨張し、径方向について内側に長手方向軸に向かって潰れる。
【0011】
開口上部を有するホルダと、予備成形ライナーと、保持リムとを備える容器アセンブリを提供する。予備成形ライナーは、リム及び中央部を有する。ライナーは、リムが開口上部上で静止するように、ホルダ内に配置される。ライナーの中央部は、通常位置と膨張位置との間でライナーの長手方向軸に対して移動する。保持リムは、ニップル及びリムをホルダの開口上部の上方に、着脱可能に気密状態で固定する。
【0012】
複数の予備成形ライナーを備え、それぞれの予備成形ライナーはネック部及び中央部を有する予備成形ライナーキットを提供する。ネック部は、開口上部と、開口上部から延設されるリムとを有する。中央部は、通常位置と膨張位置との間で長手方向軸に対して移動する。複数の予備成形ライナーは、一方が他方の内部に収納され、分割壁は積層を形成するため互いから径方向にずれている。パッケージ又は包みが、積層の周りに配置されている。
【0013】
乳児用容器の組立て方法を提供する。この方法は、ホルダの開口端内へ、予備成形ライナーのリムが開口端上で静止するまでこのライナーを挿入する工程と、予備成形ライナーが、長手方向軸から径方向について外側にホルダの内側に接触した状態に膨張するまで、予備成形ライナーに液体を充填する工程とを備える。
【0014】
本発明の前述及びその他の特徴、利点は、発明の詳細な説明、図面、請求項から当業者により認識及び理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る溝付き予備成形ライナーの例示的な実施形態を用いた本発明に係る容器アセンブリの例示的な実施形態を分解して示す斜視図。
【図2】図1の溝付き予備成形ライナーの上斜視図。
【図3】図2の溝付き予備成形ライナーの平面図。
【図4】図2の溝付き予備成形ライナーの底面図。
【図5】図2の溝付き予備成形ライナーの側面図。
【図6】図1の容器アセンブリの、充填される前の溝付き予備成形ライナーが中間位置にある状態を、ホルダを断面の状態で示す側面図。
【図7】図6の容器アセンブリの、充填した後の溝付き予備成形ライナーが膨張位置にある状態を示す図。
【図8】図6の容器アセンブリの、使用の際の溝付き予備成形ライナーが部分的に潰れ位置にある状態を示す図。
【図9】本発明に係る溝付き予備成形ライナーのキットの例示的な実施形態の平面図。
【発明の詳細な説明】
【0016】
図面、特に図1で示すように、本発明に係る容器アセンブリの例示的な実施形態は、全体を参照符号10で示されている。容器アセンブリ10は、ホルダ12と、予備成形ライナー14と、保持リム16と、ニップル18とを備える。好都合なことに、液体が充填される際、予備成形ライナー14は膨張可能で、予備成形ライナーの充填容積は予備成形ライナーホルダの内部容積と略同一となっている。
【0017】
容器アセンブリ10は、周知の方法で組立てられる。例えば、ホルダ12は、開口上端18と、開口下端20とを有する全体的に円柱状部材である。予備成形部材14は開口上端22と、閉口下端24とを備え、予備成形ライナーは既定容積の液体を収容可能となっている。さらに、予備成形ライナー14は、開口上端22で予備成形ライナーから径方向について外側に延設されるリム26を備える。リム26がホルダの開口上端18上で静止するまで、予備成形ライナー14はホルダ12の開口上端18内へ挿入される。予備成形ライナー14の充填の後、容器アセンブリ10はホルダ12の開口上端18の上方に、保持リム16を介してニップル18を気密状態で固定することにより組み立てられる。
【0018】
本発明に係る溝付き(fluted)予備成形ライナー14の例示的な実施形態は、図2乃至図4で詳細に示す。予備成形ライナー14は長手方向軸28に沿って延設され、ベース部30と、中央部32と、ネック部34とを備える。
【0019】
ベース部30は、閉口下端24から上向きに、軸28に沿って中央部32に向かうにつれて径が減少する全体的に円錐台形状を有する。このため、ベース部30の外周面は、軸28に対して略15°から略22°の角度を有し、いずれのサブレンジ(subranges)もこれらの間に存在する。
【0020】
中央部32及びネック部34はそれぞれ全体的に円柱形状であり、中央部はわずかにテーパ状であることが好ましい。中央部32は、ベース部30から上向きに、軸28に沿ってネック部34に向かうにつれて径が増加する第1のテーパ部を有する。このため、中央部32の外周面は軸28に対して略5°から略30°、好ましくは略10°から略25°の角度を有し、いずれのサブレンジもこれらの間に存在する。
【0021】
予備成形ライナー14の閉口下端24の外径36は、開口上端22の内径38より小さいことが好ましい。これにより、複数の予備成形ライナー14を後述するように、互いの内部に収納又は積み重ね可能となる。
【0022】
好都合なことに、中央部32は、予備成形ライナー14の外周面の一般方向(general direction)に沿って形成される複数の溝40を備える。それぞれの溝40は、分割壁42により隣りの溝から分離されている。中央部32はテーパ状であるため、溝40及び分割壁42は中央部の第1のテーパ部に全体的に平行である。
【0023】
示される実施形態では、それぞれの溝40は、略半円断面形状を有する全体的に鉛直溝である。もちろん、本発明において、溝40が、これらに限るものではないが、多角形状、半卵状、及びこれらの組み合わせ等の所望の断面形状を有してもよい。溝40はすべてが同一の断面形状であることが好ましく、中央部32の円周周りに均一に配置されていることが好ましい。しかし、本発明は、溝40が同一又は異なる断面形状を有し、及び/又は、溝が中央部32の円周周りに不均一に配置されることも意図するものである。さらに、本発明においては、それぞれの溝が前記長手方向軸にそって変化する断面形状を有することも含むものである。
【0024】
予備成形ライナー14は所望の数の溝40及び分割壁42を有する。示される実施形態では、予備成形ライナーは9個の溝40及び9個の分割壁42を有する。もちろん、本発明において、溝及び分割壁は9個より多くても少なくてもよい。予備成形ライナーは略4個から略12個の溝/分割壁40,42を有することが好ましく、略6個から略10個であることがより好ましく、略9個であることが最も好ましい。
【0025】
分割壁42は、耐久性の改善のために予備成形ライナー14の構造支持及び強化を実現する。均一な荷重分布を実現し、予備成形ライナーが均一に内側に潰れるように、分割壁42が等間隔に離れていることが好ましい。すなわち、分割壁42の構成及び位置により、予備成形ライナー14はまず径方向について内側(軸28に向かう方向)に、同時に長手方向について上方向(軸28に沿う方向)に潰れる。また、溝40は、予備成形ライナーの内部容積をホルダ12の内部容積と略同一になるまで増加させるように、予備成形ライナー14の径方向について外側(軸28から離れる方向)への膨張を実現する。
【0026】
溝付き予備成形ライナー14の操作は、図6乃至図8で示されている。図5は、ホルダ14の内部に挿入した後で、予備成形ライナーが所望の液体で充填される前の状態の予備成形ライナー14を示す。図6は、予備成形ライナーが所望の液体で充填され、リム16及びニップル18がホルダに組付けられた後の状態の予備成形ライナー14を示す。図7は、液体の少なくとも一部が取り出されることにより部分的に潰れた後の状態の予備成形ライナー14を示す。このように、溝40は、非充填位置(図6)、充填位置(図7)及び潰れ位置(図8)との間で移動する。
【0027】
通常又は非充填状態では、図6に示すようにリム26が開口上端18上で静止するまで、予備成形ライナー14は簡単にホルダ12内部へ落下又は挿入される。非充填状態では、予備成形ライナー14の内部容積は、略6オンス(170.1g)である。
【0028】
予備成形ライナー14がホルダ12の内部に挿入された後、予備成形ライナーは所望の液体で充填される。予備成形ライナー内の液体の正圧は、図7に示す位置まで径方向について外側(すなわち、軸28から離れる方向)に溝を屈曲(flex)又は反転(invert)するのに十分な大きさとなっている。特に、それぞれの溝40は、溝と2つの隣接する分割壁42との間の第1の境界線44を中心として旋回(pivot)可能となっている。さらに、それぞれの溝40は、溝とベース部30との間の第2の境界線46、同様に溝とネック部34との間の第3の境界線48を中心として旋回可能となっている。それぞれの溝40が第2及び第3の境界線46,48を中心として外側に屈曲するため、中央部32は中央軸28に垂直な軸50,52を中心として回動する。
【0029】
好都合なことにある実施形態では、溝40がホルダ12により束縛されるまで、予備成形ライナー14が径方向について外側に膨張する。これにより、予備成形ライナー14は、ホルダ12の最大内部容積と略同一の内部容積まで充填される。
【0030】
例えば、“Nurser System”という商品名で販売されている出願人が商業的に利用可能ないくつかのホルダ12は、略10.2オンス(289.17g)の最大内部容積を有する。このサイズのホルダ12について以前から利用可能ないくつかの先行技術の予備成形ライナーでは、液体が充填された際の内部容積が僅か略8.0オンス(226.8g)である。
【0031】
これに対し本発明の予備成形ライナー14では、同一のサイズのホルダ12で使用される際、略9.0オンス(255.15g)から略10.2オンス、好ましくは略9.2オンス(260.82g)から略9.8オンス(277.83g)の内部容積まで充填され、いずれのサブレンジもこれらの間に存在する。
【0032】
このように溝40により、予備成形ライナー14は、充填された際に、それが内部で用いられるホルダの最大内部容積とより完全に一致するまで膨張する。ある実施形態では、予備成形ライナー14は、非充填内部容積と充填内部容積との間で略110%より大きく膨張する。別の実施形態では、予備成形ライナー14は、非充填内部容積と充填内部容積との間で略170%まで膨張する。好ましい実施形態では、予備成形ライナー14は、非充填内部容積から充填内部容積まで略150%から略160%膨張し、いかなるサブレンジもこれらの間に存在する。
【0033】
使用の際、予備成形ライナー14から液体が取り出されることにより生じる負圧又は減圧は、図8に示す位置まで径方向について内側(すなわち軸28に向かう方向)に溝40を潰し、又は、縮ませるのに十分な大きさである。特に、それぞれの溝40は、第1、第2及び第3の境界線44,46,48を中心として、同様に軸50,52を中心として旋回可能となっている。これにより、使用の間に乳児が飲む空気の量を最小限に抑えられる。
【0034】
したがって予備成形ライナーは、通常位置(図6)、膨張位置(図7)、潰れ位置(図8)の3つの位置の間で移動可能となっている。
【0035】
予備成形ライナー14は、前述したように予備成形ライナーを膨張させ、潰すのに十分な可撓性及び厚さを有する部材から予備成形されている。しかし予備成形ライナー14は、充填される前の予備成形ライナーを閉口下端22上で支持されない状態で静止させるのに十分な剛性及び厚さを有する部材から形成されている。ある実施形態では、予備成形ライナー14は、いったん充填された予備成形ライナーを支持されない状態で静止させるのに十分な剛性及び厚さを有する部材から形成されている。
【0036】
いかなるタイプの可撓性部材又は部材の組み合わせを、予備成形ライナー14を形成するために用いてもよい。これらの部材には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)及びエチレンビニルアセタート(EVA)が含まれ、これらに限るものではない。前述の部材いずれもが、100%清純(virgin)又は所望の量の同一又は異なる部材の粉砕再生物(regrind)が含まれている。また、本発明の予備成形ライナー14は、LDPEの層とHDPEの層とを有する部材のような1つの複合部材を形成するために2つ以上の層の様々な樹脂を組み合わせた、フィルム又はシートの同時押出し成形(co-extrusion)を伴ってもよい。
【0037】
予備成形ライナー14は、ポリエチレン樹脂から形成されることが好ましい。部材が低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂であることがより好ましく、部材が直鎖型低密度ポリエチレン樹脂であることが最も好ましい。このような好ましい樹脂には、Dow Plastics社のDOWLEX直鎖型低密度ポリエチレン樹脂、Chevron Chemical社のPE5754高鮮明、高耐衝撃フィルム樹脂及びExxon Chemicals社のEscoren低密度ポリエチレンLD-103工業用フィルム樹脂が含まれる。
【0038】
予備成形ライナー14は、オクテン構造の直鎖型低密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンを一緒に配合して形成されることが最も好ましく、これはNova Chemicals社から市販されている。
【0039】
リム26は予備成形ライナー14と同一の可撓性部材から形成されることが好ましい。しかし、リム26は予備成形ライナー14のその他の部分30,32,34より厚く、それゆえ、より硬く、より剛性であることが好ましい。リム26は周知の分配パッケージからの分配の間に潰れるのに十分な可撓性を有する。同時にリム26は、ホルダの開口上端18から落下しないように、予備成形ライナーがホルダ12の内部に配置された際に予備成形ライナー14の内部に含まれる流体の質量を支持するのに十分な硬さを有する。もちろん、本発明において、リム26が落下挿入ライナー(drop in-liner)のその他の部分と異なる部材から形成されていてもよい。
【0040】
その他の実施形態では、溝40に加えて又は代わりに、予備成形ライナー14は所望の膨張を実現するいずれかのタイプのエラストマー部材から形成されてもよい。例えば、少なくとも中央部32が所望の膨張を実現するいずれかのタイプのエラストマー部材から形成されてもよい。
【0041】
例えば本発明において、予備成形ライナー14は、いったん液体を充填した状態でのライナー上の正圧に対応して、径方向について外側(すなわち軸28から離れる方向)に膨張又は伸びることが可能な、エラストマー部材から形成されてもよい。エラストマー部材は、線形的、非線形的、弾性的、非弾性的、そして、これらのいずれかの組み合わせで膨張すればよい。
【0042】
図9に示すように、予備成形ライナー14は、予備成形ライナーの積層又はキット60を形成するように互いの内部に収納され、又は、積層されるように構成されている。販売時にはキット60は、パッケージ又は包み62で覆われている。また、キット60は出願人自身の米国特許第6123222号明細書に示されるようなディスペンサー容器(dispenser)内に収容されてもよく、この出願を参照することにより本出願の一部となる。好ましい実施形態では、キット60は包み62の内部で滅菌される。
【0043】
収納の間、予備成形ライナー14の閉口下端24は別の予備成形ライナーの開口上端22の内部に配置される。さらに、それぞれの予備成形ライナー14は互いから既定距離だけ径方向にずれているため、ある予備成形ライナーの分割壁42が隣の予備成形ライナーの分割壁42からずれている。
【0044】
中央部32は、ベース部30と中央部との境界に位置する最小直径64を有する(図5)。最小直径64はベース部30の外径36より小さくなっている。このような構成は、複数の予備成形ライナー14の収納の妨げとなる。好都合なことに本発明では、予備成形ライナー14の内部容積の最大化に役立つ前述した溝40の膨張と同一の膨張が、複数の予備成形ライナーの収納のために役立つ。すなわち、収納操作の間、ベース部30の外径36から中央部32に溝40を外側に膨張させるために十分な力が作用することにより、ベース部が中央部の最小直径64を通過可能となっている。
【0045】
「第1」、「第2」、「第3」、「上側」、「下側」等の用語は、様々な要素の修飾に用いてもよい。これらの修飾語は、特に記述がない限り、修飾される要素の空間的、逐次的又は段階的なオーダを意味するものではない。
【0046】
本発明は1つ以上の例示的な実施形態で記述されているが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者により様々な変形及び同等物の代用が行われてもよい。また変形例として、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、特定の状態又は部材を本発明に適応してもよい。すなわち、本発明はベストモードとして示される特定の実施形態に限るものではなく、請求項の範囲内のすべての実施形態が含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口上端を有するネック部と、
前記ネック部から長手軸に沿って延びている中央部と、
前記中央部から前記長手軸に沿って延びているベース部と、
を備え、
前記ベース部は、閉口下端を有し、
前記中央部は、前記長手方向軸から径方向に膨張し、前記長手方向軸に向かって径方向について内側に潰れることができる予備成形ライナー。
【請求項2】
前記中央部は、非充填内部容積と充填内部容積との間で略110%より大きく膨張する請求項1に記載の予備成形ライナー。
【請求項3】
前記中央部は、非充填内部容積と充填内部容積との間で略170%まで膨張する請求項1に記載の予備成形ライナー。
【請求項4】
前記中央部は、非充填内部容積と充填内部容積との間で略150%から略160%膨張する請求項1に記載の予備成形ライナー。
【請求項5】
前記中央部は、前記長手方向軸から径方向に膨張し、前記長手方向軸に向かって径方向について内側に潰れることができる複数の溝を備える請求項1に記載の予備成形ライナー。
【請求項6】
前記中央部は、前記長手方向軸から径方向に伸び、前記長手方向軸に向かって径方向について内側に潰れることができる、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材を備える請求項5に記載の予備成形ライナー。
【請求項7】
前記中央部は、前記長手方向軸から径方向に膨張し、前記長手方向軸に向かって径方向について内側に潰れることができる、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材を備える請求項1に記載の予備成形ライナー。
【請求項8】
開口上端を有するネック部と、
前記ネック部から長手軸に沿って延びている中央部と、
前記中央部から前記長手軸に沿って延びているベース部と、
を備え、
前記ベース部は、閉口下端を有し、
前記中央部は、複数の分割壁により分離された複数の溝を有し、
複数の前記溝及び前記分割壁は、前記長手方向軸に沿って延設され、
複数の前記溝は、前記長手方向軸から径方向に膨張し、前記長手方向軸に向かって径方向について内側に潰れることができる予備成形ライナー。
【請求項9】
前記ベース部は、前記閉口下端から上向きに、前記長手方向軸に沿って前記中央部に向かうにつれて径が減少する円錐台形状を有する請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項10】
前記中央部は、前記ベース部から上向きに、前記長手方向軸に沿って前記ネック部に向かうにつれて径が増加する第1のテーパ部を備えた円柱形状を有する請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項11】
前記第1のテーパ部は、前記長手方向軸に対して略5°から略30°の角度を備える請求項10に記載の予備成形ライナー。
【請求項12】
前記閉口下端は、前記開口上端の内径よりも小さい外径を有する請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項13】
複数の前記溝のそれぞれの溝は、半円断面形状を備える請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項14】
複数の前記溝のそれぞれの溝は、半円形状、多角形状、卵状及びこれらの組み合わせからなるグループから選択された断面形状を備える請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項15】
複数の前記溝は、前記中央部の円周周りに均一に配置されている請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項16】
複数の前記溝は、略4個から略8個の溝を備える請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項17】
複数の前記溝は、略6個から略10個の溝を備える請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項18】
複数の前記溝は、略9個の溝を備える請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項19】
複数の前記溝は、非充填内部容積と充填内部容積との間で略110%より大きく膨張する請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項20】
複数の前記溝は、非充填内部容積と充填内部容積との間で略170%まで膨張する請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項21】
少なくとも前記中央部は、前記長手方向軸から径方向に伸び、前記長手方向軸に向かって径方向について内側に潰れることができる、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材を備える請求項8に記載の予備成形ライナー。
【請求項22】
開口上部を有するホルダと、
リム及び中央部を有する予備成形ライナーと、
を備え、
前記予備成形ライナーは、前記リムが前記開口上部上で静止しするように前記ホルダ内に配置され、
前記中央部は、前記予備成形ライナーの長手方向軸に対して通常位置と膨張位置との間で移動し、
ニップル及び前記リムを前記ホルダの前記開口上部の上方に、着脱可能に気密状態で固定する保持リムを備える容器アセンブリ。
【請求項23】
前記膨張位置の際に、前記予備成形ライナーは、前記ホルダの最大内部容積と略同一である請求項22に記載の容器アセンブリ。
【請求項24】
前記中央部は、前記通常位置と前記膨張位置との間で移動する複数の溝を備える請求項22に記載の容器アセンブリ。
【請求項25】
複数の前記溝は、前記長手方向軸に対して潰れ位置まで移動する請求項24に記載の容器アセンブリ。
【請求項26】
少なくとも前記中央部は、前記通常位置と前記膨張位置との間で伸びることができる、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材を備える請求項24に記載の容器アセンブリ。
【請求項27】
少なくとも前記中央部は、前記通常位置と前記膨張位置との間で伸びることができる、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材を備える請求項22に記載の容器アセンブリ。
【請求項28】
複数の予備成形ライナーを備え、
複数の前記予備成形ライナーのそれぞれの予備成形ライナーは、ネック部及び中央部を有し、
前記ネック部は、開口上部及び前記開口上部から延設されるリムを有し、
前記中央部は、長手方向軸に対して通常位置と膨張位置との間で移動し、
複数の前記予備成形ライナーは、一方が他方の内部に収納され、積層を形成するため前記分割壁が径方向について互いからずれていて、
前記積層の周囲に配置されるパッケージ又は包みを備えるキット。
【請求項29】
前記中央部は、それぞれ複数の分割壁で分離された複数の溝を備え、
複数の前記溝は、前記通常位置と前記膨張位置との間で移動する請求項28に記載のキット。
【請求項30】
少なくとも前記中央部は、前記通常位置と前記膨張位置との間で伸びることができる、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材を備える請求項29に記載のキット。
【請求項31】
少なくとも前記中央部は、前記通常位置と前記膨張位置との間で伸びることができる、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材を備える請求項28に記載のキット。
【請求項32】
さらに前記予備成形ライナーは、前記中央部の下方に設けられるベース部を備え、
前記ベース部は、閉口下端と、前記閉口下端から上向きに前記長手方向軸に沿って前記中央部に向かうにつれて径が減少する円錐台形状と、を有する請求項28に記載のキット。
【請求項33】
前記閉口下端は、前記中央部の最小径より大きい径を有する請求項32に記載のキット。
【請求項34】
予備成形ライナーを、ホルダの開口端内へ前記予備成形ライナーの長手方向軸に沿って、前記予備成形ライナーのリムが前記開口端上で静止するまで挿入する工程と、
前記予備成形ライナーが、前記長手方向軸から径方向について外側に前記ホルダの内側に接触した状態に膨張するまで、前記予備成形ライナーに液体を充填する工程と、
を備える乳児用容器の組立て方法。
【請求項35】
前記予備成形ライナーは、前記長手方向軸に沿って配置される複数の溝を備え、
前記充填工程は、複数の前記溝が前記ホルダの内側に接触した状態に膨張するまで、前記予備成形ライナーに液体を充填する工程を備える請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記予備成形ライナーは、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材を備え、
前記充填工程は、前記エラストマー部材が前記ホルダの内側に接触した状態に伸びるまで、前記予備成形ライナーに液体を充填する工程を備える請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記予備成形ライナーは、膨張又は伸びることが可能なエラストマー部材を備え、
前記充填工程は、前記エラストマー部材が前記ホルダの内側に接触した状態に伸びるまで、前記予備成形ライナーに液体を充填する工程を備える請求項34に記載の方法。
【請求項38】
さらに前記開口端にニップルを気密状態に取り付ける工程を備える請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−513149(P2010−513149A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541402(P2009−541402)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/025658
【国際公開番号】WO2008/076380
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(500365915)プレイテックス プロダクツ エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】