説明

膨張管アンカー、閉塞抵抗性及び除去機能を有する部分長さの留置前立腺カテーテル

部分長さの留置カテーテルは、膀胱内の拡張可能なバルーンと、外尿道括約筋により形成された尿管の収縮部分と接触する拡張管のコイル部分とにより尿道前立腺部内に定着される。カテーテルは、尿を膀胱から前立腺を通して外括約筋の上流の位置まで排出し、これにより、括約筋が排尿を自然に制御することを許容する。尿の排出能力は、尿の入口開口部の形態により閉塞物及び血塊の蓄積を阻止し得るようにする。低摩擦被覆もまた血塊の蓄積を阻止する。一回だけ使用又は多数回使用の除去装置が内部排出通路内にて動いて、蓄積した血塊及び閉塞物と接触し且つ血塊及び閉塞物が尿入口開口部及び内部通路から外へ出る動きを容易にする。挿入器具はカテーテルに接続し、カテーテルを尿道前立腺部内にて使用し得る位置に配置する。配置されたならば、挿入器具は接続を外し且つ尿管から引き出す。流体にて挿入器具及びカテーテルを通して洗い流すことにより、血塊が尿の流路を閉塞する危険性が回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿道カテーテル、より具体的には、尿道前立腺部内のその使用位置からカテーテルが動くのを防止するアンカーとして拡張管のコイル部分を使用し、カテーテルを貫通する尿の流路内での閉塞の発生を減少させるよう尿道の入口形態を有し、また、閉塞物の除去及び分解を促進する除去装置を有し、これらの全てが膀胱からの尿を排出するカテーテルの使用及び機能を改良する新規且つ改良された留置尿道前立腺部カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
良性前立腺肥大(BPH)及び悪性前立腺癌のような前立腺の異常は、高齢の男性における一般的な症状である。これら疾病の影響には、一般に、前立腺の膨れ又は拡大が伴う。悪性の前立腺癌の生命の危険にかかわる性状を別にして、これら疾病の日常的な症状及び影響は、通常、やっかいである。かかる問題の1つは、正常な尿の排出を制御し且つ実施する能力に関する。前立腺が前立腺を通る尿道前立腺部を閉塞する程度まで拡大したとき、尿を随意に排出する際に著しい困難さが生じる。かかる困難さは、通常、尿路停留と称される。尿路停留は、急性又は慢性の何れかとなる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
尿路停留の問題を緩和するため外科的治療法が利用可能である。これらの治療法は、前立腺の熱療法及び経尿道的前立腺切除法(TURP)を含む。TURP法は、閉塞又は狭窄を解消し又は軽減するため組織を前立腺から外科的に切除するステップを含む。外科的方法は、臨床的に優れた結果が得られる可能性が高いが、高い死亡率を伴う。代替的な熱療法は、より緩やかな副作用を伴う。熱療法は、経尿道的マイクロ波熱療法(TUMT)、高周波針切除(TUNA)、間質レーザ及び温水誘発熱療法(WIT)を含む。熱療法の全ては、組織が破壊又は損傷される迄、閉塞性又は狭窄性の前立腺組織を加熱するステップを含む。その後、破壊し又は損傷された組織は脱落し又は身体に吸収されて、前立腺を通る尿通路が拡大する結果となる。前立腺を通る尿通路が拡大すれば、閉塞は解消され又は緩和され、また、より良い尿の流れを許容することになる。
【0004】
熱療法及びTURP外科的方法の双方は、例えば前立腺の炎症及び膨れというような一時的な副作用を生じる。副作用のため、患者は、通常、外科的方法を行った後、数日から数週間、膨れがひきかつ、前立腺の組織が回復し又は安定化する間、尿の排泄を許容するよう留置尿道カテーテルを使用する必要がある。熱療法又はTURP治療の後、生存した状態を保つ前立腺の組織は極めてむきだしのままで且つ弱いため、尿と直接接触することは、炎症を悪化させ、且つ感染症の危険性を増す可能性がある。留置カテーテルは、治療した組織との接触が最小状態で又は全く接触せずに、尿が外科的方法が行われた組織を通って流れるのを許容する。
【0005】
罹患した前立腺を熱療法又はTURP方法により治療できない場合、正常な泌尿器の機能が不可能となり又は非常な困難さを伴ってのみ可能である程度まで閉塞又は狭窄が顕著となる可能性がある。こうした状況のとき、カテーテルを患者の残る全人生に亙って使用する必要がある。場合によっては、患者は、排尿が必要なとき必ず標準長さ(full−length)カテーテルを挿入するよう求められる。患者が自分自身で標準長さのカテーテルを挿入することができないその他の場合、看護士が標準長さのカテーテルを尿路内に挿入し、看護士が除去する迄、その場所に恒久的に留まるようにしなければならない。
【0006】
前立腺が回復する間又は連続的な形態にて使用される典型的な型式の尿道カテーテルは、標準長さの尿道カテーテルである。標準長さの尿道カテーテルは、尿路の全長に亙って尿管の外開口から膀胱内へ伸びている。締結具又はその他の機械的弁が標準長さのカテーテルの外側に取り付けられ、且つ開いて尿を膀胱から排出する。尿を収集するためリザーバを取り付けることができ、この場合、機械的弁又は締結具は使用しなくてよい。通常、膀胱から尿道前立腺部及び尿管内への尿の流れを制御する膀胱頸部における内尿道括約筋は最早、尿道を収縮させて尿の流れを停止させ、且つ拡張して尿が流れるのを許容するというその正常な機能を果たすことができない。外科的方法のTURP及び熱療法は通常、内尿道括約筋を破壊する。破壊されない場合でも、連続的に開いている尿の流路がカテーテルを通って伸びているから、尿道前立腺部の上流に配置された内尿道括約筋及び尿道前立腺部の下流に配置された外尿道括約筋の何れも尿の流れを制御することはできない。尿道括約筋は、標準長さのカテーテルを通る通路を閉じることはできない。
【0007】
標準長さの尿道カテーテルを使用するとき、患者は尿の流れを自然に制御する能力を欠くことに加えて、カテーテルが尿路の外開口から外に伸びること、また、締結具及びリザーバが存在することは、不快感を生じさせ、また、取り扱い難く、且つ患者を悩ませることになる。標準長さの尿道カテーテルは、社会的観点から制約を受け、且つ直面しなければならない、生活の質に影響を及ぼす課題をほぼ常に生じさせる。性行為は不可能である。また、感染症の危険性も増す結果となる。
【0008】
標準長さの尿道カテーテルに関係した生活の質及び社会的問題のため、部分長さ(partial−length)の留置カテーテルが開発されている。部分長さの留置カテーテルは、典型的に、膀胱から尿道前立腺部を通ってのみ伸びて、膀胱から外開口まで尿路の全長に沿って伸びていない。短い長さは、尿の流れの殆んどを膨れた又はむきだしのままの前立腺の周りにてバイパスしつつ、外尿道括約筋が尿の流れをより自然の仕方にて制御することを許容する。カテーテルのかなり大きい部分が尿管の外開口から外に伸びることはない。
【0009】
部分長さの留置カテーテルを適正な位置に保つことは必須である。短い長さは、カテーテルが膀胱内に完全に動き又は尿道前立腺部から出て尿管内に入るのを許容することがある。何れの型式の意図しない動きは、修正のため顕著な医療的介入を必要とする。
【0010】
部分長さの尿道カテーテルは、典型的に、身体内にて最内側となり、且つ尿の流れに対して上流となるその端部に拡張可能なバルーン又はその他の形態のアンカーを使用する。膀胱内にてバルーンを膨張させ、又はアンカーを拡大させ、次に、バルーン又はアンカーが尿道への入口にて膀胱頸部と接触する迄、カテーテルを引き出す。バルーン又はアンカーは、カテーテルがバルーンから出て、且つ尿管内に入るのを防止する。しかし、バルーンは、部分長さの尿道カテーテルが前立腺及び尿道前立腺部から出て、且つ膀胱内に入るのを防止することはできない。
【0011】
部分長さの尿道カテーテルが膀胱内に入る動きを防止する1つの方法は、下流のアンカーを長さの短い糸状材料にて部分長さのカテーテルに取り付けることを含む。糸状材料は、外尿道括約筋の孔を通って伸び、また、下流のアンカーは、外尿道括約筋の孔から下流の位置に配置される。カテーテル及び下流のアンカーは、外尿道括約筋の両側部にてそれぞれ尿道前立腺部及び尿管内に配置される。下流のアンカーは、尿を流す長さの短い中空管又はその他の三次元的構造体とすることができる。外尿道括約筋は、自然の仕方にて糸状材料の周りにて収縮し、尿の流れを停止させ、また、拡張して尿の流れを許容することができる。下流のアンカーに隣接する外尿道括約筋の正常な収縮した状態は、部分長さのカテーテルが膀胱内に入るよう動くのを防止する。
【0012】
硬い管又は三次元的な下流のアンカーを部分長さの尿道カテーテルと共に挿入し、且つ除去することは、困難であるか又は痛みを伴う可能性がある。硬い管及び三次元的な下流のアンカーと共に部分長さの尿道カテーテルを使用するためには、特殊な型式の挿入器具及び技術が必要とされる。
【0013】
部分長さの尿道前立腺部カテーテルは、バルーンが萎んだ状態にて挿入しなければならないため、かかるバルーンカテーテルの全ては、カテーテルを適正に配置した後、バルーンを拡張させる何らかの手段を備えなければならない。バルーンを拡張させるため、流体をバルーンに加える導管又は通路がバルーンから尿路の外開口まで伸びなければならない。部分長さの尿道カテーテルにおいて、拡張管は、典型的に、バルーンが拡張した後、接続を外し、その後、拡張管の全体は尿管から除去される。相応する表現によれば、バルーンは尿道カテーテルを除去し得るよう萎ませなければならない。典型的に、バルーンはカテーテルに取り付けられた弁を開くことにより萎ませる。弁を開くと、流体がバルーンから逃げることを許容し、このため、その後にカテーテルを除去することができる。弁が所望のときに開かないならば、バルーンを萎ませるため医療的介入が必要となる。
【0014】
拡張したバルーンは、カテーテルが使用されている間、拡張流体を徐々に失う可能性がある。流体をバルーンに対して封じ込める弁は完全に密封しないから、又は僅かなピンホールがバルーンを形成し又はバルーンを部分長さの前立腺カテーテルに対して密封する構造材料に穴を開けるから、流体の損失が生じる可能性がある。流体を損失し、且つバルーンが萎む危険性は、使用中、カテーテルが留まる時間が増すに伴って増大する。バルーンを再拡張させようとするすべての試みは、全体的に、何らかの型式の医療的介入を必要とする。
【0015】
尿道カテーテルの使用に関連した別の危険性は閉塞である。前立腺の熱又は外科的治療法は、通常、膀胱頸部の破壊を生じさせ、また、血塊が膀胱内に入る結果となる。これらの血塊は膀胱内の尿内に浮き、カテーテルに入り、カテーテルを通る尿の流れを閉塞する程度までカテーテルに蓄積する可能性がある。患者が排尿により血塊の蓄積を除去し得ないならば、その場合、カテーテルを医療的に除去し且つ交換しなければならない。熱又は治療法を実施した後、早期にカテーテルを交換するならば、治療領域に刺激を生じ、また、患者に痛みを与え、典型的に、治癒期間を引延ばし、また、カテーテルを除去し且つ交換しなければならないならば、患者の医療費用の負担が増すことになる。血塊による閉塞の可能性の問題は、標準長さのカテーテル及び部分長さのカテーテルに等しく当てはまる。
【0016】
閉塞は、尿中の自然の身体物質によっても生じる。外科的治療法を行った後の血塊に起因する危険性ほど重大ではないが、かかる危険性は、それでも、尿道カテーテルを常時利用しなければならない人にとっては重大である。
【0017】
従来の留置カテーテルの使用に関連した上記及びその他の問題点、不利益な点及び危険性が本発明の改良をもたらすに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
全体として、本発明は、尿路の尿管、尿管の外開口を通して尿を排出し得るよう尿路の少なくとも尿道前立腺部を通って膀胱から伸びる標準長さの尿道カテーテル又は部分長さの尿道カテーテルに関する。カテーテルは、患者が尿道括約筋により尿の流れを自然に制御することを許容しつつ、実質的に大部分の尿の流れを前立腺と接触せずに流れるよう導く。拡張管のコイル部分を下流のアンカー要素として内蔵することにより、尿管に対する不快感及び炎症を最小限にしつつ、部分長さのカテーテルを保持することが容易とされる。拡張管は、尿管を通って伸びバルーンが膀胱内にて拡張し且つ上流のアンカー要素として機能するのを、許容する。拡張管のコイル部分は、部分長さのカテーテルが使用されている間、保持力を発生させるのに十分弾性的であるが、拡張管を引っ張ることにより、カテーテルを尿管から引き出すことを許容し得るよう弾性的に収縮する。拡張管のコイル部分を通って伸びる選択的に接続外し可能な挿入器具により、部分長さのカテーテルは所要位置に挿入される。
【0019】
部分長さの尿道カテーテルは、前立腺に対して外科的方法又は熱治療法を実施した直後、特に外科的方法を実施した後、カテーテル内の閉塞及び血塊の危険性が減少した状態にて、挿入することができる。カテーテル内への1つ又はより多数の尿道口を形成し、また、カテーテル内にて選択的に作動可能な閉塞除去装置を設けることは、内部の尿排出通路内に血塊及び閉塞物が蓄積するのに抵抗し、且つこれらを解消し、これによりカテーテルの尿排出能力を保つことになる。挿入器具がカテーテルに接続されたままである間、流体を、挿入器具及びカテーテルを通して洗い流し、血塊及びその他の閉塞物の危険性を減少させることもできる。
【0020】
本発明のカテーテルは、閉塞したカテーテルを除去し、且つ交換するため、医療的又は外科的介入が必要とされる多数の状況を完全に回避し又は減少させる点にて有益である。本発明のカテーテルは、尿を外科的方法の影響を受けた領域から導出し、これにより感染症及び刺激の危険性を減少させる非閉塞状態の通路であるから、外科的方法を実施した後、前立腺の一層の治癒を促進する。カテーテルの改良はまた、尿路の外開口に配置された装置の寸法及び量を最小限にすることにより、留置カテーテルの使用に関連した人的及び社会的な障害をも減少させる。
【0021】
上記及びその他の改良並びに有利な効果は、尿を膀胱から排出すべく尿路内に挿入されたカテーテルにより実現される。本発明のカテーテルは、本発明の異なる形態にて共に選択的に使用することのできる主たる性状及び補助的性状を含む。
【0022】
カテーテルは、尿路の尿管内への尿の流れを制御する外尿道括約筋の孔に隣接する位置に尿を排出する。カテーテルは、末端と、基端と、末端を膀胱内に配置し、且つ基端を外尿道括約筋の孔に隣接し、また、該孔の末端側に配置するのに十分な長さとを有する主本体を備えている。主本体は、末端から基端まで伸びる尿排出内部通路を画成する。主本体の末端が膀胱内に配置されかつ主本体の基端が外尿道括約筋の孔に隣接して孔の末端側に配置される使用位置から尿路内にて基端方向に動くのを防止する末端アンカーが主本体の末端に取り付けられ、且つ膀胱内にて膨張する。基端アンカーは、主本体の基端に取り付けられ、主本体が使用位置から尿路内にて末端方向に動くのを防止する。少なくとも1つの尿道口が主本体の末端を通って内部通路内に伸びる。末端の全ての尿道口の合計断面寸法は、内部通路の断面寸法よりも大きく、尿及び血塊が膀胱から内部通路を通って尿路内に流れるのを容易にする。
【0023】
末端アンカーは、カテーテルの主本体の末端に取り付けられたバルーンを備えており、該バルーンは、膀胱内にて拡張されたとき寸法が膨張可能であり、主本体の末端を膀胱内に維持し、且つ主本体が使用位置から基端方向に動くのを防止する。拡張管は、カテーテルの主本体に接続される。拡張管は、末端と、基端と、末端及び基端の間を伸びるある長さとを有している。拡張管は、外尿道括約筋の孔及び尿管を通って主本体から外開口の外側の位置まで伸びる。拡張管及び主本体は、拡張管の基端からバルーンまで伸びる拡張通路を確立し、該拡張通路を通って流体を送ってバルーンを拡張させることができる。基端アンカーは、主本体が使用位置にあるとき括約筋に隣接し、且つ括約筋の基端側の位置に配置された拡張管のコイル部分を備えている。コイル部分は、収縮したとき、主本体が使用位置から末端方向に動くのを防止すべく外尿道括約筋と相互作用する。
【0024】
留置カテーテルを尿路内にて使用位置まで動かすため、挿入器具を主本体に接続することができる。挿入器具は、第一及び第二の両端部と、第二の端部が尿管の外側にある間、第一の端部を括約筋の末端側の尿路内に配置するのに十分な長さとを有している。拡張管のコイル部分は、挿入器具が留置カテーテルに接続されたとき、挿入器具の周りに巻かれる。主本体と挿入器具との間の分離可能な接続部は、主本体を挿入器具に接続して、留置カテーテルを使用位置に配置するとき、カテーテル及び挿入器具を一体として動かすが、分離可能な接続部は、主本体が膨張したバルーンを使用位置から基端方向に動くのを防止するとき、挿入器具の基端方向への連続的な動きに応答して主本体が挿入器具から分離するのを許容する。挿入器具の第一及び第二の両端部間を伸びる内部通路は、挿入器具が分離可能な接続部にてカテーテルに接続されたとき、主本体の内部通路との流体的連通を許容し、挿入器具がカテーテルに接続されたままである限り、閉塞物を除去することを許容する。
【0025】
いろいろな先端の形状及び内部通路の入口開口部のいろいろな形態は、カテーテルの流体排出能力を向上させることになる。入口開口部の1つの形態は、ホイッスル先端形状を確立し得るように丸味を付けた先端の長手方向に二等分した半部分が存在しないことで画成される。別の先端の形態は、主本体の末端を貫通して伸びる長手方向に且つ周方向に隔てられた複数の入口開口部である。2つの入口開口部は、主本体の末端部分上に互いに半径方向反対に配置することができ、これら入口開口部の各々は、内部通路の断面寸法よりも実質的に大きい断面寸法と、主本体の周りにおける周方向距離の四分の一以上の周方向寸法と、先端に沿って長手方向に伸びて、これによりクーベレール(couvelaire)先端形態を画成する長い寸法を有する細長い形状体とを備えている。末端は、末端を通る長手方向軸線に対して鋭角な角度にて実質的に横方向に伸びる斜角面を含むことができ、単一の入口開口部が斜角面を貫通して主本体の内部通路内に実質的に直接伸びている。
【0026】
低摩擦被覆が入口開口部の各々内にて且つ内部通路に沿って主本体の末端に沿って伸びており、入口開口部の各々及び内部通路内に閉塞物が蓄積するのを阻止する。
カテーテルは、またカテーテルの主本体の内部通路内に可動に配置された接触要素を有する除去装置を含むこともできる。接触要素は、カテーテルの入口開口部を通して且つ内部通路に沿って可動であり、入口開口部及び内部通路を通って血塊及び閉塞物に接触し且つこれらを崩壊させ、また、尿の流れと共に、これら血塊及び閉塞物が動くのを促進することもできる。
【0027】
作動装置は、接触要素に接続され且つ内部通路及び尿管を通って伸びて、尿管の外開口の外側の位置に達する。尿管の外開口にて作動装置を操作すれば、接触要素は動く。接触要素は、作動装置を操作することにより、内部通路から且つ尿路外に除去され得る。これと代替的に、入口開口部を経て且つ内部通路に沿って動いた後、接触要素を入口開口部の外の最初の位置に動かして戻すよう、接触要素と主本体との間に戻し要素を接続してもよい。内部通路を有する挿入器具と共に使用されるとき、作動装置は、挿入器具が主本体に接続されると、挿入器具の内部通路を通って伸びる。
【0028】
本発明は、カテーテルにより例示される特徴及び機能並びに尿路とのその相互作用を使用して実現されることが好ましい、尿を尿路内にて膀胱から排出する方法にも関する。
以下に簡単に記載した添付図面に関して現在の好ましい実施の形態の以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することにより、本発明の範囲及び本発明が上述し且つその他の改良を実現する仕方をより完全に理解することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を具体化する部分長さの留置カテーテル20は図1に示されているが、本発明の多くの特徴は、標準長さのカテーテル(図示せず)も適用可能である。留置カテーテル20は、図6に示すように、挿入器具22に接続し、カテーテル20を人間の尿路26内に挿入することを許容するカテーテル−器具組立体24を形成する。挿入されたならば、挿入器具22を留置カテーテル20との接続から外し、又は該留置カテーテル20から分離してカテーテル20が図9に示すように、前立腺30内にて尿道前立腺部28内に留置するすなわち残留するようにする。図8及び図9に示したその留置する使用位置にあるとき、カテーテル20は、前立腺30内の尿道前立腺部28を通して尿を膀胱32から外尿道括約筋34の僅かに上流の位置に排出する。外尿道括約筋34が拡張すると、尿は外尿道括約筋34の孔を通って尿路26の尿管36内に排出される。
【0030】
カテーテル20は、経尿道的前立腺切除術(TURP)外科的方法にて尿道前立腺部28及び前立腺30の取り囲む組織を除去するため作動された後、又はこれらの組織が破壊された後、又はマイクロ波熱治療法(TUMT)又はその他の熱療法により作動された後、前立腺30のむきだしの組織を保護するため、一時的なステントとして機能するよう、数日又は数週間、図9に示した留置位置に残すことになる。更に、良性前立腺肥大(BPH)又はその他の閉塞又は異常に起因して前立腺30が膨れる結果として、尿が最早、効果的に流れない程度まで前立腺が狭窄になったとき、カテーテル20を尿道前立腺部28に通すステントとして使用することもできる。留置カテーテル20を使用するのは、その他の医学的に承認された理由もある。
【0031】
留置カテーテル20は、留置カテーテル20の末端38が図6に示すように膀胱32に入る迄、カテーテル20を挿入器具22により尿路26内に尿管38まで押し込むことにより、図9に示すように配置する。バルーン40が尿道前立腺部28を取り巻く膀胱32の頸部46の直径よりも大きくなる迄、拡張管44(図3)の拡張通路42を通して流体を送ることにより、留置カテーテル20のバルーン40は拡張される。拡張流体は、空気のような気体とし又は食塩溶液のような液体とすることができる。バルーン40は、拡張管44の端部にて弁組立体50に接続された注射器48(図1)のような拡張ポンプにより拡張されることが好ましい。バルーン40が拡張したならば、拡張したバルーン40が図7に示すように、膀胱頸部46に着座する迄、挿入器具22を後方に引っ張る。膀胱頸部46に着座したとき、バルーン40は、留置カテーテル20が膀胱32から外尿道括約筋34を通って出て、且つ尿管36に入るのを防止する。
【0032】
挿入器具22の引き出し動作を続けると、挿入器具は、図8に示すように、留置カテーテル20と、挿入器具22との間の分離可能な接続部52(図1)にてカテーテル20から分離し、これにより、留置カテーテル20が図9に示したその最終的な留置位置に残るようにする。その後、挿入器具22を引き出し、且つ尿管36内から除去する。拡張管44は尿管36内に止まる。
【0033】
「基端」及び「末端」という相対的な語は、本明細書にてカテーテル20を尿管36の外開口にて尿路26内に挿入する外科医に関連して使用する。従って、患者の体内にて最内方のカテーテル20の部分は「末端」と称し、尿管36の外開口に最も近いカテーテル20の部分は「基端」と称する。このため、カテーテルの末端部分は、カテーテルの基端部分よりも尿路26内にて最内方に配置される。カテーテルの末端部分は、尿の流れに対して通常の方向に関し上流であり、カテーテルの基端部分は、尿の流れに対し通常の方向に関し下流である。バルーン40は、カテーテル20の末端近くに配置され、拡張管44の末端は、外尿道括約筋34の上流すなわち末端の位置にてカテーテル20の主本体58の基端に接続する。
【0034】
拡張管44には、図1ないし図3及び図6ないし図9に示した恒久的にら旋状のコイル部分54が形成されている。該コイル部分54は、横断方向寸法及び長手方向寸法の双方にて弾性的である。拡張管44は、挿入器具22を除去した後、コイル部分54を尿管36内にてコイル形態に保つのに十分な強度を有している。コイル部分54の弾性のため、コイル部分54は、尿管36の内部に対して押し付けられる。外括約筋34の孔は、排尿する間を除いて、通常、閉じられており、これによりコイル部分54が外括約筋34を経て末端方向にすなわち上流に移動するのを防止する。この要領にて、コイル部分54は、尿管36に沿った動きに抵抗し、留置カテーテル20を尿管36に沿って末端方向に動かないよう保持する。尿管36の内部に対して弾性的に押し付けることにより、コイル部分54は、また、患者の不快感又は尿管36への刺激を最小限にする。コイル部分54は、コイルの開いた中心を通る流体流路を提供するから、コイル部分54が、尿管36を通る尿の妨害することはない。
【0035】
カテーテル20が挿入器具22に接続されているとき、コイル部分54は、図4に示すように、挿入器具22の外側の周りを伸びている。挿入器具22の周りを伸びることにより、コイル部分54は、留置カテーテル20及び挿入器具22が尿路26内に挿入されている間、拡張管44を挿入器具22に隣接する位置に保持するのを助ける。このため、コイル部分54は、拡張管44を挿入器具22と共に尿路26内に動かすのを助ける。ら旋状のコイル部分54は、挿入器具22の周りにルーズに巻かれ、これにより挿入器具22が留置カテーテル20との接続から外されたとき、挿入器具22をコイル部分54の中心を通って引き出すのを許容する。
【0036】
コイル部分54は、留置カテーテル20の主本体の基端から基端方向にある短い距離の位置に配置される。留置カテーテル20の基端とコイル部分54との間の拡張管44の長さは、図6ないし図9に示すように、尿道括約筋34の僅かに基端側の位置にて尿管36内にコイル部分54を配置するのに十分である。
【0037】
尿道括約筋34の僅かに基端側に配置された拡張管44のコイル部分54は、尿路26内の留置カテーテル20を図9に示した位置に保持するのを助けるアンカーとして機能する。コイル部分54は、括約筋34が収縮することにより生じた尿路の収縮部分にコイル部分54のコイルが接触する結果として、留置カテーテル20が図9に示した位置から末端方向に動くのを防止する。コイル部分54は、収縮部分と接触して留置カテーテル20の末端方向への動きに抵抗し、且つ留置カテーテルが膀胱32内に動くのを防止する。拡張したバルーン40は、留置カテーテル20の末端38に狭窄部分を形成し、留置カテーテルが尿路26に沿って、且つ尿管36外に基端方向に動くのを防止する。拡張したバルーン40が留置カテーテル20の末端に配置され、定着コイル部分54が括約筋34の基端側に配置された状態にて、留置カテーテル20は、膀胱32に入り又は膀胱から出て、また、前立腺から外に出る動きに抵抗する。その代わり、留置カテーテル20は、使用位置に維持されている。
【0038】
留置カテーテル20がバルーン40及びコイル部分54により定着された使用位置にあるとき、膀胱32からの尿又はその他の流体は、留置カテーテル20の内部通路56(図3)を通り、且つ拡がった外尿道括約筋34(図9)を経てカテーテル20の基端から流れることができる。外尿道括約筋34は、拡張管44の周りにて収縮しすなわち閉じて、尿の流れを停止させる能力を保持する。尿は、通常の仕方にて尿管36内に排出される。カテーテル20の最終的な留置して使用される位置は、外尿道括約筋34により尿の正常な流れを制御することを許容する。
【0039】
留置カテーテル20の構造に関する更なる詳細は、図1ないし図5に示されている。留置カテーテル20は、シリコーンゴムにて出来たものであることが好ましい、主本体すなわち中央本体58を有している。主本体58は、全体として円筒状の外形を有している。主本体58は、該主本体58を通る通路56を画成する側壁60を有している。端部片62がカテーテル20の末端38にて主本体58に取り付けられるか又は主本体58と一体化されている。端部片62は、カテーテル20及び挿入器具22を尿路26内に挿入し易くし得るようにされた先端の形態を有している。少なくとも1つ、好ましくは、1対の尿入口開口部64が端部片62を貫通するように形成されている。開口部64は、端部片62と主本体58の通路56との間にて連通する。膀胱32からの尿は、開口部64を通って流れ、通路56に入り且つ、通路56を通って主本体58の他端である基端に入る。
【0040】
バルーン40は、流体密シール68、70により主本体58の外側の周りに取り付けられる比較的薄く、可撓性、膨張可能、通常透明であり、且つ非多孔質の材料の可撓性スリーブ66により形成される。第一の流体密シール68は、端部片62が取り付けられる箇所である、主本体58の末端の僅かに基端側に配置され、また、第二の流体密シール70は、可撓性スリーブ66の軸方向長さにほぼ等しい距離だけ第一のシール68から主本体58に沿って基端方向に隔てられている。流体密シール68、70は、接着剤又は熱溶接により可撓性スリーブ66を主本体58に取り付けることにより形成されることが好ましい。
【0041】
可撓性スリーブ66は、開口部72を被って配置され、且つ主本体58から該開口部の両側部上を軸方向に伸びている。流体密シール68、70は、開口部72の末端側及び基端側にそれぞれ配置されている。流体は、流体密シール68、70間にて主本体58の外側の容積74内に及び可撓性スリーブ66内に導入されて、可撓性スリーブ66が外方に膨張し、且つバルーン40を形成するようにする。
【0042】
拡張導管76は、図3に示すように、開口部72と連通している。拡張導管76は、主本体58の側壁60内に形成される。拡張管44の末端は、図3及び図5に示すように、拡張導管76の基端内に挿入される。流体は、注射器48(図1)から拡張管44の拡張通路42内に送り出され、開口部72から出て拡張導管76内に流れ、且つ可撓性スリーブ66の下方の容積74に入り、可撓性スリーブ66が膨張してバルーン40の形態となるようにする。
【0043】
拡張管44の末端を図5に示すように、拡張導管76内に挿入することは、拡張管44が留置カテーテル20と挿入器具22との間の分離可能な接続部52を迂回し又はこの接続部52の周りを伸びるのを許容することになる。拡張管44を接着剤にて拡張導管76内に取り付けることにより強力な流体密の接合部が形成される。この取り付けは、拡張管44を主本体に接続した状態に保ち、このため、拡張管を尿管36の外側から引っ張ると、拡張管44を主本体58から破断させずに、カテーテル20を尿路26から除去することになる。この点に関して、拡張管44は、また、カテーテル20に対するつなぎ部材としても機能する。カテーテル20が尿管内に配置されている間、挿入器具22が留置カテーテル20から分離した後、図5に示した分離可能な接続部52により拡張通路42と拡張導管76との間の連通が完全で、且つ流体密のままであることが可能となる。バルーン40と弁組立体50との拡張通路の完全性が保たれることにより留置カテーテル20が使用されている間、バルーン40を必要であれば、定期的に再拡張させることができる。バルーン40、弁組立体50又はバルーン40及び弁組立体50を接続する通路の僅かな漏洩の結果として、定期的に再拡張することが必要となろう。
【0044】
拡張管44は、留置カテーテル20の主本体58から尿管36を通って人体の外側まで伸びる長さを有している。拡張管44の長さは、弁組立体50を人体の外側に配置するのに十分である。拡張管44は、管44内の拡張通路42が尿路26の組織との接触に起因して潰れるのを防止するのに十分な硬さを有するが、この硬さは、拡張管44の適度な程度の可撓性を阻止するほど大きくはない。拡張管44の適度な可撓性は、拡張管が尿路26の典型的な曲線部を通って伸びるのを許容する。
【0045】
弁組立体50は、従来の構造であり、図1に示すように、注射器48のノズル80が挿入される受容部78を有している。弁組立体50は、また、ノズル80が受容部78から除去されたとき、弁組立体50の拡張通路42を閉じる従来の内部逆止弁(図示せず)も有している。この要領にて、バルーン40内からの流体は、注射器48が弁組立体50との接続から外されたとき、拡張通路42を通って逃げるのを防止されるが、逆止弁は、注射器48のプランジャ(特に図示せず)が押されたとき、注射器48からの流体がバルーン40を拡張するのを許容する。このように、バルーン40は、注射器48が弁組立体50との接続から外された後、拡張した状態のままであろう。しかし、カテーテルを使用する間、バルーン40を再拡張させることが必要となり、又はバルーン40を膨張させるため、追加的な流体を追加することが必要となるならば、それを行うため注射器48は、弁組立体50に容易に接続される。
【0046】
弁組立体50を使用することの1つの代替例として、バルーン40が拡張した後、拡張通路42を基端にて密封することができる。例えば、流体がバルーンから逃げるのを防止するため弁組立体50を使用することに代えて、尿管の外開口にて陰茎の端部から基端方向に隔たった位置にて拡張管44の基端に結び目を結ぶか又は閉塞部を形成することができる(その何れも図示せず)。結び目又は閉塞部は、拡張通路42を密封し、且つ流体が通路を通って逃げるのを防止し、バルーン40を拡張した状態に保つ。拡張管42は、結び目又は閉塞部の僅かに基端方向の位置にて切断されている。この代替的な実施の形態において、弁組立体50の無い拡張管44は、尿管36の開いた端部から適度な距離だけ伸びている。拡張管44の基端に接続された弁組立体50のような、取り扱うべき大きい寸法の装置は存在しないから、一層の快適さ及び利便さが促進される。留置カテーテル20をかなりの時間、使用した後、バルーン40を再拡張させる必要があり又は追加の流体を追加する必要があるならば、結び目又は閉塞部を拡張管44の端部から切断し、適宜なコネクタを取り付けて、注射器48が追加の流体を導入することを許容することができる。適宜な拡張後、拡張管40の残る基端部分に別の結び目を結び又は閉塞部を形成することができる。流体を拡張通路42を通して解放すると、バルーン40は潰れ、また、拡張管44を引っ張ることにより、カテーテル20を尿管36から引き出すことができる。
【0047】
挿入器具22は、可撓性の管状構造体であり、全体として、典型的な標準長ささの尿道カテーテルの末端部分と同様の形態とされている。挿入器具22は、身体の外側から尿管36及び前立腺28まで、留置カテーテル20を最終の所望の使用位置に配置するような箇所まで伸びるのに少なくとも十分に長い。挿入器具22は、シリコーンゴムにて出来ていることが好ましいが、身体の外側から供給
された押し付け力を挿入器具22の長さに沿って長手方向に伝達し、これにより取り付けた留置カテーテル20と共に、挿入器具22が尿路26内にて末端方向に動くのを許容するのに十分な構造的一体性を有している。挿入器具22の基端は、中空ハンドル82又は拡大部の形態をとることができ、この形態により、尿路26内に挿入する間、挿入器具22を把持し、且つ挿入器具に押し付け力を付与することができる。
【0048】
挿入器具22と留置カテーテル20との間の分離可能な接続部52は、図5に示したスリーブ84を有している。該スリーブ84は、例えば、接着剤により挿入器具22の末端に堅固に接続されている。スリーブ84の末端部分は、挿入器具22の末端を超えてカテーテルの内部通路56内に突き出す。スリーブ84の末端部分は、内部通路56内に摩擦嵌めする外径部を有し、また、スリーブ84を内部通路56内に挿入することにより形成される摩擦は、バルーン40を拡張させる前、挿入し且つ配置する間、カテーテル−器具組立体24を尿路26内にて操作する際、留置カテーテル20を挿入器具22に対して保持するのに十分である。しかし、内部通路56の基端におけるスリーブ84の末端と主本体58との間の摩擦抵抗の程度は、バルーン40が拡張し且つ膀胱頸部46に対して着座したならば、留置カテーテル20が挿入器具22から分離するのを防止する程、大きくはない。内部通路56の基端におけるスリーブ84の末端部分と主本体58の基端との間の摩擦抵抗の程度は、スリーブ84の末端の外側に凹凸状部を形成することにより増大させることができる。主本体58の弾性材料は、凹凸部分の周りにて僅かに変形し、留置カテーテル20を挿入器具22に対して保持するのを更に助けるが、変形量は、分離可能な接続部52にて留置カテーテル20と挿入器具22とが分離するのを阻止するほど大きくはない。スリーブ84は、通路56からスリーブ84を通る流体流路を提供するよう該スリーブを貫通するように形成された中央開口部86を有している。
【0049】
カテーテル−器具組立体24は、図6ないし図9に示した要領にて挿入し且つ使用する。図6に示すように、カテーテル20及び挿入器具22は、従来の標準長さの尿道カテーテルを挿入するときと同様の要領にて、尿管36を通して尿路26内に挿入される。挿入器具22及びその基端に取り付けたハンドル82を押し付けることにより挿入力が付与される。丸味を付けた端部片62及び留置カテーテル20のかなりの末端部分が膀胱32内に配置される迄、カテーテル−器具組立体24の末端方向への動きは続く。この挿入程度は、可撓性のスリーブ66が膀胱32内に配置されるのを保証するのに十分である。十分な挿入を保証するため、端部38が膀胱32の対向した壁と接触したとき、停止される迄、末端方向への動きは続き、これにより多くの場合、バルーン40が膀胱32内に入るのを保証する。この要領にて挿入する間、挿入器具22の周りに巻かれたコイル部分54は、拡張管44の前方部分又は末端部分が留置カテーテル20と整合され、且つ留置カテーテル20と共に進む状態を維持するのを助ける。
【0050】
カテーテル−器具組立体24が十分に挿入されたならば、バルーン40を図7に示すように拡張させる。拡張は、注射器48を弁組立体50に接続し、注射器48のプランジャ(図示せず)を押して流体を拡張管44の拡張通路42を通して拡張導管76内に及び開口部72を通して内部容積74内に強制的に供給し、可撓性のスリーブ66がバルーン40内に膨張されるようにすることにより実現される。バルーン40が膨張した位置となったとき、拡張したバルーン40が膀胱頸部46に対して着座する迄、挿入器具22を引っ張ってカテーテル−器具組立体24を基端方向に動かす。
【0051】
バルーン40が膀胱頸部46に対して着座した状態にて、挿入器具22を基端方向へ続けて動かすと、分離可能な接続部52は、図8に示すように、留置カテーテル20を挿入器具22から分離させる。膨張したバルーン40は膀胱頸部46よりも大きいから、バルーン40は、留置カテーテル20が挿入器具22と共に尿路26から外に出るのを防止する。拡張管44のコイル部分54は、外尿道括約筋34から基端方向に配置されているため、留置カテーテル20が膀胱32内に動くのを防止する。挿入器具22の本体はコイル部分54の内部を通って動くから、挿入器具22を連続的に引き出すことは、コイル部分54により阻止されない。拡張管44の長さは、弁組立体50を尿路26の外側に配置するのに十分である。
【0052】
挿入器具22が図9に示すように除去された後、バルーン40は、膀胱32内にて拡張した状態に止まり、留置カテーテル20の主本体58の基端は、尿道前立腺部28を貫通して伸びるが、外尿道括約筋34を貫通して伸びない。コイル部分54は、外尿道括約筋34の対向側部又は基端側部に配置される。この最終位置において、バルーン40は、留置カテーテル20が尿道前立腺部28から出て尿管36に入るのを防止する一方、コイル部分54は、留置カテーテル20が尿道前立腺部28から出て膀胱32内に入るのを防止する。拡張管44は、外尿道括約筋34が拡張管44の周りにて収縮し尿の流れを自然に停止させる能力に干渉することはない。同様に、拡張管44は、外尿道括約筋34が図9に示すように拡張して尿が留置カテーテル20の内部通路56を通って尿管36内に流れるのを自然に許容する自然の能力に干渉することはない。この要領にて、拡張管44は、外尿道括約筋34の自然の制御機能に干渉することはない。
【0053】
外尿道括約筋34が拡張したとき、尿は、図3から理解し得るように、膀胱32から開口部64を通り且つ主本体58内の内部通路56内に流れる。内部通路56を通る尿の流れは、大部分、尿道前立腺部28が外科的方法により除去されているならば、尿道前立腺部28又は前立腺組織を迂回する。拡張した尿道括約筋34(図9)は尿が正常な要領にて留置カテーテル20の内部通路56から尿管36を通って流れるのを許容する。尿道括約筋34が拡張管44の周りにて収縮することは、尿の流れを停止させることになる。
【0054】
尿道括約筋34が尿の流れを許容するよう拡張される間、バルーン40は、留置カテーテル20が膀胱32から出て且つ拡張した尿道括約筋34内に動くのを防止する。コイル部分54が尿管36の尿道に接触することは、留置カテーテル20が膀胱32内に入り、且つ膀胱32から出る動きに抵抗することになる。更に、拡張管44は、尿道括約筋34が拡張したとき、排尿する間、必要又は所望であれば、弁組立体50にて保持し留置カテーテル20が末端方向に動くのに抵抗することができる。この要領にて、留置カテーテル20は、尿道括約筋34が拡張したときでさえ、所要位置に止まっている。
【0055】
典型的に、外科的方法又は熱治療法の後のように、前立腺30の自然の治癒の結果、留置カテーテル20が最早、不要であるとき、又は留置カテーテル20を定期的に交換することが必要な場合、バルーン40を萎ませた後、除去される。注射器48を弁組立体50内に挿入し、注射器48のプランジャ(図示せず)を外方に動かして流体を拡張通路42から吸引することにより、萎ませる。注射器48を弁組立体50内に挿入すると、弁組立体50内の逆止弁が開いて流体が吸引されることが可能となる。上述した要領にて弁組立体50を使用することを不要にするため、拡張管44が結び目となるように結ばれ、又は閉塞物が形成されたならば、拡張管44を結び目又は閉塞部の末端側の位置にて切断し、流体が逃げるのを許容することができる。流体が逃げることによりバルーン40は萎み、可撓性スリーブ66は留置カテーテル20の主本体58に隣接する潰れた位置(図1及び図6に図示)まで動く。
【0056】
バルーン40が萎んだならば、弁組立体50又は拡張管44の基端を把持し、且つ引っ張ることにより拡張管44を外方に引っ張る。力は、拡張管44を介して留置カテーテル20の主本体58に伝達される。引っ張り力は、コイル部分54のコイルを収縮させ、且つ細長にし、これにより引っ張り力により各コイルを長手方向に分離させる結果として、それらの横方向寸法を減少させる。この減少した横方向寸法は、尿管36との接触を少なくし又は解消する。この要領にて、コイル部分は、コイル部分が尿管を通って動くとき、カテーテルの除去を阻止したり又は著しい不快さを誘発させることはない。伝達された力の量は、留置カテーテル20の主本体58を尿道括約筋34を経て尿管36内に動かすのに十分である。萎んだバルーン40は、膀胱頸部46を通る留置カテーテル20の末端の動きに抵抗しない。拡張管44の引っ張り動作を続けると、留置カテーテル20が尿管36の基端から完全に引き出される迄、留置カテーテル20は尿管36を通って動く。
【0057】
多数回のTURP及び熱治療法の後、影響を受けた組織からの血液は、膀胱内に溜まり易くなる。血液は、自然の排尿の間、膀胱から流れ出る。留置カテーテル20が上述した使用位置に配置されているとき、血液は留置カテーテル20の内部通路56内に血塊を生じ、又は血塊は、内部通路56又は開口部64が妨害され又は閉塞する程度まで蓄積する可能性がある。膀胱からの自然の圧力は、妨害状態を上廻るのに不十分であり、これにより尿が膀胱32からカテーテル20を通って流れるのが妨げられることになる。かかる状況の下、上述した要領にて閉塞したカテーテルを除去し且つ、新しいカテーテルを挿入する必要がある。閉塞したカテーテルの交換は、除去し且つ挿入することは外科的方法により影響を受けた前立腺内の既に弱くなっている組織を更に弱くするから、できれば、避けるべきである。
【0058】
血塊が内部通路56内に蓄積する状況下にてカテーテルを交換するのを避ける1つの方策は、内部通路56を塩水又はその他の適宜な液体にて定期的に洗い流すことである。これを行うためには、尿管36、収縮した外尿道括約筋34を通って、カテーテル20の内部通路56内への流体的連通状態を確立する必要がある。この型式の流体的連通状態を確立する最も直接的な方法は、挿入器具22が留置カテーテル20と接続された状態を保ち、図10から理解し得るよう、洗い流し流体をハンドル82から挿入器具22の内部通路88を介して供給することができるようにすることである。洗い流し流体は、内部通路88及びスリーブ84の中央開口部86を通り、留置カテーテル20の通路56内に流れる。洗い流し流体は、内部通路56内に蓄積した全ての血塊を膀胱32(図6)内に強制的に戻し、又は、内部通路56内の血塊を溶解させる。血塊を除去すれば、閉塞物は除去され、上述した要領にて尿が留置カテーテルを通って流れるのを許容する。
【0059】
影響を受けた組織の出血が止まる迄、通路56内にて血塊の形成が続く危険性がある。血塊による閉塞の危険性は、通常、TURP又は熱治療法の後、最初の24時間以内にて最大となる。この時間の間、内部通路56を洗い流す能力を提供することが望ましい。内部通路20を洗い流す能力を提供するためには、この時間の間、挿入器具22は、留置カテーテル20に接続されたままにし、挿入器具22の内部通路88がスリーブ84の中央開口部86を通して内部通路56と流体的に連通したままであるようにしなければならない。
【0060】
留置カテーテルが使用位置(図8)に配置された後、分離可能な接続部52にて挿入器具22を留置カテーテル20から分離するため、挿入器具22を基端方向に引っ張ることに代えて、挿入器具22はほぼ最初の24時間、所要位置に残すことができる。留置カテーテル20の主本体58の基端と挿入器具22に接続されたスリーブ84の末端部分との間の自然の摩擦は、幾つかの状況にて、挿入器具22が留置カテーテルに接続されたままに保つのに十分であろう。しかし、その他の状況において、患者は、処置後、直ちに看護士の監視から解放することができ、また、処置後、最初の24時間の間、歩行可能あろう。こうした状況下にて患者が動くことは、血塊の危険性が沈静する前に、挿入器具22を時期尚早に留置カテーテルとの接続から外すのに十分な力を挿入器具に発生させる傾向となり得る。
【0061】
留置カテーテル20を挿入器具22から分離するのが適当であると看護士が判断する迄、分離可能な接続部52にて挿入器具22が留置カテーテル20に接続されたままであることを保証するため、好ましくは、相対的に細い糸状のコード90の形態をした架橋構造体を使用して図10に示すように、留置カテーテル20及び挿入器具22の分離可能な接続部52を一時的に保つ。コード90は、留置カテーテル20の主本体58の側壁60にある小さい穴92を通って内部通路56から伸びている。コード90は、穴92から、留置カテーテルの主本体58の外面及び挿入器具22の管状主本体98の外面に沿って分離可能な接続部52を横断して伸び且つ該分離可能な接続部52を架橋する。コードは、また、挿入器具22の管状主本体98の側壁96にある別の小さい穴94を貫通して伸びて内部通路88に入る。コード90の対向した2つの自由端部分は、内部通路88の長さに沿って伸び、且つハンドル82の中空内部内にて終わる。コード90の端末端部分の各々は、ハンドル82の主本体106の側壁104に形成された小さい穴100、102を通って輪の形状にする。結び目108がハンドル82の中空内部内にてコード90の端末端部分に形成され、コード90の各々をハンドル82に対する所要位置に保持する。
【0062】
結び目108をコード90の端末端にて結んだとき、コード90の長手方向への全ての垂るみは解消される。コード90の全ての長手方向への垂るみを解消すれば、留置カテーテル20の基端及び挿入器具22の末端が共に引っ張られることになる。このため、コード90は、留置カテーテル20が分離可能な接続部52にて挿入器具22から分離するのを防止する。内部通路88、スリーブ84の中央開口部86及び内部通路56を通る連通路は、コード90が留置カテーテル20及び挿入器具22を接続する限り、維持される。
【0063】
留置カテーテル20が挿入器具22に接続された状態に維持される間、洗い流し流体をハンドル82から内部通路88、中央開口部86を通して内部通路56内に強制的に供給することができる。洗い流し流体は、内部通路56内の全ての血塊を溶解させ、通路56を尿が膀胱から流れるよう非閉塞状態に保つ。溶解した血塊は、内部通路56から内部通路88を通って流れるか、又は血塊は、洗い流し流体により膀胱内に押し戻すことができる。勿論、挿入器具22及び留置カテーテル20を通る開放した連通路が存在する間、膀胱からの尿はこの開放した経路を通って流れる。これらの状況下にて尿の流れを制御するためには、弁をハンドル82の内部通路88内に挿入し、尿の排出を制御する必要がある。挿入器具22が括約筋34を通って伸びることは、括約筋が尿の流れを自然に制御することを妨げることになる。
【0064】
好ましくは処置後少なくとも24時間の時点にて、血塊の危険性が減少し、最早、留置カテーテル20の内部通路56を洗い流す必要はなく又は望ましくないと判断されたとき、結び目108の一方又は双方を懈き又は切断する。コード90の一端は、基端方向に向けて引っ張られ、このことによりコードの他の自由端は穴92、94を通して内部通路88内に動かし、次に、内部通路88から外に出て、これにより分離可能な接続部50にて留置カテーテル20を挿入器具22との接続から外す。図10に示すように、コード90が最早、留置カテーテル及び挿入器具を互いに保持しないならば、挿入器具22を基端方向に向けて引っ張り、該挿入器具を上述し且つ図8に示した要領にて留置カテーテル20から分離させる。留置カテーテル20は、図9に示した使用位置に止まっている。
【0065】
挿入器具22を留置カテーテル20から除去する前及び除去した後の双方にて、血塊形成に対する抵抗は、留置カテーテル20及び挿入器具22の一部分を図3に示すように、パリレン(parylene)又は親水性材料のような低摩擦材料の層又は被覆109にて被覆することにより向上する。低摩擦材料の被覆109は、主本体58に施されて、通路56、端部片62及び端部片62の開口部64を含む、側壁60の外側及び内側を被覆する。その他の状況のとき、低摩擦材料の外層109を通路56及び開口部64を含む側壁60の一部として一体的に形成することができる。低摩擦材料は、開口部64及び通路56内の血塊の粘着を減少させ、また、これらの血塊を開口部64及び通路56内に保持する摩擦力を減少させる。この減少した粘着力又は摩擦保持力は、膀胱からの自然の流体の圧力により、又は上述した要領にて挿入器具を通る流体にて留置カテーテルを洗い流すとき、又は以下に説明する除去装置の作用と組み合わせて、血塊を追い出すすることを容易にする。通路56の内面における低摩擦材料は、また通路56を通る尿の流れ及び血塊又はその他の潜在的な閉塞物の流れに対する抵抗を減少させる。主本体58の外面及び挿入器具22の外面における低摩擦材料は、留置カテーテルを尿管36内に挿入することを容易にする。
【0066】
カテーテル20内の内部通路56の血塊の閉塞物に対する耐性を増大する別の技術は、端部片62を貫通する1つ又は複数の入口開口部の寸法を増大させるか、又は血塊の蓄積を阻止するような要領にて入口開口部64の向きを定めるか或いはその双方を行うことである。好ましくは、入口開口部の断面寸法又は複数の入口開口部の全ての合計断面寸法は、内部通路56の断面寸法よりも実質的に大きく、好ましくは、少なくとも2ないし4倍又はそれ以上大きいことが好ましい。増大した寸法及び直接的な向きを有する入口開口部64を採用する留置カテーテル20aないし20dは、図11ないし図14に示されている。低摩擦材料の層又は被覆109(図3)は、図11ないし図14に示したカテーテル20aないし20dと共に使用することもできる。
【0067】
図11に示したカテーテル20aは、端部片62aに形成された単一の拡張した尿排出入口開口部64aを有している。端部片62aは、端部片62(図2及び図3)の長手方向半構造体又は丸味を付けた末端38の一部分を保持するが、丸味を付けた端部38の最末端箇所から基端方向に伸びる実質的な長手方向距離に亙ってその他の長手方向半部分は除去され、実質的に拡大した入口開口部64aを形成する。端部片62a及び入口開口部64aの形状は、留置カテーテル20aの末端がホイッスルの形状又は形態をとるようにする。この理由のため、カテーテル20aは、ホイッスル先端110を有するものとして説明する。膀胱32から内部通路56(図3)内への実質的に拡大した入口開口部64aにより、血塊が入口開口部64a内に蓄積かるのが且つ尿が通路56内にまた通路56を通って流れるのを妨害するのができなくする。ホイッスル先端110の丸味を付けた末端部分は、尿管36内へのカテーテル20aの挿入を容易にする。
【0068】
図12に示した留置カテーテル20bは、端部片62bの周りにて長手方向位置及び周方向位置に隔てられた多数の尿排出入口開口部64bを有している。入口開口部64bの各々は、端部片62bの外側から内部通路56内に連通している。入口開口部64bの各々は、端部片62の丸味を付けた末端38の対の入口開口部64の各々とほぼ同一寸法であるか又はそれよりも僅かに小さいが(図2及び図3)、多数の入口開口部64bは、尿が膀胱からカテーテル20bの通路56内に流れるための全体として大きい経路を提供する。単一の入口開口部64又は1対の入口開口部64ではなくて、多数の入口開口部64bを有することは、血塊により尿が膀胱32から内部通路56(図3)内に流れるのが妨害される可能性を減少させ、また、1つの血塊がカテーテル20bに入り、且つ通路56を閉塞する(図3)可能性を減少させる。1つ又はより多数の入口開口部64bが血塊にて閉塞された状態になった場合、尿は、1つ又はより多数の他方の閉塞していない開口部64bを通って通路56内に流れる。カテーテル20bにおける多数の尿排出入口開口部64bにより、カテーテルは多数の開口部先端111を有するものとして説明される。多数の開口部先端111の丸味を付けた末端38は、カテーテル20bの尿管36内への挿入を容易にする。
【0069】
図13に示した留置カテーテル20cは、クーベレール先端112を有している。クーベレール先端112は、端部片62cの直径方向に対向した側部に配置された1対の相対的に大きい細長い又は楕円形の形状の入口開口部64cを有している。拡大した入口開口部64cは、カテーテルに典型的に見られる入口開口部62よりも実質的に大きい(図2及び図3)。好ましくは、入口開口部64cの各々の断面寸法は、内部通路56の断面寸法よりも実質的に大きいものとする。更に、入口開口部64cの各々の横断寸法は、主本体58の周りの周方向距離の1/4以上であり、入口開口部64cの各々の長手方向寸法は横断寸法よりも大きいことが好ましい。拡大した寸法により、血塊が入口開口部64c内に蓄積するのが且つ尿が内部通路56内に且つ該内部通路を通って流れるのが困難になる(図3)。クーベレール先端112の丸味を付けた末端38は、尿管36内へのカテーテル20cの挿入を容易にする。
【0070】
図14に示した留置カテーテル20dは、斜角面付き先端114を有している。端部片62dは、端部片62dの末端38からカテーテルの軸線に対して長手方向ではなくて横方向に鋭角な角度にて伸びる多少平坦な斜角面116を有している。斜角面116には単一の尿排出入口開口部64dが形成されている。斜角面116はカテーテル20の軸線に対し横方向に角度が付けられているため、入口開口部64dを通る流路は、内部通路56とより直接的に整合し且つ該内部通路に入る(図3)。単一の入口開口部64dは、通路56の断面寸法よりも大きい寸法に形成することができる。入口開口部64dを通ってより直接的に入る流路は、端部片64の開口部62と関係した直角の方向変更を回避する(図2及び図3)。入口開口部64dを通ってより直接的に入る流路は、血塊が蓄積し且つ通路56を妨害する閉塞物又は狭窄物をより少なくする。端部片62dは丸味を付けた末端38を保持し、この末端は、尿管36内へのカテーテル20dの挿入を容易にする。斜角付き面116は、尿管内へのカテーテル20dの挿入も容易にする。
【0071】
血塊及びその他の尿管物質による閉塞は、図15に示すように除去装置120を留置カテーテル20e内に組み込むことにより回避することもできる。除去装置120は、カテーテル20eの内部通路56内に配置され、また、内部通路56に沿って長手方向に可動である閉塞物除去接触要素(例えば、ブラシ構造体122)を有している。閉塞物除去接触要素は、通路56内の血塊又はその他の閉塞物を追い出すし、又は血塊又は閉塞物をより小さい片に破断し、又は図16に示すように、血塊除去接触要素を通路56内にて動かす結果、開口部64内の血塊又は閉塞物の蓄積物を破断することになる。血塊及び閉塞物を追い出すし又は破断することは、尿が流れるための通路56を開放し且つ閉塞物を尿の流れと共に尿路外に運ぶことになる。
【0072】
除去装置120の接触要素の1つの形態は、ブラシ構造体122を形成するよう互いに保持された複数の剛毛により形成されたブラシ構造体122を利用する。通常の使用状態下にて、ブラシ構造体122は、図15に示すように、入口開口部64から僅かに末端方向に隔てられた端部片62内の通路56の内部末端124にて格納位置に保持する。ブラシ構造体122は、ブラシ構造体122と通路56の内側末端124との間を伸びる戻しばね126からの偏倚力により格納位置に保持される。その格納位置において、ブラシ構造体122は、入口開口部64及び内部通路56を通る尿の流れを妨害することはない。
【0073】
糸状つなぎ部材128がブラシ構造体122及びばね126に取り付けられ、該つなぎ部材128は、戻しばね126と反対側のブラシ構造体122の側部にてカテーテル20eの通路56を貫通して伸びている。カテーテル20eが挿入器具22(図1)に取り付けられたとき、つなぎ部材128は、通路56及び挿入器具22の内部通路88を通って伸び(図10)、且つハンドル82から外に出る(図1)。留置カテーテル20eが膀胱及び前立腺(図7)内のその最終の使用位置に尿管36内に挿入されたならば、挿入器具22を留置カテーテル20eとの接続から外し、上述した要領にて挿入器具22を除去する。つなぎ部材128が挿入器具の内部通路88を通って動く結果、挿入器具22が除去されるとき、つなぎ部材128は尿管36内の所要位置に止まる。つなぎ部材128の基端は、尿管36の外側に止まっている。
【0074】
通路56を通る尿の流路が血塊により妨害されたと判断されたとき、図16に示すように、尿管36の外側にてつなぎ部材128の基端を引っ張ることにより、ブラシ構造体122は格納位置(図15)から外へ動き且つ内部通路56に沿って長手方向に基端方向に動く。戻しばね126の弾性は、基端に向けた長手方向への動きを許容する。ブラシ構造体122が通路56に沿って動くと、血塊又は閉塞物にはブラシ構造体122が接触する。ブラシ構造体が長手方向に動くことは、血塊を入口開口部64及び通路56から追い出し且つせん断することになる。内部通路56内にてブラシ構造体122の偏向した剛毛は、入口開口部64を通って外方に反発動作し、血塊又は閉塞物をこれらの入口開口部外に押し出す。ブラシ構造体122の剛毛は、入口開口部及び通路56内の血塊又は閉塞物をより小さい片にせん断し又は破断する。移動し、破断されて小さくなった血塊又は閉塞物は、尿と共に開放した通路56を通って尿管36内に流れるか、又はブラシ構造体122の動きにより血塊又は閉塞物は通路56を通ってカテーテル20e外に押し出される。その後、血塊又は閉塞物は、尿管36の残りの部分を通って進み、尿の流れと共に身体外に流れる。つなぎ部材128は、閉塞物除去装置120を作動させる作動装置の1つの形態を構成する。
【0075】
ブラシ構造体122が入口開口部64及び通路56から血塊を除去した後、つなぎ部材128を解放し、戻しばね126はブラシ構造体122を引っ張って図16に示した位置から図15に示した通路56の内側末端124における格納位置に戻す。その後、尿は、再度正常な要領にて通路56を通って流れることができる。入口開口部64又は通路56が再度閉塞したならば、ブラシ構造体122は、再度、つなぎ部材128を引っ張ることにより長手方向に動かして入口開口部64及び通路56を通る尿の流路から閉塞物を除去することができる。閉塞物除去装置120は、この要領にて必要なだけ多数回使用し、カテーテル20eを尿の流れに対して開放された状態に保つことができる。
【0076】
閉塞物除去装置120の1つの代替的な形態は、尿の流路を閉塞物無しにするため1回だけ使用されるようにする。この状況において、戻しばね126は、廃止される。ブラシ構造体122は、内側末端124にて剛毛と通路56の内面との間の摩擦力により格納位置に保持される(図15)。通路56を通る尿の流れが閉塞したならば、つなぎ部材128を引っ張り且つブラシ構造体122を通路56を通して長手方向に格納位置から動かし(図16)、これにより通路から血塊又は閉塞物を除去する。つなぎ部材128を続けて引っ張ると、ブラシ構造体122は内部通路56から尿管36内に除去される。次に、除去装置120を尿管36から完全に引っ張り出す。
【0077】
この要領にて、ブラシ構造体122が留置カテーテル20eの内部から除去されると同時に閉塞物が除去される。除去装置120はこの要領にて1回だけ使用することができるが、1回だけの使用は、これらTUMT、熱治療及びその他の患者に対し満足し得ることが判明しており、かかる患者に対して血塊及びその他の閉塞物が重大な問題となることは予想されない。また、治癒する間、外科医が留置カテーテル20eを定期的に交換することを知り、又は好むならば、1回だけ使用の除去留置カテーテル20eを使用することを所定の手順として規定することもできる。
【0078】
除去装置120は、挿入器具22がカテーテル20を洗い流すため、留置カテーテル20eに接続されたままである間に使用することができる。つなぎ部材128は挿入器具22内の内部通路88を通って伸び、このため、内部通路88を通り且つ内部通路56内に入る洗い流し流体の流れに干渉することはない。洗い流しと組み合わせ又は洗い流しと交互に除去装置120を使用することで血塊又は閉塞物を除去することは、それ自体にて洗い流すことが閉塞物を解消するのに不十分である状況に備えて準備しておくことができる。除去装置120を使用することはまた、洗い流し前に血塊又は閉塞物をルーズにし且つ破壊することにより洗い流し効果を向上させることもできる。この要領にて、洗い流しの量及び程度を減少させることができ、このことは既に満杯の膀胱内に追加的な洗い流し流体を強制的に供給することに関連する不快感を最小限にする点にて重要である。
【0079】
洗い流し流体を内部通路88及び内部通路56内に強制的に供給することは、ブラシ構造体122を格納位置に動かして戻すことにもなる。この状況において、戻しばね126は、除去装置120を多数回使用するのに不要である。洗い流し流体を内部通路88及び内部通路56内に強制的に供給することは、ブラシ構造体122を格納位置に戻し、これにより戻しばね126を助けることもできる。
【0080】
図15に示すように、入口開口部64が最末端端部38の僅かに基端方向に隔てられたこれらのカテーテルにおいて(例えば、図3、図12、図13)、除去装置120の格納位置は、内部通路56内の最末端開口部64の僅かに末端側である。最末端端部38まで伸び又は該最末端端部38を通る入口開口部を有するこれらのカテーテルにおいて(例えば、図11、図14)、除去装置120は、ブラシ構造体122と異なる形態をとることができ、或いは尿の流れの一部は、通常、ブラシ構造体122を通るようにすることができる。除去装置120の異なる形態は、該除去装置が内部通路56を通る正常な尿の流れの経路外に動くが、入口開口部64を横断し、且つ入口開口部内の閉塞物を除去し得るような要領にて内部通路56に沿って動くことを許容する。このことは、除去装置120を内部通路56内にて長手方向に動かすだけではなくて、除去装置120を内部通路56内にて回転させ且つ長手方向に動かすことにより実現することができる。入口開口部64が十分に大きいならば、入口開口部64の一部分にブラシ構造体122が存在することは問題とならないほど入口開口部64の寸法が大きいので露出したブラシ構造体122は、正常な尿の流れに実質的に干渉することはない。ブラシ構造体122自体に形成されるであろう全ての血塊は、またブラシ構造体が内部通路56内に動くとき内部通路内に存在するその他の閉塞物を破断し、せん断し、且つ押し出しつつ、破断される。
【0081】
参照番号64aないし64dの拡大した尿入口開口部の形態及び除去装置120は、部分長さの留置カテーテルと関連して示したが、これらは、また標準長さのカテーテルにて使用するため適用することも可能である。標準長さのカテーテルに対する使用は、挿入器具22が部分長さのカテーテルに接続されている間に行われるものと同一の要領にて行われる。
【0082】
説明した要領にて、部分長さのカテーテルは、尿の流れを開始させ且つ停止させるため、外尿道括約筋34を随意に自然に使用することを許容する。前立腺30内に留置カテーテルが存在することは、尿の流れの殆んどを外科的方法の影響を受けた前立腺30の組織と接触しないよう迂回させ、これにより痛み及び刺激を防止し又は軽減することになる。留置カテーテルの内部通路内に蓄積し且つ血塊に起因する閉塞物を生じる可能性のある全ての血液は、挿入器具22を除去する前に、留置カテーテルの内部から洗い流され、且つ除去される。挿入器具22を留置カテーテル20から分離させることは、血塊及び同様のものによる閉塞の危険性が解消される迄、遅らすことができる。
【0083】
留置カテーテルは、また疾病状態となり、且つBPH又はその他の疾病により膨れた前立腺30を通って尿が流れるための通路を保証する。カテーテルは、拡張したバルーン40及びコイル部分54の定着効果のため確実に使用し得る所要位置に止まり、これにより、偶発的に変位したカテーテルを元の位置に戻し且つ除去するための更なる外科的方法の危険性を軽減する。血塊のような、カテーテルに入り、且つカテーテルを通る尿の流れを妨害する閉塞物は、低摩擦被覆及びカテーテル末端における入口開口部64の各種の形態により減少し又は解消される。内部通路56が閉塞したならば、カテーテル20を交換するための外科的方法に頼らずに、血塊又はその他の閉塞物の除去装置120を通路56内にて選択的に動かし、閉塞物を解消することができる。部分長さの留置カテーテルは、また外尿道括約筋により正常な要領にて尿の流れに対する自然の制御機能を保つ。
【0084】
本発明の現在の好ましい実施の形態及びその改良点の多数に関してある程度具体的に上記に説明した。この説明は、本発明を具体化する好ましい例であり、必ずしも本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲により規定される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】挿入器具に取り付けられ且つ注射器と共に使用される状態で示した、本発明を具体化する留置前立腺カテーテルの斜視図である。
【図2】挿入器具が除去され、留置カテーテルのバルーンが膨張した状態にある、図1に示した留置前立腺カテーテルの拡大斜視図である。
【図3】図2を通って実質的に長手方向軸方向面に沿った拡大長手方向断面図である。
【図4】図1の実質的に線4−4の面に沿った拡大横方向断面図である。
【図5】図1の実質的に線5−5の面に沿った、図1に示した留置カテーテル−挿入器具組立体の分離可能な接続部の拡大部分長手方向軸方向断面図である。
【図6】全体的な生理機能を断面図にて示した、人間の尿路の尿道、尿道括約筋、尿道前立腺部及び膀胱内に挿入された、図1に示した留置カテーテル及び挿入器具の一部分を示す斜視図である。
【図7】膀胱内にて拡張したバルーンを示す、図6と同様の図である。
【図8】挿入器具が留置カテーテルから分離した状態を示す、図6及び図7と同様の図である。
【図9】留置カテーテルの位置及び使用状態を示す図6ないし図8と同様の図である。
【図10】図5に示した分離可能な接続部の代替的な実施の形態及び本発明のその他の特徴を示す、図1に示したカテーテル−挿入器具組立体の部分拡大切断図である。
【図11】末端の形態が相違する、図2に示したものと同様の留置カテーテルの斜視図である。
【図12】末端の形態が更に別のものである、図11に示したものと同様の留置カテーテルの斜視図である。
【図13】末端の形態が更に別のものである、図11及び図12に示したものと同様の留置カテーテルの斜視図である。
【図14】末端の形態が更に別のものである、図11ないし図13に示したものと同様の留置カテーテルの斜視図である。
【図15】格納位置に配置された閉塞物除去装置を更に有する、図3に示したものと同様の留置カテーテルの断面図である。
【図16】図15に示した位置から閉塞物を除去する作動位置までカテーテルの内部通路内にて長手方向に移動した除去装置を示す、図15に示したものと同様の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿路の尿管内への尿の流れを制御する外尿道括約筋の孔に隣接する位置まで尿を膀胱から排出すべく尿路内に挿入されるカテーテルにおいて、
末端と、基端と、末端を膀胱内に配置し且つ基端を外尿道括約筋の孔に隣接し、且つ該孔の末端側に配置するのに十分な長さとを有する主本体であって、末端から基端まで伸び、ある断面寸法を有する尿を排出する内部通路を画成する主本体と、
主本体の末端に取り付けられ、且つ主本体が膀胱内にて膨張して主本体の末端が膀胱内に配置され、主本体の基端が外尿道括約筋の孔に隣接し、且つ該孔の末端側に配置される使用位置から、基端方向に、尿路内にて動くのを防止する末端側アンカーと、
主本体が尿路内にて使用位置から末端方向に動くのを防止すべく主本体の基端に取り付けられた基端側アンカーと、
主本体の末端を貫通して内部通路内に伸びる少なくとも1つの尿入口開口部とを備え、入口開口部の各々は、ある断面寸法を有し、末端の全ての入口開口部の合計断面積寸法は、内部通路の断面寸法よりも大きく、尿及び血塊が膀胱から内部通路を通って尿路内に流れるのを容易にする、尿路内に挿入されるカテーテル。
【請求項2】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
末端側アンカーは、主本体の末端に取り付けられたバルーンを備え、バルーンは、膀胱内にて拡張されたとき寸法が膨張して主本体の末端を膀胱内に維持し、且つ主本体が使用位置から基端方向に動くのを防止することができ、
末端と、基端と、末端と基端との間を伸びるある長さとを有する拡張管であって、拡張管の末端が主本体に接続され、拡張管の長さが外尿道括約筋の孔及び尿管を通って主本体から尿管の外側開口部の外側の位置まで伸びるのに十分である拡張管とを備え、拡張管及び主本体は、拡張管の基端からバルーンまで伸びる拡張通路を確立し、拡張通路を通って流体を送り出しバルーンを拡張させる、カテーテル。
【請求項3】
請求項2に記載のカテーテルにおいて、
基端側アンカーは、主本体が使用位置にあるとき、括約筋に隣接し且つ括約筋の基端側となる位置に配置される拡張管のコイル部分を備え、コイル部分は、収縮したとき、主本体が外尿道括約筋と相互作用し使用位置から末端方向に動くのを防止する、カテーテル。
【請求項4】
請求項3に記載の留置カテーテルにおいて、
コイル部分は、各々が拡張管により形成された複数の個別の隣接する弾性的コイルを備える、カテーテル。
【請求項5】
請求項3に記載の留置カテーテルにおいて、
コイル部分は、中央開口部と、外側横断寸法とを有し、主本体は、外側横断寸法を有し、コイル部分の外側横断寸法は、主本体の外側横断寸法と少なくとも等しい、カテーテル。
【請求項6】
請求項5に記載の留置カテーテルにおいて、
尿路内にて留置カテーテルを使用位置まで動かし得るように主本体に接続される挿入器具であって、第一及び第二の両端部と、第二の端部が尿管の外側にある間、第一の端部を括約筋の末端側の尿路内に配置するのに十分な長さとを有する挿入器具を組み合わせて備え、
挿入器具は、挿入器具が留置カテーテルに接続されたとき、コイル部分の中央開口部を貫通して伸びる、カテーテル。
【請求項7】
請求項6に記載の留置カテーテルにおいて、
主本体と挿入器具との間の分離可能な接続部を更に備える、カテーテル。
【請求項8】
請求項7に記載の留置カテーテルにおいて、
分離可能な接続部は、留置カテーテルを使用位置に配置するとき、挿入器具及び留置カテーテルを一体として動かし得るよう主本体を挿入器具に接続し、
分離可能な接続部は、主本体が膨張したバルーンが使用位置から基端方向に動くのを防止するとき、挿入器具の連続的な基端方向への動きに応答して主本体を挿入器具から分離するのを許容する、カテーテル。
【請求項9】
請求項6に記載の留置カテーテルにおいて、
挿入器具は、挿入器具の第一及び第二の両端部の間で伸びる内部通路を画成し、
挿入器具の内部通路は、挿入器具が分離可能な接続部にて留置カテーテルに接続されたとき、主本体の内部通路と流体的に連通する、カテーテル。
【請求項10】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
主本体の末端は丸味を付けた先端を有し、
単一の入口開口部は主本体の末端を貫通して伸び、
単一の入口開口部は、丸味を付けた先端の長手方向半部分と丸味を付けた先端に隣接する末端とが存在しないことにより画成された所定の形態を有し、長手方向半部分は実質的に丸味を付けた先端の長手方向二等分部分により画成され、末端の部分は丸味を付けた先端に隣接するようにし、
単一の入口開口部、丸味を付けた先端の残りの長手方向半部分及び末端が主本体の末端のホイッスル先端の形状を確立する、カテーテル。
【請求項11】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
主本体の末端は丸味を付けた先端を有し、
複数の入口開口部は主本体の末端を貫通して伸び、
入口開口部の各々は、丸味を付けた先端に隣接する末端の部分に沿って隣接する入口開口部から長手方向に、且つ周方向に隔てられる、カテーテル。
【請求項12】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
主本体の末端は丸味を付けた先端を有し、
2つの入口開口部は、主本体の末端を貫通して伸び、
2つの入口開口部は、丸味を付けた先端に隣接する主本体の末端部分にて互いに半径方向反対側の位置に配置され、2つの入口開口部の各々は、ある断面寸法を有し、2つの入口開口部の各々の断面寸法は、内部通路の断面寸法よりも実質的に大きく、
2つの入口開口部の各々は、主本体の周りの周方向距離の四分の一以上である周方向寸法を有し、
2つの入口開口部の各々は、末端に沿って長手方向に伸びる細長い開口部の各々のより長い寸法にて細長とされ、
2つの入口開口部は、主本体の末端のクーベレール先端の形態を画成する、カテーテル。
【請求項13】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
主本体の末端は、末端を貫通する長手方向軸線に対し鋭角な角度にて実質的に横切る方向に伸びる斜角付き面を有し、
単一の入口開口部は主本体の末端を貫通して伸び、
単一の入口開口部は、斜角付き面を貫通して主本体の内部通路内に実質的に直接的に伸びる、カテーテル。
【請求項14】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
入口開口部の各々内にて、且つ内部通路に沿って主本体の末端上を伸びる低摩擦被覆を更に備える、カテーテル。
【請求項15】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
内部通路内に配置された除去装置であって、1つの入口開口部を通って内部通路内を動き、1つの開口部及び内部通路内の血塊及び閉塞物と接触し、且つ該血塊及び閉塞物を分離させ、また、内部通路を通る尿の流れと共に血塊及び閉塞物が動き易くする接触要素を有する除去装置を更に備える、カテーテル。
【請求項16】
請求項15に記載のカテーテルにおいて、
接触要素に接続され、且つ尿路を通って尿管の外側開口部の外側の位置まで伸びる作動装置を更に備え、
接触要素は、尿管の外側開口部の外側の位置にて作動装置を操作することにより選択的に動くようにする、カテーテル。
【請求項17】
請求項16に記載のカテーテルにおいて、
カテーテルを使用位置まで尿路内に挿入する挿入器具であって、主本体の基端と接続する末端と、尿管の外側開口部の外側位置まで伸びる基端とを有し、その末端からその基端まで伸びる内部通路を有し、内部通路は、挿入器具の末端が主本体の基端と接続されたとき、主本体の内部通路と連通する挿入器具を組み合わせて更に備え、
作動装置は、挿入器具が主本体に接続されたとき、挿入器具の内部通路を通って伸びる、カテーテル。
【請求項18】
尿を膀胱から尿管内に、且つ尿管の外側開口部外に排出すべく尿路内に挿入されるカテーテルにおいて、
末端と、末端を膀胱内に配置するのに十分な長さとを有し、尿を排出する内部通路を画成する主本体と、
末端を貫通して内部通路内に伸びて尿を膀胱から内部通路内に流す尿路入口開口部と、
内部開口部を経て且つ内部通路に沿って動いて、入口開口部及び内部通路内の閉塞物と接触し、且つ内部通路を通る尿の流れにより閉塞物の動きを容易にし得るように内部通路内に可動に配置された接触要素を有する除去装置とを備える、カテーテル。
【請求項19】
請求項18に記載のカテーテルにおいて、
接触要素に接続され且つ内部通路を貫通して伸び、また、尿管を通って主本体から尿管の外側開口部の外側位置まで伸びる作動装置であって、尿管の外側開口部の外側位置にて作動装置を操作することにより、接触要素を動かす作動装置を更に備える、カテーテル。
【請求項20】
請求項19に記載のカテーテルにおいて、
接触要素は、尿管の外側開口部の外側位置にて作動装置を操作することにより内部通路を通り、且つ主本体外に除去し、また、輸送し得るよう内部通路内に保持される、カテーテル。
【請求項21】
請求項18に記載のカテーテルにおいて、
接触要素を最初の位置に偏倚させ、該位置から接触要素が動き始めるように接触要素と主本体との間に接続された戻し要素を更に備え、
前記戻し要素は、接触要素が入口開口部を経て、且つ内部通路に沿って動いた後、接触要素をほぼ最初の位置まで動かして戻す、カテーテル。
【請求項22】
請求項18に記載のカテーテルにおいて、
接触要素は、接触要素がそこから動き始める内部通路内の最初の位置を占め、
接触部材は、接触要素が入口開口部を経て、且つ内部通路に沿って動いた後、主本体の内部通路を通じて流体圧力を加えることにより、開始位置に戻る、カテーテル。
【請求項23】
外尿道括約筋から外部開口部まで伸びる尿管も含む尿路内にて外尿道括約筋に隣接する位置まで尿を膀胱から排出する留置カテーテルにおいて、
末端と、基端と、末端を膀胱内に配置し且つ基端を尿路内にて括約筋に隣接し、且つ括約筋の末端側に配置するのに十分な長さとを有する主本体であって、末端から基端まで伸びる尿を排出する内部通路を画成する主本体と、
主本体の末端に取り付けられたバルーンであって、末端を膀胱内に維持し且つ主本体が尿路内にて使用位置から動くのを防止し得るよう膀胱内にて寸法が膨張可能であるバルーンと、を備え、使用位置は、主本体の末端を膀胱内に配置し、また、主本体の基端を外尿道括約筋に隣接し且つ外尿道括約筋の外側の位置に配置し、
末端と、基端と、末端と基端との間を伸びるある長さとを有する拡張管であって、末端は主本体に接続され、長さは、主本体が使用位置にあるとき、尿管を通って外側開口部まで伸びるのに十分であり、拡張管及び主本体は、拡張管の基端からバルーンまで伸びる拡張通路を確立し、拡張通路を通って流体を送り出しバルーンを拡張させる、拡張管と、
拡張管のコイル部分であって、主本体が使用位置に配置されたとき、コイル部分を括約筋に隣接し且つ、括約筋の基端側にて尿管内に配置し得るよう拡張管に沿った位置にて形成され、外尿道括約筋による尿路の収縮部と相互作用し、主本体が使用位置から末端方向に尿路内にて動くのを防止するコイル部分とを備える、留置カテーテル。
【請求項24】
括約筋から外側開口部まで伸びる尿管も含む尿路内にて括約筋の末端側の位置まで尿を膀胱から排出する方法において、
留置カテーテルが膀胱から括約筋の末端側に隣接する位置まで伸びる尿路内の使用位置に拡張可能なバルーンを有する留置カテーテルを配置するステップと、
尿路内にてコイル部分を有する拡張管を括約筋により取り囲まれた尿管の部分を通して留置カテーテルから且つ外側開口部外に伸ばすステップと、
流体を拡張管を通し且つバルーン内に送り出すことにより、バルーンを膀胱内にて拡張させるステップと、
拡張したバルーンにて膀胱に接触することにより、使用位置から基端方向に動かないよう留置カテーテルを保持するステップと、
収縮部の基端方向に隣接する位置にて括約筋による尿路の収縮部がコイル部分に接触することにより、留置カテーテルが使用位置から末端方向に動くのを防止するステップと、
留置カテーテルを通して括約筋の末端方向に隣接する尿路内の位置まで尿を膀胱から排出するステップとを備える、尿を膀胱から排出する方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、
留置カテーテルを挿入器具に取り付けるステップと、
留置カテーテルが挿入器具に接続されている間、留置カテーテルを外側開口部から尿路内に挿入するステップと、
留置カテーテルを使用位置に配置し得るよう挿入器具を操作するステップと、
留置カテーテルが使用位置に配置された後、挿入器具を留置カテーテルから取り外すステップと、
挿入器具を留置カテーテルから取り外した後、挿入器具を尿路から引き出すステップとを更に備える、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、
内部通路を挿入器具の対向する第一の端部と第二の端部との間にて伸ばすステップと、
挿入器具が留置カテーテルに取り付けられたとき、挿入器具の内部通路の間にて且つ留置カテーテルの内部通路内への流体的連通路を確立するステップと、
挿入器具の内部通路を通り、且つ留置カテーテルの内部通路内に洗い流し流体を連通させるステップとを更に備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2007−505681(P2007−505681A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526853(P2006−526853)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001320
【国際公開番号】WO2005/025665
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(500155154)プロスタルンド オペラションス アーベー (2)
【Fターム(参考)】