説明

膨脹性塗料用の重合体結合剤

膨脹性塗料用の重合体状結合剤に(として)使用する、ニュートン共重合体と網状共重合体の混合物を含んでなり、該ニュートン共重合体および網状共重合体が置換されたスチレンおよび置換されたアクリレートからなり、少なくともp−メチルスチレン(PMS)および2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を含んでなる共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火塗料、より詳しくは、優れた防火性能を与える膨脹性塗料用の重合体状結合剤に(として)使用する共重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
膨脹性塗料組成物は、この分野で良く知られている。膨脹性塗料の傑出した特徴は、基材、例えば金属、木材、プラスチック、グラファイトおよび他の材料、上に、比較的小さな被膜厚さを有する被覆の様式で塗布できることである。火、熱または炎にさらされた時、膨脹性塗料は厚さに関して著しく膨脹し、チャーおよびチャーフォームの絶縁層を形成する。
【0003】
最も一般的に使用されている膨脹性塗料は、結合剤マトリックス中に分散された「反応性顔料」と呼ばれることがある、4種類の基本成分を含む。反応性顔料は、
(1)温度100〜250℃で酸を生じる無機酸または材料、例えばリン酸を生じるポリリン酸アンモニウム、
(2)炭素供給源、例えば炭素水和物とも呼ばれる、炭素濃度が高い多価材料、例えばペンタエリトリトールまたはジペンタエリトリトール、
(3)有機アミンまたはアミド、例えばメラミン、および所望により
(4)分解して塩酸ガスを放出するハロゲン化材料
を包含する。
【0004】
発生した酸と多価材料の脱水反応による炭素質チャーの形成を包含する基本的な膨脹機構が提案されている。アミンは、チャー形成に関与し得るが、主として絶縁性チャーフォームを形成するための発泡剤として説明される。絶縁性チャーは火を阻止し、基材上に止まり、苛酷な火災条件下で火と熱に対して不燃型塗料よりも効果的に保護する。
【0005】
数多くの特許および文献が、一種以上の重合体状材料を、リン酸塩含有材料および炭素系(carbonific)または炭素形成材料との組合せで含む膨脹性組成物を開示している。
【0006】
ヨーロッパ特許第0902062号明細書では、膨脹性塗料組成物は、被膜形成結合剤としてビニルトルエン/アクリレート共重合体またはスチレン/アクリレート重合体を含んでなることができる。
【0007】
米国特許第3654190号明細書では、膨脹性塗料は、チャー形成剤として作用する塩素化天然ゴムと組み合わせた固体のビニルトルエン/ブタジエン共重合体を含む。
【0008】
ヨーロッパ特許第0342001号明細書では、膨脹性塗料用の重合体状結合剤が、大量の第一モノマーおよび少量の第二モノマーから形成された共重合体を含んでなり、該第二モノマーは、熱に敏感なコモノマーであり、好ましくは単量体状アルデヒド、例えばアクロレイン、である。
【0009】
国際特許第WO01/05886号明細書では、エマルション形態にある重合体状結合剤が、組成物を乾燥させた時に被膜を形成し、重合体状結合剤はスチレン/アクリレート共重合体でよい。
【0010】
塗料業界は、防火の必要条件を満たすのみならず、望ましい被覆特性も有する防火塗料を求めている。膨脹性塗料の処方に使用される反応性顔料は、それ自体では、望ましい被覆特性を与えるには不十分である。例えば、膨脹性塗料は、従来の塗料に期待される性能特性のすべてに加えて、防火という追加の有益性も提供しなければならない。防火特性および良好な被覆特性の両方を一つの系に取り入れるのは、簡単なことではない。例えば膨脹性塗料を処方するための添加剤の組合せにより、被覆特性と防火特性の両方が劣った処方物が得られることが多い。
【0011】
結合剤の化学的および物理的特性は、膨脹性塗料の機能にとって非常に重大であることが分かった。一方で、結合剤は、安定したチャーを形成するのに、あまり急速に軟化または融解すべきではない。他方、結合剤の粘度は、拡散およびチャー形成と相関している。
【0012】
従って、火災の初期段階では火炎の広がりを抑制し、火災の最後の段階ではチャー形成および膨脹を促進するような、膨脹性塗料用重合体結合剤を提供することが望まれている。
【0013】
膨脹性塗料用の結合剤として、線状重合体と架橋した重合体の組合せを使用することにより、チャー形成が最適化され、塗料の絶縁特性が強化されることが分かった。
【0014】
その上、本発明者らは、共重合体がスチレンをより多く含む程、リンとの相互作用が低下することを見出した。反対に、共重合体がp−メチルスチレン(PMS)をより多く含む程、リンとの相互作用が活発になり、良好な膨脹が得られる。
【0015】
本発明者らは、本発明の膨脹組成物の特性が、共重合体のリンと反応する能力、およびp−メチルスチレン(PMS)および2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)の存在と相関していることをさらに発見した。
【0016】
従って、本発明は、膨脹性塗料用の重合体状結合剤に(として)使用する共重合体であって、ニュートン共重合体と網状(reticulated)共重合体の混合物を含んでなり、該ニュートン共重合体および網状共重合体が置換されたスチレンおよび置換されたアクリレートからなり、少なくともp−メチルスチレン(PMS)および2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を含んでなる共重合体を提供する。
【0017】
本発明は、別の態様で、上記の重合体状結合剤を含む膨脹性防火塗料およびそのような塗料を形成する方法も提供する。
【0018】
網状共重合体は、チキソトロピー性共重合体および疑似塑性共重合体を含んでなる群から選択される。
【0019】
本発明では、ニュートン共重合体とは、溶剤に溶解させた時にニュートン粘度プロファイルを与える、すなわち粘度がせん断に依存しない共重合体を意味し、チキソトロピー性共重合体とは、溶剤に溶解させた時に、せん断により溶液の粘度が下がり、放置した時に時間と共に元の状態に戻る共重合体を意味し、疑似可塑性共重合体とは、溶剤に溶解させた時にせん断により溶液の粘度が下がる共重合体である。
【0020】
PMSと2EHAの比は、100/0〜50/50、好ましくは90/10、好ましくは80/20、より好ましくは75/25にすべきであることが分かった。
【0021】
本発明の重合体状結合剤として使用する共重合体は、他の置換されたスチレン、例えばp−tert−ブチルスチレン(PTBS)および/または他の置換されたアクリレート、例えばイソブチルメタクリレート(IBMA)をさらに含むことができる。
【0022】
好適なニュートン共重合体の例には、すべてELIOKEMの商品名である、Pliolite VTAC-L、Pliolite VTAC-H、Plioway ECH、Plioway Ultra 200、Plioway EClが挙げられる。
【0023】
好適な網状共重合体の例には、すべてELIOKEMの商品名である、Pliolite AC3H、Plioway ECL、Plioway Ultra G20、Plioway EC-Tが挙げられる。
【0024】
ニュートンおよび網状共重合体は重合により製造され、該重合は、バルク、溶液、懸濁液またはエマルション重合で行われる。最良の様式は、従来のエマルション重合である。
【0025】
次いで、重合体状結合剤は、従来の技術により、例えば従来の反応性顔料系、分散剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、塩素化パラフィン溶剤、および所望の膨脹性塗料の製造に通常使用される他の添加剤(ワックス、充填材、繊維、沈降防止剤、等)との混合、により処方することができる。
【0026】
本発明により、該重合体状結合剤を形成する最良の様式は、(a)ニュートンおよび/または網状共重合体を溶剤または水に溶解させる工程、(b)所望により塩素化パラフィンを加える工程、(c)混合物を均質化し、添加剤を加える工程を含んでなる。
【0027】
本発明の膨脹性塗料は、好ましくはフォーム形成物質としてリン酸および/またはポリリン酸のアンモニウム塩、より好ましくはポリリン酸アンモニウムを含む。
【0028】
本発明の膨脹性塗料は、炭素形成物質として炭素水素化物、好ましくはペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトールおよび/またはペンタエリトリトールの重縮合物を含むのが好ましい。
【0029】
本発明の膨脹性塗料は、ハロゲンを含んでいても、ハロゲンを含まなくてもよい。
【0030】
本発明の膨脹性塗料は、様々な表面、好ましくは鋼、木材、電気ケーブルおよびパイプを保護するための、刷毛塗り可能な、スプレー可能な、またはロール塗り可能な塗料形態で使用する。
【0031】
本発明の膨脹性塗料は、水系または溶剤系組成物でよい。
【0032】
本発明の膨脹性塗料は、屋根材で引火および火炎の拡散を防止するために、不燃性基剤、例えば建物における構造鋼材、梁、等に、あるいは容器または貯蔵タンクで、非常に高い温度にさらされることにより弱体化するのを防止するために使用することができる。
【0033】
下記の例および図面により、本発明の結合剤を含む膨脹性塗料処方物を使用する本発明を説明する。
【0034】
例1 重合体状結合剤の熱安定性
1.1.測定
各種組成物の熱安定性を熱重量分析により測定する。
【0035】
熱重量分析(TGA)は、10℃/分で、合成空気または窒素(流量5x10−7/s、液体空気等級)下、Setaram MTB 10-8微量天秤を使用して行った。それぞれの場合、使用した試料の質量を10mgに固定し、試料(粉末混合物)を開いた融解石英(vitreous silica)パン中に配置した。温度測定の精度は温度全域にわたって1.5℃であった。実験および理論的TGA曲線間の重量差曲線を下記のように計算した。
poly(T):共重合体のTGA曲線
add(T):APPのTGA曲線
exp(T):共重合体/APPのTGA曲線
the(T):共重合体およびAPPのTGA曲線間の、直線的組合せにより計算したTGA曲線
the(T):xMpoly(T)+yMAPP(T)、
Δ(T):重量差の曲線:
Δ(T)=Mexp(T)−Mthe(T)
Δ(T)曲線により、添加剤の存在に関連する重合体の熱安定性における最終的な増加または減少を観察することができる。
【0036】
1.2.結果
TGA曲線を図1〜5に示す。
【0037】
スチレン/アクリル(S/A)共重合体(図2)と比較して、PMS/2EHA共重合体(図1)で熱安定性が増加している。
【0038】
類似の結果は、架橋共重合体(図3および4)で得られている。
【0039】
様々な比のPMS/2EHA共重合体で得た図5の理論的および実験的重量損失(Δ(T))の差は、置換されたスチレン(PMS)のレベルが増加するにつれて、安定性が増加することを示している。
【0040】
例2 膨脹性塗料の製造
様々な組成物を製造した。第一系列の塗料は、重合体状結合剤の性質の火災性能に対する効果を見るために、塩素化パラフィンを加えずに製造した。第二系列の塗料は、塩素化パラフィンを加えて製造した。
【0041】
塗料は、線状重合体PMS/2EHA、架橋した重合体PMS/2EHA、線状S/A重合体、架橋したS/A重合体または比較用の市販S/A共重合体で調製した。
【0042】
これらの共重合体は、高せん断下で溶剤中に溶解させ、次いで塩素化パラフィンを必要に応じて加え、均質化した後、顔料を記載した順に分散させた。
【0043】
これらの組成物を表1に示す。

表1
ニュートン樹脂のみを含む塗料
成分 部
ニュートン樹脂 4.20
Eastman TXIB 0.9
Bentone SD1 1.02
Tioxide TR92 9.18
メラミン 9.18
ジペンタエリトリトール 15.61
Exolit AP422 31.33
Solvesso 100 28.57
ニュートンおよび架橋した樹脂を含む塗料
成分 部
ニュートン樹脂 3.36
架橋した樹脂 0.84
Eastman TXIB 0.9
Bentone SD1 1.02
Tioxide TR92 9.18
メラミン 9.18
ジペンタエリトリトール 15.61
Exolit AP422 31.33
Solvesso 100 28.57
【0044】
2.1 塩素化パラフィンを含まない塗料
塗料A1 ニュートンPMS/2EHA(75/25)共重合体
塗料A2 ニュートン架橋PMS/2EHA(75/25)共重合体
塗料B1 ニュートンPMS/2EHA/アクリル共重合体(50/14/36)
塗料B2 ニュートン架橋PMS/2EHA/アクリル共重合体(50/14/36)
塗料C1 ニュートンスチレン/2EHA/アクリル共重合体(50/14/36)
塗料C2 ニュートン架橋スチレン/2EHA/アクリル共重合体(50/15/36)
【0045】
2.2 塩素化パラフィンを含む塗料
これらの組成物を表2に示す。

表2
塗料1
成分 部
ニュートンPMS/2EHA樹脂 6.5
架橋したPMS/2EHA樹脂 2.5
Celeclor S52 3.0
Celeclor 70 6.5
Tioxide TR92 6.0
ジペンタエリトリトール 8.0
メラミン 8.5
Exolit AP422 26
ホワイトスピリット17 23
Solvesso 100 10
塗料2
成分 部
ニュートンPMS/2EHA/PTBS樹脂 6.36
架橋したPMS/2EHA/PTBS樹脂 0.71
Celeclor S52 2.78
Celeclor 70 4.29
Tioxide TR92 8.08
ジペンタエリトリトール 12.12
メラミン 13.13
Exolit AP422 22.22
ホワイトスピリット17 30.3
Solvesso 100
塗料3
成分 部
ニュートンスチレン/アクリル樹脂 8.4
架橋したスチレン/アクリル樹脂 2.1
Celeclor 70 8.5
Tioxide TR92 9.5
ジペンタエリトリトール 7.9
メラミン 7.9
Exolit AP422 26.4
ホワイトスピリット17 26.3
Solvesso 100 3.0
比較塗料4
成分 部
比較用ニュートンスチレン/アクリル樹脂 9.0
Celeclor 54DP 5.76
Celeclor S52 3.0
Celeclor 70 1.6
Tioxide TR92 6.0
ジペンタエリトリトール 8.0
メラミン 8.5
Exolit AP422 26.0
ホワイトスピリット17 19.6
Solvesso 100 10.0
ベントナイト 1.0
【0046】
例3 断熱性の評価
3.1 測定
コーン熱量計で耐火性を測定することにより、温度プロファイルを求める。膨脹性塗料の絶縁特性は、35または75kW/mの熱フラックスにさらした被覆した基剤の温度を測定することにより、試験した。100x100x4mmのアルミニウムパネルを膨脹性塗料で被覆し(800g/m)、50℃で48時間乾燥させた。試料を35または75kW/mの熱フラックス下で、ASTM 1356−90およびISO 5660によるStanton Redcroft Cone Calorimeterに露出した(50kW/mは火災の際に放出される熱に相当する、V. Babrauskas in Fire and Mat (1984), 8(2), 81)。
【0047】
熱放出率(RHR)は、特定試料表面に対する発熱流量と時間の関係を表し、酸素消費熱量測定法を使用して測定する。データ(TCO、TCO2、TSVおよびTHR)は、自社製ソフトウエアを使用して計算した。
【0048】
3.2.結果
結果を図6および7に示す。
【0049】
図6のグラフは、結合剤が線状および架橋した重合体の組合せ(塗料A2、B2およびC2)である場合に断熱性が優れていることを示す。この重合体の組合せを使用する場合、被覆した板の背面で測定した温度は、唯一の結合剤として線状重合体を含む場合よりも著しく低い。重合体をPMSおよび2EHAのみ(塗料A2)から製造した場合、または別の置換されたアクリレートと関連させた場合(B2)に塗料は特に効果的である。
【0050】
図7は、35kW/mで30分間露出した後、板の背面における温度は、塗料をニュートンと架橋重合体の組合せで製造した場合に、約310℃、すなわち比較用のS/A結合剤で測定した温度より約110℃低い温度、で安定している
【0051】
例4 膨脹性塗料の火災性能
膨脹性塗料の火災性能を塩素化パラフィンを含む塗料で測定し、図8に示す。
【0052】
すべての曲線が類似の外観を呈し、第一の主要ピークが膨脹性構造の形成に対応し、続く第二の小ピークまたは台地がフォームの分解および高温で安定した残留物の形成に対応する。
【0053】
熱放出率(RHR)は、比較用の市販スチレン/アクリル共重合体を含んでなる組成物で最大である(200kW/m)。熱放出率(RHR)は、置換されたスチレン/2EHA共重合体を含んでなる組成物では低く、それぞれPMS/2EHA共重合体で139kW/m、PMS/PTBS/2EHAで54kW/mである。市販の溶剤系塗料Unitherm 38091のRHRを比較用に測定したが、186kW/mであった。
【0054】
煙の量、COおよびCO2放出および総発熱量を表2に示すが、そこではUnitherm 38091と比較して、置換されたスチレン/2EHA重合体の性能が優れている。
【0055】
結合剤として本発明の共重合体で得た煙、COおよびCO2放出の低い値は、環境の保護につながる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、PMS/2EHA(75/25)のみ、ポリリン酸アンモニウム(APP)のみ、または両者の60/40混合物(計算値および実験値)を含むニュートン共重合体の熱的安定性を示す。
【図2】図2は、スチレン/アクリル共重合体のみ、ポリリン酸アンモニウム(APP)のみ、または両者の60/40混合物(計算値および実験値)を含むニュートン共重合体の熱的安定性を示す。
【図3】図3は、PMS/2EHA(75/25)を含む架橋した共重合体のみ、ポリリン酸アンモニウム(APP)のみ、または両者の60/40混合物(計算値および実験値)を含む共重合体の熱的安定性を示す。
【図4】図4は、架橋したスチレン/アクリル共重合体のみ、ポリリン酸アンモニウム(APP)のみ、または両者の60/40混合物(計算値および実験値)を含む共重合体の熱的安定性を示す。
【図5】図5は、各種PMS/2EHA(50/50、75/25および100/0)共重合体およびAPPの60/40混合物に対する、TGAにおける理論的および実験的重量損失の差を示す(Δ(T)曲線)。
【図6】図6は、ニュートンまたは架橋した共重合体(該共重合体は、PMS/2EHA(75/25)のみ、またはPMS/2EHA/アクリルまたはスチレン/アクリルを含む)で調製した膨脹性塗料によるアルミニウム板上の断熱性を示す。
【図7】図7は、ニュートンまたは架橋した重合体の混合物を含む共重合体で、または市販のスチレン/アクリル共重合体で調製した膨脹性塗料によるアルミニウム板上の断熱性を示す。
【図8】図8は、例2の塗料1、塗料2または塗料4で調製した膨脹性塗料の、35kW/mに露出した後の、コーン熱量計で測定した熱放出率(RHR)の値を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨脹性塗料における重合体状結合剤に、又はとして、使用する共重合体であって、
ニュートン共重合体と網状共重合体の混合物を含んでなり、
前記ニュートン共重合体および網状共重合体が、置換されたスチレンおよび置換されたアクリレートからなり、かつ、少なくともp−メチルスチレン(PMS)と2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を含んでなる、共重合体。
【請求項2】
前記網状共重合体が、チキソトロピー性共重合体および疑似塑性共重合体を含んでなる群から選択される、請求項1に記載の共重合体。
【請求項3】
前記p−メチルスチレンと前記2EHAの比が、100/0〜50/50、好ましくは90/10、好ましくは80/20、より好ましくは75/25である、請求項1または2に記載の共重合体。
【請求項4】
p−tert−ブチルスチレン(PTBS)および/またはイソブチルメタクリレート(IBMA)をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項5】
前記共重合体の混合物がエマルション重合により得られる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の共重合体を含んでなる、膨脹性塗料。
【請求項7】
フォーム形成物質、炭素形成物質、および他の通常の添加剤をさらに含んでなる、請求項6に記載の膨脹性塗料。
【請求項8】
前記フォーム形成物質が、リン酸のアンモニウム塩であり、
前記炭素形成物質が、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトールおよびペンタエリトリトールの重縮合物を含んでなる群から選択される、請求項7に記載の膨脹性塗料。
【請求項9】
水系または溶剤系である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の膨脹性塗料。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか一項に記載の膨脹性塗料を形成する方法であって、
(a)ニュートン重合体および/または網状共重合体を溶剤または水に溶解させる工程と、
(b)所望により塩素化パラフィンを加える工程と、
(c)混合物を均質化し、添加剤を加える工程とを含んでなる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−511655(P2006−511655A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564384(P2004−564384)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2003/006398
【国際公開番号】WO2004/061020
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(505233457)
【氏名又は名称原語表記】ELIOKEM
【Fターム(参考)】