説明

臨床決定支援システム及び方法

複数の患者症例を表すデータを同時に表示するよう動作し、同時に表示された前記データにより表される患者症例を選択して、前記ユーザの選択による臨床的に関連するグループへと分類することを可能にするようさらに構成されるグラフィカルユーザインターフェースを含む症例分類サブシステムと;前記臨床的に関連するグループと関連がある有効な特徴(probative features)を決定するよう動作する、有効な特徴を決定するサブシステムと;ある現在の患者症例に関連する現在の患者データを受信し、受信された前記現在の患者データから決定される、前記有効な特徴の値に基づいて、臨床決定支援情報を出力するよう動作するCDSユーザインターフェースと;を有する、臨床決定支援(Clinical Decision Support; CDS)システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医術、医療診断技術、医療症例(medical case)管理技術、エキスパートシステム及び関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床決定支援(Clinical decision support;CDS)システムは、病気の診断、治療選択、治療計画の局面の実行等のような医療上の決定を行うに際して、医師または他の医療専門家に自動化された援助を提供するように構成されるエキスパートシステムである。いくつかの例示的なCDSシステムは、例えばAlsafadiによる米国出願公開2007/0175980 A1において説明される。
【0003】
従来又は“手動の”臨床診断において、症例(case)は、新たな臨床的症例に関する医師の決定を導く、医師の自身の経験に由来する。症例に基づくCDSシステムは、あらゆる単一の医師が有する過去の経験を上回る、過去の症例の豊富なセットへの自動化されたアクセスを促進することにより、このアプローチのエミュレートを試みる。例えば、症例に基づくCDSシステムは、(患者のプライバシー規則または基準を順守するために適切に匿名化された患者のデータを含む)過去の患者症例から試験結果及び他の関連する情報を取得することにより、患者の乳がんの調査において発見された異常の診断のための決定支援を提供することができる。そのような症例に基づくCDSシステムは、医術において適切なように、一般的に受け入れられる臨床意思決定の思考プロセスをエミュレートする。実際には、CDSシステムは、同様の過去の医療症例を検索し、現在の診断又は他の現在の医療上の決定のために有効となる(probative)べき可能性のある、関連する医療試験結果又は他の症例情報を検索または個別に特定することができる情報検索システムとして動作する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動化された意思決定のための既知の症例に基づくCDSシステムは、同様の症例を特定するために様々な技術を用いる。画像検索において、例えば、画像特徴の一対比較が、同様の画像を特定するために時々用いられる。しかしながら、そのようなアプローチは、画像の類似点又相違点の数値化において様々な画像特徴に置かれる“重み(weights)”又は有意性(significance)を容易に区別しない。さらに、そのような一対比較が手動で実行される場合、実験的なバイアス又は個別のバイアスが、2つの比較される項目についての小さく限定された“サンプリングのセット”によって取り込まれる可能性がある。
【0005】
様々な機械学習のアプローチは、物体特徴の自動分析に基づいて、同様の物体を自動的に分類するために、情報検索システムにおいても用いられている。しかしながら、機械学習では、類似点又は相違点が評価されるその根拠については容易に情報を得られない。機械学習アルゴリズムは、画像検索のような応用(application)のために適合し得る“ブラックボックス”である。しかし、医師又は他の医療専門家は、基本的な意思決定の論理的根拠を理解することなく、経験による根拠によって医療診断又は他の医療上の決定を行うことに安心する可能性は低い。
【0006】
関連フィードバック技術もまた知られている。これらの技術においては、人間によって実行される分析か、あるいは他の信頼すべき分析が、検索された情報の実際の妥当性を評価するために、情報検索結果に適用される。この信頼すべき分析は、後の検索動作の改善を目的として、情報検索アルゴリズムを改良するために用いられる。CDSにおける関連フィードバックの困難性は、時間とともにフィードバックが異なる医師によってもたらされる可能性があり、潜在的に異なる又は相反する関連フィードバックをもたらすことである。また、関連フィードバックは、検索結果を評価し、フィードバックを提供するための時間を必要とする。多忙な医師は、そのようなことをしたがらない可能性がある。さらに、関連フィードバックは、既存の情報検索システムのための改良を提供するだけであり、一からCDSシステムを構築するための基盤は提供しない。
【0007】
上述した問題や他の問題を克服する、新規で改善された装置及び方法が以下に示される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示される一つの実施形態によれば、開示される臨床決定支援(CDS)システムは、複数の患者症例を表すデータを同時に表示するよう動作し、同時に表示された前記データにより表される患者症例を選択して、前記ユーザの選択による臨床的に関連するグループへと分類することを可能にするようさらに構成されるグラフィカルユーザインターフェースを含む症例分類サブシステムと;前記臨床的に関連するグループと関連がある有効な特徴(probative features)を決定するよう動作する、有効な特徴を決定するサブシステムと;ある現在の患者症例に関連する現在の患者データを受信し、受信された前記現在の患者データから決定される、前記有効な特徴の値に基づいて、臨床決定支援情報を出力するよう動作するCDSユーザインターフェースと;を有する。
【0009】
開示される別の実施形態によれば、開示される臨床決定支援(Clinical Decision Support; CDS)システムにより実装される臨床決定支援(CDS)方法は:ユーザが患者症例を臨床的に関連するグループへ分類するグラフィカルユーザインターフェースを提供する段階であって、前記グラフィカルユーザインターフェースは、患者画像又は患者画像から生成されるサムネイル画像を有する患者画像アイコンにより患者症例を視覚的に表す、段階と;前記臨床的に関連するグループと関連がある値を有する前記患者症例の有効な特徴を決定する段階と;受信された現在の患者データから決定される前記有効な特徴の値に基づいて、現在の患者症例に関連する前記受信された現在の患者データに基づいた臨床決定支援情報を自動的に提供する段階と;を有する。
【0010】
開示される別の実施形態によれば、前記臨床決定支援方法を実行するための、デジタルプロセッサにより実行可能な命令を保管する記録媒体が開示される。
【0011】
一つの利点は、CDSの動作のための類似のグラウンドトルース(ground truth)を定めるために、一人の医師又は他の熟練の医療専門家によって総合的に決定される、患者症例分類を提供することにある。
【0012】
他の利点は、同様の患者症例についての手動による分類のためのユーザインターフェースを提供することにある。患者症例は、患者の画像から生成される患者の画像又はサムネイル画像を含む患者アイコンによって表現される。
【0013】
別の利点は、類似のグラウンドトルースに関連がある画像及び任意の非画像の特徴の自動的な決定にある。
【0014】
さらなる利点は、以下の詳細な説明を読み理解することで当業者により明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】臨床決定支援(Clinical decision support;CDS)システムを表す図。
【図2】図1のCDSシステムの、症例分類サブシステムのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面スクリーンショットを表す図。
【図3】図1のCDSシステムの、症例分類サブシステムのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面スクリーンショットを表す図。
【図4】図1のCDSシステムの、症例分類サブシステムのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面スクリーンショットを表す図。
【図5】図1のCDSシステムの、有効な特徴(probative features)を決定するサブシステムによって実行される適切な方法を表す図。
【図6】図1のCDSシステムの、CDSユーザインターフェースサブシステムによって実行される適切な方法を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示書は、CDSシステムの動作が以下の2つのパートに分かれ得ることを認める。
(i)類似のグラウンドトルースを特定するための、同様の患者症例のクラスタリング
(ii)臨床決定支援のための有効な特徴の特定
本開示書は、同様の患者症例のクラスタリングを行うパート(i)が、医師に受け入れられる方法では容易に自動化されないことを認める。自動化された機械学習技術は、一般的に、経験に頼りすぎており、誤ったクラスタを生成する可能性が高すぎるうえ、理にかなった意思決定の根拠を提供しない。機械学習のアプローチは、症例の評価及び複雑な医療診断において、医師によって通常用いられる主観的な要因又は数値化困難な要因を取得することもできない。
【0017】
したがって、本出願は、総合的な視覚に基づくグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を用いて、患者症例の手動による分類を支援するGUIを開示する。GUIは、2つ以上の患者症例を同時に表示し、好ましくは、制限された一対比較により取り込まれる可能性のあるバイアスを避けるために、相当な数の患者症例を同時に表示する。手動によるクラスタリングの出力は、類似のグラウンドトルースである。その情報は、クラスタが既知であるか、又はまとめて扱われる相当数の患者症例に基づいて、熟練された医師によってなされる分類の決定により、正しく分類されていると考えられる“グラウンドトルース”である。
【0018】
一方で、本開示書は、有効な特徴の特定であるパート(ii)が、機械学習を用いて有利に自動化され得る。有効な特徴の自動化による特定は、正確な類似のグラウンドトルース情報を入力として有利に用いることができる。CDSシステムの自動化のパート(ii)は、様々な分類における患者症例の間の相互関係が自動的に特定されるため、効率を改善し、さらに情報の開示も提供する。そのような相互関係は、同時にせいぜい2、3の症例を考察する医師によっては、より気づかれない可能性がある。有益に、機械学習された有効な特徴は、患者の年齢、患者の性別、患者の民族性、家族の医療歴、ゲノムの性質等のような、患者の非画像の特徴を含むことができる。
図1を参照すると、臨床決定支援(CDS)システムは、患者症例分類サブシステム10と、有効な特徴を決定するサブシステム12を含む。これらは、臨床支援決定情報を提供するためのCDSユーザインターフェースサブシステム16によってアクセスされるCDSデータベース14を生成するよう動作する。患者症例分類サブシステム10は、患者症例のデータベースの内容20に影響する。患者症例は、適用されるプライバシーの法律又は基準を順守するように、本名、住所等のような身元がわかる情報を取り除くことにより、好ましくは匿名化される。患者症例のデータベース20は、病院情報ネットワーク(図示されない)の内容から得られ得る。そして、患者症例のデータは、一つ以上の医用画像のモダリティ(modality)を通して取得される患者画像を含む。医用画像のモダリティには、例えば、一つ以上の:コンピュータ断層(CT)撮影;磁気共鳴(MR)撮影;ポジトロン放出断層(PET)撮影、単光子放出コンピュータ断層(SPECT)撮影;蛍光透視撮影;超音波撮影;X線撮影等がある。例として、患者画像は、専用の画像アーカイブ通信システム(PACS)22の中で任意に保管される。専用の画像アーカイブ通信システム22は、医用画像診断法(imaging modality)、解像度又は他の画像取得パラメータ、取得時のタイムスタンプ等に関する情報のようなメタデータとともに患者の医用画像を保管する。
【0019】
患者症例は、症例分類サブシステム10の症例分類グラフィカルユーザインターフェース(GUI)30によって最初に処理される。症例分類グラフィカルユーザインターフェース(GUI)30は、例えば患者画像又は患者画像から生成されるサムネイル画像を有する患者アイコンとして表される、2つ以上の異なる患者症例に関連するデータを同時に表示するよう動作する。 “サムネイル画像”の語は、より高い解像度画像をダウンサンプリングすることによって生成される、削減された解像度の画像を表す。例として、サムネイル画像は、任意で、標準化されたサイズ及び/又は標準化されたアスペクト比(たとえば、全て128x256ピクセルの画像)である。サムネイル画像は、例えばカラー画像をグレースケールのサムネイル画像へ変換するような他の方法により、元の画像と比べて任意で“単純化”される。別の例として、サムネイル画像は、テキストの要約のブロック又は臨床上のデータの視覚的表現のような(例えば、時間にわたる血圧の折れ線グラフ、MRIスキャンの分析において用いられる運動曲線、あるいは年齢、身長、体重等のようなそれぞれの患者の一連の異なる測定結果の棒グラフのような、異った種類の描画)、非画像の情報による置換又は非画像の情報とともに拡大され得る。
【0020】
相当な数の患者症例の情報を同時に表示することにより、GUI30は、バイアスされた分類に不都合に通じる可能性のある、ユーザに関する患者症例の組み合わせの間での一対比較を負わせることを回避する。しかしながら、GUI30は、例えば特定の患者症例のGUI30を通じて適切な選択に関する非画像の患者症例情報を表示することにより、ユーザが完全な評価のための個別の患者症例を選択できることが想定される。GUI30は、ユーザが、同時に表示されるデータによって表される異なった患者症例を、ユーザにより決定される臨床的に関連するグループへと分類できるよう、さらに構成される。ユーザは、好ましくは医師又は他の熟練した人間の医療診断医であり、彼らは臨床的に関連するグループを生成する。例えば、臨床的に関連するグループへの患者症例分類は、単一のユーザ(例えば、単一の権威ある医師)によって実行されることかでき、あるいは委員会又は権威ある医師若しくは他の権威ある医療関係者のグループの中での合意として定められることができる。臨床的に関連するグループの患者症例は、そのグループを生成する医師によって、同一又は同様の服薬内容がそのグループ内の患者症例に適用可能であると期待されるよう、ある医療的な関係を有すると考えられる。例えば、臨床的に関連するグループは、全ての患者が同一若しくは同様の種類の癌又は同一若しくは同様の種類の病状を患う、患者症例のあるグループを含んでもよい。もたらされた症例分類32は、CDSデータベース14の中に適切に保管される。任意で、症例分類サブシステム10は、臨床的に関連するグループの文書記録を提供するため、又は他の医師若しくは他の熟練した人間の医療診断医により任意の評価のため、又は他の目的のため、人が読むことのできる症例分類のレポートを生成する、症例分類レポート生成手段34をさらに含む。
【0021】
臨床的に関連するグループ32は正確であるものと仮定される。すなわち、同一又は同様の服薬内容を必要とする、ある医療的に重要な関係を示す患者症例を正確に分類するものと仮定される。この仮定は、臨床的に関連するグループ32が、医師若しくは他の熟練した人間の医療診断医によって、又は複数の医師若しくは他の熟練した人間の医療診断医によって、総合的な方法でGUI30により示される相当な数の患者症例に基づいて生成されるとき、有効である可能性が高い。この仮定に基づいて、臨床的に関連するグループ32は、データベース20の中の症例のための類似のグラウンドトルースを表すように理解される。分類は手動で実行されるため、症例分類サブシステム10は、患者症例分類のための基盤又は根拠に関してあらゆる固有の情報を提供しない。実際に、医師若しくは他の熟練した人間の医療診断医又は複数の医師若しくは他の熟練した人間の医療診断医は、患者症例分類を生成する際に様々な客観的又は主観的な判断を用いることができる。
【0022】
臨床的に関連するグループ32を一緒に分類する際に、人間の診断医により用いられる根拠は、容易に利用できない可能性がある。しかし、臨床的に関連するグループ32は、客観的に定義可能ないくつかの類似点又は相互関係を有し、それらの客観的な類似点又は相互関係は臨床的に関連するグループ32の中に含まれる潜在的な情報であると想定することは合理的である。
【0023】
したがって、有効な特徴を決定するサブシステム12は、様々なグループと関連のある有効な特徴を特定するために、臨床的に関連するグループ32を分析する。このような目的で、画像特徴抽出部40は、患者症例の臨床的に重要な側面と関連がある可能性を合理的に有する、定量的な画像特徴を抽出する。適切である定量的な画像特徴のいくつかの例は、腫瘍のサイズ、腫瘍の縦横比、腫瘍領域の中の画像強度によって反射されるような腫瘍組織密度等を含む。任意で、画像特徴抽出部40は、ユーザインタラクティブであってもよい。例えば、画像特徴抽出部40は、患者の医用患者画像を表示し、ユーザがマウスポインタ又は他のユーザ入力装置を用いて画像の中の腫瘍を特定又は描写するよう要求してもよい。さらに、又は代わりに、画像特徴抽出部40は、自動化された腫瘍特定又は他の自動化された若しくは半自動化された医用画像分析を用いてもよい。画像特徴に加えて、有効な特徴を決定するサブシステム12は、患者の年齢、患者の性別、患者の民族性、家族の医療歴、ゲノムの性質等のような、患者の非画像の特徴を考慮することができる。そのような情報は、患者症例データベース20において提供されるか、あるいは患者症例データベース20から生ずる。
【0024】
利用可能な特徴は、有効なものでもよく、有効でないものであってもよい。すなわち、利用可能な特徴は、その特徴が有効な特徴である場合には、一つ以上の患者症例グループ32に関連し得る。あるいは、その特徴が有効でない特徴である場合には、あらゆる患者症例グループ32とほとんど関連がないか、又はまったく関連がない可能性がある。特徴は、組み合わせて有効であってもよい。例えば、腫瘍のサイズと腫瘍の縦横比の特徴は、それぞれ単独で存在し、あらゆる患者症例グループ32とほとんど関連がない可能性があるのに対して、腫瘍のサイズと腫瘍の縦横比との組み合わせは、一つ以上の患者症例グループ32と関連し得る。
【0025】
機械学習部42は、一つ以上の患者症例グループ32に関連する、有効な特徴又は特徴の組み合わせ44を特定するために、利用可能な特徴を処理する。そして、これらの有効な特徴又は特徴の組み合わせ44は、CDSデータベース14への格納もなされる。機械学習部42は、そのような相互関係を特定するために、あらゆる機械学習技術を用いることができる。ここで説明されるいくつかの例において、機械学習部42は遺伝的アルゴリズムを用いる。任意で、機械学習部42は、有効な特徴と患者症例グループ32との相互関係の強さの特定も行い、相互関係の強さを反映する特徴の重み46を割り当てる。任意で、機械学習部42は、患者症例グループ32と関連する有効な特徴の組み合わせ又は重み付けされた組み合わせの特定も行い、これらの組み合わせ又は重み付けされた組み合わせを距離又は類似性メトリック48として保存する。任意で、特定された有効な特徴情報44、46、48は、評価のために、例えば症例分類レポート生成手段又は別のレポートツールによって、ユーザに対して示される。任意で、ユーザは、ユーザの医療診断の専門知識に基づいて、有効な特徴情報44、46、48を修正、削除又は調整をすることができる。
【0026】
症例分類サブシステム10の支援を用いて患者症例分類32を生成し、任意で有効な特徴情報44、46、48を評価するユーザは、好ましくは、医療診断技術に特に熟練した、一人の医師若しくは一人の熟練した人間の医療診断医又は複数の医師若しくは複数の熟練した人間の医療診断医である。例えば、このユーザは、関連する医療領域における豊富な知識と技能を有する一人以上の上級の医師又は専門医を含んでもよい。これらのユーザは、例えば心臓病患者症例は一人以上の上級の心臓病専門医により分類され、同時に癌患者症例は一人以上の腫瘍学専門医により分類される等の目的で、専門家であり得る。CDSデータベース14の追加は、ここで開示されるようにCDSデータベース14の偶発的な継続更新も予期されるが、一般的には臨床的な決定支援の動作のためのCDSシステムの使用の前に実行される。
【0027】
一度CDSデータベース14が追加されると、CDSデータベースの内容は、ユーザに提示するための臨床決定支援情報を生成するために、CDSユーザインターフェースサブシステム16によって用いられる。すなわち、臨床決定支援の動作は、CDSデータベース14を参照して、CDSユーザインターフェースサブシステム16によってなされる。一人の人間のユーザ又は複数の人間のユーザは、現在の患者症例の臨床決定支援情報を要求するために、CDSユーザインターフェースサブシステム16と情報をやり取りする。CDSユーザインターフェースサブシステム16のユーザは、典型的には医師又は他の医療専門家若しくは複数の医療専門家である。しかしながら、CDSユーザインターフェースサブシステム16のユーザは、上級の医師、専門家又は他の非常に熟練した医療診断医である必要はない。むしろ、CDSユーザインターフェースサブシステム16のユーザは、臨床決定を行う際に支援を得るために、CDSユーザインターフェースサブシステム16を利用する通常の技能をもつ通常の医師であってもよい。一般に、CDSユーザインターフェースサブシステム16のユーザは、実質的にあらゆる技能水準である一人の医師又は他の医療関係者であってもよい。
【0028】
CDSユーザインターフェースサブシステム16は、現在の患者症例のデータ入力インターフェース50を含む。ユーザは、現在の患者症例のデータ入力インターフェース50を通じて、臨床決定支援を求める現在の患者症例について、関連する情報を入力する。提供された現在の患者症例情報は、患者の画像のような画像データを含んでもよく、任意で、患者の年齢、患者の性別、患者の民族性、家族の医療歴、ゲノムの性質等のような、非画像の情報も含んでもよい。患者の画像は、有効な画像特徴を抽出するために、(任意で、有効な特徴を決定するサブシステム12の画像特徴抽出部40と共通して実現されてもよい)画像特徴抽出部52によって処理される。現在の患者症例のデータ入力インターフェース50を通じて提供される、あらゆる有効な非画像の特徴とともに、有効な画像特徴は、現在の患者症例の有効な特徴の値と、様々な患者症例分類32の有効な特徴の値との間の相互関係を検討する、臨床決定支援推定エンジン54に対する入力として働く。共通の相互関係を特定することにより、推定エンジン54は、現在の患者症例と患者症例分類32の一つとを関連付ける。現在の患者症例のCDS出力及びユーザ検証インターフェース56は、ユーザに、推定エンジン54の結果に基づいて臨床決定支援情報を提供する。例えば、次のような臨床決定支援情報:現在の患者症例と最も強く関連する患者症例グループの特定;そのグループの病状の特定と、現在の患者がそのような病状を有するという提案;現在の患者症例に最も強く関連する患者症例グループから抽出される一つ以上の同様の症例の提示;現在の患者症例に最も強く関連する患者症例グループの患者症例において適用された服薬内容に対応する、提案される服薬内容の表示;等が含まれてもよい。
【0029】
任意で、現在の患者症例のCDS出力及びユーザ検証インターフェース56は、ユーザが現在の臨床決定支援情報を承認し、拒否し、又は任意で修正するユーザ検証機能も提供する。この場合において、ユーザ検証情報は、CDSデータベース14を評価し、任意で更新するために、CDS更新サブシステム60によって任意に使用される。例えば、一つのアプローチにおいて、ユーザの医療診断に加えて現在の患者症例が、元の患者症例データベース20の更新又は拡大のため、他の“現在の”患者症例の同様の結果と共に保存される。時には、更新された、又は拡大された患者症例の収集物又はデータベースは、CDSデータベース14を更新し、又は拡大するために、CDSデータベースコンテンツ生成部10、12により再度処理される。計算的により集約性の低い別のアプローチとして、ユーザが現在の患者症例は症例分類32の患者症例グループに確かになじむことに合意するとき、現在の患者症例はその患者症例グループへと追加される。これは、例えば、ユーザに“現在の患者症例を<<<>>>グループへ追加しますか?”と尋ねるGUIのダイアログボックスを提供することによって実現できる。ここで、“<<<>>>”は、現在の患者症例と一致するとCDSシステムにより示される患者症例グループの識別子である。
【0030】
図1のCDSシステムは、様々な方法で実装されることができる。図示される実施形態において、コンピュータ70は、ダイアログボックス、ウィンドウ又はユーザ入力部50等を表示するためのコンポーネント30、56の視覚的な出力又は視覚的な出力を表示するためのディスプレイ72を含む。コンピュータ70は、図示されるキーボード74、マウス76及び/又は他のユーザ入力装置又はユーザ入力を受信する装置も含み、デジタルプロセッサ(図示されない)及び一つ以上の記憶媒体(図示されないが、例えば磁気ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)等により適切に具体化される)をさらに含む。デジタルプロセッサは、CDSシステムの処理コンポーネント10、12、16を実装するための、一つ以上の記憶媒体により保管されるコンピュータプログラム又はプログラムコードの命令を実行する。さらに、CDSデータベース14は、コンピュータ70の一つ以上の記憶媒体又は病院デジタルネットワークを通じてアクセスされる遠隔記憶媒体に適切に保管される。意図される他の実施形態において、処理コンポーネント10、12、16を具体化するプロセッサは、病院デジタルネットワーク上に論理的に配置されるリモートサーバに、あるいはその一部に配置され、図示されるコンピュータ70はインターフェースのハードウェア72、74、76を提供する。さらに意図される他の実施形態において、インターフェースのハードウェアは、医師のパーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯電話又は他のデジタルプロセッサを備えるポータブル電子機器により具体化されてもよい。
【0031】
ここで説明される例として機能する図1の例示的なCDSシステムの概要が提供されたが、いくつかの追加又は代替の実施形態及び他の開示が説明される。
【0032】
ここで説明されるいくつかの例示的な実施形態において、CDSシステム及び対応するCDS方法は、ダイナミック磁気共鳴撮像(MRI)及び追加の非画像の臨床情報に基づく例示的な乳癌の診断応用に関連して説明される。これは単に例示的な応用及び例示的な画像診断法(imaging modality)であり、開示されるCDSシステム及びCDS方法は、CDSシステム又は方法が対象とする医学的応用のために有効である、あらゆる画像診断法を用いるあらゆる医療診断応用に一般的に適用可能であることが理解される。
【0033】
データベースの中のそれぞれの患者症例は、同一のモダリティ(modality)又は異なるモダリティからの複数の異なる画像の調査(imaging study)を含むことができる。さらに、それぞれの症例のために、それらの調査の異なるビューを保管することができる。あるいは、それらの調査の異なるビューを画像処理によって得ることができる。さらに、得られた患者症例は、場合によっては、二以上の同様の患者から取得された画像又は他のデータの混合物(amalgam)又は組み合わせであってもよい。データベースの中のそれぞれの患者症例のために保管される画像の調査は、一つ以上の単一の画像診断法、例えばX線、超音波、MR、CT等により、又はある一人の患者のための複数の画像診断法、例えばX線マンモグラフィ、超音波、MRの胸部調査により、一般に取得されることができる。画像の調査は、任意で時系列を含む。例えば、乳癌の症例においては、異なるダイナミック造影MR画像系列が取得される。したがって、それぞれの患者のために、データベースはコントラスト前(コントラスト剤が患者に投与される前)及び複数のコントラスト後の調査を保管することができる。複数のコントラスト後の調査は、コントラスト剤が投与された後、異なる時刻において取得される。データベースは、異なるコントラスト後の系列とコントラスト前の調査との差分である、複数の差分(subtraction)系列のような、生成されたシーケンスも含むことができる。データベースは、異常及び周辺の領域、例えばそのような変化の関心体積(volume of interests; VOI)を表す、生成された画像シーケンスも任意で含む。データベース20は、画像の調査に加えて、非画像に基づく臨床情報をさらに任意で含む。非画像のデータは、例えば、性別、年齢、民族性、患者の個人的な医療歴、家系、主訴、ゲノムの性質(例えば、乳癌においてはBRCA1及び/又はBRCA2ポジティブ)及び他のリスク要因等の人口学的情報を含むことができる。データベース20は、階層型データベースモデル、SQL技術を応用するリレーショナルモデル又は別の適切なデータベース構成を適切に用いる。
【0034】
図2を参照すると、インタラクティブな症例分類グラフィカルユーザインターフェース30が、ディスプレイ80上で、複数の患者症例を表示するデータを表示する。左側のウィンドウ82は、分類されていない患者症例を表すデータを表示し、同時に右側のウィンドウ84は、分類された患者症例を表すデータを表示する。図2における右側のウィンドウ84は空であり、患者症例はまだグループへと分類されていない。ディスプレイ80は、二つ以上のコンピュータのモニタのような、二つ以上のディスプレイ装置を含むことができ、“左”又は“右”の指定は任意である。例えば、いくつかの実施形態において、二つのコンピュータのモニタが提供される。すなわち、一つのモニタは分類されていない患者症例を示すウィンドウ82を表示し、同時に他のモニタは分類された患者症例を示すウィンドウ84を表示する。例示的な実施形態において、表示された表示データは、それぞれの患者症例を表すために、患者画像又は患者画像から生成されたサムネイル画像を含む。言い換えると、患者画像又は対応するサムネイル画像は、視覚的な分類処理のために患者アイコンとして機能する。好ましくは、表示された画像は、関心のある臨床的異常を含む関心体積(VOI)を表す。図2の例において、表示画像は、差分系列(すなわち、2ndコントラスト後−コントラスト前T1−重み付けされたMRI調査)として得られたVOIであり、胸部の病変を示す。
【0035】
任意で、非画像のデータも表示可能である。例えば、図2は、マウス又は他のポインタを表示された患者アイコンの上をホバーさせることに応じて、患者症例のための“年齢:47”のような非画像のデータを表示する“ポップアップウィンドウ86”を表す。ポップアップウインドウは、一度マウスポインタが移動して離れると消える、一時的なウィンドウであってもよく、又は閉じられるまで開かれたままの恒久的なウィンドウであってもよい。いくつかの実施形態において、マウスのホバリングにより、限定的な非画像の情報を含む一時的なウィンドウが生成されると同時に、マウス76を用いて患者アイコンをクリックするようなポジティブなユーザアクションにより、さらなる情報が含まれる恒久的なウィンドウを生成する。非画像のデータの表示に加えて、これらのアプローチは、取得時のタイムスタンプ、解像度等のような画像のメタデータを表示するために、追加で、又は代わりに用いられることができる。
【0036】
図3を参照すると、マウス76を用いて患者アイコンをクリックするようなポジティブなユーザのアクションは、より完全な情報も任意で呼び出すことができる。図3において、そのようなアクションは、左側のウィンドウ82を完全に占有するように表示される、選択された患者症例についてのより完全な情報をもたらす。任意で、ウィンドウ82、84の両方はこの目的のために用いられることができ、又は離れた(すなわち、第三の)ウィンドウがこの情報を含むように表示されることができる。この任意のディスプレイモードにより、ユーザは、選択された患者症例をより綿密に評価することができる。図3において示される例において、このモードは、乳癌の症例のために、関連するダイナミック造影MR画像の調査を表示する。この例において、左側のウィンドウ82は、胸の左右対称のビューと簡易な特定のための異常を示す矢印とを表示する。矢印は、PACS22の中に保管される、異常を特定するメタデータに基づいて適切に生成される。任意で、GUI30は、ユーザが臨床例についての異なる画像の調査の中のビューを選択的に変えることを可能にする。胸部のMR画像の調査のために、例えばユーザは、コントラスト前、異なったコントラスト後の系列、異なった取得系列、例えばT2強調シーケンス、又は差分系列のような生成されたシーケンスの中で、任意に切り替えることができる。それぞれの系列のために、ユーザは、特定の系列及び異なるユーザのために最適なビューを有するようウィンドウ設定又はレベル設定を任意で変えることができる。図3におけるウィンドウ82の左下隅に例えば示されるように、運動曲線は、時間とともに異常の中のコントラスト剤の取り込みを示して表示されることができる。このビューの左上隅は、分類されるべき近隣の8つの症例も示し、それらはVOIによって表される。中央のVOIは、全体の胸部のビューが右側に表示されている症例である。胸部の左右対称のビューのもとで、臨床情報が表示される。任意で、追加のウィンドウ、モニタの部分又は追加のモニタは、他の臨床例を表示するために同様の機能を有することができる。例えばいくつかの実施形態において、二つのウィンドウ82、84は、視覚的に都合の良い比較のため、二つの患者症例をより詳細に表示するために、ユーザによって選択されることができる。.
図4を参照すると、ユーザによって選択された通りに臨床的に関連するグループを生成するために用いられる症例分類GUI30のスクリーンショットが示されている。ユーザは、患者症例アイコンが、左側のウィンドウ82からグループを表す右側のウィンドウ84の領域へとドラッグされる、ドラッグアンドドロップの方法を用いる。グループを作成するために、患者症例アイコンは、左側のウィンドウ82から、新しいグループの作成領域を定義する、右側のウィンドウ84の指定されていない領域へとドラッグされる。患者症例アイコンが新しいグループの作成領域へとドロップされると、その患者症例を含む類似グループが作成される。任意で、グループはユーザによってラベル付けされ、又は注釈が付される。これにより、グループの中の患者症例の臨床的な関連の根拠が示され、又は他の有益な情報を提供される。任意で、グループのサブウィンドウは、同時に表示され得るより多くの患者症例を融通するためのスクロールバーを含むことができ、かつ/又はキーボード、マウス又は他のインタラクションデバイスを通じてズーム又はパニングする機能を組み合わせることのできる。任意で、患者症例は、ユーザによる患者症例の再配置決定に従って、一つのグループから別のグループへと移動できる。任意で、患者症例は、あらゆる既存のグループから削除されることができ、さらにまだ分類されていない、すなわち左側のウィンドウ82の症例のセットとの間で置換されることができる。ドラッグアンドドロップの動作は、マウス76を用いて実現されることができる。あるいは、キーボード74(例えば、様々なウィンドウ及びサブウィンドウを通じたタブ入力)又は他のユーザインターフェース動作により実現されることができる。さらに、囲み処理(lassoing)のようなGUI操作が、分類の操作を実現するために用いられることができる。
【0037】
図4において示される配置において、それぞれの患者症例は、臨床的に関連のある症例の単一のグループに対して排他的に割り当てられている。このビューにおいて、患者症例アイコンは、右側のウィンドウ84の中のグループの一つにドラッグアンドドロップされると、左側のウィンドウ82から削除される。図4の左側のウィンドウ82における患者症例アイコンのグリッドに多数の空白があるのはこのためである。別の実施形態において、それぞれの患者症例は、臨床的に関連する症例の二つ以上のグループに任意で割り当てられることができる。例えばある一つの症例は、その臨床的な関連として、特定の腫瘍の特性を有する、あるグループへと割り当てられることができる。さらにその一つの症例は、その臨床的な関連として、転移の一定のレベルについての画像証拠を有するグループへと割り当てられることもできる。この別の実施形態において、患者症例アイコンは、臨床的に関連する症例の他のグループの中に含め続けられるように、右側のウィンドウ84のグループに移動された後も、左側のウィンドウ82の中に保持されることができる。
【0038】
一度ユーザが臨床的に関連するグループへ症例の割り当てを完了すると、例えば、図2−4への参照と共に説明されるように、症例分類レポート生成部34は、類似グループを説明する、人間が読むことのできるレポートを生成するよう任意で呼び出される。レポートは、例えば、自由形式のテキストレポートであり、又は構造化されたスプレッドシートベースのレポートであり得る。臨床的に関連するグループのレポートにおける説明は、例えば:グループ名;被験者IDによるグループの中に含まれる症例の識別子(好ましくは匿名化されている)、調査ID等;ユーザによって入力されたグループのテキストの説明等;を含むことができる。類似グループの識別子は、データの内部表現によってそれぞれの症例に割り当てられる。
【0039】
いくつかの実施形態において、一度患者症例アイコンが類似グループへとドロップされると、その患者症例のグループ識別子が、そのグループの識別子へと設定される。したがって、レポート生成に関して、類似グループの数を決定することは単純である。一度、グループの総数が定まると、レポート生成部34は、それぞれのグループを通じてループし、そのグループの中の患者症例を探索し、レポートに関連する情報を書き出す。任意で、レポート生成手段34は、類似グループへ全ての患者症例を分類せず、中間レポートを生成することもできる。
【0040】
図5を参照すると、臨床的に関連するグループ32により定量化された類似のグラウンドトルースが、関連する(すなわち、有効な(probative))知覚(perceptual)を特定するために処理され、さらに、互いにグループを区別する臨床的特徴が取得される。例示的な実施形態において、有効な特徴は、症例分類32に対応する有効な特徴の選択の最適化によって取得され、画像処理及び機械学習技術の適用により適切に実行される。このことは、類似のグラウンドトルースを定義するグループ32によって取得される、医師の類似の感覚を、コンピュータにより識別される最適な有効な特徴に変換する。これらの有効な特徴は、次に、CDSシステムにおいて患者症例を表すために用いられることができる。任意で、最適な距離又は類似性メトリックが、訓練データとして類似のグラウンドトルースを用いる機械学習技術によって決定される。図5において示されるように、症例分類32の画像は、画像特徴を特定するために、画像特徴抽出部40により処理される。任意で、非画像の特徴が、利用可能な特徴のセット92を生成するために追加90される。グループ32の患者症例の中で区別するために有益であり得るか、又はあり得ないかという点において、得られた利用可能な特徴は、有効なものであってもよく、有効でないものであってもよい。次に、機械学習技術を用いて、特徴選択が、有効な特徴のセットを見つけるために適用され、任意で、有効な特徴を用いる距離又は類似性メトリックをさらに見つけるために適用される。
【0041】
図5の例示的な実施形態において、機械学習は、k平均クラスタリングと一緒に遺伝的アルゴリズムを用い、さらにグラウンドトルースとして形成された類似のクラスタを用いる。遺伝的アルゴリズム(GA)は、高次元空間における最適化問題に対して有用であり、特徴選択のような組み合わせ問題において有益であることがわかっている。GAベースの特徴選択において、異なる特徴のサブセットは、一連の“染色体”として符号化される。異なる染色体のグループは、交配(特徴の交換)、生殖及び突然変異の過程を通じて進化する。選択圧は、適切な適合基準により測定されるように、最も適合する染色体が、それらの遺伝情報を伝えるための最大の機会を有するよう用いられる。グループは、適合度関数又は適合度基準として参照される目的関数に関して最適である特徴のサブセットに向かって進化する。
【0042】
最適な特徴のサブセット及び距離メトリックをみつけるために、いくつかの実施形態において、遺伝的アルゴリズムは、k近傍法及びグラウンドトルースとして形成された類似のクラスタの使用と組み合わされる。遺伝的アルゴリズムは、適合度関数を通じて評価される、候補の特徴のサブセットを繰り返し特定する。非画像ベースの臨床情報は、例えば、画像特徴に対応するために、1-of-cの尺度法を用いて、特徴プールへと任意で追加される。
【0043】
利用可能な特徴を表す染色体が構成される94。例えば、それぞれの利用可能な特徴が、染色体のバイナリの遺伝子によって表現されることができる。ここで、“1”のバイナリの値は、特徴が有効な特徴であることを示し、“0”のバイナリの値は、特徴が有効でないことを示す。典型的な遺伝的アルゴリズムにおいて、染色体の相当なセット(すなわち、“グループ”)が、ランダムに又は擬似ランダムに“オン”(すなわち、特徴が有効であることを示す値“1”を有する)又は“オフ” (すなわち、特徴が有効でないことを示す値“0”を有する)に変化させられた異なる遺伝子とともに生成される。遺伝的アルゴリズム96は、選択アルゴリズムとして症例分類32との相互関係を用い、さらに、患者症例分類32との相互関係に関連する染色体グループを最適化又は“進化”させるためにランダム又は擬似ランダムの遺伝子突然変異アルゴリズムを組み込んで、繰り返し適用される。進化したグループの染色体の“on”遺伝子又は“on”遺伝子の組み合わせは、次に、有効な特徴又は特徴の組み合わせ44を定義する。
【0044】
任意で、遺伝子は、バイナリの遺伝子の値よりも、症例分類32と対応する特徴の相関関係の強さを示す連続的な値であってもよい。このような実施形態において、遺伝的アルゴリズムは、進化したグループの遺伝子は、有効な特徴のための相関重み(correlation weights)を提供できるように、染色体グループの遺伝子の重みを進化させる。いくつかのそのような実施形態において、生き残り進化した染色体の中の遺伝子の組み合わせによって表現される、患者症例分類96と最も相関のある重みの組み合わせは、距離又は類似性メトリックを定義するためにも用いられることができる。
【0045】
例えば、遺伝的アルゴリズム96の一回目の繰り返しの最初のステップとして、一つの患者症例が外されることができ、染色体の中で表現される特徴を用いて、その患者症例と他の全ての症例との間の距離が計算される。
遺伝的アルゴリズム96の適合度関数は、それらの距離及びその患者症例が属する類似グループの関数として決定されることができる(例えば、最も近いものから最も遠いものまでの距離をランク付けすることにより、どのくらい多くの距離が、外された患者症例の自身の類似グループに属していないか)。これは、グループ32におけるそれぞれの患者症例のために行われることができ、さらに累積的な適合値が導かれる。次に、染色体は、選択された遺伝的アルゴリズム96の性質により、ランダム又は擬似ランダムに修正され又は“突然変異され”る。
【0046】
別の実施形態において、遺伝的アルゴリズムは、ある特徴が関連していることを知っている医師又は他の人間の医療診断医により決定されるように、これらの特徴のグループを一斉にon又はoffに常に変えるよう強制される。これらの実施形態において、動作94における染色体の構成は、次の例示的な方法によって実行されることができる。すなわち、ある遺伝子がある利用可能な特徴を表し、同一概念の特徴のカテゴリを区画しようとする遺伝子が共に分類される。この方法において、遺伝的アルゴリズム96は、遺伝的アルゴリズムが棘形成(spiculation)(例)のような特徴の計算された評価基準を示す遺伝子の全てを全体で放棄させないように強制する。すなわち、遺伝的アルゴリズムは、棘形成は乳癌診断のために有効な特徴であると人間の医師によって知られているため、少なくとも一つの棘形成の特徴又は遺伝子が染色体の中で常に存在するよう強制される。
【0047】
他の実施形態において、距離メトリックの種類(例えば、ユークリッド距離又はマハラノビス又は都市ブロック等)は、異なる距離関数を表す遺伝子を含めることにより、遺伝的アルゴリズムによって選択されることができる。
【0048】
図5の例は機械学習部42のために遺伝的アルゴリズムを用いているが、これは単に例に過ぎない。一般に、機械学習部42は、いくつかの他の例として:焼きなまし法;全数検索;浮動探索;主成分分析(PCA)又は他の特徴縮小法等を含む、実質的にあらゆる機械学習法又は方法の組み合わせを用いることができる。さらに、機械学習部42を除外し、有効な特徴を決定するサブシステム12を、医師若しくは他の人間の医療診断医又は複数の医師若しくは他の人間の医療診断医が、患者症例分類32の利用可能な特徴の観察に基づいて、手動で有効な特徴を選択できるグラフィカルユーザインターフェースを提供するよう構成することが予期される。例えば、有効な知覚及び臨床的特徴のリストは、認知的な方法(cognitive method)を用いて、医師から任意に手動で取得されることができる。固有の例として、ダイナミック造影MR撮像に基づく乳癌応用において、輪郭、縁(margin)、構造(texture)、運動曲線等のような異常の形態学的特徴及び周辺領域が画像処理技術によって様々な方法で計算され、医師により有効性(probativeness)のために分析されることができる。医師は、例えば棘形成が乳癌診断のための有効な特徴であることを知っており、異なる棘形成の測定を、有効な特徴の候補とみなす可能性が高い。患者症例分類32の患者症例の中で異なる棘形成の測定の値を分析することにより、医師は、有効な特徴として分類32と最も強く関連するそれらの棘形成の測定を手動で選択することができる。手動の認知解析技術は、機械学習のアプローチと有利に組み合わせることもできる。例えば、認知解析は、“候補”の有効な特徴のセットを生成するために用いられることができ、その後に、有効な特徴の数を減らすためのPCA又は他の特徴縮小法が続く。
【0049】
図6は、CDSユーザインターフェースサブシステム16の例示的な動作を示している。現在の患者症例のデータ入力インターフェース50は、現在の患者100のためのデータを入力するためにユーザによってアクセスされる。現在の患者のデータの入力100は、CT撮影、MR撮影、PET撮影、SPECT撮影、蛍光透視撮影、超音波撮影及びX線撮影のうち一つ以上により取得された患者の画像のような、一つ以上の患者画像を一般に含む。画像特徴抽出部52は、有効な画像特徴を抽出するためにそれらの現在の患者の画像を処理し、任意で、有効な非画像の特徴102が、現在の患者症例104の有効な特徴又は特徴の組み合わせのセットを定義するために、有効な画像特徴と組み合わされる。前に述べたように、画像特徴抽出部52は、有効な特徴を決定するサブシステム12の画像特徴抽出部を具体化する同一のコンポーネントにより任意で具体化されてもよい。
【0050】
推定の動作110は、現在の患者症例のCDS出力インターフェース56を通じてユーザに提示される臨床決定支援情報112を生成するために、CDS推定エンジン54によって実行される。CDS推定エンジン54は、様々に具体化されることができる。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の距離又は類似性メトリック48は、分類32の臨床的に関連する症例のそれぞれのグループにおけるそれぞれの症例に対応する、現在の患者症例についての距離を定量化するために(又は、類推的に(analogously)、類似性を定量化するために)用いられる。距離メトリックのために、推定は次の関係を用いる。
【数1】

ここでd{c,g}は、gで示されるあるグループを含む症例からのcで示される現在の患者症例のための距離メトリックdの平均値を表す。演算子
【数2】

は分類32の全てのグループにおける最小値を示し、
【数3】

は最小の距離におけるグループを表す(したがって、そのグループは現在の患者症例cと最も似ている)。類似性メトリックsのための、類似表現は以下の通りである。
【数4】

入力として現在の患者症例の有効な特徴を受け取り、最も近く一致するグループを出力する訓練された分類指標のような、他の推定アルゴリズムが用いられてることもできる。そのような訓練された分類指標は、例えば、グループ32において、グループ識別子を用いて事前に注釈を付された患者症例の訓練のセットを用いて、訓練されることができる。いくつかの実施形態において、k近傍法(k-NN)が用いられる。k近傍法は、問い合わせられた症例が患者症例分類に属する事後確率の推定を提供する。kの最も似ている検索された症例に基づいて(距離メトリックの場合の最短距離)、この事後確率は、kで分けられるkの最も似ている症例における患者症例分類の症例の数により推定される。これは単に例に過ぎず、他の分類指標が用いられてもよい。
【0051】
乳癌の検診に向けて提案されるさらなる実施形態を以下に説明する。現在、乳癌は、最も頻度の高い癌であり、アメリカ合衆国における女性の癌による死亡原因が二番目に高い癌である。ここで開示されるように、コンテンツベースの画像検索(CBIR)に基づくCDSシステム及び方法は、事前に評価され、診断された患者症例と共通点がある同様の症例を検索することにより、人間の医師の論理的思考を模倣する。これらの方法は、集められた過去の経験を信頼し、相関性がある有効な特徴の自動化された特定のような、医師の意思決定を支援するために、追加の知識を提供する。したがって、乳癌診断のための開示されたコンテンツベースのCDSシステムは、医師が問い合わせられた症例が悪性である可能性が高いか良性である可能性が高いかを決定することを支援し、したがって誤解を回避し、必要な生体検査を防ぐ。ダイナミック造影MRI(DCE-MRI)が、優れた感度により胸部の病変の特性評価の主な診断ツールとして現れているものの、不要な生体検査の高い発生につながっている。ここで開示される機械学習部42を含む有効な特徴を決定するサブシステム12は、患者症例の類似性についての医師の(又は複数の医師の)主観的感覚を、症例分類32において反映される通り、任意で自動的に計算可能なメトリック46、48を含む有効な特徴44へと変換する。
【0052】
ここで開示されるように、CBIRに基づくCDSシステムは、乳癌のDCE-MRI調査のための臨床的な類似性に関して最適化され、医師の診断の正確性を実質的に改善することが期待され、不要な生体検査及び治療の遅延の両方を減少することが期待される。DCE-MRIの胸部の調査から抽出される形態学的特徴及び動力学的特徴に基づくコンテンツベースの検索は、問い合わせ症例と同一の診断及び同様の画像化の特性を有する先の症例を検索することができる。開示されるCDSシステム及び方法は、ベテラン意思の専門知識を用いて、乳癌症例の臨床的類似性に基づいた分類を可能にする。有効な画像特徴及び非画像の特徴は、認知的分析又は特徴を症例分類と関連付ける他の技術に基づいて特定される。高度なコンピュータビジョン、画像処理及び機械学習技術を統合することにより、CBIRベースのCDSシステムは開発され、人間のベテラン医師によってなされる類似の判断を実質的に反映するように、乳癌診断の応用のために最適化される。例示される応用として乳癌診断を用いたが、基本的な方法論は一般化されることができ、結腸、肺、肝臓、脳癌のような他の固形腫瘍、及び腫瘍学の範囲内外問わず、他の種類の医療疾患の診断のために適応されることができる。
【0053】
本出願は、一つ以上の好ましい実施形態について説明している。改良及び代替が、先立つ詳細な説明を読み理解することで他人に明らかとなる。本出願は、全てのそのような改良及び代替は、添付されるクレーム又はその均等物の範囲内においてなされる限りにおいて含まれるように解釈されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者症例を表すデータを同時に表示するよう動作し、
同時に表示された前記データにより表される患者症例を選択して、前記ユーザの選択による臨床的に関連するグループへと分類することを可能にするようさらに構成されるグラフィカルユーザインターフェースを含む症例分類サブシステムと;
前記臨床的に関連するグループと関連がある有効な特徴(probative features)を決定するよう動作する、有効な特徴を決定するサブシステムと;
ある現在の患者症例に関連する現在の患者データを受信し、受信された前記現在の患者データから決定される、前記有効な特徴の値に基づいて、臨床決定支援情報を出力するよう動作するCDSユーザインターフェースと;
を有する、臨床決定支援(Clinical Decision Support; CDS)システム。
【請求項2】
前記症例分類サブシステムは、ユーザが患者症例を表す表示データを元の画像表示領域から臨床的に関連するグループを表す領域へドラッグする、ドラッグアンドドロップによる症例分類を提供するよう動作するグラフィカルユーザインターフェースを含む、
請求項1に記載の臨床決定支援システム。
【請求項3】
前記症例分類サブシステムは、ユーザが患者症例を表す表示データを臨床的に関連するグループを生成するために元の画像表示領域から新たなグループ作成領域へドラッグする、ドラッグアンドドロップによる分類を提供するよう動作するグラフィカルユーザインターフェースを含む、
請求項2に記載の臨床決定支援システム。
【請求項4】
前記患者症例を表す表示データは、患者画像又は患者画像から生成されるサムネイル画像を有する、
請求項1乃至3何れか一項に記載の臨床決定支援システム。
【請求項5】
前記患者画像は、コンピュータ断層(CT)画像;磁気共鳴(MR)画像;ポジトロン放出断層(PET)画像;単光子放出コンピュータ断層(SPECT)画像;蛍光透視画像;超音波画像及びX線画像のうち一つ以上を含む、
請求項4に記載の臨床決定支援システム。
【請求項6】
前記症例分類サブシステムは、複数の患者画像又は複数の患者画像から生成された複数のサムネイル画像を有する複数の患者症例アイコンを同時に表示し、ユーザが選択した複数の患者症例アイコンを複数の臨床的に関連するグループへ、ユーザが選択した通りに視覚的に分類できるよう動作するグラフィカルユーザインターフェースを含む、
請求項1に記載の臨床決定支援システム。
【請求項7】
前記患者画像は、コンピュータ断層(CT)画像;磁気共鳴(MR)画像;ポジトロン放出断層(PET)画像;単光子放出コンピュータ断層(SPECT)画像;蛍光透視画像;超音波画像及びX線画像のうち一つ以上を含む、
請求項6に記載の臨床決定支援システム。
【請求項8】
前記有効な特徴を決定するサブシステムは、前記臨床的に関連するグループと関連がある異なる複数の患者症例の値を有する、有効な特徴を自動的に決定するよう動作する機械学習部を含む、
請求項1乃至7何れか一項に記載の臨床決定支援システム。
【請求項9】
前記機械学習部は:
遺伝的アルゴリズム、k近傍法アルゴリズム、k平均クラスタリングアルゴリズム、焼きなまし法アルゴリズム、全数検索アルゴリズム、浮動探索アルゴリズム
からなるグループから選択される一のアルゴリズム又はアルゴリズムの組み合わせを実装する、
請求項8に記載の臨床決定支援システム。
【請求項10】
前記有効な特徴を決定するサブシステムは、
有効な特徴の重みを自動的に決定するようさらに動作する前記機械学習部を含む、
請求項8又は9に記載の臨床決定支援システム。
【請求項11】
前記有効な特徴を決定するサブシステムは、
前記有効な特徴を組み合わせる距離関数又は類似度関数を自動的に決定するようさらに動作する前記機械学習部を含む、
請求項8乃至10何れか一項に記載の臨床決定支援システム。
【請求項12】
前記有効な特徴を決定するサブシステムは:
患者画像から画像特徴を抽出するよう動作する画像特徴抽出部をさらに有し、
前記機械学習部は少なくとも前記画像特徴に関して動作する、
請求項1乃至11何れか一項に記載の臨床決定支援システム。
【請求項13】
前記CDSユーザインターフェースは:
受信された前記現在の患者データから決定される前記有効な特徴の値に基づいた前記臨床決定支援情報を生成するよう動作する推定エンジンを有する、
請求項1乃至12何れか一項に記載の臨床決定支援システム。
【請求項14】
臨床決定支援(Clinical Decision Support; CDS)システムにより実装される臨床決定支援(CDS)方法であって、前記臨床決定支援方法は:
ユーザが患者症例を臨床的に関連するグループへ分類するグラフィカルユーザインターフェースを提供する段階であって、前記グラフィカルユーザインターフェースは、患者画像又は患者画像から生成されるサムネイル画像を有する患者画像アイコンにより患者症例を視覚的に表す、段階と;
前記臨床的に関連するグループと関連がある値を有する前記患者症例の有効な特徴を決定する段階と;
受信された現在の患者データから決定される前記有効な特徴の値に基づいて、現在の患者症例に関連する前記受信された現在の患者データに基づいた臨床決定支援情報を自動的に提供する段階と;
を有する、臨床決定支援方法。
【請求項15】
前記グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザが患者症例を臨床的に関連するグループへと分類する前記患者症例アイコンについてのドラッグアンドドロップ操作を提供する、
請求項14に記載の臨床決定支援方法。
【請求項16】
前記グラフィカルユーザインターフェースは、前記グラフィカルユーザインターフェースを通じた患者症例アイコンのユーザ選択に応じて非画像の患者症例情報を表示する、
請求項14又は15に記載の臨床決定支援方法。
【請求項17】
前記決定する段階は:
機械学習部を用いて前記臨床的に関連するグループと関連する値を有する前記患者症例の有効な特徴を自動的に決定する段階
を有する、請求項14乃至16何れか一項に記載の臨床決定支援方法。
【請求項18】
前記自動的に決定する段階は:
患者画像から画像特徴を抽出する段階であって、前記画像特徴は前記機械学習部により処理される、段階
をさらに有する、請求項17に記載の臨床決定支援方法。
【請求項19】
前記機械学習部は、少なくともいくつかの非画像の特徴をさらに処理する、
請求項17又は18に記載の臨床決定支援方法。
【請求項20】
請求項14乃至19何れか一項に記載の臨床決定支援方法を実行するための、デジタルプロセッサにより実行可能な命令を保管する記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−523877(P2012−523877A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505254(P2012−505254)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051013
【国際公開番号】WO2010/119356
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】