説明

自動ドア

【課題】状況に応じたスイッチ操作を利用者に促すことができる自動ドアを提供する。
【解決手段】自動ドアは、ドアを駆動するモータ14と、ドアを施錠するための電気錠18と、電気錠制御手段56と、照光スイッチからなる内側閉じスイッチ42と、照光スイッチからなる内側開きスイッチ41と、照光スイッチからなる外側閉じスイッチ46と、照光スイッチからなる外側開きスイッチ45と、閉じスイッチ42,46、開きスイッチ41,45の操作に応じて、ドアが開閉動作を行うようにモータ14の駆動制御を行う駆動制御手段55と、ドアの開閉状況、電気錠18の状況、閉じスイッチ42,46及び開きスイッチ41,45の操作状況に応じて、閉じスイッチ42,46及び開きスイッチ41,45のうち特定のスイッチを点灯又は点滅させる一方、その他のスイッチを消灯させる制御を行う操作ガイド制御手段57と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているように、トイレ等の比較的狭い部屋で使用される自動ドアが知られている。この種の自動ドアでは、室内に設置される内部開きスイッチ及び内部閉じスイッチと、室外に設置される外部開きスイッチ及び外部閉じスイッチと、が設けられている。そして、この自動ドアでは、内部開きスイッチ又は外部開きスイッチが操作されるとドアを全開位置まで移動させ、内部閉じスイッチ又は外部閉じスイッチが操作されるとドアを全閉位置まで移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−271556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示された自動ドアは、ドアを閉じる際に閉じスイッチを操作する必要があるため、ビルエントランス等に設けられる自動ドアとは異なる操作が必要となる。すなわち、ビルエントランス等に設けられる自動ドアでは、補助光センサやその他のセンサによって人が検知されなくなってから、所定時間経過すれば自動的にドアの閉じ動作を開始するのに対し、特許文献1に開示された自動ドアでは、原則としてドアを閉じるために閉じスイッチの操作が必要となる。このため、利用者が自動ドアの操作の違いに戸惑うことがある。また、利用者が開きスイッチ又は閉じスイッチを誤って操作することもある。
【0005】
そこで、本発明は、前記従来技術を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、状況に応じたスイッチ操作を利用者に促すことができる自動ドアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明は、部屋の開口部を開閉するようにドアを駆動するモータと、前記ドアを施錠するための電気錠と、前記電気錠を制御する電気錠制御手段と、前記部屋の内部に配置され、照光スイッチからなる内側閉じスイッチと、前記部屋の内部に配置され、照光スイッチからなる内側開きスイッチと、前記部屋の外部に配置され、照光スイッチからなる外側閉じスイッチと、前記部屋の外部に配置され、照光スイッチからなる外側開きスイッチと、前記内側閉じスイッチ又は前記外側閉じスイッチの操作に応じて、前記ドアが閉じ動作を行うように前記モータの駆動制御を行い、前記内側開きスイッチ又は前記外側開きスイッチの操作に応じて、前記ドアが開き動作を行うように前記モータの駆動制御を行う駆動制御手段と、前記ドアの開閉状況、前記電気錠の状況、前記閉じスイッチ及び前記開きスイッチの操作状況に応じて、前記内側閉じスイッチ、前記内側開きスイッチ、前記外側閉じスイッチ及び前記外側開きスイッチのうち特定のスイッチを点灯又は点滅させる一方、その他のスイッチを消灯させる制御を行う操作ガイド制御手段と、を含む自動ドアである。
【0007】
本発明では、操作ガイド制御手段が、ドアの開閉状況、電気錠の状況、閉じスイッチ及び開きスイッチの操作状況に応じて、内側閉じスイッチ、内側開きスイッチ、外側閉じスイッチ及び外側開きスイッチのうち特定のスイッチを点灯又は点滅させる一方、その他のスイッチを消灯させる。すなわち、ドアの開閉状況、電気錠の状況、閉じスイッチ及び開きスイッチの操作状況に応じて、次に利用者が操作する必要のあるスイッチ(特定のスイッチ)が決まるため、その特定のスイッチが前記状況に応じて予め設定されていて、当該特定のスイッチを点灯又は点滅させる。このため、内側閉じスイッチ、内側開きスイッチ、外側閉じスイッチ及び外側開きスイッチを備え、ビルエントランス等に設けられる自動ドアとは異なる操作の必要な自動ドアであっても、状況に応じたスイッチ操作を利用者に促し、利用者が自動ドアの操作に戸惑ったりスイッチを誤操作することがないようにすることができる。
【0008】
ここで、前記操作ガイド制御手段は、前記ドアが閉じ状態であり、かつ前記電気錠が解錠状態にあるときに前記外側開きスイッチが操作されると、前記内側閉じスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行ってもよく、この場合、前記電気錠制御手段は、前記内側閉じスイッチが操作されると、前記ドアが閉じた状態にあることを前提に前記電気錠を施錠状態にする制御を行ってもよい。
【0009】
この態様では、外側開きスイッチが操作された場合に内側閉じスイッチを点滅又は点灯させて、部屋の中に入った利用者にドアを閉じる操作を促すことができる。しかも、内側閉じスイッチが操作されることによって電気錠が施錠状態となるため、内側閉じスイッチの操作を促すことにより、電気錠が施錠されないままドアが閉じた状態となることを回避することができる。
【0010】
また、前記操作ガイド制御手段は、前記ドアが閉じ状態であり、かつ前記電気錠が施錠状態にあるときに、前記内側開きスイッチが操作されると、前記外側閉じスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行ってもよく、この場合、前記電気錠制御手段は、前記内側開きスイッチが操作されると施錠状態にある前記電気錠を解錠状態にする制御を行ってもよい。
【0011】
この態様では、部屋の中にいた利用者がドアを開けて外に出る場合において、外に出た利用者に外側閉じスイッチの操作を促すことができる。これにより、ドアが開いたままの状態に放置されることを防止できる。
【0012】
また、前記電気錠制御手段は、前記内側閉じスイッチが操作されると、前記ドアが閉じた状態にあることを前提に前記電気錠を施錠状態にする制御を行ってもよく、この場合、前記操作ガイド制御手段は、前記ドアが閉じ状態であり、かつ前記電気錠が施錠状態にあるときに、前記内側開きスイッチが操作されたときには前記内側閉じスイッチを消灯状態に維持する一方、前記内側開きスイッチが操作されてから予め設定された所定時間が経過すると、前記内側閉じスイッチを点滅又は点灯させる制御を行ってもよい。
【0013】
この態様では、内側開きスイッチが操作されたときには、内側閉じスイッチを消灯状態のままとする一方で、その後、所定時間が経過すると、内側閉じスイッチも点滅又は点灯する。すなわち、内側開きスイッチが操作された時点で内側閉じスイッチも点滅又は点灯させてしまうと、部屋の中にいた利用者が部屋から出るときに内側閉じスイッチを操作してしまう虞があり、この場合には、その後にドアが閉じられたときに電気錠が施錠状態となってしまう。一方、部屋の中にいた利用者が部屋から出るときに、別の利用者が部屋の中に入る場合がある。この場合には、内側閉じスイッチではなく、外側閉じスイッチが操作されることによってドアが閉じられることも想定される。外側閉じスイッチが操作されてドアが閉じられた場合には、電気錠が施錠状態にならない。したがって、電気錠が施錠されないままドアが閉じた状態に維持されることを回避すべく、後から部屋の中に入った利用者に内側閉じスイッチを操作するように促すことができる。
【0014】
また、前記操作ガイド制御手段は、前記ドアが閉じ状態であり、かつ前記電気錠が施錠状態にあるときに、非常時に該当するとして予め設定された非常時条件が成立すると、前記外側開きスイッチ及び前記内側開きスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行ってもよく、この場合、前記電気錠制御手段は、前記非常時条件が成立すると、前記電気錠を解錠状態にする制御を行ってもよい。
【0015】
この態様では、予め設定された非常時条件が成立すると、電気錠が解錠状態となるため、外側開きスイッチ又は内側開きスイッチが操作されると、ドアを開き動作させることができる。このため、部屋の中に利用者がいて、電気錠が施錠状態となっている場合においても非常時条件が成立すると、部屋の外側からでもドアを開ける操作が可能となる。したがって、非常時には部屋の外にいる人にも開きスイッチの操作を促すことができる。
【0016】
また、前記ドアの閉じ動作中に、前記ドアを反転動作させるための条件として予め設定された動作反転条件が成立すると、前記駆動制御手段は、前記ドアが開き位置に維持されるように前記モータの駆動制御を行ってもよく、この場合、前記操作ガイド制御手段は、前記動作反転条件が成立すると、前記内側閉じスイッチ又は前記外側閉じスイッチを点灯又は点滅させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行ってもよい。
【0017】
この態様では、ドアの閉じ動作中にドアを反転動作させるための条件が成立すると、ドアが開き動作をして開き位置に維持される。このため、内側閉じスイッチ又は外側閉じスイッチを点灯又は点滅させることにより、ドアを閉じようとしていた利用者に、再度ドアを閉じるためのスイッチ操作を促すことができる。
【0018】
また、前記外側開きスイッチの操作による前記ドアの開き動作中に、前記ドアを停止させるための条件として予め設定されたドア停止条件が成立すると、前記駆動制御手段は、前記ドアが停止するように前記モータの駆動制御を行ってもよく、この場合、前記操作ガイド制御手段は、前記ドア停止条件が成立すると、前記内側閉じスイッチ又は前記外側開きスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行ってもよい。
【0019】
部屋の外にいる利用者が外側開きスイッチを操作したことによってドアが開き動作を行う場合において、ドア停止条件が成立したことによって途中でドアが停止したときには、利用者が部屋の中に入れる場合と、部屋の中に入れない場合とが想定される。したがって、この態様では、内側閉じスイッチを点滅又は点灯させることにより、部屋の中に入れた利用者に対してドアを閉じるための操作を促すことができる一方、外側開きスイッチを点滅又は点灯させることにより、部屋の中に入れなかった利用者に対しては、再度ドアを開くための操作を促すことができる。
【0020】
また、前記内側開きスイッチの操作による前記ドアの開き動作中に、前記ドアを停止させるための条件として予め設定されたドア停止条件が成立すると、前記駆動制御手段は、前記ドアが停止するように前記モータの駆動制御を行ってもよく、この場合、前記操作ガイド制御手段は、前記ドア停止条件が成立すると、前記外側閉じスイッチ又は前記内側開きスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行ってもよい。
【0021】
部屋の中にいる利用者が内側開きスイッチを操作したことによってドアが開き動作を行う場合において、ドア停止条件が成立したことによって途中でドアが停止したときには、利用者が部屋の中から出られる場合と、部屋の中から出られない場合とが想定される。したがって、この態様では、外側閉じスイッチを点滅又は点灯させることにより、部屋の中から出られた利用者に対してドアを閉じるための操作を促すことができる一方、内側開きスイッチを点滅又は点灯させることにより、部屋の中から出られなかった利用者に対しては、再度ドアを開くための操作を促すことができる。
【0022】
また、前記自動ドアは、点灯又は点滅するスイッチの操作を促す音声案内を行うための制御を行う音声案内制御手段を含んでもよい。この態様では、スイッチ操作をするように利用者に確実に知らせることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、状況に応じたスイッチ操作を利用者に促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る自動ドアの構成を示すブロック図である。
【図2】前記自動ドアが設けられており、閉じ位置にあるドアを開けようとしている利用者がある場合の多目的トイレを概略的に示している図である。
【図3】前記自動ドアが設けられており、開き位置にあるドアを閉じようとしている利用者がある場合の多目的トイレを概略的に示している図である。
【図4】初期状態において外側開きスイッチが操作される場合の前記自動ドアの制御フローを示す図である。
【図5】初期状態において内側閉じスイッチが操作される場合の前記自動ドアの制御フローを示す図である。
【図6】初期状態において内側開きスイッチが操作される場合の前記自動ドアの制御フローを示す図である。
【図7】ドアが開放状態になっている場合において、外側閉じスイッチが操作される場合の前記自動ドアの制御フローを示す図である。
【図8】ドアが開放状態になっている場合において、内側閉じスイッチが操作される場合の前記自動ドアの制御フローを示す図である。
【図9】ドアが施錠されていて内側開きスイッチが操作される場合の前記自動ドアの制御フローを示す図である。
【図10】非常時における前記自動ドアの制御フローを示す図である。
【図11】非常時における前記自動ドアの他の制御フローを示す図である。
【図12】利用者がトイレに入った場合において、閉じ動作中にセーフティ動作が発生したときの制御フローを示す図である。
【図13】利用者がトイレから出た場合において、閉じ動作中にセーフティ動作が発生したときの制御フローを示す図である。
【図14】利用者がトイレに入る場合において、開き動作中にセーフティ動作が発生したときの制御フローを示す図である。
【図15】利用者がトイレから出る場合において、開き動作中にセーフティ動作が発生したときの制御フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1に示すように、本実施形態に係る自動ドア10は、ドア12を駆動するモータ14と、ドア12を開閉動作させるためのスイッチである内側スイッチ手段15及び外側スイッチ手段16と、ドア12を施錠するための電気錠18と、音声案内装置20と、モータ14の駆動制御を含め種々の制御を行うコントローラ22と、を有する。この自動ドア10は、例えば車椅子利用者、高齢者、妊婦、乳幼児を連れた母親などを利用対象とした多目的トイレ24(図2参照)に設置されて使用される。なお、ここでは、部屋の一例としての多目的トイレ24の自動ドアについて説明するが、部屋としてはこれに限られるものではなく、試着室等、比較的狭い部屋を例示することができる。
【0027】
図2及び図3に示すように、多目的トイレ24は、出入り口として機能する開口部26を有する壁部27を備えており、この開口部26には、引き戸式のドア12が配設されている。この壁部27は他の壁部28〜30とともに直方体状の空間を形成しており、これら壁部27〜30によって形成された部屋の内部には、便器32、補助用手すり34等が配設されている。
【0028】
ドア12は、モータ14の駆動により、開口部26が形成された壁部27に沿って往復移動可能となっている。モータ14には、モータ本体14aの回転角度を検出可能なエンコーダ14bが設けられており、このエンコーダ14bからの信号(エンコーダ信号)はドア12の移動量を検出するのに利用される。そして、ドア12は、壁部27の内側に沿うように配置されて開口部26を開放する全開位置と、開口部26を閉じる全閉位置との間を移動可能である。なお、壁部27は、開き位置にあるドア12を収容する戸袋として構成されていてもよい。
【0029】
内側スイッチ手段15は、部屋の内部の利用者が操作するためのスイッチ類が配設されるものであり、部屋の内部における開口部26の近傍に配置されている。内側スイッチ手段15には、ドア12を開くための操作部として機能する内側開きスイッチ41と、ドア12を閉じるための操作部として機能する内側閉じスイッチ42とが含まれている。
【0030】
内側開きスイッチ41は、照光スイッチによって構成されている。すなわち、内側開きスイッチ41は、「開」等の開きスイッチであることを示す表示がなされた操作板の裏側に発光ダイオード(LED)等の発光部41aを内蔵するスイッチであって、発光部41aが発光することによって操作板の少なくとも一部が明るくなるスイッチによって構成されている。そして、内側開きスイッチ41は、コントローラ22から出力された信号に応じて、点灯、点滅又は消灯の状態となり得る。点灯は、発光部41aが継続して発光し続ける状態であり、点滅は、発光部41aが断続的に発光する状態であり、消灯は、発光部41aが発光しない状態である。点滅は、発光時間(点灯時間)及び非発光時間(消灯時間)がずっと同じ時間で繰り返される点滅状態、発光時間と非発光時間とが相違する時間で繰り返される点滅状態、あるいは、発光及び非発光がランダムに繰り返される点滅状態であってもよい。
【0031】
内側閉じスイッチ42も、内側開きスイッチ41と同様に照光スイッチによって構成されており、LED等の発光部42aが内蔵されている。ただし、内側閉じスイッチ42の操作板には、「閉」等の閉じスイッチであることを示す表示がなされている。
【0032】
なお、内側開きスイッチ41と内側閉じスイッチ42との間には、図1に示すように、発光部43が設けられていてもよい。そして、この発光部43の上側等に「施錠中」等の表示を行うとともに、電気錠18によってドア12が施錠されているときにこの発光部を発光させるようにしてもよい。
【0033】
外側スイッチ手段16は、部屋の外部の利用者が操作するためのスイッチ類が配設されるものであり、部屋の外部における開口部26の近傍に配置されている。外側スイッチ手段16には、ドア12を開くための操作部として機能する外側開きスイッチ45と、ドア12を閉じるための操作部として機能する外側閉じスイッチ46とが含まれている。
【0034】
外側開きスイッチ45は、照光スイッチによって構成されている。すなわち、外側開きスイッチ45は、「開」等の開きスイッチであることを示す表示がなされた操作板の裏側に発光ダイオード(LED)等の発光部45aを内蔵するスイッチであって、発光部45aが発光することによって操作板の少なくとも一部が明るくなるスイッチによって構成されている。そして、外側開きスイッチ45は、コントローラ22から出力された信号に応じて、内側開きスイッチ41と同様に、点灯、点滅又は消灯の状態となり得る。
【0035】
外側閉じスイッチ46も、外側開きスイッチ45と同様に照光スイッチによって構成されており、LED等の発光部46aが内蔵されている。ただし、外側閉じスイッチ46の操作板には、「閉」等の閉じスイッチであることを示す表示がなされている。
【0036】
なお、外側開きスイッチ45と外側閉じスイッチ46との間には、図1に示すように、発光部47が設けられていてもよい。そして、この発光部47の上側等に「使用中」等の表示を行うとともに、電気錠18によってドア12が施錠されているときにこの発光部を発光させるようにしてもよい。
【0037】
内側開きスイッチ41と外側開きスイッチ45は、操作されるとドア12を開く方向に動作させる制御を行うための信号を出力する。内側閉じスイッチ42と外側閉じスイッチ46は、操作されるとドア12を閉じる方向に動作させる制御を行うための信号を出力する。
【0038】
室内には非常スイッチ48が配設されている。非常スイッチ48は、例えば便器32の近傍に設置されている。非常スイッチ48が操作がなされるとコントローラ22が管理室等、所定の管理者のもとに連絡をする制御を実行するようになっていてもよい。
【0039】
音声案内装置20は、部屋の内側に配置された図略のスピーカ及び部屋の外側に配置された図略のスピーカを備えており、コントローラ22の音声案内制御手段58から出力された信号に応じて所定の音声を発し、利用者に対して音声案内を行う。
【0040】
コントローラ22は、ROM、RAM、CPU等を有し、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、種々の機能を発揮する。この機能には、駆動制御手段55と、電気錠制御手段56と、操作ガイド制御手段57と、音声案内制御手段58と、が含まれている。また、コントローラ22には、タイマー51が設けられている。
【0041】
駆動制御手段55は、内側スイッチ手段15及び外側スイッチ手段16の操作に応じて、モータ14の駆動制御を行う。すなわち、駆動制御手段55は、内側開きスイッチ41又は外側開きスイッチ45から出力された信号がコントローラ22に入力されると、ドア12が開き方向に動作するようにモータ14を駆動制御し、また内側閉じスイッチ42又は外側閉じスイッチ46から出力された信号がコントローラ22に入力されると、ドア12が閉じ方向に動作するようにモータ14を駆動制御する。
【0042】
電気錠制御手段56は、電気錠18を駆動制御するものであり、内側閉じスイッチ42の操作がされることによってドア12が閉じられたときに、ドア12が施錠されるように電気錠18を制御し、内側開きスイッチ41から出力された信号がコントローラ22に入力されると、ドア12の施錠を解除するように電気錠18を制御する。
【0043】
操作ガイド制御手段57は、ドア12の開閉状況、電気錠18による施解錠状況、閉じスイッチ42,46及び開きスイッチ41,45の操作状況に応じて、内側閉じスイッチ42、内側開きスイッチ41、外側閉じスイッチ46及び外側開きスイッチ45のうち特定のスイッチを点灯又は点滅させる一方、その他のスイッチを消灯させる制御を行う。すなわち、ドア12の開閉状況、電気錠18の状況、閉じスイッチ42,46及び開きスイッチ41,45の操作状況に応じて、次に利用者が操作する必要のあるスイッチ(特定のスイッチ)が決まるため、コントローラ22には、状況に応じて特定されるスイッチが、状況毎に予め設定されている。そして、操作ガイド制御手段57は、その特定されたスイッチを点灯又は点滅させる一方、その他のスイッチについては消灯させる制御を行う。操作ガイド制御手段57による操作ガイドの制御動作について、以下、駆動制御手段55によるドア12の駆動制御及び電気錠制御手段56による電気錠18の駆動制御と合わせて、フロー図を参照しつつ説明する。
【0044】
図4〜図6は、自動ドア10が初期状態にあるときの制御動作を説明するための図である。ここでいう初期状態とは、ドア12が閉じ位置にあって開口部26が閉じられていて、かつ電気錠18が解錠状態となっている状態(つまり、室内に利用者がいない状態)を意味している。
【0045】
図4は、初期状態において外側開きスイッチ45が操作された場合の制御フローを示しており、まず、ドア12が閉じ位置にあり(全閉)、かつ電気錠18が解錠状態にあり、かつ外側開きスイッチ45が操作されたか否かが判定され(ステップST1)、この判定がYESとなると、ステップST2に移り、駆動制御手段55がドア12を開き動作させる制御を行う。このとき、操作ガイド制御手段57は、内側閉じスイッチ42を点滅させるとともに、外側開きスイッチ45、外側閉じスイッチ46及び内側開きスイッチ41を消灯させる。内側閉じスイッチ42が押し操作された場合には、ドア12が閉じ位置にあることを条件として電気錠18が解錠状態から施錠状態となる。
【0046】
この場合、ステップST1において判定される条件(自動ドアの開閉状況、電気錠の状況、閉じスイッチ及び開きスイッチの操作状況)によって内側閉じスイッチ42が、次に利用者が操作する必要のあるスイッチ(特定のスイッチ)として特定されて、内側閉じスイッチ42を点滅させる。つまり、トイレ24を利用する者がドア12を開けて室内に入る場合に該当するため、電気錠18による施錠を促すべく、内側閉じスイッチ42を点滅させることにより、利用者に当該スイッチ42を操作するように促す操作ガイド制御を行う。この場合において、音声案内制御手段58は、点滅状態にあるスイッチ(内側閉じスイッチ42)の操作を促す音声案内を流すための制御を行ってもよい。
【0047】
一方、図5は、初期状態において、内側閉じスイッチ42が操作された場合の制御フローを示している。ステップST3において、ドア12が閉じ位置にあり(全閉)、かつ電気錠18が解錠状態にあり、かつ内側閉じスイッチ42が操作されたか否かが判定されている。そして、内側閉じスイッチ42が操作されてONすると、ステップST4に移行し、電気錠制御手段56は電気錠18を施錠状態とする制御を行う。このとき、操作ガイド制御手段57は、内側開きスイッチ41を点灯させるとともに、外側開きスイッチ45、外側閉じスイッチ46及び内側閉じスイッチ42を消灯させる。
【0048】
ステップST3において判定される条件がYESとなるのは、例えば利用者が室内にいる場合において停電があって、復旧したときである。この場合には、自動ドア10は初期状態となるため、室内の利用者が内側閉じスイッチ42を操作することによってステップST4の制御動作が行われ、電気錠18が施錠される。このとき、内側開きスイッチ41が点滅状態ではなく点灯状態となるのは、内側開きスイッチ41の操作を促すのではなく、内側開きスイッチ41の操作が可能であることを利用者に知らせるためである。
【0049】
図6は、初期状態において、内側開きスイッチ41が操作された場合の制御フローを示している。ステップST5において、ドア12が閉じ位置にあり(全閉)、かつ電気錠18が解錠状態にあり、かつ内側開きスイッチ41が操作されたか否かが判定されている。そして、内側開きスイッチ41が操作されてONすると、ステップST6に移行して駆動制御手段55がドア12を開き動作させる制御を行う。このとき、操作ガイド制御手段57は、外側閉じスイッチ46を点灯させるとともに、外側開きスイッチ45、内側開きスイッチ41及び内側閉じスイッチ42を消灯させる。すなわち、ステップST5によって判定される条件が成立することにより、外側閉じスイッチ46が特定される。この場合は、室内に利用者がいる状態で初期状態となった場合において、内側開きスイッチ41が操作された場合であるので、部屋の外に出た利用者に対してドア12の閉じ操作を行うように促すべく、外側閉じスイッチ46を点滅させている。この場合において、音声案内制御手段58は、点滅状態にあるスイッチ(外側閉じスイッチ46)の操作を促す音声案内を流すための制御を行ってもよい。
【0050】
次に、ドア12が開放状態にあるときの制御フローについて、図7及び図8を参照しつつ説明する。
【0051】
図7は、ドア12が開放状態となっている場合において、外側閉じスイッチ46が操作されたか否かが判定されている場合(ステップST11)を示している。この場合において、外側閉じスイッチ46が操作されてONすると、ステップST12に移行して、駆動制御手段55がドア12を閉じ動作させる制御を行う。そして、操作ガイド制御手段57は、外側開きスイッチ45及び内側閉じスイッチ42を点灯させるとともに、外側閉じスイッチ46及び内側開きスイッチ41を消灯させる(ステップST12)。この場合には、利用者がトイレ24の利用後に外側閉じスイッチ46を操作してドア12が閉じられた場合を想定して外側開きスイッチ45を点灯状態とし、また、トイレ24に入ろうとする利用者がドア12を開けた後、間違って外側閉じスイッチ46を操作しながらトイレ24内に入った場合を想定して、内側閉じスイッチ42を点灯状態としている。
【0052】
図8は、ドア12が開放状態となっている場合において、内側閉じスイッチ42が操作されたか否かが判定されている場合(ステップST13)を示している。この場合において、内側閉じスイッチ42が操作されてONすると、ステップST14に移行して、駆動制御手段55がドア12を閉じ動作させる制御を行う。そして、電気錠制御手段56は、ドア12が閉じ位置にあることを条件として(ドア12が閉じられたとき)、電気錠18を施錠する制御を行う(ステップST14)。また、操作ガイド制御手段57は、内側開きスイッチ41を点灯させるとともに、外側開きスイッチ45、外側閉じスイッチ46及び内側閉じスイッチ42を消灯させる(ステップST14)。すなわち、利用者がトイレ24を利用している場合に該当するため、利用者に内側開きスイッチ41の操作が可能であることを知らせるべく、内側開きスイッチ41を点灯させている。
【0053】
このとき、外側開きスイッチ45及び外側閉じスイッチ46は、無効状態とされる(ステップST15)。すなわち、利用者がトイレ24を利用している場合に該当するため、外側のスイッチ45,46を無効としている。無効状態とは、スイッチ45,46から出力された信号をコントローラ22において読み取れなくすることや、スイッチ45,46から出力された信号をコントローラ22において読み取ったとしても、それを利用しないようにすることを意味している。
【0054】
次に、図9を参照しつつ、ドア12が施錠されていて内側開きスイッチ41が操作される場合の制御動作について、説明する。
【0055】
ドア12が閉じられていて電気錠18が施錠されている場合において、内側開きスイッチ41が操作されたか否かが判定されている(ステップST21)。なお、この場合には、内側開きスイッチ41のみが点灯状態であり、その他のスイッチは消灯状態となっている。この状態のときに、内側開きスイッチ41が操作されてONすると、ステップST21からステップST22に移行する。そして、電気錠制御手段56は、電気錠18を施錠状態から解錠状態にする制御を行い、駆動制御手段55は、ドア12を開き動作させるための制御を行う。また、操作ガイド制御手段57は、外側閉じスイッチ46を点滅させるとともに、外側開きスイッチ45、内側開きスイッチ41及び内側閉じスイッチ42を消灯させる(ステップST22)。またこのとき、外側開きスイッチ45及び外側閉じスイッチ46は、無効状態から有効状態とされる(ステップST23)。すなわち、ステップST21の条件が成立することにより、外側閉じスイッチ46が特定される。この場合、室内にいた利用者がトイレ24の利用後に外に出る場合に該当するため、部屋の外に出た利用者に対してドア12の閉じ操作を行うように促すべく、外側閉じスイッチ46を点滅させている。
【0056】
そして、タイマー51を作動させて、コントローラ22は、内側開きスイッチ41が操作されてONしてから、所定時間経過したか否かを判定する(ステップST24)。そして、所定時間が経過するとステップST25に移行し、操作ガイド制御手段57は、外側閉じスイッチ46に加えて内側閉じスイッチ42をも点滅させる。すなわち、ステップST21の条件に加え、ステップST24の条件が成立することにより、内側閉じスイッチ42が更に特定される。このとき外側開きスイッチ45及び内側開きスイッチ41は消灯状態のままである。つまり、内側開きスイッチ41が操作された時点で内側閉じスイッチ42も点滅させてしまうと、トイレ24にいた利用者がトイレ24から出るときに内側閉じスイッチ42を操作してしまう虞があり、この場合には、ドア12が閉じられたときに無人のまま電気錠18が施錠状態となってしまう。一方、中にいた利用者がトイレ24から出るのと入れ替わりで別の利用者がトイレ24の中に入る場合がある。この場合には、内側閉じスイッチ42ではなく、外側閉じスイッチ46が操作されることによってドア12が閉じられることも想定される。外側閉じスイッチ46が操作されてドア12が閉じられた場合には、施錠状態にならない。したがって、電気錠18が施錠されないままドア12が閉じた状態に維持されることを回避すべく、トイレ24の中に入った利用者に内側閉じスイッチ42を操作するように促す。なお、この場合において、音声案内制御手段58は、点滅状態にあるスイッチ(外側閉じスイッチ46及び内側閉じスイッチ42)の操作を促す音声案内を流すための制御を行ってもよい。
【0057】
次に、図10を参照しつつ、トイレ24の利用者がある場合における非常時の制御動作について説明する。ここでいう非常時とは、トイレ24の利用者に何らかの異常が発生し、トイレ24に入ってから長時間が経過した場合や、非常スイッチ48が押された場合をいう。
【0058】
利用者がトイレ24に入った場合には、ドア12が閉じられるとともに電気錠18が施錠状態となっている。この状態でタイマー51が作動しており、この状態になってから、第1の所定時間が経過したか否かが判定されている(ステップST31)。そして、第1の所定時間が経過した場合には、音声案内制御手段58が、音声案内装置20により、所定の音声案内を流す制御を行う(ステップST32)。この音声案内は、間もなく解錠される旨の音声案内である。なおこのとき、例えば、内側閉じスイッチ42を再度操作することによって解錠を回避できる旨の音声案内を併せてしてもよい。この場合には、内側閉じスイッチ42を点滅するようにしてもよい。
【0059】
そして、そのまま所定時間が経過(ドア12が閉じられるとともに電気錠18が施錠状態となってから、第2の所定時間が経過)したか否かを判定する(ステップST33)。第2の所定時間が経過すると、ステップST34に移り、電気錠18を解錠する。またこのとき、操作ガイド制御手段57は、内側開きスイッチ41及び外側開きスイッチ45を点滅する制御を行うとともに、内側閉じスイッチ42及び外側閉じスイッチ46を消灯する制御を行う(ステップST34)。そして、外側開きスイッチ45及び外側閉じスイッチ46を無効状態から有効状態とする(ステップST35)。したがって、トイレ24の外にいる介護者等に外側開きスイッチ45を操作するように、促すことができる。なお、第1の所定時間は、例えば25分とし、第2の所定時間は例えば30分とすることができる。
【0060】
この実施形態では、ドア12が閉じられるとともに電気錠18が施錠状態となってから、第2の所定時間が経過したことが、非常時に該当するとして予め設定された非常時条件となる。非常時条件は、この他に、非常スイッチ48が操作された場合にも成立する。
【0061】
例えば図11に示すように、ドア12が閉じられるとともに電気錠18が施錠状態にある場合(利用者がトイレ24に入っている場合)において、非常スイッチ48が操作されたか否かが判定されている(ステップST36)。そして、非常スイッチ48が操作されてONすると、ステップST37に移り、電気錠18を解錠状態にする。またこのとき、操作ガイド制御手段57は、内側開きスイッチ41及び外側開きスイッチ45を点滅する制御を行うとともに、内側閉じスイッチ42及び外側閉じスイッチ46を消灯する制御を行う(ステップST37)。そして、外側開きスイッチ45及び外側閉じスイッチ46を無効状態から有効状態とする(ステップST38)。そして、非常スイッチ48が押された旨の音声案内を流す(ステップST39)。このときの音声案内では、例えば「非常スイッチが押されました。管理者に連絡して下さい」という音声を流してもよい。
【0062】
次に、閉じ動作中にセーフティ動作が発生したときの制御動作について、図12及び図13を参照しつつ説明する。この閉じ動作中おけるセーフティ動作とは、閉じ動作中にドア12が人や物に当たることによってモータトルクが制限値を超えた場合等に、ドア12の反転動作(閉じ動作から開き動作に切り換え、ドア12を開き位置に維持する動作)を行うことである。
【0063】
図12は、利用者がトイレ24に入った場合において、閉じ動作中にセーフティ動作が発生したときの制御フローであり、図13は、利用者がトイレ24から出たときに、閉じ動作中にセーフティ動作が発生したときの制御フローである。
【0064】
まず、利用者がトイレ24に入った場合について説明すると、図12に示すように、ドア12が開き位置にあり、かつ内側閉じスイッチ42が操作されたか否かが判定される(ステップST41)。そして、トイレ24の中に入った利用者が内側閉じスイッチ42を操作すると、ステップST41の判定がYESとなってステップST42に移行する。そして、ドア12の閉じ動作が開始される。このとき、操作ガイド制御手段57は、内側開きスイッチ41を点灯する制御を行うとともに、外側開きスイッチ45、内側閉じスイッチ42及び外側閉じスイッチ46を消灯する制御を行う(ステップST42)。そして、ドア12の閉じ動作中においては、モータ14のトルクが制限値を超過したか、又はエンコーダ信号に異常がないかが判定されており(ステップST43)、ドア12が人等に当たる等して、この判定がYESとなると、ステップST44に移行する。
【0065】
ステップST44においては、ドア12を反転動作して全開位置に維持し、また操作ガイド制御手段57は、内側閉じスイッチ42を点滅する制御を行うとともに、内側開きスイッチ41、外側開きスイッチ45及び外側閉じスイッチ46を消灯する制御を行う。すなわち、ステップST41の条件に加えステップST43の条件が成立することにより、内側閉じスイッチ42が特定される。そして、内側閉じスイッチ42を点滅させることにより、トイレ24の中でドア12を閉じようとしていた利用者に、再度ドア12を閉じるためのスイッチ操作を促すことができる。このとき、音声案内制御手段58は、「点滅中のスイッチを押して、ドアを閉じて下さい」という旨の音声案内を行う制御を行う(ステップST45)。
【0066】
一方、利用者がトイレ24から出たときの制御動作では、図13に示すように、まず、ドア12が開き位置にあり、かつ外側閉じスイッチ46が操作されたか否かが判定されている(ステップST46)。そして、外側閉じスイッチ46が押されると、ステップST47に移行して、ドア12の閉動作が開始される。このとき、操作ガイド制御手段57は外側開きスイッチ45及び内側閉じスイッチ42を点灯する制御を行うとともに、外側閉じスイッチ46及び内側開きスイッチ41を消灯する制御を行う(ステップST42)。そして、ドア12の閉じ動作中において、モータ14のトルクが制限値を超過したか、又はエンコーダ信号に異常が検出されると(ステップST48)、ステップST49に移行する。
【0067】
ステップST49においては、駆動制御手段55がドア12を反転動作して全開位置に維持する制御を行い、また操作ガイド制御手段57は、外側閉じスイッチ46を点滅する制御を行うとともに、内側開きスイッチ41、内側閉じスイッチ42及び外側開きスイッチ45を消灯する制御を行う。すなわち、ステップST46の条件に加え、ステップST48の条件が成立することにより、外側閉じスイッチ46が特定される。そして、外側閉じスイッチ46を点滅させることにより、トイレ24の外側でドア12を閉じようとしていた利用者に、再度ドア12を閉じるためのスイッチ操作を促すことができる。このとき、音声案内制御手段58は、「点滅中のスイッチを押して、ドアを閉じて下さい」という旨の音声案内を行う制御を行う(ステップST50)。
【0068】
次に、開き動作中にセーフティ動作が発生したときの制御動作について、図14及び図15を参照しつつ説明する。この開き動作中おけるセーフティ動作とは、開き動作中にドア12が人や物に当たることによって、モータトルクが制限値を超えた場合等に、ドア12を停止させる動作を行うことである。
【0069】
図14は、利用者がトイレ24に入る場合において、開き動作中にセーフティ動作が発生したときの制御フローであり、図15は、利用者がトイレ24から出る場合において、開き動作中にセーフティ動作が発生したときの制御フローである。
【0070】
まず、利用者がトイレ24に入る場合について説明すると、図14に示すように、ドア12が閉じ位置にあって電気錠18が解錠状態にあり、かつこの状態で外側開きスイッチ45が操作されたか否かが判定される(ステップST51)。そして、トイレ24に入ろうとする利用者が外側開きスイッチ45を操作すると、ドア12の開き動作が開始される(ステップST52)。このとき、操作ガイド制御手段57は、内側閉じスイッチ42を点滅する制御を行うとともに、外側開きスイッチ45、外側閉じスイッチ46及び内側開きスイッチ41を消灯する制御を行う(ステップST52)。そして、ドア12の開き動作中において、モータ14のトルクが制限値を超過したか、又はエンコーダ信号に異常が検出されると(ステップST53)、ステップST54に移行する。
【0071】
ステップST54においては、駆動制御手段55がドア12を停止する制御を行い、また操作ガイド制御手段57は、内側閉じスイッチ42及び外側開きスイッチ45を点滅する制御を行うとともに、内側開きスイッチ41及び外側閉じスイッチ46を消灯する制御を行う。すなわち、ステップST51の条件に加え、ステップST53の条件が成立することにより、内側閉じスイッチ42と外側開きスイッチ45が特定される。
【0072】
ドア12が開き動作の途中で停止した時には、利用者がトイレ24の中に入れる場合と中に入れない場合とが想定される。したがって、内側閉じスイッチ42を点滅させることにより、トイレ24の中に入れた利用者に対してドア12を閉じるための操作を促す一方、外側開きスイッチ45を点滅させることにより、トイレ24の中に入れなかった利用者に対しては、再度ドア12を開くための操作を促すことができる。このとき、音声案内制御手段58は、「点滅中のスイッチを押して、ドアを閉じて下さい」という旨の音声案内を行う制御を行う(ステップST55)。
【0073】
一方、利用者がトイレ24から出たときの制御動作では、図15に示すように、まず、ドア12が閉じ位置にあって電気錠18が施錠状態にあり、かつ内側開きスイッチ41が操作されたか否かが判定される(ステップST56)。そして、トイレ24から出ようとする利用者が内側開きスイッチ41を操作すると、ドア12の開き動作が開始される(ステップST57)。このとき、操作ガイド制御手段57は、外側閉じスイッチ46を点滅する制御を行うとともに、外側開きスイッチ45、内側開きスイッチ41及び内側閉じスイッチ42を消灯する制御を行う(ステップST57)。そして、ドア12の開き動作中において、モータ14のトルクが制限値を超過したか、又はエンコーダ信号に異常が検出されると(ステップST58)、ステップST59に移行する。
【0074】
ステップST59においては、駆動制御手段55がドア12を停止する制御を行い、また操作ガイド制御手段57は、内側開きスイッチ41及び外側閉じスイッチ46を点滅する制御を行うとともに、内側閉じスイッチ42及び外側開きスイッチ45を消灯する制御を行う。すなわち、ステップST56の条件に加え、ステップST58の条件が成立すると、内側開きスイッチ41と外側閉じスイッチ46とが特定される。
【0075】
ドア12の開き動作の途中でドアが停止したときには、利用者がトイレ24から出られる場合と出られない場合とが想定される。したがって、外側閉じスイッチ46を点滅させることにより、トイレ24から出られた利用者に対してドア12を閉じるための操作を促すことができ、また、内側開きスイッチ41を点滅させることにより、トイレ24から出られなかった利用者に対しては、再度ドア12を開くための操作を促すことができる。このとき、音声案内制御手段58は、「点滅中のスイッチを押して、ドアを閉じて下さい」という旨の音声案内を行う制御を行う(ステップST60)。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、操作ガイド制御手段57が、ドア12の開閉状況、電気錠18の状況、開きスイッチ41,45及び閉じスイッチ42,46の操作状況に応じて、内側開きスイッチ41、内側閉じスイッチ42、外側開きスイッチ45及び外側閉じスイッチ46のうち特定のスイッチを点滅させる一方、その他のスイッチを消灯させる。すなわち、ドア12の開閉状況、電気錠18の状況、開きスイッチ41,45及び閉じスイッチ42,46の操作状況に応じて、次に利用者が操作する必要のあるスイッチ(特定のスイッチ)が決まるため、その特定のスイッチが前記状況に応じて予め設定されていて、当該特定のスイッチを点滅させる。このため、内側開きスイッチ41、内側閉じスイッチ42、外側開きスイッチ45及び外側閉じスイッチ46を備え、ビルエントランス等に設けられる自動ドアとは異なる操作の必要な自動ドア10であっても、状況に応じたスイッチ操作を利用者に促し、利用者が自動ドアの操作に戸惑ったりスイッチ41,42,45,46を誤操作することがないようにすることができる。
【0077】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。例えば、駆動制御手段55、電気錠制御手段56、操作ガイド制御手段57、音声案内制御手段58は、1つのコントローラ22にまとめて構成されている必要はなく、別個のコントローラに分かれてそれぞれ構成される態様であってもよい。
【0078】
また、前記実施形態では、スイッチ41,42,45,46の操作を促すときには点滅させ、操作が可能であることを示すときにはスイッチ41,42,45,46を点灯させるようにした。しかしこれに限られるものではない。例えば、操作が可能であることを示すときにスイッチ41,42,45,46を点灯しないようにしてもよく、この場合には、操作を促すためにスイッチ41,42,45,46を点灯させる制御を行うようにしてもよい。
【0079】
前記実施形態では、非常スイッチ48が設けられる構成について説明したが、非常スイッチ48が省略された構成としてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 自動ドア
12 ドア
14 モータ
18 電気錠
20 音声案内装置
22 コントローラ
24 トイレ
41 内側開きスイッチ
42 内側閉じスイッチ
45 外側開きスイッチ
46 外側閉じスイッチ
48 非常スイッチ
51 タイマー
55 駆動制御手段
56 電気錠制御手段
57 操作ガイド制御手段
58 音声案内制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の開口部を開閉するようにドアを駆動するモータと、
前記ドアを施錠するための電気錠と、
前記電気錠を制御する電気錠制御手段と、
前記部屋の内部に配置され、照光スイッチからなる内側閉じスイッチと、
前記部屋の内部に配置され、照光スイッチからなる内側開きスイッチと、
前記部屋の外部に配置され、照光スイッチからなる外側閉じスイッチと、
前記部屋の外部に配置され、照光スイッチからなる外側開きスイッチと、
前記内側閉じスイッチ又は前記外側閉じスイッチの操作に応じて、前記ドアが閉じ動作を行うように前記モータの駆動制御を行い、前記内側開きスイッチ又は前記外側開きスイッチの操作に応じて、前記ドアが開き動作を行うように前記モータの駆動制御を行う駆動制御手段と、
前記ドアの開閉状況、前記電気錠の状況、前記閉じスイッチ及び前記開きスイッチの操作状況に応じて、前記内側閉じスイッチ、前記内側開きスイッチ、前記外側閉じスイッチ及び前記外側開きスイッチのうち特定のスイッチを点灯又は点滅させる一方、その他のスイッチを消灯させる制御を行う操作ガイド制御手段と、を含む自動ドア。
【請求項2】
前記操作ガイド制御手段は、前記ドアが閉じ状態であり、かつ前記電気錠が解錠状態にあるときに前記外側開きスイッチが操作されると、前記内側閉じスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行い、
前記電気錠制御手段は、前記内側閉じスイッチが操作されると、前記ドアが閉じた状態にあることを前提に前記電気錠を施錠状態にする制御を行う請求項1に記載の自動ドア。
【請求項3】
前記操作ガイド制御手段は、前記ドアが閉じ状態であり、かつ前記電気錠が施錠状態にあるときに、前記内側開きスイッチが操作されると、前記外側閉じスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行い、
前記電気錠制御手段は、前記内側開きスイッチが操作されると施錠状態にある前記電気錠を解錠状態にする制御を行う請求項1又は2に記載の自動ドア。
【請求項4】
前記電気錠制御手段は、前記内側閉じスイッチが操作されると、前記ドアが閉じた状態にあることを前提に前記電気錠を施錠状態にする制御を行い、
前記操作ガイド制御手段は、前記ドアが閉じ状態であり、かつ前記電気錠が施錠状態にあるときに、前記内側開きスイッチが操作されたときには前記内側閉じスイッチを消灯状態に維持する一方、前記内側開きスイッチが操作されてから予め設定された所定時間が経過すると、前記内側閉じスイッチを点滅又は点灯させる制御を行う請求項1から3の何れか1項に記載の自動ドア。
【請求項5】
前記操作ガイド制御手段は、前記ドアが閉じ状態であり、かつ前記電気錠が施錠状態にあるときに、非常時に該当するとして予め設定された非常時条件が成立すると、前記外側開きスイッチ及び前記内側開きスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行い、
前記電気錠制御手段は、前記非常時条件が成立すると、前記電気錠を解錠状態にする制御を行う請求項1から4の何れか1項に記載の自動ドア。
【請求項6】
前記ドアの閉じ動作中に、前記ドアを反転動作させるための条件として予め設定された動作反転条件が成立すると、前記駆動制御手段は、前記ドアが開き位置に維持されるように前記モータの駆動制御を行い、
前記操作ガイド制御手段は、前記動作反転条件が成立すると、前記内側閉じスイッチ又は前記外側閉じスイッチを点灯又は点滅させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行う請求項1から5の何れか1項に記載の自動ドア。
【請求項7】
前記外側開きスイッチの操作による前記ドアの開き動作中に、前記ドアを停止させるための条件として予め設定されたドア停止条件が成立すると、前記駆動制御手段は、前記ドアが停止するように前記モータの駆動制御を行い、
前記操作ガイド制御手段は、前記ドア停止条件が成立すると、前記内側閉じスイッチ又は前記外側開きスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行う請求項1から6の何れか1項に記載の自動ドア。
【請求項8】
前記内側開きスイッチの操作による前記ドアの開き動作中に、前記ドアを停止させるための条件として予め設定されたドア停止条件が成立すると、前記駆動制御手段は、前記ドアが停止するように前記モータの駆動制御を行い、
前記操作ガイド制御手段は、前記ドア停止条件が成立すると、前記外側閉じスイッチ又は前記内側開きスイッチを点滅又は点灯させ、その他のスイッチは消灯状態とする制御を行う請求項1から6の何れか1項に記載の自動ドア。
【請求項9】
点灯又は点滅するスイッチの操作を促す音声案内を行うための制御を行う音声案内制御手段を含む請求項1から8の何れか1項に記載の自動ドア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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