説明

自動二輪車

【課題】自動二輪車の車体フレームの剛性を向上させること。
【解決手段】シートの下方に配置されるフレームを備える自動二輪車において、前記フレームは、前記シートの下方を通って前記自動二輪車の車体の前後方向に延びる左右一対の前後方向延在部を含み、前記各前後方向延在部は、前記自動二輪車の車体外側の縦壁と、車体内側の縦壁と、これら両壁を接続する上壁とによって、下方へ向けて開放する断面コ字状に形成され、前記車体内側の壁部には、前記自動二輪車の車体の前後方向に延びる更なる壁部が、前記自動二輪車の車幅方向の内方へ向けて立設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレームを備える自動二輪車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車には車体フレームが備えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動二輪車においては、車体フレームの剛性を向上させることが望ましい。
【0004】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、自動二輪車の車体フレームの剛性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するため、本発明に係る自動二輪車は、シートの下方に配置されるフレームを備える自動二輪車において、前記フレームは、前記シートの下方を通って前記自動二輪車の車体の前後方向に延びる左右一対の前後方向延在部を含み、前記各前後方向延在部は、前記自動二輪車の車体外側の縦壁と、車体内側の縦壁と、これら両壁を接続する上壁とによって、下方へ向けて開放する断面コ字状に形成され、前記車体内側の壁部には、前記自動二輪車の車体の前後方向に延びる更なる壁部が、前記自動二輪車の車幅方向の内方へ向けて立設される、ことを特徴とする。
【0006】
前記各前後方向延在部において、前記車体内側の縦壁の高さは、前記上壁の幅よりも大きくてよい。
【0007】
また、前記更なる壁部は、その厚さよりも幅広に形成される。
【0008】
また、前記更なる壁部は、幅が一定の部分を含んでよい。
【0009】
また、前記左右一対の前後方向延在部は、前記自動二輪車の車体の前後方向に離れた二箇所において相互に接続されてよい。
【0010】
また、前記更なる壁部は前記左右一対の前後方向延在部が相互に接続される前記二箇所の間に延びてよい。
【0011】
また、前記フレームは、上下方向に分割する金型によって成形されてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る自動二輪車の一実施の形態を図1ないし図13によって詳細に説明する。ここでは、スクータ型自動二輪車に本発明を適用した場合の例について説明する。図1は本発明に係るスクータ型自動二輪車の側面図、図2はフレームの平面図、図3は上部フレームの前側半部の側面図、図4は同じく平面図である。図5は上部フレームの後側半部の側面図、図6は同じく平面図である。図7は下部フレームの側面図、図8は同じく平面図である。図9は図3における左側ダウンフレームのIX−IX線断面図、図10は図5における車体左側の前後方向延在部のX−X線断面図、図11は図5における車体左側の前後方向延在部のXI−XI線断面図、図12は本発明に係る車体フレームの斜視図、図13はフレーム部材を断面横向きコ字状に成形した例を示す断面図である。
【0013】
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態によるスクータ型自動二輪車(以下、単にスクータという)である。このスクータ1は、後輪2を有するユニットスイング式動力ユニット3を車体フレーム4の後部に支持させている。図1において、5は前輪を示し、6はフロントフォーク、7は操向ハンドル、8はシート、9は車体カバーを示す。
【0014】
前記動力ユニット3は、従来からよく知られているものと同等の構造を採っており、エンジン10と伝動ケース11とを一体的に形成して後端部で後輪2を支持しており、伝動ケース11内に設けたVベルト式自動変速機(図示せず)を介してエンジン10から後輪2に動力を伝達する。図1において、伝動ケース11の上方に設けた符号12で示すものは、エンジン10のエアクリーナである。この動力ユニット3は、クランクケース13の上部が後述する動力ユニット支持用ブラケット14,15(図2参照)を介して車体フレーム4に揺動自在に連結され、伝動ケース11の後端部がリヤクッションユニット16を介して車体フレーム4の後端部に接続されている。このリヤクッションユニット16も従来からよく知られているものと同等の構造で、図示してはいないが、クッションスプリングと油圧式ダンパーとを備えている。
【0015】
前記車体フレーム4は、前記フロントフォーク6および操向ハンドル7を回動自在に支持するヘッドパイプ21から足乗せ部22およびシート8の下方を通って車体の後端部まで延びる上部フレーム23と、この上部フレーム23の途中から下方へ延びる下部フレーム24とによって構成されている。前記上部フレーム23は、アルミニウム合金によって形成され、下部フレーム24は、鉄系合金によって形成されている。すなわち、この車体フレーム4は、上部を相対的に軽量なアルミニウム合金により形成することによって軽量化が図られている。
【0016】
前記上部フレーム23は、ヘッドパイプ21から足乗せ部22まで延びる前側半部25と、この前側半部25の後端部に溶接して車体の後端部まで延びる後側半部26とに分けて形成されている。前記前側半部25は、図3および図4に示すように、ヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21から後下がりに延びる左右一対のダウンフレーム27,27と、これらのダウンフレーム27どうしの間に介装した二つのクロスメンバ28,29とから構成され、いわゆるグラビティ鋳造によって成形されて前記各部が一体に形成されている。このグラビティ鋳造とは、溶湯を重力によって金型内に充填する鋳造法のことである。
【0017】
前記ダウンフレーム27は、図9に示すように、横断面が閉形状となる箱状に形成されている。また、前記二つのクロスメンバ28,29のうちヘッドパイプ21側に位置する前側クロスメンバ28は、図3に示すように、縦断面が閉形状となるように形成され、他方の後側クロスメンバ29は、断面へ字状に形成されている。両ダウンフレーム27における前記後側クロスメンバ29の近傍には、後述する下部フレーム24の前端部を取付けるための取付座30が設けられている。
【0018】
上部フレーム23の後側半部26は、図5および図6に示すように、車幅方向の両端部において車体の前後方向へ延びる左側前後方向延在部31および右側前後方向延在部32と、これらの前後方向延在部31,32どうしを前端部と中央部と後端部とで接続する第1〜第3のクロスメンバ33〜35とから構成されており、真空ダイキャスト法によって成形されて前記各部が一体に形成されている。
【0019】
前記左右の前後方向延在部31,32は、車体の前後方向の中央部にそれぞれ動力ユニット支持用のブラケット14,15を介して動力ユニット3の前部が上下方向に揺動自在に連結され、車体左側の前後方向延在部31の後端部には、リヤクッションユニット16の上端部を接続するためのクッションユニット用ブラケット36が設けられている。また、左右の前後方向延在部31,32の前端部には、後述する下部フレーム24の中途部分を接続するためのブラケット37が下方に突出するように設けられている。
【0020】
前記動力ユニット支持用の二つのブラケット14,15は、前後方向延在部31,32の車体内側で後下がりに延びるように設けられており、両前後方向延在部31,32に二つずつ設けた円筒状ボス38,39(図5参照)にダンパーゴム(図示せず)を介してそれぞれ弾性支持されている。また、これらのブラケット14,15の下端部には、連結用ロッド40が横架されており、この連結用ロッド40を介して動力ユニット3を上下方向に揺動自在に支持させている。前記連結用ロッド40と動力ユニット3との連結部は、動力ユニット3に、円筒からなるボス41(図2および図6参照)を車幅方向に離間するとともに同一軸線上に位置するように二つ設け、これらのボス41に連結用ロッド40を貫通させ、この連結用ロッド40に対して前記ボス41が回動する構造を採っている。
【0021】
前記クッションユニット用ブラケット36は、図5および図6に示すように、車体左側の前後方向延在部31の後端部に下方へ突出するように形成されている。この実施の形態では、クッションユニット用ブラケット36は、左右の前後方向延在部31,32どうしを接続する第3のクロスメンバ35の近傍に配設されている。
【0022】
前記左側前後方向延在部31と右側前後方向延在部32とを接続する第1〜第3のクロスメンバ33〜35のうち両前後方向延在部31,32の前端部どうしを接続する第1のクロスメンバ33と、中央部どうしを接続する第2のクロスメンバ34は、これらの間にヘルメットを収納可能な大型の収納ボックス(図示せず)を装着することができるように形成されている。すなわち、第1のクロスメンバ33の後面は、車幅方向の中央部に向かうにしたがって次第に前方に位置するように形成され、第2のクロスメンバ34の前面は、車幅方向の中央部が両端部より後方に位置するように形成されている。なお、前記収納ボックスは、従来のスクータ1に搭載されるものと同等の構造を採っており、シート8によって上端の開口が開閉されるものである。
【0023】
左右の前後方向延在部31,32の後端部どうしを接続する第3のクロスメンバ35は、図12に示すように、上方に向けて開口する箱状に形成されており、バッテリー42が収納されている。この第3のクロスメンバ35が本発明に係るバッテリー収納ボックスを構成している。また、この第3のクロスメンバ35の底部であって車体後側には、バッテリー42に接続するケーブル(図示せず)を通すための開口43を形成している。
【0024】
前記左右の前後方向延在部31,32と第1〜第3のクロスメンバ33〜35からなる後側半部26は、図5中に符号Aで示す範囲にある前部と、同図中に符号Bで示す範囲にある後部とで異なる金型を使用して成形されている。後側半部26の前部は、車幅方向に分割する金型と、この金型から上方に離型する金型とによって成形され、後部は、上下方向に分割する金型によって成形されている。
【0025】
詳述すると、前記前部は、図10に示すように、上方へ向けて開放する断面コ字状に形成された上壁44と、下端部の下壁45と、これら両壁の車体内側の端部どうしを接続する縦壁46とによって、側方に向けて開放するコ字状に形成されている。前記上壁44のコ字状部分の内側には、車体の前後方向に延びる凹溝47が形成され、上壁44と下壁45との間の部分には、側面視においてX字状の補強用リブ48が一体に形成されている。
【0026】
一方、前記後部は、図11に示すように、車体外側の縦壁49と、車体内側の縦壁50と、これら両壁の上端どうしを接続する上壁51とによって下方へ向けて開放する断面コ字状に形成されている。前記上壁51は、前記両縦壁49,50の上方延在部49a,50aとともに上方へ向けて開放するコ字状に形成されており、この部分に車体の前後方向に延びる凹溝52が形成されている。この凹溝52と前記前部の凹溝47は、左右の前後方向延在部31,32にそれぞれ形成されているが、車体左側の前後方向延在部31に形成された凹溝47,52には、車体後端部のバッテリー42や、操向ハンドル7の近傍のメインスイッチ(図示せず)などに接続された配線からなるケーブル53(図10および図11参照)が収納されている。
【0027】
前記ケーブル53は、前記凹溝47,52の内部に収容された状態でゴム製のクランプ54によって前後方向延在部31に固定されている。前記クランプ54は、ケーブル53が係入される断面C字状のクランプ本体54aと、このクランプ本体54aから下方へ延びる突起54bとによって形成されており、前後方向延在部31の前記上壁44,51に穿設された貫通孔55に前記突起54bを上方から係入させることによって、上壁44,45に支持されている。なお、ケーブル53の代わりに、例えば後輪用ブレーキ(図示せず)を操作するためのブレーキワイヤーを前後方向延在部31に保持させることができるし、ケーブル53と前記ブレーキワイヤーの両方を前後方向延在部31に保持させることもできる。
【0028】
前記後側半部26を上述したように分割方向の異なる金型によって成形することにより、前後方向延在部31,32の前部における横方向の剛性を向上させることができ、後部における縦方向の剛性を向上させることができる。前後方向延在部31,32の前部の横方向の剛性を向上させているのは、この前部は、前記前側半部25の二つのダウンフレーム27,27に接続されるとともに、動力ユニット3の前部を接続しており、コーナリング時などでは主に横方向に荷重が加えられるからである。
【0029】
前後方向延在部31,32の前部に接続する前側半部25のダウンフレーム27は後下がりに延びており、前記ダウンフレーム27に前後方向延在部31,32の前端部が上下方向に強固に支持されるから、前側半部25と後側半部26とを組み合わせることによって、ねじり方向の剛性が高い上部フレーム23を形成することができる。この実施の形態では、上述したように断面横向きコ字状の前部におけるコの字の内側に側面視X字状の補強用リブ48を設けているから、前後方向延在部31,32のみにおいてもねじり方向の剛性の向上を図ることができる。
【0030】
また、前後方向延在部31,32の後部において、縦方向の剛性を向上させているのは、この後部は、リヤクッションユニット16からクッション反力が加えられるからである。この結果、リヤクッションユニット16から後側半部26に加えられるクッション反力の許容値を増大させることができる。この実施の形態では、前後方向延在部31,32の後部の上面に凹溝52(図11参照)が形成されているから、この凹溝52によって縦方向の剛性をさらに向上させることができる。
【0031】
前記下部フレーム24は、図7および図8に示すように、前記上部フレーム23の下方で前後方向に延びる左右一対のパイプ61,62と、これらのパイプ61,62どうしの間に横架させた第1〜第4のクロスメンバ63〜66とから構成されている。前記両パイプ61,62は、図7に示すように、下方に向けて凸になる山形状に形成され、前端部が上部フレーム23の前側半部25に固定用ボルト67によって固定され、後端部が上部フレーム23の後側半部26に連結用ブラケット68を介して固定されている。この連結用ブラケット68は、パイプ61,62と同等の鉄系合金によって箱状に形成され、下端部がパイプ61,62に溶接されるとともに上端部が前記後側半部26に固定用ボルト69(図1参照)によって固定されている。
【0032】
また、両パイプ51,52における下側で前後方向に延びる部分の前端部は、連結板70が上方へ延びるように設けられており、この連結板70と、前記後側半部26の前端部に下方へ延びるように設けたブラケット37とを図1に示すように固定用ボルト71で締結させることによって、上部フレーム23に支持されている。
【0033】
これらの左右のパイプ61,62には、車体カバー9の下部を支持するためのステー72〜74と、サイドスタンド支持用ステー75などを溶接するとともに、図示していないブラケットを介してラジエータ76を支持させている。前記ラジエータ76は、従来からよく知られているものと同等の横向き水流型のもので、図1および図7に示すように、前記両パイプ61,62の後下がりに延びる前端部の下方に前上方を指向するように傾斜させて配置されている。この実施の形態では、ラジエータ76とエンジン10との間の冷却水通路の一部を前記両パイプ61,62によって形成している。ラジエータ76とパイプ61,62とを接続する冷却水ホースを符号77で示し、パイプ61,62とエンジン10とを接続する冷却水ホースを符号78で示す。
【0034】
下部フレーム24の前記両パイプ61,62どうしを接続する第1〜第4のクロスメンバ63〜66のうち第1〜第3のクロスメンバ63〜65は、鋼板によって形成され、第4のクロスメンバ66は、パイプによって形成されている。また、第3のクロスメンバ65は、図8に示すように、平面視においてX字状に形成され、前後、左右の四箇所が両パイプ61,62に溶接されている。この第3のクロスメンバ65には、図1に示すように、燃料タンク79を支持させている。この燃料タンク79は、第3のクロスメンバ65の上方であって前記収納ボックスとの間に形成される空間に収納されている。第4のクロスメンバ66は、車体の後方から見て下方に向けて凸になる山形状に形成され、車幅方向の中央部にメインスタンド用ブラケット80が溶接されている。
【0035】
上述したように構成されたスクータ型自動二輪車1は、上部フレーム23の上部が金型によって上方に開放する断面コ字状に成形され、この断面コ字状部分に形成される凹溝47,52にケーブル53を配線しているから、前記凹溝47,52にケーブル53を挿入することによってケーブル53をフレーム部材に仮に保持させることができる。
【0036】
また、前記凹溝47,52は、フレーム部材の剛性を向上させるためにこれを断面コ字状に形成した結果生じるデッドスペースであり、このデッドスペースにケーブル53を配線しているから、フレーム部材(車体左側の前後方向延在部31)の周囲の空間がケーブルによって狭められることがなく、フレーム部材の近傍に設ける部品の取付位置の自由度を向上させることができる。車体左側の前後方向延在部31の近傍に設ける部品としては、荷物収納ボックスやエンジン制御用の電子制御装置などが挙げられる。さらに、前記凹溝47,52に配線されたケーブル53は、両側方と下方の三方が前後方向延在部31によって囲まれて保護されるから、ケーブル53が他の部品によって擦られて被覆が破けるようなことはない。
【0037】
加えて、この実施の形態によるスクータ1は、後部フレーム26の前後方向延在部31の後部を凹溝52が上方に向けて開放するように形成し、この後部にバッテリー収納ボックス(第3のクロスメンバ35)を一体に形成しているから、バッテリー42に接続するケーブル53を凹溝52に上方から挿入して配線することができる。このため、給電用の相対的に太く扱い難いケーブル53を簡単に配線することができ、配線作業の能率をより一層向上させることができる。
【0038】
ケーブルを保持させる凹溝は、上述した実施の形態では上方に向けて開放するように形成されているが、図13に示すように、横方向に向けて開放するように形成することもできる。図13はフレーム部材の他の例を示す断面図である。同図において、符号81で示すフレーム部材は、金型によって横向きコ字状に成形されており、内側に二枚の補強用リブ82,83が立設されている。この例では、上側の補強用リブ82とフレーム部材81の上壁81aとによって形成された凹溝84に配線85と、ブレーキワイヤやクラッチワイヤなどのワイヤ86とが収容されている。
【0039】
これらのケーブルをフレーム部材81に固定するためには、例えば図10および図11に示したクランプ54を補強用リブ82に立設し、このクランプ54に保持させることによって行うことができる。このフレーム部材81は、車体の前後方向に延びるように形成する他に、クロスメンバのように車幅方向に延びるように形成することができる。
【0040】
以上によれば、フレーム部材の凹溝にケーブルを挿入することによってケーブルをフレーム部材に仮に保持させることができるから、例えば保持部材でケーブルをフレーム部材に固定するときにケーブルを手で保持しなくてよい。このため、配線作業が簡単になり、作業能率が向上する。また、前記凹溝は、フレーム部材の剛性を向上させるためにこれを断面コ字状に形成した結果生じるデッドスペースであり、このデッドスペースにケーブルが配線されるから、フレーム部材の周囲の空間がケーブルによって狭められることがなく、フレーム部材の近傍に設ける部品の取付位置の自由度を向上させることができる。
【0041】
さらに、凹溝に配線されたケーブルは、三方がフレーム部材によって囲まれて保護され、他の部品によって擦られて被覆が破けるようなことはなくなるから、ケーブルによる接続の信頼性を向上させることができる。
【0042】
また、バッテリーに接続するケーブルをフレーム部材の凹溝に上方から挿入して配線することができるから、給電用の相対的に太く扱い難いケーブルを簡単に配線することができる。このため、配線作業の能率をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るスクータ型自動二輪車の側面図である。
【図2】車体フレームの平面図である。
【図3】上部フレームの前側半部の側面図である。
【図4】上部フレームの前側半部の平面図である。
【図5】上部フレームの後側半部の側面図である。
【図6】上部フレームの後側半部の平面図である。
【図7】下部フレームの側面図である。
【図8】下部フレームの平面図である。
【図9】図3における左側ダウンフレームのIX−IX線断面図である。
【図10】図5における車体左側の前後方向延在部のX−X線断面図である。
【図11】図5における車体左側の前後方向延在部のXI−XI線断面図である。
【図12】車体フレームの斜視図である。
【図13】フレーム部材の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 スクータ、4 車体フレーム、23 上部フレーム、26 後側半部、31,32 前後方向延在部、35 第3のクロスメンバ(バッテリー収納ボックス)、42 バッテリー、47,52,84 凹溝、55 ケーブル、81 フレーム部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの下方に配置されるフレームを備える自動二輪車において、
前記フレームは、前記シートの下方を通って前記自動二輪車の車体の前後方向に延びる左右一対の前後方向延在部を含み、
前記各前後方向延在部は、前記自動二輪車の車体外側の縦壁と、車体内側の縦壁と、これら両壁を接続する上壁とによって、下方へ向けて開放する断面コ字状に形成され、
前記車体内側の壁部には、前記自動二輪車の車体の前後方向に延びる更なる壁部が、前記自動二輪車の車幅方向の内方へ向けて立設される、
ことを特徴とする自動二輪車。
【請求項2】
請求項1に記載の自動二輪車において、
前記各前後方向延在部において、前記車体内側の縦壁の高さは、前記上壁の幅よりも大きい、
ことを特徴とする自動二輪車。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自動二輪車において、
前記更なる壁部は、その厚さよりも幅広に形成される、
ことを特徴とする自動二輪車。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の自動二輪車において、
前記更なる壁部は、幅が一定の部分を含む、
ことを特徴とする自動二輪車。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の自動二輪車において、
前記左右一対の前後方向延在部は、前記自動二輪車の車体の前後方向に離れた二箇所において相互に接続される、
ことを特徴とする自動二輪車。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の自動二輪車において、
前記更なる壁部は前記左右一対の前後方向延在部が相互に接続される前記二箇所の間に延びる、
ことを特徴とする自動二輪車。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の自動二輪車において、
前記フレームは、上下方向に分割する金型によって成形される、
ことを特徴とする自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−246090(P2007−246090A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178362(P2007−178362)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【分割の表示】特願2002−42946(P2002−42946)の分割
【原出願日】平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】