説明

自動分析装置

【課題】複数の層に分離する被検試料の上層以外を吸引の目的層とする場合であっても必要以上に分注プローブを侵入させずにコンタミネーションを防止することができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】自動分析装置100は、複数の層に分離する被検試料のうちの目的層の成分を試料容器61から分注する工程において、目的層の層面からの成分の合計含有量が目的量に達するまでの深さを算出し、算出した深さまで試料分注プローブを下降させてから吸引させる。深さの算出では、例えば目的層中の成分の濃度勾配データを予め記憶しておき、この濃度勾配データに基づき、目的量に達するまで目的層の層面からの各深さの濃度を加算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検試料と試薬とを分注して撹拌し、混合液を測定する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、被検試料と試薬とを分注して混合液を測定する装置である。反応管に血液や尿等の被検試料と試薬とを分注してこれらを反応させた後、反応によって生じる色調の変化を光測定することにより検体中の被測定物質または酵素の濃度や活性を測定する。
【0003】
この自動分析装置では被検試料を吸引して反応管に吐出する分注プローブを有する。被検試料が分注プローブの下に搬送されると、分注プローブは、下降して被検試料に浸されて負圧がかけられることによって被検試料を吸引する。
【0004】
例えば、採取した被検試料の全量が自動分析装置による分析にまわされる場合がある。この場合、被検試料の容量が区々であるため、分注プローブの下降が十分でないと空吸いが生じてしまうおそれがある。また、自動分析装置には、大量の被検試料が載置され、これら被検試料が順に分注プローブの下に到達し、順次に吸引及び吐出されるため、分注プローブを下降させすぎると、分注プローブの外壁面の広範囲に被検試料が付着してしまって洗浄しきれず、コンタミネーションが発生してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、従来より、電気抵抗法、静電容量法、又は圧力検知法等により被検試料の液面を検出する技術が用いられている(例えば「特許文献1」参照。)。
【0006】
ここで、糖尿病の診断マーカとして全血試料を試料として血液中のヘモグロビンA1cを使用する場合、自動分析装置では、血球成分を溶血させた試料の吸光度を測定している。この血球成分を含む被検試料は、放置しておくと血球成分が沈降していき、血漿成分の上層と血球成分の下層とに分離してしまう。そのため、単に液面を検出するのみでは空吸いやコンタミネーションを解消できない。
【0007】
そこで、血球成分の濃度勾配を予め記憶しておき、液面から血球成分を多く含む層の分布帯までの深さを推測することで吸引位置を決定し、この分布帯に吸引口が届くように分注プローブを浸す思想が提示されている(例えば、「特許文献2」参照。)。
【0008】
また、被検試料を収容する容器の形状が異なる場合もあるため、容器の形状、液面の高さ、及び濃度勾配から血球成分を多く含む層の分布帯の深さを推測する思想も提示されている(例えば、「特許文献3」参照。)。
【0009】
但し、空吸い、即ち複数の層に分離する被検試料にあっては目的成分が所望以下の他層の溶液も吸ってしまうことで、被検試料の採取からやり直さなくてはならない事態を防止するためには、吸引によって下がってくる目的成分の分布帯とその上層との境界が吸引終了までに吸引口である分注プローブの先端に到達してしまわないようにしなければならない。そのため、従来は、目的の分布帯を推測すると、マージンを取って深めに分注プローブを侵入させていた。
【0010】
コンタミネーションを防止するためには、分注プローブの外壁面への試料の付着を少なくして十分な洗浄が実行されるように、分注プローブの被検試料への侵入量を極力少なくすることが望ましい。侵入量を極力する少なくすると、吸引量の誤差を少なくすることもできる。
【0011】
しかし、上記の技術では、目的の分布帯を推測するのみであるため、空吸いを避けるために必要以上に分注プローブを被検試料内に侵入させてしまい、コンタミネーションを生じさせてしまうおそれがある。従って、洗浄をより確実にするために多くの洗浄時間を費やしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開昭62−218818号公報
【特許文献2】特開2007−316013号公報
【特許文献3】特開平11−316239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の層に分離する被検試料の上層以外を吸引の目的層とする場合であっても必要以上に分注プローブを侵入させずにコンタミネーションを防止することができるとともに空吸いの解消を両立する自動分析装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明に係る自動分析装置は、複数の層に分離する被検試料のうちの目的層の成分を、載置された容器から移して分析する自動分析装置であって、前記目的層内に下降して前記成分を吸引する分注プローブと、前記目的層の層面からの前記成分の合計含有量が目的量に達するまでの深さを算出する算出手段と、前記分注プローブを前記算出手段が算出した前記深さまで下降させてから、前記分注プローブに前記成分を吸引させる制御手段と、を備えること、を特徴とする。
【0015】
前記目的層中の前記成分の濃度勾配データを予め記憶する濃度勾配記憶手段を更に備え、前記算出手段は、前記濃度勾配データに基づき、前記目的層の層面からの各深さの濃度を加算することで前記成分が目的量に達するまでの深さを算出するようにしてもよい(請求項2記載の発明に相当)。
【0016】
前記被検試料の提供元の年齢を記憶する年齢記憶手段を更に備え、前記濃度勾配記憶手段は、各年齢に対応する濃度勾配データを予め記憶し、前記算出手段は、前記被検試料の提供元の年齢に対応する前記濃度勾配データに基づき、前記深さを算出するようにしてもよい(請求項3記載の発明に相当)。
【0017】
前記被検試料の提供元の性別を記憶する性別記憶手段を更に備え、前記濃度勾配記憶手段は、各性別に対応する濃度勾配データを予め記憶し、前記算出手段は、前記被検試料の提供元の性別に対応する前記濃度勾配データに基づき、前記深さを算出するようにしてもよい(請求項4記載の発明に相当)。
【0018】
前記濃度勾配データには、経過時間に対する各濃度勾配が記憶され、前記算出手段は、前記容器の載置から前記成分が移されるまでの経過時間に対する濃度勾配に基づき、前記深さを算出するようにしてもよい(請求項5記載の発明に相当)。
【0019】
前記容器の載置を検出するセンサを更に備えるようにしてもよい(請求項6記載の発明に相当)。
【0020】
前記容器に収容されている前記被検試料の前記目的層を検出する検出手段と、前記検出手段の検出に基づき前記目的層内の前記成分の含有量に関する情報と閾値とを比較する比較手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記比較手段の比較結果、前記成分の含有量に関する情報が前記閾値未満であれば、前記深さまでの下降及び前記吸引を中止するようにしてもよい(請求項7記載の発明に相当)。
【0021】
前記検出手段は、液層の違いによる電気抵抗の変化をセンサで検知することで前記目的層の層面を検出するようにしてもよい(請求項8記載の発明に相当)。
【0022】
前記検出手段は、液層の違いによる静電容量の変化をセンサで検知することで前記目的層の層面を検出するようにしてもよい(請求項9記載の発明に相当)。
【0023】
前記検出手段は、液層の違いによる圧力あるいは粘性の変化をセンサで検知することで前記目的層の層面を検出するようにしてもよい(請求項10記載の発明に相当)。
【0024】
前記容器の種類情報のそれぞれに対応させて各種の前記閾値を記憶する閾値記憶手段を更に備え、前記比較手段は、前記被検試料が入った前記容器の種類情報を取得して、その種類情報に対応する前記閾値を前記高さと比較するようにしてもよい(請求項11記載の発明に相当)。
【0025】
前記比較手段は、前記成分の含有量に関する情報が前記閾値未満であれば、量不足を示すエラーを前記被検試料に関連付けて記憶させるようにしてもよい(請求項12記載の発明に相当)。
【0026】
また、上記課題を解決するために、請求項13記載の本発明に係る自動分析装置は、複数の層に分離する被検試料のうちの目的層の成分を、載置された容器から移して分析する自動分析装置であって、前記目的層内に下降して前記成分を吸引するための分注プローブと、前記目的層中の前記成分の深さ毎の濃度を経過時間に対応して示す濃度勾配データを予め記憶する濃度勾配記憶手段と、前記容器の載置から前記成分が移されるまでの経過時間に対する濃度勾配データに基づき、前記目的層の層面から深さ方向に各点の濃度を加算することで前記成分が目的量に達するまでの深さを算出する算出手段と、前記分注プローブを前記算出手段が算出した前記深さまで下降させてから、前記分注プローブに前記成分を吸引させる制御手段と、を備えること、を特徴とする。
【0027】
前記容器に収容されている前記被検試料の前記目的層の層面の高さを検出する検出手段を更に備え、前記算出手段は、前記検出手段が検出した前記層面に対応する点から深さ方向に各点の濃度を加算するようにしてもよい(請求項14記載の発明に相当)。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、被検試料が複数の層に分離する場合であっても、分注プローブの下降を最小に留めることができ、試料分注プローブの外壁面への被検試料の付着も最小限となり、且つ吸引終了時の上層と目的層との境界と試料分注プローブの吸引との位置関係を調節可能となる。そのため、空吸いの解消とコンタミネーションの防止を両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】自動分析装置の構成を示す図である。
【図2】制御部の詳細構成を示す図である。
【図3】試料分注プローブの構成を示す図である。
【図4】採取された検体に含まれる血球成分の沈降する様子を示す模式図である。
【図5】濃度勾配データを示す模式図である。
【図6】液層の検出動作を示すフローチャートである。
【図7A】血球量の判定を示す模式図であり、血球量が所定以上である場合を示す。
【図7B】血球量の判定を示す模式図であり、血球量が所定未満である場合を示す。
【図8】血球量が必要量に満たない場合のエラー表示を示す模式図である。
【図9】試薬分注プローブの下降量算出動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る自動分析装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0031】
図1に示す自動分析装置100は、被検試料と試薬とを分注してその混合液の反応を分析することにより、被検試料に含まれる化学成分を分析する装置である。反応管51に血液や尿等の被検試料と試薬とを移してこれらを反応させた後、反応によって生じる色調の変化を光測定することにより検体中の被測定成分または酵素の濃度や活性を測定する。
【0032】
この自動分析装置100は、主に分析部14、データ処理部15、駆動装置16、及び制御部17を有する。
【0033】
分析部14は、被検試料と試薬とを分注してその混合液の反応を分析して、測定結果データを出力する。データ処理部15は、分析部14から出力された測定結果データを演算処理して検量線データや分析データを生成し、備え付けのモニタやプリンタに出力させる。駆動装置16は、モータやギア等を含み構成され、駆動力を発生して分析部14の各ユニットに伝達させることで、分析部14の各ユニットを駆動させる。制御部17は、後述するように、分析部14が有する各ユニットの駆動を制御する。
【0034】
自動分析装置100の分析対象である被検試料は、血液や尿等の液状物である。試薬は、被検試料に含まれる成分を化学反応させる液状の薬品である。
【0035】
本実施形態では、被検試料を血液とし、血球成分の測定を例として説明する。但し、本発明は、成分の沈降等の理由で時間経過と共に複数に液層が分離する液体であればいずれであっても適用でき、例えば、赤血球、白血球、或いは血小板の測定にも適用できる。
【0036】
この被検試料は、試料容器61に収納されている。試料容器61は、回動可能な円形状のディスクサンプラ6に載置される。
【0037】
ディスクサンプラ6の各載置位置には、被検試料の載置を検出するセンサ62が配置されている。センサ62としては、例えば発光素子と受光素子とを試料容器61の載置位置を挟むように対向配置させた光センサや、試料容器61の載置位置の底面に配置された圧力センサ等である。
【0038】
このセンサ62は、試料容器61が載置されると、その載置を示す信号を制御部17に出力する。センサ62が出力する信号は、試料容器61に収納された被検試料が自動分析装置100にセットされてから、反応管51に分注されるまでの経過時間の開始を意味する。つまり、被検試料の液層分離が始まる開始点を指し示す。
【0039】
試薬は、試薬容器4に収納されている。試薬容器4は、試薬庫2及び試薬庫3に載置される。試薬容器4には、被検試料の測定項目に対して選択的に反応する各種の第1試薬、又は第1試薬と対の各種の第2試薬が収容される。第1試薬が収容された試薬容器4は、試薬庫2に載置され、第2試薬が収容された試薬容器4は、試薬庫3に載置される。
【0040】
試薬庫2及び試薬庫3には、回動可能な円形状の試薬ラック1が収納されている。各試薬容器4は、この試薬ラック1に環状に並んで収納されている。
【0041】
被検試料及び試薬が分注される反応管51は、回動可能な円形状の反応ディスク5に環状に並んで載置されている。
【0042】
被検試料及び試薬の分注は、試料分注プローブ7、第1試薬分注プローブ8、及び第2試薬分注プローブ9により行われる。
【0043】
試料分注プローブ7は、ディスクサンプラ6と反応ディスク5の近傍に立設されている。この試料分注プローブ7は、ディスクサンプラ6の回動によって規定の吸引位置に搬送された試料容器61から被検試料を吸引し、反応ディスク5の回動によって規定の吐出位置に搬送された反応管51に被検試料を吐出する。
【0044】
第1試薬分注プローブ8は、試薬庫2と反応ディスク5の近傍に立設されている。第1試薬分注プローブ8は、試薬庫2の試薬ラック1の回動によって規定の吸引位置に搬送された試薬容器4から第1試料を吸引し、反応ディスク5の回動によって規定の吐出位置に搬送された反応管51に第1試薬を吐出する。
【0045】
第2試薬分注プローブ9は、試薬庫3と反応ディスク5の近傍に立設されている。第2試薬分注プローブ9は、試薬庫3の試薬ラック1の回動によって規定の吸引位置に搬送された試薬容器4から第2試薬を吸引し、反応ディスク5の回動によって規定の吐出位置に搬送された反応管51に第2試薬を吐出する。
【0046】
反応ディスク5の外周囲には、更に撹拌ユニット11、測光ユニット12、及び洗浄ユニット13が立設されている。被検試料及び試薬が分注された反応管51は、反応ディスク5の回動により順に撹拌ユニット11、測光ユニット12、及び洗浄ユニット13の撹拌、測定、及び洗浄位置に搬送される。
【0047】
撹拌ユニット11は、1サイクル毎に、撹拌位置に停止した反応管51内における被検試料+第1試薬や被検試料+第1試薬+第2試薬などの混合液を撹拌する撹拌手段である。
【0048】
測光ユニット12は、混合液を収容した反応管51を測光位置から測定する測定手段である。測光ユニット12は、反応管51を挟んで配置される光源と受光部を有し、例えば、混合液の吸光度を測光した後、その測定結果データをデータ処理部15に出力する。
【0049】
洗浄ユニット13は、洗浄・乾燥位置に停止した反応管51内の測定を終えた混合液を吸引すると共に、反応管51内を洗浄・乾燥する。
【0050】
このような自動分析装置100において、制御部17による上記各ユニットの制御、特に試料分注プローブ7の制御について図2及び図3に基づき更に詳細に説明する。図2は、制御部17の詳細な構成を示すブロック図である。図3は、試料分注プローブ7の構成を示す図である。
【0051】
まず、制御部17は、ディスクサンプラ6、試薬庫2の試薬ラック1、及び試薬庫3の試薬ラック1を1サイクル毎に回動させることで、被検試料及び試薬を規定の吸引位置へ運ばせる。
【0052】
この制御部17は、ディスクサンプラ6、試薬庫2の試薬ラック1、及び試薬庫3の試薬ラック1の回動に際し、登録データ記憶部171に記憶された登録データを参照している。
【0053】
登録データ記憶部171には、被検試料の提供元である被検体の年齢や性別、被検試料が載置された位置、第1試薬が載置された位置、第2試薬が載置された位置、被検試料を分注する反応管51、被検試料の測定項目、及び測定項目に応じて使用される第1試薬と第2試薬の種類を被検試料データとして記憶している。被検試料データは、自動分析装置100のコンソールに配置されたキーボードやマウス等の入力手段を用いて登録される。
【0054】
制御部17は、被検試料の吐出位置に反応管51が運ばれると、登録されたデータを参照して、その反応管51に分注する被検試料が収容された試料容器61が試料分注プローブ7の吸引位置に移動するまで、ディスクサンプラ6を回動させる。
【0055】
また、制御部17は、第1試薬の吐出位置に反応管51が運ばれると、登録されたデータを参照して、その反応管51に分注する第1試薬が収容された試薬容器4が第1試薬分注プローブ8の吸引位置に移動するまで、試薬庫2の試薬ラック1を回動させる。
【0056】
また、制御部17は、第2試薬の吐出位置に反応管51が運ばれると、登録されたデータを参照して、その反応管51に分注する第2試薬が収容された試薬容器4が第2試薬分注プローブ9の吸引位置に移動するまで、試薬庫3の試薬ラック1を回動させる。
【0057】
この制御部17は、試料分注プローブ7の制御のために、液層検出部172、判断部173、閾値記憶部174、下降量算出部175、及び濃度勾配データ記憶部176を有する。
【0058】
被検試料は時間経過又は遠心分離によって上層の血漿層と下層の血球層とに分離する。この制御部17は、血球層の層面を検出して、血球の含有量が目的量に達するか判断し、目的量を含有すると判断すれば、分析に必要な血球量を吸引するための試料分注プローブ7の最小下降量を算出して、その最小下降量に従って試料分注プローブ7を下降させる。
【0059】
ここで、試料分注プローブ7は、図3に示すように、アーム10に取り付けられた所謂ストローであり、図示しないポンプによる負圧と正圧により、被検試料及び試薬を吸引及び吐出する。
【0060】
アーム10は、駆動装置16の駆動力がギア等により伝達されて独立して軸回転及び伸縮可能となっている。アーム10の軸回転により、試料分注プローブ7が規定の吸引及び吐出位置に移動する。また、アーム10の伸縮により、試料分注プローブ7が吸引及び吐出のために昇降する。
【0061】
試料分注プローブ7は、ステレンスや白金等の導電体で構成されている。また、アーム10からは、ステンレスや白金等の導電体で組成される探針71が試料分注プローブ7の先端と同一の高さまで垂れ下がっている。
【0062】
試料分注プローブ7と探針71とは、1対の電極となっており、例えば直流電圧を印加する電源72に接続されている。
【0063】
この試料分注プローブ7と探針71とが被検試料に浸されると、その浸された液層に媒介されて電極間が導通する。
【0064】
被検試料は、図4に示すように、時間経過に伴って血球成分が沈降していき、血球成分が一定以下であり血漿を主成分とする上層と、血球成分が一定以上である下層とに分離していく。血漿成分に対して血球成分の比重が大きいためである。
【0065】
そこで、例えば、電源72と試料分注プローブ7との間に抵抗値R1の抵抗73を介在させ、探針71をアースしているものとする。そうすると、被検試料が上層と下層とに分離し始めてから試料分注プローブ7と探針71とが被検試料の液面に接触した場合、電源72が出力する電圧値をE、血球成分が一定以下であり血漿成分を主成分とする上液層の電気抵抗値をR2とすると、抵抗73と試料分注プローブ7との間に設定した参照点74の電圧値V1は、V1=E×R2/(R1+R2)となる。
【0066】
また、試料分注プローブ7と探針71とが被検試料の血球成分が一定以上である下層に接触した場合、下層の電気抵抗値をR3とすると、抵抗73と試料分注プローブ7との間に設定した参照点74の電圧値V2は、V2=E×R3/(R1+R3)となる。
【0067】
制御部17の液層検出部172は、この液層接触による参照点74の電圧値変化を利用して、試料分注プローブ7の先端が血球成分の液層に到達したことを検出し、その液層の高さを出力する。
【0068】
この液層検出部172は、予め、電圧値V2を検出するための閾値電位Vs2を有している。液層検出部172は、参照点74の電圧値が閾値電位Vs2となれば、そのときの試料分注プローブ7の下降量から反応管51の底から血球成分の液層の上面までの高さを算出し、この液層の高さを出力する。試料分注プローブ7の下降量は、駆動装置16に備え付けられた例えばエンコーダやポテンショメータの出力値から取得する。
【0069】
判断部173は、血球成分が目的量含有しているかを判断する。反応管51の容積又は底面積が予め知られているとき、血球の成分量は、血球成分の液層の高さに依る。閾値記憶部174には、予め高さの閾値が記憶されており、判断部173は、この閾値を読み出して、液層検出部172が出力した高さと比較する。
【0070】
液層検出部172が出力した高さが閾値を下回っていれば、判断部173は、血球成分が足りないことを示すエラー表示を生成する。
【0071】
尚、判断部173は、血球成分の含有量に関する情報として血球成分の液層の高さを閾値と比較するが、その他、血球成分の含有量に関する情報としては、後述する濃度勾配データ177を用いた血球成分の量や、血球成分の液層の量を用いてもよい。この場合、閾値記憶部174には、血球成分の量に対応して予め成分量の閾値が記憶され、血球成分の液層の量に対応して液量の閾値が記憶される。
【0072】
自動分析装置100に載置される反応管51の形状が統一されていない場合、即ち、自動分析装置100に形状の異なるいくつかの種類の反応管51が載置可能な場合、閾値記憶部174には、反応管51の形状を示す各種の種類情報と対にしてそれぞれの閾値が記憶されている。
【0073】
反応管51には、バーコード等によって種類情報が記載されており、判断部173は、反応管51のバーコード等から読みとられた種類情報を読み取り装置等を制御して取得し、取得した種類情報と対になった閾値を比較対象として用いる。
【0074】
下降量算出部175は、血球成分を分析可能量だけ吸引できると判断された場合に、血球成分の層面からの最小下降量を算出する。最小下降量は、必要な血球成分を吸引するために最低限必要な下降量である。
【0075】
最小下降量の算出には、濃度勾配データ記憶部176に記憶されている濃度勾配データ177を参照する。濃度勾配データ177は、図5に示すように、横軸を経過時間、縦軸を深さとして、各点における血球成分の濃度値を2次元状に配したデータである。即ち、濃度勾配データ177は、ある時間が経過したときの各深さにおける血球成分の濃度を表わしている。
【0076】
血球成分の濃度勾配は、被検体の年齢や性別によっても異なる。濃度勾配データ記憶部176には、年齢や性別毎の濃度勾配データ177が記憶されている。濃度勾配データ177は、登録データ記憶部171に記憶された被検試料の年齢や性別に合致するものが選択される。
【0077】
下降量算出部175は、濃度勾配データ177を選択的に用いて、血球成分の層面に対応する高さから深さ方向に濃度値Cx(x=1,2,3,・・・)を積分し、この合計含有量ΣCxが予め定めた目的量Vsに到達したときの深さDまでを下降量として計測する。
【0078】
積分する濃度値Cxは、被検試料がディスクサンプラ6に載置されてから試料分注プローブ7に到達するまでの経過時間上の各点の値である。
【0079】
経過時間は、被検試料が試料分注プローブ7に到達したときの時刻から、ディスクサンプラ6に備えられたセンサ62が試料容器61の載置を示す信号を出力した時刻を差分して求める。
【0080】
下降量が算出されると、制御部17は、駆動装置16を制御して、下降量算出部175が算出した下降量だけ試料分注プローブ7を下降させてから、ポンプを制御して吸引を実行させる。
【0081】
この制御部17の液層検出動作を説明する。図6は、液層の検出動作を示すフローチャートである。
【0082】
まず、制御部17は、試料分注プローブ7を支持するアーム10の駆動装置16を駆動させることで試料分注プローブ7を反応管51内に下降させる(S01)。
【0083】
試料分注プローブ7の下降を開始させると、液層検出部172は、電源72に電力を供給させ(S02)、参照点74の電圧値と閾値電位Vs2とを比較する(S03)。参照点74の電圧値が閾値電位Vs2まで低下していなければ(S03,No)、一定期間毎にS03を繰り返す。
【0084】
一方、参照点74の電圧値が閾値電位Vs2に到達すると(S03,Yes)、液層検出部172は、試料分注プローブ7を一旦停止させ(S04)、試料分注プローブ7の下降量を高さの情報として取得する(S05)。
【0085】
試料分注プローブ7の下降量を取得すると、判断部173は、血球成分が一定以上である下層の高さが所定以上であるか判断する。
【0086】
この判断において、まず判断部173は、反応管51のバーコードから種類情報を読み出し(S06)、種類情報に対応する閾値Sを閾値記憶部174から読み出す(S07)。そして、図7Aに示すように、血球成分が一定以上である下層の高さが閾値S以上であれば(S07,Yes)、判断部173の処理は終了し、後述する最小下降量の算出フロー(図9参照)に移る。尚、形状が統一された反応管51を用いることを前提としている場合には、S06〜S07が省かれる。
【0087】
一方、図7Bに示すように、血球成分が一定以上である下層の高さが閾値S未満であった場合(S07,No)、判断部173は、被検試料の血球成分に関する測定項目に対応付けてエラー表示を記録する(S08)。このエラー表示は、図8に示すように、モニタ等により表示可能となっている。
【0088】
また、判断部173は、試料分注プローブ7に対して血球成分の吸引を中止させる(S09)。即ち、駆動装置16を駆動させて試料分注プローブ7を引き上げさせる。
【0089】
次に、血球成分が一定以上である下層の高さが閾値以上であった場合に、この制御部17の試料分注プローブ7を下降させる下降量算出動作を説明する。図9は、下降量算出動作を示すフローチャートである。
【0090】
まず、判断部173による判断の結果、血球成分が一定以上である下層の高さが閾値以上であれば(S07,Yes)、下降量算出部175は、濃度勾配データ177の選択を行う。
【0091】
濃度勾配データ177の選択において、下降量算出部175は、吸引する被検試料の年齢及び性別のデータを登録データ記憶部171から読み出す(S10)。そして、読み出した年齢及び性別のデータに対応する濃度勾配データ177を濃度勾配データ記憶部176から読み出す(S11)。
【0092】
濃度勾配データ177を読み出すと、下降量算出部175は、経過時間Tを算出する。経過時間Tの算出において、下降量算出部175は、吸引する被検試料が試料分注プローブ7の吸引位置に搬送されてきた時刻から、センサ62が出力した信号の時刻を差分する(S12)。
【0093】
次に、下降量算出部175は、図5に示すような濃度勾配データ177を参照して、算出した経過時間Tに対応する各点の濃度値Cxを血球成分が一定以上である層面の高さから深さ方向へ積分していく。この積分において、下降量算出部175は、経過時間T=一定のライン上の各点の濃度値Cxを層面の点から出発して順に深さ方向に積分していく。
【0094】
即ち、下降量算出部175は、濃度勾配データ177の経過時間T及び層面の深さDxを座標点の濃度値Cx(Dx,T)を合計含有量ΣCxに加算し(S13)、合計含有量ΣCxが予め定められた目的量Vsに達していなければ(S14,No)、S13に戻ってx=x+1となる濃度値Cx(Dx,T)を合計含有量ΣCxに加算する。
【0095】
一方、合計含有量ΣCxが予め定められた目的量Vsに達すれば(S14,Yes)、下降量算出部175は、最後に加算した濃度値Cx(例えばx=6)に対応する深さDx(即ちD6)を下降させる深さとする(S15)。
【0096】
そして、下降量算出部175は、血球成分が一定上である下層の層面の高さからこの深さDxを差分して最小下降量を算出し(S16)、駆動装置16を駆動させてこの最小下降量だけ試料分注プローブ7を更に下降させる(S17)。
【0097】
下降が終了すると、制御部17は、図示しないポンプを駆動させて試料分注プローブ7に吸引を開始させる(S18)。
【0098】
このように、この自動分析装置100は、複数の層に分離する被検試料のうちの目的層の成分を試料容器61から分注する工程において、目的層の層面からの成分の合計含有量が目的量Vsに達するまでの深さを算出し、算出した深さまで試料分注プローブ7を下降させてから吸引させるようにした。
【0099】
深さの算出では、例えば目的層中の成分の濃度勾配データ177を予め記憶しておき、この濃度勾配データ177に基づき、目的量Vsに達するまで目的層の層面からの各深さの濃度値Cxを加算する。
【0100】
これにより、被検試料が複数の層に分離する場合であっても、試料分注プローブ7の下降を最小に留めることができ、試料分注プローブ7の外壁面への被検試料の付着も最小限となり、且つ吸引終了時の上層と目的層との境界と試料分注プローブ7の吸口との位置関係を調節可能となる。そのため、空吸いの両立とコンタミネーションの防止を図ることができる。
【0101】
最小下降量を最適にするためには、各年齢に対応する濃度勾配データ177を予め記憶しておき、被検試料の提供元の年齢に対応する濃度勾配データ177に基づき深さを算出するようにしてもよい。また、各性別に対応する濃度勾配データ177を予め記憶しておき、被検試料の提供元の性別に対応する濃度勾配データ177に基づき深さを算出する。
【0102】
例えば、ヘモグロビンは構成要素のグロビン部分の違いによってHbA,HbA2、HbFの3種類に分けられる。Hbfは胎児ヘモグロビンという意味で、出生直後では全ヘモグロビンの80%以上を占め、徐々に減少し、5歳くらいで成人の値になる。HbA1cは、ヘモグロビンHbAにグルコースが結合したものであり、値は総ヘモグロビン量に対するHbA1cの割合で表す。
【0103】
このように年齢や性別によって血球成分は異なり、その血球成分の構成によって血球成分の層の濃度勾配は異なる。そのため、各年齢に対応する濃度勾配データ177を用いることで、更に正確に最小下降量を算出でき、コンタミネーションを更に防止できる。
【0104】
さらに、最小下降量を最適にするためには、経過時間に対する各濃度勾配を記録した濃度勾配データ177を予め記憶しておき、試料容器61の載置から分注までの経過時間Tに対する濃度勾配に基づき深さを算出すればよい。経過時間は、例えば、試料容器61の載置を検出するセンサ62を備えておくことで計時する。
【0105】
また、この自動分析装置100は、試料容器61に収容されている被検試料の目的層を検出する液層検出部172を備え、液層検出部172の検出に基づき目的層内の成分の含有量に関する情報と閾値とを比較し、比較結果、成分の含有量に関する情報が閾値未満であれば、下降及び吸引を中止するようにし、量不足を示すエラーを表示できるように被検試料に関連付けて記憶させるようにした。成分の含有量に関する情報としては、例えば層面の高さである。
【0106】
これにより、全血検査のように被検試料が少量であるために、被検試料の分析が不可能な場合、被検試料の試料分注プローブ7への付着を低減させることができ、コンタミネーションの防止を図ることができる。
【0107】
試料容器61の形状が統一されていない場合には、試料容器61の種類情報のそれぞれに対応させて各種の閾値を記憶しておき、被検試料が入った試料容器61の種類情報を取得して、その種類情報に対応する閾値を高さと比較するようにすればよい。
【0108】
尚、本実施形態では、液層検出として電気抵抗法を利用したが、その他、下層の層面を検出できれば、静電容量法や、液体の圧力または粘性を利用した方法を適用することもできる。
【0109】
例えば、静電容量法では、前記試料分注プローブ7を静電容量センサとして用い、前記試料分注プローブ7が被検試料に接触することで生じる静電容量の変化から層面を検出することができる。或いは、前記試料分注プローブ7の先端と、圧力センサ又は粘度センサの先端が同じ高さにあり、且つ同期して移動するように構成することで、圧力や粘度の液性の違いで層面を検出することも可能である。
【0110】
また、被検試料の液面を検出し、濃度勾配データから見出すことのできる一定濃度値以上の境界点と液面との深さの比から下層の層面の高さを推測するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 試薬ラック
2 試薬庫
3 試薬庫
4 試薬容器
5 反応ディスク
51 反応管
6 ディスクサンプラ
61 試料容器
62 センサ
7 試料分注プローブ
71 探針
72 電源
73 抵抗
74 参照点
8 第1試薬分注プローブ
9 第2試薬分注プローブ
10 アーム
11 撹拌ユニット
12 測光ユニット
13 洗浄ユニット
14 分析部
15 データ処理部
16 駆動装置
17 制御部
171 登録データ記憶部
172 液層検出部
173 判断部
174 閾値記憶部
175 下降量算出部
176 濃度勾配データ記憶部
177 濃度勾配データ
100 自動分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の層に分離する被検試料のうちの目的層の成分を、載置された容器から移して分析する自動分析装置であって、
前記目的層内に下降して前記成分を吸引するための分注プローブと、
前記目的層の層面からの前記成分の合計含有量が目的量に達するまでの深さを算出する算出手段と、
前記分注プローブを前記算出手段が算出した前記深さまで下降させてから、前記分注プローブに前記成分を吸引させる制御手段と、
を備えること、
を特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記目的層中の前記成分の深さ毎の濃度を示す濃度勾配データを予め記憶する濃度勾配記憶手段を更に備え、
前記算出手段は、
前記濃度勾配データに基づき、前記目的層の層面から深さ方向に各点の濃度を加算することで前記成分が目的量に達するまでの深さを算出すること、
を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記被検試料の提供元の年齢を記憶する年齢記憶手段を更に備え、
前記濃度勾配記憶手段は、
各年齢に対応する濃度勾配データを予め記憶し、
前記算出手段は、
前記被検試料の提供元の年齢に対応する前記濃度勾配データに基づき、前記深さを算出すること、
を特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記被検試料の提供元の性別を記憶する性別記憶手段を更に備え、
前記濃度勾配記憶手段は、
各性別に対応する濃度勾配データを予め記憶し、
前記算出手段は、
前記被検試料の提供元の性別に対応する前記濃度勾配データに基づき、前記深さを算出すること、
を特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記濃度勾配データには、
経過時間に対する各濃度勾配が記憶され、
前記算出手段は、
前記容器の載置から前記成分が移されるまでの経過時間に対する濃度勾配に基づき、前記深さを算出すること、
を特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記容器の載置を検出するセンサを更に備えること、
を特徴とする請求項5記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記容器に収容されている前記被検試料の前記目的層の層面の高さを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づく前記目的層内の前記成分の含有量に関する情報と、予め定められた閾値とを比較する比較手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、
前記比較手段の比較結果、前記成分の含有量に関する情報が前記閾値未満であれば、前記深さまでの下降及び前記吸引を中止すること、
を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記検出手段は、
液層の違いによる電気抵抗の変化をセンサで検知することで前記目的層の層面を検出すること、
を特徴とする請求項7記載の自動分析装置。
【請求項9】
前記検出手段は、
液層の違いによる静電容量の変化をセンサで検知することで前記目的層の層面を検出すること、
を特徴とする請求項7記載の自動分析装置。
【請求項10】
前記検出手段は、
液層の違いによる圧力あるいは粘性の変化をセンサで検知することで前記目的層の層面を検出すること、
を特徴とする請求項7記載の自動分析装置。
【請求項11】
前記容器の種類情報のそれぞれに対応させて各種の前記閾値を記憶する閾値記憶手段を更に備え、
前記比較手段は、
前記被検試料が入った前記容器の種類情報を取得して、その種類情報に対応する前記閾値を前記高さと比較すること、
を特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の自動分析装置。
【請求項12】
前記比較手段は、
前記成分の含有量に関する情報が前記閾値未満であれば、量不足を示すエラーを前記被検試料に関連付けて記憶させること、
を特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の自動分析装置。
【請求項13】
複数の層に分離する被検試料のうちの目的層の成分を、載置された容器から移して分析する自動分析装置であって、
前記目的層内に下降して前記成分を吸引するための分注プローブと、
前記目的層中の前記成分の深さ毎の濃度を経過時間に対応して示す濃度勾配データを予め記憶する濃度勾配記憶手段と、
前記容器の載置から前記成分が移されるまでの経過時間に対する濃度勾配データに基づき、前記目的層の層面から深さ方向に各点の濃度を加算することで前記成分が目的量に達するまでの深さを算出する算出手段と、
前記分注プローブを前記算出手段が算出した前記深さまで下降させてから、前記分注プローブに前記成分を吸引させる制御手段と、
を備えること、
を特徴とする自動分析装置。
【請求項14】
前記容器に収容されている前記被検試料の前記目的層の層面の高さを検出する検出手段を更に備え、
前記算出手段は、
前記検出手段が検出した前記層面に対応する点から深さ方向に各点の濃度を加算すること、
を特徴とする請求項13記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−190588(P2010−190588A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32322(P2009−32322)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】