説明

自動原稿搬送装置、画像読取装置および自動原稿搬送方法

【課題】使用者の使用状況に応じて、コンパクトな装置構成とする自動原稿搬送装置、画像読取装置および自動原稿搬送方法を提供する。
【解決手段】読み取り対象であるシート原稿を載置する原稿載置部10aと、原稿載置部から所定の原稿読み取り位置までシート原稿を導く第1シート搬送路17aと、第1シート搬送路17aから分岐し、第1シート搬送路17aにおける所定の原稿読み取り位置の上流側に合流する第2シート搬送路16aを、装着情報取得部79において、第2シート搬送路16aが着脱機構19により第1シート搬送路17aに装着されたことを示す情報を取得した場合に、長さ情報取得部70aにて取得される情報に基づいて、原稿載置部10aから搬送されるシート原稿の搬送先を第1および第2シート搬送路の内のいずれかに振り分けるように振分け部40を制御する制御部と、を備える自動原稿搬送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使用者の使用状況に応じて、コンパクトな装置構成とする自動原稿搬送装置、画像読取装置および自動原稿搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の画像形成装置に用いる、スキャナ等の画像読取装置では、画像読取速度の高速化が要求されている。例えば、特許文献1には、原稿載置部から画像読取部に達する第1搬送経路および第2搬送経路と、原稿載置部に載置された原稿を第1搬送経路および第2搬送経路に振り分けるゲート部とを有する自動原稿搬送装置を備えた画像読取装置が開示されている。この画像形成装置は、原稿を第1搬送経路と第2搬送経路に交互にゲート部で振り分けることで、先行する原稿の後端と後続の原稿の先端の間隔をほぼ0mmにして連続搬送し、画像読取速度を速くする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−136359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された画像読取装置は、第2搬送経路が第1搬送経路の上部に一体的に固定されている構成のため、第1搬送経路のみで十分な使用者にとっては、不必要に装置構成が大きくなり、設置スペースを無駄に必要とする問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本実施形態の自動原稿搬送装置は、読み取り対象であるシート原稿を載置する原稿載置部と、前記原稿載置部から所定の原稿読み取り位置まで前記シート原稿を導く第1シート搬送路と、前記第1シート搬送路から分岐し、前記第1シート搬送路における所定の原稿読み取り位置の上流側に合流する第2シート搬送路を、前記第1シート搬送路に対して着脱可能とする着脱機構と、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得する装着情報取得部と、前記原稿載置部に載置されるシート原稿のシート搬送方向における長さを示す情報を取得する長さ情報取得部と、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着された状態において、前記原稿載置部から搬送されるシート原稿を前記第1および第2シート搬送路の内のいずれかに振り分ける振分け部と、前記装着情報取得部において、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得した場合に、前記長さ情報取得部にて取得される情報に基づいて、前記原稿載置部から搬送されるシート原稿の搬送先を前記第1および第2シート搬送路の内のいずれかに振り分けるように前記振分け部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
(2)上記(1)の構成において、前記第2シート搬送路が、前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されていることを特徴とする。
【0007】
(3)上記(2)の構成において、前記第1シート搬送路は、所定サイズのシート原稿における長手方向の長さよりも短い搬送経路であり、前記第2シート搬送路は、前記所定サイズのシート原稿における長手方向の長さよりも長い搬送経路であり、前記制御部は、前記装着情報取得部が、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得し、かつ前記長さ情報取得部にて取得される情報が前記所定サイズ以下である場合に、前記原稿載置部に載置された原稿を前記第1シート搬送路または前記第2シート搬送路に交互に振分けるように前記振分け部を制御することを特徴とする。
【0008】
(4)上記(2)または(3)の構成において、前記所定サイズは、ショートサイズであることを特徴とする。
【0009】
(5)上述した課題を解決するため、本実施形態の画像読取装置は、前記長さ情報取得部で取得した情報に基づいて、前記第1シート搬送路および前記第2シート搬送路を搬送される原稿を読取る画像読取部と、前記画像読取部を通過した前記原稿を排紙する排紙部を有し、前記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の自動原稿搬送装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
(6)上述した課題を解決するため、本実施形態の自動原稿搬送方法は、読み取り対象であるシート原稿を載置する原稿載置部と、前記原稿載置部から所定の原稿読み取り位置まで前記シート原稿を導く第1シート搬送路と、前記第1シート搬送路から分岐し、前記第1シート搬送路における所定の原稿読み取り位置の上流側に合流する第2シート搬送路を、前記第1シート搬送路に対して着脱可能とする着脱機構と、前記着脱機構により、前記第1シート搬送路に装着された第2シート搬送路と、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着された状態において、前記原稿載置部から搬送されるシート原稿を前記第1および第2シート搬送路の内のいずれかに振り分ける振分け部と、を有する自動原稿搬送装置に用いられる自動原稿搬送方法であって、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得し、前記原稿載置部に載置されるシート原稿のシート搬送方向における長さを示す情報を取得し、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得した場合に、前記取得されたシート原稿のシート搬送方向における長さを示す情報に基づいて、前記原稿載置部から搬送されるシート原稿の搬送先を前記第1および第2シート搬送路の内のいずれかに振り分けることを特徴とする。
【0011】
(7)上記(6)の搬送方法において、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得し、かつ前記長さ情報取得部にて取得される情報が前記所定サイズ以下である場合に、前記原稿載置部に載置された原稿を前記第1シート搬送路または前記第2シート搬送路に交互に振分けることを特徴とする。
【0012】
(8)上記(6)または(7)の搬送方法において、前記所定サイズは、ショートサイズであることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態の画像読取装置(OUTパス部がINパス部に装着された状態)の概略図である。
【図2】図1における第1シート搬送路及び第2シート搬送路の拡大図である。
【図3】図1における読取前ローラの概略図である。
【図4】第1実施形態の画像読取装置(OUTパス部をINパス部から脱離した状態)の概略図である。
【図5】第1実施形態のADFの制御系を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態における電源オンから原稿の給紙開始までを示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態の第1の搬送モードにおける原稿を給紙して第2シート搬送路に搬送するまでを示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態における第2シート搬送路内への原稿の搬送を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態における画像の読取開始から、中間IN/OUTモータの停止までを示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態における中間IN/OUTモータの停止から、読取前ローラ停止までを示すフローチャートである。
【図11】第1実施形態における第1シート搬送路内への原稿の搬送を示すフローチャートである。
【図12】第1実施形態における搬送の完了を示すフローチャートである。
【図13】第1実施形態の第2の搬送モードにおける原稿を給紙して第2シート搬送路に搬送するまでを示すフローチャートである。
【図14】第1実施形態における1枚目の原稿の給紙開始時を示す説明図である。
【図15】第1実施形態における1枚目の原稿の第2シート搬送路への搬送時を示す説明図である。
【図16】第1実施形態における1枚目の原稿の第2シート搬送路での待機を示す説明図である。
【図17】第1実施形態における2枚目の原稿の給紙開始時を示す説明図である。
【図18】第1実施形態における2枚目の原稿の第1シート搬送路への搬送を示す説明図である。
【図19】第1実施形態における1枚目と2枚目の原稿の搬送の合流時を示す説明図である。
【図20】第1実施形態における1枚目と2枚目の原稿の分離を示す説明図である。
【図21】第1実施形態における読取前ローラによる2枚目の原稿の搬送を示す説明図である。
【図22】第1実施形態における3枚目の原稿の給紙開始時を示す説明図である。
【図23】第1実施形態における3枚目の原稿のOUTパス部への搬送を示す説明図である。
【図24】第1実施形態における2枚目と3枚目の原稿の搬送の合流時を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本実施形態の画像読取装置100の第1実施形態について説明する。ここで、図1は第1実施形態の画像読取装置100(OUTパス部16がINパス部17に装着された状態)を示す概略図であり、図2は図1における第1シート搬送路17a及び第2シート搬送路16aの拡大図であり、図3は図1における読取前ローラ50の概略図であり、図4は第1実施形態の画像読取装置100(OUTパス部16をINパス部17から脱離した状態)の概略図である。
【0015】
画像読取装置100は、図1に示すように、スキャナ(画像読取部)110、およびスキャナ110に原稿Gを搬送する自動原稿搬送装置(ADF)10を有する。
【0016】
スキャナ110は、READ原稿ガラス110aとプラテンガラス110bを備える。スキャナ110の光学機構110cは、READ原稿ガラス110a上を走行する原稿(シート原稿)Gの画像を光学的に読み取る。光学機構110cは、プラテンガラス110bに沿って、図示しない駆動手段により矢印A方向(図1参照)に移動して、プラテンガラス110b上に載置される原稿Gの画像を所定の原稿読み取り位置で光学的に読み取る。スキャナ110は、光学機構110cからの光信号を電気信号に光電変換するCCD(Charge Coupled Device)110dを有する。
【0017】
ADF10は、原稿載置部11a、INパス部17、OUTパス部16、着脱機構19、フラッパ(振分け部)40、排紙部51aおよび制御部120を有する。
【0018】
原稿載置部11aは、原稿トレイ11、ピックアップローラ12、分離給紙ローラ13、給紙モータ80、ピックアップソレノイド81、レジストローラ(RGTローラ)14、レジストモータ(RGTモータ)82、レジストセンサ(RGTセンサ)71および超音波センサ74を有する。原稿トレイ11は、読み取り対象である原稿(シート原稿)を載置するものであり、原稿Gの有無を検知するエンプティセンサ70および載置された原稿Gの搬送方向の長さが所定サイズ以上かを検出する長さ検出センサ70a(長さ情報取得部)を有する。また、ここでの原稿の所定の長さ(所定サイズのシート原稿)とは、例えば、A4またはレターサイズのようなショートサイズを意味する。この長さ検出センサ70aは、図1のようにアクチュエータ部の動作に基づいて、原稿のシート搬送方向における長さを示す情報を取得しても良いし、発光部と受光部を有する反射型の光学センサにより原稿のシート搬送方向における長さを示す情報を取得しても良い。ピックアップローラ12は、原稿トレイ11に載置された原稿Gを取り出す。分離給紙ローラ13は、ピックアップローラ12により取り出された原稿Gを1枚ずつ分離して給紙する。給紙モータ80は、ピックアップローラ12及び分離給紙ローラ13を駆動する。ピックアップソレノイド81は、ピックアップローラ12を揺動する。レジストローラ(RGTローラ)14は、分離給紙ローラ13により給紙される原稿Gの先端を揃える。レジストモータ(RGTモータ)82は、RGTローラ14を駆動する。レジストセンサ(RGTセンサ)71は、分離給紙ローラ13からRGTローラ14の間に位置し、RGTローラ14への原稿Gの到達を検知する。そして、超音波センサ74は、RGTセンサ71に隣接して位置し、原稿Gの厚さを検知する。
【0019】
INパス部17は、第1シート搬送路17a、中間INローラ28、中間INモータ86、タイミングセンサIN73、読取前ローラ50および装着センサ(装着情報取得部)79を有する。第1シート搬送路17aは、図1に示すように、RGTローラ14からスキャナ110に達する搬送経路であり、原稿の所定の長さ(所定サイズのシート原稿における長手方向の長さ)よりも短い搬送経路である。中間INローラ28は、第1シート搬送路17a内に原稿Gを搬送する。中間INモータ86は、中間INローラ28を駆動する。タイミングセンサIN73は、第1シート搬送路17a内を通過する原稿を検知する。読取前ローラ50は、図1に示すように、相互に従動回転する第1のローラ50aおよび第2のローラ50bと、第1のローラ50aおよび第2のローラ50bの駆動を切り替えるチェンジ機構50cからなる。装着センサ79は、後述のOUTパス部16が後述の着脱機構19を介してINパス部17に装着されていることを示す情報を取得する。
【0020】
OUTパス部16(第2シート搬送路16aを含むもの)は、図1および図4に示すように、後述の着脱機構19によりINパス部17(第1シート搬送路17aを含むもの)に対して着脱自在に装着される。なお、OUTパス部16をINパス部17から脱離した際には、図4に示すようにOUTパス部16の代わりに外装部材140を取付けても良い。
【0021】
OUTパス部16(図1における点線で覆った領域)は、第2シート搬送路16a、中間OUTローラ18、中間OUTモータ84およびタイミングセンサOUT72を有する。第2シート搬送路16aは、図1に示すように、第1シート搬送路17aから分岐し、第1シート搬送路17aにおける所定の原稿読み取り位置の上流側で合流する搬送経路である。この第2シート搬送路16aは、所定の原稿の長さ(所定サイズのシート原稿における長手方向の長さ)よりも長い搬送経路である。中間OUTローラ18は、第2シート搬送路16a内において原稿Gを搬送する。中間OUTモータ84は、中間OUTローラ18を駆動する。タイミングセンサOUT72は、第2シート搬送路16a内を通過する原稿Gを検知する。
【0022】
着脱機構19は、凸部被係合部材19a、凹部係合部材19bおよび可動部(不図示)を有する。凸部被係合部材19aは、OUTパス部16側の下面に設けられた凸部(不図示)と、凸部の外周面に形成された凸部側溝(不図示)からなる。凹部係合部材19bは、INパス部17側の上面における凸部係合部材に対応する位置に形成された凹部(不図示)と、凹部の内周面に設けられた凹部側係合ツメ(不図示)からなる。可動部は、OUTパス部16に設けられたものであり、凹部側係合ツメを凸部側溝に係合するように付勢する係合ツメ付勢部材(不図示)と、係合ツメを凸部側溝から退避させる係合ツメ退避レバ(不図示)からなる。OUTパス部16にINパス部17が装着される場合には、使用者がOUTパス部16をINパス部17に押し付けることにより、凹部側係合ツメが係合ツメ付勢部材により凸部側溝に係合して、OUTパス部16をINパス部17に一体的に固定する。また、OUTパス部16をINパス部17から脱離する場合には、使用者が係合ツメ退避レバを操作することで、凹部側係合ツメを凸部側溝から退避させ、OUTパス部16をINパス部17から脱離させる。
【0023】
この構成により、本実施形態の画像読取装置100は、使用者による簡単な作業により、OUTパス部16をINパス部17に装着または脱離させることができる。
【0024】
なお、外装部材140をINパス部17に取付ける場合には、図4に示すように、外装部材140の下面に設けられた凸部係合部材19aを、INパス部17に設けられた凹部係合部材19bに係合する。外装部材140に設けられた凸部係合部材19aの詳細な構成は、OUTパス部16に設けられた凸部係合部材19aと同じであるため、説明は省略する。
【0025】
フラッパ40は、図1に示すように、INパス部17におけるRGTローラ14の下流側かつ第2シート搬送路16aの上流側に位置し、RGTローラ14を通過した原稿Gを、OUTパス部16およびINパス部17のいずれかに振り分ける。フラッパ40は、フラッパソレノイド83により切り替えられる。具体的には、CPU130がフラッパソレノイド83をオフすると、フラッパ40は、矢印x方向に回動して、原稿Gを第2シート搬送路16a側に振り分ける。CPU130がフラッパソレノイド83をオンすると、フラッパ40は、矢印y方向に回動して、原稿Gを第1シート搬送路17a側に振り分ける。
【0026】
排紙部51aは、図1に示すように、読取前ローラ50、読取後ローラ51、排紙前ローラ52、排紙ローラ53、排紙トレイ56、読取前ローラモータ89、READモータ87、排紙モータ88、読取前センサ76、読取後センサ77、排紙センサ78およびコンタクトイメージセンサ(CIS)60(画像読取部)を有する。読取後ローラ51は、READ原稿ガラス110aから原稿Gを排出する。読取前ローラモータ89は、読取前ローラ50を駆動する。READモータ87は、読取後ローラ51および排紙前ローラ52を駆動する。排紙モータ88は、排紙ローラ53を駆動する。読取後センサ77は、読取後ローラ51から排紙前ローラ52に達する搬送経路に設けられ、排紙センサ78は排紙前ローラ52から排紙ローラ53に達する搬送経路に設けられる。そして、CIS60は、読取後ローラ51から排紙前ローラ52に至る搬送経路内に位置し、原稿Gの画像を読み取る。
【0027】
この構成により、READ原稿ガラス110a上を走行する原稿Gの第1面である表面の画像をスキャナ110で読み取り、走行する原稿Gの第2面である裏面の画像をCIS60で読み取る。これにより、原稿Gが、原稿トレイ11からREAD原稿ガラス110aを経て排紙トレイ56に至る搬送路を1回通過するのみで、両面の画像の読み取りが可能になる。
【0028】
図5は、ADF10を主体にした制御部120のブロック図である。制御部120は、本体制御部121とCPU130からなる。本体制御部121は、スキャナ110のCCD110dおよびCIS60を接続しており、画像読取装置100を含む例えば画像形成装置の全体を制御する。本体制御部121は、入出力インタフェース122を介してADF10のCPU130を制御する。
【0029】
CPU130の入力側には、長さ検出センサ70a、エンプティセンサ70、RGTセンサ71、タイミングセンサOUT72、タイミングセンサIN73、読取前センサ76、読取後センサ77排紙センサ78および装着センサ79が接続される。CPU130の出力側には、ピックアップソレノイド81、給紙モータ80、RGTモータ82、フラッパソレノイド83、中間OUTモータ84、中間INモータ86、READモータ87、排紙モータ88、読取前ローラモータ89およびチェンジ機構50cが接続されている。
【0030】
次に、第1実施形態の画像読取装置100における読取処理について説明する。図6乃至図13は、第1実施形態の画像読取装置100におけるフローチャートを示し、図6は電源オンから原稿の給紙開始までの制御を示し、図7は第1の搬送モードにおける原稿を給紙して第2シート搬送路16aに搬送するまでの制御を示し、図8は第2シート搬送路16a内への原稿の搬送制御を示し、図9は画像の読取開始から中間IN/OUTモータの停止までの制御を示し、図10は中間IN/OUTモータの停止から読取前ローラ50停止までの制御を示し、図11は第1シート搬送路17a内への原稿の搬送制御を示し、図12は搬送の完了制御を示し、図13は第2の搬送モードにおける原稿を給紙して第2シート搬送路に搬送するまでを示すものである。
【0031】
まず、第1実施形態の画像読取装置100において、OUTパス部16が着脱機構19を介してINパス部17に固定されており、画像読取装置100内に搬送される原稿が所定サイズ以下の場合について説明する。
【0032】
図6を用いて、第1実施形態の画像読取装置100における電源オンから原稿の給紙開始までの制御を説明する。使用者が、画像読取装置100の電源をオンすると、CPU130が、プラテンガラス110b上で閉じていることを確認し(ACT200)、全センサを検知して、ADF10に紙詰まりが無いことを確認する(ACT201YES)。原稿Gが原稿トレイ11に載置されるとエンプティセンサ70がオンし、CPU130が本体制御部121に原稿オン信号を送信する(ACT202YES)。本体制御部121からの給紙要求信号を、CPU130が受信すると、CPU130が両面読取モードを設定されいているか否かを判定し(ACT203)、両面読取モードが設定されていると判定した場合には、CPU130は、CIS60をオンして原稿読取可能状態に設定する(ACT204)。この両面読取モードの設定の有無は、使用者が入出力インタフェースに両面読取モードの設定操作を行ったか否かにより判定する。
【0033】
CPU130は、OUTパス部16がINパス部17に装着されているため、装着センサ79がオン(第2シート搬送路16aが着脱機構19により第1シート搬送路17aに装着されたことを示す情報)を取得する(ACT205AYES)。そして、CPU130は、長さ検出センサ70aがOFFであるため、原稿トレイ11に載置された原稿のシート搬送方向における長さが所定サイズ以下とすることを示す情報を取得して(ACT205BYES)、第1の搬送モードを実行するACT206へ進む。この第1の搬送モードは、第1シート搬送路17aと第2シート搬送路16aに交互に振り分けて搬送する処理モードである。
【0034】
次に、第1実施形態の画像読取装置100における原稿の給紙開始から排紙トレイ56内への排出動作について説明する。図7を参照して、CPU130は、ピックアップソレノイド81および給紙モータ80をオンし、ピックアップローラ12及び分離給紙ローラ13を回転させて、1枚目の原稿G1の給紙動作を開始する(ACT206)。RGTセンサ71が原稿G1を検出すると、CPU130は、原稿G1を一定時間搬送した後、給紙モータ80をオフし、フラッパソレノイド83もオフする(ACT207YES、ACT208)。図14のように1枚目の原稿G1は、RGTローラ14に当たり、先端位置を整位されて停止する。フラッパ40は、1枚目の原稿G1を第2シート搬送路16aに振り分ける方向に設定される。
【0035】
RGTセンサ71により原稿G1が検出されてから一定時間を経過した後(ACT208)、原稿G1が奇数枚目なので(ACT212Yes)、CPU130は、RGTモータ82と中間OUTモータ84をオンして、RGTローラ14および中間OUTローラ18を回転させる(ACT214)。これにより、図15のように1枚目の原稿G1は、フラッパ40に振り分けられて、第2シート搬送部16aへ搬送する。
【0036】
図8を参照して、原稿G1によりタイミングセンサOUT72がオンすると(ACT215Yes)、CPU130は、RGTモータ82と中間OUTモータ84を、一定パルス数駆動して停止させる(ACT216)。図16に示すように、1枚目の原稿G1は、読取前ローラ50の手前で停止する。
【0037】
CPU130が、本体制御部121から搬送要求信号を受信すると(ACT218Yes)、CPU130は、中間OUTモータ84を駆動して中間OUTローラ18を回動させ、読取前ローラモータ89を駆動してチェンジ機構50Cを介して読取前ローラ50を回動させる。これにより、第2シート搬送路16a内に搬送された原稿G1をスキャナ110へ搬送する(ACT219YES、ACT221)。
【0038】
読取前センサ76が1枚目の原稿G1の先端を検知してONすると(ACT223Yes)、CPU130は、READモータ87を駆動して、読取後ローラ51および排出前ローラ52を回動させて、ACT230へ進む。
【0039】
図9を参照して、CPU130が1枚目の原稿G1を一定距離搬送したと判定すると(ACT230YES)、CPU130は読取開始信号を本体制御部121に送信する。本体制御部121により、スキャナ110は原稿G1の表面の画像読取を開始する(ACT231)。
【0040】
1枚目の原稿G1は、スキャナ110による画像読取を行いながら、読取後ローラ51及び排紙前ローラ52を経て排紙ローラ53方向に搬送される。
【0041】
1枚目の原稿G1により読取後センサ77がオンされると(ACT232YES)、CPU130は、排紙モータ88を駆動して、排紙ローラ53を回転させて、両面読取設定が行われているか否かを判定する(ACT233YES、ACT234、ACT236)。CPU130が両面読取モードを設定していると判定した場合(ACT236Yes)、CPU130は両面読取モードに関する情報を本体制御部121に送信して、排紙方向に搬送される1枚目の原稿G1の裏面の画像をCIS60により読取る(ACT237)。1枚目の原稿G1が、読取後センサ77をONしてから一定時間経過して(ACT238Yes)、排紙センサ78をオン(ACT239Yes)した後、排紙トレイ56内に1枚目の原稿G1が排出され、CPU130は、中間OUTモータ84を停止させる(ACT240a)。
【0042】
次に、2枚目の原稿G2の搬送について説明する。図7を参照して、RGTセンサ71により原稿G1が検出された後(ACT207YES)、1枚目の原稿G1の搬送プロセスとは別に、割り込み処理として、2枚目の原稿G2の給紙プロセスが並行してスタートする。2枚目の原稿G2は、1枚目の原稿G1の後端がRGTセンサ71を抜けるまで、給紙プロセスを待機する(ACT300NO、ACT301NO)。RGTセンサ71が、オンからオフに変化すると(ACT300Yes)、CPU130は、原稿Gが奇数枚目か否かの判定を行う(ACT302)。CPU130は、2枚目の原稿G2は偶数枚目であるため(ACT302NO)、第2シート搬送路16aを通過するための調整時間T2を経過を待って(ACT304でYes)、ACT206に進む。
【0043】
CPU130は、ピックアップローラ12および分離給紙ローラ13を駆動して、2枚目の原稿G2を第1シート搬送路17a内へ給紙する(ACT206)。図17に示すように、第1シート搬送路17a内へ給紙された2枚目の原稿G2は、RGTローラ14に当接して、先端位置を整位されて停止する。(2枚目の原稿G2は、原稿トレイ11から取り出された後、RGTセンサ71をオンし(ACT207)、ACT208、ACT211を経て、ACT212に達する。)
【0044】
図11を参照して、2枚目の原稿G2は偶数枚目なので(ACT212No)、CPU130は、図18に示すように、フラッパソレノイド83をオンして、フラッパ40を矢印y方向に回転して、フラッパ40を2枚目の原稿G2を第1シート搬送路17aに振り分ける方向に切り替える。(ACT250)。CPU130は、RGTモータ82および中間INモータ86をオンして、RGTローラ14と中間INローラ28を回転させる。これにより、2枚目の原稿G2をフラッパ40により第1シート搬送路17a内に振り分けて搬送する。
【0045】
2枚目の原稿G2(偶数枚目の原稿G)によりタイミングセンサIN73がオンすると(ACT252)、CPU130は、RGTモータ82および中間INモータ86を、一定パルス数駆動して停止する(ACT253)。2枚目の原稿G2は、読取前ローラ50の手前で停止する。そして、本体制御部121から2枚目の原稿G2の搬送要求信号をCPU130が受信すると(ACT255Yes)、CPU130は、先行する原稿G1の先端が、読取前センサ76をオンしてから所定時間が経過するか否かを判定する(ACT256)。
【0046】
CPU130は、先行する原稿G1の先端が、読取前センサ76をオンしてから所定時間を経過したと判定すると、図19および図20に示すように中間INモータ86を駆動して中間INローラ28を回動させ、チェンジ機構50Cを介して、読取前ローラ50を回動させて、2枚目の原稿G2を搬送する(ACT257)。
【0047】
図21に示すように、読取前センサ76が、先行する原稿G1(1枚目の原稿)の後端を検知(センサ76がOFF)し、2枚目の原稿G2の先端が読取前センサ76を検知(ON)すると(ACT258Yes)、ACT260へ進む。ACT260で、READモータ87を継続して駆動し、ACT230へ進む。
【0048】
そして、2枚目の原稿G2に関しても、一枚目の原稿G1と同じように、ACT234を除く、ACT230〜ACT239までの処理を行う。ACT234については、既に排紙モータ88が駆動されているため、改めて排紙モータ88を駆動させる必要はない。なお、4枚目以降の原稿G4の搬送処理および読取処理については2枚目の原稿と同じ搬送処理および読取処理で行う。
【0049】
次に3枚目の原稿G3の搬送について説明する。図7を参照して、RGTセンサ71により2枚目の原稿G2が検出された後(ACT207YES)、2枚目の原稿G2の搬送プロセスとは別に、割り込み処理として、3枚目の原稿G3の給紙プロセスが並行してスタートする。3枚目の原稿G3は、2枚目の原稿G2の後端がRGTセンサ71を抜けるまで、給紙プロセスを待機する(ACT300NO、ACT301NO)。RGTセンサ71が、オンからオフに変化すると(ACT300でYes)、CPU130は、原稿G3が奇数枚目であるため(ACT302YES)、第1シート搬送路17aを通過するための調整時間T1を経過するのを待って(ACT303Yes)、ACT206に進む。
【0050】
そして、3枚目の原稿G3に関しても、図22および23に示すように、1枚目の原稿G1と同じようにACT206〜ACT218までの処理を行い、第2シート搬送路16a内を搬送する。ACT219において、第2シート搬送路16a内に搬送された原稿は、3枚目の原稿G3なので、本体制御部121は、先行する原稿G2の読取処理を考慮して所定時間経過(ACT220Yes)してから待機中の原稿G3の搬送要求信号を有効にする。そして、CPU130は、中間OUTモータ84を駆動して、中間OUTローラ18を回動させ、チェンジ機構50cを介して読取前第2のローラ50bを回動し、図24に示すように原稿G3を搬送する。読取前センサ76が先行する原稿G2の後端を検知(センサーOFF)し、原稿G3の先端を検知(センサON)すると(ACT224Yes)、CPU130は、先行する原稿G2を搬送しているREADモータ87を継続して駆動し、ACT230へ進む。
【0051】
ACT230へ進んだ3枚目の原稿G3は、1枚目の原稿G1と同じように、ACT230〜ACT239までの処理を行う。なお、5枚目以降の原稿G5の搬送処理および読取処理については、3枚目の原稿と同じ搬送処理および読取処理を行う。
【0052】
次に、第1シート搬送路17aおよび第2シート搬送路16a内を搬送する原稿が最終原稿と判定した後の処理について説明する。
【0053】
図10を参照して、本体制御部121は、排紙センサ78がONした時に、タイミングセンサIN73/OUT72ともにOFFの場合(ACT241YES、ACT242Yes)、最終原稿と判断する。本体制御部121が最終原稿と判断すると、読取後センサ77がOFF(ACT243Yes)して、CPU130は、読取前ローラモータ89を停止させて(ACT244)、ACT270に進む。また、後続の原稿Gが第1シート搬送路17aまたは第2シート搬送路16aのいずれかに存在し、タイミングセンサOUT72/IN73のいずれかがONしている場合には(ACT241、ACT242のいずれかがNo)、後続の原稿Gの搬送動作が継続される。原稿Gが最終原稿でない場合、割り込み処理を経て、第2シート搬送路16aによる原稿Gの搬送)、第1シート搬送路17aによる原稿Gの搬送を交互に繰り返す。
【0054】
図12を参照して、原稿Gが最終原稿であり、原稿Gが搬送されて、その後端が排出前ローラ52を抜けた後に、排紙センサ78がオフすると(ACT271Yes)、CPU130は、排紙ローラ53により最終原稿を一定距離搬送し(ACT272Yes)、READモータ87及び排紙モータ88とソレノイドをオフし(ACT273)、ADF10の原稿搬送を完了する。
【0055】
上記構成により、第1実施形態の画像読取装置100は、第1の処理モード(OUTパス部16(第2シート搬送路16aを含む)が着脱機構19によりINパス部17(第1シート搬送路17aを含む)に装着されたことを示す情報を装着センサ79で取得し、かつ所定サイズ以下の情報を長さ検出センサ70aで取得した場合に実行される処理モード)においては、第2シート搬送路16aに搬送されている奇数枚目の原稿が、スキャナ110および/またはCCD110dで読取っている間に、偶数枚目の原稿を第1シート搬送路17a内に搬送することで、奇数枚目と偶数枚目の原稿間隔をゼロにして、奇数枚目の原稿と偶数枚目の原稿を連続的にスキャナ110および/またはCCD110dで読取ることができる。これにより、第1実施形態における第1の処理モードは、後述の第1シート搬送路17aのみで搬送する第2の処理モードに比べて、迅速に原稿トレイ11に載置された原稿をスキャナ110および/またはCCD110dで読取ることができる。
【0056】
次に第1実施形態の画像読取装置100において、OUTパス部16がINパス部17から脱離している状態について説明する。なお、図4に示すようにOUTパス部16の代わりに、外装部材140がINパス部17に取付けられているものとする。
【0057】
図6を参照して、使用者が、画像読取装置100の電源をオンすると、CPU130が、プラテンガラス110b上で閉じていることを確認し(ACT200)、全センサを検知して、ADF10に紙詰まりが無いことを確認する(ACT201YES)。原稿Gが原稿トレイ11に載置されるとエンプティセンサ70がオンし、CPU130が本体制御部121に原稿オン信号を送信する(ACT202YES)。CPU130が、本体制御部121から給紙要求信号を受信すると、CPU130が両面読取モードを設定されいているかを判定し(ACT203)、両面読取モードが設定されていると判定した場合には、CPU130は、CIS60をオンして、原稿読取可能状態に設定する(ACT204)。
【0058】
CPU130は、OUTパス部16がINパス部17から脱離しているため、装着センサ79からOUTパス部16がINパス部17に装着されていることを示す情報を受信できず(ACT205ANO)、第2の搬送モードを実行するACT206’へ進む。この第2の搬送モードは、第1シート搬送路17aのみで搬送する処理モードである。
【0059】
図13を参照して、CPU130は、ピックアップソレノイド81および給紙モータ80をオンし、ピックアップローラ12及び分離給紙ローラ13を回転させて、1枚目の原稿G1の給紙動作を開始する(ACT206’)。RGTセンサ71が原稿G1を検出すると、CPU130は、原稿G1を一定時間搬送した後、給紙モータ80をオフして、ACT250へ進む(ACT207’YES、ACT208’)。ACT250へ進んだ後の原稿の搬送方法および読取方法に関しては、第2の処理モードと同じであるため、説明を省略する。
【0060】
次にOUTパス部16が着脱機構19を介してINパス部17に装着されており、原稿が所定のサイズより大きい場合について説明する。
【0061】
図6を参照して、使用者が、画像読取装置100の電源をオンすると、CPU130が、プラテンガラス110b上で閉じていることを確認し(ACT200)、全センサを検知して、ADF10に紙詰まりが無いことを確認する(ACT201YES)。原稿Gが原稿トレイ11に載置されるとエンプティセンサ70がオンし、CPU130が本体制御部121に原稿オン信号を送信する(ACT202YES)。本体制御部121から給紙要求信号をCPU130が受信すると、CPU130が両面読取モードを設定されいているかを判定し(ACT203)、両面読取モードが設定されていると判定した場合には、CPU130は、CIS60をオンして原稿読取可能状態に設定する(ACT204)。
【0062】
CPU130は、OUTパス部16がINパス部17に装着されているため、装着センサ79からOUTパス部16がINパス部17に装着されていることを示す情報(装着センサ79オン情報)を受信し(ACT205AYES)、第2の搬送モードを実行するACT206’へ進む。ACT206’以降の搬送処理および読取処理は、上記OUTパス部16がINパス部17から脱離している状態の処理と同じであるため、説明は省略する。
【0063】
このように、第1実施形態の画像読取装置100は、CPU130が、装着センサ79からOUTパス部16がINパス部17に装着されていることを示す情報を受信できない場合、およびCPU130が、装着センサ79からOUTパス部16がINパス部17に装着されていることを示す情報を受信したが、長さ検出センサ70aが取得した原稿長さが、所定サイズより大きいとの情報である場合には、原稿載置部11aに載置された原稿を第1シート搬送路17aのみで搬送する第1の搬送モードにより、原稿トレイ11に載置された原稿について、搬送処理および読取処理を行う。
【0064】
以上のように、第1実施形態の画像読取装置100は、原稿トレイ11に載置された原稿を第1シート搬送路17aと第2シート搬送路16aに振り分けて搬送できる場合(OUTパス部16(第2シート搬送路16aを含む)が着脱機構19によりINパス部17(第1シート搬送路17aを含む)に装着されたことを示す情報を装着センサ79で取得し、かつ所定サイズ以下の情報を長さ検出センサ70aで取得した場合)のみ、第1シート搬送路17aおよび第2シート搬送路16aの両方を用いて、原稿の読取処理を行い、その他の場合は、第1シート搬送路17aのみで原稿の読取処理を行う。すなわち、第1実施形態の画像読取装置100は、画像読取装置100の装着状態(装着センサ79からOUTパス部16からINパス部17に装着されたことを示す情報をCPU130が受信するか否か)、または搬送する原稿の状態(長さ検出センサ70aが取得する情報が所定サイズ以下か否か)を考慮して、最適な搬送方法を画像読取装置100自体で自動的に選択することで、迅速に原稿読み取りを行うことができる。
【0065】
また、第1シート搬送路17aのみの原稿読み取り速度で十分な使用者の場合には、OUTパス部16をINパス部17から取り外して、原稿の読取処理を行うことができ、画像読取装置100の設置スペースをコンパクトにすることができる。逆に、大量に原稿読み取りを行う使用者の場合には、OUTパス部16を着脱機構19を介してINパス部17に装着することで、第1シート搬送路17aの画像読取速度に比べて早い速度で画像読取を行うことができる。このように、第1実施形態の画像読取装置100は、OUTパス部16をINパス部17に対して着脱自在な構成とすることで、使用者の使用状況に応じて、画像読取装置100をカスタマイズすることができる。
【0066】
第1実施形態の画像読取装置100では、原稿トレイ11に載置された原稿の搬送方向における長さが所定サイズ以下か否かを長さ検出センサ70aに基づいて検出するものとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、入出力インターフェースに使用者が原稿長さを示す情報を入力し、この入力した値が所定サイズ以下か否かにより判定しても良い。
【0067】
また、第1実施形態の画像読取装置100では、原稿の搬送方向における長さが所定サイズ以下か否かを、原稿トレイ11に原稿を載置した際に長さ検出センサ70aのON/OFFにより判定するものとして説明したが(図6のACT205Bのステップ)、特にこれに限られるものではなく、RGTセンサ71のON時間に基づいて判定しても良い(図7のACT300のステップ)。すなわち、原稿を第1シート搬送路17a内に搬送し始めて、RGTセンサ71がONとなってから所定時間経過してもRGTセンサ71がオフしない場合には、CPU130は、原稿が所定サイズよりも長いものと判定しても良い。
【0068】
これらの構成とすることで、原稿トレイ11に長さ検出センサ70aを設ける必要がないため、画像読取装置100の装置構成を簡略化することができる。
【0069】
上記第1実施形態において、INパス部17側にフラッパ40を設けた構成として説明したが、必ずしもこれに限られるわけではなく、OUTパス部16側にフラッパ40を設ける構成としても良い。この構成において、OUTパス部16を外した場合には、外したOUTパス部16の代わりに、第1シート搬送路17aにシートを搬送するガイド部(不図示)を取付ける構成とする。
【0070】
尚この発明は上記実施例に限られるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば搬送経路の形状や大きさ等は限定されない。また、原稿を読み取る画像読取部の構造も、任意であり、実施例において、装置のより小型化のために、原稿の表面を読み取るスキャナ110に変えてより小型のCIS60を用いても良い。
【符号の説明】
【0071】
10 自動原稿搬送装置(ADF)
11a 原稿載置部
11 原稿トレイ 12 ピックアップローラ 13 分離給紙ローラ 14 レジストローラ(RGTローラ) 70 エンプティセンサ 70a 長さ検出センサ(長さ情報取得部) 71 レジストセンサ(RGTセンサ) 74 超音波センサ 80 給紙モータ 81 ピックアップソレノイド 82 レジストモータ(RGTモータ)
17 INパス部
17a 第1シート搬送路 28 中間INローラ 50 読取前ローラ 73 タイミングセンサIN 79 装着センサ(装着情報取得部) 86 中間INモータ
16 OUTパス部
16a 第2シート搬送路 18 中間OUTローラ 72 タイミングセンサOUT 84 中間OUTモータ
19 着脱機構 19a 凸部被係合部材 19b 凹部係合部材
40 フラッパ(振分け部)
83 フラッパソレノイド
51a 排紙部
50c チェンジ機構 51 読取後ローラ 52 排紙前ローラ 53 排紙ローラ 56 排紙トレイ 60 コンタクトイメージセンサ(CIS) 76 読取前センサ 77 読取後センサ 78 排紙センサ 87 READモータ 88 排紙モータ 89 読取前ローラモータ
100 画像読取装置
110 スキャナ(画像読取部)
110a READ原稿ガラス 110b プラテンガラス 110c 光学機構 110d CCD
120 制御部 121 本体制御部 130 CPU
140 外装部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取り対象であるシート原稿を載置する原稿載置部と、
前記原稿載置部から所定の原稿読み取り位置まで前記シート原稿を導く第1シート搬送路と、
前記第1シート搬送路から分岐し、前記第1シート搬送路における所定の原稿読み取り位置の上流側に合流する第2シート搬送路を、前記第1シート搬送路に対して着脱可能とする着脱機構と、
前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得する装着情報取得部と、
前記原稿載置部に載置されるシート原稿のシート搬送方向における長さを示す情報を取得する長さ情報取得部と、
前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着された状態において、前記原稿載置部から搬送されるシート原稿を前記第1および第2シート搬送路の内のいずれかに振り分ける振分け部と、
前記装着情報取得部において、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得した場合に、前記長さ情報取得部にて取得される情報に基づいて、前記原稿載置部から搬送されるシート原稿の搬送先を前記第1および第2シート搬送路の内のいずれかに振り分けるように前記振分け部を制御する制御部と、
を備える自動原稿搬送装置。
【請求項2】
前記第2シート搬送路が、前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されている請求項1に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項3】
前記第1シート搬送路は、所定サイズのシート原稿における長手方向の長さよりも短い搬送経路であり、
前記第2シート搬送路は、前記所定サイズのシート原稿における長手方向の長さよりも長い搬送経路であり、
前記制御部は、前記装着情報取得部が、前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得し、かつ前記長さ情報取得部にて取得される情報が前記所定サイズ以下である場合に、前記原稿載置部に載置された原稿を前記第1シート搬送路または前記第2シート搬送路に交互に振分けるように前記振分け部を制御する請求項2に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項4】
前記所定サイズは、ショートサイズであることを特徴とする請求項2または3に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項5】
前記長さ情報取得部で取得した情報に基づいて、前記第1シート搬送路および前記第2シート搬送路を搬送される原稿を読取る画像読取部と、
前記画像読取部を通過した前記原稿を排紙する排紙部を有し、前記請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動原稿搬送装置と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
読み取り対象であるシート原稿を載置する原稿載置部と、
前記原稿載置部から所定の原稿読み取り位置まで前記シート原稿を導く第1シート搬送路と、
前記第1シート搬送路から分岐し、前記第1シート搬送路における所定の原稿読み取り位置の上流側に合流する第2シート搬送路を、前記第1シート搬送路に対して着脱可能とする着脱機構と、
前記着脱機構により、前記第1シート搬送路に装着された第2シート搬送路と、
前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着された状態において、前記原稿載置部から搬送されるシート原稿を前記第1および第2シート搬送路の内のいずれかに振り分ける振分け部と、
を有する自動原稿搬送装置に用いられる自動原稿搬送方法であって、
前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得し、
前記原稿載置部に載置されるシート原稿のシート搬送方向における長さを示す情報を取得し、
前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得した場合に、前記取得されたシート原稿のシート搬送方向における長さを示す情報に基づいて、前記原稿載置部から搬送されるシート原稿の搬送先を前記第1および第2シート搬送路の内のいずれかに振り分ける
自動原稿搬送方法。
【請求項7】
請求項6の自動原稿搬送方法であって、
前記第2シート搬送路が前記着脱機構により前記第1シート搬送路に装着されたことを示す情報を取得し、かつ前記長さ情報取得部にて取得される情報が前記所定サイズ以下である場合に、前記原稿載置部に載置された原稿を前記第1シート搬送路または前記第2シート搬送路に交互に振分ける
自動原稿搬送方法。
【請求項8】
前記所定サイズは、ショートサイズであることを特徴とする請求項6または7に記載の自動原稿搬送装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−35687(P2013−35687A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−176314(P2012−176314)
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】