自動取引システム
【課題】媒体を取り忘れた場合であっても、容易に返却することができる自動取引システムを提供する。
【解決手段】自動取引装置は、利用者から媒体を両替する指示を受け付ける操作部と、両替対象となる第1の媒体を受け入れる受入部と、両替した後の媒体である第2の媒体の取り忘れを検知するとともに、第2の媒体を出力する出力部と、取り忘れ情報と取引の状態を示す状態情報とをセンタに送信し、またはセンタから取り忘れた場合における取引に関する指示を受信する通信部と、第2の媒体を利用者が取り忘れたか否かを判定し、通信部が受信した指示に従って、出力部に第2の媒体を返却し、取引を続行させる制御部とを備え、センタは、自動取引装置から取り忘れ情報と状態情報とを受信した場合に、取り忘れた第2の媒体を返却するための処理を開始し、状態情報に基づいて取引を続行させるか否か判定し、判定した結果を含む取引に関する指示を送信する。
【解決手段】自動取引装置は、利用者から媒体を両替する指示を受け付ける操作部と、両替対象となる第1の媒体を受け入れる受入部と、両替した後の媒体である第2の媒体の取り忘れを検知するとともに、第2の媒体を出力する出力部と、取り忘れ情報と取引の状態を示す状態情報とをセンタに送信し、またはセンタから取り忘れた場合における取引に関する指示を受信する通信部と、第2の媒体を利用者が取り忘れたか否かを判定し、通信部が受信した指示に従って、出力部に第2の媒体を返却し、取引を続行させる制御部とを備え、センタは、自動取引装置から取り忘れ情報と状態情報とを受信した場合に、取り忘れた第2の媒体を返却するための処理を開始し、状態情報に基づいて取引を続行させるか否か判定し、判定した結果を含む取引に関する指示を送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣等の媒体の両替を行う自動取引装置を備えた自動取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貨幣等の媒体の両替を行う両替機等の自動取引装置において、利用者が両替した媒体を取り忘れた場合、取り忘れたその媒体を回収し、自動取引装置の内部に保管するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、現金自動取引装置の利用者が媒体を取り忘れた場合、紙幣や硬貨を入出金する各ユニットの内部に媒体回収手段を設けることによって、それぞれのユニットに残された媒体を自動的に現金自動取引装置の内部に回収し、回収した媒体を保管している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−182891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、利用者が取り忘れた媒体を自動的に回収することはできるが返却することはできない。したがって、利用者は、取り忘れた媒体を返却してもらうために、例えば、金融機関や店舗等に連絡を入れた後、再び自動取引装置が設置された金融機関や店舗等に出向く必要があった。また、その金融機関や店舗等の窓口の係員は、その利用者に媒体を返却するための接客対応を行う必要があった。従って、媒体を回収するまでの間は自動取引装置を停止させなければならず、利用者は、取引を続行できないという問題があった。
【0006】
このように、媒体が自動取引装置に残されてしなうケースとしては、他に、利用者が媒体を取り出そうとしたにもかかわらず、その操作を行うまでに時間がかかり、取引の途中でシャッタが閉じてしまった場合や、自動取引装置の障害によって、利用者が正しく取引を行っているにもかかわらず、取引の途中でシャッタが閉じてしまった場合等がある。この場合も、利用者が媒体をとり忘れた場合と同様に、利用者は取り忘れた媒体を引き取りに出向き、係員は取り忘れた媒体を返却するための接客対応を行わなければならず、利用者は、取引を続行できないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者が媒体を取り忘れた場合であっても、取引を続行して取り忘れた媒体を容易に返却することができる自動取引システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明にかかる自動取引システムは、媒体を両替する自動取引装置を備えた自動取引システムにおいて、前記自動取引装置は、利用者から前記媒体を両替する指示を受け付ける操作部と、両替対象となる第1の媒体を受け入れる受入部と、前記第1の媒体を両替した後の媒体である第2の媒体の取り忘れを検知するとともに、前記第2の媒体を出力する出力部と、前記利用者が前記第2の媒体を取り忘れた旨の取り忘れ情報と前記取引の状態を示す状態情報とを前記自動取引装置を管理するセンタに送信し、または前記センタから前記利用者が前記第2の媒体を取り忘れた場合における前記取引に関する指示を受信する通信部と、前記出力部によって出力された前記第2の媒体を前記利用者が取り忘れたか否かを判定し、前記通信部が受信した前記取引に関する指示に従って、前記出力部に前記第2の媒体を返却し、前記取引を続行させる制御部と、を備え、前記センタは、前記自動取引装置から前記取り忘れ情報と前記状態情報とを受信した場合に、前記利用者が取り忘れた前記第2の媒体を返却するための処理を開始し、受信した前記状態情報に基づいて前記取引を続行させるか否か判定し、判定した結果を含む前記取引に関する指示を送信するセンタ制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者が媒体を取り忘れた場合であっても、取引を続行して取り忘れた媒体を容易に返却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態にかかる自動取引システムの物理的な構成を示す図である。
【図2】両替機の制御ユニットおよび監視センタの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】両替機が通常各種の処理を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】取引未成立状態において貨幣を取り忘れた場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】利用者が紙幣を取り忘れた後、両替機が行う処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】取引成立状態において貨幣を取り忘れた場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】利用者が紙幣を取り忘れた後、両替機が行う処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】操作部が表示する障害が生じた旨を示す取引状態画面の例を示す図である。
【図9】操作部が表示する受取り確認画面の例を示す図である。
【図10】操作部が表示する媒体ごとに受取が可能なボタンが表示された操作画面の例を示す図である。
【図11】操作部が表示する明細票を撮像部にかざす旨を示した指示画面の例を示す図である。
【図12】利用者が両替を行った媒体を取り忘れた場合において、両替機と監視センタとの間で行われる処理のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる自動取引システムの実施の形態を詳細に説明する。以下では、自動取引装置を両替機に適用した自動取引システムを例に説明しているが、これに限られることはない。例えば、現金自動取引装置(ATM:Automated-Teller Machine)等の貨幣を取り扱うもの、遊技機に用いられるコインを取り扱うもの、あるいは公共機関で証明書を発行するものなど、利用者との間で所定の取引を行う種々の取引装置に適用可能である。
【0012】
図1は、本実施形態にかかる自動取引システム1の物理的な構成を示す図である。図1に示すように、自動取引システム1は、両替機1000と、監視センタ800と、ネットワークNと、を含んで構成されている。なお、ネットワークNは、WAN(Wide Area Network)等の一般的な通信回線網である。まず、両替機1000について説明する。
【0013】
両替機1000は、金融機関等に設置され、利用者の操作によって、ある金種の貨幣から他の金種の貨幣に取り替える等の取引(両替)を行うものである。なお、両替機1000が取り扱う貨幣のことを入金媒体、出金媒体、あるいは単に媒体などと呼ぶこととする。また、以下では、利用者が紙幣や硬貨を包装硬貨に両替する前提で説明しているが、単に紙幣を硬貨に両替する場合等にももちろん適用可能である。
【0014】
図1に示すように、両替機1000は、操作画面100と、カード・明細票入出口110と、紙幣投入口120と、包装硬貨取出口130と、硬貨投入口140と、手数料投入口150と、釣銭受取口160と、ハンドフォン170と、撮像部180と、制御ユニット200と、明細票回収部500と、包装硬貨回収部600と、紙幣回収部700と、を含んで構成されている。後述するように、これらの各部は、両替機1000内部に備えられた制御ユニット200によって、その動作が制御されている。なお、以下では説明を省略しているが、両替機1000の内部には、硬貨や紙幣を鑑別するためのユニット等が備えられ、利用者から取引を受け付けた場合には、硬貨や紙幣を鑑別しているものとする。
【0015】
操作部100は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)から構成され、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、取引に関する操作案内(ガイダンス)や、両替に関する取引を行うための各種の指示(選択)を受け付け、取引の状態を示した取引状態画面、両替対象となる貨幣の金種や数、手数料の入金指示を行う入金画面、両替が完了したことを示す出金画面等、取引に関する種々の画面を表示する。
【0016】
以下では、操作部100は、利用者からのタッチ操作を受け付け、受け付けた操作に応じて処理を行ういわゆるタッチパネル式の画面であるとして説明しているが、これに限らず押しボタン式のもの等、利用者からの指示を受け付けるものであればいずれのものでもよい。また、スピーカなどの音声装置を備えることによって、音声によって種々の案内を利用者に行うこととしてもよい。
【0017】
カード・明細票入出口110は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、利用者が両替機1000との間で取引を行う場合に使用するキャッシュカードの挿入を受け付ける。また、カード・明細票入出口110は、取引が終了した場合等に、制御ユニット200からの指示に応じて、挿入されたキャッシュカード、および利用者が両替機1000との間で取引した内容が印字された明細票を排出する。なお、カード・明細票入出口110には赤外線センサ等が備えられ、受け付けられたカードあるいは排出されたカードが残存しているか否かを検知することができるようになっている。
【0018】
硬貨投入口120は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、両替対象となる媒体が硬貨である場合、利用者からその硬貨の投入を受け入れる。具体的には、制御ユニット200からの指示に応じてシャッタのオープンやクローズを行う。なお、硬貨投入口120には、カード・明細票入出口110と同様に赤外線センサ等が備えられ、投入された硬貨が残留しているか否かを検知することができるものとする。
【0019】
包装硬貨取出口130は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、利用者が両替した後の出金媒体である包装硬貨を出金する。具体的には、制御ユニット200からの指示に応じて包装硬貨取出口130のシャッタのオープンやクローズを行う。なお、包装硬貨取出口130にはカード・明細票入出口110等と同様に赤外線センサ等が備えられ、包装硬貨が包装硬貨取出口130に出金されたことや、出金された包装硬貨が残留しているか否かを検知することができるものとする。
【0020】
紙幣入出口140は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、両替対象となる媒体が紙幣である場合、その紙幣の投入を受け入れたり、利用者から手数料として支払われる紙幣を受け入れる。また、紙幣入出口140は、利用者から手数料として支払われた紙幣に対する釣銭を出金する。具体的には、制御ユニット200からの指示に応じて、紙幣入出口120のシャッタのオープンやクローズを行う。なお、紙幣入出口140は、カード・明細票入出口110等と同様に赤外線センサ等が備えられ、投入された紙幣が残留しているか否かを検知することができるものとする。
【0021】
手数料投入口150は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、利用者が両替機1000を利用する際の手数料の投入を受け入れる。
【0022】
釣銭受取口160は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、手数料投入口150から投入された手数料に対する釣銭を出金する。
【0023】
ハンドフォン170は、例えば、利用者が監視センタ800との間で通話するための電話である。ハンドフォン170は、後述する制御ユニット200の通信部203からの指示に応じて、通信ネットワークNを介して監視センタ800に接続する。
【0024】
撮像部180は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラであり、両替機1000の前面に位置する利用者を撮像する。
【0025】
制御ユニット200は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成され、その内部には不図示のメモリが備えられている。制御ユニット200は、上述した各部を動作させ、または制御ユニット200の内部に備えられた各部の動作を制御するとともに、両替に必要な種々の演算を行う。
【0026】
図2は、両替機1000の制御ユニット200および監視センタ800の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御ユニット200は、取引出金処理部201と、取引入金処理部202と、通信部203と、主制御部204と、を含んで構成されている。
【0027】
取引出金処理部201は、操作部100が受け付けた入金取引金額にしたがって、収納庫から出金すべき包装硬貨の金額を算出する。また、取引出金処理部201は、包装硬貨取出口130に対し、算出した金額の包装硬貨を不図示の収納庫から出金させる指示をする。
【0028】
また、取引出金処理部201は、包装硬貨取出口130が残留している包装硬貨の有無、すなわち両替金が全て受け取られたか否かを判定する。そして、両替金が全て受取られたと判定した場合、手数料に対する釣銭の有無を判定し、手数料に対する釣銭があると判定した場合にはその金額を算出し、釣銭受取口160に対して、算出した金額の釣銭を出金させる指示をする。
【0029】
また、取引出金処理部201は、両替金が全て受け取られていないと判定した場合、不図示のタイマによってタイムアウトか否かを判定し、タイムアウトであると判定した場合、後述する包装硬貨回収部600に両替金を回収させる指示をする。
【0030】
取引入金処理部202は、操作部100が利用者から両替対象となる貨幣の入金指示を受け付けた場合に、硬貨入出口120が受け入れた硬貨、または紙幣投入口140が受け入れた紙幣を計数し、その金額を算出する。
【0031】
また、取引入金処理部202は、操作部100が利用者から手数料の入金指示を受け付けた場合に、手数料投入口150が受け入れた硬貨を計数し、その金額を算出する。また、取引入金処理部202は、算出した金額と操作部100が受け付けた金額とが一致するか否かを判定する。
【0032】
通信部203は、例えば、NIC(Network Interface Card)を含んで構成され、監視センタ800との通信を媒介する。具体的には、通信部203は、監視センタ800から、実行中の取引の取消指示、実行中の取引を停止させて両替機1000に障害が生じた旨を操作部100に表示させるための障害状態表示指示、または両替機1000の障害を解除して取引を続行させるための障害状態解除指示を受信する。
【0033】
また、通信部203は、監視センタ800から、両替機1000の利用者の本人確認がとれた旨の通知(確認通知)または本人確認がとれた旨の通知(未確認通知)を受信する。
【0034】
また、通信部203は、引出金処理部201が、両替金が全て受け取られていないと判定した場合、両替金が取り忘れられている旨の取り忘れ障害情報を監視センタに送信する。
【0035】
主制御部204は、制御ユニット200の各部の動作を制御するとともに、取引の状態を監視するものである。続いて、図1に戻り、明細票回収部500について説明する。
【0036】
明細票回収部500は、制御ユニット200からの指示に従って、カード・明細票入出口110が排出し、残留している明細票を不図示のボックスに回収する。
【0037】
包装硬貨回収部600は、制御ユニット200からの指示に従って、包装硬貨取出口130が出金し、残留している包装硬貨を不図示のボックスに回収する。
【0038】
紙幣回収部700は、制御ユニット200からの指示に従って、紙幣入出口140が出金し、残留している紙幣を不図示のボックスに回収する。続いて、監視センタ800について説明する。
【0039】
監視センタ800は、図2に示すように、通信部801と、センタ制御部802と、入力受付部803と、を含んで構成されている。
【0040】
通信部801は、例えば、NIC(Network Interface Card)から構成され、両替機1000との通信を媒介する。通信部801は、両替機1000から、取り忘れ障害情報を受信する。この取り忘れ障害情報を受信すると、不図示の報知装置(例えば、スピーカ)が、両替機1000に取り忘れ障害が生じた旨を監視センタ800の係員に知らせる。
【0041】
センタ制御部802は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサから構成され、後述する入力受付部803が、監視センタの係員から障害状態表示指示、または障害状態解除指示を実行する旨の入力を受け付けた場合に、これらの指示を、通信部801を介して送信する。
【0042】
また、センタ制御部802は、入力受付部803が両替機1000の利用者の本人確認を行う旨の指示を受け付けた場合に、利用者の本人確認を行い、上述した確認通知または未確認通知を、通信部801を介して送信する。なお、利用者の本人確認は、例えば、暗証番号や住所や氏名等の個人情報を用いて、あらかじめディスク等の記憶装置(不図示)記憶されている個人情報と、係員がハンディフォン170を介して利用者から聞き取った個人情報を入力した個人情報とが一致するか否かを判定することによって行う。
【0043】
入力受付部803は、例えば、キーボードやマウスであり、監視センタ800の係員から取引取消指示、障害状態表示指示、または障害状態解除指示の入力を受け付ける。
【0044】
また、入力受付部803は、監視センタ800の係員から両替機1000の利用者の本人確認を行う旨の指示を受け付ける。これらの指示は、例えば、両替機1000のハンディフォン170を介して、利用者が監視センタ800に紙幣を取り忘れた旨の通報をした場合に、監視センタ800の係員が行うものである。
【0045】
続いて、上述した両替機1000において通常行われる処理について説明する。図3は、両替機1000が通常の上述した各種の処理を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。以下では、操作部100には、両替取引を行うためのメニュー画面が表示されているものとする。取引メニュー画面には、例えば、両替、預け入れ、引き出し、振込み、ローン等を選択させるボタンが表示されている。
【0046】
図3に示すように、操作部100が利用者から取引の選択を受け付けると(ステップS301)、操作部100は、利用者から両替対象となる貨幣の金種およびその数の選択を受け付ける(ステップS302)。
【0047】
その後、紙幣入出口140または硬貨入出口120は、制御ユニット200からの指示によってシャッタをオープンして両替対象となる貨幣の投入を受け入れ(ステップS303)、さらに、制御ユニット200からの指示によって、手数料投入口150は、手数料の投入を受け入れる(ステップS304)。
【0048】
その後、取引入金処理部202は、投入された貨幣を計数してその金額を算出し、制御ユニット200からの指示によって、カード・明細票入出口110は、取引内容を印字した明細票を出力する(ステップS305)。
【0049】
そして、包装硬貨取出口130は、取引出金処理部201からの指示によって、取引入金処理部202が算出した金額の包装硬貨を出金し(ステップS306)、包装硬貨取出口130は、残留している両替金を検知し(ステップS307)、取引出金処理部201は、包装硬貨取出口130に残留している両替金の有無(すなわち、両替金が全て受け取られたか否か)を判定する(ステップS308)。
【0050】
取引出金処理部201が、両替金が全て受け取られていないと判定した場合(ステップS308;No)、タイムアウトとなっているか否かを判定し(ステップS309)、タイムアウトとなっていないと判定した場合(ステップS309;No)、ステップS308に戻って、そのまま待機する。
【0051】
一方、取引出金処理部201が、タイムアウトとなっていると判定した場合(ステップS309;Yes)、取引出金処理部201は、残留している包装硬貨を包装硬貨回収部600に回収させ(ステップS310)、処理を終了させる。
【0052】
一方、ステップS308において、取引出金処理部201が、両替金が全て受け取られたと判定した場合(ステップS308;Yes)、さらに、手数料に対する釣銭があるか否かを判定する(ステップS311)。
【0053】
そして、取引出金処理部201が、手数料に対する釣銭があると判定した場合(ステップS311;Yes)、釣銭受取口160に釣銭を出金させ(ステップS312)、処理を終了させる。
【0054】
一方、取引出金処理部201が、手数料に対する釣銭がないと判定した場合(ステップS311;No)、そのまま処理を終了させる。このように、ステップS310〜S312の処理のうちいずれかの処理が終了すると、図3に示した全ての処理が終了する。なお、上述したフローチャートでは、明細票を出力した後、両替金を出金し、さらに手数料の釣銭を出金しているが、これらの処理の順序は適宜変更可能である。
【0055】
上述したステップS301〜S305までの処理では、両替後の貨幣を出金していない状態であるため、ステップS301〜S305までの状態を取引未成立状態と呼ぶこととする。また、上述したステップS306〜S312までの処理では、既に両替後の貨幣を出金している状態であるため、ステップS306〜S312までの状態を取引成立状態と呼ぶこととする。以下では、取引未成立状態のときに媒体の取り忘れが生じた場合と、取引成立状態のときに媒体の取り忘れが生じた場合とでは、両替機1000が行う処理が異なるため、以下ではこの2つの状態で両替機1000が処理を行う場合について説明している。
【0056】
まず、両替機1000で処理が行われた場合において、利用者が、取引未成立状態のときに両替対象となる金種の貨幣を取り忘れた場合の処理について具体的に説明する。
【0057】
図4は、取引未成立状態において貨幣を取り忘れた場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下では、操作部100には、図3に示した場合と同様に、両替取引を行うためのメニュー画面が表示され、利用者が紙幣の両替を開始したものとする。
【0058】
図4に示すように、紙幣入出口140は、利用者から両替対象となる紙幣受け入れ(ステップS401)、その後、操作部100は、両替する金種および数の選択を受け付け(ステップS402)、その後、確認操作を受け付ける(ステップS403)。
【0059】
確認操作が受け付けられると、取引入金処理部202は、入金された紙幣を計数し(ステップS404)、入金された紙幣が、ステップS403で受け付けられた金種および数に一致するか否か(すなわち、両替対象となる金額と両替金が一致するか否か)を判定する(ステップS405)。
【0060】
そして、取引入金処理部202は、両替対象となる金額と両替金が一致すると判定した場合(ステップS405;Yes)、以降の取引を継続させ(ステップS406)、図3に示したステップS304に進む。
【0061】
一方、取引入金処理部202が、両替対象となる金額と両替金が一致しないと判定した場合(ステップS405;No)、取引出金処理部201は、紙幣入出口140のシャッタをオープンさせ、入金された紙幣を出金(返金)する(ステップS407)。
【0062】
その後、取引出金処理部201は、紙幣入出口140に紙幣が残留しているか否か(すなわち、全ての紙幣が返金できたか否か)を判定し(ステップS408)、全ての紙幣が返金できたと判定した場合(ステップS408;Yes)、以降の取引を継続させ(ステップS409)、ステップS401に戻り、以降の処理を行う。
【0063】
一方、取引出金処理部201は、全ての紙幣が返金できていないと判定した場合(ステップS408;No)、タイムアウトとなっているか否かを判定し(ステップS410)、タイムアウトとなっていないと判定した場合(ステップS410;No)、そのまま待機する。
【0064】
一方、取引出金処理部201が、タイムアウトとなっていると判定した場合(ステップS410;Yes)、紙幣入出口140のシャッタをクローズさせる(ステップS411)。このステップS411が終了した段階では、利用者は何らかの事情によって、投入した紙幣を取り忘れた状態となっている。
【0065】
この状態では、操作部100は、例えば、図8に示すような障害が生じた旨を示す取引状態画面を表示し、利用者は、ハンディフォン170を介して監視センタ200の係員と通話し、または媒体の取り忘れが生じた旨の取り忘れ情報を監視センタ800に送信し、その後、両替機1000が監視センタ800から受信した指示(取引取消指示、障害状態表示指示、障害状態解除指示)に従って処理を続行する。そこで、利用者が紙幣を取り忘れた後の処理について説明する。
【0066】
図5は、利用者が紙幣を取り忘れた後、両替機1000が行う処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
図5に示すように、図4のステップS411が終了すると、取引出金処理部201は、紙幣の取り忘れが発生しているか否かを判定し(ステップS501)、紙幣の取り忘れが発生していないと判定した場合(ステップS501;No)、障害状態を解除して以降の取引を継続させ(ステップS502)、図3に示すステップS304に進む。
【0068】
一方、取引出金処理部201は、紙幣の取り忘れが発生していると判定した場合(ステップS501;Yes)、さらに、利用者の本人確認がとれたか否か(通信部203が確認通知を受信したか否か)を判定する(ステップS503)。
【0069】
そして、取引出金処理部201は、利用者の本人確認がとれていないと判定した場合(ステップS503;No)、監視センタ800から送信された障害状態表示指示にしたがって、操作部100は、取引の状態を示した取引状態画面として障害状態を示す画面を表示し(ステップS504)、処理を終了する。
【0070】
一方、取引出金処理部201は、利用者の本人確認がとれたと判定した場合(ステップS503;Yes)、紙幣入出口140のシャッタをオープンさせ(ステップS505)、取り忘れた紙幣を返却する(ステップS506)。その後、取引出金処理部201は、監視センタ800から送信された取消指示にしたがって、それまで行った両替取引の処理を取り消し(ステップS506)、図4に示すステップS401に戻り、以降の処理を行う。
【0071】
続いて、両替機1000で処理が行われた場合において、利用者が、取引成立状態のときに両替対象となる金種の貨幣を取り忘れた場合の処理について具体的に説明する。
【0072】
図6は、取引成立状態において貨幣を取り忘れた場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下では、操作部100には、図3及び図4に示した場合と同様に、両替取引を行うためのメニュー画面が表示され、利用者が紙幣の両替を開始したものとする。
【0073】
図6に示すように、紙幣入出口140は、利用者から両替対象となる紙幣受け入れ(ステップS601)、その後、操作部100は、両替する金種および数の選択を受け付け(ステップS602)、その後、確認操作を受け付ける(ステップS603)。
【0074】
確認操作が受け付けられると、取引入金処理部202は、入金された紙幣を計数する(ステップS604)。
【0075】
以降、取引入金処理部202は、図4に示した場合と同様に、両替対象となる金額と両替金が一致するか否かを判定するが、ここでは、一致しているものとして以降の処理を説明する。
【0076】
そして、取引入金処理部202は、手数料投入口150に手数料の入金を受け入れさせ(ステップS605)、取引出金処理部201は、カード・明細票入出口110に、取引内容を印字した明細票を排出させる(ステップS606)。
【0077】
その後、取引出金処理部201は、取引出金処理部201は、紙幣入出口140のシャッタをオープンさせ、入金された紙幣を出金(返金)する(ステップS607)。
【0078】
そして、取引出金処理部201は、紙幣入出口140に紙幣が残留しているか否か(すなわち、全ての紙幣が返金できたか否か)を判定し(ステップS608)、全ての紙幣が返金できたと判定した場合(ステップS608;Yes)、以降の取引を継続させ(ステップS609)、図3に示したステップS311に進む。
【0079】
一方、取引出金処理部201は、全ての紙幣が返金できていないと判定した場合(ステップS608;No)、タイムアウトとなっているか否かを判定し(ステップS610)、タイムアウトとなっていないと判定した場合(ステップS610;No)、そのまま待機する。
【0080】
一方、取引出金処理部201が、タイムアウトとなっていると判定した場合(ステップS610;Yes)、紙幣入出口140のシャッタをクローズさせる(ステップS611)。このステップS611が終了した段階では、図4に示した場合と同様に、利用者は何らかの事情によって、投入した紙幣を取り忘れた状態となっている。そこで、紙幣を取り忘れた後の処理について説明する。
【0081】
図7は、利用者が紙幣を取り忘れた後、両替機1000が行う処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0082】
図7に示すように、図6のステップS611が終了すると、取引出金処理部201は、紙幣の取り忘れが発生しているか否かを判定し(ステップS701)、紙幣の取り忘れが発生していないと判定した場合(ステップS701;No)、図3に示すステップS311に進む。
【0083】
一方、取引出金処理部201は、紙幣の取り忘れが発生したと判定した場合(ステップS701;Yes)、さらに、利用者の本人確認がとれたか否か(例えば、通信部203が本人確認通知を受信したか否か)を判定する(ステップS702)。
【0084】
そして、取引出金処理部201は、利用者の本人確認がとれていないと判定した場合(ステップS702;No)、監視センタ800から送信された障害状態表示指示にしたがって、操作部100は、取引の状態を示した取引状態画面として障害状態を示す画面を表示し(ステップS703)、処理を終了する。
【0085】
一方、取引出金処理部201は、利用者の本人確認がとれたと判定した場合(ステップS702;Yes)、紙幣入出口140のシャッタをオープンさせ(ステップS704)、両替された金種の紙幣(取り忘れた紙幣)を出金する(ステップS705)。そして、両替された金種の紙幣が、利用者によって取り忘れなく出金されるまでステップS701〜S705の処理を繰り返す。
【0086】
なお、上述したフローチャートにおいては、特に示していないが、例えば、図7に示したステップS702において利用者の本人確認がとれた場合に、操作部100が図9に示した受取り確認画面を表示させることとしてもよい。さらに、利用者が取り忘れた複数の媒体(例えば、出金媒体のほかに明細票や釣銭など)がある場合には、操作部100が、図10に示したような媒体ごとに受取が可能なボタン(B)が表示された操作画面を表示させ、利用者からのボタン(B)の押下を受け付けることによって、取り忘れた媒体、およびその後利用者が受取るべき媒体を、利用者自身に確認させることも可能である。
【0087】
例えば、利用者が、両替後に複数の包装硬貨のうち一部の包装硬貨を受取ったものの、何らかの事情でタイムアウトとなってシャッタが閉じてしまった場合、監視センタ800からの指示によって、残りの一部の包装硬貨を出金した後、その後、利用者が受取るべき明細票を排出させるように、利用者からのボタン(明細票ボタン)の押下を受け付けることとしてもよい。
【0088】
この場合、監視センタ800からの指示としては、ハンドフォン170と介して係員が利用者に対して行う場合のほか、例えば、監視センタ800のセンタ制御部802が、両替機1000の処理の実行状態を示す情報を通信部801を介して取得し、取得した実行状態を示す情報にしたがって、未だ出金や排出されていない媒体等を判別し、その判別結果を障害状態解除指示とともに両替機1000に送信し、両替機1000では、その判別結果を参照して、順次出金または排出することとしてもよい。
【0089】
その際、操作部100に表示されている出金または排出すべき媒体のボタンを表示し、点滅させる等して、利用者が取り忘れた媒体、およびその後利用者が受取るべき媒体を受取る場合に、そのボタンを押下させることによって、媒体の受け取りを確認させることが可能である。このとき、操作部100は、利用者によって上述したボタンが押下された場合には、押下されたボタンの表示を消去することによって、受取るべき媒体が複数ある場合に、残りの受取るべき媒体を利用者に確認させ、受け取り漏れを防ぐこととしてもよい。
【0090】
なお、利用者が取り忘れた媒体、およびその後利用者が受取るべき媒体を出金または排出する順序については、一括して行うこととしてもよい。さらに、センタ制御部802が、既に出金された媒体を出金または排出し、その後、未だ出金されていない媒体が複数ある場合には、既に出金された媒体とは分けて、それらをまとめて一括して出金または排出することとしても良い。
【0091】
さらに、上述したフローチャートにおいては、個人情報を用いて本人確認を行っているが、例えば、操作部100が図11に示したような明細票を撮像部180にかざす旨を示した指示画面を表示させ、撮像部180が明細票を撮像した画像を監視センタ800に通信部203を介して送信し、監視センタ800が、受信したその画像を係員が確認またはあらかじめディスク等(不図示)に記憶された画像と一致するか否かを判定することによって、本人確認を行うこととしてもよい。
【0092】
図12は、利用者が両替を行った媒体を取り忘れた場合において、両替機1000と監視センタ800との間で行われる処理のタイミングチャートである。
【0093】
図12に示すように、両替機1000の取引出金処理部201が媒体の取り忘れが生じたと判定すると(ステップS1201)、通信部203は取り忘れ障害情報を監視センタ800に送信し、監視センタ800の通信部801は、その情報を受信する(ステップS1202)。その後、不図示の報知装置(例えば、スピーカ)が、両替機1000に取り忘れ障害が生じた旨を監視センタ800の係員に知らせることとなる。
【0094】
そして、両替機1000は、一時両替取引の取扱を中止し(ステップS1202)、付ハンドフォン170によって使用者は監視センタ800の係員と通話し(ステップS1205)、監視センタ800の係員は、利用者との通話を受け付ける(ステップS1206)。
【0095】
監視センタ800の係員は、その後、利用者の本人確認を行って、本人確認がとれた場合(ステップS1208;Yes)、さらに、取引が完了しているか否かを確認し(ステップS1209)、取引が完了していない場合には(ステップS1209;Yes)、入力受付部803が取消指示を受け付け(ステップS1210)、センタ制御部802は通信部801を介して取消指示を両替機1000に送信する(ステップS1211)。
【0096】
一方、取引が完了している場合には(ステップS1209;No)、入力受付部803が障害状態解除指示を受け付け(ステップS1212)、センタ制御部802は通信部801を介して障害状態解除指示を両替機1000に送信する(ステップS1213)。
【0097】
また、ステップS1209において、利用者の本人確認がとれない場合(ステップS1209;No)、入力受付部803が障害状態表示指示を受け付け(ステップS1214)、センタ制御部802は通信部801を介して障害状態表示指示を両替機1000に送信する(ステップS1215)。
【0098】
そして、ステップS1211によって取消指示を受信した場合、またはS1213によって障害状態解除指示を受信した場合、両替機1000は、その後の処理を続行する(ステップS1216)。
【0099】
なお、図12に示した例では、利用者はハンディフォン170を使用して監視センタ800の係員と通話しているが、利用者が通話することなく、両替機1000が、取り忘れを検知した場合に媒体の取り忘れが生じた旨の取り忘れ情報を自動的に送信し、監視センタ800のセンタ制御部802が、受信した情報に従って、本人確認することとしてもよい。
【0100】
また、図12に示したタイミングチャートの例では、従来は、ステップS1206において監視センタがハンドフォン170で利用者と通話し、その後係員を手配して現地に出向かせることが必要であったが(符号Pの手続き)、本実施の形態においては、このような手続きが不要となる。
【0101】
このように、媒体を両替する両替機1000を備えた自動取引システム1において、両替機1000は、操作部100が、利用者から媒体を両替する指示を受け付け、受入部(硬貨投入口120、紙幣入出口140)が、両替対象となる媒体を受け入れ、出力部(カード・明細票入出口110、包装硬貨取出口130)が、媒体を両替した後の媒体の取り忘れを検知するとともに、その媒体を出力し、通信部203が、利用者がその媒体を取り忘れた旨の取り忘れ情報と取引の状態を示す状態情報とを両替機1000を管理する監視センタ800に送信し、または監視センタ800から利用者がその媒体を取り忘れた場合における取引に関する指示を受信し、制御部(取引出金処理部201)が、出力部によって出力された媒体を利用者が取り忘れたか否かを判定し、通信部203が受信した取引に関する指示に従って、出力部にその媒体を返却し、取引を続行させ、監視センタ800は、センタ制御部802が、両替機1000から取り忘れ情報と状態情報とを受信した場合に、利用者が取り忘れたその媒体を返却するための処理を開始し、受信した状態情報に基づいて取引を続行させるか否か判定し、判定した結果を含む取引に関する指示を送信するので、利用者が媒体を取り忘れた場合であっても、取引を続行して取り忘れた媒体を容易に返却することができる。
【0102】
例えば、利用者は、両替機1000を取り扱う銀行等の窓口に取り忘れた媒体を受け取りに行ったり、その窓口に連絡し、再び両替機1000が設置された支店等に出向くことなく、取り忘れた媒体を受取ることができる。従って、利用者が媒体を取り忘れたことによって両替機1000を長時間停止させることなく運用することができる。
【0103】
また、利用者が媒体を取り忘れた場合であっても、本人確認を行った後、利用者に取り忘れた媒体を返却したり、あるいは利用者が媒体を取り忘れる前の取引の状態に戻るなど、実行中の取引を継続させつつ、利用者は取り忘れた媒体を受取ることができる。さらに、係員が両替機1000に出向く必要もなくなるので、その際の費用を削減することができる。
【0104】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0105】
1:自動取引システム1、1000:両替機、800:監視センタ、N:ネットワーク、100:操作画面、110:カード・明細票入出口、120:紙幣投入口、130:包装硬貨取出口、140:硬貨投入口、150:手数料投入口、160:釣銭受取口、170:ハンドフォン、180:撮像部、200:制御ユニット、201:取引出金処理部、202:取引入金処理部、203:通信部、204:主制御部、500:明細票回収部、600:包装硬貨回収部、700:紙幣回収部、801:通信部、802:センタ制御部、803:入力受付部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣等の媒体の両替を行う自動取引装置を備えた自動取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貨幣等の媒体の両替を行う両替機等の自動取引装置において、利用者が両替した媒体を取り忘れた場合、取り忘れたその媒体を回収し、自動取引装置の内部に保管するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、現金自動取引装置の利用者が媒体を取り忘れた場合、紙幣や硬貨を入出金する各ユニットの内部に媒体回収手段を設けることによって、それぞれのユニットに残された媒体を自動的に現金自動取引装置の内部に回収し、回収した媒体を保管している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−182891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、利用者が取り忘れた媒体を自動的に回収することはできるが返却することはできない。したがって、利用者は、取り忘れた媒体を返却してもらうために、例えば、金融機関や店舗等に連絡を入れた後、再び自動取引装置が設置された金融機関や店舗等に出向く必要があった。また、その金融機関や店舗等の窓口の係員は、その利用者に媒体を返却するための接客対応を行う必要があった。従って、媒体を回収するまでの間は自動取引装置を停止させなければならず、利用者は、取引を続行できないという問題があった。
【0006】
このように、媒体が自動取引装置に残されてしなうケースとしては、他に、利用者が媒体を取り出そうとしたにもかかわらず、その操作を行うまでに時間がかかり、取引の途中でシャッタが閉じてしまった場合や、自動取引装置の障害によって、利用者が正しく取引を行っているにもかかわらず、取引の途中でシャッタが閉じてしまった場合等がある。この場合も、利用者が媒体をとり忘れた場合と同様に、利用者は取り忘れた媒体を引き取りに出向き、係員は取り忘れた媒体を返却するための接客対応を行わなければならず、利用者は、取引を続行できないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者が媒体を取り忘れた場合であっても、取引を続行して取り忘れた媒体を容易に返却することができる自動取引システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明にかかる自動取引システムは、媒体を両替する自動取引装置を備えた自動取引システムにおいて、前記自動取引装置は、利用者から前記媒体を両替する指示を受け付ける操作部と、両替対象となる第1の媒体を受け入れる受入部と、前記第1の媒体を両替した後の媒体である第2の媒体の取り忘れを検知するとともに、前記第2の媒体を出力する出力部と、前記利用者が前記第2の媒体を取り忘れた旨の取り忘れ情報と前記取引の状態を示す状態情報とを前記自動取引装置を管理するセンタに送信し、または前記センタから前記利用者が前記第2の媒体を取り忘れた場合における前記取引に関する指示を受信する通信部と、前記出力部によって出力された前記第2の媒体を前記利用者が取り忘れたか否かを判定し、前記通信部が受信した前記取引に関する指示に従って、前記出力部に前記第2の媒体を返却し、前記取引を続行させる制御部と、を備え、前記センタは、前記自動取引装置から前記取り忘れ情報と前記状態情報とを受信した場合に、前記利用者が取り忘れた前記第2の媒体を返却するための処理を開始し、受信した前記状態情報に基づいて前記取引を続行させるか否か判定し、判定した結果を含む前記取引に関する指示を送信するセンタ制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者が媒体を取り忘れた場合であっても、取引を続行して取り忘れた媒体を容易に返却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態にかかる自動取引システムの物理的な構成を示す図である。
【図2】両替機の制御ユニットおよび監視センタの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】両替機が通常各種の処理を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】取引未成立状態において貨幣を取り忘れた場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】利用者が紙幣を取り忘れた後、両替機が行う処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】取引成立状態において貨幣を取り忘れた場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】利用者が紙幣を取り忘れた後、両替機が行う処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】操作部が表示する障害が生じた旨を示す取引状態画面の例を示す図である。
【図9】操作部が表示する受取り確認画面の例を示す図である。
【図10】操作部が表示する媒体ごとに受取が可能なボタンが表示された操作画面の例を示す図である。
【図11】操作部が表示する明細票を撮像部にかざす旨を示した指示画面の例を示す図である。
【図12】利用者が両替を行った媒体を取り忘れた場合において、両替機と監視センタとの間で行われる処理のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる自動取引システムの実施の形態を詳細に説明する。以下では、自動取引装置を両替機に適用した自動取引システムを例に説明しているが、これに限られることはない。例えば、現金自動取引装置(ATM:Automated-Teller Machine)等の貨幣を取り扱うもの、遊技機に用いられるコインを取り扱うもの、あるいは公共機関で証明書を発行するものなど、利用者との間で所定の取引を行う種々の取引装置に適用可能である。
【0012】
図1は、本実施形態にかかる自動取引システム1の物理的な構成を示す図である。図1に示すように、自動取引システム1は、両替機1000と、監視センタ800と、ネットワークNと、を含んで構成されている。なお、ネットワークNは、WAN(Wide Area Network)等の一般的な通信回線網である。まず、両替機1000について説明する。
【0013】
両替機1000は、金融機関等に設置され、利用者の操作によって、ある金種の貨幣から他の金種の貨幣に取り替える等の取引(両替)を行うものである。なお、両替機1000が取り扱う貨幣のことを入金媒体、出金媒体、あるいは単に媒体などと呼ぶこととする。また、以下では、利用者が紙幣や硬貨を包装硬貨に両替する前提で説明しているが、単に紙幣を硬貨に両替する場合等にももちろん適用可能である。
【0014】
図1に示すように、両替機1000は、操作画面100と、カード・明細票入出口110と、紙幣投入口120と、包装硬貨取出口130と、硬貨投入口140と、手数料投入口150と、釣銭受取口160と、ハンドフォン170と、撮像部180と、制御ユニット200と、明細票回収部500と、包装硬貨回収部600と、紙幣回収部700と、を含んで構成されている。後述するように、これらの各部は、両替機1000内部に備えられた制御ユニット200によって、その動作が制御されている。なお、以下では説明を省略しているが、両替機1000の内部には、硬貨や紙幣を鑑別するためのユニット等が備えられ、利用者から取引を受け付けた場合には、硬貨や紙幣を鑑別しているものとする。
【0015】
操作部100は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)から構成され、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、取引に関する操作案内(ガイダンス)や、両替に関する取引を行うための各種の指示(選択)を受け付け、取引の状態を示した取引状態画面、両替対象となる貨幣の金種や数、手数料の入金指示を行う入金画面、両替が完了したことを示す出金画面等、取引に関する種々の画面を表示する。
【0016】
以下では、操作部100は、利用者からのタッチ操作を受け付け、受け付けた操作に応じて処理を行ういわゆるタッチパネル式の画面であるとして説明しているが、これに限らず押しボタン式のもの等、利用者からの指示を受け付けるものであればいずれのものでもよい。また、スピーカなどの音声装置を備えることによって、音声によって種々の案内を利用者に行うこととしてもよい。
【0017】
カード・明細票入出口110は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、利用者が両替機1000との間で取引を行う場合に使用するキャッシュカードの挿入を受け付ける。また、カード・明細票入出口110は、取引が終了した場合等に、制御ユニット200からの指示に応じて、挿入されたキャッシュカード、および利用者が両替機1000との間で取引した内容が印字された明細票を排出する。なお、カード・明細票入出口110には赤外線センサ等が備えられ、受け付けられたカードあるいは排出されたカードが残存しているか否かを検知することができるようになっている。
【0018】
硬貨投入口120は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、両替対象となる媒体が硬貨である場合、利用者からその硬貨の投入を受け入れる。具体的には、制御ユニット200からの指示に応じてシャッタのオープンやクローズを行う。なお、硬貨投入口120には、カード・明細票入出口110と同様に赤外線センサ等が備えられ、投入された硬貨が残留しているか否かを検知することができるものとする。
【0019】
包装硬貨取出口130は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、利用者が両替した後の出金媒体である包装硬貨を出金する。具体的には、制御ユニット200からの指示に応じて包装硬貨取出口130のシャッタのオープンやクローズを行う。なお、包装硬貨取出口130にはカード・明細票入出口110等と同様に赤外線センサ等が備えられ、包装硬貨が包装硬貨取出口130に出金されたことや、出金された包装硬貨が残留しているか否かを検知することができるものとする。
【0020】
紙幣入出口140は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、両替対象となる媒体が紙幣である場合、その紙幣の投入を受け入れたり、利用者から手数料として支払われる紙幣を受け入れる。また、紙幣入出口140は、利用者から手数料として支払われた紙幣に対する釣銭を出金する。具体的には、制御ユニット200からの指示に応じて、紙幣入出口120のシャッタのオープンやクローズを行う。なお、紙幣入出口140は、カード・明細票入出口110等と同様に赤外線センサ等が備えられ、投入された紙幣が残留しているか否かを検知することができるものとする。
【0021】
手数料投入口150は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、利用者が両替機1000を利用する際の手数料の投入を受け入れる。
【0022】
釣銭受取口160は、後述する制御ユニット200からの指示に応じて、手数料投入口150から投入された手数料に対する釣銭を出金する。
【0023】
ハンドフォン170は、例えば、利用者が監視センタ800との間で通話するための電話である。ハンドフォン170は、後述する制御ユニット200の通信部203からの指示に応じて、通信ネットワークNを介して監視センタ800に接続する。
【0024】
撮像部180は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラであり、両替機1000の前面に位置する利用者を撮像する。
【0025】
制御ユニット200は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成され、その内部には不図示のメモリが備えられている。制御ユニット200は、上述した各部を動作させ、または制御ユニット200の内部に備えられた各部の動作を制御するとともに、両替に必要な種々の演算を行う。
【0026】
図2は、両替機1000の制御ユニット200および監視センタ800の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御ユニット200は、取引出金処理部201と、取引入金処理部202と、通信部203と、主制御部204と、を含んで構成されている。
【0027】
取引出金処理部201は、操作部100が受け付けた入金取引金額にしたがって、収納庫から出金すべき包装硬貨の金額を算出する。また、取引出金処理部201は、包装硬貨取出口130に対し、算出した金額の包装硬貨を不図示の収納庫から出金させる指示をする。
【0028】
また、取引出金処理部201は、包装硬貨取出口130が残留している包装硬貨の有無、すなわち両替金が全て受け取られたか否かを判定する。そして、両替金が全て受取られたと判定した場合、手数料に対する釣銭の有無を判定し、手数料に対する釣銭があると判定した場合にはその金額を算出し、釣銭受取口160に対して、算出した金額の釣銭を出金させる指示をする。
【0029】
また、取引出金処理部201は、両替金が全て受け取られていないと判定した場合、不図示のタイマによってタイムアウトか否かを判定し、タイムアウトであると判定した場合、後述する包装硬貨回収部600に両替金を回収させる指示をする。
【0030】
取引入金処理部202は、操作部100が利用者から両替対象となる貨幣の入金指示を受け付けた場合に、硬貨入出口120が受け入れた硬貨、または紙幣投入口140が受け入れた紙幣を計数し、その金額を算出する。
【0031】
また、取引入金処理部202は、操作部100が利用者から手数料の入金指示を受け付けた場合に、手数料投入口150が受け入れた硬貨を計数し、その金額を算出する。また、取引入金処理部202は、算出した金額と操作部100が受け付けた金額とが一致するか否かを判定する。
【0032】
通信部203は、例えば、NIC(Network Interface Card)を含んで構成され、監視センタ800との通信を媒介する。具体的には、通信部203は、監視センタ800から、実行中の取引の取消指示、実行中の取引を停止させて両替機1000に障害が生じた旨を操作部100に表示させるための障害状態表示指示、または両替機1000の障害を解除して取引を続行させるための障害状態解除指示を受信する。
【0033】
また、通信部203は、監視センタ800から、両替機1000の利用者の本人確認がとれた旨の通知(確認通知)または本人確認がとれた旨の通知(未確認通知)を受信する。
【0034】
また、通信部203は、引出金処理部201が、両替金が全て受け取られていないと判定した場合、両替金が取り忘れられている旨の取り忘れ障害情報を監視センタに送信する。
【0035】
主制御部204は、制御ユニット200の各部の動作を制御するとともに、取引の状態を監視するものである。続いて、図1に戻り、明細票回収部500について説明する。
【0036】
明細票回収部500は、制御ユニット200からの指示に従って、カード・明細票入出口110が排出し、残留している明細票を不図示のボックスに回収する。
【0037】
包装硬貨回収部600は、制御ユニット200からの指示に従って、包装硬貨取出口130が出金し、残留している包装硬貨を不図示のボックスに回収する。
【0038】
紙幣回収部700は、制御ユニット200からの指示に従って、紙幣入出口140が出金し、残留している紙幣を不図示のボックスに回収する。続いて、監視センタ800について説明する。
【0039】
監視センタ800は、図2に示すように、通信部801と、センタ制御部802と、入力受付部803と、を含んで構成されている。
【0040】
通信部801は、例えば、NIC(Network Interface Card)から構成され、両替機1000との通信を媒介する。通信部801は、両替機1000から、取り忘れ障害情報を受信する。この取り忘れ障害情報を受信すると、不図示の報知装置(例えば、スピーカ)が、両替機1000に取り忘れ障害が生じた旨を監視センタ800の係員に知らせる。
【0041】
センタ制御部802は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサから構成され、後述する入力受付部803が、監視センタの係員から障害状態表示指示、または障害状態解除指示を実行する旨の入力を受け付けた場合に、これらの指示を、通信部801を介して送信する。
【0042】
また、センタ制御部802は、入力受付部803が両替機1000の利用者の本人確認を行う旨の指示を受け付けた場合に、利用者の本人確認を行い、上述した確認通知または未確認通知を、通信部801を介して送信する。なお、利用者の本人確認は、例えば、暗証番号や住所や氏名等の個人情報を用いて、あらかじめディスク等の記憶装置(不図示)記憶されている個人情報と、係員がハンディフォン170を介して利用者から聞き取った個人情報を入力した個人情報とが一致するか否かを判定することによって行う。
【0043】
入力受付部803は、例えば、キーボードやマウスであり、監視センタ800の係員から取引取消指示、障害状態表示指示、または障害状態解除指示の入力を受け付ける。
【0044】
また、入力受付部803は、監視センタ800の係員から両替機1000の利用者の本人確認を行う旨の指示を受け付ける。これらの指示は、例えば、両替機1000のハンディフォン170を介して、利用者が監視センタ800に紙幣を取り忘れた旨の通報をした場合に、監視センタ800の係員が行うものである。
【0045】
続いて、上述した両替機1000において通常行われる処理について説明する。図3は、両替機1000が通常の上述した各種の処理を行う場合の処理手順を示すフローチャートである。以下では、操作部100には、両替取引を行うためのメニュー画面が表示されているものとする。取引メニュー画面には、例えば、両替、預け入れ、引き出し、振込み、ローン等を選択させるボタンが表示されている。
【0046】
図3に示すように、操作部100が利用者から取引の選択を受け付けると(ステップS301)、操作部100は、利用者から両替対象となる貨幣の金種およびその数の選択を受け付ける(ステップS302)。
【0047】
その後、紙幣入出口140または硬貨入出口120は、制御ユニット200からの指示によってシャッタをオープンして両替対象となる貨幣の投入を受け入れ(ステップS303)、さらに、制御ユニット200からの指示によって、手数料投入口150は、手数料の投入を受け入れる(ステップS304)。
【0048】
その後、取引入金処理部202は、投入された貨幣を計数してその金額を算出し、制御ユニット200からの指示によって、カード・明細票入出口110は、取引内容を印字した明細票を出力する(ステップS305)。
【0049】
そして、包装硬貨取出口130は、取引出金処理部201からの指示によって、取引入金処理部202が算出した金額の包装硬貨を出金し(ステップS306)、包装硬貨取出口130は、残留している両替金を検知し(ステップS307)、取引出金処理部201は、包装硬貨取出口130に残留している両替金の有無(すなわち、両替金が全て受け取られたか否か)を判定する(ステップS308)。
【0050】
取引出金処理部201が、両替金が全て受け取られていないと判定した場合(ステップS308;No)、タイムアウトとなっているか否かを判定し(ステップS309)、タイムアウトとなっていないと判定した場合(ステップS309;No)、ステップS308に戻って、そのまま待機する。
【0051】
一方、取引出金処理部201が、タイムアウトとなっていると判定した場合(ステップS309;Yes)、取引出金処理部201は、残留している包装硬貨を包装硬貨回収部600に回収させ(ステップS310)、処理を終了させる。
【0052】
一方、ステップS308において、取引出金処理部201が、両替金が全て受け取られたと判定した場合(ステップS308;Yes)、さらに、手数料に対する釣銭があるか否かを判定する(ステップS311)。
【0053】
そして、取引出金処理部201が、手数料に対する釣銭があると判定した場合(ステップS311;Yes)、釣銭受取口160に釣銭を出金させ(ステップS312)、処理を終了させる。
【0054】
一方、取引出金処理部201が、手数料に対する釣銭がないと判定した場合(ステップS311;No)、そのまま処理を終了させる。このように、ステップS310〜S312の処理のうちいずれかの処理が終了すると、図3に示した全ての処理が終了する。なお、上述したフローチャートでは、明細票を出力した後、両替金を出金し、さらに手数料の釣銭を出金しているが、これらの処理の順序は適宜変更可能である。
【0055】
上述したステップS301〜S305までの処理では、両替後の貨幣を出金していない状態であるため、ステップS301〜S305までの状態を取引未成立状態と呼ぶこととする。また、上述したステップS306〜S312までの処理では、既に両替後の貨幣を出金している状態であるため、ステップS306〜S312までの状態を取引成立状態と呼ぶこととする。以下では、取引未成立状態のときに媒体の取り忘れが生じた場合と、取引成立状態のときに媒体の取り忘れが生じた場合とでは、両替機1000が行う処理が異なるため、以下ではこの2つの状態で両替機1000が処理を行う場合について説明している。
【0056】
まず、両替機1000で処理が行われた場合において、利用者が、取引未成立状態のときに両替対象となる金種の貨幣を取り忘れた場合の処理について具体的に説明する。
【0057】
図4は、取引未成立状態において貨幣を取り忘れた場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下では、操作部100には、図3に示した場合と同様に、両替取引を行うためのメニュー画面が表示され、利用者が紙幣の両替を開始したものとする。
【0058】
図4に示すように、紙幣入出口140は、利用者から両替対象となる紙幣受け入れ(ステップS401)、その後、操作部100は、両替する金種および数の選択を受け付け(ステップS402)、その後、確認操作を受け付ける(ステップS403)。
【0059】
確認操作が受け付けられると、取引入金処理部202は、入金された紙幣を計数し(ステップS404)、入金された紙幣が、ステップS403で受け付けられた金種および数に一致するか否か(すなわち、両替対象となる金額と両替金が一致するか否か)を判定する(ステップS405)。
【0060】
そして、取引入金処理部202は、両替対象となる金額と両替金が一致すると判定した場合(ステップS405;Yes)、以降の取引を継続させ(ステップS406)、図3に示したステップS304に進む。
【0061】
一方、取引入金処理部202が、両替対象となる金額と両替金が一致しないと判定した場合(ステップS405;No)、取引出金処理部201は、紙幣入出口140のシャッタをオープンさせ、入金された紙幣を出金(返金)する(ステップS407)。
【0062】
その後、取引出金処理部201は、紙幣入出口140に紙幣が残留しているか否か(すなわち、全ての紙幣が返金できたか否か)を判定し(ステップS408)、全ての紙幣が返金できたと判定した場合(ステップS408;Yes)、以降の取引を継続させ(ステップS409)、ステップS401に戻り、以降の処理を行う。
【0063】
一方、取引出金処理部201は、全ての紙幣が返金できていないと判定した場合(ステップS408;No)、タイムアウトとなっているか否かを判定し(ステップS410)、タイムアウトとなっていないと判定した場合(ステップS410;No)、そのまま待機する。
【0064】
一方、取引出金処理部201が、タイムアウトとなっていると判定した場合(ステップS410;Yes)、紙幣入出口140のシャッタをクローズさせる(ステップS411)。このステップS411が終了した段階では、利用者は何らかの事情によって、投入した紙幣を取り忘れた状態となっている。
【0065】
この状態では、操作部100は、例えば、図8に示すような障害が生じた旨を示す取引状態画面を表示し、利用者は、ハンディフォン170を介して監視センタ200の係員と通話し、または媒体の取り忘れが生じた旨の取り忘れ情報を監視センタ800に送信し、その後、両替機1000が監視センタ800から受信した指示(取引取消指示、障害状態表示指示、障害状態解除指示)に従って処理を続行する。そこで、利用者が紙幣を取り忘れた後の処理について説明する。
【0066】
図5は、利用者が紙幣を取り忘れた後、両替機1000が行う処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
図5に示すように、図4のステップS411が終了すると、取引出金処理部201は、紙幣の取り忘れが発生しているか否かを判定し(ステップS501)、紙幣の取り忘れが発生していないと判定した場合(ステップS501;No)、障害状態を解除して以降の取引を継続させ(ステップS502)、図3に示すステップS304に進む。
【0068】
一方、取引出金処理部201は、紙幣の取り忘れが発生していると判定した場合(ステップS501;Yes)、さらに、利用者の本人確認がとれたか否か(通信部203が確認通知を受信したか否か)を判定する(ステップS503)。
【0069】
そして、取引出金処理部201は、利用者の本人確認がとれていないと判定した場合(ステップS503;No)、監視センタ800から送信された障害状態表示指示にしたがって、操作部100は、取引の状態を示した取引状態画面として障害状態を示す画面を表示し(ステップS504)、処理を終了する。
【0070】
一方、取引出金処理部201は、利用者の本人確認がとれたと判定した場合(ステップS503;Yes)、紙幣入出口140のシャッタをオープンさせ(ステップS505)、取り忘れた紙幣を返却する(ステップS506)。その後、取引出金処理部201は、監視センタ800から送信された取消指示にしたがって、それまで行った両替取引の処理を取り消し(ステップS506)、図4に示すステップS401に戻り、以降の処理を行う。
【0071】
続いて、両替機1000で処理が行われた場合において、利用者が、取引成立状態のときに両替対象となる金種の貨幣を取り忘れた場合の処理について具体的に説明する。
【0072】
図6は、取引成立状態において貨幣を取り忘れた場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下では、操作部100には、図3及び図4に示した場合と同様に、両替取引を行うためのメニュー画面が表示され、利用者が紙幣の両替を開始したものとする。
【0073】
図6に示すように、紙幣入出口140は、利用者から両替対象となる紙幣受け入れ(ステップS601)、その後、操作部100は、両替する金種および数の選択を受け付け(ステップS602)、その後、確認操作を受け付ける(ステップS603)。
【0074】
確認操作が受け付けられると、取引入金処理部202は、入金された紙幣を計数する(ステップS604)。
【0075】
以降、取引入金処理部202は、図4に示した場合と同様に、両替対象となる金額と両替金が一致するか否かを判定するが、ここでは、一致しているものとして以降の処理を説明する。
【0076】
そして、取引入金処理部202は、手数料投入口150に手数料の入金を受け入れさせ(ステップS605)、取引出金処理部201は、カード・明細票入出口110に、取引内容を印字した明細票を排出させる(ステップS606)。
【0077】
その後、取引出金処理部201は、取引出金処理部201は、紙幣入出口140のシャッタをオープンさせ、入金された紙幣を出金(返金)する(ステップS607)。
【0078】
そして、取引出金処理部201は、紙幣入出口140に紙幣が残留しているか否か(すなわち、全ての紙幣が返金できたか否か)を判定し(ステップS608)、全ての紙幣が返金できたと判定した場合(ステップS608;Yes)、以降の取引を継続させ(ステップS609)、図3に示したステップS311に進む。
【0079】
一方、取引出金処理部201は、全ての紙幣が返金できていないと判定した場合(ステップS608;No)、タイムアウトとなっているか否かを判定し(ステップS610)、タイムアウトとなっていないと判定した場合(ステップS610;No)、そのまま待機する。
【0080】
一方、取引出金処理部201が、タイムアウトとなっていると判定した場合(ステップS610;Yes)、紙幣入出口140のシャッタをクローズさせる(ステップS611)。このステップS611が終了した段階では、図4に示した場合と同様に、利用者は何らかの事情によって、投入した紙幣を取り忘れた状態となっている。そこで、紙幣を取り忘れた後の処理について説明する。
【0081】
図7は、利用者が紙幣を取り忘れた後、両替機1000が行う処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0082】
図7に示すように、図6のステップS611が終了すると、取引出金処理部201は、紙幣の取り忘れが発生しているか否かを判定し(ステップS701)、紙幣の取り忘れが発生していないと判定した場合(ステップS701;No)、図3に示すステップS311に進む。
【0083】
一方、取引出金処理部201は、紙幣の取り忘れが発生したと判定した場合(ステップS701;Yes)、さらに、利用者の本人確認がとれたか否か(例えば、通信部203が本人確認通知を受信したか否か)を判定する(ステップS702)。
【0084】
そして、取引出金処理部201は、利用者の本人確認がとれていないと判定した場合(ステップS702;No)、監視センタ800から送信された障害状態表示指示にしたがって、操作部100は、取引の状態を示した取引状態画面として障害状態を示す画面を表示し(ステップS703)、処理を終了する。
【0085】
一方、取引出金処理部201は、利用者の本人確認がとれたと判定した場合(ステップS702;Yes)、紙幣入出口140のシャッタをオープンさせ(ステップS704)、両替された金種の紙幣(取り忘れた紙幣)を出金する(ステップS705)。そして、両替された金種の紙幣が、利用者によって取り忘れなく出金されるまでステップS701〜S705の処理を繰り返す。
【0086】
なお、上述したフローチャートにおいては、特に示していないが、例えば、図7に示したステップS702において利用者の本人確認がとれた場合に、操作部100が図9に示した受取り確認画面を表示させることとしてもよい。さらに、利用者が取り忘れた複数の媒体(例えば、出金媒体のほかに明細票や釣銭など)がある場合には、操作部100が、図10に示したような媒体ごとに受取が可能なボタン(B)が表示された操作画面を表示させ、利用者からのボタン(B)の押下を受け付けることによって、取り忘れた媒体、およびその後利用者が受取るべき媒体を、利用者自身に確認させることも可能である。
【0087】
例えば、利用者が、両替後に複数の包装硬貨のうち一部の包装硬貨を受取ったものの、何らかの事情でタイムアウトとなってシャッタが閉じてしまった場合、監視センタ800からの指示によって、残りの一部の包装硬貨を出金した後、その後、利用者が受取るべき明細票を排出させるように、利用者からのボタン(明細票ボタン)の押下を受け付けることとしてもよい。
【0088】
この場合、監視センタ800からの指示としては、ハンドフォン170と介して係員が利用者に対して行う場合のほか、例えば、監視センタ800のセンタ制御部802が、両替機1000の処理の実行状態を示す情報を通信部801を介して取得し、取得した実行状態を示す情報にしたがって、未だ出金や排出されていない媒体等を判別し、その判別結果を障害状態解除指示とともに両替機1000に送信し、両替機1000では、その判別結果を参照して、順次出金または排出することとしてもよい。
【0089】
その際、操作部100に表示されている出金または排出すべき媒体のボタンを表示し、点滅させる等して、利用者が取り忘れた媒体、およびその後利用者が受取るべき媒体を受取る場合に、そのボタンを押下させることによって、媒体の受け取りを確認させることが可能である。このとき、操作部100は、利用者によって上述したボタンが押下された場合には、押下されたボタンの表示を消去することによって、受取るべき媒体が複数ある場合に、残りの受取るべき媒体を利用者に確認させ、受け取り漏れを防ぐこととしてもよい。
【0090】
なお、利用者が取り忘れた媒体、およびその後利用者が受取るべき媒体を出金または排出する順序については、一括して行うこととしてもよい。さらに、センタ制御部802が、既に出金された媒体を出金または排出し、その後、未だ出金されていない媒体が複数ある場合には、既に出金された媒体とは分けて、それらをまとめて一括して出金または排出することとしても良い。
【0091】
さらに、上述したフローチャートにおいては、個人情報を用いて本人確認を行っているが、例えば、操作部100が図11に示したような明細票を撮像部180にかざす旨を示した指示画面を表示させ、撮像部180が明細票を撮像した画像を監視センタ800に通信部203を介して送信し、監視センタ800が、受信したその画像を係員が確認またはあらかじめディスク等(不図示)に記憶された画像と一致するか否かを判定することによって、本人確認を行うこととしてもよい。
【0092】
図12は、利用者が両替を行った媒体を取り忘れた場合において、両替機1000と監視センタ800との間で行われる処理のタイミングチャートである。
【0093】
図12に示すように、両替機1000の取引出金処理部201が媒体の取り忘れが生じたと判定すると(ステップS1201)、通信部203は取り忘れ障害情報を監視センタ800に送信し、監視センタ800の通信部801は、その情報を受信する(ステップS1202)。その後、不図示の報知装置(例えば、スピーカ)が、両替機1000に取り忘れ障害が生じた旨を監視センタ800の係員に知らせることとなる。
【0094】
そして、両替機1000は、一時両替取引の取扱を中止し(ステップS1202)、付ハンドフォン170によって使用者は監視センタ800の係員と通話し(ステップS1205)、監視センタ800の係員は、利用者との通話を受け付ける(ステップS1206)。
【0095】
監視センタ800の係員は、その後、利用者の本人確認を行って、本人確認がとれた場合(ステップS1208;Yes)、さらに、取引が完了しているか否かを確認し(ステップS1209)、取引が完了していない場合には(ステップS1209;Yes)、入力受付部803が取消指示を受け付け(ステップS1210)、センタ制御部802は通信部801を介して取消指示を両替機1000に送信する(ステップS1211)。
【0096】
一方、取引が完了している場合には(ステップS1209;No)、入力受付部803が障害状態解除指示を受け付け(ステップS1212)、センタ制御部802は通信部801を介して障害状態解除指示を両替機1000に送信する(ステップS1213)。
【0097】
また、ステップS1209において、利用者の本人確認がとれない場合(ステップS1209;No)、入力受付部803が障害状態表示指示を受け付け(ステップS1214)、センタ制御部802は通信部801を介して障害状態表示指示を両替機1000に送信する(ステップS1215)。
【0098】
そして、ステップS1211によって取消指示を受信した場合、またはS1213によって障害状態解除指示を受信した場合、両替機1000は、その後の処理を続行する(ステップS1216)。
【0099】
なお、図12に示した例では、利用者はハンディフォン170を使用して監視センタ800の係員と通話しているが、利用者が通話することなく、両替機1000が、取り忘れを検知した場合に媒体の取り忘れが生じた旨の取り忘れ情報を自動的に送信し、監視センタ800のセンタ制御部802が、受信した情報に従って、本人確認することとしてもよい。
【0100】
また、図12に示したタイミングチャートの例では、従来は、ステップS1206において監視センタがハンドフォン170で利用者と通話し、その後係員を手配して現地に出向かせることが必要であったが(符号Pの手続き)、本実施の形態においては、このような手続きが不要となる。
【0101】
このように、媒体を両替する両替機1000を備えた自動取引システム1において、両替機1000は、操作部100が、利用者から媒体を両替する指示を受け付け、受入部(硬貨投入口120、紙幣入出口140)が、両替対象となる媒体を受け入れ、出力部(カード・明細票入出口110、包装硬貨取出口130)が、媒体を両替した後の媒体の取り忘れを検知するとともに、その媒体を出力し、通信部203が、利用者がその媒体を取り忘れた旨の取り忘れ情報と取引の状態を示す状態情報とを両替機1000を管理する監視センタ800に送信し、または監視センタ800から利用者がその媒体を取り忘れた場合における取引に関する指示を受信し、制御部(取引出金処理部201)が、出力部によって出力された媒体を利用者が取り忘れたか否かを判定し、通信部203が受信した取引に関する指示に従って、出力部にその媒体を返却し、取引を続行させ、監視センタ800は、センタ制御部802が、両替機1000から取り忘れ情報と状態情報とを受信した場合に、利用者が取り忘れたその媒体を返却するための処理を開始し、受信した状態情報に基づいて取引を続行させるか否か判定し、判定した結果を含む取引に関する指示を送信するので、利用者が媒体を取り忘れた場合であっても、取引を続行して取り忘れた媒体を容易に返却することができる。
【0102】
例えば、利用者は、両替機1000を取り扱う銀行等の窓口に取り忘れた媒体を受け取りに行ったり、その窓口に連絡し、再び両替機1000が設置された支店等に出向くことなく、取り忘れた媒体を受取ることができる。従って、利用者が媒体を取り忘れたことによって両替機1000を長時間停止させることなく運用することができる。
【0103】
また、利用者が媒体を取り忘れた場合であっても、本人確認を行った後、利用者に取り忘れた媒体を返却したり、あるいは利用者が媒体を取り忘れる前の取引の状態に戻るなど、実行中の取引を継続させつつ、利用者は取り忘れた媒体を受取ることができる。さらに、係員が両替機1000に出向く必要もなくなるので、その際の費用を削減することができる。
【0104】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0105】
1:自動取引システム1、1000:両替機、800:監視センタ、N:ネットワーク、100:操作画面、110:カード・明細票入出口、120:紙幣投入口、130:包装硬貨取出口、140:硬貨投入口、150:手数料投入口、160:釣銭受取口、170:ハンドフォン、180:撮像部、200:制御ユニット、201:取引出金処理部、202:取引入金処理部、203:通信部、204:主制御部、500:明細票回収部、600:包装硬貨回収部、700:紙幣回収部、801:通信部、802:センタ制御部、803:入力受付部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を両替する自動取引装置を備えた自動取引システムにおいて、
前記自動取引装置は、
利用者から前記媒体を両替する指示を受け付ける操作部と、
両替対象となる第1の媒体を受け入れる受入部と、
前記第1の媒体を両替した後の媒体である第2の媒体の取り忘れを検知するとともに、前記第2の媒体を出力する出力部と、
前記利用者が前記第2の媒体を取り忘れた旨の取り忘れ情報と前記取引の状態を示す状態情報とを前記自動取引装置を管理するセンタに送信し、または前記センタから前記利用者が前記第2の媒体を取り忘れた場合における前記取引に関する指示を受信する通信部と、
前記出力部によって出力された前記第2の媒体を前記利用者が取り忘れたか否かを判定し、前記通信部が受信した前記取引に関する指示に従って、前記出力部に前記第2の媒体を返却し、前記取引を続行させる制御部と、を備え、
前記センタは、
前記自動取引装置から前記取り忘れ情報と前記状態情報とを受信した場合に、前記利用者が取り忘れた前記第2の媒体を返却するための処理を開始し、受信した前記状態情報に基づいて前記取引を続行させるか否か判定し、判定した結果を含む前記取引に関する指示を送信するセンタ制御部と、
を備えたことを特徴とする自動取引システム。
【請求項2】
前記自動取引装置は、
前記出力部が、前記第2の媒体を出力するためのシャッタを備え、
前記通信部が、前記制御部が前記第2の媒体を取り忘れたと判定した場合において、前記シャッタを閉じてから所定の時間が経過した場合に、前記センタに前記状態情報および前記取り忘れ情報を送信し、
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記状態情報に従って、前記取引を続行させるか否かを判定し、少なくとも前記取引に関する指示として、前記取引を続行させる旨の障害解除指示または前記取引を取り消す旨の取消指示のいずれかを送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引システム。
【請求項3】
前記自動取引装置は、
前記利用者を撮像する撮像部をさらに備え、
前記通信部は、前記撮像部が撮像した前記利用者の画像を前記センタに送信し、
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記利用者の画像に基づいて前記利用者の本人確認を行い、前記利用者の本人確認の結果を送信し、
前記自動取引装置の前記制御部は、前記センタから受信した前記本人確認の結果が前記利用者本人であると確認がとれた旨の結果である場合に、前記出力部に前記第2の媒体を返却し、前記取引を続行させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の自動取引システム。
【請求項4】
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記状態情報に従って、未だ出力していない媒体があるか否かを判定し、未だ出力していない前記第2の媒体がある場合に、順次前記第2の媒体を出力させる旨を含む前記取引に関する指示を送信し、
前記自動取引装置は、
前記制御部が、前記センタから受信した前記取引に関する指示に従って、前記出力部に前記第2の媒体を順次返却し、前記取引を続行させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項5】
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記状態情報に従って、未だ出力していない前記第2の媒体があるか否かを判定し、未だ出力していない前記第2の媒体がある場合に、一括して前記第2の媒体を出力させる旨を含む前記取引に関する指示を送信し、
前記自動取引装置は、
前記制御部が、前記センタから受信した前記取引に関する指示に従って、前記出力部に前記第2の媒体を一括して返却し、前記取引を続行させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項6】
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記状態情報に従って、未だ出力していない媒体があるか否かを判定し、未だ出力していない前記第2の媒体がある場合に、既に出力した前記第2の媒体とは分けて、一括して前記第2の媒体を出力させる旨を含む前記取引に関する指示を送信し、
前記自動取引装置は、
前記制御部が、前記センタから受信した前記取引に関する指示に従って、前記出金部に未だ出力していない前記第2の媒体のみを一括して返却し、前記取引を続行させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項7】
前記自動取引装置は、
前記制御部が、前記利用者との間で取引が成立していない状態において前記第2の媒体を取り忘れたと判定した場合、前記センタから送信された前記取引に関する指示に従って、前記利用者との間で実行中の前記取引を取り消した後、最初から新たな取引を実行させる、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項8】
前記自動取引装置は、
前記操作部が、前記利用者が取り忘れたと判定した前記第2の媒体を受取ったことを確認するための画面を表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項9】
前記自動取引装置は、
前記撮像部が、前記出力部が前記第2の媒体として前記取引の内容を示す明細票を出力した場合に、出力した明細票を撮像し、
前記通信部が、前記撮像部が撮像した前記明細票の画像を前記センタに送信し、
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記明細票の画像に基づいて前記利用者の本人確認を行う、
ことを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項10】
前記自動取引装置は、
前記操作部が、前記利用者が取り忘れたと判定した前記第2の媒体を受取ったことを確認するための画面として、返却されていない前記第2の媒体のみを表示する、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の自動取引システム。
【請求項1】
媒体を両替する自動取引装置を備えた自動取引システムにおいて、
前記自動取引装置は、
利用者から前記媒体を両替する指示を受け付ける操作部と、
両替対象となる第1の媒体を受け入れる受入部と、
前記第1の媒体を両替した後の媒体である第2の媒体の取り忘れを検知するとともに、前記第2の媒体を出力する出力部と、
前記利用者が前記第2の媒体を取り忘れた旨の取り忘れ情報と前記取引の状態を示す状態情報とを前記自動取引装置を管理するセンタに送信し、または前記センタから前記利用者が前記第2の媒体を取り忘れた場合における前記取引に関する指示を受信する通信部と、
前記出力部によって出力された前記第2の媒体を前記利用者が取り忘れたか否かを判定し、前記通信部が受信した前記取引に関する指示に従って、前記出力部に前記第2の媒体を返却し、前記取引を続行させる制御部と、を備え、
前記センタは、
前記自動取引装置から前記取り忘れ情報と前記状態情報とを受信した場合に、前記利用者が取り忘れた前記第2の媒体を返却するための処理を開始し、受信した前記状態情報に基づいて前記取引を続行させるか否か判定し、判定した結果を含む前記取引に関する指示を送信するセンタ制御部と、
を備えたことを特徴とする自動取引システム。
【請求項2】
前記自動取引装置は、
前記出力部が、前記第2の媒体を出力するためのシャッタを備え、
前記通信部が、前記制御部が前記第2の媒体を取り忘れたと判定した場合において、前記シャッタを閉じてから所定の時間が経過した場合に、前記センタに前記状態情報および前記取り忘れ情報を送信し、
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記状態情報に従って、前記取引を続行させるか否かを判定し、少なくとも前記取引に関する指示として、前記取引を続行させる旨の障害解除指示または前記取引を取り消す旨の取消指示のいずれかを送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引システム。
【請求項3】
前記自動取引装置は、
前記利用者を撮像する撮像部をさらに備え、
前記通信部は、前記撮像部が撮像した前記利用者の画像を前記センタに送信し、
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記利用者の画像に基づいて前記利用者の本人確認を行い、前記利用者の本人確認の結果を送信し、
前記自動取引装置の前記制御部は、前記センタから受信した前記本人確認の結果が前記利用者本人であると確認がとれた旨の結果である場合に、前記出力部に前記第2の媒体を返却し、前記取引を続行させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の自動取引システム。
【請求項4】
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記状態情報に従って、未だ出力していない媒体があるか否かを判定し、未だ出力していない前記第2の媒体がある場合に、順次前記第2の媒体を出力させる旨を含む前記取引に関する指示を送信し、
前記自動取引装置は、
前記制御部が、前記センタから受信した前記取引に関する指示に従って、前記出力部に前記第2の媒体を順次返却し、前記取引を続行させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項5】
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記状態情報に従って、未だ出力していない前記第2の媒体があるか否かを判定し、未だ出力していない前記第2の媒体がある場合に、一括して前記第2の媒体を出力させる旨を含む前記取引に関する指示を送信し、
前記自動取引装置は、
前記制御部が、前記センタから受信した前記取引に関する指示に従って、前記出力部に前記第2の媒体を一括して返却し、前記取引を続行させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項6】
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記状態情報に従って、未だ出力していない媒体があるか否かを判定し、未だ出力していない前記第2の媒体がある場合に、既に出力した前記第2の媒体とは分けて、一括して前記第2の媒体を出力させる旨を含む前記取引に関する指示を送信し、
前記自動取引装置は、
前記制御部が、前記センタから受信した前記取引に関する指示に従って、前記出金部に未だ出力していない前記第2の媒体のみを一括して返却し、前記取引を続行させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項7】
前記自動取引装置は、
前記制御部が、前記利用者との間で取引が成立していない状態において前記第2の媒体を取り忘れたと判定した場合、前記センタから送信された前記取引に関する指示に従って、前記利用者との間で実行中の前記取引を取り消した後、最初から新たな取引を実行させる、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項8】
前記自動取引装置は、
前記操作部が、前記利用者が取り忘れたと判定した前記第2の媒体を受取ったことを確認するための画面を表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項9】
前記自動取引装置は、
前記撮像部が、前記出力部が前記第2の媒体として前記取引の内容を示す明細票を出力した場合に、出力した明細票を撮像し、
前記通信部が、前記撮像部が撮像した前記明細票の画像を前記センタに送信し、
前記センタは、
前記センタ制御部が、前記自動取引装置から受信した前記明細票の画像に基づいて前記利用者の本人確認を行う、
ことを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の自動取引システム。
【請求項10】
前記自動取引装置は、
前記操作部が、前記利用者が取り忘れたと判定した前記第2の媒体を受取ったことを確認するための画面として、返却されていない前記第2の媒体のみを表示する、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の自動取引システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−113194(P2011−113194A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267538(P2009−267538)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]