説明

自動取引装置

【課題】操作画面に操作ガイダンスを表示する現金自動支払機、現金自動預払機等の自動取引装置1において、老眼の顧客や弱視の顧客であっても適切な大きさのガイダンス表示を行う。
【解決手段】操作部4の周辺に設けたカメラ8aと、当該カメラ8aにより取得した画像に基づき操作部4を覗き込んでいるどうかを検出するカメラ8aと、を設け、前記検出回数または検出された時間の長さに基づき、操作部4に表示するガイダンスの大きさを変化させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金自動支払機、現金自動預払機等の自動取引装置における操作画面の制御技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動取引装置では、操作方法や取引内容を、随時、顧客操作画面に表示し、顧客へのガイダンス表示を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−262290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の自動取引装置では、画面に小さな文字を表示した場合、老眼の顧客や弱視の顧客にとっては、画面上の文字を確認しづらいという課題があった。また、この課題を補うために音声等のガイダンスも併せて行う方法もあるが、難聴の方には確実な補助手段ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、操作ガイダンス表示する表示手段を備えた自動取引装置において、当該表示手段の周辺に設けた画像取得手段と、当該画像取得手段により取得した画像に基づき表示手段を覗き込んでいるか否かを検出する画像解析手段と、を設け、前記検出結果に基づき、表示手段に表示する表示内容の大きさを変化させるようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明の自動取引装置によれば、表示手段の周辺に設けた画像取得手段と、当該画像取得手段により取得した画像に基づき表示手段を覗き込んでいるか否かを検出する画像解析手段と、を設け、前記検出結果に基づき、表示手段に表示する表示内容の大きさを変化させるようにしたので、老眼の顧客や弱視の顧客であっても、適切な大きさの操作ガイダンスを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の自動取引装置の概観斜視図である。
【図2】実施例1の自動取引装置の制御系ブロック図である。
【図3】実施例1の自動取引装置の動作フローチャートである。
【図4】実施例1の自動取引装置の動作説明図である。
【図5】実施例1の自動取引装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0009】
(構成)
実施例1の自動取引装置は、図1のような外観をしており、硬貨入出金口2、紙幣入出金口3、操作部4、通帳挿入口5、カード挿入口6を備えている。そして、自動取引装置の前面側に、カメラ8aが備えられている。
【0010】
硬貨挿入口2および紙幣入出金口3は、それぞれ硬貨および紙幣が投入されるとともに、これらが排出される開口部である。硬貨挿入口2および紙幣入出金口3には、それぞれシャッタが設けられ、シャッタが駆動されることにより硬貨挿入口2および紙幣入出金口3がそれぞれ開閉される。これらの奥部には、後述する硬貨および紙幣の入出金処理を行う硬貨処理部および紙幣処理部が設けられている。
【0011】
通帳挿入口5は、取引で使用される通帳がここから挿入され、取引が終了すると通帳が排出される部分で、その奥部には、後述する通帳処理部が設けられている。カード挿入口6は、カードが挿入または排出される部分で、その奥部には、後述するカード処理部が設けられている。
【0012】
操作部4は、取引に際して操作画面を表示するLCDと、取引選択、暗証番号や取引金額などを入力するタッチパネルが一体化されて構成される。
【0013】
そして、操作部4近傍にカメラ8aが配置されている。このカメラ8aは、顧客撮影用のカメラで、操作部4の顧客操作画面に顧客が顔を近づけた際に顧客の顔を撮影できる範囲にレンズの画角を調整したものとなっている。
【0014】
(制御系の構成)
実施例1の自動取引装置の制御系は、図2の制御系ブロック図に示したように、後述の各部の制御を行う主制御部20と、カメラ8aからの画像データを受信し画像を解析し後述の顔写真範囲に顧客の顔画像があるかどうかを解析し解析結果を主制御部20に送信する画像解析部12と、画像解析部12の解析結果の情報に基づいて顧客操作画面に表示される文字や画像の大きさを変えて表示される操作部4が設けられている。
【0015】
さらに、実施例1の自動取引装置の制御系には、キャッシュカード等に記録された情報のリードライトを行うカード処理部21、操作ガイダンス等を音声出力する音声案内部22、通帳の磁気ストライプのリードライトおよび通帳への印字制御を行う通帳処理部23、取引明細を印字出力する明細票処理部24、硬貨の入出金制御を行う硬貨処理部25、紙幣の入出金制御を行う紙幣処理部26が設けられている。
【0016】
さらに、各部に電源を供給する電源部27、主制御部20の記憶部としてのメモリ部28、図示しないホストコンピュータとのインタフェイスを制御するインタフェイス部29が設けられている。
【0017】
(動作)
以上の構成により、実施例1の自動取引装置は以下のように動作する。この動作を図3の動作フローチャート、図4および図5の動作説明図を用いて以下詳細に説明する。
【0018】
まず、顧客が自動取引装置1に近づき、図示しない顧客センサにより顧客を検知すると、操作部4に取引選択画面を表示し、顧客は所望する取引を選択し、各取引ごとの操作を行う。
【0019】
これらの操作において、図4に示したように、操作部4の付近に配置したカメラ8aにより顧客を撮影する(ステップS01)。そして、撮影した画像データを画像解析部12へ送信し、カメラ画像データの解析を行い、顔検出を行う(ステップS02)。このとき、あらかじめ決めた顔検出範囲のみで顔検出を行い、図4のように、顧客が画面に顔を近づけているかどうかを検出する。
【0020】
そして、顧客が画面に顔を近づけていると検出した場合は検出回数をカウントし、連続検出回数が予め設定された回数nを超えた場合は(ステップS03)、顧客操作画面を覗き込んでいると判定し、操作部4に表示した文字や画像の大きさを大きくしたものに変更する(ステップS04)。このとき、音声案内部22の音声の音量を上げるようにしてもよい。
【0021】
なお、以上の説明では、顧客が画面に顔を近づけていると検出した回数に基づいて表示文字や画像を大きくするように説明したが、顧客が画面に顔を近づけている時間が所定の時間以上となったときに表示文字や画像を大きくするようにしてもよいし、顔を検出した回数が所定の回数以上となった場合または画面に顔を近づけている時間が所定の時間以上となったときに表示文字や画像を大きくするようにしてもよいし、顔を検出した回数が所定の回数以上となり、かつ画面に顔を近づけている時間が所定の時間以上となったときに表示文字や画像を大きくするようにしてもよい。
【0022】
(実施例1の効果)
以上詳細に述べたように実施例1の自動取引装置によれば、表示手段の周辺に設けた画像取得手段と、当該画像取得手段により取得した画像に基づき表示手段を覗き込んでいるどうかを検出する画像解析手段と、を設け、前記検出回数または検出された時間の長さに基づき、表示手段に表示する大きさを変化させるようにしたので、老眼の顧客や弱視の顧客であっても、適切な大きさの操作ガイダンスを表示することができる。
【0023】
《その他の変形例》
以上の実施例の説明では、自動取引装置に備えたカメラにより顧客が操作画面を覗き込んでいるかどうかを判定するように説明したが、自動取引装置を多数設置してあるコーナの場合では、その設置コーナの天井等にカメラを設け、それぞれの自動取引装置に対して顧客を撮影し、画面をのぞきこんでいることを検出して、該当する自動取引装置の操作画面に表示する文字や画像の大きさを変えるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上述べたように、本発明は、操作画面に操作ガイダンスを表示する現金自動支払機、現金自動預払機等の自動取引装置に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0025】
1 自動取引装置
4 操作部
8a カメラ
12 画像解析部
20 主制御部
29 インタフェイス部
30 カメラの撮影範囲
31 顔検出範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作ガイダンス表示する表示手段を備えた自動取引装置において、
当該表示手段の周辺に設けた画像取得手段と、
当該画像取得手段により取得した画像に基づき表示手段を覗き込んでいるか否かを検出する画像解析手段と、を設け、
前記検出結果に基づき、表示手段に表示する表示内容の大きさを変化させるようにしたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記検出結果は、検出された回数または検出された時間の長さであって、
変化させる表示内容は、文字の大きさであることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記表示手段は顧客操作部の表示部であって、前記画像取得手段はカメラであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−257334(P2010−257334A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108283(P2009−108283)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】