説明

自動取引装置

【課題】払い出される通貨の数が少なくなるように調整することが可能な自動取引装置を提供すること。
【解決手段】商品を取引するために入力された通貨の金額を算出し、取引が指示された商品の取引金額を算出し、前記算出された入力金額から前記算出された取引金額を減算して払出金額を算出し、前記算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報とに基づいて、前記払出金額を構成する各通貨の数を算出し、前記算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報と前記算出された各通貨の合計数とに基づいて、前記算出された各通貨の合計数を最少にするために必要な必要追加金額を算出し、前記算出された必要追加金額を顧客に報知するために案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗車券、入場券、観劇券等のチケットを販売する自動券売機を含む自動販売機、銀行等に設置されている現金自動預金支払機(ATM:Automated Teller Machine)等の自動取引装置に関するもので、特に、払い出される通貨の数が少なくなるように調整することが可能な自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗車券等を販売する自動券売機を含む自動販売機では、購入者が投入した通貨を識別して金種毎の投入枚数や、釣銭として払出すことが出来る金種毎の払出し可能枚数を出力したり、指示された硬貨の払出しを行ったりする自動販売機がある。そして、このような自動販売機において、釣銭が足りなくなって商品が販売できない事態が発生したような場合、どの金種が釣銭切れであるのかを表示することにより、顧客に販売可能であることを知らしめる、すなわち、追加投入を促す技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−122356号公報
【特許文献2】特開平05−342465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、公共機関に設置されている小銭を投入する自動取引装置(自動販売機、ATM、券売機)などでまとめ買いをした場合に、通常は先に金銭(例えば、紙幣1000円札)を投入するが、購入した商品の合計金額によって釣銭の小銭が増えてしまい、顧客にとって重くなってしまう場合がある、という問題点がある。
【0005】
また、上述のような場合、自動取引装置内部の通貨ストッカーの小銭が減ってしまう。通貨ストッカー内の小銭がなくなると釣銭切れになり、利用者によっては小銭がなく利用出来ない場合や自動取引装置側としても小銭切れにより売り上げが落ちると言った場合がある、という問題点がある。
【0006】
図6は、従来の取引処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS601において、自動販売機は、投入された通貨、例えば1000円札の投入を認識する。
【0007】
次に、選択された商品の合計額、例えば、110円の商品を1個、120円の商品を1個、130円の商品を1個、150円の商品を1個が選択された場合、ステップS602において、これらの合計額510円を算出する。
【0008】
次に、ステップS603において、選択された商品の払い出しを行い、それとともに、ステップS604において、残金額として、1000円−510円を計算し、その計算結果である「490円」を表示する。
【0009】
そして、ステップS605において、釣銭レバーが操作されたされたことを検出すると、または、一定時間釣銭レバーが操作されない場合は一定時間経過すると、ステップS606において、釣銭「490円」の払い出しを行う。この場合、釣銭を構成する通貨の種類と枚数は、最少でも100円硬貨が4枚、50円硬貨が1枚、10円硬貨が4枚の合計9枚となる。
【0010】
本発明は、上述のような実状に鑑みたものであり、払い出される通貨の数が少なくなるように調整することが可能な自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の自動取引装置は、商品を取引するために入力された通貨の金額を算出する入力金額算出手段と、取引が指示された商品の取引金額を算出する取引金額算出手段と、前記入力金額算出手段によって算出された入力金額から前記取引金額算出手段によって算出された取引金額を減算して払出金額を算出する払出金額算出手段と、前記払出金額算出手段によって算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報とに基づいて、前記払出金額を構成する各通貨の数を算出する払出金数算出手段と、前記払出金額算出手段によって算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報と前記払出金数算出手段によって算出された各通貨の合計数とに基づいて、前記払出金数算出手段によって算出された各通貨の合計数を最少にするために必要な必要追加金額を算出する必要追加金額算出手段と、前記必要追加金額算出手段によって算出された必要追加金額を顧客に報知するために案内する必要追加金額案内手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の自動取引装置は、前記自動取引装置内部に備えた通貨ストッカーに蓄えられた在庫通貨の数を算出する在庫通貨数算出手段をさらに備え、前記払出金数算出手段が、前記払出金額算出手段によって算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報と前記在庫通貨数算出手段によって算出された在庫通貨数とに基づいて、前記払出金額に対応する各通貨の数を算出することが望ましい。
【0013】
また、本発明の自動取引装置は、前記自動取引装置が自動販売機であって、前記入力金額算出手段が、前記自動販売機に投入された通貨の合計金額を算出し、前記取引金額算出手段が、前記自動販売機に対して購入が指示された商品の価格を前記取引金額として算出し、前記払出金額算出手段が、前記合計金額から前記取引金額を減算して釣銭として前記払出金額を算出し、前記払出金数算出手段が、前記釣銭を構成する各通貨の数を算出し、前記必要追加金額算出手段が、前記釣銭を構成する各通貨の合計数を最少にするために前記自動販売機に追加投入する必要のある必要追加金額を算出し、前記必要追加金額案内手段が、前記追加金額を前記自動販売機に追加投入するように前記顧客に促すために前記自動販売機が備える表示装置に表示することが望ましい。
【0014】
また、本発明の一態様によれば、本発明の自動取引方法は、自動取引装置のコンピュータが実行する自動取引方法であって、商品を取引するために入力された通貨の金額を算出し、取引が指示された商品の取引金額を算出し、前記算出された入力金額から前記算出された取引金額を減算して払出金額を算出し、前記算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報とに基づいて、前記払出金額を構成する各通貨の数を算出し、前記算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報と前記算出された各通貨の合計数とに基づいて、前記算出された各通貨の合計数を最少にするために必要な必要追加金額を算出し、前記算出された必要追加金額を顧客に報知するために案内することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、自動取引装置に対する通貨投入の際に、利用者に支払う通貨の数を少なくなるように計算して音声及び画面で案内し、投入金額の指示を出すことにより、利用者も小銭の量が少なくなり、自動取引装置側としても小銭ストックを最小限にすることが出来る、という効果を奏する。
【0016】
また、利用者に小銭を投入してもらうことにより、小銭ストックに蓄えられる小銭が増える、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用した取引処理の流れ(その1)を示すフローチャートである。
【図2】本発明を適用した取引処理の流れ(その2)を示すフローチャートである。
【図3】自動販売機が実行する取引処理の基本的な流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明を適用した自動販売機が実行する取引処理の具体的な流れを示すフローチャート(その1)である。
【図5】本発明を適用した自動販売機が実行する取引処理の具体的な流れを示すフローチャート(その2)である。
【図6】従来の取引処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
これから説明する自動取引装置としての自動販売機は、例えば、複数種類の缶入り飲料、ペットボトル入り飲料、タバコ等の商品を販売するためのものである。外観は従来の自動販売機と同様であり、本体キャビネットおよび外扉を備えている。
【0019】
本体キャビネットは、複数の鋼板を組み合わせることによって構成したもので、前面が開口した断熱構造の箱状を成している。また、本体キャビネットの内部には、複数の商品収容ラックを備えた商品収容庫および商品搬出装置が設けられている。商品搬出装置は、商品収容ラックから商品を商品取出口に払い出すためのものである。
【0020】
外扉は、本体キャビネットの前面開口部を閉塞するためのもので、開閉可能となる態様で本体キャビネットの一側縁部に保持されている。外扉の前面側には、紙幣投入口、硬貨投入口、金額表示器、商品取出口、釣銭返却レバーおよび硬貨返却口が設けられている。紙幣投入口は利用者が紙幣を投入するための開口であり、硬貨投入口は利用者が硬貨を投入するための開口である。また、釣銭返却レバーは硬貨投入口または紙幣投入口から投入した貨幣を返却指示、あるいは釣銭の返却指示をするためのものであり、硬貨返却口は釣銭となる硬貨を利用者に返却するための開口である。そして、金額表示器は、利用者が投入した貨幣の入金額や釣銭の金額等、商品を販売する上で必要となる各種情報を外部に表示するためのものであり、商品取出口は、本体キャビネットから払い出された商品を利用者が取り出すための開口である。
【0021】
図1は、本発明を適用した取引処理の流れ(その1)を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、自動販売機は、投入された通貨、例えば1000円札の投入を認識する。
【0022】
次に、選択された商品の合計額、例えば、110円の商品を1個、120円の商品を1個、130円の商品を1個、150円の商品を1個が選択された場合、ステップS102において、これらの合計額510円を算出する。
【0023】
次に、ステップS103において、選択された商品の払い出しを行い、それとともに、ステップS104において、残金額として、1000円−510円を計算し、その計算結果である「490円」を表示する。
【0024】
次に、ステップS105において、あと10円投入すれば釣銭が500円玉だけになる旨を音声案内または表示案内し、10円を投入するように指示する。10円が投入されると、ステップS106において、残金額として、490円+10円を計算し、その計算結果である「500円」を表示する。
【0025】
そして、ステップS107において、釣銭レバーが操作されたされたことを検出すると、または、一定時間釣銭レバーが操作されない場合は一定時間経過すると、ステップS108において、釣銭「500円」の払い出しを行う。この場合、釣銭を構成する通貨の種類と枚数は、500円硬貨が1枚のみとなる。
【0026】
これにより、図6に示した従来の取引処理と比較して、釣銭を構成する通貨の枚数が、最少でも100円硬貨が4枚、50円硬貨が1枚、10円硬貨が4枚の合計9枚のところ、500円硬貨の1枚のみになる。これは、釣銭を受け取る顧客にとっては、枚数および重量が少なくてすみ、自動販売機にとっては、通貨ストッカー内の100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨が減らない、というメリットがある。
【0027】
図2は、本発明を適用した取引処理の流れ(その2)を示すフローチャートである。
まず、ステップS201において、自動販売機は、投入された通貨、例えば100円硬貨4枚の投入を認識する。
【0028】
次に、選択された商品の合計額、例えば、120円の商品を3個が選択された場合、ステップS202において、これらの合計額360円を算出する。
次に、ステップS203において、選択された商品の払い出しを行い、それとともに、ステップS204において、残金額として、400円−360円を計算し、その計算結果である「40円」を表示する。
【0029】
次に、ステップS205において、あと60円投入すれば釣銭が100円玉だけになる旨を音声案内または表示案内し、60円を投入するように指示する。60円が投入されると、ステップS206において、残金額として、40円+60円を計算し、その計算結果である「100円」を表示する。
【0030】
そして、ステップS207において、釣銭レバーが操作されたされたことを検出すると、または、一定時間釣銭レバーが操作されない場合は一定時間経過すると、ステップS208において、釣銭「100円」の払い出しを行う。この場合、釣銭を構成する通貨の種類と枚数は、100円硬貨が1枚のみとなる。
【0031】
これにより、自動販売機にとっては、通貨ストッカー内の小銭が増え、釣銭切れによって販売チャンスを逃してしまうことがなくなる、というメリットがある。
次に、本発明を適用した取引処理の具体的な実現方法について説明する。
【0032】
自動販売機に代表される自動取引装置は、上述のような取引処理を実行するために、入力金額算出部、取引金額算出部、払出金額算出部、払出金数算出部、必要追加金額算出部、必要追加金額案内部および在庫通貨数算出部を備える。
【0033】
入力金額算出部は、商品を取引するために入力された通貨の金額を算出する。例えば、自動取引装置が自動販売機の場合には、自動販売機に投入された現金の合計額を算出する。また、プリペイドカードやクレジットカード等を用いて取引を行うことが可能な自動取引装置の場合には、その電子取引の際に購入に当てることが可能な額を算出する。図1に示した例では、ステップS101の処理に相当し、図2に示した例では、ステップS201の処理に相当する。
【0034】
取引金額算出部は、取引が指示された商品の取引金額を算出する。例えば、自動取引装置が自動販売機の場合には、自動販売機で購入が指示された商品価格の合計額を算出し、プリペイドカード等を用いた自動取引装置の場合には、電子取引をする対象商品の合計額を算出する。図1に示した例では、ステップS102の処理に相当し、図2に示した例では、ステップS202の処理に相当する。
【0035】
払出金額算出部は、前記入力金額算出部によって算出された入力金額から前記取引金額算出部によって算出された取引金額を減算して払出金額、すなわち釣銭を算出する。図1に示した例では、ステップS104の処理に相当し、図2に示した例では、ステップS204の処理に相当する。
【0036】
払出金数算出部は、前記払出金額算出部によって算出された払出金額、すなわち釣銭と、通貨の種類を示す金種情報、例えば、現在の日本国の場合であれば、1円、5円、10円、50円、100円、500円、1000円、2000円、5000円等を示す金種情報とに基づいて、前記払出金額を構成する各通貨の数を算出する。例えば、図1に示した例では、払出金額、すなわち釣銭が490円であり、通貨の数として、100円硬貨が4枚、50円硬貨が1枚、10円硬貨が4枚の合計9枚を算出する。
【0037】
必要追加金額算出部は、前記払出金額算出部によって算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報と前記払出金数算出手段によって算出された各通貨の合計数とに基づいて、前記払出金数算出部によって算出された各通貨の合計数を最少にするために必要な必要追加金額を算出する。例えば、図1に示した例では、100円硬貨が4枚、50円硬貨が1枚、10円硬貨が4枚の合計9枚で490円の釣銭であるので、490円より大きい通貨である500円から490円を減算し、その結果である「10円硬貨1枚」を必要追加金額として算出する。
【0038】
なお、例えば、釣銭が470円であれば、470円より大きい通貨である500円から470円を減算し、その結果である「10円硬貨3枚」を必要追加金額として算出し、釣銭が80円であれば、80円より大きい通貨である100円から80円を減算し、その結果である「10円硬貨2枚」を必要追加金額として算出する。また、釣銭が40円であれば、40円より大きい通貨である50円から40円を減算し、その結果である「10円硬貨1枚」を必要追加金額として算出するか、40円より大きい通貨である100円から40円を減算し、その結果である「50円硬貨1枚」および「10円硬貨1枚」を必要追加金額として算出する。
【0039】
そして、必要追加金額案内部は、前記必要追加金額算出部によって算出された必要追加金額を顧客に報知するために案内する。例えば、自動取引装置が自動販売機の場合には、前記追加金額を自動販売機に追加投入するように前記顧客に促すために自動販売機が備える表示装置に表示する。あるいは、自動販売機が備える音声出力装置を用いて音声出力する。
【0040】
図3は、自動販売機が実行する取引処理の基本的な流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS301において、自動販売機は、投入された通貨を認識する。
次に、ステップS302において、ステップS301で投入された通貨で、購入可能な商品があるか否かを判断する。
【0041】
購入可能な商品がない場合(ステップS302:No)は、ステップS301に戻り、さらなる通貨の投入を待つ。他方、購入可能な商品がある場合(ステップS302:Yes)は、ステップS303において、商品を選択指示するボタンが押されたか否かを判断する。
【0042】
商品を選択指示するボタンが未だ押されていない場合(ステップS303:No)は、商品の選択指示待ち状態を維持し、商品を選択指示するボタンが押された場合(ステップS303:Yes)は、ステップS304において、選択された商品の払い出しを行う。
【0043】
次に、ステップS305において、ステップS301で入金された金額からステップS304で払い出した商品の価格を減算し、ステップS306において、その計算結果である残金(現時点での釣銭額)を表示する。
【0044】
そして、ステップS307において、ステップS305で算出し、ステップS306で表示した残金が「0」か否かを判断する。
「0」であれば(ステップS307:Yes)、本取引処理を終了し、「0」でなければ(ステップS307:No)、ステップS308において、その残金でさらに商品が購入できるか否かを判断する。
【0045】
さらに商品を購入することができると判断された場合(ステップS308:Yes)は、ステップS309において、購入するか否かを判断し、購入する場合(ステップS309:Yes)、ステップS303に戻り、商品の選択指示待ち状態を維持する。
【0046】
他方、さらに商品を購入することができない、すなわち現時点での釣銭額で購入することのできる商品がないと判断された場合(ステップS308:No)、または、購入することはできるが購入しない場合(ステップS309:No)は、ステップS310において、釣銭返却レバーが操作されたか否かを判断する。また、釣銭返却レバーが操作されていなくても(ステップS310:No)、ステップS311において、一定時間が経過したか否かを判断する。
【0047】
そして、釣銭返却レバーが操作された場合(ステップS310:Yes)、または、一定時間が経過した場合(ステップS311:Yes)は、ステップS312において、ステップS305で算出し、ステップS306で表示した残金を釣銭として硬貨返却口等から払い出す。
【0048】
以上が、自動販売機が実行する取引処理の基本的な流れである。次に、取引処理のより具体的な流れについて説明する。
図4および図5は、本発明を適用した自動販売機が実行する取引処理の具体的な流れを示すフローチャートである。
【0049】
まず、ステップS401において、自動販売機は、投入された通貨を認識し、ステップS402において、ステップS401で投入された通貨で、購入可能な商品があるか否かを判断する。
【0050】
購入可能な商品がない場合(ステップS402:No)は、ステップS401に戻り、さらなる通貨の投入を待つ。他方、購入可能な商品がある場合(ステップS402:Yes)は、ステップS403において、商品を選択指示するボタンが押されたか否かを判断する。
【0051】
商品を選択指示するボタンが未だ押されていない場合(ステップS403:No)は、商品の選択指示待ち状態を維持し、商品を選択指示するボタンが押された場合(ステップS403:Yes)は、ステップS404において、選択された商品の払い出しを行う。
【0052】
次に、ステップS405において、ステップS401で入金された金額からステップS404で払い出した商品の価格を減算し、ステップS406において、その計算結果である残金(現時点での釣銭額)を表示する。
【0053】
そして、ステップS407において、ステップS405で算出し、ステップS406で表示した残金が「0」か否かを判断し、「0」であれば(ステップS407:Yes)、本取引処理を終了する。
【0054】
他方、ステップS406で表示した残金が「0」でなければ(ステップS407:No)、ステップS408において、通貨ストッカー内に蓄えられた在庫通貨の数を算出する。そして、ステップS409において、ステップS405で算出した残金でさらに商品が購入できるか否かを判断する。
【0055】
さらに商品を購入することができると判断された場合(ステップS409:Yes)は、ステップS410において、購入するか否かを判断し、購入する場合(ステップS410:Yes)、ステップS403に戻り、商品の選択指示待ち状態を維持する。
【0056】
他方、さらに商品を購入することができない、すなわち現時点での釣銭額で購入することのできる商品がないと判断された場合(ステップS409:No)、または、購入することはできるが購入しない場合(ステップS410:No)は、ステップS411において、ステップS405で算出した残金(釣銭)が何れかの通貨1枚(最も少ない数)であるのか否かを判断する。
【0057】
釣銭が1枚でなければ(ステップS411:No)、図5のステップS501へ進む。図5については後述する。
他方、釣銭が1枚であれば(ステップS411:Yes)、ステップS412において、釣銭が500円であるか否かを判断し、500円であれば(ステップS412:Yes)、ステップS413において、後述するステップS421での釣銭の払い出しとして500円を払い出すように指示する。
【0058】
また、釣銭が500円ではない場合(ステップS412:No)、ステップS414において、釣銭が100円であるか否かを判断し、100円であれば(ステップS414:Yes)、ステップS415において、100円を払い出すように指示する。
【0059】
また、釣銭が100円ではない場合(ステップS414:No)、ステップS416において、釣銭が50円であるか否かを判断し、50円であれば(ステップS416:Yes)、ステップS417において、後述するステップS421での釣銭の払い出しとして50円を払い出すように指示し、50円ではない場合(ステップS416:No)、ステップS418において、後述するステップS421での釣銭の払い出しとして10円を払い出すように指示する。そして、後述する。ステップS419に進む。
【0060】
ステップS411で釣銭が通貨1枚ではないと判断した場合(ステップS411:No)、図5のステップS501において、釣銭の金額が50円に満たないか否かを判断する。
【0061】
50円に満たないと判断された場合(ステップS501:Yes)は、ステップS502において、図4のステップS408で算出した、通貨ストッカー内に蓄えられた在庫通貨の数に基づいて、50円が蓄えられているか否かを判断する。
【0062】
そして、50円が通貨ストッカー内に蓄えられていると判断された場合(ステップS502:Yes)は、ステップS503において、ステップS405で算出した釣銭を50円から減算し、ステップS504において、その減算した額を投入すれば釣銭が50円玉だけになる旨を音声案内または表示案内する。そして、ステップS505において、その額が投入されたか否かを判断し、投入されると(ステップS505:Yes)、ステップS506において、投入を確認し、ステップS507において、「50円」を表示して、図4のステップ419へ進む。他方、ステップS502で50円が通貨ストッカー内に蓄えられていないと判断された場合(ステップS502:No)は、ステップS508へ進む。
【0063】
次に、ステップS501で釣銭の金額が50円未満ではない(50円を超え、かつ1枚ではない)と判断した場合(ステップS501:No)、ステップS520において、釣銭の金額が100円に満たない(かつ、60円以上)か否かを判断する。
【0064】
100円に満たないと判断された場合(ステップS520:Yes)は、ステップS508において、図4のステップS408で算出した、通貨ストッカー内に蓄えられた在庫通貨の数に基づいて、100円が蓄えられているか否かを判断する。
【0065】
また、100円が通貨ストッカー内に蓄えられていると判断された場合(ステップS508:Yes)は、ステップS509において、ステップS405で算出した釣銭を100円から減算し、ステップS510において、その減算した額を投入すれば釣銭が100円玉だけになる旨を音声案内または表示案内する。そして、ステップS511において、その額が投入されたか否かを判断し、投入されると(ステップS511:Yes)、ステップS512において、投入を確認し、ステップS513において、「100円」を表示して、図4のステップ419へ進む。他方、100円が通貨ストッカー内に蓄えられていないと判断された場合(ステップS508:No)は、ステップS514へ進む。
【0066】
次に、ステップS520で釣銭の金額が100円未満ではない(100円を超え、かつ1枚ではない)と判断した場合(ステップS520:No)、ステップS521において、釣銭の金額が500円に満たない(かつ、110円以上)か否かを判断する。
【0067】
500円に満たないと判断された場合(ステップS521:Yes)は、ステップS514において、図4のステップS408で算出した、通貨ストッカー内に蓄えられた在庫通貨の数に基づいて、500円が蓄えられているか否かを判断する。
【0068】
また、500円が通貨ストッカー内に蓄えられていると判断された場合(ステップS514:Yes)は、ステップS515において、ステップS405で算出した釣銭を500円から減算し、ステップS516において、その減算した額を投入すれば釣銭が500円玉だけになる旨を音声案内または表示案内する。そして、ステップS517において、その額が投入されたか否かを判断し、投入されると(ステップS517:Yes)、ステップS518において、投入を確認し、ステップS519において、「500円」を表示して、図4のステップ419へ進む。他方、500円が通貨ストッカー内に蓄えられていないと判断された場合(ステップS514:No)は、図4のステップS419へ進む。また、ステップS521で釣銭の金額が500円未満ではない(500円を超え、かつ1枚ではない)と判断した場合(ステップS521:No)も図4のステップS419へ進む。
【0069】
図4の説明に戻る。
ステップS419において、釣銭返却レバーが操作されたか否かを判断する。また、釣銭返却レバーが操作されていなくても(ステップS419:No)、ステップS420において、一定時間が経過したか否かを判断する。
【0070】
そして、釣銭返却レバーが操作された場合(ステップS419:Yes)、または、一定時間が経過した場合(ステップS420:Yes)は、ステップS421において、ステップS405で算出し、ステップS406で表示した残金、または図5のステップS507、S513、S519の何れかで表示した残金を釣銭として硬貨返却口等から払い出す。
【0071】
以上、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、上述してきた本発明の実施の形態は、自動取引装置の一機能としてハードウェアまたはDSP(Digital Signal Processor)ボードやCPUボードでのファームウェアもしくはソフトウェアにより実現することができる。
【0072】
また、本発明が適用される自動取引装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の実施の形態に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0073】
また、バスに接続されたCPU、ROMやRAMのメモリ、入力装置、出力装置、外部記録装置、媒体駆動装置、ネットワーク接続装置で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた実施の形態のシステムを実現するソフトェアのプログラムを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記録媒体を、自動取引装置に供給し、その自動取引装置のコンピュータがプログラムを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0074】
この場合、可搬記録媒体等から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した可搬記録媒体等は本発明を構成することになる。
【0075】
プログラムを供給するための可搬記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
【0076】
また、コンピュータ(情報処理装置)がメモリ上に読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【0077】
さらに、可搬型記録媒体から読み出されたプログラムやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)が、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0078】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を取引するために入力された通貨の金額を算出する入力金額算出手段と、
取引が指示された商品の取引金額を算出する取引金額算出手段と、
前記入力金額算出手段によって算出された入力金額から前記取引金額算出手段によって算出された取引金額を減算して払出金額を算出する払出金額算出手段と、
前記払出金額算出手段によって算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報とに基づいて、前記払出金額を構成する各通貨の数を算出する払出金数算出手段と、
前記払出金額算出手段によって算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報と前記払出金数算出手段によって算出された各通貨の合計数とに基づいて、前記払出金数算出手段によって算出された各通貨の合計数を最少にするために必要な必要追加金額を算出する必要追加金額算出手段と、
前記必要追加金額算出手段によって算出された必要追加金額を顧客に報知するために案内する必要追加金額案内手段と、
を備えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記自動取引装置内部に備えた通貨ストッカーに蓄えられた在庫通貨の数を算出する在庫通貨数算出手段、
を備え、
前記払出金数算出手段は、前記払出金額算出手段によって算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報と前記在庫通貨数算出手段によって算出された在庫通貨数とに基づいて、前記払出金額に対応する各通貨の数を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記自動取引装置は、自動販売機であって、
前記入力金額算出手段は、前記自動販売機に投入された通貨の合計金額を算出し、
前記取引金額算出手段は、前記自動販売機に対して購入が指示された商品の価格を前記取引金額として算出し、
前記払出金額算出手段は、前記合計金額から前記取引金額を減算して釣銭として前記払出金額を算出し、
前記払出金数算出手段は、前記釣銭を構成する各通貨の数を算出し、
前記必要追加金額算出手段は、前記釣銭を構成する各通貨の合計数を最少にするために前記自動販売機に追加投入する必要のある必要追加金額を算出し、
前記必要追加金額案内手段は、前記追加金額を前記自動販売機に追加投入するように前記顧客に促すために前記自動販売機が備える表示装置に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項4】
自動取引装置のコンピュータが実行する自動取引方法であって、
商品を取引するために入力された通貨の金額を算出し、
取引が指示された商品の取引金額を算出し、
前記算出された入力金額から前記算出された取引金額を減算して払出金額を算出し、
前記算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報とに基づいて、前記払出金額を構成する各通貨の数を算出し、
前記算出された払出金額と通貨の種類を示す金種情報と前記算出された各通貨の合計数とに基づいて、前記算出された各通貨の合計数を最少にするために必要な必要追加金額を算出し、
前記算出された必要追加金額を顧客に報知するために案内する、
ことを特徴とする自動取引方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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