説明

自動契約受付装置

【課題】印鑑押印時の朱肉や朱肉の付け具合によって、書類回収部ローラーで印鑑押印部分を潰したり、ローラーに朱肉が転写して書類を汚したりすると、書類回収後に利用者へ書類を再送付して、印鑑の押し直しや書類の再作成が必要となる。本発明は、印鑑の押印が必要な書類の回収を適切に取扱うことにより、書類やローラーの汚れを防止する。
【解決手段】書類を回収する自動契約受付機に書類をローラで引き込む前に書類に押印された印鑑部分を拭き取り乾かすことで書類の押印部分を潰したり、滲ませたりせず、ローラーや書類の汚れを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類を回収する自動契約受付装置にて、契約の際、特に書類へ印鑑の押印が必要となる書類の回収を行う自動契約受付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より利用者に各種サービスの提供を行うため、遠隔制御にて申し込み書類の発行、書類の回収を行っている。利用者が記載した書類を回収することで発生する回収部のローラ汚れ防止に関する文献として、特許文献1,2がある。
【0003】
しかし、クレジットカードなどの申込書類には銀行の届印を押す必要があり、朱肉の種類や朱肉の付け具合によっては、ローラで押えたり、透明シートに挟んだりすると、印鑑が潰れたり、滲んだりしてしまい、書類回収後に利用者へ再送付し、再度、印鑑を押印しなおして貰う必要が出てしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-092264号公報
【特許文献2】特開平8-187469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題を取り扱うものとして、書類を取り込むローラ又は書類を回収するローラで用紙を引き込む前に申込書類に押印された印鑑部分を乾かすことで、書類の印鑑押印部分を潰したり、滲ませたりせず、書類を取扱うことが出来る自動契約受付装置を提供し、ローラーや書類の汚れを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、書類を発行する手段と書類を撮影する手段および回収する手段を備えた自動契約受付装置にあって、申込書類を印刷して発行するデータによってあらかじめ次に回収する書類に印鑑の押印が必要な書類かどうか判断する手段と撮影した書類を読み取り、読み取った画像から印鑑の押印位置を認識する手段、更に認識する手段の位置情報より回収動作を制御する手段、回収動作の制御によって、押印の朱肉部分を潰さない様に押印した印鑑の朱肉部分を取り込む直前で拭き取る手段を備えた自動契約受付装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、朱肉の種類や朱肉の付け具合によって潰れたり、滲んだりすることがなくなり、書類回収後に利用者へ再送付して、再度、印鑑を押印して貰う必要もなくローラーや書類の汚れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】自動契約受付装置の構成図。
【図2】自動契約受付装置の内部ユニット実装図。
【図3】自動契約受付装置の回収部斜視図。
【図4】自動契約受付装置の回収部側面図。
【図5】動作フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は自動契約受付装置の構成を示すブロック図であり、図2は自動契約受付装置の内部ユニットの配置を示した図である。また、図5は動作フローチャートである。
【0010】
その制御について、自動契約受付装置の利用者は、表示・入力部2に表示されている画面の中から利用したいサービスを選択し、その画面をタッチすることで、業務が開始される(S1)。
【0011】
業務が開始されると、その利用サービスに応じた申し込み書類が、書類印刷発行部6から発行されてくるので、利用者は、画面の案内に従い、申し込み書類に必要事項を記入の上、利用するサービスによっては、申し込み書類に印鑑の押印を行う(S2)。
【0012】
制御部1は、選択されたサービスによって、印鑑の押印が必要な書類を回収するのか印鑑の押印を必要としない書類を回収するのかを記憶しておく(S3)。
【0013】
申込書に必要事項を記入した書類は、制御部1に接続されている電源部9を通して書画ランプ5を点灯させて、書画画像撮影部3で画像を撮影する(S4)。
【0014】
次に書類の回収を行うが、ここで、印鑑の押印が必要でない書類を回収する場合は「S3」にて予め記憶しておいた情報より、制御部1に接続されている電源部9を通じ点灯していた書画ランプ5を消灯する。
【0015】
印鑑の押印が必要な書類を回収する場合は、書画ランプ5を点灯させたままの状態で、押印位置処理として、制御部1に接続している画像認識処理部4で印鑑の押印位置を認識し、印鑑の押印先端位置データと印鑑の押印後端位置データを、座標画像認識処理部4に格納する(S5)。
【0016】
印鑑の押印が必要でない書類を回収する場合は、書類を回収動作案内を利用者へ通知し制御部1のコントロールで書類回収部7の取り込み機構71を倒して用紙を押さえ込み取り込みローラ711を回転させることで書類を取り込む。また、書類回収部7の奥側にある回収ローラ721で書類を回収庫73へ搬送させ、搬送完了にて取り込み機構71を起こす(S6)。
【0017】
契約が成立した場合は、カード発行機8からカードが繰り出され、発行されるので利用者は、発行されたカードを受取ることが出来る(S7)。
【0018】
印鑑の押印が必要な書類を回収する場合は、書画ランプ5を点灯させたままの状態で回収動作案内を利用者へ通知し、「S5」の押印位置処理で格納されている印鑑の押印先端位置まで制御部1のコントロールで書類回収部7の取り込み機構71を倒して用紙を押さえ込み、取り込みローラ711を回転させ書類を取り込み、奥側の回収機構72の回収ローラ721で書類を回収庫へ搬送させて停止させる。
【0019】
そこから、書類回収部7の取り込み機構71を起し、1ステップ回収ローラ721で用紙を引き込んでは書類回収部7の取り込み機構71を倒しては起しを繰返しながら印鑑の押印位置の後端まで行い、その後、書類回収部7の取り込み機構71を倒したまま取り込みローラ711を回転させ、奥側の回収機構72の回収ローラ721で書類を回収庫へ搬送し、取り込み機構71を起こす(S9)。
【0020】
図3は自動契約受付装置の回収部の斜視図であり、図4は回収部の側面図で書類回収部7の取り込み機構71には印鑑が押印部分の朱肉を拭き取るためのロールペーパ712が取り付けられており、書類回収部7の回収機構72のロールペーパ巻き取りクラッチ722を繋ぐことで回収ローラ721の回転でロールペーパ712が巻き取られ、ロールペーパ巻き取りクラッチ722を切り離すことで回収ローラ721が回転してもロールペーパ712が巻き取られない。
【符号の説明】
【0021】
1…:制御部、2…表示・入力部、3…書画画像撮影部、4…画像認識処理部、5…書画ランプ、6…書類印刷発行部、7…書類回収部、71…取り込み機構、711…取り込みローラ、712…ロールペーパ、72…回収機構、721…回収ローラ、722…ロールペーパ巻き取りクラッチ、73…回収庫、8…カード発行機、9…電源部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
契約書類を印刷して発行する手段、発行された書類に必要事項を利用者が記入し、それを所定の場所へセットすることで撮影を行う手段、書類撮影する時に照明を点灯させる手段、撮影した書類を読み取り読み画像認識する手段およびその書類を回収する手段を備えた自動契約受付装置。
【請求項2】
請求項1の手段にあって、書類回収手段は、書類を取り込む手段と取り込んだ書類を回収する手段を備えた装置。
【請求項3】
請求項2の手段にあって、書類を取り込む手段には、契約書類に印鑑の押印が必要な書類を回収する際に書類回収手段に印鑑押印後の朱肉が転写されたり、書類回収手段によって押印の朱肉部分を潰さない手段を備えた装置。
【請求項4】
請求項1の手段にあって、書類を回収する手段には、契約書類を印刷して発行するデータによってあらかじめ次に回収する書類に印鑑の押印が必要な書類かどうか判断する手段と撮影した書類を読み取り、読み取った画像認識する手段によって、印鑑の押印を特定して書類の回収動作を制御する手段を備えた装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−83968(P2012−83968A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230152(P2010−230152)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】