説明

自動料金収受車載装置およびそれを用いた車載システム

【課題】故障または異常の通知を2重の確認および通知手段を設け、通信部から車両に搭載されるナビゲーション装置などに通信インターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を出力することにより、車載内に備えられた他の機器に確実且つ正確に故障または異常が通知できる自動料金収受車載装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】自動料金収受を制御すると共に前記ROM27およびRAM28の異常を検出する制御部25と、この制御部25の異常を検出する異常検出部26とを備えた自動料金収受車載装置20であり、同時にROM27またはRAM28の異常を検出する制御部25に異常が発生した場合、制御部25の異常を検知する異常検出部26を設けることにより、制御部25が異常の場合でも、確実に異常を検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路側装置などの外部と無線通信する無線部と車両に搭載された他の機器に接続して通信する通信部とを備えた自動料金収受車載装置およびそれを用いた車載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動料金収受車載装置は、ETC(Electronic Toll Collection System)などで用いられる車載器であり、有料道路や駐車場などの料金を無線通信により、自動的に課金処理を行うことで停車せずに通過できるようにしたものである。
【0003】
図3は、従来の自動料金収受(以下、ETCと称す)車載装置とカーナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【0004】
図3において、カーナビゲーション装置1には、接続ケーブル12を介してETC車載装置13が接続されている。カーナビゲーション装置1において、GPS受信機2は、GPS衛星から送信されている信号を受信することにより、このカーナビゲーション装置1が搭載されている車両の位置および方位を検出する。そして車速センサ3は、単位時間当たりの車輪の回転数を検出することにより、車両の移動速度を検出するものである。
【0005】
また、ジャイロセンサ4は、圧電振動ジャイロなどを利用して車両の水平方向に生じる旋回角速度を検出することにより、車両の走行方位を検出するものである。表示・操作部5は、地図データを基に地図を表示する液晶モニターである。地図データ取得部6は、デジタル化された地図データを取得する手段であり、DVDから地図データを読み取るDVDディスクドライブ、ハードディスクに蓄積された地図データを読み取るハードディスクドライブ、または外部のサーバから地図データをダウンロードする手段のいずれでもよい。経路探索部7は、現在位置からユーザがリモコンまたはタッチパネルなどで入力した目的地までの走行経路のうち最もリンクコストの低い推奨経路を地図データから演算により求める経路探索手段であり、プログラムにより構成されている。有料道路判断部8は、地図データを基に、探索された走行経路中に高速道路などの有料道路が含まれているかどうかを判断するものであり、プログラムにより構成されている。
【0006】
そして、自己診断部9は、ETC車載装置13およびETCカード16が正常かどうかをチェックするプログラムにより構成されている。警告部10は、ETC車載装置13またはこれに装着されるETCカード16に動作不良が発見された場合に、表示・操作部5の液晶モニター上に表示される文字、またスピーカやブザーからの音声により警告を発するものである。制御部11は、カーナビゲーション装置1の全体を制御するマイクロコンピュータであり、また接続ケーブル12を介してETC車載装置13が接続されているかどうかを判断する。ETC車載装置13は、カーナビゲーション装置1の制御部11と通信を行う制御部14と、路側装置との間で料金収受に関する通信を行う無線部15とを備えている。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2005−275753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の構成では、探索された走行経路に有料道路が含まれない限りカーナビゲーション装置内の自己診断部が動作しないため、ETC車載装置が異常かどうかを事前に確認することができない場合があり、また自己診断部自体が異常または故障した場合、接続されたETC車載装置の異常または故障を正確に診断することができなくなるという課題があった。
【0009】
本発明は、電源電圧が供給されると異常検出を開始し、故障または異常の通知を2重の確認および通知手段を設け、異常を検出した場合、通信部から車両に搭載されるカーナビゲーション装置などに通信インターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を出力することにより、車載内に備えられた他の機器に確実且つ正確に故障または異常状態を通知することができる自動料金収受車載装置およびそれを用いた車載システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明は、路側機などの外部機器との無線通信により料金の授受を制御する自動料金収受車載装置において、前記路側機の外部機器との間で無線通信する無線手段と、着脱可能な情報記憶媒体の情報授受を制御する記憶媒体インターフェース手段と、ファームウェアを含むプログラムを記憶するROMと自動料金収受に関するデータを記憶するRAMとを備え、自動料金収受を制御すると共に前記ROMおよびRAMの異常を検出する制御手段と、この制御手段の異常を検出する異常検出手段と、車両に搭載されるカーナビゲーション装置に接続して前記異常を通知する通信手段と、を備えた自動料金収受車載装置であり、制御手段の異常を検知する異常検出手段を設けることにより、制御手段が異常の場合でも、確実に異常を検出することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明おいて、前記制御手段は、前記ROMまたはRAMの異常を検出した場合、前記車両に搭載される機器とのインターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を出力する請求項1に記載の自動料金収受車載装置であり、通信部から通信インターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を車両に搭載される他の機器に送信することにより、通信インターフェースの仕様に関係なく確実にETC車載装置の異常を通知することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明おいて、前記異常検出手段は、前記制御手段の異常を検出した場合、前記車両に搭載される機器とのインターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を出力する請求項1または2のいずれかに記載の自動料金収受車載装置であり、ROMまたはRAMと制御手段とに異常が発生した場合、制御手段の異常を検知する異常検出手段を設けることにより、ROMまたはRAMの異常を検出する制御部が異常の場合でも、確実に異常を検出することができ、また通信部から通信インターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を車両に搭載される他の機器に送信することにより、通信インターフェースの仕様に関係なく確実にETC車載装置の異常を通知することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明おいて、前記ROM、RAMまたは制御手段の異常の検出は、電源ON時または前記情報記憶媒体の装着時に実行される請求項1から3のいずれかに記載の自動料金収受車載装置であり、電源ON時または情報記憶媒体の装着時に異常または故障を診断することができるため、車両の運転時またはETCカードの使用前にETC車載装置の異常を車両に搭載される機器に通知することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明において、前記ROMは、前記制御手段の少なくとも1つのポートから異常通知信号を出力する初期起動プログラムを格納する請求項1から4のいずれかに記載の自動料金収受車載装置であり、ROMは、異常を検出および通知する初期起動プログラムを格納することにより、制御手段が異常の場合においても確実に異常通知信号を出力することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明において、前記ブレーク信号をLEDまたはブザーの駆動信号とする請求項1から5のいずれかに記載の自動料金収受車載装置であり、異常または故障を通知するLEDまたはブザーにおいて、ブレーク信号を駆動信号に用いることにより、回路構成を簡素化することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、路側機などの外部機器との無線通信により料金の授受を制御する自動料金収受車載装置と前記車両に搭載されるカーナビゲーション装置とが接続された車載システムにおいて、前記ROMまたはRAMの異常を検出する前記制御手段と該制御手段の異常を検出する前記異常検出手段とを備え、前記制御手段または前記異常検出手段が異常を検出した場合、前記カーナビゲーション装置との通信インターフェースの整合が不要なブレーク信号を出力する自動料金収受車載装置と、前記ブレーク信号の入力により音または液晶画面上の表示で周囲に通知する前記ナビゲーション装置とを含む車載システムであり、ROMまたはRAMの異常を検知する制御手段に異常が発生した場合、制御手段の異常を検知する異常検出手段を設けることにより、制御手段が異常の場合でも、確実に異常を検出することができ、通信部から通信インターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を車両に搭載されるカーナビゲーション装置に送信することにより、通信インターフェースの仕様に関係なく確実にETC車載装置の異常を通知することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明は、路側機などの外部機器との無線通信により料金の授受を制御する自動料金収受車載装置において、前記路側機などの外部機器との間で無線通信する無線手段と、車両に搭載されるカーナビゲーション装置などの機器に接続して通信する通信手段と、着脱可能な情報記憶媒体との情報授受を制御する記憶媒体インターフェース手段と、ファームウェアなどを含むプログラムを記憶するROMと自動料金収受に関するデータを記憶するRAMとを備え、自動料金収受を制御すると共に前記ROMおよびRAMの異常を検出する制御手段と、この制御手段の異常を検出する異常検出手段とを備えた自動料金収受車載装置であり、制御手段の異常を検知する異常検出手段を設けることにより、制御手段が異常の場合でも、確実に異常を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態における車載システムの概略構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すETC車載装置20は、扁平な長方体状の筐体(図示せず)構成を有し、前面には情報記憶媒体としてのETCカード29の挿入口が開口されている。
ETC車載装置20は、車両に搭載される他の機器、例えばカーナビゲーション装置30に接続されている。
【0022】
カーナビゲーション装置30は、GPS衛星から送信される信号を受信することにより、カーナビゲーション装置30が搭載されている車両の位置および方位を検出するGPS受信機(図示せず)、車輪の回転数を検出することにより、車両の移動速度を検出する車速度センサ(図示せず)、圧電振動ジャイロなどを用いて車両の水平方向に生じる旋回角速度を検出することにより、車両の走行方位を検出するジャイロセンサ(図示せず)、デジタル化された地図データを取得する地図データ取得部(図示せず)、地図データを基に地図を表示する表示・操作部(図示せず)を備えている。
【0023】
ETC車載装置20は、自動料金収受の全般を制御および異常または故障を検出して通知する制御部25と、制御部25が異常または故障かどうかを検出する異常検出部26と、外部から挿入されるETC(IC)カード29が装着されているかどうか検知し、ETCカード29のICチップ(図示せず)に記録されているデータの読み込みまたはデータの書き込みを制御するETCカードインターフェース部24と、アンテナ(図示せず)を介して路側機(図示せず)との間で料金収受に関して、DSRC(Dedicated Short Range Communication)無線方式による無線通信を行う無線部22と、車両に搭載されるカーナビゲーション装置30との通信を制御する通信部23と、ETC車載装置20が異常または故障の状態を点灯または点滅により周囲に通知するLED31と、ETC車載装置が異常または故障の状態を音により周囲に通知するブザー32とから構成される。そして、制御部25は、プログラムなどを記憶するROM27およびETCの関するデータなどを記憶するRAM28を備え、ROM27およびRAM28の異常を検出する。
【0024】
次に、ETC車載装置の異常検出の動作について説明する。
【0025】
図2は、本発明の異常検出の動作を示すフローチャートである。
【0026】
最初に、自動車のエンジンが始動されると、ETC車載装置20に電源電圧が供給され、各機能の異常検出が開始される。またETC車載装置20に電源電圧が供給されている場合でも、ETCカード29が挿入された時点で再び各機能の異常検出が開始されてもよい。
【0027】
ETC車載装置20に電源電圧が供給されると、制御部25は、初期起動プログラム格納部(図示せず)から初期起動プログラムをROM27に格納すると共にファームウェアなどの制御プログラムを記憶するROM27、ETCに関するデータを記憶するRAM28およびETC全般を制御する制御部25の異常検出を開始する。
【0028】
ここで、初期起動プログラムには、ROM27およびRAM28において、チェックサム法などを用いて簡単な異常検出、制御部25の自己診断を実行するプログラムが含まれている。また初期起動プログラムは、ROM27またはRAM28の異常が検出された場合、この異常を通知するプログラムも含まれている。
【0029】
以下、ROM27、RAM28および制御部25の異常検出および異常検出後の動作について説明する。
【0030】
先ず、ROM27の異常検出は、制御部25に格納される初期起動プログラムにより実行される。制御部25は、ETC車載装置20を制御する本体制御プログラムが記憶される領域の先頭番地から終了番地までのバイト列を順次加算し、総計の下位1バイトを抽出する(S10)。そしてこの総計の下位1バイトと予め記憶するチェックサム値とを比較し(S11)、比較した結果が一致すれば、正常と判断し、次のRAM28の異常検出が実行される(S20)。そして比較した結果が不一致の場合は、異常と判断し、異常検出部26に異常を通知する(S12)。
【0031】
そして、制御部25は、通信部23を介してブレーク信号を出力すると共にブレーク信号を用いてLED31の点灯または点滅、ブザー32を駆動して周囲に異常を通知する(S12)。しかし何らかの異常により、制御部25が通信部23を介して車両に搭載されるカーナビゲーション装置30にブレーク信号を出力することができない場合やLED31またはブザー32を駆動することができない場合(S13)、異常検出部26は、制御部25に代わって、通信部23を介して異常信号としてのブレーク信号をカーナビゲーション装置30に通知およびLED31またはブザー32を駆動した後(S14)、本体制御プログラムの起動を中止し、異常検出の動作を完了する(S15)。そしてブレーク信号がカーナビゲーション装置30に入力されると、液晶画面(図示せず)上に文字などを表示し、周囲に通知する。
【0032】
なお、チェックサムにおける総計は、1の補数演算を用いてもよい。またブレーク信号は、連続的に一定周期のHigtレベルとLowレベルの交互に変化させた信号である。例えば、制御部25は、ROM27の異常を検出すると、異常検出部26に異常と通知するため、通知後、所定の時間内に制御部25からブレーク信号が出力されない場合、タイマー機能によりブレーク信号を出力できないことを検知することができる。
【0033】
ここで、電源ON時またはETCカード29の装着時に異常または故障を検出することができるため、車両の運転時またはETCカードの使用前にETC車載装置20の異常を車両に搭載される機器に通知することができる。
【0034】
そして、ROM27またはRAM28に異常を検出する制御部25に異常が発生した場合、制御部25の異常を検知する異常検出部26を設けることにより、制御部25が異常の場合でも、確実に異常信号としてのブレーク信号を出力することができる。
【0035】
また、通信インターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を通信部23から車両に搭載されるカーナビゲーション装置30に送信することにより、通信インターフェースの仕様に関係なく確実にETC車載装置20の異常を通知することができる。
【0036】
さらに、異常または故障の状態を通知するLED31またはブザー32の駆動信号にブレーク信号を用いることにより、新しく駆動信号を生成する必要がないため、回路構成を簡素化することができる。
【0037】
一方、ROM27の異常検出において、正常と判断された場合、次のRAM28の異常検出が開始される。
【0038】
RAM28の異常検出は、制御部25に格納される初期起動プログラムにより実行される。制御部25は、RAM28のデータ領域の先頭番地から終了番地まで所定のデータを書き込んだ後、再び書き込んだデータを読み出し(S20)、書き込み前後でのデータを比較し(S21)、この比較した結果が一致すれば、正常と判断し、次の制御部25の異常検出が実行される(S30)。そして比較した結果が不一致の場合は、異常と判断し、異常検出部26に異常を通知する(S22)。
【0039】
そして、制御部25は、通信部23を介してブレーク信号を出力すると共にブレーク信号を用いてLED31の点灯また点滅、ブザー32を駆動して周囲に異常を通知する(S22)。しかし何らかの異常により、制御部25が通信部23を介して車両に搭載されるカーナビゲーション装置30にブレーク信号を出力することができない場合やLED31またはブザー32を駆動することができない場合(S23)、異常検出部26は、制御部25に代わって、通信部23を介して異常信号としてのブレーク信号をカーナビゲーション装置30に通知およびLED31またはブザー32を駆動した後(S24)、本体制御プログラムの起動を中止し、異常検出の動作を完了する(S25)。そしてブレーク信号がカーナビゲーション装置30に入力されると、液晶画面(図示せず)上に文字などを表示し、周囲に通知する。
【0040】
なお、チェックサムにおける総計は、1の補数演算を用いてもよい。またブレーク信号は、連続的に一定周期のHigtレベルとLowレベルの交互に変化させた信号である。例えば、制御部25は、ROM27の異常を検出すると、異常検出部26に異常と通知するため、通知後、タイマー機能により制御部25がブレーク信号を出力できないか検知することができる
【0041】
次に、RAM28の異常検出において、正常と判断された場合、次の制御部25の異常検出が開始される。
【0042】
制御部25の異常検出において、制御部25の内部の初期起動プログラムに含まれる自己診断プログラムに従って、各機能を擬似的に操作し(S30)、その操作結果を解析してその機能が正しく動作しているかを判断し(S31)、正常と判断した場合、本体制御プログラムを起動してETC制御を開始する(S40)。
【0043】
一方、制御部25が異常と判断された場合は、異常検出部26に異常を通知する。そして、制御部25は、通信部23を介してブレーク信号を出力すると共にブレーク信号を用いてLED31の点灯または点滅、ブザー32を駆動して周囲に通知する(S32)。しかし何らかの異常により、制御部25が通信部23を介して車両に搭載されるカーナビゲーション装置30にブレーク信号を出力できない場合やLED31またはブザー32を駆動できない場合(S33)、異常検出部26は、制御部25に代わって、通信部23を介して異常信号としてのブレーク信号をカーナビゲーション装置30に通知およびLED31またはブザー32を駆動した後(S34)、本体制御プログラムの起動を中止し、異常検出の動作を完了する(S35)。そしてブレーク信号がカーナビゲーション装置30に入力されると、液晶画面(図示せず)上に文字などを表示し、周囲に通知する。
【0044】
ここで、異常検出部26は、制御部25からブレーク信号が出力されるかを監視し、例えば所定の時間内に出力されない場合、通信部23を介して異常信号としてのブレーク信号をカーナビゲーション装置30に通知することができる。なおROM27、RAM28および制御部25の異常検出に関する順序は、これに限定するものでない。
【0045】
また、制御部25は、通信部23と車両に搭載されるカーナビゲーション装置30との接続に関係なく、ROM27、RAM28または制御部自体の異常が検出された場合、ブーク信号を用いてLED31の点灯、点滅またはブザー32を駆動して周辺に異常を通知すると共に本体制御プログラムの起動を中止し、異常検出の動作を完了する。なお、ブレーク信号は、連続的に一定周期のHigtレベルとLowレベルの交互に変化させた信号である。
【0046】
以上の構成により、車両の運転時またはETCカードの使用前にETC車載装置の異常を車両に搭載される機器に通知することができ、故障または異常の検出、通知を2重の検出および通知手段を設け、通信部23から車両に搭載されるナビゲーション装置30などに通信インターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を出力することにより、車載内に備えられた他の機器に確実且つ正確に故障または異常が通知することができる自動料金収受車載装置およびそれを用いた車載システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態における車載システムの概略構成を示すブロック図
【図2】本発明の異常検出の動作を示すフローチャート
【図3】従来のETC車載装置の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0048】
20 ETC車載装置
22 無線部
23 通信部
24 ETCカードインターフェース部
25 制御部
26 異常検出部
27 ROM
28 RAM
29 ETCカード
30 カーナビゲーション装置
31 LED
32 ブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側機などの外部機器との無線通信により料金の授受を制御する自動料金収受車載装置において、
前記路側機の外部機器との間で無線通信する無線手段と、
着脱可能な情報記憶媒体の情報の授受を制御する記憶媒体インターフェース手段と、
ファームウェアを含むプログラムを記憶するROMと自動料金収受に関するデータを記憶するRAMとを備え、
自動料金収受を制御すると共に前記ROMおよびRAMの異常を検出する制御手段と、
この制御手段の異常を検出する異常検出手段と、
車両に搭載されるカーナビゲーション装置に接続して前記異常を通知する通信手段と、
を備えた自動料金収受車載装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ROMまたはRAMの異常を検出した場合、前記車両に搭載される機器とのインターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を出力する請求項1に記載の自動料金収受車載装置。
【請求項3】
前記異常検出手段は、前記制御手段の異常を検出した場合、前記車両に搭載される機器とのインターフェース仕様の整合が不要なブレーク信号を出力する請求項1または2のいずれかに記載の自動料金収受車載装置。
【請求項4】
前記ROM、RAMまたは制御手段の異常の検出は、電源ON時または前記情報記憶媒体の装着時に実行される請求項1から3のいずれかに記載の自動料金収受車載装置。
【請求項5】
前記ROMは、前記制御手段の少なくとも1つのポートから異常通知信号を出力する初期起動プログラムを格納する請求項1から4のいずれかに記載の自動料金収受車載装置。
【請求項6】
前記ブレーク信号をLEDまたはブザーの駆動信号とする請求項2または3のいずれかに記載の自動料金収受車載装置。
【請求項7】
路側機などの外部機器との無線通信により料金の授受を制御する自動料金収受車載装置と前記車両に搭載されるカーナビゲーション装置とが接続された車載システムにおいて、
前記ROMまたはRAMの異常を検出する前記制御手段と該制御手段の異常を検出する前記異常検出手段とを備え、前記制御手段または異常検出手段が異常を検出した場合、前記ナビゲーション装置との通信インターフェースの整合が不要なブレーク信号を出力する自動料金収受車載装置と、
前記ブレーク信号の入力により、音または液晶画面上の表示で周囲に通知する前記ナビゲーション装置とを含む車載システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−37499(P2009−37499A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202434(P2007−202434)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】