説明

自動車における防汚体

【課題】本発明は、確実にドアの下端外側部分の汚れを防止することができる自動車における防汚体を提供することを課題とする。
【構成】本発明は上記のような課題を解決するために、自動車のドアの下部外側面に、又はドアの乗降口に臨むサイドシルの外側面に衣服の汚れを防ぐ防汚体を設けたことであり、また、防汚体がシート部と該シート部の一端側に設けられた取付部とから構成され、且つシート部の他端側又は他端側近傍には、自動車のドアの下部外側面又はドアの乗降口に臨むサイドシルに沿ってシート部を装着する装着体が設けられていることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のドア下側、ドアの乗降口に臨むサイドシルに用いて自動車の乗降時における衣服の汚れを防汚する自動車における防汚体に関する。
【背景技術】
【0002】
雨・雪の日、道路事情、又は対向車等により、自動車を走行するとドアの外側下側面、及びドアの乗降口に臨むサイドシルには、泥や泥水が付着することがあり、このため乗降時において該泥等で衣服が汚損することが多く発生する。
【0003】
このような衣服の汚損は、従来は、乗降に際し、ドアの外側下側面、及びドアの乗降口に臨むサイドシルに付着した泥や泥水を予め拭き取るか、泥や泥水が付着しないように、乗降していた。
【0004】
しかしながら、スラックスや長めスカート等の場合泥や泥水が付着し易く、対策が必要であった。そこで、ドアの外側下側面の場合は、合成樹脂で構成された透明なカバー材をドアの下端部に取り付けることで、該カバー材に泥や泥水を付着させ、ドアの外側下側面部分を保護し、乗降時に泥や泥水が付着しないようにすることが考えられた(参照文献1)。
【特許文献1】特開2001−213358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記、カバー材はドアの下端部分に略U字上の取付部を嵌入して取り付け、カバー材をドアの外側下側面に臨出させているだけであるために、自動車の走行時に風がカバー材にあたりドアの下端部分と衝突し、ドアの下端部分を傷つけたり、又はカバー材が捲れて泥や泥水が直接ドアの下端部分に付着する等して、本来の機能を果たせないという問題点があった。
【0006】
また、ドアの乗降口に臨むサイドシルがある場合には、カバー材では、十分な被覆ができないという欠点があった。
【0007】
さらに、大きな欠点は、カバー材はドアの下端部分に取り付けるために、ドアの下端部分と車体との間に一定の隙間が必要であるが、近年の自動車においては、前期隙間が十分でないという欠点があった。
【0008】
そこで、本発明は、確実にドアの下端外側部分の汚れを防止することができる自動車における防汚体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記のような課題を解決するために、自動車のドアの下部外側面に、又はドアの乗降口に臨むサイドシルの外側面に衣服の汚れを防ぐ防汚体を設けたことを特徴とする。
【0010】
また、防汚体がシート部と該シート部の一端側に設けられた取付部とから構成され、且つシート部の他端側又は他端側近傍には、自動車のドアの下部外側面又はドアの乗降口に臨むサイドシルに沿ってシート部を装着する装着体が設けられていることである。
【0011】
また、取付部が、ドアの内側、又はドアの下端部に着脱自在に形成されていることである。
【作用、及び効果】
【0012】
本発明は、自動車のドアの下部外側面に、又はドアの乗降口に臨むサイドシルの外側面に、防汚体を設けることで、泥、泥水等が直接自動車のドアの下部外側面、又はドアのサイドシルに装着することを防止することができる。
【0013】
この際、防汚体の取付部をドアの下端内側又はドアの下端外側に取り付け、シート部を自動車のドアの下部外側面又はドアの乗降口に臨むサイドシルに応じて臨出し、装着体でドアの下部外側面、又はドアのサイドシルの形状に応じて密着する。これにより、自動車の走行中にシート部がドアの下部外側面等より離反することがない。
【0014】
また、取付部が、ドアの内側、又はドアの下端部に着脱自在に形成されているために、雨、雪の日等の必要な場合のみ容易に防汚体を装着することができる。
【0015】
このように、本発明の防汚体は、従来にない利用価値を有するとともに、その取り付けが容易である。
【0016】
また、自動車の走行中に防汚体のシート部がドアの下部外側面、又はドアのサイドシルより離反することがないので、確実に汚れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態・実施例】
【0017】
以下、本発明の自動車の防汚体の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の自動車の防汚体を示す概略斜視図であり、図2はドアの下端内側に防汚体を装着した状態を示す概略断面図であり、図3はドアの下端外側に自動車に防汚体を装着した状態を示す概略断面図であり、図4はドアのサイドシルに装着した状態を示す概略断面図である。
【0018】
本発明の防汚体1は、自動車10のドア11のの下部側面12を覆うシート部2と、該シート部2の一端側に設けられた弾性変形可能な取付部3とから構成されている。
【0019】
前記シート部2は、自動車10のドア11の下部側面12の形状に沿って変形すべく軟質の樹脂材で構成され、シート部2の他端側にはドア11の下部側面12に密着状態を維持すべく装着体4としての複数の磁石が含有されている。尚、装着体4の磁石は、シート部2と別体に形成されてもよく、また、磁石の代わりに吸盤体でドア11の下部側側面12にシート部2を密着することも可能である。また、装着体4はドア11との密着力において前記取付部3に比し弱い力(走行時にシート部2を下部側面12に密着させてシート部2が風圧を受けなければいい程度の力)であるために、ドア11開閉時は下部側面12より容易に離反する構成である。
【0020】
前記取付部3は、ドア11の下端部分が金属で構成されているために磁石を用いる場合が、最も利用価値が高いが、本発明において取付部3は磁石に限定されるものでなく、例えば、着脱自在なテープ等で装着するように構成してもよい。要は既存の自動車のドア11に取り付けが可能であればその材質は特に限定されるものでない。
【0021】
本発明の防汚体1は上記のように構成されている。
次に、防汚体1を用いて泥や泥水を避ける場合について説明する。
【0022】
先ず、雨や雪の日等の道路事情の悪い日は、自動車を走行する前に防汚体1の取付部3を自動車10のドア11の車内側下部に取り付け、シート部2をドア11の下部側面12(車外)に沿って変形させながら装着体4で密着させる。
【0023】
この状態で、自動車10を走行すると、道路上又は対向車のハネ上げた泥や泥水は、防汚体1のシート部2の上に付着することとなり、直接ドア11の下部側側面12に付着することがない。
【0024】
次に、自動車10を停止し、ドア11を開けると、ドア11とともにシート部2がドア11の下部側面12より離反する。このため、自動車10より降りる際(又は乗る際)従来のようなドア11の下部側面12で服が汚れることなく降りることができる。
【0025】
また、使用しない場合は、簡単に取り外してシート部2を巻回して車内に収納することができ、収納の場所をとらない。
【0026】
尚、上記実施例では、ドア11の下部側面12に防汚体1を装着したが、本発明の防汚体1の使用はこれに限定されるものでなく、例えば、ドアのサイドシルに使用する場合は、サイドシルの形状に応じてシート部2を変形させながら装着体4で密着させることも可能である。
【0027】
又、上記実施例では、泥や泥水はシート部2に付着したが、シート部2の表面に撥水加工を施すことにより、泥や泥水をシート部2で弾くことで、付着を阻止することも可能である。
【0028】
又、上記実施例では、ドア11の下部側面12に防汚体1を装着したが、本発明の防汚体1の使用はこれに限定されるものでなく、例えば、自動車10製造時にドア11と防汚体1とを一体的に形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】は、本発明の第1の実施形態の自動車の防汚体を示す概略斜視図。
【図2】は、ドアの下端内側に防汚体を装着した状態を示す概略断面図。
【図3】は、ドアの下端内側に防汚体を装着した状態を示す概略断面図。
【図4】は、ドアのサイドシルに装着した状態を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0030】
1…防汚体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のドアの下部外側面に、又はドアの乗降口に臨むサイドシルの外側面に衣服の汚れを防ぐ防汚体を設けたことを特徴とする自動車における防汚体。
【請求項2】
前記防汚体がシート部と該シート部の一端側に設けられた取付部とから構成され、且つシート部の他端側又は他端側近傍には、自動車のドアの下部外側面又はドアの乗降口に臨むサイドシルに沿ってシート部を装着する装着体が設けられている請求項1に記載の自動車における防汚体。
【請求項3】
前記取付部が、ドアの内側、又はドアの下端部に着脱自在に形成されている請求項2又は3に記載の自動車における防汚体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate