説明

自動車用のシートクッション構造

【課題】サイドサポートの剛性分布を適切に行うという簡単な手法によって、ホールド性と乗降性とを共に高い次元で満足できるようにする。
【解決手段】シートクッション1の着座面11の側方に、着座面11よりも高くなるように上方に突出されたサイドサポート12が設けられる。サイドサポート12の上部には、着座面11からシート幅方向外側に伸びる低剛性部21が設けられると共に、低剛性部21と着座面11との連結部位よりも前方において、乗員脚部の側方移動を規制する高剛性部22が設けられる。高剛性部22の少なくとも後部が、低剛性部21の前部に対して、シート幅方向内側に偏って配設さる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用のシートクッション構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用のシートクッションにおいては、着座面の側方に、着座面よりも高くなるように上方へ突出されたサイドサポートを有することが多い。このサイドサポートは、カーブを走行する際に乗員に作用する遠心力を受け止めて、乗員姿勢を安定させる上で重要となる。
【0003】
特許文献1には、シートを発泡樹脂で形成する場合に、凸部と溝部とを設けることにより、部分的に低剛性部分を形成することが開示され、サイドサポートを低剛性とすることも開示されている(第12図)。特許文献2には、サイドサポートを全体的に高剛性部とすることや、サイドサポートのうちシート幅方向外側のみを全体的に高剛性部とすることが開示されている。
【0004】
特許文献3には、サイドサポート内に、上下方向に移動可能でかつスプリングによって上方へ付勢された保持部材を設けて、上方からの押圧力を受けたときに保持部材が下方へ移動できるようにして、走行中はサイドサポートによる十分な乗員保持作用を得つつ、乗員がシートから降りる際にサイドサポートが極力邪魔にならないようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−078142号公報
【特許文献2】特開2008−237345号公報
【特許文献3】特開2007−111121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、サイドサポートは、その剛性が高いほど、ホールド性を高める(乗員が横方向に移動するのを規制する保持作用)上で好ましい一方、サイドサポートの剛性が高いということは、乗員のシートに対する乗降性が悪化することになる。このホールド性と乗降性との両方を高い次元で満足させるために、特許文献3に示すような可動機構を採択することは、サイドサポート部分の構造が複雑になり、好ましくないものである。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、サイドサポートの剛性分布を適切に行うという簡単な手法によって、ホールド性と乗降性とを共に高い次元で満足できるような自動車用のシートクッション構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
シート側方に乗員移動スペースが設けられた自動車用のシートクッション構造であって、
着座面側方に該着座面よりも高くなるように上方に突出されたサイドサポートが設けられ、
前記サイドサポートの上部には、前記着座面からシート幅方向外側に伸びる低剛性部が設けられると共に、該低剛性部と前記着座面との連結部位よりも前方において乗員脚部の側方移動を規制する高剛性部が設けられ、
前記高剛性部の少なくとも後部が、前記低剛性部の前部に対して、シート幅方向内側に偏って配設されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、サイドサポートの前部は高剛性部となっているので、着座面に着座している乗員の膝付近をしっかりと受け止めて、つまり乗員の腰や尻から離れているために大きなモーメントが得られる膝付近でもって遠心力を受け止めて、
十分なホールド性を確保することができる。また、降りる際には、乗員の脚部からの荷重(特に太腿からの荷重)を受ける低剛性部が十分に下方へ変形して、脚部を大きく上方へ持ち上げることなくサイドサポートを跨いで降りることができる。さらに、剛性分布の設定でよいので、構造も簡単であり、しかも余分な重量増加を防止する等の上でも好ましいものとなる。なお、サイドサポートの後部は低剛性であるものの、乗員の腰付近をサポートするので、腰のホールド性も確保される。
【0009】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記高剛性部は、前記低剛性部との前後方向重複部位において、前部が後部よりも幅広とされている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、高剛性部の前部はシート幅方向に広く頑強になるので、脚部前部の左右方向への踏ん張り感(ホールド性)を効果的に向上させる上で好ましいものとなる。また、高剛性部の後部はシート幅方向に細くて、その分、低剛性部の幅を増大させることができるので、乗降性を十分に確保する上で好ましいものとなる。
【0010】
前記高剛性部は、側面視で、前記低剛性部との重複部位において、その稜線が前部よりも後部の方が低くされている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、サイドサポートの前部ほど高剛性部を高くして、脚部のシート幅方向のホールド性を高めつつ、サイドサポート上面に沿って脚部を後方につまり低剛性部に向けて円滑に誘導でき、ホールド性と乗降性をより高い次元で満足さえる上で好ましいものとなる。特に、フロントピラーの傾斜が大きい自家用車の前席用である場合に、乗員の頭部がフロントピラーと干渉しないように大股開きの姿勢に乗員を誘導でき、乗降性向上の上で極めて好ましいものとなる。
【0011】
前記高剛性部と低剛性部とはそれぞれ、発泡率が高いほど柔軟になる発泡樹脂で形成され、
前記低剛性部は、前記高剛性部よりも高い発泡率とされている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、発泡率の異なる発泡樹脂を用いることによって、簡単に高剛性部と低剛性部とを形成することができる。また、低剛性部の発泡率が高いということは、その分材料を節約でき、重量軽減の上でも好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、サイドサポートの剛性分布を適切にすることにより、ホールド性と乗降性とを共に高い次元で満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明が適用されたシートを側方から見た側面図。
【図2】図1のシートを、シートフレームを除外して上方から見た平面図。
【図3】図2の状態からシートバックを除外した状態を示す図。
【図4】図3のX4−X4線相当断面図。
【図5】図3のX5−X5線相当断面図。
【図6】図7のX6−X6線相当での断面状態において、降車時の乗員の足先が路面に付いた直後の状態を示す図。
【図7】図6の状態の乗員を、側方開口部の外側から見たときの側面図。
【図8】図7の状態から降車が進行して、乗員の上半身が乗降用開口部から外部へ出た状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1、図2において、Sはシートで、このシートSは、小型自動車となる自家用車の前席用のシートであって、実施形態では左ハンドル車用の運転席シートとされている。シートSは、シートクッション1と、シートバック2と、ヘッドレスト3とを有する。シートクッション1とシートバック2とは、シートフレーム4を介して連結され、シートバック2の揺動位置がダイアル5によって調整される。
【0015】
図1〜図3に示すように、シートクッション1は、着座面11の側方において、着座面11よりも高くなるように上方へ伸びる左右一対のサイドサポート12を有する。シートクッション1は、後述するように、全体的に発泡樹脂を発泡させることにより形成されている。なお、シートクッション1は、その成型時に表皮材と一体化される。
【0016】
シートSのシート幅方向のうち、左方向が、乗員移動スペースとなる自動車の側方開口部に臨む方向となり、この側方開口部が図6〜図8において符合Kで示される。そして、シートクッション1の剛性は、着座面11(を含む着座体)が全体的に低剛性とされると共に、側方開口部側となる左側のサイドサポート12が後述するように部分的に低剛性とされ、その他の部分は高剛性とされている。
【0017】
左右一対のサイドサポート12は、図1から明かなように、後方から前方に向けて、徐々に高くなり、その前部付近でもっとも高い最高位置αとなった後、徐々に低くなるように設定されている。そして、サイドサポート12のシート幅方向もっとも高い位置を前後方向に連ねた稜線が、符合βで示される。
【0018】
側方開口部K側に臨む左側のサイドサポート12の上部は、最高位置αよりも若干前方位置から後方に渡って、低剛性部21とされている。左側のサイドサポート12のうち低剛性部21の前方および後方は高剛性部とされており、左側のサイドサポート12における高剛性部が符合22で示される。なお、右側のサイドサポート12は、全体的に高剛性部とされている。
【0019】
低剛性部21の設定について詳細に説明すると、図1〜図3に示す上面視において、低剛性部21の後端縁が符合γで示され、低剛性部21のシート幅方向内端縁が符合δで示される。後端縁γの前後方向位置は、着座面1に着座された乗員の尻とシート幅方向において重なる位置とされ、かつシートバック2(の下端位置)よりも前方とされる。このように、後端縁γの後方にもサイドサポート12が位置するように設定されている。
【0020】
低剛性部21は、その前後方向長さが、例えば250〜300mm程度に設定され、またその後部は、前後方向所定長さ(例えば100mm程度)に渡って、サイドサポート12のシート幅方向全長に渡って存在するように設定されている(図5参照)。低剛性部21の内縁部δのうち、サイドサポート12のシート幅方向全長に渡って当該低剛性部21が存在する部分がδ1で示され、このδ1部分でもって着座面11に連なっている。
【0021】
内縁部δは、前記δ1の前端から前方に向かうにつれて、徐々にシート幅方向外側に向かうように傾斜され、この傾斜した部分がδ2で示される。そして、内縁部δ(δ2)の前端から前方は、低剛性部21が存在しない高剛性部22とされている。
【0022】
内縁部δの設定から明かなように、サイドサポート12の高剛性部22は、その後部においては低剛性部21とシート幅方向に重なるように存在することになる。この重なり部分(δ2で示す部分)において、高剛性部22の前部は後部よりも幅広になる。そして、この重なり部分の範囲の前端部付近において、サイドサポート12の最高位置αが存在する。
【0023】
次に、図6〜図8を参照しつつ、シートSの周囲構造について説明する。まず、図6において、31はサイドシル、32はフロアパネル、33はトンネル部、34は側方開口部Kの前縁部から上縁部に渡って位置するフロントピラーである。シートSは、サイドシル31とトンネル部33との間において、フロアパネル32上に設置される。そして、サイドシル31の上方でシートSの左側方に、乗員移動スペースとしての側方開口部Kが形成されている。
【0024】
上述したようなシートクッション1の形成に際しては、例えば、発泡率が高いほど柔らかくなる発泡樹脂を用いて、次のようにして行うことができる。まず、成形型内に、表皮材をあらかじめ設定すると共に、低剛性部21に相当する部分と他の部分とを仕切る仕切部材を介在させておく。この状態で、高発泡率の発泡樹脂を低剛性部21に相当する部分に注入し、他の部分に低発泡率の発泡樹脂を注入すれば、前述したような部分的に低剛性部21を有するシートクッション1が形成される。発泡樹脂としては、例えば、ウレタンや汎用ゴム(例えばブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム)を用いることができる。なお、上記のように2液発泡成形品とした場合は、成形の際に仕切が少なくてすみ、生産性向上の上でも好ましいものとなる。
【0025】
以上のような構成において、ホールド性と乗降性とに着目して、シートSの作用について説明する。まず、着座面11に乗員が着座した状態では、その脚部の左右側方にそれぞれサイドサポート12が位置することになる。右方側のサイドサポート12については、全体的に高剛性とされているので、十分なホールド性が確保される。また、右方側からは乗降しないので、右方側のサイドサポート12が全体的に高剛性であっても、乗降性の問題は生じない。
【0026】
乗降側となる左側のサイドサポート12に着目すると、まず、サイドサポート12の前部は高剛性部22となっているので、つまり着座面11に着座している乗員の腰や尻から大きく離間した膝付近をしっかりとサポートするので、左脚部が遠心力を受けて左方へ移動することがしっかりと規制され、十分なホールド性が確保される。とりわけ、サイドサポート12によるサポート力が同じであっても、乗員の腰から大きく離間した位置ほど大きなモーメントが得られて、サポート性を高めることができ、乗員の姿勢安定の上で好ましいものとなる。
【0027】
高剛性部22と低剛性部21とがシート幅方向に重なる範囲において、高剛性部22が前方に向かうにつれて幅広くなっているので、この重なり部分を全て低剛性部21とした場合に比して、脚部をより十分にサポートすることができる。また、サイドサポート12のうち低剛性部21の後方部分も高剛性となっているので、乗員の腰部もしっかりとサポートされることになる。このように、乗員移動スペース側となる左側のサイドサポート12のホールド性は十分に確保されることになる。
【0028】
次に、図6〜図8を参照しつつ、左側のサイドサポート12と乗降性との点に着目して説明する。まず、図6において、HPはヒップポイントを示す、HPXは、シートSから降りようとする乗員Jの外骨回転中心を示し、符合Hは、外骨回転中心HPXの高さ位置を通る水平線を示す。
【0029】
以上のことを前提として、着座面11に着座している乗員Jは、その脚部を外骨回転中心HPXを中心にして大きく左方側へ開くようにする。このとき、乗員Jの脚部の荷重を受けて、低剛性部21が下方へ容易に変形して、乗員Jは、大きく脚部を上方へ持ち上げることなく、その足先を路面に接地させることができ、この足先接地直後の状態が図6、図7実線で示される。低剛性部21が下方へ変形することから、図6に示すように、乗員Jの膝と外骨回転中心HPXとを結ぶ線εが水平線Hとなすサイ角(Thigh angle)θがほぼ水平状態でもって足先を路面に接地させることができる。この後、乗員Jは、路面に接地された足先に体重をあずけた安定状態で、頭部を若干かがめつつ上半身を側方開口部Kをくぐるようにして降車する。乗員Jは、降車の際に、脚部を大きく上方へ持ち上げる必要がないこと、これに伴って上半身をかなり大きく起こす必要がないことから、脚部がサイドシル31と干渉したり、頭部がフロントピラー34と干渉したりすることなく、降車することができる(良好な降車性の確保)。乗車の場合はこの逆で、良好な乗車性が確保される。
【0030】
以上に加えて、サイドサポート12の最高位置αが存在する範囲でもって、低剛性部21と高剛性部とがシート幅方向に重なっていることから、高剛性部の変形しずらいことに起因して、降車する際に外側へ開いた乗員Jの脚部は、最高位置αから後方へとつまりシート幅方向に長く低剛性部21が存在する後方へと誘導されて、低剛性部21の十分な下方への変形を利用した降車性の向上機能がより効果的に発揮されることになる。また、上記のような誘導は、外骨回転中心HPXを中心として脚部を大きく外方側へ開くことをもより積極的に促して、この点においてもより降車性が向上されることになる。
【0031】
サイドサポート12に低剛性部21が存在しない場合は、サイドサポート12が脚部の荷重を受けても下方へほとんど変形しないことから、サイドサポート12を乗り越えるように脚部を大きく上方へ持ち上げて降車する必要がある。この場合、図6一破線あるいは図7一点鎖線で示すように、上半身を低い位置に保ったまま足先を路面に接地させることが難しく、このため、乗員Jは、上半身をかなり大きく起こしつつ、足先を路面に接地させて降車せざるを得ないことになる(図8破線参照)。この場合、途中で脚部がサイドシル31に干渉したり、上半身をかなり大きく起こすことから頭部とフロントピラー34との干渉が生じやすく、乗降性の極めて悪いものになってしまう。乗車の際にもこのような問題を生じてしまうことになり、乗車性も悪いものとなる。
【0032】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。左右のサイドサポート12についてそれぞれ低剛性部21を形成するようにしてもよい。もっとも、実施形態のように、乗員移動スペース側に位置する一方のサイドサポートのみに低剛性部を形成することにより、成形型を極力簡単化する上で好ましいものとなる。自動車は、例えばバス車両のように乗員移動スペースとしての中央通路を有するものであってもよく、この場合は、中央通路側に臨むシートのサイドサポートのうち少なくとも中央通路側に臨むサイドサポートについて低剛性部21を形成すればよい。
【0033】
低剛性部21は、サイドサポート12の上下方向全長に渡って存在しないものであってもよく、例えば、サイドサポート12の上面から下方へ所定長さ(例えば上面から2〜4cm)のみ存在して、このような低剛性部の下方に高剛性部が位置するものであってもよい。また、低剛性部21は、サイドサポート12の前端まで設けられていてもよく、または後端まで設けられていてもよく、前後方向全体に渡って設けられていてもよい。特に、低剛性部21内に高剛性部22を埋設した構造であってもよく、この場合、低剛性部21内における高剛性部22の幅方向の位置や範囲、高さ位置や高さ範囲を前後方向において相違させる等によって、実施形態で説明した低剛性部21の設定と同様の効果を期待することができる。この場合、サイドサポート表面もクッション性がよく、フィット感が向上されたものとする上で好ましいものとなる。
【0034】
低剛性部21の形成は、発泡樹脂を利用する場合に限らないもので、例えばエアクッションを利用して構成したり、下方への荷重を受けて下方へ変位する部材を内蔵させる等、適宜の手法を採択できる。着座面11を含むシートクッションの着座体とサイドサポート12の低剛性部21と高剛性部22との3つの部位の剛性を互いに相違させるようにしてもよい(例えば3液式発泡成形品)。この場合、剛性の設定を、高剛性部22>低剛性部21>着座体とすることにより(「>の左辺側」が「>の右辺側」よりも高剛性ということ)、柔らかい座り心地で腰のホールド性が良いものとなる。また、高剛性部22>着座体>低剛性部21とすることにより、低剛性部21が腰(尻)にフィットしやすいので、左右の幅を狭くすることができ、体格差(尻の大小の差)による座り心地やホールド感の差を低減することができ、また乗降性の良いものとなる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、自動車用のシートクッション構造として好適である。
【符号の説明】
【0036】
1:シートクッション
2:シートバック
11:着座面
12:サイドサポート
21:低剛性部
22:高剛性部
α:最高位置
β:サイドサポートの稜線
γ:低剛性部の後端縁
δ:低剛性部の内端縁
δ1:内端縁の後部
δ2:内端縁の前部
S:シート
J:乗員
K:側方開口部(乗員移動スペース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート側方に乗員移動スペースが設けられた自動車用のシートクッション構造であって、
着座面側方に該着座面よりも高くなるように上方に突出されたサイドサポートが設けられ、
前記サイドサポートの上部には、前記着座面からシート幅方向外側に伸びる低剛性部が設けられると共に、該低剛性部と前記着座面との連結部位よりも前方において乗員脚部の側方移動を規制する高剛性部が設けられ、
前記高剛性部の少なくとも後部が、前記低剛性部の前部に対して、シート幅方向内側に偏って配設されている、
ことを特徴とする自動車用のシートクッション構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記高剛性部は、前記低剛性部との前後方向重複部位において、前部が後部よりも幅広とされている、ことを特徴とする自動車用のシートクッション構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記高剛性部は、側面視で、前記低剛性部との重複部位において、その稜線が前部よりも後部の方が低くされている、ことを特徴とする自動車の側部構造。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記高剛性部と低剛性部とはそれぞれ、発泡率が高いほど柔軟になる発泡樹脂で形成され、
前記低剛性部は、前記高剛性部よりも高い発泡率とされている、
ことを特徴とする自動車用のシートクッション構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−60176(P2013−60176A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201588(P2011−201588)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】