説明

自動車用コンソールボックス

【課題】自動車用コンソールボックスの操作性を向上すること。
【解決手段】上方に開口した有底状の容器12と、該容器12の開口部12aを開閉するコンソールドア16、18とを有した自動車用コンソールボックス10において、コンソールドアは、該コンソールボックスを搭載する自動車の前後方向に容器に対してスライド自在に設けられた前側コンソールドア16と、後側コンソールドア18とを具備し、コンソールボックス10が、前側コンソールドア16および後側コンソールドア18のスライド動作を連動させる連動機構20、22を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用コンソールボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
コンソールボックスは、一般的に、自動車の運転席と助手席との間に自動車の中央部分に配置され、上方に開口した有底状の容器と、該容器の開口部を閉じるコンソールドアを有している。これまで、様々な形式のコンソールドアを有したコンソールボックスが提案されてきており、コンソールボックスの開口部に対して自動車の前後方向にコンソールドアをスライドさせるコンソールボックスがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然しながら、この従来技術によるコンソールボックスでは、例えば、コンソールドアのスライド量が大きく開閉操作が煩わしかったり、或いは、後席乗員が操作する際には、座席から立上がって手を伸して、コンソールボックスの前側に設置されたドア開閉用操作ノブ等を操作する必要があり、煩わしいだけでなく身体への負担も大きく、後席乗員に対するコンソールボックスの操作性が非常に悪くなっている。
【0004】
そこで、本発明は、こうした従来技術の問題点を解決することを技術課題としており、コンソールボックスの操作性を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明は、上方に開口した有底状の容器と、該容器の開口部を開閉するコンソールドアとを有した自動車用コンソールボックスにおいて、前記コンソールドアは、該コンソールボックスを搭載する自動車の前後方向に前側コンソールドアと後側コンソールドアとを具備し、前記コンソールボックスが、前記前側コンソールドアおよび後側コンソールドアのスライド動作を連動させる連動機構を具備することを特徴とするコンソールボックスを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、前後分割式コンソールドアの何れか一方のコンソールドアを開閉することによって、他方も連動して開閉するようにしたので、コンソールボックスの操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
先ず、図1〜6において、本発明の好ましい実施形態によるコンソールボックス10は容器12を具備している。容器12は、底壁、左右側壁、前後端壁より形成された上方に開口した有底状の箱形の容器を具備している。該容器12は、開口部12の部分を除いて、ハウジング14により包囲されている。容器12の開口部12aを開閉するために、シャッター状のコンソールドア16、18が設けられている。ハウジング14には、コンソールドア16、18を収納するコンソールドア収納部44、46が設けられている。
【0008】
コンソールドア16、18は、該コンソールボックス10を搭載する車両の前後方向に延びる軸線Oに沿って容器12およびハウジング14に対してスライド自在となっている。より詳細には、コンソールドア16、18は、コンソールボックス10を搭載する車両の前後方向に対して前側に配置される前側コンソールドア16と、前記車両の前後方向に対して後側に配置される後側コンソールドア18とを具備し、前側コンソールドア16および後側コンソールドア18は、操作溝16a、18aを有している。
【0009】
前側コンソールドア16と後側コンソールドア18は、開放位置と閉鎖位置との間で、容器12に対してスライド自在となっている。開放位置では、前側コンソールドア16および後側コンソールドア18は、コンソールドア収納部44、46内に収納され、容器12の開口部12aが開放される。閉鎖位置では、前側コンソールドア16および後側コンソールドア18は、各々の先端部において、軸線Oに沿って容器12の概ね中央部分で当接し、これによって、開口部12aが閉鎖される。
【0010】
コンソールボックス10は、更に、前側コンソールドア16と後側コンソールドア18とを連動させる、つまり前側コンソールドア16および後側コンソールドア18の動作を同期させる連動機構20、22を具備している。連動機構20、22は、ハウジング14において、軸線Oに平行に延在する側壁14a、14bに取付けられており、外パネル15a、15bによって覆われている。連動機構20、22は実質的に同一の構成を有しているので、以下、その一方の連動機構20のみを説明する。
【0011】
連動機構20は、一対のセクターギア24、26を具備している。セクターギア24、26の各々は、互いに噛合する歯部24a、26aと、腕部24b、26bとを具備し、ハウジング14の側壁14aに対して垂直な回転軸32、34によって、側壁14aに回転自在に取付けられている。セクターギア24、26の各々の腕部24b、26bの先端には、回動ピン36、38を介してリンク部材28、30の一端部が腕部24b、26bに対して回動自在に連結されている。リンク部材28、30の他方の端部は、連結ピン40、42を介して前後コンソールドア16、18の各々の先端部分に連結されている。
【0012】
ここで、特に図5、6を参照すると、ハウジング14の側壁14aには水平に延びるスリット14c、14dが貫通、形成されており、容器12の側壁12bにも対応のスリット12cが貫通形成されている。一方、リンク部材28、30の先端部には、ハウジング14の側壁14aへ向けて突出した軸受部28aが形成されており、連結ピン40、42は、該軸受部28a、30aに回転自在に支持されている。連結ピン40、42は、軸受部28a、30aを超えて、ハウジング14および容器12のスリット14c、12cを通過して、前側コンソールドア16および後側コンソールドア18の各々の先端部分内まで延設され、該先端部分に固定されている。コンソールドア16、18の動作を安定させるために、スリット12c内において容器12と回動ピン40、42との間に摺動子48を取付けてもよい。
【0013】
操作に際しては、前側コンソールドア16および後側コンソールドア18の何れか一方の操作溝16a、18bに指を掛けて、前側コンソールドア16、後側コンソールドア18の一方を操作すれば、他方のコンソールドアも連動機構20、22を介して動作することとなる。すなわち、例えば、閉じているコンソールドア16、18を開く場合には、図7において操作者の手H1で示すように、前側コンソールドア16を前方へスライドさせることによって、連結ピン40およびリンク部材28を介して、セクタギア24が図3、4において反時計回りの方向に回転し、これに係合する他方のセクタギア26が時計回りの方向に回転する。セクタギア26が時計回りの方向に回転すると、リンク部材30および連結ピン42を介して、後側コンソールドア18が容器12に対して後方にスライドする。反対に、図7において操作者の手H2で示すように、後側コンソールドア18を後方へスライドさせても、前側コンソールドア16も同時に前方へスライドする。
【0014】
このように、本実施形態によれば、前側コンソールドア16と後側コンソールドア18の何れか一方を操作することによって、コンソールドア16、18を開閉することが可能となる。これは、特に、自動車の後席の乗客がコンソールボックス10を開閉する場合に、後側コンソールドア18の操作溝18aが容器12の開口部12aの概ね中央部に配置されているために、コンソールボックス10の前端まで手を伸すことなく、コンソールボックス10を開閉可能となるとの有利な効果を奏する。また、コンソールドア16、18を開閉するためのコンソールドアのスライド量または操作量は、容器12の開口部12aの半分の長さとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンソールボックスを上方から見た斜視図である。
【図2】図1のコンソールボックスのドアを開いた状態で示す上方斜視図である。
【図3】図1のコンソールボックスの連動機構を示すために、ハウジングのカバーを取外して示す斜視図である。
【図4】連動機構と共に示す図3の矢視線IV-IVに沿うコンソールボックスの断面図である。
【図5】図3の矢視線V-Vに沿うコンソールボックスの断面図である。
【図6】図6にいおてAで示す部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図7】ドアの操作方法を説明するための図4と同様の断面図である。
【符号の説明】
【0016】
10 コンソールボックス
12 容器
12a 容器の開口部
14 ハウジング
14a ハウジングの側壁
16 前側コンソールドア
16a 前側コンソールドアの操作溝
18 後側コンソールドア
18a 後側コンソールドアの操作溝
20 連動機構
22 連動機構
24 セクタギア
26 セクタギア
28 リンク部材
30 リンク部材
32 セクタギアの回転軸
34 セクタギアの回転軸
36 回動ピン
38 回動ピン
40 連結ピン
42 連結ピン
44 コンソールドア収納部
46 コンソールドア収納部
48 摺動子
O 中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口した有底状の容器と、該容器の開口部を開閉するコンソールドアとを有した自動車用コンソールボックスにおいて、
前記コンソールドアは、該コンソールボックスを搭載する自動車の前後方向に前側コンソールドアと、後側コンソールドアとを具備し、
前記コンソールボックスが、前記前側コンソールドアおよび後側コンソールドアのスライド動作を連動させる連動機構を具備することを特徴とするコンソールボックス。
【請求項2】
前記前側コンソールドアおよび後側コンソールドアは、各々の端部分において、前記自動車の前後方向に前記容器の開口部の中央部で当接可能に設けられている請求項1に記載のコンソールボックス。
【請求項3】
前記前側コンソールドアおよび後側コンソールドアの各々は、前記端部分に隣接させて配置された操作溝を有している請求項2に記載のコンソールボックス。
【請求項4】
前記コンソールボックスは、更に、前記容器の開口部を除いて該容器を包囲するハウジングを具備しており、
前記ハウジングと前記容器との間に、前記前側コンソールドアおよび後側コンソールドアを収納するコンソールドア収納部が設けられている請求項2に記載のコンソールボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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