説明

自動車用コンソール

本発明は、ハウジングを画定するシェル(2)と、ハウジング内でシェル(2)に取り付けられる、シェル(2)の剛性を補強するための補強材(5)からなる、自動車のフレームに取り付けられるべきブラケット(1)に関する。本発明によれば、補強材(5)は、シェル(2)と同じ材料からなり、かつ一体のブラケット(1)全体を形成するためのシェル(2)外での展開位置と、シェル(2)を強化するために同一物がハウジング内に収容された補強位置の間でのその枢動を可能ならしめるフィルムタイプのヒンジ(16)によって後者に連結された少なくとも1つの補強要素(15)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のシャーシへの取り付けに適したコンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
こうしたコンソール(通常はプラスチック製)は、筺体を画定するシェルと、筐体内でシェルに取り付けられ、かつシェルの剛性を補強するよう設計された補強材からなるタイプが知られている。補強材は、シェルとは独立して製造され、通常は溶着によって後者に取り付けられる。こうしたコンソールは、2つの独立部品(シェルと補強材)またはそれ以上(補強材が複数の場合)の製造、およびこれら全部品の組み立てが必要であるため、比較的コスト高である。コストは、コンソール製造に必要な種々のステップの存在、およびこれらステップや部品の管理と関連している。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、上述の欠点を解消することである。
【0004】
本発明によれば、上述のタイプのコンソールにおいて、補強材は、シェルと同じ材料で一体に形成され、かつ一体コンソールの完全性をもたらすために、シェル外での展開位置と、シェルを強化するために筐体内に格納された補強位置の間でのその枢動を可能ならしめるフィルムヒンジによって後者に連結された少なくとも1つの補強要素からなる。
【0005】
したがって本発明によれば、コンソールは、例えば成型によって一工程で作られ、各補強要素は最初からシェルにリンクされている。補強要素とシェルの間の連結はフィルムヒンジによって、すなわち材料を脆弱化した領域によって形成されているため、成型によってコンソールを製造することが可能であり、各補強要素は、コンソールの型からの取り外しを可能とするために、筐体外の位置で成型され、各補強要素はその後、筐体内でその補強位置を占めるように枢動可能である。
【0006】
本発明の他の際立った特徴および利点は、非制限的な例として与えられ、添付の図面に示された実施例の説明において明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明によるコンソールによって覆われるべき場所の斜視図。
【図2】本発明によるコンソールの下から見た斜視図であり、補強要素は展開位置にある。
【図3】図2と同様な図で、補強要素は補強位置にある。
【図4】意図された場所に配置されたコンソールの上面図。
【図5】図4の直線V−Vにおける横断面図。
【図6】図4の直線VI−VIにおける縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図2は自動車のシャーシへの取り付けに適したコンソール1を示す。この例では、ドライバ席と助手席の間での取り付けに適したコンソール1である。
【0009】
コンソール1は、一方で筐体を画定するシェル2を有し、これは本例ではギアチェンジ制御装置3およびハンドブレーキ4の機構を包むのに適しており、他方で筐体内でシェル2に取り付けられ、かつシェル2の剛性を補強するよう設計された補強材5を有する。
【0010】
本実施例では、シェル2は、ドライバ席の横に配置されるのに適したドライバサイドウォール6と、助手席の横に配置されるのに適した乗員サイドウォール7と、自動車の計器パネルの近くに配置されるのに適したフロントサイドウォール8と、リヤサイドウォール9と、物置トレイ11、ハンドブレーキレバー4の通過を許容する第1の通路穴12、ギアチェンジレバーレバー3の通過を許容する第2の通路穴13を有するトップウォール10とからなる。4つのサイドウォール6、7、8、9およびトップウォール10が筐体を画定する。シェル2はさらに、4つのサイドウォール6、7、8、9の下方縁部によって画定され、シャーシ上への設置に適した下方穴14を有する。
【0011】
補強材5は、少なくとも1つの補強要素15(この例では2つの補強要素15)を有し、各補強要素15は、シェル2と同じ材料で一体に形成され、かつフィルムヒンジ16によって後者に連結されている。この例では、2つの補強要素15は、互いに向き合った2つのサイドウォール(この例ではドライバサイドウォール6と乗員サイドウォール7)によって支持され、それら自体も互いに向き合っている。
【0012】
フィルムヒンジ16は、材料を脆弱化した領域によって形成されており、対応する補強要素15を、一体コンソール1の完全性をもたらすこと(具体的にはコンソールがプラスチック製のときは成型によって)を可能とするシェル2外での展開位置(図2参照)と、補強要素6が筐体内に格納されシェル2を強化するように配置される補強位置(図3、5、6参照)の間で枢動可能とする。より詳細には、各フィルムヒンジ16は、対応する補強要素15を対応するサイドウォール6、7の下方縁部に連結する。
【0013】
本実施例では、補強要素15がその補強位置にあるときにコンソール1の剛性を高めるために、シェル2が、そこで補強要素15が固定される(およびこの例では、そこに取り付けられもする)固定構造体17を有する。この固定構造体17は、この例では、筐体を画定するウォール6、7、8、9、10の1つ(この例ではトップウォール10)の内面によって支持された内側ウォール18を有する。この内側ウォール18は、シェル2と同じ材料で一体に形成されている。また剛性を高める目的のために、補強要素15がその補強位置にあるとき、それらはフィルムヒンジ16によって取り付けられているサイドウォール6、7の内面に対して部分的に押し当てられる。したがって、各補強要素15は、シェルを画定するサイドウォール6、7と、この第1のウォール6、7から距離を空けた他のウォール(この例ではトップウォール10によって支持され、かつ2つの補強要素15を支持する2つのサイドウォール6、7の実質的中央に位置する内側ウォール18)との間に機械的リンクをもたらす。
【0014】
より詳しくは、各補強要素15は山括弧の形状を有し、これは一方でフィルムヒンジ16から延びる連結ラグ19を有し、他方で連結ラグ19の自由端から延びる固定ラグ20を有する。本実施例では、2つのラグ19、20が互いに直角を成す。
【0015】
したがって、補強要素15がその補強位置にあるとき、連結ラグ19は、それがフィルムヒンジ17によって連結されているサイドウォール6、7の内面に沿って延びている。同様に、補強要素15がその補強位置にあるとき、固定ラグ20は、固定構造体17の自由端に突き当たっている。この例では、固定ラグ20は、内側ウォール18の自由端に位置する当接面22に突き当たる停止面21を有する。コンソール1の剛性を高めるため、補強要素15がその補強位置にあるとき、固定ラグ20が固定構造体17に取り付けられる(すなわちロックされる)。この例では、固定ラグ20は、内側ウォール18の自由端に配置された対応する固定部材24と相互作用するのに適した固定部材23を有する。詳細には、対応する固定部材24は、固定部材23を形成する固定穴23へのスナップ嵌合に適した、当接面22から突出する弾性的に変形可能な舌部24によって形成されており、舌部24は、対応する穴を通過するのに適したフック形状の自由端を有する。
【0016】
最後に、シェル2の幅の半分よりわずかに小さい固定ラグ20の長さによって補強要素15の動きを防止するため、固定構造体17はその自由端に、固定ラグ20の自由端41がそこへと摩擦を生じながら接触する楔留めリブ40を有する。
【0017】
したがって本実施例では、とりわけ高剛性なコンソール1を容易に製造可能であり、シェル2(内側ウォール18を含む)によって形成された一体の組立体および補強要素15が型から取り外されたあと、内側ウォール18に突き当たってスナップ嵌合するまで、後者が枢動される。
【0018】
さらに、シャーシへのコンソール1の固定(この例では2つのフロントシートの間で)を可能とするために、2つのサイドウォール、ドライバサイドウォール6と乗員サイドウォール7は、ネジを通過可能とする開口25を有し、これはまた、シャーシに形成された(この例ではハンドブレーキケーブルシース用に停止プレート28のラグ27に形成された)対応する開口26も横切る。さらに、剛性を高めるために、コンソール1のシャーシへの連結を可能とするネジは、対応する連結ラグ19によって支持され、補強要素15がその補強位置にあるときに開口25および対応する開口26と一致するさらなる開口29も横切る。
【0019】
最後に、シャーシへのコンソール1の取り付けを容易とするために、各固定ラグ20は固定要素30を有し、これは補強要素15がその補強位置にあるとき、シャーシによって支持された対応する固定要素31と相互作用することに適している。この例では、固定要素30は、対応する固定要素31を形成する固定穴31へのスナップ嵌合に適した、固定ラグ20から突出する弾性的に変形可能な舌部30によって形成されており、舌部30は、停止プレート28に形成された対応する穴を通過するのに適したフック形状の自由端を有する。
【0020】
したがって本実施例では、高剛性なコンソール1を容易に設置可能であり、補強要素15がその補強位置に固定されたあと、コンソール1はシャーシに対して好都合に配置され、後者にスナップ嵌合され(固定要素29によって)、そしてネジ留めされる(開口24およびさらなる開口28を介して)。
【0021】
本発明は本実施例に限定されるものではない。とりわけ、自動車の乗員コンパートメントに通常設置されるいかなるタイプのコンソールにも適用可能であり、中央コンソールのみではない。補強要素の数は変わり得る。補強要素はまた、コンソールのシャーシへの固定を可能とする固定要素を含まないものとでき、等しく異なる構造(互いに直角を成す2つのラグのもの以外)を、そしてとりわけ、ラグを1つのみ有するものとできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のシャーシへの取り付けに適したコンソール(1)であって、筺体を画定するシェル(2)と、前記筐体内で前記シェル(2)に取り付けられ、かつ前記シェル(2)の剛性を補強するよう設計された補強材(5)からなり、前記補強材(5)は、前記シェル(2)と同じ材料で一体に形成され、かつ前記一体コンソール(1)の完全性をもたらすために、前記シェル(2)外での展開位置と、前記シェル(2)を強化するために前記筐体内に格納された補強位置の間でのその枢動を可能ならしめるフィルムヒンジ(16)によって前記シェルに連結された少なくとも1つの補強要素(15)からなることを特徴とするコンソール(1)。
【請求項2】
各補強要素(15)が、前記フィルムヒンジ(16)から延びる連結ラグ(19)と、前記連結ラグ(19)の自由端から延びる固定ラグ(20)を有する山括弧の形状を有することを特徴とする請求項1記載のコンソール(1)。
【請求項3】
各補強要素(15)の連結ラグ(19)が、前記筐体を画定する前記シェル(2)のサイドウォール(6、7)の下方縁部へと対応する前記フィルムヒンジ(16)によって連結されていることを特徴とする請求項2記載のコンソール(1)。
【請求項4】
前記補強要素(15)がその補強位置にあるとき、各補強要素(15)の前記連結ラグ(19)が、それが前記フィルムヒンジ(16)によって連結されている前記サイドウォール(6、7)に沿って延びていることを特徴とする請求項3記載のコンソール(1)。
【請求項5】
各補強要素(15)の前記固定ラグ(20)が、内側ウォール(18)に突き当たる停止面(21)を有し、前記補強要素(15)がその補強位置にあるとき、その内側ウォールが、前記筐体を画定する壁(10)の内面によって支持されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のコンソール(1)。
【請求項6】
各補強要素(15)の前記固定ラグ(20)が、対応する固定部材(24)と相互作用する固定部材(23)を有し、前記補強要素(15)がその補強位置にあるとき、その固定部材が、前記筐体を画定する壁(10)の前記内面によって支持された前記内側ウォール(18)によって支持されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のコンソール(1)。
【請求項7】
前記固定部材(23)が、対応する前記固定部材(24)を形成する弾性的に変形可能な舌部(24)をスナップ嵌合によって受け入れることに適した固定穴(23)によって形成されていることを特徴とする請求項6記載のコンソール(1)。
【請求項8】
各補強要素(15)の前記固定ラグ(20)が、好ましくは弾性的に変形可能な舌部(30)によって形成された固定要素(30)を有し、前記固定要素(30)は好ましくはスナップ嵌合によって、好ましくは穴である対応する固定要素(31)と相互作用することに適しており、この対応する固定要素が、前記補強要素(15)がその補強位置にあるとき、前記シャーシによって支持されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載のコンソール(1)。
【請求項9】
前記コンソール(1)が、ドライバ席と助手席の間での前記シャーシへの取り付けに適しており、前記シェル(2)が、ギアチェンジ制御装置(3)の機構およびハンドブレーキ(4)の機構を包むのに適した前記筐体を画定するドライバサイドウォール(6)と、乗員サイドウォール(7)と、フロントサイドウォール(8)と、リヤサイドウォール(9)と、トップウォール(10)、および4つの前記サイドウォール(6、7、8、9)の下方縁部によって画定された下方穴(14)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンソール(1)。
【請求項10】
互いに向き合った2つのサイドウォール(6、7)によって支持された2つの補強要素(15)を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のコンソール(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−515276(P2011−515276A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501270(P2011−501270)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050005
【国際公開番号】WO2009/118491
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(507308902)ルノー・エス・アー・エス (281)
【Fターム(参考)】