説明

自動車用ドアラッチ装置

【課題】インサイドロック手段が不正にインサイドアンロック状態に切り替えられることを阻止する。
【解決手段】インサイドロック手段は、手動操作部が手動操作されることによりワンモーション作動手段のワンモーション作動を可能にするインサイドアンロック状態と不能にするインサイドロック状態に切り替え可能である。スーパーロック手段は、インサイドロック手段のインサイドロック状態からインサイドアンロック状態への切り替えを可能にするスーパーアンロック状態及びインサイドロック手段のインサイドロック状態からインサイドアンロック状態への切り替えを阻止するスーパーロック状態に切り替え可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ドアラッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動車用ドアラッチ装置においては、ロック機構がロック状態のとき、ドアのインサイドハンドルの操作に基づいて、ロック機構をアンロック状態に切り替え可能な作動、所謂ワンモーション作動が可能であると共に、ロック機構をダブルロック状態とすることで、インサイドハンドルが操作されても、ロック機構がロック状態からアンロック状態に切り替わらないようにして、防盗性の向上を図ったものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されている発明は、ダブルロック状態とするダブルロックレバー及びこのダブルロックレバーと一体的に回動可能な切換レバーを有し、ダブルロックレバーがダブルロック状態とするダブルロック位置にあるとき、切換レバーがインサイドハンドルからロック機構へ伝達される操作力を断つことによって、ロック機構がアンロック状態に切り替わらないようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4164711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されている発明は、モータの駆動によってダブルロックレバーをダブルロック位置に移動させてダブルロック状態とするものであって、手動操作ではダブルロック状態とすることはできないため、手動操作の観点からは利便性は良くない。したがって、手動操作でダブルロック状態に切り替え可能な構成とすることで、手動操作の利便性の向上を図ることができるが、この反面、手動操作部分が不正に操作されてダブルロック状態が解除されてしまう虞があり、防盗性の観点からは好ましいといえない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、ワンモーション作動を可能にするインサイドアンロック状態と不能にするインサイドロック状態に手動操作で切り替え可能な構成にあって、インサイドロック状態が不正にインサイドアンロック状態に切り替えられることを阻止することを、その技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するために本発明における技術的手段は、ドアのアウトサイドハンドルの操作に基づいて、前記ドアを開くことができるアウトサイドアンロック状態と前記ドアを開くことができないアウトサイドロック状態に切り替え可能なアウトサイドロック手段と、前記アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態のとき、前記ドアのインサイドハンドルの操作に基づいて、前記アウトサイドロック手段をアウトサイドロック状態からアウトサイドアンロック状態に切り替えるワンモーション作動を行うワンモーション作動手段と、手動操作部が手動操作されることにより前記ワンモーション作動手段のワンモーション作動を可能にするインサイドアンロック状態と不能にするインサイドロック状態に切り替え可能なインサイドロック手段と、前記インサイドロック手段のインサイドロック状態からインサイドアンロック状態への切り替えを可能にするスーパーアンロック状態及び前記インサイドロック手段のインサイドロック状態からインサイドアンロック状態への切り替えを阻止するスーパーロック状態に切り替え可能なスーパーロック手段とを備える。
【0008】
この技術的手段によれば、インサイドロック手段は手動操作部を手動操作でインサイドロック状態とインサイドアンロック状態に切り替え可能であるため、手動操作の利便性の向上を図ることができる。さらには、スーパーロック手段をスーパーロック状態とすることで、インサイドロック手段のインサイドロック状態からインサイドアンロック状態への切り替えが阻止されるため、インサイドロック手段の手動操作部が外部から不正に操作されても、インサイドロック手段が不正にアンロック状態に切り替えられることを阻止することができる。
【0009】
より好ましくは、前記スーパーロック手段は、モータと、前記モータによりスーパーアンロック状態とするアンロック位置及びスーパーロック状態とするロック位置に移動可能なスーパーロックレバーを含み、前記スーパーロックレバーは、アンロック位置からロック位置に移動することにより前記インサイドロック手段をインサイドアンロック状態からインサイドロック状態へ切り替えてインサイドアンロック状態への切り替えを阻止する。
【0010】
より好ましくは、前記インサイドロック手段は、前記手動操作部が手動操作されることによりアンロック位置及びロック位置に移動可能なインサイドロック操作レバーと、前記インサイドロック操作レバーのアンロック位置からロック位置への移動に連動してインサイドロック状態とするロック位置に移動し、前記インサイドロック操作レバーがロック位置からアンロック位置へ移動することによりスプリングの付勢力によりインサイドロック状態とするロック位置に移動可能なインサイドロック作動レバーとを含み、前記インサイドロック作動レバーは、前記スーパーロックレバーがロック位置にあるとき、前記インサイドロック操作レバーがアンロック位置に移動しても前記スプリングの付勢力に抗してロック位置に保持される。
【0011】
より好ましくは、前記インサイドロック操作レバーは、ロック位置にあるとき、前記インサイド作動レバーに当接することで、前記インサイドロック作動レバーをロック位置に保持する。
【0012】
より好ましくは、前記スーパーロックレバーは、前記ドアのキーシリンダの操作により作動するキーレバーによりロック位置からアンロック位置へ移動する。
【0013】
より好ましくは、前記ワンモーション作動手段は、前記インサイドロック手段がインサイドアンロック状態にあるときのみ前記インサイドハンドルの操作に基づいて作動するサブインサイドレバーに当接することによってワンモーション作動を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、スーパーロック手段がスーパーロック状態のとき、インサイドロック手段のインサイドロック状態からインサイドアンロック状態への切り替えを阻止することにより、インサイドロック手段が不正にインサイドアンロック状態へ切り替えられることを確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係わるドアラッチ装置の斜め後方から見た斜視図である。
【図2】同じくドアラッチ装置の斜め前方から見たケーシング及びカバーを外した状態の斜視図である。
【図3】同じくドアラッチ装置の車外側から見た分解斜視図である。
【図4】同じくドアラッチ装置の車内側から見た分解斜視図である。
【図5】噛合ユニットの内部構造を示す正面図である。
【図6】アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態にあるときの操作ユニットの車内側から見た側面図である。
【図7】アウトサイドロック手段がロック状態、インサイドロック手段がインサイドアンロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態にあるときの操作ユニットの車内側から見た側面図である。
【図8】アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態、インサイドロック手段がインサイドアンロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態にあるときの車内側から見た操作ユニットの要部の側面図である。
【図9】アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態、インサイドロック手段がインサイドアンロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態にあるときの車内側から見た操作ユニットの要部の側面図である。
【図10】アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態、インサイドロック手段がインサイドアンロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態にあるときの車外側から見た操作ユニットの要部の側面図である。
【図11】アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態、インサイドロック手段がインサイドアンロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態にあるときの車内側から見た操作ユニットの要部の側面図である。
【図12】アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態にあるときの車内側から見た操作ユニットの要部の側面図である。
【図13】アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態にあるときの車内側から見た操作ユニットの要部の側面図である。
【図14】アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態、スーパーロック手段がスーパーロック状態にあるときの車内側から見た操作ユニットの要部の側面図である。
【図15】アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態、スーパーロック手段がスーパーロック状態にあるときの車内側から見た操作ユニットの要部の側面図である。
【図16】ワンモーション作動初期段階における車内側から見た要部の側面図である。
【図17】ワンモーション操作完了時における車内側から見た要部の側面図である。
【図18】キーシリンダのアンロック操作時における車内側から見た要部の側面図である。
【図19】パニック状態発生初期段階の車内側から見た要部の側面図である。
【図20】パニック状態発生中の車内側から見た要部の側面図である。
【図21】パニック状態回避状態における車内側から見た要部の側面図である。
【図22】他の実施形態におけるスーパーロック手段がスーパーアンロック状態にあるときの要部の側面図である。
【図23】他の実施形態におけるスーパーロック手段がスーパーロック状態にあるときの要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜21に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図6〜9における左方、図10〜21における右方を自動車の「前方」とし、図6〜9における右方、図10〜21における左方を自動車の「後方」とする。
【0017】
図1〜4に示すように、ドアラッチ装置1は、自動車のドアの後端内側に取り付けられると共に、ドアを閉鎖状態に拘束するための噛合ユニット2と、噛合ユニット2に組み付けられる操作ユニット3とを備える。
【0018】
ドアの車外側には、ドアを車外側から開けるときに操作されるアウトサイドハンドル(図示略)及びドアラッチ装置1の後述のアウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態、アウトサイドロック状態に切り替えるときに操作されるキーシリンダ(図示略)が配置され、また同じく車内側には、ドアを車内側から開けるときに操作されるインサイドハンドル(図示略)及びアウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態、アウトサイドロック状態に切り替えるときに手動操作されるロックノブ(図示略)が配置される。なお、キーシリンダをアンロック操作した場合には、後述のスーパーロック手段がスーパーロック状態にあるときには、スーパーロック手段をスーパーアンロック状態に切り替える。
【0019】
なお、以下の説明に使用する後述のアウトサイドロック手段のアウトサイドアンロック状態とは、アウトサイドハンドルの操作によりドアを開けることができる状態を指し、同じくアウトサイドロック状態とは、アウトサイドハンドルを操作してもドアを開けることができない状態を指す。
【0020】
後述のインサイドロック手段のインサイドアンロック状態とは、インサイドハンドルの操作によりドアを開けることができる状態を指し、同じくインサイドロック状態とは、インサイドハンドルを操作してもドアを開けることができない状態を指す。
【0021】
ワンモーション作動とは、インサイドロック手段がインサイドアンロック状態で、かつアウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態のとき、インサイドハンドルを操作することで、アウトサイドロック手段をアウトサイドロック状態からアウトサイドアンロック状態に切り替えると共に、ドアを開けることができる作動を指す。但し、アウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態に切り替える作動は必須であるが、ドアを開ける作動は必須ではない。
【0022】
後述のスーパーロック手段のスーパーアンロック状態とは、手動操作によりインサイドロック手段をインサイドロック状態からインサイドアンロック状態へ切り替えることができる状態を指し、同じくスーパーロック状態とは、手動操作により前記切り替えができない状態を指す。
【0023】
パニック状態とは、アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態で、インサイドロック手段がインサイドンアンロック状態のとき、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルの操作の直後に、アウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態に切り替えるアンロック操作が行われた状態を指す。
【0024】
噛合ユニット2は、ドアに固定されるとともに後側面(図3において上面、図4において下面)が金属製のカバープレート4により閉塞される合成樹脂製のボディ5を備え、ボディ5内には、前後方向の枢軸6により枢支され車体側に固定されるストライカSと係合可能なラッチ7と、枢軸8により枢支されラッチ7に係合可能なラチェット9が収容され、ボディ5の前面(図3において下面、図4において上面)には、枢軸8と共にラチェット9と一体的に回動可能なオープンレバー10が枢支されている。さらに、ボディ5には、電気系統の故障等により後述の施解錠モータ26の駆動が不能になった場合に操作されるエマージェンシー部材48が設けられる。
【0025】
図5に示すように、ラッチ7は、ドアが開いているときには2点鎖線で示すオープン位置にあり、ドアが閉じられるとボディ5のストライカ進入溝52内に図5において右方から進入するストライカSに噛合して実線で示すフルラッチ位置に回動すると共に、ラチェット9と係合することでオープン方向(図5において反時計方向)への回動が阻止されてドアを閉鎖状態に拘束する。ラッチ7がフルラッチ位置へ向けて回動する場合には、ラッチ7がフルラッチ位置を若干超えた回動位置で、ゴムにより形成されボディ5内に固定されるストッパ51に衝突することでそれ以上の回動は阻止される。
【0026】
エマージェンシー部材48は、ドアを開けた状態のとき露出するボディ5のストライカ進入溝52に前後方向を向く軸回りに回動可能に枢支され、ストライカ進入溝52に露出する端面には、キーシリンダを操作するためのキーを差し込み可能な凹部481が設けられ、ボディ5の前面側に突出する側の端部には、回動アーム部482が設けられる。例えば、電気系統の故障等によりアウトサイドロック手段を電気的駆動源の動力によりアウトサイドロック状態に切り替え不能になった場合には、ドアを開けた状態で、凹部481にキーを差し込んで、エマジェンシー部材48を図5において時計方向へ回動させることによって、後述のように回動アーム部482がアウトサイドロック手段の一部に当接してアウトサイドロック手段をアウトサイドロック状態に切り替えることができる。
【0027】
操作ユニット3は、ボディ5の前面全領域を覆うようにボディ5に固定される合成樹脂製のケーシング11と、ケーシング11の車内側を向く開口を閉塞する合成樹脂製のカバー12とを備え、ケーシング11とカバー12間に形成される収容空間には、操作ユニット3を構成する作動要素が収容される。
【0028】
作動要素は、キーシリンダの操作に連動するキーレバー13と、キーレバー13に連係されるスライドレバー14と、スライドレバー14に連結されるロックレバー15と、ロックレバー15に連動可能なパニックレバー16と、パニックレバー16に連動可能なリフトレバー17と、アウトサイドハンドルの操作に連動するアウトサイドレバー18と、インサイドハンドルの操作に連動するインサイドレバー19と、インサイドレバー19と同軸上に枢支されるサブインサイドレバー20と、サブインサイドレバー20に連動するワンモーションレバー21と、ドアが開いているときのみ手動操作可能なインサイドロック操作レバー22と、インサイドロック操作レバー22に連動可能なインサイドロック作動レバー23と、アウトサイドレバー18に連動するコネクトレバー24と、インサイドロック作動レバー23に当接可能なスーパーロックレバー25と、ロックレバー15を駆動する施解錠モータ26と、スーパーロックレバー25を駆動するスーパロックモータ27とを含む。また、カバー12の外側面には、ロックノブに連結されるノブレバー28が枢支される。
【0029】
なお、アウトサイドロック手段は、スライドレバー14、ロックレバー15、リフトレバー17及び施解錠モータ26から構成され、アウトサイドアンロック状態は、スライドレバー14、ロックレバー15及びリフトレバー17がそれぞれアンロック位置にある状態を指し、アウトサイドロック状態は、スライドレバー14、ロックレバー15及びリフトレバー17がそれぞれロック位置にある状態を指す。
【0030】
インサイドロック手段は、サブインサイドレバー20、インサイドロック操作レバー22、インサイドロック作動レバー23、後述のスプリング43及び係脱ピン44から構成され、インサイドアンロック状態は、インサイドロック操作レバー22、インサイドロック作動レバー23及び係脱ピン44がアンロック位置にある状態を指し、インサイドロック状態は、少なくともインサイドロック作動レバー23及び係脱ピン44がそれぞれロック位置にある状態を指す。
【0031】
スーパーロック手段は、スーパーロックレバー25及びスーパーロックモータ27から構成され、スーパーアンロック状態は、スーパーロックレバー25がアンロック位置にある状態を指し、スーパーロック状態は、スーパーロックレバー25がロック位置にある状態を指す。
【0032】
ワンモーション作動手段は、ワンモーションレバー21から構成される。しかし、これに限定されるものでない。例えば、ワンモーションレバー21を省略し、サブインサイドレバー20がリリース作動したとき、サブインサイドレバー20の一部がロックレバー15に当接することで、ロックレバー15をアンロック位置に移動させるようにしても良い。この場合には、サブインサイドレバー20の一部がワンモーション作動手段を構成する。
【0033】
主に図6〜9に示すように、キーレバー13は、ケーシング11とカバー12間の収容空間の最上部に車内外方向を向く軸回りに回動可能に枢支されると共に、キーシリンダのアンロック操作に基づいて、例えば図6、〜9に示す中立位置からアンロック方向(図6〜9において反時計方向、)へ所定角度回動し、また同じくロック操作に基づいて、中立位置からロック方向(図6〜9において時計方向)へ所定角度回動する。
【0034】
キーレバー13のアンロック方向及びロック方向への回動は、スライドレバー14を介して、ロックレバー15、パニックレバー16及びリフトレバー17に伝達される。なお、図6、7は、操作ユニット3の内部構造を明示するためカバー12を外した状態を示す。
【0035】
スライドレバー14は、キーレバー13の前方斜め下方に上下方向へ摺動可能に支持されるとともに、最上部に車内側へ突出するロック用作用部141及びロック用作用部141から下方へ所定量離間する位置にあって車内側へ突出するアンロック作用部142を有し、キーレバー13が中立位置からアンロック方向へ回動した際、キーレバー13の回動面の端部に設けられた突部131がアンロック用作用部142に上方から当接して押し下げられることでアンロック位置(例えば、図6、8参照)に移動し、また、キーレバー13が中立位置からロック方向へ回動した際、突部131がロック用作用部141に下方から当接して押し上げられることでアンロック位置よりも上方位置のロック位置(図7、9参照)に移動する。
【0036】
スライドレバー14の後縁には、後方へ延出する張出部145が設けられる。張出部145は、スライドレバー14がアンロック位置にあるとき、エマジェンシー部材48が操作されることによって、エマジェンシー部材48の回動アーム部482に下方から当接して押し上げられることで、スライドレバー14をアンロック位置からロック位置に移動させる。
【0037】
スライドレバー14の車外側を向く側面には、上下方向へ延びる凹部143が凹設される。この凹部143には、スライドレバー14をアンロック位置及びロック位置に弾性力で保持するためのスプリング29がスライドレバー14の側面よりも外側に突出しないように配設される。スプリング29は、スーパーロックレバー25を枢支するための枢軸30の外周を挟み込んだ状態でスライドレバー14と共に上下方向へ摺動することによりスライドレバー14をアンロック位置及びロック位置に保持する。
【0038】
ロックレバー15は、スライドレバー14の下部前方に車内外方向を向く枢軸31により枢支されるとともに、後部の回転面に設けられた長孔151にはスライドレバー14の下部に設けられた連結軸部144が連結され、スライドレバー14のアンロック位置及びロック位置への移動に連動してアンロック位置(例えば、図6、8参照)及びロック位置(例えば、図7、9参照)に回動し、スライドレバー14を介してスプリング29の弾性力によりアンロック位置及びロック位置に保持される。
【0039】
施解錠モータ26は、運転席に配置される施解錠操作スイッチまたはキー等に組み込まれた施解錠操作スイッチの操作に基づいて駆動可能であって、回転軸に固着されたウォーム261がロックレバー15の外周に設けられたギヤ部153に噛合し、回転軸の回転をもってロックレバー15をアンロック位置からロック位置、及びその逆へ回動させる。なお、ウォーム261は、ギヤ部153に対してロックレバー15側からの回転で逆転できるような進み角で形成される。
【0040】
ノブレバー28は、カバー12の車内側を向く外側面の下部に設けられた凹部121(図1、3参照)にカバー12の外側面よりも外側に突出しないようにロックレバー15と一体的に回動し得るように枢軸31により枢支されると共に、操作力を伝達可能なホーデンケーブル32を介してロックノブに連結され、ロックノブのアンロック操作、ロック操作に連動してアンロック位置(例えば、図6、8参照)、ロック位置(例えば、図7、9参照)に回動して、ロックレバー15をアンロック位置、ロック位置に回動させる。なお、ノブレバー28は、ドアの車内側にロックノブが配置されないノブレスタイプの自動車にあっては必要としない。
【0041】
アウトサイドレバー18は、噛合ユニット2におけるボディ5の前面に固定される金属製のバックプレート5Aの下部に前後方向を向く枢軸33により枢支され、車外側端部の連結部181には、操作力を伝達可能な上下方向を向くボーデンケーブル34を介してアウトサイドハンドルに連結され、アウトサイドハンドルの操作に連動して枢軸33の周りに設けられたスプリング35の付勢力に抗して、待機位置(図5参照)からリリース作動(図5において待機位置から時計方向へ所定角度回動する作動)する。アウトサイドレバー18の回転中心(枢軸33)と連結部181との間の中間部には、前方へ突出し、かつアウトサイドレバー18がリリース作動した際、上方へ所定量移動可能な作動部182が設けられる。アウトサイドレバー18は、連結部181のみがケーシング11の下部側面に設けられた開口部111から露出し、それ以外はケーシング11及びカバー12により完全に覆われる。
【0042】
コネクトレバー24は、スライドレバー14の下方に車内外方向を向く枢軸37により枢支されるとともに、後部回転面に車外側へ突出する突部241が固着され、アウトサイドレバー18がリリース作動すると、アウトサイドレバー18の作動部182が突部241に下方から当接することにより、下方に配置されるスプリング39の付勢力に抗してリリース作動(例えば、図6〜9に示す待機位置から枢軸37を中心に反時計方向へ回動する作動)する。
【0043】
パニックレバー16は、下端部が突部241と同軸上に設けられる連結軸242によりコネクトレバー24の後部回転面に回動可能に連結されると共に、上部に設けられ上下方向へ延出する長孔161にロックレバー15の後部回転面に設けられた突軸部152が回動かつ上下方向へ摺動可能に連結され、ロックレバー15のアンロック位置及びロック位置への移動に連動してアンロック位置(例えば、図6、8参照)及びロック位置(例えば、図7、9参照)に連結軸242を中心にして回動すると共に、コネクトレバー24のリリース作動に連動して、アンロック位置にあるときには真直ぐ上方へ直線移動し、ロック位置にあるときには前斜め上方へ直線移動する。
【0044】
リフトレバー17は、パニックレバー16に対して車内側に重なり合うような形態で下端部がパニックレバー16と共に連結軸242によりコネクトレバー24に回動可能に連結されると共に、通常はパニックレバー16との間に設けられるスプリング40の付勢力の範囲内でパニックレバー16と一体的にアンロック位置(例えば、図6、8参照)及びロック位置(図7、9参照)に移動し、かつコネクトレバー24のリリース作動に連動して上方へ直線移動する。
【0045】
リフトレバー17の上部には、車内側へ向けて折曲形成された解除部171が設けられる。解除部171は、リフトレバー17がアンロック位置からオープン方向(上方)へ移動した際、オープンレバー10の回動部分に設けられた折曲部101に下方(オープンレバー10の回動方向)から当接することでオープンレバー10をリリース方向(ラチェット9がラッチ7から外れる方向)へ回動させ、また、パニック状態が発生した際には前方(オープンレバー10の回動方向と違う方向)から折曲部101の先端部に当接する。
【0046】
パニックレバー16とリフトレバー17間に設けられるスプリング40は、一端がパニックレバー16、他端がリフトレバー17にそれぞれ掛止されることにより、リフトレバー17をパニックレバー16に対して図6〜9において時計方向への付勢力を付与する。なお、スプリング40のリフトレバー17に作用する付勢力は、スライドレバー14に作用するスプリング29の保持力よりも大となるように設定される。また、リフトレバー17は、パニックレバー16の一部に当接することで、スプリング40の付勢力が作用した状態で、通常位置(例えば、図6〜9参照)よりも時計方向へ回動した位置に保持される。
【0047】
スライドレバー14、ロックレバー15、パニックレバー16及びリフトレバー17がアンロック位置にある場合、すなわちアウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態にある場合には、コネクトレバー24のリリース作動に連動して、パニックレバー16及びリフトレバー17がアンロック位置からオープン方向へ移動すると、リフトレバー17の解除部171がオープンレバー10の折曲部101に下方から当接する。これにより、オープンレバー10がリリース方向へ回動し、ラチェット9がラッチ7との噛合から外れて、ドアの開放を可能にする。
【0048】
スライドレバー14、ロックレバー15、パニックレバー16及びリフトレバー17がロック位置にある場合、すなわちアウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態の場合には、コネクトレバー24のリリース作動に連動して、パニックレバー16及びリフトレバー17が上方へ移動しても、リフトレバー17の解除部171がオープンレバー10の折曲部101の前方を横切るように空振り移動するだけで、コネクトレバー24のリリース作動はオープンレバー10に伝達されない。よって、アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態の場合には、アウトサイドハンドルを操作してもドアを開けることはできない。
【0049】
インサイドロック操作レバー22は、手動操作でインサイドロック手段をインサイドアンロック状態、インサイドロック状態に切り替えるときに操作されるもので、コネクトレバー24の上方に車内外方向を向く枢軸41によりアンロック位置(例えば、図7〜9参照)及びアンロック位置から図7〜図9において時計方向へ所定角度回動したロック位置(例えば、図6参照)に回動可能に枢支されると共に、回動端部には、回転面から車内側へ突出する円柱状の手動操作部221が設けられ、下部には、回動面に沿って下方へ延出する弾性変形可能な舌片部222が設けられる。
【0050】
ドアを開けた状態で手動操作部221を手動で操作することで、インサイドロック操作レバー22をアンロック位置及びロック位置に回動させることができる。舌片部222は、カバー12の内面に突設された突部123(図3参照)に弾性力で当接することで、インサイドロック操作レバー22をアンロック位置及びロック位置に保持する。なお、手動操作部221は、カバー12に設けられた円弧状の開口124(図3、4参照)を通ってドアの端面から突出しドアを開けた状態でのみ操作可能である。
【0051】
インサイドロック作動レバー23は、インサイドロック操作レバー22の前方斜め上方に車内外方向を向く枢軸42により枢支されアンロック位置(例えば、図7〜9参照)及びロック位置(例えば、図6参照)に回動可能であると共に、ロック位置にあるときインサイドロック操作レバー22の上部である先端部223に対向して当接可能な当接部231と、鍔付き円柱状の係脱ピン44が上下方向へ摺動可能に係合する長孔232とを有し、枢軸42の周りに配置されるスプリング43の付勢力によりアンロック方向(例えば、図6において時計方向)へ付勢される。
【0052】
スーパーロックレバー25がアンロック位置(例えば、図7〜9参照)にある場合、インサイドロック作動レバー23は、インサイドロック操作レバー22がアンロック位置にあるときには、スプリング43の付勢力によりアンロック位置に保持され、インサイドロック操作レバー22がアンロック位置からロック位置へ回動したときには、インサイドロック操作レバー22の先端部223がインサイド作動ロックレバー23の当接部231に対して後方から当接して当接部231を前方へ押すことにより、スプリング43の付勢力に抗してアンロック位置からロック位置に回動する。
【0053】
インサイドロック操作レバー22がロック位置にあって、インサイドロック作動レバー23の当接部231がインサイドロック操作レバー22の先端部223に当接した状態においては、先端部223に作用する力の方向がインサイドロック操作レバー22の回転中心である枢軸41へ向く方向である。よって、インサイドロック作動レバー23は、インサイドロック操作レバー22をアンロック位置へ向けて回動させることなくスプリング43の付勢力に抗してロック位置に保持される。また、インサイドロック操作レバー22がロック位置からアンロック位置へ移動すると、インサイドロック操作レバー22の先端部223がインサイドロック作動レバー23の当接部231から外れるため、インサイドロック作動レバー23は、スプリング43の付勢力によってロック位置からアンロック位置に移動する。すなわち、インサイドロック手段を形成するインサイドロック作動レバー23は、インサイドロック操作レバー22のロック操作に連動し得るがアンロック操作に対しては連動しない構成となっている。
【0054】
インサイドレバー19及びサブインサイドレバー20は、互いに独立して回動可能であって、枢軸31によりロックレバー15及びノブレバー28と独立して回動し得るように枢支される。
【0055】
インサイドレバー19は、カバー12に設けられた開口122(図3、4参照)を通ってカバー12の外側に露出する連結部191に操作力を伝達可能なボーデンケーブル36を介してインサイドハンドルに連結され、インサイドハンドルの操作に基づいて、枢軸37の周りに配置されるスプリング38の付勢力に抗して、待機位置(例えば、図6〜9に示す位置)からリリース作動(待機位置から例えば図6〜9において時計方向へ所定角度回動する作動)する。
【0056】
サブインサイドレバー20は、上述のように枢軸31に枢支されると共に、インサイドロック作動レバー23の作動に伴って係脱ピン44が上下方向へ摺動可能に係合する長溝201と、コネクトレバー24の上縁に設けられた被当接部243に回動方向へ当接可能な当接部202と、ワンモーションレバー21の側縁に回動方向へ当接可能なアーム部203とを有し、係脱ピン44が後述のアンロック位置にあるとき、インサイドレバー19と共にリリース作動(待機位置から例えば図6〜9において時計方向へ所定角度回動する作動)可能であり、係脱ピン44がロック位置にあるとき、インサイドレバー19がリリース作動しても待機位置に止まる。
【0057】
サブインサイドレバー20のリリース作動は、当接部202がコネクトレバー24の被当接部243に当接することによりコネクトレバー24に伝達され、アーム部203がワンモーションレバー21の側縁に当接することによりワンモーションレバー21に伝達される。
【0058】
係脱ピン44は、サブインサイドレバー20の長溝201及びインサイドロック作動レバー23の長孔232に摺動可能に係合することで、インサイドロック作動レバー23がアンロック位置に保持されているときには、サブインサイドレバー20の長溝201の下部に位置するアンロック位置(図7〜9参照)にあって、インサイドレバー19に設けられたアーム部192の側縁に対して回動方向へ当接することで、インサイドレバー19のリリース作動をサブインサイドレバー20に伝達可能とし、また、インサイドロック作動レバー23がロック位置に保持されているときには、長溝201の上部に位置するロック位置にあって、アーム部192の側縁の移動軌跡外に退避してインサイドレバー19のリリース作動をサブインサイドレバー20に伝達不能とする。
【0059】
ワンモーションレバー21は、収容空間の下部に車内外方向の枢軸45により枢支され、サブインサイドレバー20がリリース作動したときには、サブインサイドレバー20のアーム部203が側縁に当接することにより、枢軸45の周りに配置されるスプリング46の付勢力に抗して待機位置からアンロック方向(図6〜9において反時計方向)へ回動する。ワンモーションレバー21のアンロック方向への回動は、ワンモーションレバー21の端部211がロック位置にあるロックレバー15の下部に設けられた顎部154に回動方向へ当接することでロックレバー15に伝達され、これにより、ロックレバー15は、ロック位置からアンロック位置へ移動する。
【0060】
スーパーロックレバー25は、インサイドロック作動レバー23のロック位置からアンロック位置への移動を阻止するものであって、車内外方向の枢軸30により枢支されると共に、キーレバー13の下端部132が上方から当接可能なアンロック用アーム部251と、インサイドロック作動レバー23の上端に設けられる被阻止部233に当接可能な阻止部252と、スーパーロックモータ27の回転軸に固着されたウォーム271に噛合するギヤ部253とを有し、キー等に組み込まれたスーパーロック操作スイッチの操作によるスーパーロックモータ27の駆動により、インサイドロック作動レバー23のアンロック位置への移動を許可するアンロック位置(例えば、図6〜9参照)と、インサイドロック作動レバー23のアンロック位置への移動を阻止するロック位置(例えば、後述の図14参照)とに回動可能である。なお、スーパーロックレバー25のロック位置からアンロック位置への移動は、キーレバー13の中立位置からアンロック方向への回動によっても可能である。
【0061】
スーパーロックレバー25がスーパーロックモータ27の駆動によりアンロック位置からロック位置に回動すると、スーパーロックレバー25の阻止部252の先端部がインサイドロック作動レバー23の被阻止部233を押すことにより、アンロック位置にあるインサイドロック作動レバー23をロック位置に移動させる。スーパーロックレバー25がロック位置にあり、かつインサイドロック作動レバー23がロック位置にある場合には、スーパーロックレバー25の阻止部252がインサイドロック作動レバー23の被阻止部233に当接することで、インサイドロック作動レバー23のロック位置からアンロック位置への移動を阻止するスーパーロック状態となる。
【0062】
スーパーロック状態においては、インサイドロック作動レバー23のアンロック位置への移動は阻止されるが、インサイドロック操作レバー22のアンロック位置への移動は可能である。したがって、スーパーロック状態において、インサイドロック操作レバー22の手動操作部221が不正具を用いて攻撃されて、インサイドロック操作レバー22がアンロック位置へ不正に移動させられても、インサイドロック作動レバー23は、ロック位置に保持されたままとなりアンロック位置へ移動することはない。
【0063】
次に、本発明に係わる実施形態の各状態の動作を図10〜21に基づいて説明する。
(アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態、インサイドロック手段がインサイドアンロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態のとき(以下、「図10状態」と言う)、キーシリンダがロック操作された場合、施解錠操作スイッチがロック操作された場合、インサイドロック操作レバー22がロック操作された場合、及びスーパーロック操作スイッチがロック操作された場合)
【0064】
図10状態において、キーシリンダがロック操作された場合には、キーレバー13は、中立位置からロック方向(図10において反時計方向)へ所定角度回動し、その突部131がスライドレバー14のロック用作用部141に下方から当接してスライドレバー14を押し上げる。これにより、スライドレバー14は、ウォーム261を逆転させつつスプリング29の付勢力に抗してアンロック位置からロック位置へ移動し、その移動は、ロックレバー15の連結軸部144、ロックレバー15の長孔151を介してロックレバー15に伝達され、ロックレバー15及びノブレバー28は、枢軸31を中心にアンロック位置からロック位置へ回動し、さらにその回動は、ロックレバー15の突軸部152を介してパニックレバー16に伝達され、パニックレバー16及びスプリング40の付勢力の範囲でパニックレバー16と一体的に移動可能なリフトレバー17は、連結軸242を中心にしてアンロック位置からロック位置へ回動する。これにより、図11に示すように、スライドレバー14、ロックレバー15、パニックレバー16、リフトレバー17及びノブレバー28はロック位置に移動し、アウトサイドロック手段は、アウトサイドロック状態に切り替わる。なお、キーレバー13は、操作終了後、スプリングの付勢力により中立位置に戻る。
【0065】
図10状態において、施解錠操作スイッチがロック操作された場合には、施解錠モータ26がロック方向へ駆動し、当該駆動は、ウォーム261、ギヤ部153を介してロックレバー15に伝達される。ロックレバー15は、枢軸31を中心にアンロック位置からロック位置に回動し、当該回動は、連結軸部144を介してスライドレバー14、また突軸部152を介してパニックレバー16にそれぞれ伝達される。これにより、パニックレバー16及びリフトレバー17は、連結軸242を中心にしてアンロック位置からロック位置へ回動し、図11に示すように、アウトサイドロック手段は、アウトサイドロック状態に切り替わる。この場合には、スライドレバー14は、ロック位置へ移動するのみで、その移動はキーレバー13には伝達されない。
【0066】
図10状態において、ドアを開けた状態で、インサイドロック操作レバー22の手動操作部221を摘んで手動でロック操作した場合には、インサイドロック操作レバー22は、枢軸41を中心にしてアンロック位置からロック方向(図10において時計方向)へ回動し、当該回動は、インサイドロック操作レバー22の先端部223がインサイドロック作動レバー23の当接部231に当接して右方へ押されることでインサイドロック作動レバー23に伝達される。インサイドロック作動レバー23は、枢軸42を中心にしてスプリング43の付勢力に抗してロック方向(図10において反時計方向)へ回動し、当該回動に伴って係脱ピン44は上方へ移動する。
【0067】
図12に示すように、インサイドロック操作レバー22及びインサイド作動ロックレバー23がロック位置に移動すると、インサイドロック操作レバー22は、舌片部222がカバー12の突部123に弾性力で当接することによりロック位置に保持され、インサイドロック作動レバー23は、当接部231がインサイドロック操作レバー22の先端部223に当接することにより、スプリング43の付勢力に抗してロック位置に拘束される。また、係脱ピン44は、インサイドロック作動レバー23のロック位置への回動に伴って上方へ移動し、インサイドレバー19のアーム部192の移動軌跡外に退避するロック位置に変位する。これにより、インサイドロック操作レバー22を手動でロック操作した場合には、アウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態にしたまま、インサイドロック手段のみがインサイドロック手段に切り替えられる。
【0068】
図10状態において、スーパーロック操作スイッチがロック操作された場合には、スーパーロックモータ27がロック方向へ駆動し、当該駆動は、ウォーム271、ギヤ部253を介してスーパーロックレバー25に伝達される。スーパーロックレバー25は、枢軸30を中心にアンロック位置からロック位置に回動し、当該回動は、スーパーロックレバー25の阻止部252がインサイドロック作動レバー23の被阻止部233に当接することで、インサイドロック作動レバー23に伝達される。インサイドロック作動レバー23は、スプリング43の付勢力に抗してアンロック位置からロック位置に変位する。
【0069】
図14に示すように、インサイドロック作動レバー23及びスーパーロックレバー25がそれぞれロック位置に移動すると、インサイドロック作動レバー23は、被阻止部233が阻止部252に対して力の方向が枢軸30へ向くように当接することで、スーパーロックレバー25をアンロック位置へ回動させることができない状態でロック位置に拘束される。また、係脱ピン44は、インサイドロック作動レバー23のロック位置への回動に伴って上方へ移動し、インサイドレバー19のアーム部192の移動軌跡外に退避するロック位置に変位する。
【0070】
上述により、アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態にある場合、スーパーロック操作スイッチをロック操作した場合には、アウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態、インサイドロック操作レバー22をアンロック位置にしたままでインサイドロック状態に切り替えられる。この状態においては、インサイドロック操作レバー22がアンロック位置にあっても、ワンモーション作動が不能で、かつインサイドロック操作レバー22を如何様に操作してもインサイドロック作動レバー23をアンロック位置に変位させることができないため、不用意にワンモーション作動が可能な状態に切り替えられることはない。
【0071】
なお、スーパーロック操作スイッチがロック操作された場合には、上述のように、スーパーロックモータ27のみがロック駆動するように電気的制御を行っているが、これに代えて、電気的制御をもって、先ず施解錠モータ26をロック駆動させてアウトサイドロック手段をアウトサイドロック状態に切り替えた後に、スーパーロックモータ27をロック駆動させてインサイドロック手段をインサイドロック状態に切り替えるようにしても良い。このようにすると、スーパーロック操作スイッチをロック操作した場合には、アウトサイドロック手段の状態に無関係に、アウトサイドロック手段、インサイドロック手段及びスーパーロック手段の全てをロック状態とすることができる。
【0072】
(アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態、インサイドロック手段がインサイドアンロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態のとき(以下、「図11状態」と言う)、キーシリンダがアンロック操作された場合、施解錠操作スイッチがアンロック操作された場合、スーパーロック操作スイッチがロック操作された場合)
【0073】
図11状態において、キーシリンダがアンロック操作された場合には、キーレバー13は、中立位置からアンロック方向(図11において時計方向)へ所定角度回動し、その突部131がスライドレバー14のアンロック用作用部142に上方から当接してスライドレバー14を押し下げる。これにより、スライドレバー14は、施解錠モータ26側のウォーム261を逆転させつつスプリング29の付勢力に抗してロック位置からアンロック位置へ移動し、その移動は、スライドレバー14の連結軸部144、ロックレバー15の長孔151を介してロックレバー15に伝達され、ロックレバー15及びノブレバー28は、枢軸31を中心にロック位置からアンロック位置へ回動し、その回動は、ロックレバー15の突軸部152を介してパニックレバー16に伝達され、パニックレバー16及びリフトレバー17は、連結軸242を中心にしてロック位置からアンロック位置へ回動する。これにより、図10に示すように、スライドレバー14、ロックレバー15、パニックレバー16、リフトレバー17及びノブレバー28は、アンロック位置に移動し、アウトサイドロック手段は、アウトサイドアンロック状態に切り替わる。なお、キーレバー13は、操作終了後、スプリングの付勢力により中立位置に戻る。
【0074】
図11状態において、施解錠操作スイッチがアンロック操作された場合には、施解錠モータ26がアンロック方向へ駆動し、当該駆動は、ウォーム261、ギヤ部153を介してロックレバー15に伝達される。ロックレバー15は、枢軸31を中心にロック位置からアンロック位置に回動し、当該回動は、連結軸部144を介してスライドレバー14、また突軸部152を介してパニックレバー16にそれぞれ伝達される。これにより、パニックレバー16及びリフトレバー17は、連結軸242を中心にしてロック位置からアンロック位置へ回動し、図10に示すように、アウトサイドロック手段は、アウトサイドアンロック状態に切り替わる。この場合には、スライドレバー14の動きは、キーレバー13には伝達されない。
【0075】
図11状態において、スーパーロック操作スイッチがロック操作された場合には、スーパーロックモータ27がロック方向へ駆動し、当該駆動は、ウォーム271、ギヤ部253を介してスーパーロックレバー25に伝達される。スーパーロックレバー25は、枢軸30を中心にアンロック位置からロック位置に回動し、当該回動は、スーパーロックレバー25の阻止部252がインサイドロック作動レバー23の被阻止部233に当接することで、インサイドロック作動レバー23に伝達される。これにより、図14に示すように、インサイドロック作動レバー23は、スプリング43の付勢力に抗してアンロック位置からロック位置に変位する。
【0076】
インサイドロック作動レバー23及びスーパーロックレバー25がそれぞれロック位置に回動すると、インサイドロック作動レバー23は、被阻止部233が阻止部252に対して力の方向が枢軸30へ向くように当接することで、スーパーロックレバー25をアンロック位置へ回動させることが不能な状態でロック位置に拘束される。また、係脱ピン44は、インサイドロック作動レバー23のロック位置への回動に伴って上方へ移動し、インサイドレバー19のアーム部192の移動軌跡外に退避するロック位置に変位する。
【0077】
上述により、図11状態でスーパーロック操作スイッチがロック操作されると、インサイドロック操作レバー22をアンロック位置に止めたまま、アウトサイドロック手段をアウトサイドロック状態、インサイドロック手段をインサイドロック状態、スーパーロック手段をスーパーロック状態とすることができる。この状態においては、ワンモーション操作は不能で、かつインサイドロック操作レバー22が操作されてもインサイドロック手段をインサイドアンロック状態に切り替え不能なスーパーロック状態となる。
【0078】
(アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態のとき(以下、「図12状態」と言う)、キーシリンダをロック操作した場合、及び施解錠操作スイッチをロック操作した場合)
【0079】
図12状態において、キーシリンダをロック操作した場合には、キーレバー13は、中立位置からロック方向(図12において反時計方向)へ所定角度回動し、その突部131がスライドレバー14のロック用作用部141に下方から当接してスライドレバー14を押し上げる。これにより、スライドレバー14は、スプリング29の付勢力に抗してロック位置からアンロック位置へ移動し、その移動は、スライドレバー14の連結軸部144、ロックレバー15の長孔151を介してロックレバー15に伝達され、ロックレバー15及びノブレバー28は、ウォーム261を逆転させながら枢軸31を中心にアンロック位置からロック位置へ回動し、その回動は、ロックレバー15の突軸部152を介してパニックレバー16に伝達され、パニックレバー16及びリフトレバー17は、連結軸242を中心にしてアンロック位置からロック位置へ回動する。これにより、図13に示すように、インサイドロック手段をロック状態としたまま、スライドレバー14、ロックレバー15、パニックレバー16、リフトレバー17及びノブレバー28はロック位置に移動し、アウトサイドロック手段は、アウトサイドロック状態に切り替わる。なお、キーレバー13は、操作終了後、スプリングの付勢力により中立位置に戻る。
【0080】
図12状態において、施解錠操作スイッチをロック操作した場合には、施解錠モータ26がロック方向へ駆動し、当該駆動は、ウォーム261、ギヤ部153を介してロックレバー15に伝達される。ロックレバー15は、枢軸31を中心にアンロック位置からロック位置に回動し、当該回動は、連結軸部144を介してスライドレバー14、また突軸部152を介してパニックレバー16にそれぞれ伝達される。これにより、パニックレバー16及びリフトレバー17は、連結軸242を中心にしてアンロック位置からロック位置へ回動し、図13に示すように、インサイドロック手段をインサイドロック状態としたまま、アウトサイドロック手段は、アウトサイドロック状態に切り替わる。
【0081】
(図12状態のとき、ドアを開けた状態でインサイドロック操作レバー22をアンロック操作した場合)
【0082】
インサイドロック操作レバー22の手動操作部221を摘んで手動でアンロック操作すると、インサイドロック操作レバー22は、枢軸41を中心にしてロック位置からアンロック方向(図12において反時計方向)へ回動し、先端部223が上方へ変位しインサイドロック作動レバー23の当接部231から外れる。これにより、インサイドロック作動レバー23をロック位置に拘束している先端部223が当接部231の移動軌跡外に待避するため、インサイドロック作動レバー23は、スプリング43の付勢力をもってロック位置からアンロック位置へ変位し、当該変位に伴って係脱ピン44は、下方へ移動しインサイドレバー19のアーム部192の移動軌跡内に進入するアンロック位置に変位する。これにより、図10に示すように、アウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態にしたまま、インサイドロック手段はインサイドアンロック手段に切り替わる。
【0083】
(図12状態のとき、スーパーロック操作スイッチをロック操作した場合)
【0084】
スーパーロック操作スイッチをロック操作すると、スーパーロックモータ27がロック方向へ駆動し、当該駆動は、ウォーム271、ギヤ部253を介してスーパーロックレバー25に伝達され、スーパーロックレバー25は、枢軸30を中心にアンロック位置からロック位置へ向けて回動する。スーパーロックレバー25がロック位置に回動すると、阻止部252がロック位置にあるインサイドロック作動レバー23の被阻止部233の移動軌跡内に進入し、インサイドロック作動レバー23のアンロック方向への移動を阻止する。したがって、この場合には、スーパーロック手段のみが作動するだけで、他の要素は何ら作動しないので、スーパーロックモータ27に大きな負担をかけることなく、軽い力でスーパーロック手段をスーパーロック状態とすることができる。
【0085】
(アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態、スーパーロック手段がスーパーアンロック状態のとき(以下、「図13状態」と言う)、キーシリンダがアンロック操作された場合)
【0086】
キーシリンダがアンロック操作されると、キーレバー13は、中立位置からアンロック方向(図13において時計方向)へ所定角度回動し、その突部131がスライドレバー14のアンロック用作用部142に上方から当接してスライドレバー14を押し下げる。これにより、スライドレバー14は、スプリング29の付勢力に抗してロック位置からアンロック位置へ移動し、その移動は、スライドレバー14の連結軸部144、ロックレバー15の長孔151を介してロックレバー15に伝達される。これにより、ロックレバー15及びノブレバー28は、ウォーム261を逆転させながら枢軸31を中心にロック位置からアンロック位置へ回動し、その回動は、ロックレバー15の突軸部152を介してパニックレバー16に伝達され、パニックレバー16及びリフトレバー17は、連結軸242を中心にしてロック位置からアンロック位置へ回動する。
【0087】
上述により、スライドレバー14、ロックレバー15、パニックレバー16、リフトレバー17及びノブレバー28は、図12に示すアンロック位置にそれぞれ移動し、アウトサイドロック手段は、インサイドロック手段がインサイドロック状態に保持されたままアウトサイドアンロック状態に切り替わる。なお、キーレバー13は、操作終了後、スプリングの付勢力により中立位置に戻る。
【0088】
(図13状態のとき、施解錠操作スイッチがアンロック操作された場合)
【0089】
施解錠操作スイッチがアンロック操作されると、施解錠モータ26がアンロック方向へ駆動し、当該駆動は、ウォーム261、ギヤ部153を介してロックレバー15に伝達される。ロックレバー15は、枢軸31を中心にロック位置からアンロック位置へ向けて回動し、当該回動は、連結軸部144を介してスライドレバー14、また突軸部152を介してパニックレバー16にそれぞれ伝達される。これにより、パニックレバー16及びリフトレバー17は、連結軸242を中心にしてロック位置からアンロック位置へ回動し、図12に示すように、インサイドロック手段をインサイドロック状態としたまま、アウトサイドロック手段は、アウトサイドロック状態に切り替わる。
【0090】
(図13状態において、スーパーロック操作スイッチがロック操作された場合)
【0091】
スーパーロック操作スイッチをロック操作すると、スーパーロックモータ27がロック方向へ駆動し、当該駆動は、ウォーム271、ギヤ部253を介してスーパーロックレバー25に伝達され、スーパーロックレバー25は、枢軸30を中心にアンロック位置からロック位置へ向けて回動する。スーパーロックレバー25がロック位置に回動すると、阻止部252がロック位置にあるインサイドロック作動レバー23の被阻止部233の移動軌跡内に進入し、インサイドロック作動レバー23のアンロック方向への移動を阻止する。これにより、アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態で、スーパーロック手段は、スーパーロック状態となる。
【0092】
(図13状態のとき、ドアを開けた状態でインサイドロック操作レバー22をアンロック操作した場合)
【0093】
インサイドロック操作レバー22の手動操作部221を摘んで手動でアンロック操作することで、図12状態で手動操作部221をアンロック操作したときと同様に、インサイドロック手段をアンロック状態に切り替えることができる。この場合には、アウトサイドロック手段は、アウトサイドロック状態に保持されたまま、インサイドロック手段のみがインサイドアンロック手段に切り替わる。
【0094】
(アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態、スーパーロック手段がスーパーロック状態のとき(以下、「図15状態」と言う)、キーシリンダがアンロック操作された場合)
【0095】
図15状態においてキーシリンダがアンロック操作されると、キーレバー13は、中立位置からアンロック方向(図15において時計方向)へ所定角度回動し、その突部131がスライドレバー14のアンロック用作用部142に上方から当接してスライドレバー14を押し下げると共に、キーレバー13の下端部132がスーパーロックレバー25の上縁254に右方から当接してスーパーロックレバー25をロック位置からアンロック方向(図15において反時計方向)へ向けて回動させる。これにより、スライドレバー14は、スプリング29の付勢力に抗してロック位置からアンロック位置へ移動すると、ロックレバー15、ノブレバー28、パニックレバー16及びリフトレバー17は、それぞれロック位置からアンロック位置へ回動し、また、スーパーロックレバー25がアンロック位置に変位すると、インサイドロック作動レバー23は、スプリング43の付勢力によりロック位置からアンロック位置へ変位する。
【0096】
上述により、図15状態でキーシリンダをアンロック操作した場合には、アウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態、インサイドロック手段をインサイドアンロック状態、スーパーロック手段をスーパーアンロック状態にそれぞれ切り替えることができる。
【0097】
(図15状態において、施解錠操作スイッチがアンロック操作された場合)
【0098】
施解錠操作スイッチがアンロック操作されると、施解錠モータ26がアンロック方向へ駆動し、当該駆動は、ウォーム261、ギヤ部153を介してロックレバー15に伝達される。ロックレバー15は、枢軸31を中心にロック位置からアンロック位置へ向けて回動し、当該回動は、連結軸部144を介してスライドレバー14、また突軸部152を介してパニックレバー16にそれぞれ伝達される。これにより、パニックレバー16及びリフトレバー17は、連結軸242を中心にしてロック位置からアンロック位置へ回動する。これにより、図14に示すように、インサイドロック手段をインサイドロック状態、スーパーロック手段をスーパーロック状態としたまま、アウトサイドロック手段のみをアウトサイドアンロック状態に切り替えることができる。
【0099】
(図15状態において、スーパーロック操作スイッチがアンロック操作された場合)
【0100】
図15状態においてスーパーロック操作スイッチがアンロック操作されると、スーパーロックモータ27の駆動をもって、スーパーロックレバー25は、ロック位置からアンロック位置に回動し、スーパーロックレバー25の阻止部252がインサイドロック作動レバー23の被阻止部233から離れて被阻止部233の移動軌跡外に退避し、インサイドロック作動レバー23のアンロック位置への回動を可能な状態にする。この状態になると、インサイドロック操作レバー22をロック位置からアンロック位置に切り替えると、インサイドロック作動レバー23は、スプリング43の付勢力によりロック位置からアンロック位置に変位する。
【0101】
上述により、図15状態においてスーパーロック操作スイッチをアンロック操作した場合には、スーパーロック手段をスーパーアンロック状態に切り替え、インサイドロック手段のインサイドアンロック状態への切り替えを可能にする。但し、インサイドロック操作レバー22がアンロック位置にある場合には、スーパーロック手段のスーパーアンロック状態への切り替えと、インサイドロック手段のインサイドアンロック状態への切り替えが行われる。
【0102】
変形例として、図15状態においてスーパーロック操作スイッチをアンロック操作した場合には、先ず施解錠モータ26を駆動してアウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態に切り替え、次にスーパーロックモータ27を駆動して、スーパーロック手段及びインサイドロック手段をそれぞれ各アンロック状態に切り替えるようにしても良い。このようにすると、スーパーロック操作スイッチのアンロック操作をもって、アウトサイドロック手段、インサイドロック手段及びスーパーロック手段の全てを各アンロック状態に切り替えることができる。
【0103】
(図15状態において、インサイドロック操作レバー22がアンロック操作された場合)
【0104】
図15状態において、駐車中等、ドア閉状態でドアと車体との隙間から不正具が不正に差し込まれて、インサイドロック操作レバー22の手動操作部221が不正に操作されて、インサイドロック操作レバー22がロック位置からアンロック位置へ移動させられても、インサイドロック操作レバー22の移動はインサイドロック作動レバー23に伝達されないため、及びインサイドロック作動レバー23はスーパーロックレバー25によりロック位置に拘束されているため、インサイドロック作動レバー23は、アンロック位置へ移動しない。
【0105】
したがって、アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態、インサイドロック手段がインサイドロック状態、スーパーロック手段がスーパーロック状態のときには、アウトサイドハンドルの操作、インサイドハンドルの操作によるワンモーション操作を不能にしてドアの開放を阻止することだけでなく、ワンモーション作動が可能な状態への切り替えも阻止されるため、ドアを不正な行為で開放されてしまうことを確実に防止することができる。
【0106】
また、例え、インサイドロック操作レバー22が不正具で攻撃されてアンロック位置へ強制的に変位させられた場合であっても、インサイドロック操作レバー22のアンロック方向への変位はインサイドロック作動レバー23に伝達されない構成であるため、インサイドロック作動レバー23に変形等が生じることがない。よって、このような事態が発生した後も、インサイドロック作動レバー23に作動不良が生じないため、インサイドロック操作レバー22をアンロック位置に移動させれば、インサイドロック作動レバー23はアンロック位置に変位し、ワンモーション操作を可能な状態にすることができる。
【0107】
(ドア閉状態で、図10状態のとき、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルが操作された場合)
【0108】
図10状態においてアウトサイドハンドルが操作された場合には、アウトサイドハンドルの操作は、ボーデンケーブル34を介してアウトサイドレバー18に伝達される。アウトサイドレバー18は、スプリング35の付勢力に抗してリリース作動し、作動部182が上方へ移動しコネクトレバー24の突部241を下方から当接して押上げる。これにより、コネクトレバー24は、リリース作動(図10において時計方向)し、パニックレバー16及びリフトレバー17は、アンロック位置からオープン方向(上方)へ移動する。これにより、リフトレバー17の解除部171がオープンレバー10の折曲部101に下方から当接して押し上げることでオープンレバー10をリリース方向へ回動させる。これにより、ラチェット9は、リリース方向へ回動してラッチ7の係合から外れることによって、ドアの開放を可能にする。
【0109】
図10状態においてインサイドハンドルが操作された場合には、インサイドハンドルの操作は、ボーデンケーブル36を介してインサイドレバー19に伝達される。インサイドレバー19は、スプリング38の付勢力に抗してリリース作動しアーム部192の側縁が係脱ピン44に当接する。係脱ピン44は、インサイドレバー19のリリース作動に伴って、後方(図10において左方)へ押されてサブインサイドレバー20の長溝201の側縁に当接することにより、インサイドレバー19のリリース作動をサブインサイドレバー20に伝達し、サブインサイドレバー20もリリース作動する。
【0110】
サブインサイドレバー20のリリース作動は、サブインサイドレバー20の当接部202、コネクトレバー24の被当接部243を介してコネクトレバー24、またサブインサイドレバー20のアーム部203を介してワンモーションレバー21にそれぞれ伝達される。これにより、コネクトレバー24は、アウトサイドレバー18がリリース作動したときと同様にリリース作動し、これをもって、ラチェット9をリリース方向へ回動させてラッチ7から離脱させてドアを開けることができる。また、ワンモーションレバー21は、サブインサイドレバー20のリリース作動に連動してキャンセル方向(図10において時計方向)へ回動するだけで、当該回動は、他の要素には伝達されない。
【0111】
したがって、図10状態においては、アウトサイドハンドル及びインサイドハンドルのいずれを操作しても、ドアを開けることができる。
【0112】
(図11状態のとき、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルが操作された場合)
【0113】
図11状態においてアウトサイドハンドルが操作された場合には、アウトサイドレバー18は、スプリング35の付勢力に抗してリリース作動して作動部182が上方へ移動することでコネクトレバー24の突部241を下方から押上げてアウトサイドハンドルの操作をコネクトレバー24に伝達する。これにより、コネクトレバー24は、リリース作動することでパニックレバー16及びリフトレバー17をロック位置からオープン方向(上方)へ移動させる。しかし、この状態においては、アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態にあるため、リフトレバー17が上方へ移動しても、解除部171は、オープンレバー10の折曲部101に対して空振りして移動するため、アウトサイドレバー18のリリース作動をオープンレバー10に伝達することはできない。よって、ドアを開けることはできない。
【0114】
図11状態においてインサイドハンドルが操作された場合には、上述のように、インサイドレバー19のリリース作動は、係脱ピン44を介してサブインサイドレバー20に伝達され、サブインサイドレバー20のリリース作動は、ワンモーションレバー21及びコネクトレバー24に伝達される。
【0115】
サブインサイドレバー20のリリース作動は、先ずワンモーションレバー21に伝達される。これにより、ワンモーションレバー21は、スプリング46の付勢力に抗してキャンセル方向(図11において時計方向)へ回動する。この結果、図16に示すように、ワンモーションレバー21の回動によって上端部211がロック位置にあるロックレバー15の顎部154に当接し、ロックレバー15はアンロック位置へ向けて回動する。ロックレバー15、パニックレバー16及びリフトレバー17がアンロック位置直前の位置まで移動すると、サブインサイドレバー20の当接部202がコネクトレバー24の被当接部243に当接することで、コネクトレバー24はスプリング39の付勢力に抗してリリース作動を開始する。そして、コネクトレバー24がリリース作動した直後に、ワンモーションレバー21の上端部211がロックレバー23の顎部154から外れ、ロックレバー15は、アンロック位置に変位する。
【0116】
続いて、図17に示すように、コネクトレバー24のリリース作動により、ロックレバー23と共にアンロック位置に変位したパニックレバー16及びリフトレバー17は、アンロック位置からオープン方向(上方)へ移動し、リフトレバー17の解除部171がオープンレバー10の折曲部101に下方から当接してオープンレバー10をリリース方向へ回動させる。これにより、ラチェット9はリリース方向へ回動しラッチ7から外れてドアを開けることができる。
【0117】
上述により、図11状態においては、アウトサイドハンドルの操作ではドアをドアを開けることはできないが、インサイドハンドルを操作した場合には、アウトサイドロック手段をアウトサイドロック状態からアウトサイドアンロック状態に切り替えると共にドアを開けることができるワンモーション作動が可能である。
【0118】
(ドア閉状態で、図12状態のとき、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルが操作された場合)
【0119】
図12に状態において、アウトサイドハンドルが操作された場合には、アウトサイドレバー18は、スプリング35の付勢力に抗してリリース作動し、当該リリース作動を作動部182を介してコネクトレバー24に伝達する。これにより、コネクトレバー24のリリース作動に連動して、パニックレバー16及びリフトレバー17は、アンロック位置からオープン方向(上方)へ移動し、リフトレバー17の解除部171がオープンレバー10の折曲部101に下方から当接してオープンレバー10をリリース方向へ回動させる。これにより、ラチェット9はリリース方向へ回動しラッチ7から離脱してドアの開放を可能にする。
【0120】
図12状態において、インサイドハンドルが操作された場合には、インサイドレバー19がスプリング38の付勢力に抗してリリース作動しても、係脱ピン44は、インサイドレバー19のアーム部192の移動軌跡外に位置して、アーム部192に当接不能であるため、インサイドレバー19のリリース作動は、サブインサイドレバー20に伝達されない。よって、サブインサイドレバー20は、待機位置に止まった状態に維持される。したがって、インサイドハンドルの操作は、インサイドレバー19のみに伝達されるだけで、他の要素には伝達されないため、アウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態に切り替えることができないだけでなく、ドアを開けることもできない。
【0121】
上述により、図12状態においては、アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態であるため、アウトサイドハンドルの操作でドアを開けることは可能であるが、インサイドロック手段がインサイドロック状態にあるため、インサイドハンドルを操作してもアウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態にあってもドアを開けることはできない。
【0122】
(ドア閉状態で、図13状態のとき、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルが操作された場合)
【0123】
図13状態において、アウトサイドハンドルが操作された場合には、アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態であるため、アウトサイドレバー18のリリース作動に伴ってコネクトレバー24がリリース作動しても、上述のようにパニックレバー16及びリフトレバー17は、ロック位置からオープン方向へ移動するだけで、オープンレバー10をリリース方向へ回動させることはできない。よって、アウトサイドハンドルを操作してもドアを開けることはできない。
【0124】
図13に状態において、インサイドハンドルが操作された場合には、インサイドロック手段がインサイドロック状態であるため、インサイドレバー19がスプリング38の付勢力に抗してリリース作動しても、当該リリース作動は、サブインサイドレバー20に伝達されない。よって、アウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態に切り替えることができないだけでなく、ドアを開けることもできない。
【0125】
上述により、図13状態においては、アウトサイドハンドル及びインサイドハンドルのいずれを操作しても、ドアを開けることはできない。
【0126】
(ドア閉状態で、図14状態のとき、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルが操作された場合)
【0127】
図14状態において、アウトサイドハンドルが操作された場合には、アウトサイドロック手段がアウトサイドアンロック状態にあって、アウトサイドレバー18のリリース作動は、オープンレバー10に伝達されるため、ドアを開けることができる。
【0128】
図14状態において、インサイドハンドルが操作された場合には、インサイドロック手段がインサイドロック状態にあって、インサイドレバー19のリリース作動は、サブインサイドレバー20に伝達不能であるため、ドアを開けることはできない。
【0129】
上述により、図14状態においては、アウトサイドハンドルの操作ではドアを開けることはできるが、インサイドハンドルの操作ではドアを開けることはできない。
【0130】
(ドア閉状態で、図15状態のとき、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルが操作された場合)
【0131】
図15状態においてはアウトサイドロック手段及びインサイドロック手段が共に各ロック状態であるため、アウトサイドハンドル及びインサイドハンドルのいずれを操作してもドアを開けることはできない。さらには、前述のように、スーパーロック状態でもあるため、インサイドロック操作レバー22をアンロック位置への移動させても、インサイドロック手段をインサイドアンロック状態に切り替えることはできない。
【0132】
(ドア閉状態で、図11状態のとき、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルの操作の直後に施解錠操作スイッチがアンロック操作された場合)
【0133】
図11状態において、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルの操作によって、図19に示すように、コネクトレバー24のリリース作動に連動して、パニックレバー16及びリフトレバー17が、ロック位置からオープンレバー10の前方を横切るようにオープン方向へ移動している状態のとき、施解錠操作スイッチがアンロック操作されると、施解錠モータ26の駆動をもって、ロックレバー15は、ロック位置からアンロック方向へ回動し、当該回動によりオープン方向へ移動した状態のパニックレバー16及びリフトレバー17もアンロック方向へ移動しようとする。しかし、オープン方向へ移動している状態のリフトレバー17がアンロック方向へ向けて移動すると、図20に示すように、リフトレバー17がアンロック位置に完全に移動する前に、リフトレバー17の解除部171の後側面がオープンレバー10の折曲部101の前端に前方から衝突し、リフトレバー17のそれ以上の移動が阻止される状態、すなわちパニック状態が発生する。しかし、パニック状態が発生しても、リフトレバー17は、スプリング40及びパニックレバー16を介してロックレバー15に連結されているため、リフトレバー17のロック位置へ向かう移動は阻止されても、ロックレバー15は、スプリング40の付勢力に抗して、パニックレバー16と共にアンロック位置に移動する。
【0134】
次いで、図20に示す状態からアウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルの操作を中断すると、アウトサイドレバー18またはインサイドレバー20の待機位置への復帰に伴って、コネクトレバー24は元の位置に戻ってリフトレバー17及びパニックレバー16が下方へ移動すると共に、リフトレバー17の解除部171の後側面がオープンレバー10の折曲部101の前端から外れて、図21に示すように、リフトレバー17は、スプリング40の付勢力によりアンロック位置に移動する。
【0135】
上述により、パニック状態が発生しても、ロックレバー15は、アンロック位置に移動可能であって、リフトレバー17は、アウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルの操作を中断することで、スプリング40の付勢力をもってアンロック位置に移動することができる。したがって、パニック状態が発生しても、アウトサイドロック手段を確実にアウトサイドアンロック状態に切り替えることができる。
【0136】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
【0137】
(i)電気的駆動源をソレノイドとする。
(ii)スーパーロックレバー25を回転運動するものに代えて、アンロック位置とロック位置とに直線的に移動可能な構成とする。
(iii)前記実施形態に加えて、図22、23に示すように、スーパーロックレバー25がアンロック位置からロック位置へ移動する際、アウトサイドロック手段をアウトサイドアンロック状態からアウトサイドロック状態に切り替えると共に、当該切り替えた状態でアウトサイドロック手段のアウトサイドロック状態からアウトサイドアンロック状態への切り替えを阻止するものとする。
【0138】
図22、23に示すものを説明すると、前記実施形態のものに加えて、スーパーロックレバー25はさらに、上部側面にあって、スライドレバー14側へ向けて突出し、スライドレバー14のアンロック用作用部142の下面に当接可能な突部255を有する。
【0139】
突部255は、スーパーロックレバー25がスーパーロックモータ27の駆動により図22に示すアンロック位置からロック方向(図22において時計方向)へ回動すると、アンロック位置にあるスライドレバー14のアンロック用作用部142の下面に当接しスライドレバー14を押し上げてロック位置に移動させる。そして、図23に示すように、スーパーロックレバー25がロック位置に移動すると、スライドレバー14を介して、図示略のスーパーロックレバー25及びリフトレバー17がロック位置に移動することで、アウトサイドロック手段はアウトサイドロック状態に切り替えられると共に、切り替えた状態において、アンロック用作用部142の下面にスーパーロックレバー25の突部255が当接することで、スライドレバー14のアンロック方向への移動、すなわちアウトサイドロック手段のアウトサイドアンロック状態への切り替えを阻止する。
【0140】
図22、23に示すようにした場合には、アウトサイドロック手段、インサイドロック手段及びスーパーロック手段がそれぞれ各ロック状態にあるとき、アウトサイドロック手段を不正にアウトサイドアンロック状態に切り替えられることを防止することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 ドアラッチ装置
2 噛合ユニット
3 操作ユニット
4 カバープレート
5 ボディ
5A バックプレート
6 枢軸
7 ラッチ
8 枢軸
9 ラチェット
10 オープンレバー
11 ケーシング
12 カバー
13 キーレバー
14 スライドレバー(アウトサイドロック手段)
15 ロックレバー(アウトサイドロック手段)
16 パニックレバー
17 リフトレバー(アウトサイドロック手段)
18 アウトサイドレバー
19 インサイドレバー
20 サブインサイドレバー(インサイドロック手段)
21 ワンモーションレバー(ワンモーション作動手段)
22 インサイドロック操作レバー
23 インサイドロック作動レバー(インサイドロック手段)
24 コネクトレバー
25 スーパーロックレバー
26 施解錠モータ(アウトサイドロック手段)
27 スーパーロックモータ
28 ノブレバー
29 スプリング
30 枢軸
31 枢軸
32 ボーデンケーブル
33 枢軸
34 ボーデンケーブル
35 スプリング
36 ボーデンケーブル
37 枢軸
38 スプリング
39 スプリング
40 スプリング
41 枢軸
42 枢軸
43 スプリング
44 係脱ピン
45 枢軸
46 スプリング
48 エマージェンシー部材
51 ストッパ
52 ストライカ進入溝
101 折曲部
111 開口部
121 凹部
122 開口
123 突部
124 開口
131 突部
132 下端部
141 ロック用作用部
142 アンロック用作用部
143 凹部
144 連結軸部
145 張出部
151 長孔
152 突軸部
153 ギヤ部
154 顎部
161 長孔
171 解除部
181 連結部
182 作動部
191 連結部
192 アーム部
201 長溝
202 当接部
203 アーム部
211 上端部
221 手動操作部
222 舌片部
223 先端部
231 当接部
232 長孔
233 被阻止部
241 突部
242 連結軸
243 被当接部
251 アンロック用アーム部
252 阻止部
253 ギヤ部
254 上縁
255 突部
261 ウォーム
271 ウォーム
481 凹部
482 回動アーム部
S ストライカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアのアウトサイドハンドルの操作に基づいて、前記ドアを開くことができるアウトサイドアンロック状態と前記ドアを開くことができないアウトサイドロック状態に切り替え可能なアウトサイドロック手段と、
前記アウトサイドロック手段がアウトサイドロック状態のとき、前記ドアのインサイドハンドルの操作に基づいて、前記アウトサイドロック手段をアウトサイドロック状態からアウトサイドアンロック状態に切り替えるワンモーション作動を行うワンモーション作動手段と、
手動操作部が手動操作されることにより前記ワンモーション作動手段のワンモーション作動を可能にするインサイドアンロック状態と不能にするインサイドロック状態に切り替え可能なインサイドロック手段と、
前記インサイドロック手段のインサイドロック状態からインサイドアンロック状態への切り替えを可能にするスーパーアンロック状態及び前記インサイドロック手段のインサイドロック状態からインサイドアンロック状態への切り替えを阻止するスーパーロック状態に切り替え可能なスーパーロック手段とを備えたことを特徴とする自動車用ドアラッチ装置。
【請求項2】
前記スーパーロック手段は、モータと、前記モータによりスーパーアンロック状態とするアンロック位置及びスーパーロック状態とするロック位置に移動可能なスーパーロックレバーを含み、
前記スーパーロックレバーは、アンロック位置からロック位置に移動することにより前記インサイドロック手段をインサイドアンロック状態からインサイドロック状態へ切り替えてインサイドアンロック状態への切り替えを阻止することを特徴とする請求項1記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項3】
前記インサイドロック手段は、前記手動操作部が手動操作されることによりアンロック位置及びロック位置に移動可能なインサイドロック操作レバーと、前記インサイドロック操作レバーのアンロック位置からロック位置への移動に連動してインサイドロック状態とするロック位置に移動し、前記インサイドロック操作レバーがロック位置からアンロック位置へ移動することによりスプリングの付勢力によりインサイドロック状態とするロック位置に移動可能なインサイドロック作動レバーとを含み、
前記インサイドロック作動レバーは、前記スーパーロックレバーがロック位置にあるとき、前記インサイドロック操作レバーがアンロック位置に移動しても前記スプリングの付勢力に抗してロック位置に保持されることを特徴とする請求項2記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項4】
前記インサイドロック操作レバーは、ロック位置にあるとき、前記インサイド作動レバーに当接することで、前記インサイドロック作動レバーをロック位置に保持することを特徴とする請求項3記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項5】
前記スーパーロックレバーは、前記ドアのキーシリンダの操作により作動するキーレバーによりロック位置からアンロック位置へ移動することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の自動車用ドアラッチ装置。
【請求項6】
前記ワンモーション作動手段は、前記インサイドロック手段がインサイドアンロック状態にあるときのみ前記インサイドハンドルの操作に基づいて作動するサブインサイドレバーに当接することによってワンモーション作動を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車用ドアラッチ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2013−2247(P2013−2247A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137609(P2011−137609)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000148896)三井金属アクト株式会社 (127)
【Fターム(参考)】