説明

自動車用ランプレンズ面の着雪防止構造

【課題】
低コストで簡単な構造によりランプレンズ面への着雪を防止し、かつ自動的に雪を振り落とすようにした自動車用ランプレンズ面の着雪防止構造を提供する。
【解決手段】
自動車の外部に装備されるランプレンズ面2に透光性よりなる着雪を防止するクリアカバー3を車両走行振動により上下方向に振幅可能に、また、クリアカバー3は車両走行振動による上下方向の振幅端でランプ本体1に設けたカバースライド用リブ6と当てリブ8とに干渉させてクリアカバー3自体に衝撃力を付与するよう取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプレンズ面への着雪を防止した自動車用ランプレンズ面の着雪防止構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、リヤフォグランプは氷点下の環境においてもランプ点灯熱によってレンズ面が1℃以上となるよう設計されている。
【0003】
しかし、吹雪時、降雪時にシャーベット状となった雪が表面張力によってレンズ面から効率良く落下しない場合もある。これを防止するためにエアダクトにより走行風をレンズ面に当てる構造も考えられているが、構造上やコスト、見栄えなどから採用し難い問題があった。
【特許文献1】実開昭60−34033公報
【特許文献2】実用新案登録第2586990公報
【特許文献3】特開平10−114258公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みて、低コストで簡単な構造によりランプレンズ面への着雪を防止し、かつ自動的に雪を振り落とすようにした自動車用ランプレンズ面の着雪防止構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1に記載のとおり、自動車の外部に装備されるランプレンズ面に透光性よりなる着雪を防止するカバーを車両走行振動により上下方向に振幅可能に取り付けたことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に記載のとおり、上記ランプレンズ面に着雪を防止するクリアカバーは車両走行振動による上下方向の振幅端でランプ本体に設けたリブに干渉させてクリアカバー自体に衝撃力を付与するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、吹雪時、降雪時においてクリアカバーによりレンズ面への着雪を防止すると共に、車両走行振動によりクリアカバーを振幅させ、また、衝撃力を付与することでクリアカバーの着雪を自動的かつ効率的に落下除去しランプの被視認性を向上するという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を実施するための最良の形態について図面に基づいて説明する。図1において、1はランプ本体であり、このランプ本体1は自動車の外部に装備されるヘッドランプ、ストップランプ、リヤコンビネーションランプ、フォグランプ等である。
【0009】
本発明は上記ランプ本体1のレンズ面2(図2参照)に透光性よりなる着雪を防止するクリアカバー3を車両走行振動により上下方向に振幅可能に取り付けたものである。また、前記クリアカバー3は車両走行振動による上下方向の振幅端でランプ本体1に設けたリブに干渉させてクリアカバー3自体に衝撃力を付与するようにしたものである。
【0010】
上記クリアカバー3のランプ本体1への取り付け構造の具体例について図2及び図3により説明する。図2において、ランプ本体1の両側面にカバースライド用リブ6と、このカバースライド用リブ6の下方に間隔Sをおいて当てリブ8とを設けている。前記カバースライド用リブ6と当てリブ8との間隔Sは約3mm程度が適当である。
【0011】
図3は着雪防止カバー3である。この着雪防止カバー3の材質は、透光性、耐熱性、耐衝撃性を考慮して、例えば、ポリカーボネイト樹脂が用いられる。
【0012】
前記クリアカバー3は、その両側に装着用枠4が設けられている。この装着用枠4は前記カバースライド用リブ6の上下方向の長さより長い矩形穴4aが設けられており、矩形穴4aの上部中央にバネ止め軸5が突設されている。
【0013】
上記のクリアカバー3は、図1で示すように、装着用枠4の矩形穴4aをランプ本体1の両側面に設けられているカバースライド用リブ6に嵌め込み、カバースライド用リブ6の上端と矩形穴4aの上端との間にバネ7を介装してクリアカバー3を常に上方に押し上げようにしている。前記カバースライド用リブ6の上端と装着用枠4の矩形穴4aの上端との間に介装したバネ7は装着用枠4側では矩形穴4aの上部中央にバネ受け軸5が嵌り込み、カバースライド用リブ6側では図略しているが、カバースライド用リブ6の上端の中央に突設したバネ受け軸が嵌り込んでバネ7を位置決め保持している。
【0014】
本発明は上記の通りの構造であるから、吹雪時、降雪時において、ランプ本体1のレンズ面2はクリアカバー3によって着雪が防止されランプの被視認性を向上する。
【0015】
前記ランプ本体1のレンズ面2に取り付けられたクリアカバー3はランプ本体1に対し装着用枠4の矩形穴4aとカバースライド用リブ6及びバネ7とによって上下方向に振幅案内され、かつ上下方向の振幅端では装着用枠4がバネ7の弾力により定位置に戻る際、カバースライド用リブ6と当てリブ8とに干渉してクリアカバー3自体に衝撃力を付与する。
【0016】
従って、クリアカバー3は車両走行振動による上下方向の振幅動によりクリアカバー3に付着した雪を落下除去する。また、クリアカバー3の振幅端では装着用枠4がカバースライド用リブ6と当てリブ8とに干渉してクリアカバー3自体に衝撃力が付与されるため、前記振幅動と衝撃力との相乗作用によりクリアカバー3の着雪を自動的かつ効率的に落下除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を装備した自動車用ランプの斜視図
【図2】本発明を装備可能にした自動車用ランプの斜視図
【図3】クリアカバーの斜視図
【符号の説明】
【0018】
1 ランプ本体
2 レンズ面
3 クリアカバー
4 装着用枠
4a 矩形穴
5 バネ止め軸
6 カバースライド用リブ
7 バネ
8 当てリブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の外部に装備されるランプレンズ面に透光性よりなる着雪を防止するクリアカバーを車両走行振動により上下方向に振幅可能に取り付けたことを特徴とする自動車用ランプレンズ面の着雪防止構造。
【請求項2】
ランプレンズ面に着雪を防止するクリアカバーは車両走行振動による上下方向の振幅端でランプ本体に設けたリブに干渉させてクリアカバー自体に衝撃力を付与するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ランプレンズ面の着雪防止構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−149471(P2007−149471A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341307(P2005−341307)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】