自動車用発光装置
【課題】板状の導光体における長手方向の端面から光を入射させて前記意匠を表示する自動車用発光装置において、前記意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることが可能な自動車用発光装置を提供する。
【解決手段】自動車用発光装置10に、意匠を表示するための凹み30が裏面に形成され長手方向D1の端面23,24からの入射光に基づいて前記裏面とは反対側の発光面21から前記意匠を表示するための板状の導光体20と、該導光体20の長手方向D1の端面23,24に光を入射させる光源62とを設け、前記導光体20における短手方向D2の端面25,26の少なくとも一部を粗面化する。
【解決手段】自動車用発光装置10に、意匠を表示するための凹み30が裏面に形成され長手方向D1の端面23,24からの入射光に基づいて前記裏面とは反対側の発光面21から前記意匠を表示するための板状の導光体20と、該導光体20の長手方向D1の端面23,24に光を入射させる光源62とを設け、前記導光体20における短手方向D2の端面25,26の少なくとも一部を粗面化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠を表示するための凹みが裏面に形成された板状の導光体における長手方向の端面から光を入射させて前記意匠を表示する自動車用発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の乗降口の足元部分を保護する装飾板として、LED(発光ダイオード)の光により文字等の意匠を表示するスカッフプレートが知られている。
図11は、特開2002−287671号公報に記載されたスカッフプレート発光装置の垂直断面を示している。図に示すように、スカッフプレート発光装置900は、LED910と、長手方向991の端面となる側面922がLED910に対向して配置され上面921が発光面となる導光板920と、を備えている。導光板920の裏面923には、該裏面923に設けられた意匠用の溝925の底面926がLED910から遠いほど上面921の近くに位置するように表示部が複数形成されている。
【0003】
以上の構成により、LED910から導光板920内へと導入された光は、導光板の裏面923に反射等された後、導光板の上面921から放射される。ここで、溝925の底面926による反射と導光板裏面923のその他の部分による反射の態様が異なることにより、当該底面926の形状が表示される。
【特許文献1】特開2002−287671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術では、導光板920の長手方向991の端面近傍にLED910が配置されるため、LED910から導光板920へ入射した光は、導光板920内で長手方向991を中心とする方向へ進行する。
図12に示すスカッフプレート発光装置901には、LED930から導光板940内に入射した光の進行方向993を矢印で示している。同図に示すように、LED930からの入射光が主に長手方向992に沿って進むので、導光板940の裏面に形成された溝945のうち長手方向に向いた部分945aは、短手方向994を向いた部分945b等その他の部分と比べて照射量が少なくなり、暗くなる。そこで、スカッフプレート発光装置の意匠が部分的に暗くならないようにすることが望まれている。
なお、導光板の短手方向の端面近傍にLEDを設けることは、車輌設計上スカッフプレート発光装置の設置空間が限られ、部品点数の増加によるスカッフプレート発光装置のコストアップや製造工数増大に繋がるため、難しい。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、意匠を表示するための凹みが裏面に形成された板状の導光体における長手方向の端面から光を入射させて前記意匠を表示する自動車用発光装置において、前記意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の自動車用発光装置は、意匠を表示するための凹みが裏面に形成され、長手方向の端面からの入射光に基づいて前記裏面とは反対側の発光面から前記意匠を表示するための板状の導光体と、該導光体の長手方向の端面に光を入射させる光源とを備え、前記導光体における短手方向の端面の少なくとも一部が粗面化されていることを特徴とする。
以上の構成により、光源から板状導光体の長手方向の端面に入射した光は、導光体の短手方向の粗面化された端面で反射する。これにより、導光体内で短手方向に進む光が増え、該光により意匠の長手方向に沿った部分が照らされる。従って、導光体の意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることができる。
【0007】
ここで、導光体の裏面に形成される凹みは、溝形状の凹み、皿形状の凹み、これらの組み合わせ、等を含む。
導光体の形状である板状は、上記凹みを有する形状を含み、自動車に取り付けるための形を有する形状を含む。また、板状の導光体は、平板状の導光体、発光面や裏面や端面が曲面とされた板状の導光体、曲がった板状とされた導光体、等を含む。
導光体における短手方向の端面の粗面化された部位は、導光体の短手方向の端面にブラスト材を吹き付けるブラスト処理など後加工により粗面化した部位でもよいし、成形面が粗面化された成形型で導光体を成形することにより成形と同時に粗面化した部位でもよい。また、粗面化は、つや消し程度の凹凸化、溝形状にすること、これらの組み合わせ、等を含む。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、意匠を表示するための凹みが裏面に形成された板状の導光体における長手方向の端面から光を入射させて前記意匠を表示する自動車用発光装置において、前記意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることが可能になる。
請求項2に係る発明では、長手方向の端面からの入射光が短手方向の端面の粗面化部位で乱反射して短手方向に進む光が増え、意匠の長手方向に沿った部分を適切に明るくすることができる。
請求項3に係る発明では、長手方向の端面からの入射光が短手方向の端面の溝で反射して短手方向に進む光が増え、意匠の長手方向に沿った部分を適切に明るくすることができる。
請求項4に係る発明では、光源からの長手方向に向いた入射光が略V状溝の対向部分でほぼ全て反射するので、意匠の長手方向に沿った部分をさらに明るくすることができる。
【0009】
請求項5に係る発明では、光源から遠いと溝同士の間隔が狭いので反射光が多くなり、意匠の長手方向に沿った部分を適切に明るくすることができる。
請求項6に係る発明では、光源から遠いと溝が深いので反射光が多くなり、意匠の長手方向に沿った部分を適切に明るくすることができる。
請求項7に係る発明では、意匠用の凹みが導光体の長手方向へ複数並べられているときに各意匠の長手方向に沿った部分をさらに明るくすることができる。
請求項8に係る発明では、各意匠の長手方向に沿った部分をさらに適切に明るくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)自動車用発光装置の構成:
図1は本発明の一実施形態に係る自動車用発光装置10を採用した自動車の内装を示す要部斜視図、図2は発光装置10の平面図、図3は図2に示す発光装置10を同図のA1−A1の位置で断面視して示す垂直断面図、図4は反射フィルム76の平面図、図5は種々の発光装置10a〜10dを図2のA2−A2の位置で断面視して示す垂直断面図、図6〜図8は種々の導光体20e〜20iの要部を示す平面図、図9はブラスト装置100を模式的に示す図である。図2では、カバー74が断面視されている。
なお、図2に示すように、導光体20の長手方向D1は発光面21に臨んだときに長い方向とし、導光体20の短手方向D2は発光面21に臨んだときに短い方向とする。光源62からの入射光は、導光体20内で長手方向D1を中心とする方向へ進むことになる。また、図3に示すように、導光体20の厚み方向D3は、長手方向D1及び短手方向D2に直交する方向とする。発光面21から出た光は、厚み方向D3を中心とする方向へ進むことになる。
【0011】
図1では、ドア84を開けた状態で前席82の背後から後席83にわたって路上走行自動車の要部を示している。図に示す自動車のドア開口部81の下縁にスカッフプレート1が設置され、このスカッフプレート1に本発明に係る自動車用発光装置10が設けられている。
スカッフプレートは、ドア開口部の下縁を構成する車体パネルを被覆して乗降口の足元部分を保護するとともに、車名といったロゴタイプ等の意匠を表したプレート等により車室の意匠性を高める機能を有する。本実施形態のスカッフプレート1は、発光装置10の発光面21から文字やロゴタイプ等の意匠が浮かび上がるため、車室の装飾効果がより一層高められ、自動車に高級感を付与することができる。
【0012】
本発光装置10の基本部分は、板状の導光体20と光源62とから構成される。本実施形態の発光装置10は、光源62が光源ユニット60に含まれ、ケース72,74に導光体20と光源ユニット60と反射フィルム76とが収容されて構成されている。
導光体20は、意匠を表示するための凹み30が裏面22に形成され、長手方向D1の端面23,24からの入射光に基づいて裏面22とは反対側の発光面21から前記意匠を表示する。すなわち、発光面21は、導光体20において凹み30に対応した意匠を現出させる表面とされている。光源62は、導光体20の長手方向D1の端面23,24に光を入射させる。すなわち、これらの端面23,24は、光源62から照射される光の受光面とされている。導光体20における短手方向D2の端面25,26の少なくとも一部は、粗面化されている。これにより、本発光装置10は、導光体20の意匠の短手方向D2に沿った部分32と比べて導光体20の意匠の長手方向D1に沿った部分31が暗くなりすぎないように表示する。
【0013】
図3に示すように、本実施形態の発光装置10は、底板72上に反射フィルム76が載置され、さらにフィルム76上に導光体20が載置されている。導光体20の長手方向両端部の発光面側には、切欠部27,27が形成されている。なお、導光体20の形状である板状には、凹み30や切欠部27を有する導光体の形状が含まれる。光源62は、導光体20の長手方向D1の両端面23,24の近傍にそれぞれ複数配置され、該両端面23,24に光を照射する。光源ユニット60,60と切欠部27,27とは、遮光性のカバー74で覆われている。このカバー74により光源ユニット60,60を直接視認することができなくなるため、発光装置10の意匠性が高められる。また、厚み方向D3における切欠部27,27の深さを該切欠部の覆う部分のカバー74の厚みと略同じにすると、発光面21とカバー74とを略面一にすることができ、発光装置10を統一感のあるすっきりとした好ましい意匠にすることができる。
ケース72,74には、ステンレス等の金属をプレス成形等により成形したもの、着色剤を添加した熱可塑性樹脂等の遮光性の樹脂成形材料を射出成形やプレス成形等により成形したもの、等を用いることができる。また、金属や樹脂成形材料を成形したものに不織布、織物、編物、等の表皮材を積層してケースを形成してもよい。
【0014】
反射フィルム76には、熱可塑性樹脂等の樹脂フィルムに金属の薄膜を積層したフィルム等を用いることができる。前記樹脂フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等を用いることができる。前記金属にはアルミニウム等を用いることができ、反射フィルム76には樹脂フィルムの表面に金属を蒸着したフィルム等を用いることができる。導光体20の裏側に反射フィルム76を配置することにより、発光面21から出る光の量を増やすことができ、意匠をより一層明るく表示することができる。
【0015】
また、図4に示すように、反射フィルム76には、長手方向D1に延びるライン状の模様76aを施したヘアラインフィルムを用いることができる。この場合、発光装置10の見た目をより良好にさせることができるとともに、光源62からの入射光が長手方向D1へ乱反射することを抑止することができるので、意匠をより一層明確に表示して装飾効果を高めることができる。
なお、反射フィルム76の大きさが導光体20の裏面22よりも若干広いと、発光装置10の見た目をより良好にさせることができる。
【0016】
光源ユニット60は、光源62、該光源を点灯駆動する回路を形成したプリント基板、等から構成されている。光源ユニット60は、図示しない制御回路に対して電気的に接続され、例えば、ドアが開くと光源62が点灯し、該ドアが閉じると光源62が消灯するようにされる。
光源62には、小型で、照射方向に指向性を有し、長寿命であるLED(発光ダイオード)を好適に用いることができる。むろん、光源62に、白熱電球、ハロゲン電球、蛍光ランプ、放電ランプ、等を用いることも可能である。また、光源の発光色は白、赤、緑、青、等、種々の色を採用することができ、同じ発光装置10に異なる発光色の光源を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
本実施形態では、光の照射方向が導光体の長手方向D1を中心とする方向となるように導光体の端面23,24に向けてそれぞれ2個ずつ光源62を配置している。むろん、各端面23,24に面して配置する光源の数は1個でも3個以上でもよく、端面23,24に面する位置のどちらか一方のみ光源を配置してもよい。また、光源は、端面23,24に接して配置されてもよいし、端面23,24から離されて配置されてもよい。
【0018】
板状の導光体20には、透明又は半透明の樹脂成形材料を射出成形やプレス成形等により成形した透明又は半透明の成形品等を用いることができる。前記樹脂成形材料を構成する樹脂には、透光性に優れたアクリル樹脂やポリカーボネート等を用いることができる。本実施形態の導光体20は、発光面全体の明るさをなるべく均一にする観点から、外形が凹み30及び切欠部27を有する薄板状の略直方体、すなわち、略平板形状とされている。むろん、導光体20は、導光体を構成する面21〜26の一部又は全部が曲面とされた形状とすることもできるし、全体に曲がった形状とすることもできる。
【0019】
本導光体20の発光面21は、切欠部27,27を除いて平面形状とされている。反射フィルム76に面する裏面22は、意匠を表示するための凹み30を有し、該凹みを除いて平面形状とされている。本実施形態の凹み30は、裏面22から発光面21に向けて彫り込むように導光体20の厚みの途中まで凹んだ溝形状とされ、裏面22から導光体内部に向かうにつれて次第に幅が減少する形状に形成され、側面部が傾斜している。そして、このような凹み30が導光体の裏面22に対して長手方向D1へ複数並べられている。文字やロゴタイプからなる意匠を表示する場合、凹み30を溝形状にすると、意匠を明確に表示することができるので好適である。むろん、凹みを、平皿形状、溝形状と平皿形状との組み合わせ、等とすることも可能である。
導光体の長手方向の端面23,24は、光源62からの光の反射や屈折を少なくするため、平面形状とされている。光源62から導光体20へ入射した光は、長手方向D1を中心とする方向へ進行する。導光体の短手方向の端面25,26は、長手方向D1に沿って形成されている。
【0020】
導光体の短手方向の端面が粗面化されていないと、光源からの入射光は、長手方向を中心とする方向へ進む。長手方向に沿った方向へ進む入射光は、短手方向の端面で反射しても長手方向に沿った方向へ進むことになる。短手方向の端面を全く粗面化していない導光体を用いた発光装置では、導光体の裏面に形成された凹みのうち長手方向に沿った部分は、短手方向に沿った部分と比べて照射量が少なくなり、暗くなる。すなわち、発光装置の意匠が部分的に暗くなる。
そこで、本発光装置10は、導光体の端面25,26の一部又は全部を粗面化した部位(粗面化部位)としている。図2では、両端面25,26全てが粗面化部位40とされていることが示されている。
【0021】
図5は、粗面化部位の違う各種の発光装置を図2のA2−A2の位置で断面視して示している。
発光装置10aの導光体20aの端面26aは、ブラスト材を吹き付けるブラスト処理により全て粗面化部位41とされている。ここで、ブラスト処理には、砂等を吹き付けて表面をつや消しにするサンドブラスト処理を採用することができる。ブラスト材には、砂、粒状ガラス、粒状アルミナ、鋼球等の粒状金属、粒状プラスチック、等を用いることができる。ブラスト処理により、導光体の端面に微細な凹凸が多数形成される。発光装置10bの導光体20bの端面26bは、一部がブラスト処理により粗面化部位42とされている。むろん、導光体20a,20bにおいて前記端面26a,26bとは反対側の端面も、ブラスト処理により一部または全部が粗面化部位とされてもよい。
短手方向D2の端面の少なくとも一部がブラスト処理により粗面化されると、長手方向D1の端面からの入射光が短手方向D2の端面の粗面化部位41,42で乱反射する。これにより、導光体内で短手方向D2に進む光が増え、また、粗面化部位41,42での反射光が種々の方向へ進むので、導光体の発光面21から出る光の量が適切に増加し、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0022】
また、導光体20bでは、長手方向D1へ複数並べられた凹み30のそれぞれに合わせた位置で導光体20bの短手方向D2の端面26bが粗面化されている。これにより、各凹み30の位置に合わせて短手方向D2に沿った光を増やすことができるので、意匠用の凹み30が導光体の長手方向D1へ複数並べられているときに各意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに明るくすることができる。
【0023】
図9は、ブラスト装置100を模式的に示している。ブラスト装置100は、処理対象のワークW1に向けてノズル101から圧縮空気とともにブラスト材110を噴射して、ワークW1の表面にブラスト処理を施す。ここで、ワークW1の表面でブラスト材110の吹き付け部位(ブラスト材110が吹き付けられる部位)の中心部分W1aのブラスト処理は、同吹き付け部位の周縁部分W1b,W1bのブラスト処理よりも強くされる。そこで、図5に示す導光体20bをワークW1とし、各凹み30に合わせた位置の長手方向D1の中間部分42aでブラスト材の吹き付け部位の中心部分W1aを厚み方向D3へ移動させてブラスト処理を行ってもよい。すると、複数の凹み30のそれぞれに合わせた位置で導光体20bの短手方向D2の端面26bがブラスト処理により粗面化され、粗面化された各部位42において長手方向D1の中間部分42aのブラスト処理が長手方向D1の両端部分42b,42bのブラスト処理よりも強くされる。
以上の構成により、長手方向D1の端面からの入射光が粗面化部位42で乱反射する度合いは、各凹み30の合わせた位置の両端部分42b,42bよりも各凹み30の合わせた位置の中間部分42aの方が強くなる。これにより、各意匠の長手方向D1に沿った部分31をより自然な感じで適切に明るくすることができる。
【0024】
図5に示す発光装置10cの導光体20cの端面26cは、一部に裏面22と発光面21とを結ぶ厚み方向D3に向けた微細な溝43が長手方向D1へ略等間隔に複数並べられることにより、端面26cの一部が粗面化されている。すなわち、端面26cのうち溝43を形成した部分が粗面化部位となっている。これらの溝43は、微細な凹凸形状ともいえる。むろん、端面26cの全てに溝43を長手方向D1へ並べて粗面化部位を形成してもよい。また、導光体20cにおいて前記端面26cとは反対側の端面も複数の溝43により一部または全部が粗面化部位とされてもよい。長手方向へ並んだ溝の間隔は、等間隔でなくてもよい。溝の向きは、厚み方向D3から長手方向D1へずれた方向でもよい。溝の形状は、直線状のみならず、曲線状、折れ線状、等でもよい。
導光体20cの形状の成形型で樹脂成形材料を成形する場合、成形型の成形面にダイヤモンドバイト等の成形型よりも硬いバイトを用いて複数の溝43に対応する細長い凸形状を形成すると、該凸形状が成形時に短手方向の端面に転写されて複数の溝43が形成される。成形後の導光体に溝を後加工により形成すると加工限界により微細な溝を形成することができないが、溝に対応する微細な凸形状を成形型に形成することにより導光体の短手方向の端面に微細な溝を形成することが可能になる。
【0025】
短手方向D2の端面の少なくとも一部が溝43により粗面化されると、長手方向D1の端面からの入射光が短手方向D2の端面の溝43で反射する。これにより、導光体内で短手方向D2に進む光が増えるので、導光体の発光面21から出る光の量が適切に増加し、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
また、導光体20cでは、長手方向D1へ複数並べられた凹み30のそれぞれに合わせた位置で導光体20cの短手方向D2の端面26cが粗面化されている。これにより、各凹み30の位置に合わせて短手方向D2に沿った光を増やすことができるので、意匠用の凹み30が導光体の長手方向D1へ複数並べられているときに各意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに明るくすることができる。
【0026】
図5に示す発光装置10dの導光体20dの端面26dは、一部に裏面22と発光面21とを結ぶ厚み方向D3に向けた溝44bが長手方向D1へ複数並べられ、ブラスト材を吹き付けるブラスト処理により全て粗面化部位44aとされている。すなわち、端面26dのうち溝44bを形成した部分が該溝44bとブラスト処理とにより粗面化された部位とされ、残りの部分が前記ブラスト処理のみにより粗面化された部位とされている。むろん、溝44bを形成した部分にのみブラスト処理を施してもよいし、端面26dの全てを溝44bとブラスト処理とにより粗面化してもよい。また、導光体20dにおいて前記端面26dとは反対側の端面も溝44bとブラスト処理とにより一部または全部が粗面化部位とされてもよい。
上記導光体20dは、例えば、複数の溝44bに対応する細長い凸形状を成形面に形成した成形型で樹脂成形材料を成形し、導光体の短手方向の端面にブラスト処理を施すことにより、形成される。
【0027】
導光体の短手方向の端面に複数の溝を形成すると、意匠の長手方向D1に沿った部分が明るくなるものの、前記溝からの反射光で照らされる凹みに該溝の形状が転写されることがある。また、前記溝からの反射光で照らされる部分と照らされない部分とで凹みの発光態様が異なることがある。本導光体20dの短手方向D2の端面にはブラスト処理が施されているので、凹み30に転写される溝の形状がぼかされ、また、凹み30における溝44bからの反射光で照らされる部分と照らされない部分との境界もぼかされる。従って、文字やロゴデザイン等の意匠の輝度が適切に高められ、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0028】
なお、上述した導光体について、サンドブラスト加工等のブラスト処理の代わりに、ダイヤカット、シボ加工、エッチング、等の表面処理を行ってもよい。
【0029】
図6〜図8は、溝の違う各種導光体20e〜20iを発光面21側から見て示している。導光体20e,20iは、長手方向D1の両端面近傍に光源がそれぞれ設けられ、該光源からの入射光の進行方向の中心D4が長手方向D1の両方向とされている。導光体20f〜20hは、図2に示す左側端面23近傍に光源が設けられ、該光源からの入射光の進行方向の中心D4が長手方向D1の右方向のみとされている。図6〜図8では導光体20e〜20iの下側の端面26e〜26iに溝45〜49が形成されていることが示されているが、導光体20e〜20iの上側の端面に溝が形成されていてもよい。
【0030】
導光体20eの短手方向D2の端面26eには、複数の溝45が形成されている。各溝45は、入射光の進行方向の中心D4に対して一定の角度を有する断面三角形となるように短手方向D2の端面26eから略V状に凹み、光源から光が入射する端面に対向する部分45a,45bが短手方向の端面26eから0°よりも大きく45°以下の角度θ1,θ2で導光体20eの内側へ向かう斜面とされている。ここで、図6の左側の入射端面対向部分45aは図2に示す左側端面23に対向する部分であり、図6の右側の入射端面対向部分45bは図2に示す右側端面24に対向する部分である。
上記導光体20eでは、図6の矢印D5eに示すように、長手方向D1に向いた入射光が略V状溝の入射端面対向部分45a,45bでほぼ全て反射する。従って、導光体の発光面21から出る光の量を増やし、意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに明るくすることができる。
【0031】
導光体20fの短手方向D2の端面26fには、複数の溝46が形成されている。各溝46は、入射光の進行方向の中心D4に対して一定の角度を有する断面三角形となるように短手方向D2の端面26fから略V状に凹み、光源から光が入射する端面に対向する部分46aが短手方向の端面26fから0°よりも大きく45°以下の角度θ3で導光体20fの内側へ向かう斜面とされている。一方、光が入射する端面に対向していない非対向部分46bは、短手方向の端面26fから45°よりも大きく135°以下(好ましくは90°)の角度θ4で導光体20fの内側へ向かう切り立った面とされている。
上記導光体20fでは、図6の矢印D5fに示すように、長手方向D1に向いた入射光が略V状溝の入射端面対向部分46aでほぼ全て反射する。一方、非対向部分46bが切り立っているので、設計外の光が非対向部分46bで反射して凹み30を照らしてしまうことが抑止される。従って、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0032】
導光体20gの短手方向D2の端面26gに形成された複数の溝47のうち、光源から比較的遠い位置で長手方向D1へ互いに隣り合う溝を第一及び第二の溝47a,47bとし、光源に比較的近い位置で長手方向D1へ互いに隣り合う溝を第三及び第四の溝47c,47dとする。導光体20gでは、第一の溝47aと第二の溝47bとの間隔c1が第三の溝47cと第四の溝47dとの間隔c2よりも狭くされている。光源から遠いと溝47で反射される光が弱くなるが、光源から遠いと溝同士の間隔が狭いので反射光D5gが多くなる。従って、意匠の長手方向D1に沿った部分31をより均一となるよう適切に明るくすることができる。
本導光体20gでは、光源から離れるほど溝47同士の間隔が徐々に狭くされている。これにより、意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに均一となるよう適切に表示することができる。
なお、第一、第二、第三及び第四の溝47a〜47dは、上述した関係を満たす範囲内で複数の溝47の中から選択可能である。
【0033】
導光体20hの短手方向D2の端面26hに形成された複数の溝48のうち、光源から比較的遠い溝を第五の溝48aとし、光源に比較的近い溝を第六の溝48bとする。導光体20gでは、第五の溝48aの深さd1が第六の溝48bの深さd2よりも大きくされている。光源から遠いと溝48で反射される光が弱くなるが、光源から遠いと溝48が深いので反射光が多くなる。従って、意匠の長手方向D1に沿った部分31をより均一となるよう適切に明るくすることができる。
本導光体20hでは、光源から離れるほど溝が徐々に深くされている。これにより、意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに均一となるよう適切に表示することができる。
なお、第五及び第六の溝48a,48bは、上述した関係を満たす範囲内で複数の溝48の中から選択可能である。
【0034】
また、長手方向へ互いに隣り合う第一及び第二の溝と、これらの第一及び第二の溝よりも前記光源に近い第三及び第四の溝と、が少なくとも含まれる複数の溝について、第一の溝と第二の溝の間隔を第三の溝と第四の溝との間隔よりも狭くし、かつ、第一及び第二の溝を第三及び第四の溝よりも深くしてもよい。この場合、第一及び第二の溝が第五の溝でもあり、第三及び第四の溝が第六の溝でもある。むろん、光源から遠くなるほど溝同士の間隔を狭くし、かつ、溝を深くしてもよい。
導光体の長手方向の両端面近傍に光源がそれぞれ設けられる場合、導光体の長手方向の中間部分で溝同士の間隔を最も狭くしたり溝を最も深くしたりしてもよい。
【0035】
導光体20iの短手方向D2の端面26iには、回転刃物等の工具を用いて溝49が後加工されている。工具の刃物には加工限界があるため、溝49同士の間隔は例えば200μm程度と、上述した導光体20e〜20hの溝45〜48と比べて広くなる。また、溝49には例えば100μm程度の底部49aが形成され、断面が台形状となる。このため、溝49からの反射光で照らされる凹み30に該溝49の形状が転写されやすい。そこで、溝49にブラスト材を吹き付けるブラスト処理を施すと、凹み30に転写される溝の形状がぼかされ、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0036】
本発光装置10を製造するには、例えば、以下のようにすればよい。
上述した溝43,44b,45〜48を有する導光体は、例えば、硬いバイトを用いて複数の溝に対応する細長い凸形状を成形面に形成した金型に液状の樹脂成形材料を射出成形することにより形成される。すると、射出成形時に前記凸形状が短手方向の端面に転写されて複数の溝が形成される。
なお、金型から射出成形品をピンで押し出して取り出す際に上記溝が擦れてしまわないように、スライド機構を有する金型を使用するのが好ましい。
【0037】
そして、図3に示すように、底板72に反射フィルム76を載置し、該反射フィルム76に導光体20を載置し、該導光体20の長手方向の両端面23,24近傍に光源ユニット60,60を設置し、導光体の切欠部27,27と光源ユニット60,60とを覆うようにカバー74を底板72に取り付けると、発光装置10が形成される。この発光装置10はスカッフプレート1に組み付けられ、該スカッフプレート1が自動車に組み付けられると、発光装置10が自動車の内装の一部として使用される。
【0038】
(2)自動車用発光装置の作用、効果:
以下、本自動車用発光装置10の作用、効果を説明する。
光源62から板状導光体20の長手方向D1の端面23,24に入射した光は、意匠用の凹み30や裏面22や短手方向の端面25,26で反射等した後、発光面21から放射される。ここで、凹み30が入射光で照らされるので、凹み30の形状が意匠として表示される。また、図2に示すように、光源62から板状導光体20の長手方向D1の端面23,24に入射した光は、導光体20の短手方向D2の粗面化された端面25,26で反射する。
【0039】
導光体の短手方向の端面が粗面化されていないと、入射光は、長手方向を中心とする方向へ進む。長手方向に沿った光は、短手方向の端面で反射しても長手方向に沿った方向へ進む。従って、導光体の短手方向の端面を全く粗面化していないと、導光体の裏面に形成された凹みのうち長手方向に沿った部分が短手方向に沿った部分と比べて暗くなる。すなわち、発光装置の意匠が部分的に暗くなってしまう。
本発光装置10では、図2の矢印D5に示すように端面25,26で反射した光の少なくとも一部が導光体20内で短手方向D2へ進むので、該端面25,26から短手方向D2へ進む光により意匠の長手方向D1に沿った部分31が照らされる。従って、導光体20の意匠の短手方向D2に沿った部分32と比べて導光体20の意匠の長手方向D1に沿った部分31が暗くなりすぎないようにすることができる。
【0040】
また、上述したように、短手方向の端面25,26がブラスト処理により粗面化されると、端面25,26の粗面化部位40で入射光が乱反射して短手方向D2に進む光が増える。裏面22と発光面21とを結ぶ方向に向けた複数の溝により短手方向の端面25,26が粗面化されると、端面25,26の粗面化部位40で入射光が乱反射して短手方向D2に進む光が増える。従って、短手方向の端面をブラスト処理や複数の溝により粗面化すると、意匠の長手方向に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0041】
(3)実施例:
以下、実施例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0042】
[導光体サンプルの調製]
導光体には、長手方向の長さ145mm、短手方向の長さ18mm、厚み2mmの透明なアクリル樹脂の成形品を用いた。導光体の裏面の凹みは、5文字のローマ字からなる深さ1mmの溝形状とした。なお、左から2文字目を「E」とした。そして、短手方向の端面を粗面化していない導光体を、比較例の導光体サンプルとした。
また、文字「E」に合わせた位置で導光体の短手方向の両端面に深さ0.05mmの溝を間隔0.2mmで複数形成し、実施例1の導光体サンプルとした。
さらに、実施例1で得られる導光体サンプルに対して、文字「E」に合わせた位置で導光体の短手方向の両端面にブラスト材を吹き付けるブラスト処理を行い、実施例2の導光体サンプルとした。
【0043】
[試験方法]
底板に反射フィルムを載置し、この反射フィルムに導光体サンプルを載置し、導光体サンプルの長手方向の端面近傍にLED(日亜化学製NESW008)を2個ずつ配置し、カバーを底板に取り付けて発光装置を形成した。この発光装置を0.16lx(TOPCON社の照度計im-3で測定)の暗室環境に置き、各LEDに20mAの電流を流し、全LEDを点灯した。そして、発光面から700mmの高さで、文字「E」の上部、中間部、下部で長手方向を向いた3箇所の輝度をミノルタ社製液晶色分布測定装置CA1000で測定した。
【0044】
表1は、輝度の測定結果を示している。
【表1】
表に示すように、輝度は、文字「E」の上部、中間部、下部いずれも、比較例、実施例1、実施例2の順に大きくなった。従って、本発明の発光装置は導光体の短手方向の端面を粗面化することにより意匠の長手方向に沿った部分が明るくなることが確認された。
【0045】
図10は、導光体の文字「E」の上部について、長手方向に測定位置を変えて輝度を測定した結果を示している。なお、測定位置4〜13が文字「E」と重なる位置であり、測定位置の数字が3から小さくなるほど文字「E」から左へ離れ、測定位置の数字が14から大きくなるほど文字「E」から右へ離れることを示している。
図に示すように、比較例では、「E」の左右端部で輝度が高い一方、「E」の中間部で輝度が低いという、不自然な表示になった。一方、実施例では、「E」の中間部の輝度が比較例よりも高くなり、「E」の左右端部の輝度が比較例よりも低くなった。また、「E」の左右端部の輝度よりも「E」の中間部の輝度の方が高かった。従って、本発明の発光装置は導光体の短手方向の端面を粗面化することにより意匠の長手方向に沿った部分が適切に明るくなることが確認された。
【0046】
さらに、表1及び図10に示すように、導光体の短手方向の端面を溝とブラスト処理とにより粗面化した方が、導光体の短手方向の端面を溝のみにより粗面化した場合よりも意匠の長手方向に沿った部分が適切に明るくなることが確認された。
【0047】
以上説明したように、本発明によれば、種々の態様により、意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることが可能になる。
なお、導光体の短手方向の端面を粗面化する際には、短手方向の両端面の一方のみを粗面化してもよい。また、短手方向の一方の端面と他方の端面とは、互いに異なる態様で粗面化されてもよい。
さらに、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】発光装置を採用した自動車の内装の一例を示す要部斜視図。
【図2】発光装置の一例を発光面側から見て示す平面図。
【図3】図2に示す発光装置を同図のA1−A1の位置で断面視して示す垂直断面図。
【図4】反射フィルムの一例を示す平面図。
【図5】種々の発光装置を図2のA2−A2の位置で断面視して例示する垂直断面図。
【図6】種々の導光体の要部を発光面側から見て例示する要部平面図。
【図7】種々の導光体の要部を発光面側から見て例示する要部平面図。
【図8】変形例に係る導光体の要部を発光面側から見て示す要部平面図。
【図9】ブラスト装置を模式的に例示する図。
【図10】導光体の文字「E」の上部について長手方向に測定位置を変えて輝度を測定した結果を示すグラフ形式の図。
【図11】従来例に係るスカッフプレート発光装置の垂直断面を示す図。
【図12】スカッフプレート発光装置の従来例を発光面側から見て示す平面図。
【符号の説明】
【0049】
1…スカッフプレート、
10,10a〜10d…自動車用発光装置、
20,20a〜20i…導光体、21…発光面、22…裏面、
23,24…長手方向の端面、25,26…短手方向の端面、27…切欠部、
30…凹み、31…長手方向に沿った部分、32…短手方向に沿った部分、
40,41,42,44a…粗面化部位、
42a…中間部分、42b…両端部分、
43,44b,45〜49…溝、45a,45b,46a…入射端面対向部分、
47a…第一の溝、47b…第二の溝、47c…第三の溝、47d…第四の溝、
48a…第五の溝、48b…第六の溝、
60…光源ユニット、62…光源、
72…底板、74…カバー、76…反射フィルム、
81…ドア開口部、82…前席、83…後席、84…ドア、
D1…導光体の長手方向、D2…導光体の短手方向、D3…導光体の厚み方向、
D4…入射光の進行方向の中心、D5…反射光の進行方向の例、
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠を表示するための凹みが裏面に形成された板状の導光体における長手方向の端面から光を入射させて前記意匠を表示する自動車用発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の乗降口の足元部分を保護する装飾板として、LED(発光ダイオード)の光により文字等の意匠を表示するスカッフプレートが知られている。
図11は、特開2002−287671号公報に記載されたスカッフプレート発光装置の垂直断面を示している。図に示すように、スカッフプレート発光装置900は、LED910と、長手方向991の端面となる側面922がLED910に対向して配置され上面921が発光面となる導光板920と、を備えている。導光板920の裏面923には、該裏面923に設けられた意匠用の溝925の底面926がLED910から遠いほど上面921の近くに位置するように表示部が複数形成されている。
【0003】
以上の構成により、LED910から導光板920内へと導入された光は、導光板の裏面923に反射等された後、導光板の上面921から放射される。ここで、溝925の底面926による反射と導光板裏面923のその他の部分による反射の態様が異なることにより、当該底面926の形状が表示される。
【特許文献1】特開2002−287671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術では、導光板920の長手方向991の端面近傍にLED910が配置されるため、LED910から導光板920へ入射した光は、導光板920内で長手方向991を中心とする方向へ進行する。
図12に示すスカッフプレート発光装置901には、LED930から導光板940内に入射した光の進行方向993を矢印で示している。同図に示すように、LED930からの入射光が主に長手方向992に沿って進むので、導光板940の裏面に形成された溝945のうち長手方向に向いた部分945aは、短手方向994を向いた部分945b等その他の部分と比べて照射量が少なくなり、暗くなる。そこで、スカッフプレート発光装置の意匠が部分的に暗くならないようにすることが望まれている。
なお、導光板の短手方向の端面近傍にLEDを設けることは、車輌設計上スカッフプレート発光装置の設置空間が限られ、部品点数の増加によるスカッフプレート発光装置のコストアップや製造工数増大に繋がるため、難しい。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、意匠を表示するための凹みが裏面に形成された板状の導光体における長手方向の端面から光を入射させて前記意匠を表示する自動車用発光装置において、前記意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の自動車用発光装置は、意匠を表示するための凹みが裏面に形成され、長手方向の端面からの入射光に基づいて前記裏面とは反対側の発光面から前記意匠を表示するための板状の導光体と、該導光体の長手方向の端面に光を入射させる光源とを備え、前記導光体における短手方向の端面の少なくとも一部が粗面化されていることを特徴とする。
以上の構成により、光源から板状導光体の長手方向の端面に入射した光は、導光体の短手方向の粗面化された端面で反射する。これにより、導光体内で短手方向に進む光が増え、該光により意匠の長手方向に沿った部分が照らされる。従って、導光体の意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることができる。
【0007】
ここで、導光体の裏面に形成される凹みは、溝形状の凹み、皿形状の凹み、これらの組み合わせ、等を含む。
導光体の形状である板状は、上記凹みを有する形状を含み、自動車に取り付けるための形を有する形状を含む。また、板状の導光体は、平板状の導光体、発光面や裏面や端面が曲面とされた板状の導光体、曲がった板状とされた導光体、等を含む。
導光体における短手方向の端面の粗面化された部位は、導光体の短手方向の端面にブラスト材を吹き付けるブラスト処理など後加工により粗面化した部位でもよいし、成形面が粗面化された成形型で導光体を成形することにより成形と同時に粗面化した部位でもよい。また、粗面化は、つや消し程度の凹凸化、溝形状にすること、これらの組み合わせ、等を含む。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、意匠を表示するための凹みが裏面に形成された板状の導光体における長手方向の端面から光を入射させて前記意匠を表示する自動車用発光装置において、前記意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることが可能になる。
請求項2に係る発明では、長手方向の端面からの入射光が短手方向の端面の粗面化部位で乱反射して短手方向に進む光が増え、意匠の長手方向に沿った部分を適切に明るくすることができる。
請求項3に係る発明では、長手方向の端面からの入射光が短手方向の端面の溝で反射して短手方向に進む光が増え、意匠の長手方向に沿った部分を適切に明るくすることができる。
請求項4に係る発明では、光源からの長手方向に向いた入射光が略V状溝の対向部分でほぼ全て反射するので、意匠の長手方向に沿った部分をさらに明るくすることができる。
【0009】
請求項5に係る発明では、光源から遠いと溝同士の間隔が狭いので反射光が多くなり、意匠の長手方向に沿った部分を適切に明るくすることができる。
請求項6に係る発明では、光源から遠いと溝が深いので反射光が多くなり、意匠の長手方向に沿った部分を適切に明るくすることができる。
請求項7に係る発明では、意匠用の凹みが導光体の長手方向へ複数並べられているときに各意匠の長手方向に沿った部分をさらに明るくすることができる。
請求項8に係る発明では、各意匠の長手方向に沿った部分をさらに適切に明るくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)自動車用発光装置の構成:
図1は本発明の一実施形態に係る自動車用発光装置10を採用した自動車の内装を示す要部斜視図、図2は発光装置10の平面図、図3は図2に示す発光装置10を同図のA1−A1の位置で断面視して示す垂直断面図、図4は反射フィルム76の平面図、図5は種々の発光装置10a〜10dを図2のA2−A2の位置で断面視して示す垂直断面図、図6〜図8は種々の導光体20e〜20iの要部を示す平面図、図9はブラスト装置100を模式的に示す図である。図2では、カバー74が断面視されている。
なお、図2に示すように、導光体20の長手方向D1は発光面21に臨んだときに長い方向とし、導光体20の短手方向D2は発光面21に臨んだときに短い方向とする。光源62からの入射光は、導光体20内で長手方向D1を中心とする方向へ進むことになる。また、図3に示すように、導光体20の厚み方向D3は、長手方向D1及び短手方向D2に直交する方向とする。発光面21から出た光は、厚み方向D3を中心とする方向へ進むことになる。
【0011】
図1では、ドア84を開けた状態で前席82の背後から後席83にわたって路上走行自動車の要部を示している。図に示す自動車のドア開口部81の下縁にスカッフプレート1が設置され、このスカッフプレート1に本発明に係る自動車用発光装置10が設けられている。
スカッフプレートは、ドア開口部の下縁を構成する車体パネルを被覆して乗降口の足元部分を保護するとともに、車名といったロゴタイプ等の意匠を表したプレート等により車室の意匠性を高める機能を有する。本実施形態のスカッフプレート1は、発光装置10の発光面21から文字やロゴタイプ等の意匠が浮かび上がるため、車室の装飾効果がより一層高められ、自動車に高級感を付与することができる。
【0012】
本発光装置10の基本部分は、板状の導光体20と光源62とから構成される。本実施形態の発光装置10は、光源62が光源ユニット60に含まれ、ケース72,74に導光体20と光源ユニット60と反射フィルム76とが収容されて構成されている。
導光体20は、意匠を表示するための凹み30が裏面22に形成され、長手方向D1の端面23,24からの入射光に基づいて裏面22とは反対側の発光面21から前記意匠を表示する。すなわち、発光面21は、導光体20において凹み30に対応した意匠を現出させる表面とされている。光源62は、導光体20の長手方向D1の端面23,24に光を入射させる。すなわち、これらの端面23,24は、光源62から照射される光の受光面とされている。導光体20における短手方向D2の端面25,26の少なくとも一部は、粗面化されている。これにより、本発光装置10は、導光体20の意匠の短手方向D2に沿った部分32と比べて導光体20の意匠の長手方向D1に沿った部分31が暗くなりすぎないように表示する。
【0013】
図3に示すように、本実施形態の発光装置10は、底板72上に反射フィルム76が載置され、さらにフィルム76上に導光体20が載置されている。導光体20の長手方向両端部の発光面側には、切欠部27,27が形成されている。なお、導光体20の形状である板状には、凹み30や切欠部27を有する導光体の形状が含まれる。光源62は、導光体20の長手方向D1の両端面23,24の近傍にそれぞれ複数配置され、該両端面23,24に光を照射する。光源ユニット60,60と切欠部27,27とは、遮光性のカバー74で覆われている。このカバー74により光源ユニット60,60を直接視認することができなくなるため、発光装置10の意匠性が高められる。また、厚み方向D3における切欠部27,27の深さを該切欠部の覆う部分のカバー74の厚みと略同じにすると、発光面21とカバー74とを略面一にすることができ、発光装置10を統一感のあるすっきりとした好ましい意匠にすることができる。
ケース72,74には、ステンレス等の金属をプレス成形等により成形したもの、着色剤を添加した熱可塑性樹脂等の遮光性の樹脂成形材料を射出成形やプレス成形等により成形したもの、等を用いることができる。また、金属や樹脂成形材料を成形したものに不織布、織物、編物、等の表皮材を積層してケースを形成してもよい。
【0014】
反射フィルム76には、熱可塑性樹脂等の樹脂フィルムに金属の薄膜を積層したフィルム等を用いることができる。前記樹脂フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等を用いることができる。前記金属にはアルミニウム等を用いることができ、反射フィルム76には樹脂フィルムの表面に金属を蒸着したフィルム等を用いることができる。導光体20の裏側に反射フィルム76を配置することにより、発光面21から出る光の量を増やすことができ、意匠をより一層明るく表示することができる。
【0015】
また、図4に示すように、反射フィルム76には、長手方向D1に延びるライン状の模様76aを施したヘアラインフィルムを用いることができる。この場合、発光装置10の見た目をより良好にさせることができるとともに、光源62からの入射光が長手方向D1へ乱反射することを抑止することができるので、意匠をより一層明確に表示して装飾効果を高めることができる。
なお、反射フィルム76の大きさが導光体20の裏面22よりも若干広いと、発光装置10の見た目をより良好にさせることができる。
【0016】
光源ユニット60は、光源62、該光源を点灯駆動する回路を形成したプリント基板、等から構成されている。光源ユニット60は、図示しない制御回路に対して電気的に接続され、例えば、ドアが開くと光源62が点灯し、該ドアが閉じると光源62が消灯するようにされる。
光源62には、小型で、照射方向に指向性を有し、長寿命であるLED(発光ダイオード)を好適に用いることができる。むろん、光源62に、白熱電球、ハロゲン電球、蛍光ランプ、放電ランプ、等を用いることも可能である。また、光源の発光色は白、赤、緑、青、等、種々の色を採用することができ、同じ発光装置10に異なる発光色の光源を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
本実施形態では、光の照射方向が導光体の長手方向D1を中心とする方向となるように導光体の端面23,24に向けてそれぞれ2個ずつ光源62を配置している。むろん、各端面23,24に面して配置する光源の数は1個でも3個以上でもよく、端面23,24に面する位置のどちらか一方のみ光源を配置してもよい。また、光源は、端面23,24に接して配置されてもよいし、端面23,24から離されて配置されてもよい。
【0018】
板状の導光体20には、透明又は半透明の樹脂成形材料を射出成形やプレス成形等により成形した透明又は半透明の成形品等を用いることができる。前記樹脂成形材料を構成する樹脂には、透光性に優れたアクリル樹脂やポリカーボネート等を用いることができる。本実施形態の導光体20は、発光面全体の明るさをなるべく均一にする観点から、外形が凹み30及び切欠部27を有する薄板状の略直方体、すなわち、略平板形状とされている。むろん、導光体20は、導光体を構成する面21〜26の一部又は全部が曲面とされた形状とすることもできるし、全体に曲がった形状とすることもできる。
【0019】
本導光体20の発光面21は、切欠部27,27を除いて平面形状とされている。反射フィルム76に面する裏面22は、意匠を表示するための凹み30を有し、該凹みを除いて平面形状とされている。本実施形態の凹み30は、裏面22から発光面21に向けて彫り込むように導光体20の厚みの途中まで凹んだ溝形状とされ、裏面22から導光体内部に向かうにつれて次第に幅が減少する形状に形成され、側面部が傾斜している。そして、このような凹み30が導光体の裏面22に対して長手方向D1へ複数並べられている。文字やロゴタイプからなる意匠を表示する場合、凹み30を溝形状にすると、意匠を明確に表示することができるので好適である。むろん、凹みを、平皿形状、溝形状と平皿形状との組み合わせ、等とすることも可能である。
導光体の長手方向の端面23,24は、光源62からの光の反射や屈折を少なくするため、平面形状とされている。光源62から導光体20へ入射した光は、長手方向D1を中心とする方向へ進行する。導光体の短手方向の端面25,26は、長手方向D1に沿って形成されている。
【0020】
導光体の短手方向の端面が粗面化されていないと、光源からの入射光は、長手方向を中心とする方向へ進む。長手方向に沿った方向へ進む入射光は、短手方向の端面で反射しても長手方向に沿った方向へ進むことになる。短手方向の端面を全く粗面化していない導光体を用いた発光装置では、導光体の裏面に形成された凹みのうち長手方向に沿った部分は、短手方向に沿った部分と比べて照射量が少なくなり、暗くなる。すなわち、発光装置の意匠が部分的に暗くなる。
そこで、本発光装置10は、導光体の端面25,26の一部又は全部を粗面化した部位(粗面化部位)としている。図2では、両端面25,26全てが粗面化部位40とされていることが示されている。
【0021】
図5は、粗面化部位の違う各種の発光装置を図2のA2−A2の位置で断面視して示している。
発光装置10aの導光体20aの端面26aは、ブラスト材を吹き付けるブラスト処理により全て粗面化部位41とされている。ここで、ブラスト処理には、砂等を吹き付けて表面をつや消しにするサンドブラスト処理を採用することができる。ブラスト材には、砂、粒状ガラス、粒状アルミナ、鋼球等の粒状金属、粒状プラスチック、等を用いることができる。ブラスト処理により、導光体の端面に微細な凹凸が多数形成される。発光装置10bの導光体20bの端面26bは、一部がブラスト処理により粗面化部位42とされている。むろん、導光体20a,20bにおいて前記端面26a,26bとは反対側の端面も、ブラスト処理により一部または全部が粗面化部位とされてもよい。
短手方向D2の端面の少なくとも一部がブラスト処理により粗面化されると、長手方向D1の端面からの入射光が短手方向D2の端面の粗面化部位41,42で乱反射する。これにより、導光体内で短手方向D2に進む光が増え、また、粗面化部位41,42での反射光が種々の方向へ進むので、導光体の発光面21から出る光の量が適切に増加し、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0022】
また、導光体20bでは、長手方向D1へ複数並べられた凹み30のそれぞれに合わせた位置で導光体20bの短手方向D2の端面26bが粗面化されている。これにより、各凹み30の位置に合わせて短手方向D2に沿った光を増やすことができるので、意匠用の凹み30が導光体の長手方向D1へ複数並べられているときに各意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに明るくすることができる。
【0023】
図9は、ブラスト装置100を模式的に示している。ブラスト装置100は、処理対象のワークW1に向けてノズル101から圧縮空気とともにブラスト材110を噴射して、ワークW1の表面にブラスト処理を施す。ここで、ワークW1の表面でブラスト材110の吹き付け部位(ブラスト材110が吹き付けられる部位)の中心部分W1aのブラスト処理は、同吹き付け部位の周縁部分W1b,W1bのブラスト処理よりも強くされる。そこで、図5に示す導光体20bをワークW1とし、各凹み30に合わせた位置の長手方向D1の中間部分42aでブラスト材の吹き付け部位の中心部分W1aを厚み方向D3へ移動させてブラスト処理を行ってもよい。すると、複数の凹み30のそれぞれに合わせた位置で導光体20bの短手方向D2の端面26bがブラスト処理により粗面化され、粗面化された各部位42において長手方向D1の中間部分42aのブラスト処理が長手方向D1の両端部分42b,42bのブラスト処理よりも強くされる。
以上の構成により、長手方向D1の端面からの入射光が粗面化部位42で乱反射する度合いは、各凹み30の合わせた位置の両端部分42b,42bよりも各凹み30の合わせた位置の中間部分42aの方が強くなる。これにより、各意匠の長手方向D1に沿った部分31をより自然な感じで適切に明るくすることができる。
【0024】
図5に示す発光装置10cの導光体20cの端面26cは、一部に裏面22と発光面21とを結ぶ厚み方向D3に向けた微細な溝43が長手方向D1へ略等間隔に複数並べられることにより、端面26cの一部が粗面化されている。すなわち、端面26cのうち溝43を形成した部分が粗面化部位となっている。これらの溝43は、微細な凹凸形状ともいえる。むろん、端面26cの全てに溝43を長手方向D1へ並べて粗面化部位を形成してもよい。また、導光体20cにおいて前記端面26cとは反対側の端面も複数の溝43により一部または全部が粗面化部位とされてもよい。長手方向へ並んだ溝の間隔は、等間隔でなくてもよい。溝の向きは、厚み方向D3から長手方向D1へずれた方向でもよい。溝の形状は、直線状のみならず、曲線状、折れ線状、等でもよい。
導光体20cの形状の成形型で樹脂成形材料を成形する場合、成形型の成形面にダイヤモンドバイト等の成形型よりも硬いバイトを用いて複数の溝43に対応する細長い凸形状を形成すると、該凸形状が成形時に短手方向の端面に転写されて複数の溝43が形成される。成形後の導光体に溝を後加工により形成すると加工限界により微細な溝を形成することができないが、溝に対応する微細な凸形状を成形型に形成することにより導光体の短手方向の端面に微細な溝を形成することが可能になる。
【0025】
短手方向D2の端面の少なくとも一部が溝43により粗面化されると、長手方向D1の端面からの入射光が短手方向D2の端面の溝43で反射する。これにより、導光体内で短手方向D2に進む光が増えるので、導光体の発光面21から出る光の量が適切に増加し、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
また、導光体20cでは、長手方向D1へ複数並べられた凹み30のそれぞれに合わせた位置で導光体20cの短手方向D2の端面26cが粗面化されている。これにより、各凹み30の位置に合わせて短手方向D2に沿った光を増やすことができるので、意匠用の凹み30が導光体の長手方向D1へ複数並べられているときに各意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに明るくすることができる。
【0026】
図5に示す発光装置10dの導光体20dの端面26dは、一部に裏面22と発光面21とを結ぶ厚み方向D3に向けた溝44bが長手方向D1へ複数並べられ、ブラスト材を吹き付けるブラスト処理により全て粗面化部位44aとされている。すなわち、端面26dのうち溝44bを形成した部分が該溝44bとブラスト処理とにより粗面化された部位とされ、残りの部分が前記ブラスト処理のみにより粗面化された部位とされている。むろん、溝44bを形成した部分にのみブラスト処理を施してもよいし、端面26dの全てを溝44bとブラスト処理とにより粗面化してもよい。また、導光体20dにおいて前記端面26dとは反対側の端面も溝44bとブラスト処理とにより一部または全部が粗面化部位とされてもよい。
上記導光体20dは、例えば、複数の溝44bに対応する細長い凸形状を成形面に形成した成形型で樹脂成形材料を成形し、導光体の短手方向の端面にブラスト処理を施すことにより、形成される。
【0027】
導光体の短手方向の端面に複数の溝を形成すると、意匠の長手方向D1に沿った部分が明るくなるものの、前記溝からの反射光で照らされる凹みに該溝の形状が転写されることがある。また、前記溝からの反射光で照らされる部分と照らされない部分とで凹みの発光態様が異なることがある。本導光体20dの短手方向D2の端面にはブラスト処理が施されているので、凹み30に転写される溝の形状がぼかされ、また、凹み30における溝44bからの反射光で照らされる部分と照らされない部分との境界もぼかされる。従って、文字やロゴデザイン等の意匠の輝度が適切に高められ、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0028】
なお、上述した導光体について、サンドブラスト加工等のブラスト処理の代わりに、ダイヤカット、シボ加工、エッチング、等の表面処理を行ってもよい。
【0029】
図6〜図8は、溝の違う各種導光体20e〜20iを発光面21側から見て示している。導光体20e,20iは、長手方向D1の両端面近傍に光源がそれぞれ設けられ、該光源からの入射光の進行方向の中心D4が長手方向D1の両方向とされている。導光体20f〜20hは、図2に示す左側端面23近傍に光源が設けられ、該光源からの入射光の進行方向の中心D4が長手方向D1の右方向のみとされている。図6〜図8では導光体20e〜20iの下側の端面26e〜26iに溝45〜49が形成されていることが示されているが、導光体20e〜20iの上側の端面に溝が形成されていてもよい。
【0030】
導光体20eの短手方向D2の端面26eには、複数の溝45が形成されている。各溝45は、入射光の進行方向の中心D4に対して一定の角度を有する断面三角形となるように短手方向D2の端面26eから略V状に凹み、光源から光が入射する端面に対向する部分45a,45bが短手方向の端面26eから0°よりも大きく45°以下の角度θ1,θ2で導光体20eの内側へ向かう斜面とされている。ここで、図6の左側の入射端面対向部分45aは図2に示す左側端面23に対向する部分であり、図6の右側の入射端面対向部分45bは図2に示す右側端面24に対向する部分である。
上記導光体20eでは、図6の矢印D5eに示すように、長手方向D1に向いた入射光が略V状溝の入射端面対向部分45a,45bでほぼ全て反射する。従って、導光体の発光面21から出る光の量を増やし、意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに明るくすることができる。
【0031】
導光体20fの短手方向D2の端面26fには、複数の溝46が形成されている。各溝46は、入射光の進行方向の中心D4に対して一定の角度を有する断面三角形となるように短手方向D2の端面26fから略V状に凹み、光源から光が入射する端面に対向する部分46aが短手方向の端面26fから0°よりも大きく45°以下の角度θ3で導光体20fの内側へ向かう斜面とされている。一方、光が入射する端面に対向していない非対向部分46bは、短手方向の端面26fから45°よりも大きく135°以下(好ましくは90°)の角度θ4で導光体20fの内側へ向かう切り立った面とされている。
上記導光体20fでは、図6の矢印D5fに示すように、長手方向D1に向いた入射光が略V状溝の入射端面対向部分46aでほぼ全て反射する。一方、非対向部分46bが切り立っているので、設計外の光が非対向部分46bで反射して凹み30を照らしてしまうことが抑止される。従って、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0032】
導光体20gの短手方向D2の端面26gに形成された複数の溝47のうち、光源から比較的遠い位置で長手方向D1へ互いに隣り合う溝を第一及び第二の溝47a,47bとし、光源に比較的近い位置で長手方向D1へ互いに隣り合う溝を第三及び第四の溝47c,47dとする。導光体20gでは、第一の溝47aと第二の溝47bとの間隔c1が第三の溝47cと第四の溝47dとの間隔c2よりも狭くされている。光源から遠いと溝47で反射される光が弱くなるが、光源から遠いと溝同士の間隔が狭いので反射光D5gが多くなる。従って、意匠の長手方向D1に沿った部分31をより均一となるよう適切に明るくすることができる。
本導光体20gでは、光源から離れるほど溝47同士の間隔が徐々に狭くされている。これにより、意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに均一となるよう適切に表示することができる。
なお、第一、第二、第三及び第四の溝47a〜47dは、上述した関係を満たす範囲内で複数の溝47の中から選択可能である。
【0033】
導光体20hの短手方向D2の端面26hに形成された複数の溝48のうち、光源から比較的遠い溝を第五の溝48aとし、光源に比較的近い溝を第六の溝48bとする。導光体20gでは、第五の溝48aの深さd1が第六の溝48bの深さd2よりも大きくされている。光源から遠いと溝48で反射される光が弱くなるが、光源から遠いと溝48が深いので反射光が多くなる。従って、意匠の長手方向D1に沿った部分31をより均一となるよう適切に明るくすることができる。
本導光体20hでは、光源から離れるほど溝が徐々に深くされている。これにより、意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに均一となるよう適切に表示することができる。
なお、第五及び第六の溝48a,48bは、上述した関係を満たす範囲内で複数の溝48の中から選択可能である。
【0034】
また、長手方向へ互いに隣り合う第一及び第二の溝と、これらの第一及び第二の溝よりも前記光源に近い第三及び第四の溝と、が少なくとも含まれる複数の溝について、第一の溝と第二の溝の間隔を第三の溝と第四の溝との間隔よりも狭くし、かつ、第一及び第二の溝を第三及び第四の溝よりも深くしてもよい。この場合、第一及び第二の溝が第五の溝でもあり、第三及び第四の溝が第六の溝でもある。むろん、光源から遠くなるほど溝同士の間隔を狭くし、かつ、溝を深くしてもよい。
導光体の長手方向の両端面近傍に光源がそれぞれ設けられる場合、導光体の長手方向の中間部分で溝同士の間隔を最も狭くしたり溝を最も深くしたりしてもよい。
【0035】
導光体20iの短手方向D2の端面26iには、回転刃物等の工具を用いて溝49が後加工されている。工具の刃物には加工限界があるため、溝49同士の間隔は例えば200μm程度と、上述した導光体20e〜20hの溝45〜48と比べて広くなる。また、溝49には例えば100μm程度の底部49aが形成され、断面が台形状となる。このため、溝49からの反射光で照らされる凹み30に該溝49の形状が転写されやすい。そこで、溝49にブラスト材を吹き付けるブラスト処理を施すと、凹み30に転写される溝の形状がぼかされ、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0036】
本発光装置10を製造するには、例えば、以下のようにすればよい。
上述した溝43,44b,45〜48を有する導光体は、例えば、硬いバイトを用いて複数の溝に対応する細長い凸形状を成形面に形成した金型に液状の樹脂成形材料を射出成形することにより形成される。すると、射出成形時に前記凸形状が短手方向の端面に転写されて複数の溝が形成される。
なお、金型から射出成形品をピンで押し出して取り出す際に上記溝が擦れてしまわないように、スライド機構を有する金型を使用するのが好ましい。
【0037】
そして、図3に示すように、底板72に反射フィルム76を載置し、該反射フィルム76に導光体20を載置し、該導光体20の長手方向の両端面23,24近傍に光源ユニット60,60を設置し、導光体の切欠部27,27と光源ユニット60,60とを覆うようにカバー74を底板72に取り付けると、発光装置10が形成される。この発光装置10はスカッフプレート1に組み付けられ、該スカッフプレート1が自動車に組み付けられると、発光装置10が自動車の内装の一部として使用される。
【0038】
(2)自動車用発光装置の作用、効果:
以下、本自動車用発光装置10の作用、効果を説明する。
光源62から板状導光体20の長手方向D1の端面23,24に入射した光は、意匠用の凹み30や裏面22や短手方向の端面25,26で反射等した後、発光面21から放射される。ここで、凹み30が入射光で照らされるので、凹み30の形状が意匠として表示される。また、図2に示すように、光源62から板状導光体20の長手方向D1の端面23,24に入射した光は、導光体20の短手方向D2の粗面化された端面25,26で反射する。
【0039】
導光体の短手方向の端面が粗面化されていないと、入射光は、長手方向を中心とする方向へ進む。長手方向に沿った光は、短手方向の端面で反射しても長手方向に沿った方向へ進む。従って、導光体の短手方向の端面を全く粗面化していないと、導光体の裏面に形成された凹みのうち長手方向に沿った部分が短手方向に沿った部分と比べて暗くなる。すなわち、発光装置の意匠が部分的に暗くなってしまう。
本発光装置10では、図2の矢印D5に示すように端面25,26で反射した光の少なくとも一部が導光体20内で短手方向D2へ進むので、該端面25,26から短手方向D2へ進む光により意匠の長手方向D1に沿った部分31が照らされる。従って、導光体20の意匠の短手方向D2に沿った部分32と比べて導光体20の意匠の長手方向D1に沿った部分31が暗くなりすぎないようにすることができる。
【0040】
また、上述したように、短手方向の端面25,26がブラスト処理により粗面化されると、端面25,26の粗面化部位40で入射光が乱反射して短手方向D2に進む光が増える。裏面22と発光面21とを結ぶ方向に向けた複数の溝により短手方向の端面25,26が粗面化されると、端面25,26の粗面化部位40で入射光が乱反射して短手方向D2に進む光が増える。従って、短手方向の端面をブラスト処理や複数の溝により粗面化すると、意匠の長手方向に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
【0041】
(3)実施例:
以下、実施例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0042】
[導光体サンプルの調製]
導光体には、長手方向の長さ145mm、短手方向の長さ18mm、厚み2mmの透明なアクリル樹脂の成形品を用いた。導光体の裏面の凹みは、5文字のローマ字からなる深さ1mmの溝形状とした。なお、左から2文字目を「E」とした。そして、短手方向の端面を粗面化していない導光体を、比較例の導光体サンプルとした。
また、文字「E」に合わせた位置で導光体の短手方向の両端面に深さ0.05mmの溝を間隔0.2mmで複数形成し、実施例1の導光体サンプルとした。
さらに、実施例1で得られる導光体サンプルに対して、文字「E」に合わせた位置で導光体の短手方向の両端面にブラスト材を吹き付けるブラスト処理を行い、実施例2の導光体サンプルとした。
【0043】
[試験方法]
底板に反射フィルムを載置し、この反射フィルムに導光体サンプルを載置し、導光体サンプルの長手方向の端面近傍にLED(日亜化学製NESW008)を2個ずつ配置し、カバーを底板に取り付けて発光装置を形成した。この発光装置を0.16lx(TOPCON社の照度計im-3で測定)の暗室環境に置き、各LEDに20mAの電流を流し、全LEDを点灯した。そして、発光面から700mmの高さで、文字「E」の上部、中間部、下部で長手方向を向いた3箇所の輝度をミノルタ社製液晶色分布測定装置CA1000で測定した。
【0044】
表1は、輝度の測定結果を示している。
【表1】
表に示すように、輝度は、文字「E」の上部、中間部、下部いずれも、比較例、実施例1、実施例2の順に大きくなった。従って、本発明の発光装置は導光体の短手方向の端面を粗面化することにより意匠の長手方向に沿った部分が明るくなることが確認された。
【0045】
図10は、導光体の文字「E」の上部について、長手方向に測定位置を変えて輝度を測定した結果を示している。なお、測定位置4〜13が文字「E」と重なる位置であり、測定位置の数字が3から小さくなるほど文字「E」から左へ離れ、測定位置の数字が14から大きくなるほど文字「E」から右へ離れることを示している。
図に示すように、比較例では、「E」の左右端部で輝度が高い一方、「E」の中間部で輝度が低いという、不自然な表示になった。一方、実施例では、「E」の中間部の輝度が比較例よりも高くなり、「E」の左右端部の輝度が比較例よりも低くなった。また、「E」の左右端部の輝度よりも「E」の中間部の輝度の方が高かった。従って、本発明の発光装置は導光体の短手方向の端面を粗面化することにより意匠の長手方向に沿った部分が適切に明るくなることが確認された。
【0046】
さらに、表1及び図10に示すように、導光体の短手方向の端面を溝とブラスト処理とにより粗面化した方が、導光体の短手方向の端面を溝のみにより粗面化した場合よりも意匠の長手方向に沿った部分が適切に明るくなることが確認された。
【0047】
以上説明したように、本発明によれば、種々の態様により、意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることが可能になる。
なお、導光体の短手方向の端面を粗面化する際には、短手方向の両端面の一方のみを粗面化してもよい。また、短手方向の一方の端面と他方の端面とは、互いに異なる態様で粗面化されてもよい。
さらに、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】発光装置を採用した自動車の内装の一例を示す要部斜視図。
【図2】発光装置の一例を発光面側から見て示す平面図。
【図3】図2に示す発光装置を同図のA1−A1の位置で断面視して示す垂直断面図。
【図4】反射フィルムの一例を示す平面図。
【図5】種々の発光装置を図2のA2−A2の位置で断面視して例示する垂直断面図。
【図6】種々の導光体の要部を発光面側から見て例示する要部平面図。
【図7】種々の導光体の要部を発光面側から見て例示する要部平面図。
【図8】変形例に係る導光体の要部を発光面側から見て示す要部平面図。
【図9】ブラスト装置を模式的に例示する図。
【図10】導光体の文字「E」の上部について長手方向に測定位置を変えて輝度を測定した結果を示すグラフ形式の図。
【図11】従来例に係るスカッフプレート発光装置の垂直断面を示す図。
【図12】スカッフプレート発光装置の従来例を発光面側から見て示す平面図。
【符号の説明】
【0049】
1…スカッフプレート、
10,10a〜10d…自動車用発光装置、
20,20a〜20i…導光体、21…発光面、22…裏面、
23,24…長手方向の端面、25,26…短手方向の端面、27…切欠部、
30…凹み、31…長手方向に沿った部分、32…短手方向に沿った部分、
40,41,42,44a…粗面化部位、
42a…中間部分、42b…両端部分、
43,44b,45〜49…溝、45a,45b,46a…入射端面対向部分、
47a…第一の溝、47b…第二の溝、47c…第三の溝、47d…第四の溝、
48a…第五の溝、48b…第六の溝、
60…光源ユニット、62…光源、
72…底板、74…カバー、76…反射フィルム、
81…ドア開口部、82…前席、83…後席、84…ドア、
D1…導光体の長手方向、D2…導光体の短手方向、D3…導光体の厚み方向、
D4…入射光の進行方向の中心、D5…反射光の進行方向の例、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠を表示するための凹みが裏面に形成され、長手方向の端面からの入射光に基づいて前記裏面とは反対側の発光面から前記意匠を表示するための板状の導光体と、
該導光体の長手方向の端面に光を入射させる光源とを備え、
前記導光体における短手方向の端面の少なくとも一部が粗面化されていることを特徴とする自動車用発光装置。
【請求項2】
前記導光体における短手方向の端面の少なくとも一部がブラスト処理により粗面化されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用発光装置。
【請求項3】
前記導光体における短手方向の端面の少なくとも一部に前記裏面と前記発光面とを結ぶ方向に向けた溝が前記長手方向へ複数並べられることにより、該端面の少なくとも一部が粗面化されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車用発光装置。
【請求項4】
前記溝は、前記短手方向の端面から略V状に凹み、前記光源から光が入射する端面に対向する部分が前記短手方向の端面から0°よりも大きく45°以下の角度で前記導光体の内側へ向かう斜面とされていることを特徴とする請求項3に記載の自動車用発光装置。
【請求項5】
前記複数の溝には、前記長手方向へ互いに隣り合う第一及び第二の溝と、これらの第一及び第二の溝よりも前記光源に近い第三及び第四の溝と、が少なくとも含まれ、
前記第一の溝と前記第二の溝との間隔が前記第三の溝と前記第四の溝との間隔よりも狭いことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の自動車用発光装置。
【請求項6】
前記複数の溝には、第五の溝と、この第五の溝よりも前記光源に近い第六の溝と、が少なくとも含まれ、
前記第五の溝が前記第六の溝よりも深くされていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の自動車用発光装置。
【請求項7】
前記導光体の裏面に前記凹みが前記長手方向へ複数並べられ、これらの凹みのそれぞれに合わせた位置で前記導光体の短手方向の端面が粗面化されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の自動車用発光装置。
【請求項8】
前記複数の凹みのそれぞれに合わせた位置で前記導光体の短手方向の端面がブラスト処理により粗面化され、粗面化された各部位において前記長手方向の中間部分のブラスト処理が前記長手方向の両端部分のブラスト処理よりも強くされたことを特徴とする請求項7に記載の自動車用発光装置。
【請求項1】
意匠を表示するための凹みが裏面に形成され、長手方向の端面からの入射光に基づいて前記裏面とは反対側の発光面から前記意匠を表示するための板状の導光体と、
該導光体の長手方向の端面に光を入射させる光源とを備え、
前記導光体における短手方向の端面の少なくとも一部が粗面化されていることを特徴とする自動車用発光装置。
【請求項2】
前記導光体における短手方向の端面の少なくとも一部がブラスト処理により粗面化されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用発光装置。
【請求項3】
前記導光体における短手方向の端面の少なくとも一部に前記裏面と前記発光面とを結ぶ方向に向けた溝が前記長手方向へ複数並べられることにより、該端面の少なくとも一部が粗面化されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車用発光装置。
【請求項4】
前記溝は、前記短手方向の端面から略V状に凹み、前記光源から光が入射する端面に対向する部分が前記短手方向の端面から0°よりも大きく45°以下の角度で前記導光体の内側へ向かう斜面とされていることを特徴とする請求項3に記載の自動車用発光装置。
【請求項5】
前記複数の溝には、前記長手方向へ互いに隣り合う第一及び第二の溝と、これらの第一及び第二の溝よりも前記光源に近い第三及び第四の溝と、が少なくとも含まれ、
前記第一の溝と前記第二の溝との間隔が前記第三の溝と前記第四の溝との間隔よりも狭いことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の自動車用発光装置。
【請求項6】
前記複数の溝には、第五の溝と、この第五の溝よりも前記光源に近い第六の溝と、が少なくとも含まれ、
前記第五の溝が前記第六の溝よりも深くされていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の自動車用発光装置。
【請求項7】
前記導光体の裏面に前記凹みが前記長手方向へ複数並べられ、これらの凹みのそれぞれに合わせた位置で前記導光体の短手方向の端面が粗面化されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の自動車用発光装置。
【請求項8】
前記複数の凹みのそれぞれに合わせた位置で前記導光体の短手方向の端面がブラスト処理により粗面化され、粗面化された各部位において前記長手方向の中間部分のブラスト処理が前記長手方向の両端部分のブラスト処理よりも強くされたことを特徴とする請求項7に記載の自動車用発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−37116(P2009−37116A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202874(P2007−202874)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000251060)林テレンプ株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000251060)林テレンプ株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
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