説明

自動車

本発明の目的は、ネットワークにおいて消費のピーク時の負荷の抑制に寄与することができる自動車を提供することである。本発明にかかる自動車1は、少なくとも1つの電気モータ40と、電気モータ40に駆動エネルギを供給するエネルギ蓄積装置20と、エネルギ蓄積装置20に接続された、電流源30との接続のためのプラグコネクタ50と、電流源30からエネルギ蓄積装置20への電流の流れを制御する制御手段10とを含んでいる。この自動車1においては、制御手段10が、エネルギ蓄積装置20から電流源ないしはネットワーク30への電流の流れを許容し、自動車内に又は自動車の外部にインバータ60が設けられ、該インバータによりエネルギ蓄積装置の電力が電流源ないしはネットワークへ交流の形態で供給されることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの電気モータと、電気モータに駆動エネルギを供給するエネルギ蓄積装置と、エネルギ蓄積装置に接続された、電流源との接続のためのプラグコネクタ(plug connector)と、電流源からエネルギ蓄積装置への電流の流れを制御する制御手段とを含んでいる自動車に関するものである。
【0002】
このような自動車(車両)は、これまでにすでに知られており、短距離及び中距離の移動に極めて適している。このような自動車を使用可能にするためには、利用可能な(available)エネルギ蓄積装置を充電しなければならない。自動車がある一定の距離を走行したときには、蓄積装置を再び充電しなければならない。この場合、注意深い運転者は、彼の行動を常に最大限可能な範囲とするため、各移動の後、エネルギ蓄積装置を再充電するであろう。
【0003】
従来技術として、この点において以下の刊行物、すなわち、独国特許第69220228号、独国特許第19722644号及びP4337978号が一般に参照される。
【0004】
このような自動車での移動は、(他のすべての自動車でも同様であるが)常に前もって正確に計画することができる訳ではないので、自動車のエネルギ蓄積装置は、ちょうどエネルギのコストが最も高く、かつ電力供給ネットワークが最も高い負荷を受けるとき、例えば、いわゆる日中ピーク時に充電されることになるといったことが起こるであろう。
【0005】
これは、購入するエネルギが高価となる点で不利であり、他方、ある場合にはすでに高負荷となっている電力供給ネットワークに負荷をかける点で不利である。
【0006】
それゆえ、本発明の目的は、ネットワークにおいて消費のピーク時の負荷の抑制に寄与することができる自動車(車両)を提供することである。
【0007】
上記の目的は、この明細書の冒頭部に記載された種類の自動車に、エネルギ蓄積装置から電流源への電流の流れを許容する制御手段を設けることにより達成される。このようにして、自動車のエネルギ蓄積装置からネットワークへの逆の電流の流れが生じることができ、これにより需要のピークに対応するのに寄与することができる。
【0008】
本発明の好ましい実施態様においては、エネルギ蓄積装置から、電流源、すなわち例えば電流ネットワークへの電流の流れは、予め設定可能な残留充電量に到達したときにネットワークへの電流の流れを遮断する制御手段により、エネルギ蓄積装置に、予め設定可能な電気エネルギの残量を維持させるといった手法で制御される。このため、エネルギ蓄積装置の充電量を検出する装置が設けられる。
【0009】
本発明の好ましい発展形においては、制御手段は、通信装置を介してネットワークと通信を行い、これによりエネルギの取り出し量が、自動車の位置と、利用可能な充電量とに応じて、ネットワークからみて最適な態様となるように制御される。
【0010】
制御手段は、クロック(clock)を含むか、又はクロックに接続されるといった態様であるのが、とくに好ましい。このようにして、制御手段は、充電操作及び放電操作が予め設定可能な期間に起こるといった態様の操作を行うことができる。このようにして、エネルギ蓄積装置は、一方では電力供給ネットワークの負荷が低く他方では充電のコストが低い夜間に好ましく充電される。他方、電力供給ネットワークの負荷の緩和が有意義であり、エネルギのコストが充電操作時のコストよりも高い時に好ましく放電される。このようにして、自動車の運転者の観点からだけでなく、電力供給ネットワークの負荷の緩和の観点からも、経済的な効果を実現することができる。
【0011】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1a、図1bは、本発明にかかる装置の単純化されたブロック回路図を示している。参照番号1は、自動車にかかる部品を含むフレーム(frame)を示している。したがって、自動車は制御手段10を含んでいる。制御手段10は、エネルギ蓄積装置20と、駆動モータ40と、例えばプラグコネクタの形態の着脱可能なコネクタ50とに接続されている。また、コネクタ50と、ここでは電流供給ネットワークの形態で示されている電流源30との間に、接続部が存在する。
【0012】
自動車1の運転のための十分なエネルギを供給するために、制御手段10は、例えばバッテリ、あるいはコンデンサ蓄電装置(capacitor storage device)などであってもよい蓄電装置(蓄積装置)の充電状態を監視する。蓄電装置20の充電が必要とされていることを制御手段10が把握したときには、該制御手段は、コネクタ50を経由してのネットワーク30から蓄積装置20への電流の流れを許容し、蓄電装置は充電される(charged up)。この場合、制御手段10はまた、蓄電装置の対応する充電特性を考慮し、これにより蓄電装置の過充電が確実に防止されるということが理解されるであろう。
【0013】
制御手段はまた、予め設定可能な第1の時期おける充電を許容する。これは、蓄電装置20を、一方では電流の価格が低く蓄電装置を充電するのに必要なコストが比較的低く、他方では電力供給ネットワーク30の負荷がさほど高くない夜間に好ましく充電することを可能にする。さらに、制御手段は、蓄電装置20から、プラグコネクタ50及びインバータ60を経由してネットワーク30に電流が流れるのを許容するように構成することができる。ここで、供給可能な充電量を、蓄電装置20における予め設定可能な残留充電量により制限することができる。
【0014】
このように、例えば、完全に充電された蓄電装置20でもって勤務場所に移動した後、蓄電装置にまだ残存しているエネルギは、需要がとくに高い場合、例えば日中のピーク時に、再びネットワーク30に供給することができる。しかしながら、制御手段は、予め設定可能な残量に到達したときには、蓄電装置20からネットワーク30への電流の流れを遮断し、これにより、どのような状況においても、夕方の帰宅の移動のための、蓄電装置の適切な量のエネルギも確保が保証される。
【0015】
ピーク時にネットワークに供給される電流は適切に返済されることになっており、これにより、ネットワークの負荷の緩和の局面に加えて、経済的な利点も実現されるということが理解されるであろう。
【0016】
本発明によれば、電気エネルギ蓄積装置を備えた自動車は、該自動車から可能な限りそのエネルギを引き出す電力供給ネットワークのためのエネルギ源としても用いられる。
【0017】
周知のとおり、昼間の電力需要は、夜間の電力需要に比べて著しく高い。かくして、例えば、公共電力供給ネットワークにおける電力需要は、朝には、夜の1時と4時の間の低需要の時点から上昇し(朝のピーク)、日中付近でその最高レベルに到達し(日中ピーク)、この後夕方には再び低下し、夜半(middle of the night)には低いレベルに到達する。したがって、夜間におけるエネルギ需要は、通常の利用可能なエネルギ供給に比べて著しく低く、消費者は夜間電力を利用するので、その価格は、昼間電力の価格と比べて著しく低い。
【0018】
そして、電力供給ネットワークは、夜間における需要だけでなく、最高の日中ピークにおける需要についても何ら問題が生じないことを保証するように構成しなければならない。電力供給事業(electrical supply utility)においては、それは、非常に高い日中ピーク(寒い冬の日)でも、このような需要が満たされることを確実に保証できるように、多数の発電機を設けなければならないことを意味する。
【0019】
この点において、本発明は、通常は電力供給ネットワークから電気エネルギを取り出し、それゆえ電力供給ネットワークとの接続のための適切な接続部も有する電気自動車が、もはや電力供給ネットワークからの電気エネルギで充電することはできないが、必要な場合は、所望の任意の時点で、必要とされないエネルギを電力供給ネットワークに供給することができるといったことを提案する。
【0020】
もし、最初に、ウィークデーに働く集団が、午前7時と8時30分との間、及び、おおむね午後4時30分と午後6時30分との間でだけ車両を使用するものと仮定すれば、このような自動車は、昼間の大半は、使用されずに駐車場にとまっている。車両の所有者の自宅において夜間に電気自動車のエネルギ蓄積装置を充電することは、何ら問題はなく、すでに実施されている。しかしながら、本発明にかかる提案において、自動車が勤務場所に到着した後、電力需要のピーク時に要求があれば必要なエネルギを提供するために自動車を電流ネットワークに接続するようにしているのは、新規な事項である。
【0021】
自動車が非常に迅速に放電/充電を行うバッテリを備えている場合は、ちょうどその種の500〜1000単位の数(a number of 500-1000 units of that nature)でもって、ネットワークに非常に高レベルの電力を供給することができる。
【0022】
電力供給業者にとってとくに有利なことは、それ自体に対しては支払われなかった電気エネルギ蓄積装置に対する償還(recourse)を得ることができ、そのメンテナンスについては義務(responsibility)を負担する必要がないことである。自動車のユーザーの観点からは、本発明の利点は、例えば、ユーザーが勤務場所にいるため、どのような場合にも自動車を必要としない昼間に、まだ十分に充電されている自動車の蓄電装置を事実上電力供給業者に賃貸し、蓄電装置内のエネルギを売ることができるということである。それゆえ、消費者は、昼間は、その自動車から電力供給ネットワークに電気エネルギを供給することができ、比較的良好な価格を受け取ることができる一方、夜間には、良好な価格で(夜間電流)その自動車を充電することができる。
【0023】
本発明によれば、自動車の蓄電装置の充電量は任意の最低レベルより低下することはなく、必要があれば、自動車の蓄電装置はまた、日中ピークの後で、より詳しくはネットワークにおける需要が午後に再び低下したときに再び充電することができる。
【0024】
しかしながら、ユーザーが夕方に以下のような手順で自動車を個別的に調整することも可能である。すなわち、ユーザーは、自宅への移動を完全に行うのに十分なエネルギを有し(自宅への到着を確実にするのに十分なレベルの最小限のエネルギ)、これにより蓄電装置の全体的な充電を、この後の夜間においてのみ、対応する夜間電流でもって再び実施する。
【0025】
それゆえ、適切なプログラミングにより(可能なら遠隔入力(ユーザーは携帯電話を使用している)により)、自動車のユーザーはまた、その蓄電装置の放電だけが起こることができる期間又は時間を予め設定することもできる。
【0026】
本発明は、大規模な駐車場及び大規模な立体駐車場が存在する大都市圏で用いるのにとくに適している。本発明は、とくに、空港における立体駐車場で用いるのに実に適しているものと思われる。とくに、休日に行き来する空港においては、かかる駐車場に、しばしば、平均して7〜14日の間全く使用されない何千台もの自家用車が存在する。この期間において、もしこれらの自動車が本発明にかかる電気自動車の形態であれば、これらの自動車の対応する接続部における適切な電力管理システムは、ピーク時に自動車の各蓄電装置を放電させ、電力需要が低い期間に再び自動車の蓄電装置に電気エネルギを充電するようになっている電力供給ネットワークに役立つであろう。
【0027】
以下、本発明を、図面に記載された具体例により、さらに詳細に説明する。
車両1の蓄電装置には、該蓄電装置の充電だけでなく放電も惹起・制御することが可能な適切な電子制御手段(電力管理システム)が設けられている。
【0028】
さらに、電力管理システムはまた、放電を、ユーザーによって予め設定された全く特定の時間だけ可能とするといった態様でプログラミングされてもよい。例えば、放電、ひいては電気エネルギ供給ネットワークへの電力供給が、午前10時から午後3時までの時間でのみ可能となるようにし、その他の時間は、自動車が電力供給ネットワークに接続されているときに、これに対応してバッテリを充電するようにしてもよい。
【0029】
電力管理システムはまた、放電が午前7時から午後4時の期間に実施される場合、直ちに(straightaway)充電が起こるのではなく、真夜中の12時と午前4時との間の夜間時、すなわち電力供給ネットワークからとくに好ましい夜間電流が利用できるときにのみ充電が起こるといった態様でプログラミングされてもよい。
【0030】
さらに、自動車の電力管理システムは、どのような場合にも、自動車のユーザーがその自動車で所望の距離を適切に移動すること、すなわち例えば勤務場所から自宅に移動することを確実にするために、基本的には最小限度量の電荷が蓄電装置内に残存するように、すなわち電力供給ネットワークに供給することができないようにプログラミングされてもよい。
【0031】
さらに異なるモードのプログラミングが可能であり、これにより電力管理システムはまた、各ユーザーの希望に応じて、考えられるあらゆる態様でユーザー自身によって設定されることも可能であり、他方、必要があれば、電力供給ネットワークに供給する可能性もあるということが理解されるであろう。
【0032】
図2から分かるように、電気供給業者(ESU)の電流/エネルギ需要は、1日中にわたって直線的に分布しているのではない。すなわち、それは、早朝(およそ午前1時ないし午前3時)の最低点から上昇し、第1の朝のピークに到達し、この後いわゆる日中ピーク、すなわち最高点に到達し、そしてこの後再び夜間に向かって不規則に低下する。ピーク時においてでも、電力供給ネットワークに接続された消費者に利用可能な十分な電気エネルギを常に生成すべき義務を負う電力供給ネットワークは、適切なエネルギが電力供給ネットワークに供給されることを保証しなければならないだけでなく、いかなるときにおいても常に十分なエネルギを準備しなければならない。すなわち、異常なピーク時においてでも、一定の電圧レベル及び一定の周波数を有する電気エネルギでもって電力供給を行うべき義務が常に課せられる。このため、近年、電気エネルギの生成側と配電側の両方において、制御に対する多数の介入(intervention)が必要とされている。
【0033】
図3は、本発明にかかる自動車の蓄電装置の充電状態の態様の一例を示す図である。夜間に夜間電流でもって充電された電気蓄積装置は100%の充電率を示している(I)。そして、朝の勤務場所への移動により充電状態は低下する(II)。勤務場所に到達し(III)、自動車が電気配線を経由して電力供給ネットワークに接続されたときに、可能な限り充電状態は再び100%に回復される。日中(IV)、すなわち日中ピークが起こるとき(図2参照)においては、蓄電装置に蓄積された電気エネルギの大部分は、これに接続された電力供給ネットワークに供給され、これに対応して充電状態は、非常に短い時間内に前記の最小値まで低下する(V)。この最小値は、ユーザー又は自動車の生産者によって設定されており(その他の態様で設定されてもよい)、前もって充電することなく、この自動車で自宅への移動を十分に行うことができるであろう。
【0034】
しかしながら、図示された具体例において、充電状態を、電力供給ネットワークからエネルギを取り出すことにより午後に再び上昇させてもよい(VI)。自宅への移動時には(VII)、充電状態は再び低下する。この後、電気自動車が電力供給ネットワークに接続されたときに、充電状態は、夕方/夜間に再び前記の値(100%)に回復されるであろう。
【0035】
なお、図3に示す態様は、任意の単なる例示であるということを再度指摘しておく。
もし、自動車が適切な入力インターフェースを有していれば、該自動車のユーザーは多数の設定・調整を行うことができる。
【0036】
かくして、例えば適切な入力により、ユーザーは、蓄電装置が電力供給ネットワークに接続されたときに、その放電のみが起こることができる期間を、予め設定することができる。
【0037】
充電操作及び放電操作の対応する記録作成(documentation)は、数日後においてでも、ユーザーが、いついかなる量のエネルギが電力供給ネットワークに供給されたかをなお知ることができるということを示している。
【0038】
さらに、蓄電装置、例えばリチウム電池又はその他の蓄電技術のほか、本発明にかかる自動車は、蓄電装置の充電状態を制御するとともに、ユーザーの入力を評価し、かつ記録作成を行うための適切な電力管理プログラムを有している。
【0039】
さらに、自動車は、適切なデータインターフェース(無線(携帯電話)制御のための受信機/送信機のほか)を有していてもよく、これにより自動車は、電力供給業者の適切なインターフェースに対して、充電及び放電(ネットワークへの供給)に必要な全てのデータを送信又は受信することができる。
【0040】
これは、各放電及び充電の状態/時間の記録作成及びその請求書の作成を促進する。請求書の作成に際しては、日中ピークにネットワークに供給される電流は、通常は何ら問題なく利用することができかつ比較的大量により良好な価格で利用することができる夜間電流より良好な価格で返済されることができるという事実が考慮される。
【0041】
その後ここに含まれている電力供給ネットワークへの電気エネルギの供給を伴う蓄電装置の放電は、その充電状態が余りにも低下した、蓄電装置を備えたその他の自動車を、これらの車両がなお移動を継続することができる程度まで可能な限り適切に充電するのにも用いることができる。
【0042】
それゆえ、本発明はまた、複数の自動車がともにそれらの蓄電装置に電気的に接続されることを許容する。
【0043】
本発明はまた、電流源(ネットワーク)へ供給されるための車両の蓄電装置の電流(電圧)が、インバータ60によって変換され、これにより電流源への供給が可能であることを付与する。そのようなインバータが、各車両に設けられることができるが、他方では、エネルギ蓄積装置の電流が、先ず、直流送電によって車両から取られ、次に、インバータが車両の外部に(車両から見て、ネットワーク及び車両の接続部の下流に)設けられ、これにより車両から取られる電力が、ネットワークへの供給のために(例えば50Hz、ネットワーク電圧(network voltage)など)インバータによって作り出されることができる。
【0044】
また、車両内の蓄積装置について直流の供給のために、さらにネットワークへの交流の供給のために、中央インバータステーション(central inverter station)が設けられることが特に有利であり、該中央インバータステーションは、例えば、(例えば空港における)ガレージ設備に設けられ、これに対応して本発明に係る多数の車両が接続されると、ここでは多量の電気エネルギが上記ガレージ設備に発生することができる。このようにして、インバータのコストが、全体として比較的低いレベルに保持され、同時に、車両内の多くの小さいインバータ、それらはまた結局、例えば調波などの妨害をネットワーク内に引き起こし得るが、該インバータを制御することより、個々の又は比較的大きいインバータステーションを制御することは比較的簡単であるので、電気ネットワークへの交流の系統的な供給を規定することが可能である。
【0045】
インバータはまた、1未満のある程度の効率を有するので、理想値1よりわずかに下回る場合でも、車両内のインバータ(図1a)からの損失は、据付の中央インバータ(図1b)の場合よりも必ず高い。
【0046】
家庭内接続の場合にはまた、インバータは、それとともに関連付けられることができ、これにより個人の車両はまた、自宅の駐車場でエネルギを確実にフィードバックすることができる。
【0047】
勤労者はしばしば相当な距離を走行しなければならず、全勤労日を通じて車両を使用しない状態が確かにあるので、その時間(勤務時間)のほとんど利用可能である電気エネルギの統計的に実証できる基本的な供給が存在する。そのようなエネルギが定期的に利用可能である場合、その蓄積装置はまた、風力設備の調整エネルギに寄与することができ、このことは現在議論され、またネットワーク内に必要とされている。そのことは、車両蓄積装置が再生源(regenerative source)から充電される場合に特に魅力的である。さらに具体的に言えば、そのときその再生源自体は、必要とされる調整エネルギの少なくとも一部を発生させて供給する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1a】電力供給ネットワークと本発明にかかる自動車との接続形態の概要を示す図である。
【図1b】電力供給ネットワークと本発明にかかる自動車との接続形態の概要を示す図である。
【図2】電力供給業者における電力需要の通常の日変動を示すグラフである。
【図3】本発明にかかる自動車の充電状態を示す充電状態タイムチャートである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気モータと、
上記電気モータに駆動エネルギを供給するエネルギ蓄積装置と、
上記エネルギ蓄積装置に接続された、電流源との接続のためのプラグコネクタと、
上記電流源から上記エネルギ蓄積装置への電流の流れを制御する制御手段とを含んでいる自動車であって、
上記制御手段(10)が、上記エネルギ蓄積装置(20)から上記電流源(ネットワーク)(30)への電流の流れを許容し、
上記自動車内に又は上記自動車の外部にインバータが設けられ、該インバータにより上記エネルギ蓄積装置の電力が、上記電流源(ネットワーク)へ交流の形態で供給されることができる、
ことを特徴とする自動車。
【請求項2】
上記制御手段が、上記エネルギ蓄積装置の充電量を検出する装置を含んでいて、残存充電量が予め設定可能な閾値に到達したときに、上記エネルギ蓄積装置(20)から上記ネットワーク(30)への電流の流れを遮断することを特徴とする、請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
上記制御手段(10)と上記ネットワーク(30)との間で通信を行う通信装置を含んでいることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車。
【請求項4】
上記制御手段が、クロックを含むか、又は、クロックに接続されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動車。
【請求項5】
エネルギ蓄積装置とネットワークとの間での電流の流れを制御する方法であって、
予め設定可能な第1の期間においては、上記ネットワーク(30)から上記エネルギ蓄積装置への電流の流れを許容し、
予め設定可能な第2の期間においては、上記エネルギ蓄積装置から上記ネットワークへの電流の流れを許容することを特徴とする方法。
【請求項6】
とくに請求項1〜4のいずれか1つに記載された、駆動部と、上記駆動部に接続され電気エネルギを蓄積する蓄積装置と、電力供給ネットワークとの接続部とを含んでいる車両であって、
上記蓄積装置に制御手段が関連付けられていて、この制御手段により、電力供給ネットワークに接続されたときに上記蓄積装置が制御されつつ放電されることができ、電気エネルギが電力供給ネットワークに供給されるようになっている車両。
【請求項7】
上記蓄積装置が、電力供給ネットワークに接続されたときに、上記制御手段により制御された電気エネルギで充電されることを特徴とする、請求項1〜4及び6のいずれか1つに記載の車両。
【請求項8】
上記制御手段に連結された入力手段が設けられ、該入力手段により該車両の使用者が蓄積装置の放電を行う時間(期間)を設定することができ、電力供給ネットワークへのエネルギの供給が少なくとも部分的に実施されることができることを特徴とする、請求項1〜4、6及び7のいずれか1つに記載の車両。
【請求項9】
上記制御手段に電力管理プログラムが関連付けられていて、該車両が電力供給ネットワークに接続されたときに、上記プログラムが、上記蓄積装置のための自動的な充電操作又は放電操作を開始させることを特徴とする、請求項1〜4及び6〜8のいずれか1つに記載の車両。
【請求項10】
請求項1〜4及び6〜9のいずれか1つに記載の車両との複数の接続部を備えた電力供給ネットワーク。
【請求項11】
要求があれば、請求項1〜4及び6〜9のいずれか1つに記載の車両の、上記ネットワークに接続された複数の蓄積装置の少なくとも部分的な放電が開始されることを特徴とする、請求項10に記載の電力供給ネットワークを操作する方法。
【請求項12】
上記蓄積装置に受け入れられた電気エネルギと上記電力供給ネットワークに供給されたエネルギとを測定する電流計量器/エネルギセルが、該車両に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜4及び6〜9のいずれか1つに記載の車両。
【請求項13】
いつどれだけの量の電気エネルギが上記蓄積装置に充電されたか、又は電力供給ネットワークに供給されたかを確定する記録ユニットが該車両に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4、6〜9及び12のいずれか1つに記載の車両。
【請求項14】
該車両が、上記電力供給ネットワークの対応する接続プラグに接続されることができる電気接続プラグを有し、
上記接続プラグがアース配線を有していて、該アース配線により、該車両のデータを、上記電力供給者のデータネットワークによりやり取りすることができ、
さらに、上記データネットワークにより、さらなるデータ、例えば該車両の電気蓄積装置の状態についてのデータが供給されることができることを特徴とする請求項1〜4、6〜9、12及び13のいずれか1つに記載の車両。
【請求項15】
上記車両の外部にインバータが設けられ、該インバータにより上記車両の上記エネルギ蓄積装置の電流が、上記電流源(ネットワーク)へ供給するように規定されていることを特徴とする請求項1〜4、6〜9及び12〜14のいずれか1つに記載の車両。

【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−534281(P2007−534281A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517977(P2006−517977)
【出願日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003151
【国際公開番号】WO2005/009779
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】