説明

自動食器洗浄システムのためのスケール低減添加剤

【課題】リンを含まない自動食器洗浄システムにおける無機堆積物の形成を抑制する洗浄洗剤を提供する。
【解決手段】アクリル酸、マレイン酸およびメタクリル酸のポリマーを含み、カーボネートおよびシリケートを、カーボネート:シリケート=4:1〜1:3の重量比で含み、カーボネートおよびシリケートを合計で10〜90重量%含む、リンを含まない自動食器洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して非−ホスフェート(non−phosphate)自動食器洗浄システムにおける混合無機堆積物を最小限にする配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗浄洗剤は、織物洗浄または水処理に使用されるものとは異なる種類の洗剤組成物として一般的に認識されている。自動食器洗浄洗剤は、洗浄サイクルの完了後に洗浄された物品上に汚点がなくかつ膜のない外観をもたらすことを必要とする。ホスフェート非含有組成物は、非−ホスフェートビルダー、例えば、クエン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、二ケイ酸塩、重炭酸塩、アミノカルボン酸塩などに頼っており、硬水からカルシウムおよびマグネシウムを封鎖し、乾燥時に不溶性の目に見える堆積物を残す。(メタ)アクリル酸およびマレイン酸から製造されたポリマーが、非−ホスフェートビルダーから生じるスケールまたは他の不溶性堆積物を抑制するのに使用するために知られている。例えば、米国特許第5,273,675号は、アルカリ金属ケイ酸塩を含む組成物において、アクリル酸、マレイン酸およびメタクリル酸から製造されるポリマーを開示する。しかし、この文献は混合無機堆積物の形成を抑制する組成物または方法を開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,273,675号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によって取り組まれる課題は、混合無機堆積物の形成を低減させうる組成物を見いだすことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、リンを含まない自動食器洗浄洗剤組成物であって、(a)(i)40〜75重量%のアクリル酸、(ii)5〜25%のマレイン酸、および(iii)10〜50重量%のメタクリル酸;の重合残基を含み、かつ少なくとも2,000のMを有し、かつマレイン酸およびメタクリル酸残基の合計量がポリマーの少なくとも22重量%を構成するポリマー;並びに(b)カーボネート:シリケート=4:1〜1:3の重量比のカーボネートおよびシリケートを含み、当該組成物がカーボネートおよびシリケートを合計で10〜90重量%含む、自動食器洗浄洗剤組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
他に示されない限りは、全てのパーセンテージは重量パーセンテージ(重量%)であり、全ての温度は℃単位である。重量平均分子量(M)は、当該技術分野において知られているように、ポリアクリル酸標準を用いてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。GPCの技術は、Modern Size Exclusion Chromatography(最新のサイズ排除クロマトグラフィー)、W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley−Interscience,1979およびA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis(物質の特徴付けおよび化学分析の指針)、J.P.Sibilia;VCH,1988,81〜84ページに詳細に論じられている。本明細書において報告される分子量はダルトン単位である。本明細書において使用される場合、用語「(メタ)アクリル」はアクリルまたはメタクリルをいい;用語「カーボネート」はアルカリ金属もしくはアンモニウムの炭酸塩、重炭酸塩、過炭酸塩、セスキ炭酸塩をいい;用語「シリケート」はアルカリ金属もしくはアンモニウムのケイ酸塩、二ケイ酸塩、メタケイ酸塩をいい;並びに用語「サイトレート」はアルカリ金属クエン酸塩をいう。本発明のある実施形態においては、カーボネート、シリケートまたはサイトレートはナトリウム、カリウムもしくはリチウム塩であり;あるいはナトリウムもしくはカリウム塩であり;あるいはナトリウム塩である。用語「リンを含まない」とは、(リン元素として)0.5重量%未満、あるいは0.2重量%未満、あるいは0.1重量%未満のリンを含むか、あるいは検出可能なリンを含まない組成物を意味する。
【0007】
組成物中のカーボネートおよびシリケートの合計重量は組成物の全重量の10〜90重量%である。本発明のある実施形態においては、カーボネートおよびシリケートの合計重量は少なくとも15重量%、あるいは少なくとも20重量%、あるいは少なくとも25重量%、あるいは少なくとも30重量%、あるいは少なくとも35重量%である。ある実施形態においては、カーボネートおよびシリケートの合計重量は85重量%以下、あるいは80重量%以下、あるいは75重量%以下、あるいは70重量%以下、あるいは65重量%以下、あるいは60重量%以下である。本発明のある実施形態においては、カーボネートのシリケートに対する重量比は3.5以下:1、あるいは3以下:1、あるいは2.5以下:1である。ある実施形態においては、カーボネートのシリケートに対する重量比は少なくとも1:2.5、あるいは少なくとも1:2、あるいは少なくとも1:1.5である。本発明のある実施形態においては、本組成物はクエン酸アルカリ金属および/またはアミノカルボン酸アルカリ金属をさらに含む。ある実施形態においては、クエン酸アルカリ金属の量は0.01〜40重量%、あるいは35重量%以下、あるいは30重量%以下、あるいは25重量%以下、あるいは20重量%以下である。
【0008】
本発明のある実施形態においては、ポリマーは少なくとも42.5重量%、あるいは少なくとも45重量%、あるいは少なくとも47.5重量%、あるいは少なくとも50重量%、あるいは少なくとも52.5重量%、あるいは少なくとも55重量%、あるいは少なくとも57.5重量%、あるいは少なくとも60重量%のアクリル酸の重合残基を含む。ある実施形態においては、ポリマー中のアクリル酸残基の量は72.5重量%以下、あるいは70重量%以下、あるいは67.5重量%以下、あるいは65重量%以下、あるいは62.5重量%以下、あるいは60重量%以下、あるいは57.5重量%以下、あるいは55重量%以下、あるいは52.5重量%以下、あるいは50重量%以下である。本発明のある実施形態においては、マレイン酸残基はポリマーの少なくとも7.5重量%、あるいは少なくとも10重量%、あるいは少なくとも12.5重量%、あるいは少なくとも15重量%、あるいは少なくとも17.5重量%である。ある実施形態においては、マレイン酸残基の量は22.5%以下、あるいは20重量%以下、あるいは17.5重量%以下、あるいは15重量%以下、あるいは12.5重量%以下である。典型的には、ポリマーは重合プロセス中に酸に加水分解されるマレイン酸無水物を重合することにより製造される。ポリマー中のマレイン酸残基に対する全ての言及は、そのカルボン酸基のpKa付近またはそれより高いpH値で存在するであろうマレイン酸残基の金属塩を含む。本発明のある実施形態においては、ポリマー中のメタクリル酸残基の量は少なくとも12.5重量%、あるいは少なくとも15重量%、あるいは少なくとも17.5重量%、あるいは少なくとも20重量%、あるいは少なくとも22.5重量%、あるいは少なくとも25重量%、あるいは少なくとも30重量%、あるいは少なくとも35重量%である。ある実施形態においては、ポリマー中のメタクリル酸残基の量は47.5重量%以下、あるいは45重量%以下、あるいは42.5重量%以下、あるいは40重量%以下、あるいは35重量%以下、あるいは30重量%以下である。本発明のある実施形態においては、ポリマー中のマレイン酸およびメタクリル酸の合計量は少なくとも22重量%、あるいは少なくとも24重量%、あるいは少なくとも26重量%、あるいは少なくとも28重量%、あるいは少なくとも30重量%である。
【0009】
本発明のある実施形態においては、ポリマーはアクリル酸のエステルもしくはメタクリル酸のエステルを5重量%以下、あるいは2重量%以下、あるいは1重量%以下、あるいは0.5重量%以下含む。本発明のある実施形態においては、ポリマーは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)(金属塩もしくはアンモニウム塩を含む)または他のスルホン化アクリルモノマーを5重量%以下、あるいは2重量%以下、あるいは1重量%以下、あるいは0.5重量%以下、あるいは0.2重量%以下含む。
【0010】
本発明のある実施形態においては、ポリマーは少なくとも4,000、あるいは少なくとも6,000、あるいは少なくとも8,000、あるいは少なくとも10,000、あるいは少なくとも12,000、あるいは少なくとも14,000のMを有する。ある実施形態においては、Mは300,000以下、あるいは200,000以下、あるいは100,000以下である。
【0011】
ポリマーは、自動食器洗浄機における不溶性堆積物を制御するのに有用な他のポリマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸または他の二塩基酸モノマー、アクリルもしくはメタクリル酸のエステル、例えばポリエチレングリコールエステル、スチレンモノマー、AMPSおよび他のスルホン化モノマー、並びに置換アクリルアミドもしくはメタクリルアミドの残基の組み合わせを含むポリマーと一緒に使用されうる。
【0012】
本発明のポリマーはアクリルモノマーの重合についての公知技術のいずれかによって製造されうる。本発明のある実施形態においては、開始剤はリンを含まない。本発明のある実施形態においては、ポリマーは1重量%未満、あるいは0.5重量%未満、あるいは0.1重量%未満のリンを含み、あるいはポリマーはリンを含まない。本発明のある実施形態においては、重合は過硫酸塩を用いて開始され、ポリマー上の末端基はスルフェートもしくはスルホネートである。ポリマーは水可溶性溶液ポリマー、スラリー、乾燥粉体、または顆粒もしくは他の固体形状の形態であることができる。
【0013】
自動食器洗浄洗剤組成物の他の成分には、例えば、界面活性剤、酸素および/または塩素漂白剤、漂白活性化剤、酵素、抑泡剤、着色剤、香料、抗バクテリア剤および増量剤が挙げられうる。典型的な界面活性剤量は使用される具体的な界面活性剤に応じて変化するが、典型的には0.1重量%〜10重量%、あるいは0.5重量%〜5重量%である。錠剤または粉体における増量剤は不活性な水可溶性物質であり、典型的にはナトリウムもしくはカリウム塩、例えば、硫酸ナトリウムもしくは硫酸カリウム、および/または塩化ナトリウムもしくは塩化カリウムであり、そして典型的には0重量%〜75重量%の範囲の量で存在する。ゲル配合物中の増量剤には、上述したものおよび水が挙げられる。香料、染料、抑泡剤、酵素および抗バクテリア剤は通常合計で組成物の5重量%以下である。
【0014】
本発明のある実施形態においては、組成物は次亜塩素酸塩を0.1〜2重量%、あるいは0.5〜1.5重量%含む。本発明のある実施形態においては、組成物は(水中1重量%で)少なくとも10、あるいは少なくとも11.5のpHを有し;ある実施形態においては、そのpHは13以下である。
【0015】
組成物はあらゆる典型的な形態、例えば、錠剤、粉体、1回用分包(monodose)、小袋(sachet)、ペースト、液体またはゲルの形態に処方されうる。組成物はあらゆる典型的な自動食器洗浄機のための典型的な操作条件下で使用されうる。洗浄プロセス中の典型的な水温は好ましくは、20℃〜85℃、あるいは30℃〜70℃である。食器洗浄機内の全液体のパーセンテージとしての、組成物の典型的な濃度は好ましくは、0.1〜1重量%、あるいは0.2〜0.7重量%である。好適な製品形態および添加時点の選択に関して、組成物はプレ洗浄、主洗浄、最後から2番目のすすぎ、最終すすぎ、またはこれらのサイクルの任意の組み合わせにおいて存在することができる。
【0016】
本発明のある実施形態においては、組成物は0.5〜12重量%、あるいは1〜10重量%、あるいは2〜8重量%、あるいは3〜7重量%、あるいは3.5〜6.5重量%の前記ポリマーを含む。本発明のある実施形態においては、ポリマーのカーボネートとシリケートとの合計量に対する重量比は1以下:2、あるいは1以下:3、あるいは1以下:4、あるいは1以下:5、あるいは1以下:6、あるいは1以下:7である。本発明のある実施形態においては、ポリマーの、カーボネートとシリケートとの合計量に対する重量比は少なくとも1:25、あるいは少なくとも1:20、あるいは少なくとも1:15、あるいは少なくとも1:10である。
【実施例】
【0017】
典型的なポリマー製造
機械式攪拌機、加熱マントル、熱電対、凝縮器およびモノマー、開始剤および連鎖移動剤(chain regulator)添加用入口を備えた2リットルの丸底フラスコに、25.3グラムの無水マレイン酸および230グラムの脱イオン水を入れた。この混合物を攪拌し、72℃(±2℃)に加熱するようにセットした。その間に、精製アクリル酸210グラムおよびメタクリル酸60グラムのモノマー溶液をメスシリンダーに入れ、フラスコに添加するために完全に混合した。8.3グラムの過硫酸ナトリウムを脱イオン水30グラムに溶解した開始剤溶液を前記ケトルに添加するためのシリンジに入れた。45グラムの脱イオン水に溶解された18グラムのメタ重亜硫酸ナトリウムの連鎖移動剤(CTA)溶液をケトルへの添加のためのシリンジに入れた。連鎖移動剤プレチャージ溶液は、5グラムの脱イオン水に0.72グラムのメタ重亜硫酸ナトリウムを溶解することによって調製され、取っておかれた。0.15%の硫酸鉄7水和物溶液7.75グラムのプロモーター溶液をバイアルに入れて取っておいた。
【0018】
ケトルの内容物が72℃の反応温度に到達したら、プロモーター溶液を添加し、続いてメタ重亜硫酸ナトリウムプレチャージ溶液を添加した。反応温度が72℃に戻った後で、モノマー、開始剤およびCTA溶液供給を同時に開始した。モノマー供給速度は90分間にわたって一定であった。72℃で、CTA共供給は80分にわたって線形的に添加され、開始剤共供給は95分間にわたって線形的に添加された。
【0019】
供給完了時に、5グラムの脱イオン水がモノマー供給容器にすすぎとして添加された。反応物は15分間72℃で維持された。その間に、0.45グラムのメタ重亜硫酸ナトリウムおよび10グラムの脱イオン水のチェイサー溶液が混合され、取っておかれ、かつ0.45グラムの過硫酸ナトリウムおよび10グラムの脱イオン水が混合され取っておかれた。
【0020】
維持の完了時に、上記溶液を線形的に5分間にわたって添加し、15分間72℃で維持した。チェイサー溶液調製が繰り返され、ケトルに5分間にわたって添加され、続いて15分間維持された。
【0021】
最終維持の完了時に、40グラムの脱イオン水の添加による冷却を開始した。50℃以下で、146グラムの50%水酸化ナトリウム溶液を添加漏斗に添加し、65℃未満の温度を維持するように発熱を制御しつつケトルにゆっくりと添加した。次いで、漏斗は40グラムの脱イオン水ですすがれた。最終的に、35%過酸化水素のスカベンジャー溶液4.5グラムをケトルに添加した。反応物は次いで冷却され包装された。
【0022】
最終ポリマーは41.1%の固形分を有しており(150℃で60分間強制通風オーブン中で測定した)、溶液のpHは5.05であり、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した最終Mは18,060であり、Mは3329であった。測定された残留モノマーはアクリル酸1ppm未満、メタクリル酸1ppm未満、マレイン酸1ppm未満、フマル酸839ppmであった。
【0023】
ポリマー試験
他に示されなければ、全てのポリマーは、示されるように、炭酸ナトリウムおよび/または二ケイ酸ナトリウム(BRITESIL(ブリテシル)H20、PQ Corp.(ピーキューコーポレーション))、ある場合にはクエン酸塩と、1gのポリマーとを組み合わせ、ケンモア(Kenmore)食器洗浄機において、400ppmの硬度(2:1=Ca+2:Mg+2)の水を用いて、130°F(54.4℃)で食べ物汚れなしで、5サイクル、グラスを洗浄する(固体はプレ洗浄および主洗浄サイクルに添加された)ことによるスケール低減について試験された。グラスは1、3および5サイクル後に、ASTM法3556−85からの基準(1=清浄、5=重度の膜)を用いて評価された。
表1〜4は、4gの炭酸ナトリウムおよび6gの二ケイ酸ナトリウムの混合物と共に、ポリマーを使用して得られた結果を示す。
【0024】
【表1】

注:AA=アクリル酸;Mal=マレイン酸;MAA=メタクリル酸;これらの略語に関連する数字はポリマー中での重量%を示す。
において、K=1000、すなわち、1.9K=1,900。
【0025】
本組成物において使用されたポリマーは二重線の間に示される。第1の比較項目(90AA/10Mal)はリンを含むので、「リンを含まない」配合物においては望ましくない。
【0026】
【表2】

【0027】
このセットにおいては、70AA/10Mal/20MAAポリマーは、60AA/20Mal/20MAAポリマーにおけるような他のものよりも良好さは劣って機能するが、依然として対照群よりも良好である。
【0028】
【表3】

【0029】
【表4】

【0030】
表5は、4gの炭酸ナトリウム、6gの二ケイ酸ナトリウムおよび2gのクエン酸ナトリウムの混合物と共に、ポリマーを使用して得られた結果を示す。
【0031】
【表5】

【0032】
表6は、4gの炭酸ナトリウム単独と共に、ポリマーを使用して得られた結果を示す。この試験においてはシリケートが存在しないので、この表は比較のものである。
【0033】
【表6】

【0034】
表7は、6gの炭酸ナトリウム単独と共に、ポリマーを使用して得られた結果を示す。この試験においてはカーボネートが存在しないので、この表は比較のものである。
【0035】
【表7】

【0036】
表8は、2gの炭酸ナトリウムおよび8gの二ケイ酸ナトリウムの混合物と共に、ポリマーを使用して得られた結果を示す。カーボネート:シリケートの比率が1:4で本発明の範囲外にあるので、この表は比較のものである。
【0037】
【表8】

【0038】
表9は、8gの炭酸ナトリウムおよび2gの二ケイ酸ナトリウムの混合物と共に、ポリマーを使用して得られた結果を示す。
【0039】
【表9】

【0040】
表10は、6gの炭酸ナトリウムおよび2gの二ケイ酸ナトリウムの混合物と共に、ポリマーを使用して得られた結果を示す。
【0041】
【表10】

【0042】
表11は、1.5gの炭酸ナトリウムおよび6gの二ケイ酸ナトリウムの混合物と共に、ポリマーを使用して得られた結果を示す。カーボネート:シリケートの比率が1:4で本発明の範囲外にあるので、この表は比較のものである。
【0043】
【表11】

【0044】
表12は、4gの炭酸ナトリウムおよび6gの二ケイ酸ナトリウムの混合物と共に、示される(g単位)ような様々なポリマー量でポリマーを使用して得られた結果を示す。
【0045】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンを含まない自動食器洗浄洗剤組成物であって、
(a)(i)40〜75重量%のアクリル酸、(ii)5〜25重量%のマレイン酸、および(iii)10〜50重量%のメタクリル酸の重合残基を含み、かつ少なくとも2,000のMを有し、かつマレイン酸およびメタクリル酸残基の合計量がポリマーの少なくとも22重量%を構成するポリマー;並びに
(b)カーボネート:シリケート=4:1〜1:3の重量比のカーボネートおよびシリケートを含み、
当該組成物がカーボネートおよびシリケートを合計で10〜90重量%含む、
自動食器洗浄洗剤組成物。
【請求項2】
ポリマーが(i)45〜75重量%のアクリル酸、(ii)7.5〜15重量%のマレイン酸、および(iii)10〜47.5重量%のメタクリル酸の重合残基を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物がカーボネートおよびシリケートを合計で15〜50重量%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が、3.5:1〜1:2の重量比のカーボネートおよびシリケートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
ポリマーが0.5重量%未満のリンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
ポリマーが(i)45〜75重量%のアクリル酸、(ii)7.5〜15重量%のマレイン酸、および(iii)10〜47.5重量%のメタクリル酸の重合残基を含み;組成物がカーボネートおよびシリケートを合計で15〜50重量%含み;並びに、組成物が、3.5:1〜1:2の重量比のカーボネートおよびシリケートを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
ポリマーが少なくとも8,000のMを有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
ポリマーが(i)60〜75重量%のアクリル酸、(ii)7.5〜15重量%のマレイン酸、および(iii)10〜25重量%のメタクリル酸の重合残基を含み;並びに、マレイン酸およびメタクリル酸残基の合計量がポリマーの少なくとも26重量%を構成する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ポリマーが0.5重量%未満のリンを含む請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも0.1重量%の次亜塩素酸塩をさらに含み、少なくとも11.5のpHを有する、請求項9に記載の組成物。

【公開番号】特開2011−38071(P2011−38071A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−41459(P2010−41459)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】