説明

自然発火現象体感装置

【課題】化学工場や食品工場等において使用される可燃性物質の自然発火現象を安全に体感させることができる自然発火現象体感装置を提供する。
【解決手段】自然発火性を有する物質の自然発火現象を体感し得る装置であって、加熱源12と、加熱源12を覆うように設けられた断熱部材11dと、断熱部材11dを外気から遮断するように断熱部材11dの外面を覆うように設けられた遮断部材11cと、を有する断熱材11と、を備えている。断熱材11は、物質の液体を断熱部材11dに含浸させるための試験部20を備えており、試験部断熱部材20dの内面20sが加熱源12に密着するように配置させると試験部断熱部材20dの内面20sが外気から遮断され、加熱源12から試験部断熱部材20dの内面20sを離間させると試験部断熱部材20dの内面20sが外気に露出されるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然発火現象体感装置に関する。さらに詳しくは、化学工場や食品工場等において使用される可燃性物質の自然発火現象を安全に体感させるために使用される自然発火現象体感装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学産業をはじめとする製造業では、種々の可燃性物質を使用していることから、不安全状態による火災、爆発事故の危険性が常に存在している。例えば、高温の可燃性物質は熱媒として使用されており、配管によって搬送されている。
【0003】
かかる高温の可燃性物質を搬送する配管は、搬送中に温度低下が生じることを防ぐためにグラスウール等の断熱材が巻かれているが、配管の劣化によるピンホールの発生や、配管のフランジ部等から可燃性物質がしみ出して、断熱材にしみ込むという現象が発生している。
【0004】
配管周囲の空間、つまり、断熱材によって囲まれている空間は配管内を流れる可燃性物質の熱によってある程度の温度に維持されており、しかも、断熱材の周囲には空気が存在する。このため、断熱材にしみ込んだ可燃性物質が、断熱材の周囲に存在する空気と接触すると、自然発火して煙を発生したり温度上昇が生じたりする場合がある。
【0005】
とくに、断熱材にしみ込んだ可燃性物質が高温の状態で大量の空気と接触すると、自然発火による急激な温度上昇が生じて、煙の大量発生や火災が発生する可能性が高くなる。
例えば、配管に巻き付けられている断熱材から煙が発生していることに気付いた作業者が、配管から断熱材を取り外した場合には、可燃性物質が急激に大量の空気に触れるので、煙の大量発生や火災等が発生する可能性は高くなる。
【0006】
上記のごとき状況(断熱材からわずかな煙が発生している状況など)を発見したときにおいて、作業者が適切かつ落ち着いた対応を行うためには、現在どのような状況が生じているか、また、引き続いてどのような現象が生じる可能性があるかについて具体的に把握していることが必要となる。
そして、上記のごとき現象やその危険性などを作業者に理解させる上では、断熱材から煙が発生している状況や、その状況から自然発火が生じる状態を、作業者に実際に体感させることが最も重要かつ効果的である。
【0007】
従来、可燃性物質の自然発火性を評価するために使用できる装置は種々開発されているが(例えばSITなど、非特許文献1)、かかる装置は、あくまで可燃性物質がどのような条件において発火する可能性があるかについて調べるためのものに過ぎず、現実のプラント等の設備に模した装置において、自然発火の危険性を疑似体感できる装置は開発されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】長谷川和俊著、「危険物の安全」、丸善株式会社、平成16年11月10日、p78−79
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、化学工場や食品工場等において使用される可燃性物質の自然発火現象を安全に体感させることができる自然発火現象体感装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明の自然発火現象体感装置は、自然発火性を有する物質の自然発火現象を体感し得る装置であって、加熱源と、該加熱源を覆うように設けられた断熱部材と、該断熱部材を外気から遮断するように該断熱部材の外面を覆うように設けられた遮断部材と、を有する断熱材と、を備えており、前記断熱材は、前記物質を前記断熱部材に含浸させるための試験部を備えており、該試験部の断熱部材における加熱源側の面が、前記加熱源に対して接近離間可能であって、該試験部の断熱部材における加熱源側の面が前記加熱源に密着するように該試験部を配置させると、該試験部の断熱部材における加熱源側の面が外気から遮断され、該試験部の断熱部材における加熱源側の面を前記加熱源から離間させると、該試験部の断熱部材における加熱源側の面が外気に露出されるように形成されていることを特徴とする。
第2発明の自然発火現象体感装置は、第1発明において、前記加熱源は、筒状に形成された金属製の外筒と、該外筒内に、該外筒に対して熱を供給する加熱手段とを備えていることを特徴とする。
第3発明の自然発火現象体感装置は、第1または第2発明において、前記断熱材の断熱部材は、不燃性の繊維から形成されたものであることを特徴とする。
第4発明の自然発火現象体感装置は、第1、第2または第3発明において、前記試験部内の温度を測定する温度計測手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明によれば、自然発火性を有する物質を試験部の断熱部材にしみ込ませた状態で、試験部の断熱部材を加熱源に接近させてその断熱部材における加熱源側の面(以下、断熱部材の内面という)を加熱源に密着させれば、断熱部材にしみ込ませた物質を加熱源からの熱によって加熱することができる。すると、物質の温度を、物質が自然発火する温度まで上昇させることができる。その状態から、試験部の断熱部材を加熱源から離間させれば、断熱部材の内面が露出し、物質が急激に大量の空気に触れるので、物質の自然発火現象を急激に進行させることができる。すると、急激な温度上昇や発煙等を生じさせることができるから、作業者に、自然発火現象を体感させることができ、自然発火の危険性も理解させることができる。
第2発明によれば、装置の構造が、実際のプラントの配管に近い状態となるので、体感実験において、作業者に実際のプラントをイメージさせることができる。よって、作業者に、自然発火現象をより身近な現象として体感させることができる。
第3発明によれば、装置の構造が、実際のプラントの配管に近い状態となるので、体感実験において、作業者に実際のプラントをイメージさせることができる。よって、作業者に、自然発火現象をより身近な現象として体感させることができる。しかも、断熱部材は通気性が比較的良い構造となっているので、試験部を加熱源の外面から離間させたときに、試験部に含浸されている物質を空気と容易に接触させることが可能となる。すると、試験部の断熱部材の内面を加熱源に密着させた後、試験部の断熱部材の内面を加熱源から離間させれば、自然発火現象が確実に発生するから、作業者に、自然発火現象を確実に体感させることができる。
第4発明によれば、加熱源に接近させた状態における試験部の温度を把握できる。すると、自然発火が確実に発生する状況(例えば、試験部の物質の急激な温度上昇や発煙等が確実に生じる状況)となったタイミングで、試験部を加熱源から離間させることができる。よって、作業者に、自然発火現象を確実に体感させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の自然発火現象体感装置10の概略説明図であり、(A)は概略ブロック図であり、(B)は概略断面図である。
【図2】試験部20を外筒13から離間させた状態の概略拡大説明図であり、(A)は外筒13の軸方向から試験部20を見た図であり、(B)は側方から試験部20を見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1において、符号10は本実施形態の自然発火現象体感装置を示している。図1に示すように、本実施形態の自然発火現象体感装置10は、加熱源12と断熱材11とを備えている。
【0014】
まず、加熱源12は、内部に中空な空間を有する円筒状に形成された外筒13を備えている。
この外筒13は、熱伝導性が高い鉄やステンレスなどの金属素材によって形成されたものである。
なお、この外筒13の素材はとくに限定されないが、熱伝導性が良好であり、後述する自然発火性を有する物質によって腐食されない材料であればよく、とくに限定されない。
【0015】
この外筒13の内部には、加熱手段である電気ヒータ14が設けられている。この電気ヒータ14は、外筒13を内側から加熱することができるように配設されている。
例えば、電気ヒータ14としてリボンヒータや面状ヒータを採用した場合には、筒状のヒータ保持部材16の周囲に電気ヒータ14を巻きつけた状態で、リボンヒータが外筒13の内面に接触するように配置すれば、効果的に外筒13を加熱することができる。
【0016】
なお、リボンヒータをヒータ保持部材16の周囲に巻きつけた加熱手段を採用する場合には、ヒータ保持部材16の表面を断熱材15によって覆い、その上にリボンヒータを巻きつけることが好ましい。かかる構成とすれば、ヒータ14から供給される熱がヒータ保持部材16に逃げることを防ぐことができるので、ヒータ14による外筒13の加熱を効率よく行うことができる。
また、加熱手段は電気ヒータ14に限られず、外筒13を内側から加熱することができるものであればよいが、電気ヒータ14であれば、加熱量の制御が容易であるし安全に実験することができるので、好ましい。
【0017】
図1に示すように、加熱源12の外筒13の周囲には、断熱材11が設けられている。この断熱材11は、断熱部材11dと遮断部材11cとを備えている。
断熱部材11dは、例えば、グラスウールやロックウール等の一般的な断熱性の素材から形成されており、前記加熱源12の外筒13の表面を覆うように設けられている。
この遮断部材11cの周囲には、例えば、アルミシート等のように、通気性がない又は通気性が非常に低い素材によって形成された遮断部材11cが設けられている。この遮断部材11cは、断熱部材11dの外面を覆うように設けられている。
【0018】
以上のごとき構造であるから、断熱材11を加熱源12の外筒13の周囲に取り付けた状態では、断熱材11の断熱部材11dは、外筒13と遮断部材11cとに挟まれて、外部からほぼ気密な状態に保たれるのである。
なお、断熱材11の端面(図1(A)では左右端面)では断熱部材11dが露出しているので、その部分では断熱部材11dは外気と接触する状態となっているが、自然発火現象体感装置10の軸方向の長さを、例えば、200mm以上とすれば、その中央部では断熱部材11dを気密に近い状態とすることができる。
【0019】
そして、図1に示すように、断熱材11において、自然発火現象体感装置10の軸方向の中央部に位置する部分には、試験部20が設けられている。
この試験部20は、断熱材11にコの字状の切り込みを設けることによって、略四角形状に形成された部分である。つまり、試験部20は、断熱材11の一部から形成されたものであり、その一端で断熱材11と接続されている。
【0020】
なお、試験部20の部分の遮断部材11cおよび断熱部材11dと、断熱材11の他の部分の遮断部材11cおよび断熱部材11dとを区別するために、以下では、試験部20の部分の遮断部材11cは試験部遮断部材20cで示し、試験部20の部分の断熱部材11dは試験部断熱部材20dで示す。
【0021】
試験部20が上記のごとき形状であるので、試験部20の一端と対向する他端(つまり、自由端)を持ち上げると、試験部20の試験部断熱部材20dにおける加熱源12の外筒13側の面(以下、単に試験部断熱部材20dの内面20sという)を外筒13の外面から離間させることができ、試験部断熱部材20dの内面20sを露出させることができる。つまり、試験部断熱部材20dの内面20sを外気と接触させることができる(図1(B)、図2)。なお、この状態では、試験部断熱部材20dの内面20sが外筒13の外面から離間したことによって、断熱材11に開口11hが形成される。
【0022】
逆に、試験部断熱部材20dの内面20sを外筒13の外面から離間させた状態から、開口11hに試験部20が収容されるように試験部20の他端を移動させれば、試験部20によって開口11hを塞ぐことができる。つまり、試験部断熱部材20dの内面20sが外筒13の外面に接近するように試験部20の他端を移動させれば、試験部20によって開口11hを塞ぐことができる。すると、試験部断熱部材20dの内面20sを外筒13の外面に密着させることができるので、試験部断熱部材20dの内面20sをほぼ外気から遮断した状態とすることができるのである。
【0023】
なお、試験部20は、その一端が断熱材11から分離されていてもよい。つまり、試験部20は、断熱材11から完全に分離できるように形成されていてもよい。このような構成とした場合には、自然発火性を有する液体を含浸した試験部20を確実に空気と接触させることができるので、確実に自然発火現象を作業者に見せることができる点で好ましい。
【0024】
(本実施形態の自然発火現象体感装置10による体感実験)
上記のごとき構成を有するので、本実施形態の自然発火現象体感装置10を使用すれば、以下のように自然発火現象の体感実験を行うことができる。
【0025】
まず、試験部20の他端を持ち上げて試験部断熱部材20dの内面20sを露出させて、露出した試験部断熱部材20dの内面20sに、自然発火性を有する液体を含浸させる。そして、試験部断熱部材20dの内面20sが外筒13の外面に密着するように、試験部20を開口11hに収容する。
なお、使用する試料(自然発火性を有する物質)が固体の場合、例えば、ステアリン酸等のように常温で固体の試料の場合には、試料を加熱して融解し液体とした後に、試験部断熱部材20dの内面20sに含浸させてもよい。
【0026】
ついで、ヒータ制御手段HCを操作して、ヒータ14を作動させ、ヒータ14の熱によって外筒13を加熱する。外筒13は熱伝導性を有しているから、その外面に密着している試験部断熱部材20dに熱が供給される。
すると、試験部断熱部材20dに含浸されている液体が加熱され、その温度が上昇する。
【0027】
ヒータ14による加熱を継続した後、試験部20の他端を持ち上げて、再び試験部断熱部材20dの内面20sを露出させると、試験部断熱部材20dに含浸されている液体が急激に大量の空気に触れる。このとき、液体が自然発火し得る温度まで上昇していると、液体が急激に大量の空気に触れたことによって、液体の自然発火現象を急激に進行させることができる。
すると、試験部断熱部材20dの内面20sの内面から発煙を生じるから、この発煙現象を作業者に確認させることができる。よって、作業者に自然発火現象を体感させることができ、自然発火の危険性も理解させることができる。
【0028】
とくに、断熱部材11d(つまり、試験部断熱部材20d)として、グラスウールなどの不燃性の繊維から形成されたものを使用していれば、装置の構造が、実際のプラントの配管に近い状態となる。すると、体感実験において、作業者に実際のプラントをイメージさせることができるから、自然発火現象をより身近な現象として体感させることができる。
しかも、不燃性の繊維から形成された断熱部材11dは、通気性が比較的良い構造となっている。このため、試験部断熱部材20dの内面20sを露出させたときに、試験部断熱部材20dに含浸されている液体を空気と容易に接触させることが可能となる。よって、自然発火現象をより確実に発生させることができるので、作業者に、自然発火現象をより確実に体感させることができる。
【0029】
なお、試験部20の他端を持ち上げて、再び試験部断熱部材20dの内面20sを露出させるタイミングは、事前の試験等によって加熱開始から自然発火が確実に発生する状況(例えば、試験部20の液体の急激な温度上昇や発煙等が確実に生じる状況)となるまでの時間を測定しておき、その時間によって決定してもよい。
しかし、実験環境などによって自然発火が確実に発生する状況となるまでの時間は変化することが考えられ、試験部断熱部材20dの内面20sを露出させても自然発火が生じない可能性がある。
【0030】
かかる問題を防ぐ上では、温度計測手段、例えば、温度センサ等を試験部20内、つまり、試験部断熱部材20d内に配置しておくことが好ましい。かかる温度センサを、測定された温度を表示する表示装置等に接続しておけば、表示される温度に基づいて、試験部断熱部材20dの内面20sを露出させるタイミングを決定することができる。つまり、試験部断熱部材20d内の液体が自然発火し得る温度となったタイミングで試験部断熱部材20dの内面20sを露出させることができるから、作業者に、自然発火現象を確実に体感させることができる。
【0031】
(その他)
なお、上記例では、加熱源12が、外筒13とその内部に設けられた電気ヒータ14の場合を説明したが、加熱源12の構造は上記のごとき構造に限定されない。
例えば、加熱源12を、金属製の平板と、その平板を裏面から加熱する加熱手段によって構成してもよい。この場合でも、平板の表面を、上述したような断熱材(断熱部材と遮断部材)によって覆い、断熱材の一部に、平板の表面に接近離間可能な試験部を設ければ、上述した例と同様に体感実験を実施することは可能である。
しかし、上記のごとく、加熱源12を、外筒13とその外筒13を内部から加熱する加熱手段とによって構成するとすれば、装置の構造が、実際のプラントの配管に近い状態とすることができる。すると、加熱源12を、平板とその平板を加熱する加熱手段によって構成した場合に比べて、作業者に実際のプラントをイメージさせることができ、作業者に、自然発火現象をより身近な現象として体感させることができるという利点が得られる。
【実施例1】
【0032】
本発明の自然発火現象体感装置を用いて、実際に自然発火実験を行った。
実験では、実際の化学工場において使用されている自然発火性を有する物質を試験部の断熱部材の内面に付着させた後、外筒の外面に断熱部材の内面を密着させて加熱し、その後、所定の温度となったときに断熱部材の内面を露出させて、その際に生じる現象を確認した。
【0033】
まず、バーレルサーム400(芳香族系有機合成熱媒体油)を試験部の断熱部材(ニチアス(株)製、型式4516-N700)に含浸させて外筒に設置した。この状態から外筒を250℃になるまで加熱して、断熱部材の温度が175℃になった段階で、断熱部材の内面を露出させて、バーレルサーム400を空気と接触させた。すると、断熱部材の温度が瞬間的に23℃急激に上昇した。
【0034】
また、洗浄剤として使用されているステアリン酸を溶解して含浸させた断熱材を外筒に設置し、外筒を260℃になるまで加熱した。この場合にも、断熱部材の温度が210℃になった段階で断熱部材の内面を露出させて、ステアリン酸を空気と接触させたところ、断熱部材の温度が瞬間的に15℃急激に上昇した。また、温度上昇とともに、断熱部材が徐々に焦げていく様子も確認できた。
【0035】
以上の結果より、本発明の自然発火現象体感装置を用いれば、実際のプラントで生じる可能性のある自発火現象を体感させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の自然発火現象体感装置は、化学工場や食品工場等において使用される可燃性物質の自然発火現象を安全に体感させる体感実験装置として適している。
【符号の説明】
【0037】
10 自然発火現象体感装置
11 断熱材
11c 遮断部材
11d 断熱部材
12 加熱源
13 外筒
14 ヒータ
15 断熱材
20 試験部
20c 試験部遮断部材
20d 試験部断熱部材
20s 試験部断熱部材の内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然発火性を有する物質の自然発火現象を体感し得る装置であって、
加熱源と、
該加熱源を覆うように設けられた断熱部材と、該断熱部材を外気から遮断するように該断熱部材の外面を覆うように設けられた遮断部材と、を有する断熱材と、を備えており、
前記断熱材は、
前記物質を前記断熱部材に含浸させるための試験部を備えており、
該試験部の断熱部材における加熱源側の面が、前記加熱源に対して接近離間可能であって、
該試験部の断熱部材における加熱源側の面が前記加熱源に密着するように該試験部を配置させると、該試験部の断熱部材における加熱源側の面が外気から遮断され、該試験部の断熱部材における加熱源側の面を前記加熱源から離間させると、該試験部の断熱部材における加熱源側の面が外気に露出されるように形成されている
ことを特徴とする自然発火現象体感装置。
【請求項2】
前記加熱源は、
筒状に形成された金属製の外筒と、該外筒に対して熱を供給する加熱手段とを備えている
ことを特徴とする請求項1記載の自然発火現象体感装置。
【請求項3】
前記断熱材の断熱部材は、不燃性の繊維から形成されたものである
ことを特徴とする請求項1または2記載の自然発火現象体感装置。
【請求項4】
前記試験部内の温度を測定する温度計測手段を備えている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の自然発火現象体感装置。

【図1】
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【図2】
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