説明

自発光型ディスプレイの信号処理回路および信号処理方法

【課題】 この発明は、低消費電力化が図れる自発光型ディスプレイの信号処理回路を提供することを目的とする。
【解決手段】 RGB入力信号をRGBW信号に変換することにより、第1のRGB信号およびW信号を求める手段、RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値に基づいて、第1のRGB信号のうちからX信号に変換され得るRGB信号成分であって、第1のRGB信号からX信号に変換され得るRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する手段、第1のRGB信号から上記RGB信号成分を減算することにより、第2のRGB信号を算出する手段、上記RGB信号成分に相当するX信号を算出する手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自発光型ディスプレイの信号処理回路および信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機ELディスプレイ等の自発光型ディスプレイは、薄型、軽量、低消費電力などの特徴を有しており、用途が広がっている。ただし、携帯電話、デジタルスチルカメラなどの用途においては、更なる低消費電力化への要求が高い。
【0003】
白発光材料にカラーフィルタが張りつけられている有機ELディスプレイのような自発光型ディスプレイの場合、カラーフィルタを光が通過する際に光の一部がカラーフィルタに吸収されるため、光利用効率が悪くなっている。この光利用効率の低さが消費電力の低下を妨げている。
【特許文献1】特開平11−295717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、XをRGB以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されている自発光型ディスプレイの信号処理回路および信号処理方法であって、RGB信号をRGBWX信号に変換することができ、光利用効率の向上化が図り得る自発光型ディスプレイの信号処理回路および信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、XをRGBW以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されており、RGBX単位画素には色フィルタが設けられ、W単位画素には色フィルタが設けられていない自発光型ディスプレイの信号処理回路であって、RGB入力信号が全て同じ値であるときに、RGBのみによって目標の白を実現できるようにRGBの白側リファレンス輝度が設定されているとともに、RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値と、RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値とが設定されている自発光型ディスプレイの信号処理回路において、
RGB入力信号をRGBWX信号に変換するRGB−RGBWX信号変換手段を備えており、
RGB−RGBWX信号変換手段は、
RGB入力信号のうちの最小値を、RGBの各入力信号から減算する第1手段、
RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値に基づいて、RGB入力信号の全てが上記最小値である場合に対応するRGBW信号を算出する第2手段、
上記第2手段によって算出されたRGBW信号に対して、第1手段によって算出されたRGB毎の減算結果を対応する信号に加算することにより、第1のR信号、第1のG信号、第1のB信号およびW信号を求める第3手段、
RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値に基づいて、第3手段によって得られた第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号のうちからX信号に変換され得るRGB信号成分であって、第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号からX信号に変換され得るRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する第4手段、
第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号から第1手段によって算出されたRGB信号成分を減算することにより、第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号を算出する第5手段、
第4手段によって算出されたRGB信号成分に相当するX信号を算出する第6手段、ならびに
第3手段によって得られたW信号、第5手段によって得られた第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号ならびに第6手段によって得られたX信号を、上記RGB入力信号に対応するRGBWX信号として出力する第7手段、
を備えていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、XをRGBW以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されており、RGBX単位画素には色フィルタが設けられ、W単位画素には色フィルタが設けられていない自発光型ディスプレイの信号処理回路において、
予めガンマ補正がかけられているRGB入力信号に対して逆ガンマ補正を行うことにより、RGB入力信号をガンマ補正前のRGB信号に変換する逆ガンマ補正手段、逆ガンマ補正手段によって得られたRGB信号をRGB入力信号とし、RGB入力信号をRGBWX信号に変換するRGB−RGBWX信号変換手段、およびRGB−RGBWX信号変換手段によって得られたRGBWX信号に対して、自発光型ディスプレイに対応したガンマ補正を行うガンマ補正手段を備えており、
逆ガンマ補正手段によって得られたRGB信号が全て同じ値であるときに、RGBのみによって目標の白を実現できるようにRGBの白側リファレンス輝度が設定されているとともに、逆ガンマ補正手段によって得られたRGB信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値と、逆ガンマ補正手段によって得られたRGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値とが設定されており、
RGB−RGBWX信号変換手段は、
RGB入力信号のうちの最小値を、RGBの各入力信号から減算する第1手段、
RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値に基づいて、RGB入力信号の全てが上記最小値である場合に対応するRGBW信号を算出する第2手段、
上記第2手段によって算出されたRGBW信号に対して、第1手段によって算出されたRGB毎の減算結果を対応する信号に加算することにより、第1のR信号、第1のG信号、第1のB信号およびW信号を求める第3手段、
RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値に基づいて、第3手段によって得られた第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号のうちからX信号に変換され得るRGB信号成分であって、第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号からX信号に変換され得るRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する第4手段、
第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号から第1手段によって算出されたRGB信号成分を減算することにより、第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号を算出する第5手段、
第4手段によって算出されたRGB信号成分に相当するX信号を算出する第6手段、ならびに
第3手段によって得られたW信号、第5手段によって得られた第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号ならびに第6手段によって得られたX信号を、上記RGB入力信号に対応するRGBWX信号として出力する第7手段、
を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、XをRGBW以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されており、RGBX単位画素には色フィルタが設けられ、W単位画素には色フィルタが設けられていない自発光型ディスプレイの信号処理方法であって、RGB入力信号が全て同じ値であるときに、RGBのみによって目標の白を実現できるようにRGBの白側リファレンス輝度が設定されているとともに、RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値と、RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値とが設定されている自発光型ディスプレイの信号処理方法において、
RGB入力信号をRGBWX信号に変換するRGB−RGBWX信号変換ステップを備えており、
RGB−RGBWX信号変換ステップは、
RGB入力信号のうちの最小値を、RGBの各入力信号から減算する第1ステップ、
RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値に基づいて、RGB入力信号の全てが上記最小値である場合に対応するRGBW信号を算出する第2ステップ、
上記第2ステップによって算出されたRGBW信号に対して、第1ステップによって算出されたRGB毎の減算結果を対応する信号に加算することにより、第1のR信号、第1のG信号、第1のB信号およびW信号を求める第3ステップ、
RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値に基づいて、第3ステップによって得られた第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号のうちからX信号に変換され得るRGB信号成分であって、第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号からX信号に変換され得るRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する第4ステップ、 第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号から第1ステップによって算出されたRGB信号成分を減算することにより、第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号を算出する第5ステップ、
第4ステップによって算出されたRGB信号成分に相当するX信号を算出する第6ステップ、ならびに
第3ステップによって得られたW信号、第5ステップによって得られた第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号ならびに第6ステップによって得られたX信号を、上記RGB入力信号に対応するRGBWX信号として出力する第7ステップ、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、XをRGBW以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されており、RGBX単位画素には色フィルタが設けられ、W単位画素には色フィルタが設けられていない自発光型ディスプレイの信号処理方法において、
予めガンマ補正がかけられているRGB入力信号に対して逆ガンマ補正を行うことにより、RGB入力信号をガンマ補正前のRGB信号に変換する逆ガンマ補正ステップ、逆ガンマ補正ステップによって得られたRGB信号をRGB入力信号とし、RGB入力信号をRGBWX信号に変換するRGB−RGBWX信号変換ステップ、およびRGB−RGBWX信号変換ステップによって得られたRGBWX信号に対して、自発光型ディスプレイに対応したガンマ補正を行うガンマ補正ステップを備えており、
逆ガンマ補正ステップによって得られたRGB信号が全て同じ値であるときに、RGBのみによって目標の白を実現できるようにRGBの白側リファレンス輝度が設定されているとともに、逆ガンマ補正ステップによって得られたRGB信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値と、逆ガンマ補正ステップによって得られたRGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値とが設定されており、
RGB−RGBWX信号変換ステップは、
RGB入力信号のうちの最小値を、RGBの各入力信号から減算する第1ステップ、
RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値に基づいて、RGB入力信号の全てが上記最小値である場合に対応するRGBW信号を算出する第2ステップ、
上記第2ステップによって算出されたRGBW信号に対して、第1ステップによって算出されたRGB毎の減算結果を対応する信号に加算することにより、第1のR信号、第1のG信号、第1のB信号およびW信号を求める第3ステップ、
RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値に基づいて、第3ステップによって得られた第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号のうちからX信号に変換され得るRGB信号成分であって、第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号からX信号に変換され得るRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する第4ステップ、 第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号から第1ステップによって算出されたRGB信号成分を減算することにより、第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号を算出する第5ステップ、
第4ステップによって算出されたRGB信号成分に相当するX信号を算出する第6ステップ、ならびに
第3ステップによって得られたW信号、第5ステップによって得られた第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号ならびに第6ステップによって得られたX信号を、上記RGB入力信号に対応するRGBWX信号として出力する第7ステップ、
を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、XをRGB以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されている自発光型ディスプレイの信号処理回路および信号処理方法であって、RGB信号をRGBWX信号に変換することができ、光利用効率の向上化が図れるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、この発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
〔1〕表示装置の構成の説明
図1は、表示装置の構成を示している。
有機ELディスプレイ25としては、白発光材料にカラーフィルタが張りつけられているものが用いられている。この有機ELディスプレイ25では、図2に示すように、1画素を5つの単位画素で構成し、そのうちの3つの単位画素に3原色、たとえば、R(赤),G(緑),B(青)を表示するためのカラーフィルタが配置されている。残りの2つの単位画素のうちの1つの単位画素は、カラーフィルタが配置されてない白(W)表示専用の単位画素となっている。残りの1つの単位画素には、RGBW以外の任意の色、この例では、Ye(黄色)を表示するためのカラーフィルタが配置されている。
【0012】
このようなRGBWX配列では、白表示専用の単位画素は、カラーフィルタが存在していないため、光の利用効率(発光効率)は非常に高い。したがって、例えば、白100%を表示するときには、RGB表示用の単位画素を発光させて白100%を表示するのではなく、白表示専用の単位画素を発光させて白100%を表示させれば、大幅な低消費電力化が図れる。しかしながら、実際には、白発光材料によって得られる白の色度は、目標とする白の色度となっていない場合が多く、白表示専用の単位画素の白発光に対して、RGB表示用の単位画素の発光を付加する必要がある。なお、黄色表示用の単位画素の発光効率は、白表示用の単位画素の次に高いものとする。
【0013】
表示装置に入力されるデジタルのRGB入力信号には、予めガンマ補正がかけられているものとする。逆ガンマ補正回路21には、予めガンマ補正がかけられているデジタルのRGB入力信号が入力される。逆ガンマ補正回路21は、RGB入力信号に対して逆ガンマ補正を行うことにより、RGB入力信号をガンマ補正前のRGB信号に変換する。
【0014】
逆ガンマ補正回路21によって得られたRGB信号は、RGB−RGBWYe信号変換回路22に送られる。RGB−RGBWYe信号変換回路22は、RGB入力信号をRGBWYe信号に変換する。RGB−RGBWYe信号変換回路22によって得られたRGBWYe信号は、ガンマ補正回路23に送られる。
【0015】
ガンマ補正回路23は、入力されたRGBWYe信号に対して有機ELディスプレイ25のパネル特性に応じたガンマ補正を行う。ガンマ補正回路23によって得られたRGBWYe信号は、D/A変換回路24によってアナログのRGBWYe信号に変換される。D/A変換回路24によって得られたRGBWYe信号は、1画素がRGBWYeの4つの単位画素で構成された有機ELディスプレイ25に送られる。
【0016】
〔2〕リファレンス調整についての説明
リファレンス調整には、RGBWの白側リファレンス調整と、Yeの白側リファレンス調整とがある。
【0017】
図3は、RGBWの白側リファレンス調整処理手順を示している。
【0018】
目標の白Wt の輝度LWtおよび色度座標(xWt,yWt )を設定する(ステップS1)。
【0019】
次に、有機ELディスプレイ3のRGBWの色度を測定する(ステップS2)。例えば、Rの色度を測定する場合には、有機ELディスプレイ3のR表示用の単位画素のみを発光させて、その色度を光学測定器によって測定する。測定されたRGBWの色度座標を、それぞれ(xR ,yR ),(xG ,yG ),(xB ,yB ),(xW ,yW )とする。
【0020】
次に、RGBによるホワイトバランス(WB)調整時のRGBの輝度値を算出する(ステップS3)。つまり、RGBの3色によって、目標の白Wt の輝度LWtおよび色度(xWt,yWt )を表現する際のRGBの輝度値LWR1 ,LWG1 ,LWB1 を算出する。この輝度値LWR1 ,LWG1 ,LWB1 は、次式(1)から求められる。
【0021】
【数1】

【0022】
ただし、zR =1−xR −yR 、zG =1−xG −yG 、zB =1−xB −yB 、zWt=1−xWt−yWtである。
【0023】
次に、RGBWによるホワイトバランス(WB)調整時のRGBWの輝度値を算出する(ステップS4)。つまり、RGBWの4色によって、目標の白Wt の輝度LWtおよび色度(xWt,yWt )を表現する際のRGBWの輝度値LWR2 ,LWG2 ,LWB2 ,LW2を算出する。
【0024】
RGBWの色度座標(xR ,yR ),(xG ,yG ),(xB ,yB ),(xW ,yW )と、目標の白Wt の色度座標(xWt,yWt )とが、図4に示すような関係にあるとすると、目標の白Wt の色度を、RBWの3色のみによって表現することが可能である。RBWの3色によって、目標の白Wt の輝度LWtおよび色度(xWt,yWt )を表現する際のRBWの輝度値LWR2 ,LWB2 ,LW2は、次式(2)から求められる。この場合、Gの輝度値LWG2 は、0となる。
【0025】
【数2】

【0026】
ただし、zR =1−xR −yR 、zW =1−xW −yW 、zB =1−xB −yB 、zWt=1−xWt−yWtである。
【0027】
次に、上記ステップS3の算出結果を用いて、RGBWの白側リファレンス輝度を調整する(ステップS5)。
【0028】
以下の説明においては、RGB入力信号とは、逆ガンマ補正回路21によって得られたRGB信号、つまり、RGB−RGBWYe信号変換回路22に入力されるRGB信号のことを意味する。RGB入力信号値が8ビットで表される場合、RGBの白側リファレンス輝度は、RGB信号として(255,255,255)がRGB−RGBWYe信号変換回路22に入力されたときに、発光輝度および発光色が目標の白Wt の輝度LWtおよび色度(xWt,yWt )となるように調整される。つまり、RGB信号として(255,255,255)がRGB−RGBWYe信号変換回路22に入力されたときに、RGBの輝度がそれぞれ上記ステップS3で算出した輝度値LWR1 ,LWG1 ,LWB1 となるように、RGBの白側リファレンス輝度が調整される。このようにRGBの白側リファレンス輝度が調整されると、RGB入力信号が同値の場合、発光色は必ず目標の白の色度となる。また、Wの白側リファレンス輝度は、Wのみ表示したときに目標輝度(図3のステップS4で決定されたWの輝度値LW2)となるように調整される。
【0029】
また、RGB入力信号値が全て255の場合の目標白Wt (255)を実現するためのRGBW信号値を算出する(ステップS6)。RGB入力信号値が全て255の場合の目標白Wt (255)を実現するためのRGBW信号値を(RW ,GW ,BW ,WW )とする。上記ステップS3で算出された、目標白の輝度および色度を実現するためのRGB輝度値をLWR1 ,LWG1 ,LWB1 、上記ステップS4で算出された、目標白の輝度および色度を実現するためのRGBW輝度値をLWR2 ,LWG2 ,LWB2 ,LW2とすると、RGB入力信号値が全て255の場合の目標白を実現するためのRGBW信号値は、次式(3)に基づいて算出される。
【0030】
W =255×LWR2 /LWR1
W =255×LWG2 /LWG1
W =255×LWB2 /LWB1
W =255 …(3)
【0031】
図5は、Yeのリファレンス調整処理手順を示している。
【0032】
有機ELディスプレイ25のYeの色度を測定する(ステップS11)。つまり、有機ELディスプレイ24のYe表示用の単位画素のみを発光させて、その色度を光学測定器によって測定する。測定されたYeの色度座標を、(xye,yye)とする。図6に、RGBの色度座標、目標の白Wt の色度座標およびYeの色度座標を示す。
【0033】
次に、RGBによるYe調整時のRGBの輝度比を算出する(ステップS12)。つまり、RGBの3色によって、Yeの色度(xye,yye)を表現する際のRGBの輝度比LyeR ,LyeG ,LyeB を算出する。この輝度比LyeR ,LyeG ,LyeB は、次式(4)から求められる。
【0034】
【数3】

【0035】
ただし、zR =1−xR −yR 、zG =1−xG −yG 、zB =1−xB −yB 、zye=1−xye−yyeである。
【0036】
次に、図3のステップS3で求められたRGBによるホワイトバランス(WB)調整時のRGBの輝度値LWR1 ,LWG1 ,LWB1 と、上記ステップS12で求められたRGBによるYe調整時のRGBの輝度比LyeR ,LyeG ,LyeB とに基づいて、Yeの色度および最大輝度を表現するときのRGB輝度を算出するとともに、Yeの色度および最大輝度を実現するためのRGBの信号値(Ye(255)を実現するためのRGB信号値)を求める(ステップS13)。
【0037】
つまり、目標白(Wt )を表現するときに決定したRGBの輝度範囲内において、Ye(255)を表現するためのRGB輝度LyeR ’,LyeG ’,LyeB ’を算出する。
【0038】
WR1 /LyeR 、LWG1 /LyeG およびLWB1 /LyeB を算出し、そのうちの最小値をLyeR ,LyeG ,LyeB に乗算することによって、Ye(255)を表現するためのRGB輝度LyeR ’,LyeG ’,LyeB ’が得られる。
【0039】
例えば、ホワイトバランス(WB)調整時のRGBの輝度LWR1 ,LWG1 ,LWB1 が30[cd]:60[cd]: 10[cd]であり、Ye調整時のRGBの輝度比LyeR ,LyeG ,LyeB が0.25:0.6:0.05であるとすると、LWR1 /LyeR =120、LWG1 /LyeG =100、LWB1 /LyeB =200となる。最小値は100であるので、LyeR ,LyeG ,LyeB それぞれに100を乗算すると、Ye(255)を表現するためのRGB輝度LyeR ’,LyeG ’,LyeB ’は25[cd]、60[cd]、5[cd]となる。
【0040】
Ye(255)を表現するためのRGB輝度を(LyeR ’,LyeG ’,LyeB ’)とし、ホワイトバランス(WB)調整時のRGBの輝度値を(LWR1 ,LWG1 ,LWB1 )とすると、Ye(255)を実現するためのRGBの信号値(Rye,Gye,Bye)は、Rye=255×LyeR ’/LWR1 ,Gye=255×LyeG ’/LWG1 ,Bye=255×LyeB ’/LWB1 となる。
【0041】
上記の例では、Rye=255×25/30=213、Gye=255×60/60=255、Bye=255×5/10=128となる。
【0042】
次に、上記ステップS13で求められたYe(255)を表現するためのRGB輝度値LyeR ’,LyeG ’,LyeB ’に基づいて、Yeの白側リファレンスを調整する(ステップS14)。Yeの白側リファレンス電圧(Ye=255に対応するD/A変換器24の出力電圧)は、Yeのみ表示したときに、その輝度が、Yeの色度および最大輝度を表現するためのRGB輝度の合計値(LyeR ’+LyeG ’+LyeB ’)となるように調整される。
【0043】
〔3〕RGB−RGBWYe信号変換回路22についての説明
図7は、RGB−RGBWYe信号変換回路22の機能的構成を示している。
【0044】
RGB−RGBWYe信号変換回路22は、逆ガンマ補正回路21によって得られたRGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW信号変換手段31と、RGB−RGBW信号変換手段31によって得られたRGBW信号のうちのRGB信号をRGBYe信号に変換するRGB−RGBYe信号変換手段32とを備えている。
【0045】
〔4〕RGB−RGBW信号変換手段31についての説明
〔4−1〕RGB−RGBW信号変換の基本的な考え方についての説明
以下の説明においては、逆ガンマ補正回路21によって得られたRGB信号(ガンマ補正がかけられていないRGB信号)をRGB入力信号ということにする。
【0046】
この例では、RGB入力信号値は、8ビットで表され、図8に示すように、R=200,G=170,B=100であるとする。RGB入力信号値の最小値は100であるので、RGB入力信号値を、図9に示すように、それらの最小値(min(RGB))と、図10に示すように、残りの値(入力信号−min(RGB))とに分解する。図9の場合、RGB入力信号値が全て100の場合の目標の白Wt (100)と等価となっている。
【0047】
RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値が図11に示すような信号値(77,0,204,255)であるとすると、RGB入力信号値が全て100の場合の目標の白Wt (100)を実現するためのRGBWの信号値は図12に示すようになる。図11に示すような信号値については、図3の上記ステップS6によって求められている。
【0048】
図12のR,G,B,Wは、次式(5)によって求められる。
【0049】
R=77×100/255=30
G=0×100/255=0
B=204×100/255=80
W=255×100/255=100 …(5)
【0050】
そこで、図9のRGB値を、図12のRGBW値と置き換える。したがって、図8に示すRGB値は、図10のRGB値と図12のRGBW値とを加算することにより、図13に示すRGBW値に変換される。
【0051】
図13のR,G,B,Wは、次式(6)によって求められる。
【0052】
R=100+30=30
G=70+0=70
B=0+80=80
W=0+100=100 …(6)
【0053】
〔4−2〕RGB−RGBW信号変換処理についての説明
【0054】
図14は、RGB入力信号をRGBW信号に変換するための信号変換処理の手順を示している。
【0055】
まず、RGB入力信号中の最小値(min(RGB))を決定する(ステップS21)。RGB入力信号が図8に示すような信号値である場合には、min(RGB)=100となる。
【0056】
次に、各RGB入力信号からmin(RGB)を減算する(ステップS22)。図8の例では、図10に示すように、RGBに対する減算結果は、それぞれ100,70,0となる。
【0057】
次に、min(RGB)を、RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値を用いて、RGBW信号に変換する(ステップS23)。目標白Wt (255)を実現するためのRGBW信号値が、図11で示すような信号値であるとすると、図8の例では、min(RGB)に対応するRGBW信号の信号値は図12に示すようなる。
【0058】
次に、上記ステップS22で算出した減算値{RGB−min(RGB)}に上記ステップS23で求められたRGBW信号の信号値を加算することにより、RGB入力信号に対応するRGBW信号を算出する(ステップS24)。図8の例では、RGB入力信号に対応するRGBW信号は図13に示すようになる。
【0059】
RGB−RGBW変換手段31によって得られたRGBW信号のうち、RGB信号はRGB−RGBYe信号変換手段32に送られる。RGB−RGBW変換手段31によって得られたRGBW信号のうち、W信号は、RGB−RGBWYe変換回路22のW出力信号となる。
【0060】
〔5〕RGB−RGBYe信号変換手段32についての説明
図15は、RGB−RGBYe信号変換手段32によるRGB−RGBYe信号変換処理手順を示している。
【0061】
ここでは、RGB−RGBYe信号変換手段32に入力されるRGB信号をRGB入力信号と呼ぶことにする。
【0062】
まず、RGB入力信号の中に信号値が0のものが存在するか否かを判別する(ステップS51)。RGB入力信号の中に信号値が0のものが存在する場合には、RGB入力信号値をRGBの出力信号値とするとともに、Yeの出力信号値を0とする(ステップS52)。
【0063】
RGB入力信号の中に信号値が0のものが存在しない場合には、RGB入力信号のうちからYe信号に変換され得るRGB信号成分であって、RGB入力信号からYe信号に変換されるRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する(ステップS53)。
【0064】
Yeの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値をRye,Gye,Byeとすると、Ye信号に変換されるRGB信号成分は、α(Rye,Gye,Bye)で表される。Yeの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値は、図5のステップS13で求められている。したがって、まず、RGB入力信号からα(Rye,Gye,Bye)を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなαを求める。具体的には、RGB入力信号をR、G、Bで表すと、R/Rye、G/Gye、B/Byeを算出し、その最小値をαとする。そして、α(Rye,Gye,Bye)を算出する。
【0065】
例えば、RGB−RGBW変換手段31によって得られたRGBW信号が図13である場合を想定する。この場合、RGB入力信号はR=130、G=70、B=80となる。Yeの色度および最大輝度を実現するためのRGBの最大信号値(Rye,Gye,Bye)がRye=213、Gye=255、Bye=128とすると、RGB入力信号はR=130、G=70、B=80であるので、R/Rye=130/213=0.61、G/Gye=70/255=0.27、B/Bye=80/128=0.63であるので、その最小値は0.27となる。そこで、α=0.27とすると、αRye=58、αGye=70、αBye=35となる。つまり、Ye信号に変換されるRGB信号成分α(Rye,Gye,Bye)は、図16に示すようになる。
【0066】
次に、RGB入力信号から、Ye信号に変換されるRGB信号成分α(Rye,Gye,Bye)を減算する(ステップS54)。
【0067】
上記の例では、Rの減算結果は72(=130−58)、Gの減算結果は0(=70−70)、Bの減算結果は45(=80−35)となる。
【0068】
そして、上記ステップS54で算出されたRGBそれぞれの減算結果をRGB出力信号値とする(ステップS55)。
【0069】
また、255×αをYe出力信号値とする(ステップS56)。上記の例では、Ye信号は、70(=0.27×255)となる。つまり、上記の例では、RGBYe出力信号は、図17に示すようになる。
【0070】
したがって、最終的なRGBWYe出力信号は、図18に示すようになる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】1画素がR,G,B,W,Yeの5つの単位で構成されている例を示す模式図である。
【図3】RGBWの白側リファレンス調整処理手順を示すフローチャートである。
【図4】RGBの色度座標および目標の白Wt の色度座標を示す模式図である。
【図5】Yeのリファレンス調整処理手順を示すフローチャートである。
【図6】RGBの色度座標、目標の白Wt の色度座標およびYeの色度座標を示す模式図である。
【図7】RGB−RGBWYe変換回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】RGB入力信号の一例を示す模式図である。
【図9】min(RGB)を示す模式図である。
【図10】入力信号−min(RGB)を示す模式図である。
【図11】Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値を示す模式図である。
【図12】Wt (100)を実現するためのRGBWの信号値を示す模式図である。
【図13】図9のRGB値と図12のRGBW値とを加算することにより、求められたRGBW値を示す模式図である。
【図14】RGB入力信号をRGBW信号に変換するための信号変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】RGB−RGBYe信号変換手段32によるRGB−RGBYe信号変換処理手順を示すフローチャートである。
【図16】RGB入力信号が図13に示すような信号である場合に、Ye信号に変換されるRGB信号成分α(Rye,Gye,Bye)を示す模式図である。
【図17】RGB入力信号が図13に示すような信号である場合に、RGB−RGBYe信号変換手段32によって得られるRGBYe信号を示す模式図である。
【図18】RGB−RGBWYe変換回路22へのRGB入力信号が、図8に示すような信号である場合に、RGB−RGBWYe変換回路22によって得られるRGBWYe信号を示す模式図である。
【符号の説明】
【0072】
21 逆ガンマ補正回路
22 RGB−RGBWYe信号変換回路
23 ガンマ補正回路
24 D/A変換回路
25 有機ELディスプレイ
31 RGB−RGBW信号変換手段
32 RGB−RGBYe信号変換手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
XをRGBW以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されており、RGBX単位画素には色フィルタが設けられ、W単位画素には色フィルタが設けられていない自発光型ディスプレイの信号処理回路であって、RGB入力信号が全て同じ値であるときに、RGBのみによって目標の白を実現できるようにRGBの白側リファレンス輝度が設定されているとともに、RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値と、RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値とが設定されている自発光型ディスプレイの信号処理回路において、
RGB入力信号をRGBWX信号に変換するRGB−RGBWX信号変換手段を備えており、
RGB−RGBWX信号変換手段は、
RGB入力信号のうちの最小値を、RGBの各入力信号から減算する第1手段、
RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値に基づいて、RGB入力信号の全てが上記最小値である場合に対応するRGBW信号を算出する第2手段、
上記第2手段によって算出されたRGBW信号に対して、第1手段によって算出されたRGB毎の減算結果を対応する信号に加算することにより、第1のR信号、第1のG信号、第1のB信号およびW信号を求める第3手段、
RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値に基づいて、第3手段によって得られた第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号のうちからX信号に変換され得るRGB信号成分であって、第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号からX信号に変換され得るRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する第4手段、
第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号から第1手段によって算出されたRGB信号成分を減算することにより、第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号を算出する第5手段、
第4手段によって算出されたRGB信号成分に相当するX信号を算出する第6手段、ならびに
第3手段によって得られたW信号、第5手段によって得られた第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号ならびに第6手段によって得られたX信号を、上記RGB入力信号に対応するRGBWX信号として出力する第7手段、
を備えていることを特徴とする自発光型ディスプレイの信号処理回路。
【請求項2】
XをRGBW以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されており、RGBX単位画素には色フィルタが設けられ、W単位画素には色フィルタが設けられていない自発光型ディスプレイの信号処理回路において、
予めガンマ補正がかけられているRGB入力信号に対して逆ガンマ補正を行うことにより、RGB入力信号をガンマ補正前のRGB信号に変換する逆ガンマ補正手段、逆ガンマ補正手段によって得られたRGB信号をRGB入力信号とし、RGB入力信号をRGBWX信号に変換するRGB−RGBWX信号変換手段、およびRGB−RGBWX信号変換手段によって得られたRGBWX信号に対して、自発光型ディスプレイに対応したガンマ補正を行うガンマ補正手段を備えており、
逆ガンマ補正手段によって得られたRGB信号が全て同じ値であるときに、RGBのみによって目標の白を実現できるようにRGBの白側リファレンス輝度が設定されているとともに、逆ガンマ補正手段によって得られたRGB信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値と、逆ガンマ補正手段によって得られたRGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値とが設定されており、
RGB−RGBWX信号変換手段は、
RGB入力信号のうちの最小値を、RGBの各入力信号から減算する第1手段、
RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値に基づいて、RGB入力信号の全てが上記最小値である場合に対応するRGBW信号を算出する第2手段、
上記第2手段によって算出されたRGBW信号に対して、第1手段によって算出されたRGB毎の減算結果を対応する信号に加算することにより、第1のR信号、第1のG信号、第1のB信号およびW信号を求める第3手段、
RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値に基づいて、第3手段によって得られた第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号のうちからX信号に変換され得るRGB信号成分であって、第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号からX信号に変換され得るRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する第4手段、
第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号から第1手段によって算出されたRGB信号成分を減算することにより、第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号を算出する第5手段、
第4手段によって算出されたRGB信号成分に相当するX信号を算出する第6手段、ならびに
第3手段によって得られたW信号、第5手段によって得られた第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号ならびに第6手段によって得られたX信号を、上記RGB入力信号に対応するRGBWX信号として出力する第7手段、
を備えていることを特徴とする自発光型ディスプレイの信号処理回路。
【請求項3】
XをRGBW以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されており、RGBX単位画素には色フィルタが設けられ、W単位画素には色フィルタが設けられていない自発光型ディスプレイの信号処理方法であって、RGB入力信号が全て同じ値であるときに、RGBのみによって目標の白を実現できるようにRGBの白側リファレンス輝度が設定されているとともに、RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値と、RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値とが設定されている自発光型ディスプレイの信号処理方法において、
RGB入力信号をRGBWX信号に変換するRGB−RGBWX信号変換ステップを備えており、
RGB−RGBWX信号変換ステップは、
RGB入力信号のうちの最小値を、RGBの各入力信号から減算する第1ステップ、
RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値に基づいて、RGB入力信号の全てが上記最小値である場合に対応するRGBW信号を算出する第2ステップ、
上記第2ステップによって算出されたRGBW信号に対して、第1ステップによって算出されたRGB毎の減算結果を対応する信号に加算することにより、第1のR信号、第1のG信号、第1のB信号およびW信号を求める第3ステップ、
RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値に基づいて、第3ステップによって得られた第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号のうちからX信号に変換され得るRGB信号成分であって、第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号からX信号に変換され得るRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する第4ステップ、 第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号から第1ステップによって算出されたRGB信号成分を減算することにより、第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号を算出する第5ステップ、
第4ステップによって算出されたRGB信号成分に相当するX信号を算出する第6ステップ、ならびに
第3ステップによって得られたW信号、第5ステップによって得られた第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号ならびに第6ステップによって得られたX信号を、上記RGB入力信号に対応するRGBWX信号として出力する第7ステップ、
を備えていることを特徴とする自発光型ディスプレイの信号処理方法。
【請求項4】
XをRGBW以外の任意の色として、1画素がRGBWXの5つの単位画素から構成されており、RGBX単位画素には色フィルタが設けられ、W単位画素には色フィルタが設けられていない自発光型ディスプレイの信号処理方法において、
予めガンマ補正がかけられているRGB入力信号に対して逆ガンマ補正を行うことにより、RGB入力信号をガンマ補正前のRGB信号に変換する逆ガンマ補正ステップ、逆ガンマ補正ステップによって得られたRGB信号をRGB入力信号とし、RGB入力信号をRGBWX信号に変換するRGB−RGBWX信号変換ステップ、およびRGB−RGBWX信号変換ステップによって得られたRGBWX信号に対して、自発光型ディスプレイに対応したガンマ補正を行うガンマ補正ステップを備えており、
逆ガンマ補正ステップによって得られたRGB信号が全て同じ値であるときに、RGBのみによって目標の白を実現できるようにRGBの白側リファレンス輝度が設定されているとともに、逆ガンマ補正ステップによって得られたRGB信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値と、逆ガンマ補正ステップによって得られたRGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値とが設定されており、
RGB−RGBWX信号変換ステップは、
RGB入力信号のうちの最小値を、RGBの各入力信号から減算する第1ステップ、
RGB入力信号の全てが最大値であるときに目標の白を実現するためのRGBW信号値に基づいて、RGB入力信号の全てが上記最小値である場合に対応するRGBW信号を算出する第2ステップ、
上記第2ステップによって算出されたRGBW信号に対して、第1ステップによって算出されたRGB毎の減算結果を対応する信号に加算することにより、第1のR信号、第1のG信号、第1のB信号およびW信号を求める第3ステップ、
RGB信号によってXの色度および最大輝度を実現するためのRGB信号値に基づいて、第3ステップによって得られた第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号のうちからX信号に変換され得るRGB信号成分であって、第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号からX信号に変換され得るRGB信号成分を減算した場合に、RGBの減算結果のうちの少なくとも1つが0となるようなRGB信号成分を算出する第4ステップ、 第1のR信号、第1のG信号および第1のB信号から第1ステップによって算出されたRGB信号成分を減算することにより、第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号を算出する第5ステップ、
第4ステップによって算出されたRGB信号成分に相当するX信号を算出する第6ステップ、ならびに
第3ステップによって得られたW信号、第5ステップによって得られた第2のR信号、第2のG信号および第2のB信号ならびに第6ステップによって得られたX信号を、上記RGB入力信号に対応するRGBWX信号として出力する第7ステップ、
を備えていることを特徴とする自発光型ディスプレイの信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−163069(P2006−163069A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355693(P2004−355693)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】