説明

自走式明色塗装施工機

【課題】 塗料に骨材を混ぜて滑り止め効果を成す工法は、課題[0004]のように工事現場で骨材混入塗料を作る手間、ローラー刷毛等で手塗りする作業であることから、塗布面に斑があり施工品質が悪い。
【解決手段】 1回目の塗料塗布面に骨材を散布し、続いて2回目の塗料を塗布する作業を機械施工する事により均一で斑の無い、施工品質の高い工事が出来る事と、材料の無駄を省き工事時間も短縮される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアレスポンプによる1回目の明色塗料塗布直後に骨材を散布し、その後を2回目の明色塗料を塗布することで、滑りにくい明色塗装帯を施工する自走式明色塗装施工機である。
【背景技術】
【0002】
従来の工事方法は作業現場において、明色塗料材容器の中に骨材を入れ、撹拌機で撹拌した骨材入りの塗料材を、ノズル噴射による塗布が不可能なことから、ローラー刷毛等で手塗りしているのが現状であり、施工時間もかかり余分な機材も必要なほか塗布面にむらがあり施工品質が悪い。
【0003】
上記の作業をこの自走式明色塗装施工機で塗布巾も広く均一に施工することで、工事時間の短縮と施工品質を高めることが出来る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
明色塗料に骨材を混入し撹拌する作業があり、撹拌機等余分な機材を必要とすること、またローラー刷毛等による作業は時間がかかると共に材料も多く使うほか均一性に欠け、塗布面にむらが有り施工品質が良くない。
【問題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するため、エアレスポンプから導かれた明色塗料を前方ノズルで1回目の塗布をし、続いて後輪軸に駆動された骨材散布器から骨材を散布し、その後を2回目の明色塗料を後方ノズルで塗布することで、1回目の塗布面に付着した骨材を塗料内に閉じ込め路面に固定し、均一で滑り抑制効果のある明色塗装が施工できる。
塗布帯を広くするために施工位置を後車輪軸上に合わせ右前車輪の後方、後車輪の際まで広げることでこれを可能にし、また右前車輪を後方機体中央部までずらす事で回転半径を小さくすると共に、骨材散布器右側突き出し部の荷重を受けて施工機本体を安定させた。
そのほか施工機を走行させポンプを駆動する為のエンジンと、方向を変える機構と、差動歯車内蔵ギアを備えた、前輪駆動の自走式明色塗装機。
【発明の効果】
【0006】
自走式明色塗装施工機を使用することで[0003]の通り、1時に巾広く均一に施工することで[0004]の作業時間と施工品質問題を解決し材料の無駄をはぶきコスト削減に寄与することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0007】
本実施例の明色塗装施工機は、塗布材容器3から流入しエアレスポンプ5より導かれた明色塗料を1回目の塗布をする前方ノズル9と、続いて後車輪軸に駆動され骨材容器から流入した骨材を散布する骨材散布器6と、その後を2回目の明色塗料を塗布する後方ノズル7があり、1回目の塗布面上に付着した骨材の上に2回目の明色塗料を塗布することで骨材を塗料内に閉じ込め路面に固定することで塗面の滑りが抑制された明色塗装工事を施工することが出来る。塗布帯巾を広くする為に、右前車輪11後方、後車輪10の際まで広げる事でこれを可能にし、又右前車輪を後方中央部にずらす事で回転半径を小さくする事と共に骨材散布器右側突き出し部の荷重を受け、施工機本体を安定させることが出来る。
施工機本体を走行させる事とポンプを駆動する為のエンジン2が搭載されており、また施工機の方向回転をスムーズにするためタイロット17とナックルアーム16を用い内外輪切れ角度差を調整するいわゆるアッカーマン・ジャントウ式機構を取り入れ、内外輪回転差の調整の為の差動歯車内蔵ギア20を考案し備え、伸縮駆動軸19と角度の生じる前車輪軸とを自在継手18で連結したものである。
【0008】
本施工機の特徴は、A.左右前輪軸をずらした事、B.前輪で方向回転をする事、C、ノズル塗布位置を後車輪軸に合わせた事、D.塗料塗布後骨材散布をし又塗料塗布と連続している事、E.差動歯車内蔵ギアを採用した事。
【0009】
従来左右の前車輪軸は通常同一線上に在るのが普通であるが、本施工機は右前車輪11を大きく後ろへさげることで回転半径を小さくし、また骨材散布機6の突き出し部荷重を支えることが出来、施工機本体を安定させた。
【0010】
施工機本体を前輪で方向回転させる為に一般的に自動車に使われているアッカーマン・ジャントウ式機構を採用し、方向回転を無理なく出来るようにした。
【0011】
通常前輪軸上、右車輪の外側にノズル塗布位置を合わせる為、施工巾は45cmが限度だったのを右前車輪後方、後車輪軸に合わせる事で塗布巾を1.0m前後まで施工可能にした。
【0012】
これまで現場で塗布材に骨材を混ぜ、これをローラー刷毛等で手塗りしていたものを本発明施工機は1回目の塗料塗布後骨材を散布し、続いて2回目の塗料を塗布することにより塗布面上で骨材を混ぜる効果が出来た。
【0013】
駆動ギアに差動歯車を内蔵させる事を考案し、これを備え方向回転時における内外輪回転格差問題を解決した。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 本発明施工機の側面図
【図2】 図1の上部に配置した主要機器の平面上部図
【図3】 図1の下部に配置した主要機器の平面下部図
【符号の説明】
【0015】
1. 骨材容器
2. エンジン
3. 塗布材容器
4. 塗布材予備容器
5. エアレスポンプ
6. 骨材散布器
7. 後方ノズル
8. 骨材散布ローター
9. 前方ノズル
10.後車輪
11.右前車輪
12.左前車輪
13.骨材出口
14.骨材流入口
15.クラッチ
16.ナックルアーム
17.タイロット
18.自在継手
19.伸縮駆動軸
20.差動歯車内臓ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアレスポンプから導かれた明色塗料を前方ノズルで1回目の塗布をし、続いて後車輪軸に駆動された骨材散布器から骨材を散布し、その後を2回目の明色塗料を後方ノズルで塗布することで、滑り抑制効果のある明色塗装を施工する。
塗布帯巾を広くする為に、施工位置を後車輪軸上に合わせ右前車輪の後方、後車輪の際まで施工巾を広げたほか、右前車輪を後方機体中央部までずらす事で回転半径を小さくし、施工機本体を安定させた。
また施工機の走行と、ポンプを駆動する為のエンジンと、方向を変える機構と、差動歯車内蔵ギアを備えた前輪駆動の自走式明色塗装施工機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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