説明

自転車の灯火システム

【課題】車輪にかかる負荷が小さくペダルが軽くなって快適に走行でき、電池交換の煩わしさがない自転車の灯火システムを提供する。
【解決手段】セラミック圧電素子を内蔵し平歯車6を取り付けた1台の発電装置5と、灯火器具1の内部には高圧変圧器と冷陰極放電管が固定されていて、取り付け板7と一体成型された車輪平歯車と、取り付け金具と発電装置引き離しスイッチ2とで構成されていて、車輪に固定した車輪平歯車が発電装置5に取り付けられた平歯車6を介して発電装置5の内部のカムを回転させ、セラミック圧電素子に作用して電圧を発生させて高圧変圧器の一次巻き線に印加し、二次巻き線に変換された高電圧を冷陰極放電管に印加して、自転車の走行スピードに関係なく一定の強さの輝度で間欠発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自転車の灯火システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電機のプーリーをタイヤに間欠接触するようにして、ペダルの負荷を低減しライトを点滅させるもの(例えば特許文献1)や、太陽電池と蓄電池とキセノン管を組み合わせた灯火装置(例えば特許文献2)や、走行時の風力でプロペラを回転させて発電機を回し、LEDを点灯させるもの(例えば特許文献3)や、タイヤに複数の永久磁石を装着し、フレームに発電コイルを取り付けたもの(例えば特許文献4)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公2001−260966
【特許文献2】特公平09−142350
【特許文献3】特公2006−341639
【特許文献4】実公平05−055774
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の自転車に備わっている灯火装置は、ほとんどが交流発電機と豆電球を使用したもので、自転車の車輪と発電機の回転比が大きく、また発電機のプーリーをタイヤに強く押し付けるために車輪にかかる負荷が大きく、ペダルが重くなって快適に走行することが難しかった。また電池を使用した場合には経済的負担が増えるのと電池交換の煩わしさがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係わる自転車の灯火システムは、1台の発電装置と1個の灯火器具と1個の車輪平歯車と、1枚の取り付け金具と1個の発電装置引き離しスイッチで構成されていて、自転車の車輪に固定した車輪平歯車が発電装置に取り付けられた平歯車を介してカムを回転させ、セラミック圧電素子に作用して電圧を発生させて高圧変圧器に印加し、変換された高電圧を冷陰極放電管に印加して間欠発光させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により構造が簡単で製造コストが安く、既存の自転車にも取り付け可能で、運転中でも容易に発電機の接続または引き離しが出来て、車輪平歯車を自転車の車輪の軸近くに取り付けることにより、大きな回転トルクを得て車輪の負荷を軽減し、走行を快適にする灯火システムを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態の実装外観図である。
【図2】同灯火器具の内部の拡大外観図である。
【図3】同発電装置の内部の拡大外観図である。
【図4】同発電装置A−A拡大断面図である。
【図5】同取り付け板の拡大外観図である。
【図6】同取り付け板の裏面の拡大外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
本発明の自転車の灯火システムは、内部に巻き数が異なる一次巻き線と二次巻き線を有する1個の高圧変圧器50と、1本の冷陰極放電管51が固定されている灯火器具1と、プラスチック素材の筐体で覆われた発電装置5の内部には、1個のセラミック圧電素子100が固定されていて、筐体を貫通して回転自在に取り付けるシャフト101には、筐体の外側に1個の平歯車6と内側に1個のカム102が固定されている。平歯車6に回転を伝える車輪平歯車200を一体成型した取り付け板7と、発電装置引き離しスイッチ2とで構成されている。
【0009】
発電装置引き離しスイッチ2は、自転車のハンドルの左右どちらかに固定して取り付けられ、自由に曲げられて伸縮のしない1本のワイヤー3が、発電装置引き離しスイッチ2と発電装置5の筐体の一端に固定されている。
【0010】
セラミック圧電素子100の正電極と高圧変圧器50の一次巻き線は1本の電線4で接続されていて、セラミック圧電素子100の負電極は車体フレーム(金属製)に接続して(図示せず)共用される。
【0011】
取り付け板7はプラスチック素材で一体成型された車輪平歯車200と、螺子頭が取り付け板7と同一面になるように同じく一体成型された複数個の固定螺子孔201と、同数のナット300は根元部分が折り曲げ可能な形状に一体成型されている。
【0012】
発電装置5の筐体が取り付け金具103に沿って摺動可能に組み込まれていて、取り付け金具103には、シャフト101が貫通して且つ接触しないように楕円形の穴が開けられていて(図示せず)車輪の軸と一緒に自転車のフレームに固定されている。
【0013】
次に作用について説明する。
発電時は車輪平歯車200と平歯車6が噛み合い、カム102が回転するとセラミック圧電素子100を圧したり離れたりすることで電圧を発生させる。この電圧を高圧変圧器50の一次巻き線に印加して二次巻き線に変換された高電圧を発生させる。変換された高電圧を冷陰極放電管51に印加して、自転車の走行スピードに関係なく一定の強さの輝度で間欠発光させる。
【0014】
発電装置5の筐体の外側の底部分には、取り付け金具103を挿入する溝が両側に掘り込まれていて、発電装置5全体が取り付け金具103に沿って摺動可能で、発電装置引き離しスイッチ2のレバーを左右に動かすことにより、車輪平歯車200と平歯車6を噛み合わせ、または引き離すことができる。
【0015】
取り付け板7を車輪に取り付けるには、取り付け板7の中心を車輪の中心に合わせて固定螺子孔201と、ナット300の根元の間に車輪のスポークが入るようにしてナット300を根元から折り曲げ、車輪のスポークを挟むようにしてタッピング螺子で固定する。
【0016】
取り付け板7を車輪の軸近くに取り付けることにより、大きな回転トルクを利用して発電装置5を作動させ、車輪にかかる負荷を軽減してペダルの動作を軽くし快適に走行することができる。
【符号の説明】
【0017】
1 灯火器具
2 発電装置引き離しスイッチ
3 ワイヤー
4 電線
5 発電装置
6 平歯車
7 取り付け板
50 高圧変圧器
51 冷陰極放電管
100 セラミック圧電素子
101 シャフト
102 カム
103 取り付け金具
200 車輪平歯車
201 固定螺子孔
300 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック素材の筐体で覆われた発電装置の内部には、1個のセラミック圧電素子が固定されていて、筐体を貫通して回転自在に取り付けるシャフトには、筐体の外側に1個の平歯車と内側に1個のカムが固定されていて、前記セラミック圧電素子で発電される電圧を1個の灯火器具に給電し、平歯車に車輪の回転を伝える取り付け板と一体成型された車輪平歯車は、車輪の軸近くに固定されていて平歯車と車輪平歯車を噛み合わせ、または引き離しの動作を自転車のハンドルに取り付けた発電装置引き離しスイッチのレバーで、容易になし得ることを特徴とする自転車の灯火システム。
【請求項2】
前記灯火器具の内部には、巻き数が異なる一次巻き線と二次巻き線を有する1個の高圧変圧器と、1本の冷陰極放電管が固定されていて、自転車の走行スピードに関係なく一定の強さの輝度で間欠発光させることを特徴とする請求項1に記載の自転車の灯火システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−86821(P2012−86821A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247878(P2010−247878)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【特許番号】特許第4746151号(P4746151)
【特許公報発行日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(509098663)
【Fターム(参考)】