臭化チオトロピウムの新規な形態およびそれを製造する方法
本発明は、臭化チオトロピウムの新規な結晶質形態、それらを製造する方法、および医薬処方物におけるそれらの使用に関する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
臭化チオトロピウムは、ムスカリンレセプターに対する特異性を有する抗コリン作動性物質である。したがって、それは喘息または慢性閉塞性肺疾患 (「COPD」) の治療において治療的利益を提供する。
【0002】
臭化チオトロピウムの化学名は、(1α,2β,4β,5α,7β)-7-[(ヒドロキシジ-2-チエニルアセチル)オキシ]-9,9-ジメチル-3-オキサ-9-アゾニアトリシクロ[3.3.1.0]ノナンブロミドまたは6β,7β-エポキシ-3β-ヒドロキシ-8-メチル-1αH,5αH-トロパニウムブロミド、ジ-2-チエニルグリコレートであり、そして下記の構造を有する:
【0003】
【化1】
【0004】
臭化チオトロピウムはSPIRIVA(商標) HandiHaler(商標) (入手先: Boehringer Ingelheim) として商業的に入手可能であり、一水和物の形態で提供される。
アセトンおよびメタノールからの臭化チオトロピウムの製造および結晶化は米国特許第5,610,163号に開示されており、融点217〜218℃を有する生成物が得られる。
【0005】
臭化チオトロピウムの結晶質形態は、また、種々の刊行物、例えば、下記の文献に報告されてきている: 米国特許第6,777,423号、これには結晶質臭化チオトロピウム一水和物が記載されている、米国特許第6,608,055号、これには臭化チオトロピウム無水物の結晶質形態が記載されている、WO 2005/042527、これには無水臭化チオトロピウムの他の結晶質形態が記載されている、および公開No. IPCOM000143595D、これには臭化チオトロピウムの結晶質ジクロロメタン溶媒和物が記載されている。
【0006】
異なる結晶質形態 (多形体) の存在は、いくつかの分子および分子複合体の特性である。上記式の臭化チオトロピウムのような単一分子は、融点、X線回折パターン、赤外吸収フィンガープリントおよびNMRスペクトルのような明確な物理的性質を有する種々の固体を発生することがある。多形体の物理的性質の差は、塊状固体中の隣接する分子 (複合体) の向きおよび分子間相互作用から生ずる。したがって、多形体は同一分子式を共有する明確な固体であり、しかも多形体は多形体ファミリーにおける他の形態に比較して明確な利点および/または欠点を有する。薬学的多形体の最も重要な物理的性質の1つは、水溶液中のそれらの溶解性である。
【0007】
薬物の新しい結晶質多形体の形態は、標的とする放出プロファイルおよび/または他の必要な特性を有する薬物の薬学的投与形態を設計するために配合科学者が利用できる物質のレパートリーを拡大する。したがって、臭化チオトロピウムの追加の結晶質形態を発見することが必要とされている。
同様な利点は、他の多形体に導き、なお他の多形体を生成するよりすぐれた方法を提供するか、あるいは加工の利点を提供する、新しい溶媒和物から得ることができる。
【発明の開示】
【0008】
発明の要約:
1つの態様において、本発明は、約8.7、15.3、15.5および25.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態(形態1と表示する)を提供する。
【0009】
他の態様において、本発明は、約1/3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、臭化チオトロピウムの形態1を製造する方法を提供する。
なお他の態様において、本発明は、約23.1、23.6、24.1、30.1および30.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態2と表示する) を提供する。
【0010】
1つの態様において、本発明は、約1/1〜約3/1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンから構成された混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、臭化チオトロピウムの形態2を製造する方法を提供する。
他の態様において、本発明は、約27.7、27.8、30.3および30.5 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を提供する。この形態を形態Xと表示することができる。
【0011】
なお他の態様において、本発明は、酢酸、メタノールおよびヘプタンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、臭化チオトロピウムの形態Xを製造する方法を提供する。
1つの態様において、本発明は、約8.8、9.0、11.7および17.7 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムのから結晶質形態 (形態7と表示する) を提供する。
【0012】
他の態様において、本発明は、酢酸およびアセトニトリルを含んでなる溶媒混合物と、ジイソプロピルエーテルを含んでなる抗溶媒とを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、臭化チオトロピウムの形態7を製造する方法を提供する。
【0013】
なお他の態様において、本発明は、約16.2、16.5、28.0および28.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態8と表示する) を提供する。
1つの態様において、本発明は、臭化チオトロピウムのn-プロパノール溶媒和物を提供する。
【0014】
他の態様において、本発明は、図10に描写する計算した粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態9と表示する) を提供する。
【0015】
他の態様において、本発明は、下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、ヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態9と表示する) を提供する: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.4245、12.0419、13.6027 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.818、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。前記ヘミ-n-プロパノール溶媒和物の形態は、また、図15に描写する計算粉末X線回折により実質的に同定できる。
【0016】
なお他の態様において、本発明は、等温条件下に臭化チオトロピウムをn-プロパノールから結晶化することによる、臭化チオトロピウムの形態9を製造する方法を提供する。
1つの態様において、本発明は、約20.2、26.5、28.0および31.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態11と表示する) を提供する。
【0017】
他の態様において、本発明は、約20.9、21.1、21.4および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物 (形態12と表示する) を提供する。
なお他の態様において、本発明は、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして約55℃〜約25℃の温度に冷却して懸濁液を形成することによって、臭化チオトロピウムの形態12を製造する方法を提供する。
【0018】
他の態様において、本発明は、非晶質臭化チオトロピウムを提供する。
他の態様において、本発明は、水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を凍結乾燥することを含んでなる、臭化チオトロピウムの非晶質形態を製造する方法を提供する。
【0019】
なお他の態様において、本発明は、水中の臭化チオトロピウムの混合物を形成することを含んでなる、約8.9、11.9、13.5、14.8、16.7、17.5、20.3、23.6、24.1および26.9 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの一水和物形態を製造する方法を提供する。
なお他の態様において、本発明は、臭化チオトロピウムの微小化形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質と表示する) を提供する。
【0020】
1つの態様において、本発明は、それぞれ約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態(形態3と表示する)を製造する方法を提供する。
【0021】
他の態様において、本発明は、エタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態(形態4と表示する)を製造する方法を提供する。
【0022】
なお他の態様において、本発明は、臭化チオトロピウムをイソプロパノールから結晶化させることを含んでなる、約9.86、10.97、13.28、15.28、18.04、19.80、20.71および21.26 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法を提供する。
【0023】
なお他の態様において、本発明は、臭化チオトロピウムをn-ブタノールから結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.88、13.28、15.27、16.39、17.96、19.67、20.71および21.30 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態10と表示する) を製造する方法を提供する。
【0024】
1つの態様において、本発明は、臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を提供する。
他の態様において、本発明は、臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0025】
なお他の態様において、本発明は、本発明の方法に従い製造された臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を提供する。
なお他の態様において、本発明は、本発明の方法に従い製造された臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0026】
1つの態様において、本発明は、微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を提供する。
他の態様において、本発明は、微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0027】
なお他の態様において、本発明は、本発明の方法に従い製造された微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を提供する。
なお他の態様において、本発明は、本発明の方法に従い製造された微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本明細書において使用するとき、用語 「温室」 は、約18℃〜約25℃、好ましくは約20℃〜約22℃の範囲の温度を意味する。
【0029】
米国特許第5,610,163号に開示されている結晶化法は、臭化チオトロピウムを結晶化させて同一結晶質形態を首尾一貫して得る方法を教示していない。それゆえ、本発明は、異なる結晶質および非晶質の臭化チオトロピウムを提供するばかりでなく、かつまたそれらを製造する方法を提供する。
【0030】
本明細書において使用するとき、用語 「溶媒和物」 は、水以外の溶媒を1%より高いレベルで含む結晶質物質を意味する。
【0031】
本発明は、また、約8.7、15.3、15.5および25.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折 (「PXRD」) パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム (形態1と表示する) を提供する。形態1は、約9.9、13.3、18.0、20.2および24.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態1は、また、図1に描写する粉末X線回折パターンより実質的に同定することができる。当業者は認識するように、形態1は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0032】
形態1は臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくはメタノラートであることができる。臭化チオトロピウムの結晶質形態1は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の存在する臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態1は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0033】
臭化チオトロピウムの前記形態1は、約1/3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
上記の結晶化法、ならびにこの出願に記載されている下記の結晶化法に使用する臭化チオトロピウムは、この分野において知られている方法により得ることができる。例えば、臭化チオトロピウムは米国特許第5,610,163号に開示されている方法により得ることができる。
【0034】
結晶化は、約1/3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてこの溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる方法により実施される。
臭化チオトロピウムの溶液は、約1/3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって調製する。好ましくは、約50℃〜約60℃の温度に加熱し、より好ましくは約57℃に加熱する。
【0035】
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、溶液を約-6℃〜約-14℃の温度、より好ましくは約-10℃に冷却する。最も好ましい態様において、溶液が約25℃〜約20℃の範囲の第1 温度、好ましくは約21℃の温度に冷却され、次いで約-6℃〜約-14℃の範囲の第2 温度に冷却されるように、冷却を徐々に実施する。好ましくは、徐々の冷却は約3時間にわたって実施する。約-10℃の温度へのそれ以上の冷却は約5分間にわたって実施することが好ましい。
【0036】
懸濁を少なくとも約3時間維持して、沈殿した結晶質形態の収率を増加させることが好ましい。
形態1を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過にし、次いで減圧下に少なくとも7時間乾燥することによって実施できる。
【0037】
さらに、本発明は、約23.1、23.6、24.1、30.1および30.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム (形態2と表示する) を提供する。さらに、形態2は、約9.9、11.0、13.4、15.3、18.1、19.9、21.4、24.7、25.2、26.0および27.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけることができる。また、形態2は、図2に描写する粉末X線回折パターンより実質的に同定することができる。
【0038】
また、形態2は、熱重量分析 (「TGA」) により約160℃において約0.8%〜約2.3%の減量段階によりさらに特徴づけることができる。また、形態2は、図3に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。また、形態2は、約144℃に第1 吸熱ピークおよび約228℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定 (「DSC」) サーモグラムによりさらに特徴づけることができる。さらに、臭化チオトロピウム形態2は、約207.6℃の融点によりさらに特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態2は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0039】
形態2は臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくはメタノラート溶媒和物であることができる。好ましくは、メタノールの量はガスクロマトグラフィー (「GC」) により測定して約4.1%である。臭化チオトロピウムの結晶質形態2は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態2は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0040】
臭化チオトロピウムの形態2は、約1/1〜約3/1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
結晶化は、約1/1〜約3/1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することによって実施される。
【0041】
臭化チオトロピウムの溶液は、約1/1〜約3/1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって調製される。好ましくは、約50℃〜約70℃の温度、より好ましくは約60℃に加熱する。
【0042】
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、溶液を約25℃〜約20℃の温度に冷却する。好ましくは、この温度範囲は約3時間かけて到達させる。懸濁を少なくとも約2時間維持して、沈殿した結晶質形態の収率を増加させることが好ましい。
【0043】
形態2を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、次いで減圧下に少なくとも7時間乾燥することによって実施できる。
【0044】
さらに、本発明は、約27.7、27.8、30.3および30.5 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを提供する。この形態は形態Xと表示することができる。さらに、この形態は、約9.9、11.0、13.3、15.3、18.1、19.9および21.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけることができる。この形態は、また、図4に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。
【0045】
形態Xは、熱重量分析により約160℃において約5.3%〜約5.7%の減量段階によりさらに特徴づけることができ、ここでこのレベルは臭化チオトロピウムヘミ-酢酸溶媒和物の理論的値に対応する。この形態は、また、図5に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。形態Xは、また、約146℃〜約150℃の範囲の第1 吸熱ピークおよび約227℃〜約228℃の範囲の第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムにより特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態Xは下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0046】
形態Xは臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくは酢酸溶媒和物、より好ましくはヘミ-酢酸溶媒和物であることができる。好ましくは、酢酸の量はGCにより測定して約5.4%である。臭化チオトロピウムの結晶質形態Xは、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態Xは、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0047】
臭化チオトロピウムの形態Xは、酢酸、メタノールおよびヘプタンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
結晶化プロセスは、酢酸およびメタノールを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの第1 溶液を形成し、n-ヘプタンを第1 溶液に添加して第2 溶液を形成し、そして第2 溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0048】
酢酸およびメタノールを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって、第1 溶液を形成する。
酢酸およびメタノールを含んでなる第1 溶液中の酢酸/メタノールの比は、好ましくはそれぞれ約7/1〜約7/2 (v/v) である。
【0049】
第1 混合物を約40℃〜約50℃の温度、より好ましくは約45℃の温度に加熱する。好ましくは、加熱を約1.5時間実施する。
好ましくは、n-ヘプタンを第1 溶液に滴下する。好ましくは、滴下は少なくとも約20〜約40分かけて実施する。好ましくは、添加は約40℃〜約50℃の範囲の温度、より好ましくは約45℃の温度において実施する。n-ヘプタンの添加後、得られた第2 溶液を前述の温度に約0.5〜約1時間維持する。
【0050】
典型的には、第2溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。第2溶液を、好ましくは約30℃〜約20℃の範囲の温度、より好ましくは約30℃〜約23℃の温度に冷却して懸濁液を形成する。懸濁を少なくとも約3時間維持して、沈殿した結晶質形態の収率を増加させることが好ましい。
【0051】
形態Xを製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、濾過した形態をn-ヘプタンで洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0052】
さらに、本発明は、約8.8、9.0、11.7および17.7 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、結晶質臭化チオトロピウム (形態7と表示する) を提供する。形態7は、約13.4、15.1、15.3、15.6、18.1および20.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態7は、また、図6に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態7は、熱重量分析による約5.2%の減量によりさらに特徴づけることができる。形態7は、また、図7に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。形態7は、また、約136℃に第1 吸熱ピークおよび約228.0℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムにより特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態7は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0053】
形態7は臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくは酢酸溶媒和物であることができる。好ましくは、酢酸の量はGCにより測定して約1.7%である。臭化チオトロピウムの結晶質形態7は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態7は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0054】
臭化チオトロピウムの結晶質形態7は、酢酸およびアセトニトリルを含んでなる溶媒混合物と、ジイソプロピルエーテルを含んでなる抗溶媒とを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
結晶化プロセスは、前記溶媒中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてジイソプロピルエーテルを前記溶液に添加して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0055】
好ましくは、臭化チオトロピウムの溶液は、臭化チオトロピウムを前記溶媒と組合わせ、そして加熱することによって形成される。
前記溶媒混合物中の酢酸/アセトニトリルの比は好ましくはそれぞれ約1/4〜約1/5 (v/v) である。
【0056】
好ましくは、加熱は約40℃〜約50℃の範囲の温度において実施する。より好ましくは、加熱は約45℃の温度において実施する。好ましくは、加熱は約1.5時間実施する。
好ましくは、溶液にジイソプロピルエーテルを滴下し、より好ましくは少なくとも15分かけて滴下する。好ましくは、添加は約40℃〜約50℃の範囲の温度において、より好ましくは約45℃の温度において実施する。ジイソプロピルエーテルを添加した後、得られた懸濁液を前述の温度に約1時間維持する。
【0057】
典型的には、懸濁液を冷却して沈殿した生成物の収率を増加させる。好ましくは、冷却は約30℃〜約20℃の温度において実施し、より好ましくは溶液を約30℃〜約21℃の温度に冷却する。冷却を少なくとも3時間実施する。
【0058】
形態7を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、次いで濾過した形態をジイソプロピルエーテルで洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0059】
約16.2、16.5、28.0および28.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム (形態8と表示する) を提供する。形態8は、約9.9、11.0、13.4、15.3、17.9、19.7、20.9および21.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態8は、また、図8に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態8は、熱重量分析による約5.1%の減量によりさらに特徴づけることができる。形態8は、また、図9に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。形態8は、また、約149℃に第1 吸熱ピークおよび約226℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムにより特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態8は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0060】
形態8は臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくはアルコラート、より好ましくはメタノラートであることができる。臭化チオトロピウムの結晶質形態8は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態8は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0061】
臭化チオトロピウムの結晶質形態8は、メタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
この方法は、メタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0062】
好ましくは、メタノール中の臭化チオトロピウムの溶液は、臭化チオトロピウムをメタノールと組合わせ、そして加熱して溶液を形成することによって調製される。好ましくは、約61℃〜約65℃の範囲の温度に加熱する。より好ましくは、加熱は約63℃の温度において実施する。好ましくは、加熱は約1時間実施する。
【0063】
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、溶液を約27℃〜約22℃の範囲の温度に冷却する。より好ましくは、溶液を約22℃の温度に冷却する。上記温度は少なくとも2時間かけて到達させる。
得られた懸濁液を少なくとも約3.5時間維持して、沈殿した生成物の収率を増加させることができる。
【0064】
結晶質形態8を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。得られた沈殿は、この分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、次いで濾過した形態をメタノールで洗浄し、次いで乾燥することによって回収できる。
本発明は、また、臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物を提供する。
【0065】
本発明は、また、図10に描写する計算した粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態9と表示する) を提供する。前記ヘミ-n-プロパノール溶媒和物は、また、図10に描写する計算した粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。結晶質n-プロパノラート溶媒和物は、熱重量分析による約5.9%の減量によりさらに特徴づけることができ、ここでこのレベルは臭化チオトロピウムヘミ-n-プロパノール溶媒和物の理論的値に対応する。ヘミ-n-プロパノラートの化学量論的値は5.9%である。
【0066】
臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノール溶媒和物は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノール溶媒和物は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。当業者は認識するように、形態9は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0067】
本発明は、下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、ヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態9と表示する) を提供する: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.42、12.04、13.60 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.8、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。前記ヘミ-n-プロパノール形態は、また、図11に描写するORTEO図により実質的に同定することができる。
【0068】
本発明は、等温条件下に臭化チオトロピウムをn-プロパノールから結晶化させることを含んでなる、下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、臭化チオトロピウム形態9を製造する方法を提供する: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.4245、12.0419、13.6027 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.818、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。
【0069】
典型的には、用語 「等温条件」 は一定温度を意味する。好ましくは、形態9を製造する等温条件は25℃の温度である。
この方法は、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、この溶液を25℃に冷却して混合物を形成し、そして前記混合物を25℃に約5日間維持することを含んでなる。
【0070】
好ましくは、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液は、臭化チオトロピウムをn-プロパノールと組合わせ、そして加熱することによって形成される。加熱は好ましくは約80℃〜約100℃の温度、より好ましくは97℃において実施する。
典型的には、溶液を冷却して単結晶の沈殿を誘導する。
【0071】
形態9を製造する方法は、結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収は、この分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、次いで濾過した形態を洗浄し、次いで乾燥することによって実施できる。
【0072】
本発明は、約20.2、26.5、28.0および31.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態11と表示する) を提供する。形態11は、約8.9、15.6、17.7、21.7、23.4および24.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態11は、また、図12に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態11は、TGAによる約 < 0.1%の減量によりさらに特徴づけることができる。形態11は、また、図13に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。形態11は、約227℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態11は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0073】
形態11は、臭化チオトロピウムの無水形態であることができる。臭化チオトロピウムの結晶質形態11は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態11は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0074】
臭化チオトロピウムの結晶質形態11は、臭化チオトロピウム溶媒和物を約160℃〜170℃の範囲の温度に加熱することを含んでなる方法により製造される。
好ましくは、臭化チオトロピウム溶媒和物は約160℃の温度に加熱する。好ましくは、加熱は約1時間〜約2時間、より好ましくは約1時間実施する。
【0075】
約20.9、21.1、21.4および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態12と表示する) を提供する。
【0076】
形態12は、約9.9、11.0、13.5、15.3、18.1、19.9、20.9、21.1、21.4、23.9、25.1、27.1および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態12は、また、図14に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態12は約125℃〜約184℃の温度おける熱重量分析による約5.9%の減量によりさらに特徴づけることができ、ここでこのレベルは臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノール溶媒和物の理論的値に対応する。形態12は、また、図15に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態12は、約158℃に第1 吸熱ピークおよび約229℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態12は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0077】
臭化チオトロピウム形態12は、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして約55℃〜約25℃の温度に冷却して懸濁液を形成することを含んでなる方法により製造される。
n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液は、臭化チオトロピウムをn-プロパノールと組合わせ、そして加熱することによって形成される。加熱は好ましくは約80℃〜約100℃、より好ましくは97℃の温度において実施する。
【0078】
典型的には、溶液を冷却して前記結晶質形態の沈殿を誘導する。溶液は好ましくは溶液を約55℃〜約25℃の温度に冷却する。好ましくは、冷却は徐々に実施する。徐々の冷却は約55℃の温度に到達させ、次いで約25℃〜約21℃の温度に冷却することによって実施する。好ましくは、約4時間かけて55℃に到達させる。好ましくは、約3時間かけて約25℃〜約21℃の温度に到達させる。
【0079】
好ましくは、冷却した懸濁液をさらに約5〜約18時間維持する。
形態9を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、濾過した形態を洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0080】
本発明は、臭化チオトロピウムの非晶質形態を提供する。非晶質臭化チオトロピウムは、図16に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。臭化チオトロピウムの非晶質形態は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの非晶質形態は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0081】
臭化チオトロピウムの非晶質形態は、水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を凍結乾燥することを含んでなる方法により製造される。
【0082】
典型的には、凍結乾燥プロセスに任意の形態の臭化チオトロピウムを出発物質として使用できる。臭化チオトロピウムのメタノラート形態 (1、2および8と表示する) および臭化チオトロピウムのn-プロパノラート溶媒和物形態 (形態9と表示する) は、上記方法のための好ましい出発物質である。好ましくは、溶液は臭化チオトロピウムを水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中に溶解することによって調製する。好ましくは、溶解は約20℃〜約40℃の温度において実施する。得られた溶液を濾過した後、凍結乾燥する。凍結乾燥は約24〜約48時間実施できる。
【0083】
本発明は、それぞれ約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態3と表示する) を製造する方法を提供する。
【0084】
結晶化プロセスは、それぞれ約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の溶液を形成し、そして冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
溶液は、それぞれ約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって調製される。
【0085】
好ましくは、加熱を約50℃〜約70℃の温度、より好ましくは約60℃の温度において実施する。
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、約温室〜約-5℃に冷却する。温室より低い温度に冷却するとき、その温度に約5分かけて到達させる。
【0086】
好ましくは、懸濁を少なくとも約3時間維持して、結晶質形態の収率を増加させることができる。形態3を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。
【0087】
形態3を製造する方法は、懸濁液から形態3を回収することをさらに含むことができる。この回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、そして窒素雰囲気下に約30分間乾燥し、次いで減圧下に少なくとも約15時間さらに乾燥することによって実施できる。
【0088】
本発明は、臭化チオトロピウムをn-ブタノールから結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.88、13.28、15.27、16.39、17.96、19.67、20.71および21.30 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態10と表示する) を製造する方法を提供する。
この方法は、n-ブタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてこの溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0089】
臭化チオトロピウムをn-ブタノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する。好ましくは、約90℃〜約96℃の範囲の温度に、より好ましくは約94℃の温度に加熱する。好ましくは、約90℃〜約96℃の範囲の温度に約2.5〜3時間加熱する。必要に応じて、熱溶液を濾過した後、冷却する。
【0090】
通常、溶液を冷却して結晶質生成物の沈殿を誘導する。溶液は好ましくは約25℃〜約20℃の範囲の温度に冷却し、より好ましくは溶液を約22℃に冷却する。上記温度に少なくとも約6時間かけて到達させる。
得られた懸濁を維持して、結晶化生成物の収率を増加させる。好ましくは、懸濁を少なくとも約5時間維持する。
【0091】
結晶質形態10を製造する方法は、懸濁液からそれを回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、濾過した形態をn-ブタノールで洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0092】
エタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態4と表示する) を製造する方法を提供する。
【0093】
好ましくは、この方法は、エタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてこの溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
臭化チオトロピウムをエタノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する。
【0094】
好ましくは、溶液を約70℃〜約80℃の範囲の温度に加熱する。より好ましくは、約73℃〜約78℃の範囲の温度に加熱する。
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、溶液を温室に冷却する。好ましくは、温室への冷却を約5時間かけて実施する。得られた懸濁を少なくとも約3時間維持して、結晶化生成物の収率を増加させる。
【0095】
上記結晶質形態を製造する方法は、懸濁液から前記結晶を回収するプロセスをさらに含むことができる。この回収プロセスはこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、そして窒素雰囲気下に約30分間乾燥し、次いで減圧下に少なくとも約9時間さらに乾燥することによって実施できる。
【0096】
臭化チオトロピウムをイソプロパノールから結晶化させることを含んでなる、約9.86、10.97、13.28、15.28、18.04、19.80、20.71および21.26 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法を提供する。
【0097】
この方法は、イソプロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてこの溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0098】
臭化チオトロピウムをイソプロパノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する。好ましくは、約80℃〜約100℃の温度に、より好ましくは約81℃に加熱する。好ましくは、イソプロパノールの組合わせを約80℃〜約100℃の温度に約5時間加熱する。必要に応じて、この熱溶液を濾過した後、冷却することができる。
【0099】
典型的には、溶液を冷却して結晶の沈殿を誘導する。溶液を好ましくは約25℃〜約21℃の温度に冷却し、より好ましくは溶液を約23℃〜約25℃の範囲の温度に冷却する。少なくとも約4時間かけて、好ましくは約4時間〜約5時間かけて、上記温度に到達させる。
得られた懸濁を維持して、結晶化生成物の収率を増加させる。好ましくは、懸濁を少なくとも約5時間維持する。
【0100】
前記結晶質形態を製造する方法は、懸濁液からそれを回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、濾過した形態を洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0101】
水中の臭化チオトロピウムの混合物を形成することを含んでなる、約8.9、11.9、13.5、14.8、16.7、17.5、20.3、23.6、24.1および26.9 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの一水和物形態を製造する方法を提供する。
【0102】
出発臭化チオトロピウムは、任意の形態の臭化チオトロピウムであることができる。任意の形態の臭化チオトロピウムは、臭化チオトロピウムの溶媒和物、無水形態または非晶質形態を意味する。典型的には、臭化チオトロピウム溶媒和物は臭化チオトロピウムの任意の溶媒和物形態を意味する。好ましくは、臭化チオトロピウムの溶媒和物形態は、アルコラートおよび酢酸溶媒和物から成る群から選択される。好ましくは、アルコラートは臭化チオトロピウムの任意のアルコラート溶媒和物、より好ましくはメタノラート、エタノラート、n-プロパノール溶媒和物、イソ-プロパノラートおよびn-ブタノラート、最も好ましくはn-プロパノール溶媒和物およびメタノラートである。
【0103】
好ましくは、この混合物は室温において形成される。この方法は、混合物を室温において約4〜8時間維持する工程を含んでなることができる。
一水和物を製造する方法は、懸濁液から一水和物を回収することをさらに含むことができる。回収は懸濁液を濾過し、臭化チオトロピウムの一水和物形態の濾過した沈殿を洗浄し、そして窒素流下に乾燥することを含んでなる方法により実施できる。
【0104】
臭化チオトロピウムの新規な形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質と表示する) を微小化して配合に適当な物質を製造することができる。典型的には、微小化臭化チオトロピウムに関する用語 「配合に適当な」 は粒子の少なくとも90%が20ミクロン以下である臭化チオトロピウムに対応する。
【0105】
1つの態様において、本発明は、臭化チオトロピウムの微小化形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質と表示する) を提供する。典型的には、用語 「微小化」 は、粒子の少なくとも90%が20ミクロン以下である物質を意味する。
微小化プロセス後に、必要に応じて、微小化形態を適当な溶媒に暴露して溶媒和物中の溶媒の初期含有率を回復することを含んでなるプロセスを実施することができる。通常、用語 「適当な溶媒」 は、もとの溶媒和形態における種類の溶媒に対応する。
【0106】
本発明は、臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を提供する。
本発明は、臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0107】
本発明は、本発明の方法に従い製造された臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を提供する。
本発明は、本発明の方法に従い製造された臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0108】
本発明は、微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を提供する。
本発明は、微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0109】
本発明は、本発明の方法に従い製造された微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を提供する。
本発明は、本発明の方法に従い製造された微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
本発明の組成物は、臭化チオトロピウムの表示された形態の少なくとも1つを含んでなる粉末、粒体、凝集物および他の固体状組成物を包含する。
【0110】
さらに、本発明の臭化チオトロピウムの上記形態を含んでなる固体状配合物は、希釈剤、例えば、下記をさらに含むことができる: セルロース由来物質、例えば、粉末状セルロース、微結晶質セルロース、微小セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩および他の置換および非置換セルロース; デンプン; 予備糊化デンプン; 無機希釈剤、例えば、炭酸カルシウムおよび二リン酸カルシウムおよび薬学産業において知られている他の希釈剤。なお他の希釈剤は下記を包含する: 蝋、糖および糖アルコール、例えば、マンニトールおよびソルビトール、アクリレートのポリマーおよびコポリマー、ならびにペクチン、デキストリンおよびゼラチン。
【0111】
本発明において適当なそれ以上の賦形剤は、結合剤、例えば、アカシアゴム、予備糊化デンプン、アルギン酸ナトリウム、グルコースおよび湿式および乾式粒状化および直接圧縮プロセスにおいて使用されている他の結合剤を包含する。臭化チオトロピウムの上記形態の固体状配合物中に、また、存在することができる賦形剤は、さらに、崩壊剤、例えば、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスポピドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロースおよびその他を包含する。さらに、賦形剤は錠剤化滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウムおよびステアリルフマル酸ナトリウム; 香味剤; 甘味剤および保存剤を包含することができる。
【0112】
配合物は経口的、非経口的 (皮下、筋肉内および静脈内を包含する) に、吸入によりおよび眼に投与することができる。任意の所定の場合において最も適当な経路は、治療すべき症状の特質および重症度に依存し、本発明の最も好ましい経路は経口的経路である。投与量は単位投与形態で好都合に提供され、そして薬学分野においてよく知られている方法により製造される。
【0113】
投与形態は、固体状投与形態、例えば、錠剤、粉剤、カプセル剤、坐剤、サッシェ、トローチ剤およびロゼンジならびに液体懸濁液およびエリキシル剤を包含する。説明は限定を意図しないが、臭化チオトロピウムの固体状形態を区別する特性が失われる、臭化チオトロピウムの真の溶液に関することを意図しない。しかしながら、このような溶液を調製するための新規な形態の使用 (例えば、臭化チオトロピウムに加えて、溶媒和物とのある比で前記溶液に溶媒和物を放出するために) は、本発明の範囲内に入ると考えられる。
【0114】
カプセル剤の投与形態は、もちろん、ゼラチンまたは他の慣用のカプセル化物質から作ることができるカプセル内に、固体状組成物を含有するであろう。錠剤および粉剤を被覆することができる。また、錠剤および粉剤は腸溶剤皮で被覆することができる。腸溶剤皮で被覆された粉剤の形態は、下記を包含するが、これらに限定されない被膜を有することができる: フタル酸酢酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ポリビニルアルコール、カルボキシメチルエチルセルロース、スチレンとマレイン酸とのコポリマー、メタクリル酸とメチルメタクリレートとのコポリマー、およびその他の物質。必要に応じて、粉剤の形態は適当な可塑剤および/または増量剤を含有することができる。被覆された錠剤はその表面上に被膜を有することができるか、あるいは腸溶剤皮を有する粉剤または顆粒剤であることができる。
【0115】
当業者は理解するように、各ピークについて、一般に約 ± 0.2°2θ以下程度の典型的な小さい分析誤差が粉末X線回折測定において存在する。したがって、本明細書中の粉末X線回折ピークのデータは、「A、B、C、およびその他 ± 0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン」の形で提供される。これにより示されるように、問題の結晶質形態について、Aにおけるピークは、所定の実験の所定の計器において、A ± 0.2°2θ間のどこかに現れることができ、BにおけるピークはB ± 0.2°2θ間のどこかに現れることができるであろう、およびその他。個々のピークの同定における、このような小さい回避できない不確実さは、個々の結晶質形態の同定に関する不確実さに翻訳されていない。なぜなら、明瞭に結晶質形態を同定する働きをするのは、一般に1つの特定のピークではなく、特定した領域内のピークの特定の組合わせであるからである。別法において、本発明は、報告したピーク位置またはピーク高さに対して独立に、また、使用できる全体のパターンを提供する。
【0116】
ある種の好ましい態様を参照して本発明を説明してきたが、明細書を考慮して他の態様は当業者に明らかとなるであろう。本発明の組成物の製造および使用方法を詳細に説明する下記の実施例を参照することによって、本発明はさらに規定される。当業者にとって明らかなように、材料および方法の両方に関する多数の変更は、本発明の範囲から逸脱しないで実施することができる。
【実施例】
【0117】
利用する計器および試薬は下記を包含する:
計器: アギリレント・テクノロジーズ・モド (Agilent Technologies Mod.) 6850ガスクロマトグラフ
カラム: DB-WAX、30 m、0.32 mm ID、0.5 μm df
検出器: FID
温度 300℃
水素流 30.0 ml/分
空気流 300.0 ml/分
構成 ヘリウム; 30.0 ml/分 (全体の流れ)
【0118】
入口:
モード 無分割
温度 140℃
圧力 9.00 psi
気体型 ヘリウム
パージ流れ 60.0 ml/分
パージ時間 0.10分
全体の流れ 64.6 ml/分
注入容積 1.0 μl
【0119】
炉:
初期温度 40℃
初期時間 5.00分
ランプ
# 速度 最終温度 最終時間
(℃/分) (℃)
1 10.00 230 7.00
2 0.0
展開時間 31.00
洗浄溶媒: ジメチルスルホキシド
【0120】
下記についてのチェック:
ジイソプロピルエーテル、n-ヘプタン、アセトン、メタノール、ジクロロメタン、エタノール、アセトニトリル、酢酸。
【0121】
内部標準溶液:
250 μlのジオキサン → 250 mlのジメチルスルホキシド
ストック標準溶液:
1 mlの各溶媒を内部標準溶液で100.0 mlにする。
使用標準溶液:
1 mlのストック標準溶液を内部標準溶液で100.0 mlにする (0.1 μl/mlの各溶媒) 。
試料溶液:
100 mgの試料に1 mlの内部標準溶液を添加する。
【0122】
粉末X線回折:
ペルチエール (Peltier) 検出器およびCu Kα放射線、波長: 1.54178 ÅのX線源を装備する粉末X線回折 (「PXRD」) 分析。丸いゼロバックグラウンドの石英平板を有する丸い標準アルミニウム試料ホルダーを使用して、試料を導入する。走査パラメーター: 範囲: 2〜40°2θ、連続的走査、速度: 3°/分。ピーク位置の確度は、計装、試料調製およびその他のような実験的差のために ± 0.2°として規定する。
【0123】
臭化チオトロピウムn-プロパノール溶媒和物の分析のための単結晶X線回折法:
ψおよびω走査の組合わせを使用してエックスカリバー (Xcalibur) PX、Cu Kαにより、データを収集した。すべての非水素原子を非等方的に精製し、期待する幾何学的位置に乗る水素原子を精製し、OH水素原子をフーリエ地図から捜し出す。データの収集: クリスアリス・レッド (CrysAlis RED) (Oxford Diffraction、2002); セル精製: クリスアリス・レッド (CrysAlis RED); データ整理: クリスアリス・レッド (CrysAlis RED); 構造解明に使用するプログラム: SIR92 (Altomare 他、1994); 構造洗練に使用するプログラム: クリスタルス(CRYSTALS) (Betteridge 他、2003) 。
【0124】
熱重量分析 (「TGA」)
TGA/SDTA 851、メットラー・トレド (Mettler Toledo) 、試料重量: 7〜15 mg。
加熱速度: 10℃/分、N2流れ中: 流速: 50 ml/分。
走査範囲: 30〜250℃。
【0125】
示差走査熱量測定 (「DSC」)
DSC 822e/700、メットラー・トレド (Mettler Toledo) 、試料重量: 3〜5 mg。
加熱速度: 10℃/分、るつぼの孔の数: 3 、N2流れ中: 流速 = 40 ml/分。
走査範囲: 30〜250℃、加熱速度: 10℃/分。
【0126】
実施例1.臭化チオトロピウム形態1の製造
臭化チオトロピウム (2.50 g) を57℃においてメタノール/アセトンの混合物1/3 (v/v) (55 ml) 中に溶解した。この溶液を57℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で21℃に冷却し (固体の形成は観測されない) 、-10℃に約5分で急冷した。得られた懸濁液を-10℃に少なくとも3時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.0 mlの前記混合物で洗浄した。N2流下に21℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (40 ミリバール) 下に111℃において7時間乾燥すると、0.01 gの臭化チオトロピウム形態1が得られた。
【0127】
実施例2.臭化チオトロピウム形態2の製造
臭化チオトロピウム (2.50 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物3/1 (v/v) (13 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも2時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.5 mlの前記混合物で2回洗浄した。N2流下に22℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (40 ミリバール) 下に111℃において7時間乾燥すると、1.19 gの臭化チオトロピウム形態2が得られた。熱重量分析の減量: 2.3%。
【0128】
実施例3.臭化チオトロピウム形態2の製造
臭化チオトロピウム (1.00 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物1/1 (v/v) (8.5 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で21℃に冷却した。得られた懸濁液を21℃に少なくとも3時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.0 mlの前記混合物で3回洗浄した。N2流下に21℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (40 ミリバール) 下に111℃において7時間乾燥すると、0.154 gの臭化チオトロピウム形態2が得られた。熱重量分析の減量: 0.8%。
【0129】
実施例4.約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (2.50 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物3/1 (v/v) (13 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも2時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.5 mlの前記混合物で2回洗浄した。N2流下に22℃において30分間乾燥すると、1.40 gの臭化チオトロピウム形態3が得られた。熱重量分析の減量: 5.1%。
【0130】
実施例5.約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (2.50 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物3/1 (v/v) (13 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも2時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.5 mlの前記混合物で2回洗浄した。N2流下に22℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (40 ミリバール) 下に60℃において15時間乾燥すると、1.33 gの臭化チオトロピウム形態3が得られた。熱重量分析の減量: 4.3%。
【0131】
実施例6.約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (2.50 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物3/1 (v/v) (13 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、-5℃に急冷し (5分) 、-5℃に少なくとも3時間維持した。得られた懸濁液を焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.0 mlの前記混合物で洗浄した。N2流下に21℃において30分間乾燥すると、1.31 gの臭化チオトロピウム形態3が得られた。熱重量分析の減量: 4.5%。
【0132】
実施例7.約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (1.00 g) を78℃において無水エタノール (65 ml) 中に溶解した。この溶液を78℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも6時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも3時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を無水エタノール (2×1.0 ml) で2回洗浄した。N2流下に22℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (17 ミリバール) 下に60℃において9時間乾燥すると、0.66 gの臭化チオトロピウム形態4が得られた。熱重量分析の減量: 4.8%。ヘミ-エタノラートの化学量論的値: 4.64%。
【0133】
実施例8.約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (0.80 g) を73℃においてエタノール96% (18.4 ml) 中に溶解した。この溶液を73℃に約1時間加熱し、次いで少なくとも5時間で23℃に冷却した。得られた懸濁液を23℃に少なくとも3時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体をエタノール96% (2×1.5 ml) で2回洗浄した。N2流下に23℃において1.5時間乾燥し、次いで減圧 (17 ミリバール) 下に60℃において5時間乾燥すると、0.39 gの臭化チオトロピウム形態4が得られた。熱重量分析の減量: 4.7%。ヘミ-エタノラートの化学量論的値: 4.64%。
【0134】
実施例9.臭化チオトロピウム形態Xの製造
臭化チオトロピウム (1.00 g) を45℃において酢酸/メタノールの混合物7/2 (v/v) (11 ml) 中に溶解し、この溶液を45℃に1.5時間加熱し、次いでn-ヘプタン (2.75 ml) を少なくとも20分で滴下した。得られた溶液を45℃に1時間加熱し (固体の形成は観測されない) 、23.5℃に少なくとも3時間冷却し、懸濁液を23.5℃に少なくとも3時間維持した。焼結ガラスの漏斗で濾過した後、固体を3.0 mlのn-ヘプタンで3回洗浄した。減圧 (18 ミリバール) 下に60℃において16時間乾燥すると、0.67 gの臭化チオトロピウム形態Xが得られた。熱重量分析の減量: 5.4%。
【0135】
実施例10.臭化チオトロピウム形態Xの製造
臭化チオトロピウム (0.50 g) を45℃において酢酸/メタノールの混合物7/1 (v/v) (10 ml) 中に溶解し、この溶液を45℃に1.5時間加熱し、次いでn-ヘプタン (2.5 ml) を少なくとも15分で滴下した。得られた溶液を45℃に0.5時間加熱し (固体の形成は観測されない) 、28℃に少なくとも3時間冷却し、懸濁液を28℃に少なくとも3時間維持した。焼結ガラスの漏斗で濾過した後、固体を2.0 mlのn-ヘプタンで3回洗浄した。減圧 (19 ミリバール) 下に60℃において18時間乾燥するか、あるいは18 ミリバールの圧力下に90〜100℃において7時間乾燥すると、0.29 gの臭化チオトロピウム形態Xが得られた。熱重量分析の減量: 5.7%。
【0136】
実施例11.臭化チオトロピウム形態7の製造
臭化チオトロピウム (0.60 g) を45℃において酢酸/アセトニトリルの混合物1/4 (v/v) (6.75 ml) 中に溶解し、この溶液を45℃に1時間加熱し、次いでジイソプロピルエーテル (DIPE) (6.75 ml) を少なくとも15分で滴下した。得られた懸濁液を45℃に少なくとも1時間加熱し、少なくとも3時間で21.5℃に冷却し、21.5℃に少なくとも3時間維持した。焼結ガラスの漏斗で濾過した後、固体を1.8 mlのジイソプロピルエーテル (DIPE) で3回洗浄した。N2流下に21℃において1時間乾燥すると、0.40 gの臭化チオトロピウム形態7が得られた。
【0137】
実施例12.臭化チオトロピウム形態8の製造
臭化チオトロピウム (0.80 g) をメタノール (3.4 ml) 中に63℃において溶解した。この溶液を63℃に約1時間加熱し、次いで少なくとも2時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を少なくとも3.5時間22℃に維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過した。固体をメタノール (2×0.8 ml) で2回洗浄し、22℃において1時間N2流下に乾燥すると、0.49 gの臭化チオトロピウム形態8が得られた。熱重量分析の減量: 5.1%。
【0138】
実施例13.臭化チオトロピウム形態9の製造
臭化チオトロピウム (45 mg) を97℃においてn-プロパノール (4 ml) 中に溶解した。次いで酢酸アミル (4 ml) をn-プロパノール中の臭化チオトロピウムの熱溶液に添加した。25℃において等温条件下に5日間結晶化させると、臭化チオトロピウム形態9の単結晶が得られた。ゴニオメーターアセンブリーのガラス針の上部で母液から粘着接着剤技術により、単結晶を捕捉し、298 Kにおいて測定した。
【0139】
実施例14.臭化チオトロピウムの製造
臭化チオトロピウム (0.40 g) を81℃においてイソプロパノール (160 ml) 中に溶解した。この溶液を81℃に約5時間加熱し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、次いで少なくとも4時間で23℃に冷却した。得られた懸濁液を少なくとも4時間23℃に維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過した。固体をイソプロパノール (2×1.0 ml) で2回洗浄し、23℃においてN2流下に1時間乾燥し、次いで60℃において減圧 (18ミリバール) 下に5時間乾燥すると、0.23 gの臭化チオトロピウムが得られた。熱重量分析の減量: 6.0%。
【0140】
実施例15.臭化チオトロピウム形態9の製造
【0141】
臭化チオトロピウム (4 g) を97℃においてn-プロパノール (348 ml) 中に溶解し、次いで55℃に4時間で冷却し、そして55℃から25℃に3時間で冷却した。20〜25℃において12時間攪拌した後、この懸濁液を濾過し、45℃において減圧下に20時間乾燥し、臭化チオトロピウム形態9 (3 g) が得られた。
【0142】
実施例16.臭化チオトロピウム形態9の製造
5% w/wの水を含有するn-プロパノール (60 ml) 中に83℃において臭化チオトロピウム (2 g) を溶解し、次いで25℃に4時間で冷却した。20〜25℃において12時間攪拌した後、この懸濁液を濾過し、45℃において減圧下に20時間乾燥し、臭化チオトロピウム形態9 (1.3 g) が得られた。
【0143】
実施例17.臭化チオトロピウム形態9の製造
2% w/wの水を含有するn-プロパノール (58.5 ml) 中に85℃において臭化チオトロピウム (2 g) を溶解し、次いで25℃に5時間で冷却した。20〜25℃において12時間攪拌した後、この懸濁液を濾過し、45℃において減圧下に20時間乾燥し、臭化チオトロピウム形態9 (1.8 g) が得られた。
【0144】
実施例18.約9.82、10.88、13.28、15.27、16.39、17.96、19.67、20.71および21.30 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (0.40 g) をn-ブタノール (70 ml) 中に94℃において溶解した。この溶液を94℃に約2.5時間加熱し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、次いで少なくとも6時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも5時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過した。固体をn-ブタノール (2×1.0 ml) で2回洗浄し、22℃においてN2流下に3時間乾燥し、次いで65℃において減圧 (18ミリバール) 下に16.5時間乾燥すると、0.133 gの臭化チオトロピウム形態10が得られた。熱重量分析の減量: 6.9%。
【0145】
実施例19.臭化チオトロピウム形態11の製造
臭化チオトロピウムメタノラート、ヘミ-n-ブタノラートおよびヘミ-酢酸溶媒和物を別々のガラス容器中で炉内において160℃に1時間加熱し、次いで各物質をX線回折により測定した。
【0146】
実施例20.臭化チオトロピウムの非晶質形態の製造
1 gの臭化チオトロピウムを室温において50 mlの水中に溶解し、次いでそれを濾過し (小さい不溶性粒子を除去するため) 、24時間凍結乾燥した。
チャンバー減圧: < 20 μm Hg
24時間の間のチャンバー温度: -40℃〜22℃。
【0147】
実施例21.臭化チオトロピウム一水和物を製造する一般的方法
臭化チオトロピウムを80.7 mlの水と混合し、この混合物を室温において4時間攪拌した。この混合物を濾過し、10 mlの水で洗浄した。生成物をフィルター上に減圧下にかつ窒素雰囲気下に室温において15分間放置して、一水和物形態が得られた。
【0148】
実施例22.臭化チオトロピウム一水和物の製造
チオトロピウムを水中に懸濁させ、この懸濁液を22〜25℃において4時間攪拌した。その後、それを濾過し、固体を10 mlの水で洗浄した。生成物をフィルター上に減圧下にかつ窒素雰囲気下に22〜25℃において15分間放置した。試料上の水分は4.3%であった (熱重量分析) 。
【0149】
実施例23.臭化チオトロピウムエタノラートからの臭化チオトロピウム一水和物の製造
13.45 gの臭化チオトロピウムエタノラートを80.7 mlの水中に懸濁させ、この懸濁液を室温において4時間攪拌した。それを濾過した後、10 mlの水で洗浄した。生成物をフィルター上に減圧下にかつ窒素雰囲気下に室温において15分間放置した。11.66 gの一水和物形態が得られた。試料上の水分は4.3%であった (熱重量分析) 。
【0150】
実施例24.臭化チオトロピウムの微小化
臭化チオトロピウムを微小化して、下記の粒度分布のターゲットを得た:
最小:80% < 5.84 μm
最小:0.6〜10ミクロンの間、70%
使用した微小化装置はジェットミル (Jet-mill) MC 50 (製造会社: Micro-Macinazionne) であった。32°05'の角度のノズルを設置した。
窒素を微小化気体として使用した。
微小化空気圧は10バールであった。
供給速度は0.2 kg/時であった。
上記プロセスで得られた微小化臭化チオトロピウムは下記の粒度分布値を有した:
80% ≦ 5.84 μm
0.6〜10ミクロンの間、93.76%
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】図1は、臭化チオトロピウム形態1の粉末X線回折パターンを示す。
【図2】図2は、臭化チオトロピウム形態2の粉末X線回折パターンを示す。
【図3】図3は、臭化チオトロピウム形態3の熱重量分析曲線を示す。
【図4】図4は、臭化チオトロピウム形態Xの粉末X線回折パターンを示す。
【図5】図5は、臭化チオトロピウム形態Xの熱重量分析曲線を示す。
【図6】図6は、臭化チオトロピウム形態7の粉末X線回折パターンを示す。
【図7】図7は、臭化チオトロピウム形態7の熱重量分析曲線を示す。
【図8】図8は、臭化チオトロピウム形態8の粉末X線回折パターンを示す。
【0152】
【図9】図9は、臭化チオトロピウム形態8の熱重量分析曲線を示す。
【図10】図10は、臭化チオトロピウム形態9の計算粉末X線回折パターンを示す。
【図11】図11は、臭化チオトロピウム形態9のORTEP図を示す。
【図12】図12は、臭化チオトロピウム形態11の粉末X線回折パターンを示す。
【図13】図13は、臭化チオトロピウム形態11の熱重量分析曲線を示す。
【図14】図14は、臭化チオトロピウム形態12の粉末X線回折パターンを示す。
【図15】図15は、臭化チオトロピウム形態12の熱重量分析曲線を示す。
【図16】図16は、非晶質臭化チオトロピウムの粉末X線回折パターンを示す。
【背景技術】
【0001】
臭化チオトロピウムは、ムスカリンレセプターに対する特異性を有する抗コリン作動性物質である。したがって、それは喘息または慢性閉塞性肺疾患 (「COPD」) の治療において治療的利益を提供する。
【0002】
臭化チオトロピウムの化学名は、(1α,2β,4β,5α,7β)-7-[(ヒドロキシジ-2-チエニルアセチル)オキシ]-9,9-ジメチル-3-オキサ-9-アゾニアトリシクロ[3.3.1.0]ノナンブロミドまたは6β,7β-エポキシ-3β-ヒドロキシ-8-メチル-1αH,5αH-トロパニウムブロミド、ジ-2-チエニルグリコレートであり、そして下記の構造を有する:
【0003】
【化1】
【0004】
臭化チオトロピウムはSPIRIVA(商標) HandiHaler(商標) (入手先: Boehringer Ingelheim) として商業的に入手可能であり、一水和物の形態で提供される。
アセトンおよびメタノールからの臭化チオトロピウムの製造および結晶化は米国特許第5,610,163号に開示されており、融点217〜218℃を有する生成物が得られる。
【0005】
臭化チオトロピウムの結晶質形態は、また、種々の刊行物、例えば、下記の文献に報告されてきている: 米国特許第6,777,423号、これには結晶質臭化チオトロピウム一水和物が記載されている、米国特許第6,608,055号、これには臭化チオトロピウム無水物の結晶質形態が記載されている、WO 2005/042527、これには無水臭化チオトロピウムの他の結晶質形態が記載されている、および公開No. IPCOM000143595D、これには臭化チオトロピウムの結晶質ジクロロメタン溶媒和物が記載されている。
【0006】
異なる結晶質形態 (多形体) の存在は、いくつかの分子および分子複合体の特性である。上記式の臭化チオトロピウムのような単一分子は、融点、X線回折パターン、赤外吸収フィンガープリントおよびNMRスペクトルのような明確な物理的性質を有する種々の固体を発生することがある。多形体の物理的性質の差は、塊状固体中の隣接する分子 (複合体) の向きおよび分子間相互作用から生ずる。したがって、多形体は同一分子式を共有する明確な固体であり、しかも多形体は多形体ファミリーにおける他の形態に比較して明確な利点および/または欠点を有する。薬学的多形体の最も重要な物理的性質の1つは、水溶液中のそれらの溶解性である。
【0007】
薬物の新しい結晶質多形体の形態は、標的とする放出プロファイルおよび/または他の必要な特性を有する薬物の薬学的投与形態を設計するために配合科学者が利用できる物質のレパートリーを拡大する。したがって、臭化チオトロピウムの追加の結晶質形態を発見することが必要とされている。
同様な利点は、他の多形体に導き、なお他の多形体を生成するよりすぐれた方法を提供するか、あるいは加工の利点を提供する、新しい溶媒和物から得ることができる。
【発明の開示】
【0008】
発明の要約:
1つの態様において、本発明は、約8.7、15.3、15.5および25.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態(形態1と表示する)を提供する。
【0009】
他の態様において、本発明は、約1/3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、臭化チオトロピウムの形態1を製造する方法を提供する。
なお他の態様において、本発明は、約23.1、23.6、24.1、30.1および30.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態2と表示する) を提供する。
【0010】
1つの態様において、本発明は、約1/1〜約3/1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンから構成された混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、臭化チオトロピウムの形態2を製造する方法を提供する。
他の態様において、本発明は、約27.7、27.8、30.3および30.5 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を提供する。この形態を形態Xと表示することができる。
【0011】
なお他の態様において、本発明は、酢酸、メタノールおよびヘプタンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、臭化チオトロピウムの形態Xを製造する方法を提供する。
1つの態様において、本発明は、約8.8、9.0、11.7および17.7 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムのから結晶質形態 (形態7と表示する) を提供する。
【0012】
他の態様において、本発明は、酢酸およびアセトニトリルを含んでなる溶媒混合物と、ジイソプロピルエーテルを含んでなる抗溶媒とを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、臭化チオトロピウムの形態7を製造する方法を提供する。
【0013】
なお他の態様において、本発明は、約16.2、16.5、28.0および28.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態8と表示する) を提供する。
1つの態様において、本発明は、臭化チオトロピウムのn-プロパノール溶媒和物を提供する。
【0014】
他の態様において、本発明は、図10に描写する計算した粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態9と表示する) を提供する。
【0015】
他の態様において、本発明は、下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、ヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態9と表示する) を提供する: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.4245、12.0419、13.6027 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.818、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。前記ヘミ-n-プロパノール溶媒和物の形態は、また、図15に描写する計算粉末X線回折により実質的に同定できる。
【0016】
なお他の態様において、本発明は、等温条件下に臭化チオトロピウムをn-プロパノールから結晶化することによる、臭化チオトロピウムの形態9を製造する方法を提供する。
1つの態様において、本発明は、約20.2、26.5、28.0および31.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態11と表示する) を提供する。
【0017】
他の態様において、本発明は、約20.9、21.1、21.4および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物 (形態12と表示する) を提供する。
なお他の態様において、本発明は、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして約55℃〜約25℃の温度に冷却して懸濁液を形成することによって、臭化チオトロピウムの形態12を製造する方法を提供する。
【0018】
他の態様において、本発明は、非晶質臭化チオトロピウムを提供する。
他の態様において、本発明は、水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を凍結乾燥することを含んでなる、臭化チオトロピウムの非晶質形態を製造する方法を提供する。
【0019】
なお他の態様において、本発明は、水中の臭化チオトロピウムの混合物を形成することを含んでなる、約8.9、11.9、13.5、14.8、16.7、17.5、20.3、23.6、24.1および26.9 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの一水和物形態を製造する方法を提供する。
なお他の態様において、本発明は、臭化チオトロピウムの微小化形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質と表示する) を提供する。
【0020】
1つの態様において、本発明は、それぞれ約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態(形態3と表示する)を製造する方法を提供する。
【0021】
他の態様において、本発明は、エタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態(形態4と表示する)を製造する方法を提供する。
【0022】
なお他の態様において、本発明は、臭化チオトロピウムをイソプロパノールから結晶化させることを含んでなる、約9.86、10.97、13.28、15.28、18.04、19.80、20.71および21.26 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法を提供する。
【0023】
なお他の態様において、本発明は、臭化チオトロピウムをn-ブタノールから結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.88、13.28、15.27、16.39、17.96、19.67、20.71および21.30 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態10と表示する) を製造する方法を提供する。
【0024】
1つの態様において、本発明は、臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を提供する。
他の態様において、本発明は、臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0025】
なお他の態様において、本発明は、本発明の方法に従い製造された臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を提供する。
なお他の態様において、本発明は、本発明の方法に従い製造された臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0026】
1つの態様において、本発明は、微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を提供する。
他の態様において、本発明は、微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0027】
なお他の態様において、本発明は、本発明の方法に従い製造された微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を提供する。
なお他の態様において、本発明は、本発明の方法に従い製造された微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11または非晶質と表示する) および薬学上許容される賦形剤を含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本明細書において使用するとき、用語 「温室」 は、約18℃〜約25℃、好ましくは約20℃〜約22℃の範囲の温度を意味する。
【0029】
米国特許第5,610,163号に開示されている結晶化法は、臭化チオトロピウムを結晶化させて同一結晶質形態を首尾一貫して得る方法を教示していない。それゆえ、本発明は、異なる結晶質および非晶質の臭化チオトロピウムを提供するばかりでなく、かつまたそれらを製造する方法を提供する。
【0030】
本明細書において使用するとき、用語 「溶媒和物」 は、水以外の溶媒を1%より高いレベルで含む結晶質物質を意味する。
【0031】
本発明は、また、約8.7、15.3、15.5および25.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折 (「PXRD」) パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム (形態1と表示する) を提供する。形態1は、約9.9、13.3、18.0、20.2および24.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態1は、また、図1に描写する粉末X線回折パターンより実質的に同定することができる。当業者は認識するように、形態1は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0032】
形態1は臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくはメタノラートであることができる。臭化チオトロピウムの結晶質形態1は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の存在する臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態1は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0033】
臭化チオトロピウムの前記形態1は、約1/3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
上記の結晶化法、ならびにこの出願に記載されている下記の結晶化法に使用する臭化チオトロピウムは、この分野において知られている方法により得ることができる。例えば、臭化チオトロピウムは米国特許第5,610,163号に開示されている方法により得ることができる。
【0034】
結晶化は、約1/3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてこの溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる方法により実施される。
臭化チオトロピウムの溶液は、約1/3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって調製する。好ましくは、約50℃〜約60℃の温度に加熱し、より好ましくは約57℃に加熱する。
【0035】
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、溶液を約-6℃〜約-14℃の温度、より好ましくは約-10℃に冷却する。最も好ましい態様において、溶液が約25℃〜約20℃の範囲の第1 温度、好ましくは約21℃の温度に冷却され、次いで約-6℃〜約-14℃の範囲の第2 温度に冷却されるように、冷却を徐々に実施する。好ましくは、徐々の冷却は約3時間にわたって実施する。約-10℃の温度へのそれ以上の冷却は約5分間にわたって実施することが好ましい。
【0036】
懸濁を少なくとも約3時間維持して、沈殿した結晶質形態の収率を増加させることが好ましい。
形態1を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過にし、次いで減圧下に少なくとも7時間乾燥することによって実施できる。
【0037】
さらに、本発明は、約23.1、23.6、24.1、30.1および30.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム (形態2と表示する) を提供する。さらに、形態2は、約9.9、11.0、13.4、15.3、18.1、19.9、21.4、24.7、25.2、26.0および27.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけることができる。また、形態2は、図2に描写する粉末X線回折パターンより実質的に同定することができる。
【0038】
また、形態2は、熱重量分析 (「TGA」) により約160℃において約0.8%〜約2.3%の減量段階によりさらに特徴づけることができる。また、形態2は、図3に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。また、形態2は、約144℃に第1 吸熱ピークおよび約228℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定 (「DSC」) サーモグラムによりさらに特徴づけることができる。さらに、臭化チオトロピウム形態2は、約207.6℃の融点によりさらに特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態2は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0039】
形態2は臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくはメタノラート溶媒和物であることができる。好ましくは、メタノールの量はガスクロマトグラフィー (「GC」) により測定して約4.1%である。臭化チオトロピウムの結晶質形態2は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態2は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0040】
臭化チオトロピウムの形態2は、約1/1〜約3/1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
結晶化は、約1/1〜約3/1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することによって実施される。
【0041】
臭化チオトロピウムの溶液は、約1/1〜約3/1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって調製される。好ましくは、約50℃〜約70℃の温度、より好ましくは約60℃に加熱する。
【0042】
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、溶液を約25℃〜約20℃の温度に冷却する。好ましくは、この温度範囲は約3時間かけて到達させる。懸濁を少なくとも約2時間維持して、沈殿した結晶質形態の収率を増加させることが好ましい。
【0043】
形態2を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、次いで減圧下に少なくとも7時間乾燥することによって実施できる。
【0044】
さらに、本発明は、約27.7、27.8、30.3および30.5 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを提供する。この形態は形態Xと表示することができる。さらに、この形態は、約9.9、11.0、13.3、15.3、18.1、19.9および21.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけることができる。この形態は、また、図4に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。
【0045】
形態Xは、熱重量分析により約160℃において約5.3%〜約5.7%の減量段階によりさらに特徴づけることができ、ここでこのレベルは臭化チオトロピウムヘミ-酢酸溶媒和物の理論的値に対応する。この形態は、また、図5に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。形態Xは、また、約146℃〜約150℃の範囲の第1 吸熱ピークおよび約227℃〜約228℃の範囲の第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムにより特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態Xは下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0046】
形態Xは臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくは酢酸溶媒和物、より好ましくはヘミ-酢酸溶媒和物であることができる。好ましくは、酢酸の量はGCにより測定して約5.4%である。臭化チオトロピウムの結晶質形態Xは、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態Xは、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0047】
臭化チオトロピウムの形態Xは、酢酸、メタノールおよびヘプタンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
結晶化プロセスは、酢酸およびメタノールを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの第1 溶液を形成し、n-ヘプタンを第1 溶液に添加して第2 溶液を形成し、そして第2 溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0048】
酢酸およびメタノールを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって、第1 溶液を形成する。
酢酸およびメタノールを含んでなる第1 溶液中の酢酸/メタノールの比は、好ましくはそれぞれ約7/1〜約7/2 (v/v) である。
【0049】
第1 混合物を約40℃〜約50℃の温度、より好ましくは約45℃の温度に加熱する。好ましくは、加熱を約1.5時間実施する。
好ましくは、n-ヘプタンを第1 溶液に滴下する。好ましくは、滴下は少なくとも約20〜約40分かけて実施する。好ましくは、添加は約40℃〜約50℃の範囲の温度、より好ましくは約45℃の温度において実施する。n-ヘプタンの添加後、得られた第2 溶液を前述の温度に約0.5〜約1時間維持する。
【0050】
典型的には、第2溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。第2溶液を、好ましくは約30℃〜約20℃の範囲の温度、より好ましくは約30℃〜約23℃の温度に冷却して懸濁液を形成する。懸濁を少なくとも約3時間維持して、沈殿した結晶質形態の収率を増加させることが好ましい。
【0051】
形態Xを製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、濾過した形態をn-ヘプタンで洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0052】
さらに、本発明は、約8.8、9.0、11.7および17.7 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、結晶質臭化チオトロピウム (形態7と表示する) を提供する。形態7は、約13.4、15.1、15.3、15.6、18.1および20.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態7は、また、図6に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態7は、熱重量分析による約5.2%の減量によりさらに特徴づけることができる。形態7は、また、図7に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。形態7は、また、約136℃に第1 吸熱ピークおよび約228.0℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムにより特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態7は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0053】
形態7は臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくは酢酸溶媒和物であることができる。好ましくは、酢酸の量はGCにより測定して約1.7%である。臭化チオトロピウムの結晶質形態7は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態7は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0054】
臭化チオトロピウムの結晶質形態7は、酢酸およびアセトニトリルを含んでなる溶媒混合物と、ジイソプロピルエーテルを含んでなる抗溶媒とを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
結晶化プロセスは、前記溶媒中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてジイソプロピルエーテルを前記溶液に添加して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0055】
好ましくは、臭化チオトロピウムの溶液は、臭化チオトロピウムを前記溶媒と組合わせ、そして加熱することによって形成される。
前記溶媒混合物中の酢酸/アセトニトリルの比は好ましくはそれぞれ約1/4〜約1/5 (v/v) である。
【0056】
好ましくは、加熱は約40℃〜約50℃の範囲の温度において実施する。より好ましくは、加熱は約45℃の温度において実施する。好ましくは、加熱は約1.5時間実施する。
好ましくは、溶液にジイソプロピルエーテルを滴下し、より好ましくは少なくとも15分かけて滴下する。好ましくは、添加は約40℃〜約50℃の範囲の温度において、より好ましくは約45℃の温度において実施する。ジイソプロピルエーテルを添加した後、得られた懸濁液を前述の温度に約1時間維持する。
【0057】
典型的には、懸濁液を冷却して沈殿した生成物の収率を増加させる。好ましくは、冷却は約30℃〜約20℃の温度において実施し、より好ましくは溶液を約30℃〜約21℃の温度に冷却する。冷却を少なくとも3時間実施する。
【0058】
形態7を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、次いで濾過した形態をジイソプロピルエーテルで洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0059】
約16.2、16.5、28.0および28.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム (形態8と表示する) を提供する。形態8は、約9.9、11.0、13.4、15.3、17.9、19.7、20.9および21.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態8は、また、図8に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態8は、熱重量分析による約5.1%の減量によりさらに特徴づけることができる。形態8は、また、図9に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。形態8は、また、約149℃に第1 吸熱ピークおよび約226℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムにより特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態8は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0060】
形態8は臭化チオトロピウムの溶媒和形態、好ましくはアルコラート、より好ましくはメタノラートであることができる。臭化チオトロピウムの結晶質形態8は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態8は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0061】
臭化チオトロピウムの結晶質形態8は、メタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる方法により製造される。
この方法は、メタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0062】
好ましくは、メタノール中の臭化チオトロピウムの溶液は、臭化チオトロピウムをメタノールと組合わせ、そして加熱して溶液を形成することによって調製される。好ましくは、約61℃〜約65℃の範囲の温度に加熱する。より好ましくは、加熱は約63℃の温度において実施する。好ましくは、加熱は約1時間実施する。
【0063】
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、溶液を約27℃〜約22℃の範囲の温度に冷却する。より好ましくは、溶液を約22℃の温度に冷却する。上記温度は少なくとも2時間かけて到達させる。
得られた懸濁液を少なくとも約3.5時間維持して、沈殿した生成物の収率を増加させることができる。
【0064】
結晶質形態8を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。得られた沈殿は、この分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、次いで濾過した形態をメタノールで洗浄し、次いで乾燥することによって回収できる。
本発明は、また、臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物を提供する。
【0065】
本発明は、また、図10に描写する計算した粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態9と表示する) を提供する。前記ヘミ-n-プロパノール溶媒和物は、また、図10に描写する計算した粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。結晶質n-プロパノラート溶媒和物は、熱重量分析による約5.9%の減量によりさらに特徴づけることができ、ここでこのレベルは臭化チオトロピウムヘミ-n-プロパノール溶媒和物の理論的値に対応する。ヘミ-n-プロパノラートの化学量論的値は5.9%である。
【0066】
臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノール溶媒和物は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノール溶媒和物は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。当業者は認識するように、形態9は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0067】
本発明は、下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、ヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態9と表示する) を提供する: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.42、12.04、13.60 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.8、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。前記ヘミ-n-プロパノール形態は、また、図11に描写するORTEO図により実質的に同定することができる。
【0068】
本発明は、等温条件下に臭化チオトロピウムをn-プロパノールから結晶化させることを含んでなる、下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、臭化チオトロピウム形態9を製造する方法を提供する: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.4245、12.0419、13.6027 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.818、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。
【0069】
典型的には、用語 「等温条件」 は一定温度を意味する。好ましくは、形態9を製造する等温条件は25℃の温度である。
この方法は、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、この溶液を25℃に冷却して混合物を形成し、そして前記混合物を25℃に約5日間維持することを含んでなる。
【0070】
好ましくは、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液は、臭化チオトロピウムをn-プロパノールと組合わせ、そして加熱することによって形成される。加熱は好ましくは約80℃〜約100℃の温度、より好ましくは97℃において実施する。
典型的には、溶液を冷却して単結晶の沈殿を誘導する。
【0071】
形態9を製造する方法は、結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収は、この分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、次いで濾過した形態を洗浄し、次いで乾燥することによって実施できる。
【0072】
本発明は、約20.2、26.5、28.0および31.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態11と表示する) を提供する。形態11は、約8.9、15.6、17.7、21.7、23.4および24.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態11は、また、図12に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態11は、TGAによる約 < 0.1%の減量によりさらに特徴づけることができる。形態11は、また、図13に描写する熱重量分析曲線により実質的に同定することができる。形態11は、約227℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態11は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0073】
形態11は、臭化チオトロピウムの無水形態であることができる。臭化チオトロピウムの結晶質形態11は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの結晶質形態11は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0074】
臭化チオトロピウムの結晶質形態11は、臭化チオトロピウム溶媒和物を約160℃〜170℃の範囲の温度に加熱することを含んでなる方法により製造される。
好ましくは、臭化チオトロピウム溶媒和物は約160℃の温度に加熱する。好ましくは、加熱は約1時間〜約2時間、より好ましくは約1時間実施する。
【0075】
約20.9、21.1、21.4および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノール溶媒和物 (形態12と表示する) を提供する。
【0076】
形態12は、約9.9、11.0、13.5、15.3、18.1、19.9、20.9、21.1、21.4、23.9、25.1、27.1および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけることができる。形態12は、また、図14に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態12は約125℃〜約184℃の温度おける熱重量分析による約5.9%の減量によりさらに特徴づけることができ、ここでこのレベルは臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノール溶媒和物の理論的値に対応する。形態12は、また、図15に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。形態12は、約158℃に第1 吸熱ピークおよび約229℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけることができる。当業者は認識するように、形態12は下記を包含するが、これらに限定されない方法により特性決定することができる: 固体NMR、FTIRおよびラマン分光法。
【0077】
臭化チオトロピウム形態12は、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして約55℃〜約25℃の温度に冷却して懸濁液を形成することを含んでなる方法により製造される。
n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液は、臭化チオトロピウムをn-プロパノールと組合わせ、そして加熱することによって形成される。加熱は好ましくは約80℃〜約100℃、より好ましくは97℃の温度において実施する。
【0078】
典型的には、溶液を冷却して前記結晶質形態の沈殿を誘導する。溶液は好ましくは溶液を約55℃〜約25℃の温度に冷却する。好ましくは、冷却は徐々に実施する。徐々の冷却は約55℃の温度に到達させ、次いで約25℃〜約21℃の温度に冷却することによって実施する。好ましくは、約4時間かけて55℃に到達させる。好ましくは、約3時間かけて約25℃〜約21℃の温度に到達させる。
【0079】
好ましくは、冷却した懸濁液をさらに約5〜約18時間維持する。
形態9を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、濾過した形態を洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0080】
本発明は、臭化チオトロピウムの非晶質形態を提供する。非晶質臭化チオトロピウムは、図16に描写する粉末X線回折パターンにより実質的に同定することができる。臭化チオトロピウムの非晶質形態は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウムの他の形態、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウムの他の形態を含む比較的純粋な形態で提供することができる。好ましくは、臭化チオトロピウムの非晶質形態は、粉末X線回折により測定して、約10%以下の臭化チオトロピウム一水和物、好ましくは約5%以下の臭化チオトロピウム一水和物を含む比較的純粋な形態で提供することができる。
【0081】
臭化チオトロピウムの非晶質形態は、水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を凍結乾燥することを含んでなる方法により製造される。
【0082】
典型的には、凍結乾燥プロセスに任意の形態の臭化チオトロピウムを出発物質として使用できる。臭化チオトロピウムのメタノラート形態 (1、2および8と表示する) および臭化チオトロピウムのn-プロパノラート溶媒和物形態 (形態9と表示する) は、上記方法のための好ましい出発物質である。好ましくは、溶液は臭化チオトロピウムを水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中に溶解することによって調製する。好ましくは、溶解は約20℃〜約40℃の温度において実施する。得られた溶液を濾過した後、凍結乾燥する。凍結乾燥は約24〜約48時間実施できる。
【0083】
本発明は、それぞれ約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態3と表示する) を製造する方法を提供する。
【0084】
結晶化プロセスは、それぞれ約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の溶液を形成し、そして冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
溶液は、それぞれ約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって調製される。
【0085】
好ましくは、加熱を約50℃〜約70℃の温度、より好ましくは約60℃の温度において実施する。
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、約温室〜約-5℃に冷却する。温室より低い温度に冷却するとき、その温度に約5分かけて到達させる。
【0086】
好ましくは、懸濁を少なくとも約3時間維持して、結晶質形態の収率を増加させることができる。形態3を製造する方法は、懸濁液から結晶質形態を回収することをさらに含むことができる。
【0087】
形態3を製造する方法は、懸濁液から形態3を回収することをさらに含むことができる。この回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、そして窒素雰囲気下に約30分間乾燥し、次いで減圧下に少なくとも約15時間さらに乾燥することによって実施できる。
【0088】
本発明は、臭化チオトロピウムをn-ブタノールから結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.88、13.28、15.27、16.39、17.96、19.67、20.71および21.30 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態10と表示する) を製造する方法を提供する。
この方法は、n-ブタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてこの溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0089】
臭化チオトロピウムをn-ブタノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する。好ましくは、約90℃〜約96℃の範囲の温度に、より好ましくは約94℃の温度に加熱する。好ましくは、約90℃〜約96℃の範囲の温度に約2.5〜3時間加熱する。必要に応じて、熱溶液を濾過した後、冷却する。
【0090】
通常、溶液を冷却して結晶質生成物の沈殿を誘導する。溶液は好ましくは約25℃〜約20℃の範囲の温度に冷却し、より好ましくは溶液を約22℃に冷却する。上記温度に少なくとも約6時間かけて到達させる。
得られた懸濁を維持して、結晶化生成物の収率を増加させる。好ましくは、懸濁を少なくとも約5時間維持する。
【0091】
結晶質形態10を製造する方法は、懸濁液からそれを回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、濾過した形態をn-ブタノールで洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0092】
エタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態 (形態4と表示する) を製造する方法を提供する。
【0093】
好ましくは、この方法は、エタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてこの溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
臭化チオトロピウムをエタノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する。
【0094】
好ましくは、溶液を約70℃〜約80℃の範囲の温度に加熱する。より好ましくは、約73℃〜約78℃の範囲の温度に加熱する。
典型的には、溶液を冷却して結晶質形態の沈殿を誘導する。好ましくは、溶液を温室に冷却する。好ましくは、温室への冷却を約5時間かけて実施する。得られた懸濁を少なくとも約3時間維持して、結晶化生成物の収率を増加させる。
【0095】
上記結晶質形態を製造する方法は、懸濁液から前記結晶を回収するプロセスをさらに含むことができる。この回収プロセスはこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、そして窒素雰囲気下に約30分間乾燥し、次いで減圧下に少なくとも約9時間さらに乾燥することによって実施できる。
【0096】
臭化チオトロピウムをイソプロパノールから結晶化させることを含んでなる、約9.86、10.97、13.28、15.28、18.04、19.80、20.71および21.26 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法を提供する。
【0097】
この方法は、イソプロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてこの溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる。
【0098】
臭化チオトロピウムをイソプロパノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する。好ましくは、約80℃〜約100℃の温度に、より好ましくは約81℃に加熱する。好ましくは、イソプロパノールの組合わせを約80℃〜約100℃の温度に約5時間加熱する。必要に応じて、この熱溶液を濾過した後、冷却することができる。
【0099】
典型的には、溶液を冷却して結晶の沈殿を誘導する。溶液を好ましくは約25℃〜約21℃の温度に冷却し、より好ましくは溶液を約23℃〜約25℃の範囲の温度に冷却する。少なくとも約4時間かけて、好ましくは約4時間〜約5時間かけて、上記温度に到達させる。
得られた懸濁を維持して、結晶化生成物の収率を増加させる。好ましくは、懸濁を少なくとも約5時間維持する。
【0100】
前記結晶質形態を製造する方法は、懸濁液からそれを回収することをさらに含むことができる。回収はこの分野において知られている任意の方法により、例えば、濾過し、濾過した形態を洗浄し、そして乾燥することによって実施できる。
【0101】
水中の臭化チオトロピウムの混合物を形成することを含んでなる、約8.9、11.9、13.5、14.8、16.7、17.5、20.3、23.6、24.1および26.9 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの一水和物形態を製造する方法を提供する。
【0102】
出発臭化チオトロピウムは、任意の形態の臭化チオトロピウムであることができる。任意の形態の臭化チオトロピウムは、臭化チオトロピウムの溶媒和物、無水形態または非晶質形態を意味する。典型的には、臭化チオトロピウム溶媒和物は臭化チオトロピウムの任意の溶媒和物形態を意味する。好ましくは、臭化チオトロピウムの溶媒和物形態は、アルコラートおよび酢酸溶媒和物から成る群から選択される。好ましくは、アルコラートは臭化チオトロピウムの任意のアルコラート溶媒和物、より好ましくはメタノラート、エタノラート、n-プロパノール溶媒和物、イソ-プロパノラートおよびn-ブタノラート、最も好ましくはn-プロパノール溶媒和物およびメタノラートである。
【0103】
好ましくは、この混合物は室温において形成される。この方法は、混合物を室温において約4〜8時間維持する工程を含んでなることができる。
一水和物を製造する方法は、懸濁液から一水和物を回収することをさらに含むことができる。回収は懸濁液を濾過し、臭化チオトロピウムの一水和物形態の濾過した沈殿を洗浄し、そして窒素流下に乾燥することを含んでなる方法により実施できる。
【0104】
臭化チオトロピウムの新規な形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質と表示する) を微小化して配合に適当な物質を製造することができる。典型的には、微小化臭化チオトロピウムに関する用語 「配合に適当な」 は粒子の少なくとも90%が20ミクロン以下である臭化チオトロピウムに対応する。
【0105】
1つの態様において、本発明は、臭化チオトロピウムの微小化形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質と表示する) を提供する。典型的には、用語 「微小化」 は、粒子の少なくとも90%が20ミクロン以下である物質を意味する。
微小化プロセス後に、必要に応じて、微小化形態を適当な溶媒に暴露して溶媒和物中の溶媒の初期含有率を回復することを含んでなるプロセスを実施することができる。通常、用語 「適当な溶媒」 は、もとの溶媒和形態における種類の溶媒に対応する。
【0106】
本発明は、臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を提供する。
本発明は、臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0107】
本発明は、本発明の方法に従い製造された臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を提供する。
本発明は、本発明の方法に従い製造された臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0108】
本発明は、微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を提供する。
本発明は、微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、6、7、8、9、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
【0109】
本発明は、本発明の方法に従い製造された微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を提供する。
本発明は、本発明の方法に従い製造された微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態 (1、2、3、4、6、7、8、9、10、11および非晶質形態と表示する) と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法を提供する。
本発明の組成物は、臭化チオトロピウムの表示された形態の少なくとも1つを含んでなる粉末、粒体、凝集物および他の固体状組成物を包含する。
【0110】
さらに、本発明の臭化チオトロピウムの上記形態を含んでなる固体状配合物は、希釈剤、例えば、下記をさらに含むことができる: セルロース由来物質、例えば、粉末状セルロース、微結晶質セルロース、微小セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩および他の置換および非置換セルロース; デンプン; 予備糊化デンプン; 無機希釈剤、例えば、炭酸カルシウムおよび二リン酸カルシウムおよび薬学産業において知られている他の希釈剤。なお他の希釈剤は下記を包含する: 蝋、糖および糖アルコール、例えば、マンニトールおよびソルビトール、アクリレートのポリマーおよびコポリマー、ならびにペクチン、デキストリンおよびゼラチン。
【0111】
本発明において適当なそれ以上の賦形剤は、結合剤、例えば、アカシアゴム、予備糊化デンプン、アルギン酸ナトリウム、グルコースおよび湿式および乾式粒状化および直接圧縮プロセスにおいて使用されている他の結合剤を包含する。臭化チオトロピウムの上記形態の固体状配合物中に、また、存在することができる賦形剤は、さらに、崩壊剤、例えば、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスポピドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロースおよびその他を包含する。さらに、賦形剤は錠剤化滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウムおよびステアリルフマル酸ナトリウム; 香味剤; 甘味剤および保存剤を包含することができる。
【0112】
配合物は経口的、非経口的 (皮下、筋肉内および静脈内を包含する) に、吸入によりおよび眼に投与することができる。任意の所定の場合において最も適当な経路は、治療すべき症状の特質および重症度に依存し、本発明の最も好ましい経路は経口的経路である。投与量は単位投与形態で好都合に提供され、そして薬学分野においてよく知られている方法により製造される。
【0113】
投与形態は、固体状投与形態、例えば、錠剤、粉剤、カプセル剤、坐剤、サッシェ、トローチ剤およびロゼンジならびに液体懸濁液およびエリキシル剤を包含する。説明は限定を意図しないが、臭化チオトロピウムの固体状形態を区別する特性が失われる、臭化チオトロピウムの真の溶液に関することを意図しない。しかしながら、このような溶液を調製するための新規な形態の使用 (例えば、臭化チオトロピウムに加えて、溶媒和物とのある比で前記溶液に溶媒和物を放出するために) は、本発明の範囲内に入ると考えられる。
【0114】
カプセル剤の投与形態は、もちろん、ゼラチンまたは他の慣用のカプセル化物質から作ることができるカプセル内に、固体状組成物を含有するであろう。錠剤および粉剤を被覆することができる。また、錠剤および粉剤は腸溶剤皮で被覆することができる。腸溶剤皮で被覆された粉剤の形態は、下記を包含するが、これらに限定されない被膜を有することができる: フタル酸酢酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ポリビニルアルコール、カルボキシメチルエチルセルロース、スチレンとマレイン酸とのコポリマー、メタクリル酸とメチルメタクリレートとのコポリマー、およびその他の物質。必要に応じて、粉剤の形態は適当な可塑剤および/または増量剤を含有することができる。被覆された錠剤はその表面上に被膜を有することができるか、あるいは腸溶剤皮を有する粉剤または顆粒剤であることができる。
【0115】
当業者は理解するように、各ピークについて、一般に約 ± 0.2°2θ以下程度の典型的な小さい分析誤差が粉末X線回折測定において存在する。したがって、本明細書中の粉末X線回折ピークのデータは、「A、B、C、およびその他 ± 0.2°2θにおいてピークを有する粉末X線回折パターン」の形で提供される。これにより示されるように、問題の結晶質形態について、Aにおけるピークは、所定の実験の所定の計器において、A ± 0.2°2θ間のどこかに現れることができ、BにおけるピークはB ± 0.2°2θ間のどこかに現れることができるであろう、およびその他。個々のピークの同定における、このような小さい回避できない不確実さは、個々の結晶質形態の同定に関する不確実さに翻訳されていない。なぜなら、明瞭に結晶質形態を同定する働きをするのは、一般に1つの特定のピークではなく、特定した領域内のピークの特定の組合わせであるからである。別法において、本発明は、報告したピーク位置またはピーク高さに対して独立に、また、使用できる全体のパターンを提供する。
【0116】
ある種の好ましい態様を参照して本発明を説明してきたが、明細書を考慮して他の態様は当業者に明らかとなるであろう。本発明の組成物の製造および使用方法を詳細に説明する下記の実施例を参照することによって、本発明はさらに規定される。当業者にとって明らかなように、材料および方法の両方に関する多数の変更は、本発明の範囲から逸脱しないで実施することができる。
【実施例】
【0117】
利用する計器および試薬は下記を包含する:
計器: アギリレント・テクノロジーズ・モド (Agilent Technologies Mod.) 6850ガスクロマトグラフ
カラム: DB-WAX、30 m、0.32 mm ID、0.5 μm df
検出器: FID
温度 300℃
水素流 30.0 ml/分
空気流 300.0 ml/分
構成 ヘリウム; 30.0 ml/分 (全体の流れ)
【0118】
入口:
モード 無分割
温度 140℃
圧力 9.00 psi
気体型 ヘリウム
パージ流れ 60.0 ml/分
パージ時間 0.10分
全体の流れ 64.6 ml/分
注入容積 1.0 μl
【0119】
炉:
初期温度 40℃
初期時間 5.00分
ランプ
# 速度 最終温度 最終時間
(℃/分) (℃)
1 10.00 230 7.00
2 0.0
展開時間 31.00
洗浄溶媒: ジメチルスルホキシド
【0120】
下記についてのチェック:
ジイソプロピルエーテル、n-ヘプタン、アセトン、メタノール、ジクロロメタン、エタノール、アセトニトリル、酢酸。
【0121】
内部標準溶液:
250 μlのジオキサン → 250 mlのジメチルスルホキシド
ストック標準溶液:
1 mlの各溶媒を内部標準溶液で100.0 mlにする。
使用標準溶液:
1 mlのストック標準溶液を内部標準溶液で100.0 mlにする (0.1 μl/mlの各溶媒) 。
試料溶液:
100 mgの試料に1 mlの内部標準溶液を添加する。
【0122】
粉末X線回折:
ペルチエール (Peltier) 検出器およびCu Kα放射線、波長: 1.54178 ÅのX線源を装備する粉末X線回折 (「PXRD」) 分析。丸いゼロバックグラウンドの石英平板を有する丸い標準アルミニウム試料ホルダーを使用して、試料を導入する。走査パラメーター: 範囲: 2〜40°2θ、連続的走査、速度: 3°/分。ピーク位置の確度は、計装、試料調製およびその他のような実験的差のために ± 0.2°として規定する。
【0123】
臭化チオトロピウムn-プロパノール溶媒和物の分析のための単結晶X線回折法:
ψおよびω走査の組合わせを使用してエックスカリバー (Xcalibur) PX、Cu Kαにより、データを収集した。すべての非水素原子を非等方的に精製し、期待する幾何学的位置に乗る水素原子を精製し、OH水素原子をフーリエ地図から捜し出す。データの収集: クリスアリス・レッド (CrysAlis RED) (Oxford Diffraction、2002); セル精製: クリスアリス・レッド (CrysAlis RED); データ整理: クリスアリス・レッド (CrysAlis RED); 構造解明に使用するプログラム: SIR92 (Altomare 他、1994); 構造洗練に使用するプログラム: クリスタルス(CRYSTALS) (Betteridge 他、2003) 。
【0124】
熱重量分析 (「TGA」)
TGA/SDTA 851、メットラー・トレド (Mettler Toledo) 、試料重量: 7〜15 mg。
加熱速度: 10℃/分、N2流れ中: 流速: 50 ml/分。
走査範囲: 30〜250℃。
【0125】
示差走査熱量測定 (「DSC」)
DSC 822e/700、メットラー・トレド (Mettler Toledo) 、試料重量: 3〜5 mg。
加熱速度: 10℃/分、るつぼの孔の数: 3 、N2流れ中: 流速 = 40 ml/分。
走査範囲: 30〜250℃、加熱速度: 10℃/分。
【0126】
実施例1.臭化チオトロピウム形態1の製造
臭化チオトロピウム (2.50 g) を57℃においてメタノール/アセトンの混合物1/3 (v/v) (55 ml) 中に溶解した。この溶液を57℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で21℃に冷却し (固体の形成は観測されない) 、-10℃に約5分で急冷した。得られた懸濁液を-10℃に少なくとも3時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.0 mlの前記混合物で洗浄した。N2流下に21℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (40 ミリバール) 下に111℃において7時間乾燥すると、0.01 gの臭化チオトロピウム形態1が得られた。
【0127】
実施例2.臭化チオトロピウム形態2の製造
臭化チオトロピウム (2.50 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物3/1 (v/v) (13 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも2時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.5 mlの前記混合物で2回洗浄した。N2流下に22℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (40 ミリバール) 下に111℃において7時間乾燥すると、1.19 gの臭化チオトロピウム形態2が得られた。熱重量分析の減量: 2.3%。
【0128】
実施例3.臭化チオトロピウム形態2の製造
臭化チオトロピウム (1.00 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物1/1 (v/v) (8.5 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で21℃に冷却した。得られた懸濁液を21℃に少なくとも3時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.0 mlの前記混合物で3回洗浄した。N2流下に21℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (40 ミリバール) 下に111℃において7時間乾燥すると、0.154 gの臭化チオトロピウム形態2が得られた。熱重量分析の減量: 0.8%。
【0129】
実施例4.約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (2.50 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物3/1 (v/v) (13 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも2時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.5 mlの前記混合物で2回洗浄した。N2流下に22℃において30分間乾燥すると、1.40 gの臭化チオトロピウム形態3が得られた。熱重量分析の減量: 5.1%。
【0130】
実施例5.約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (2.50 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物3/1 (v/v) (13 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも3時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも2時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.5 mlの前記混合物で2回洗浄した。N2流下に22℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (40 ミリバール) 下に60℃において15時間乾燥すると、1.33 gの臭化チオトロピウム形態3が得られた。熱重量分析の減量: 4.3%。
【0131】
実施例6.約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (2.50 g) を60℃においてメタノール/アセトンの混合物3/1 (v/v) (13 ml) 中に溶解した。この溶液を60℃に約30分間加熱し、-5℃に急冷し (5分) 、-5℃に少なくとも3時間維持した。得られた懸濁液を焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を1.0 mlの前記混合物で洗浄した。N2流下に21℃において30分間乾燥すると、1.31 gの臭化チオトロピウム形態3が得られた。熱重量分析の減量: 4.5%。
【0132】
実施例7.約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (1.00 g) を78℃において無水エタノール (65 ml) 中に溶解した。この溶液を78℃に約30分間加熱し、次いで少なくとも6時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも3時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体を無水エタノール (2×1.0 ml) で2回洗浄した。N2流下に22℃において30分間乾燥し、次いで減圧 (17 ミリバール) 下に60℃において9時間乾燥すると、0.66 gの臭化チオトロピウム形態4が得られた。熱重量分析の減量: 4.8%。ヘミ-エタノラートの化学量論的値: 4.64%。
【0133】
実施例8.約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (0.80 g) を73℃においてエタノール96% (18.4 ml) 中に溶解した。この溶液を73℃に約1時間加熱し、次いで少なくとも5時間で23℃に冷却した。得られた懸濁液を23℃に少なくとも3時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、そして固体をエタノール96% (2×1.5 ml) で2回洗浄した。N2流下に23℃において1.5時間乾燥し、次いで減圧 (17 ミリバール) 下に60℃において5時間乾燥すると、0.39 gの臭化チオトロピウム形態4が得られた。熱重量分析の減量: 4.7%。ヘミ-エタノラートの化学量論的値: 4.64%。
【0134】
実施例9.臭化チオトロピウム形態Xの製造
臭化チオトロピウム (1.00 g) を45℃において酢酸/メタノールの混合物7/2 (v/v) (11 ml) 中に溶解し、この溶液を45℃に1.5時間加熱し、次いでn-ヘプタン (2.75 ml) を少なくとも20分で滴下した。得られた溶液を45℃に1時間加熱し (固体の形成は観測されない) 、23.5℃に少なくとも3時間冷却し、懸濁液を23.5℃に少なくとも3時間維持した。焼結ガラスの漏斗で濾過した後、固体を3.0 mlのn-ヘプタンで3回洗浄した。減圧 (18 ミリバール) 下に60℃において16時間乾燥すると、0.67 gの臭化チオトロピウム形態Xが得られた。熱重量分析の減量: 5.4%。
【0135】
実施例10.臭化チオトロピウム形態Xの製造
臭化チオトロピウム (0.50 g) を45℃において酢酸/メタノールの混合物7/1 (v/v) (10 ml) 中に溶解し、この溶液を45℃に1.5時間加熱し、次いでn-ヘプタン (2.5 ml) を少なくとも15分で滴下した。得られた溶液を45℃に0.5時間加熱し (固体の形成は観測されない) 、28℃に少なくとも3時間冷却し、懸濁液を28℃に少なくとも3時間維持した。焼結ガラスの漏斗で濾過した後、固体を2.0 mlのn-ヘプタンで3回洗浄した。減圧 (19 ミリバール) 下に60℃において18時間乾燥するか、あるいは18 ミリバールの圧力下に90〜100℃において7時間乾燥すると、0.29 gの臭化チオトロピウム形態Xが得られた。熱重量分析の減量: 5.7%。
【0136】
実施例11.臭化チオトロピウム形態7の製造
臭化チオトロピウム (0.60 g) を45℃において酢酸/アセトニトリルの混合物1/4 (v/v) (6.75 ml) 中に溶解し、この溶液を45℃に1時間加熱し、次いでジイソプロピルエーテル (DIPE) (6.75 ml) を少なくとも15分で滴下した。得られた懸濁液を45℃に少なくとも1時間加熱し、少なくとも3時間で21.5℃に冷却し、21.5℃に少なくとも3時間維持した。焼結ガラスの漏斗で濾過した後、固体を1.8 mlのジイソプロピルエーテル (DIPE) で3回洗浄した。N2流下に21℃において1時間乾燥すると、0.40 gの臭化チオトロピウム形態7が得られた。
【0137】
実施例12.臭化チオトロピウム形態8の製造
臭化チオトロピウム (0.80 g) をメタノール (3.4 ml) 中に63℃において溶解した。この溶液を63℃に約1時間加熱し、次いで少なくとも2時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を少なくとも3.5時間22℃に維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過した。固体をメタノール (2×0.8 ml) で2回洗浄し、22℃において1時間N2流下に乾燥すると、0.49 gの臭化チオトロピウム形態8が得られた。熱重量分析の減量: 5.1%。
【0138】
実施例13.臭化チオトロピウム形態9の製造
臭化チオトロピウム (45 mg) を97℃においてn-プロパノール (4 ml) 中に溶解した。次いで酢酸アミル (4 ml) をn-プロパノール中の臭化チオトロピウムの熱溶液に添加した。25℃において等温条件下に5日間結晶化させると、臭化チオトロピウム形態9の単結晶が得られた。ゴニオメーターアセンブリーのガラス針の上部で母液から粘着接着剤技術により、単結晶を捕捉し、298 Kにおいて測定した。
【0139】
実施例14.臭化チオトロピウムの製造
臭化チオトロピウム (0.40 g) を81℃においてイソプロパノール (160 ml) 中に溶解した。この溶液を81℃に約5時間加熱し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、次いで少なくとも4時間で23℃に冷却した。得られた懸濁液を少なくとも4時間23℃に維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過した。固体をイソプロパノール (2×1.0 ml) で2回洗浄し、23℃においてN2流下に1時間乾燥し、次いで60℃において減圧 (18ミリバール) 下に5時間乾燥すると、0.23 gの臭化チオトロピウムが得られた。熱重量分析の減量: 6.0%。
【0140】
実施例15.臭化チオトロピウム形態9の製造
【0141】
臭化チオトロピウム (4 g) を97℃においてn-プロパノール (348 ml) 中に溶解し、次いで55℃に4時間で冷却し、そして55℃から25℃に3時間で冷却した。20〜25℃において12時間攪拌した後、この懸濁液を濾過し、45℃において減圧下に20時間乾燥し、臭化チオトロピウム形態9 (3 g) が得られた。
【0142】
実施例16.臭化チオトロピウム形態9の製造
5% w/wの水を含有するn-プロパノール (60 ml) 中に83℃において臭化チオトロピウム (2 g) を溶解し、次いで25℃に4時間で冷却した。20〜25℃において12時間攪拌した後、この懸濁液を濾過し、45℃において減圧下に20時間乾燥し、臭化チオトロピウム形態9 (1.3 g) が得られた。
【0143】
実施例17.臭化チオトロピウム形態9の製造
2% w/wの水を含有するn-プロパノール (58.5 ml) 中に85℃において臭化チオトロピウム (2 g) を溶解し、次いで25℃に5時間で冷却した。20〜25℃において12時間攪拌した後、この懸濁液を濾過し、45℃において減圧下に20時間乾燥し、臭化チオトロピウム形態9 (1.8 g) が得られた。
【0144】
実施例18.約9.82、10.88、13.28、15.27、16.39、17.96、19.67、20.71および21.30 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの製造
粗製臭化チオトロピウム (0.40 g) をn-ブタノール (70 ml) 中に94℃において溶解した。この溶液を94℃に約2.5時間加熱し、焼結ガラスの漏斗で濾過し、次いで少なくとも6時間で22℃に冷却した。得られた懸濁液を22℃に少なくとも5時間維持し、焼結ガラスの漏斗で濾過した。固体をn-ブタノール (2×1.0 ml) で2回洗浄し、22℃においてN2流下に3時間乾燥し、次いで65℃において減圧 (18ミリバール) 下に16.5時間乾燥すると、0.133 gの臭化チオトロピウム形態10が得られた。熱重量分析の減量: 6.9%。
【0145】
実施例19.臭化チオトロピウム形態11の製造
臭化チオトロピウムメタノラート、ヘミ-n-ブタノラートおよびヘミ-酢酸溶媒和物を別々のガラス容器中で炉内において160℃に1時間加熱し、次いで各物質をX線回折により測定した。
【0146】
実施例20.臭化チオトロピウムの非晶質形態の製造
1 gの臭化チオトロピウムを室温において50 mlの水中に溶解し、次いでそれを濾過し (小さい不溶性粒子を除去するため) 、24時間凍結乾燥した。
チャンバー減圧: < 20 μm Hg
24時間の間のチャンバー温度: -40℃〜22℃。
【0147】
実施例21.臭化チオトロピウム一水和物を製造する一般的方法
臭化チオトロピウムを80.7 mlの水と混合し、この混合物を室温において4時間攪拌した。この混合物を濾過し、10 mlの水で洗浄した。生成物をフィルター上に減圧下にかつ窒素雰囲気下に室温において15分間放置して、一水和物形態が得られた。
【0148】
実施例22.臭化チオトロピウム一水和物の製造
チオトロピウムを水中に懸濁させ、この懸濁液を22〜25℃において4時間攪拌した。その後、それを濾過し、固体を10 mlの水で洗浄した。生成物をフィルター上に減圧下にかつ窒素雰囲気下に22〜25℃において15分間放置した。試料上の水分は4.3%であった (熱重量分析) 。
【0149】
実施例23.臭化チオトロピウムエタノラートからの臭化チオトロピウム一水和物の製造
13.45 gの臭化チオトロピウムエタノラートを80.7 mlの水中に懸濁させ、この懸濁液を室温において4時間攪拌した。それを濾過した後、10 mlの水で洗浄した。生成物をフィルター上に減圧下にかつ窒素雰囲気下に室温において15分間放置した。11.66 gの一水和物形態が得られた。試料上の水分は4.3%であった (熱重量分析) 。
【0150】
実施例24.臭化チオトロピウムの微小化
臭化チオトロピウムを微小化して、下記の粒度分布のターゲットを得た:
最小:80% < 5.84 μm
最小:0.6〜10ミクロンの間、70%
使用した微小化装置はジェットミル (Jet-mill) MC 50 (製造会社: Micro-Macinazionne) であった。32°05'の角度のノズルを設置した。
窒素を微小化気体として使用した。
微小化空気圧は10バールであった。
供給速度は0.2 kg/時であった。
上記プロセスで得られた微小化臭化チオトロピウムは下記の粒度分布値を有した:
80% ≦ 5.84 μm
0.6〜10ミクロンの間、93.76%
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】図1は、臭化チオトロピウム形態1の粉末X線回折パターンを示す。
【図2】図2は、臭化チオトロピウム形態2の粉末X線回折パターンを示す。
【図3】図3は、臭化チオトロピウム形態3の熱重量分析曲線を示す。
【図4】図4は、臭化チオトロピウム形態Xの粉末X線回折パターンを示す。
【図5】図5は、臭化チオトロピウム形態Xの熱重量分析曲線を示す。
【図6】図6は、臭化チオトロピウム形態7の粉末X線回折パターンを示す。
【図7】図7は、臭化チオトロピウム形態7の熱重量分析曲線を示す。
【図8】図8は、臭化チオトロピウム形態8の粉末X線回折パターンを示す。
【0152】
【図9】図9は、臭化チオトロピウム形態8の熱重量分析曲線を示す。
【図10】図10は、臭化チオトロピウム形態9の計算粉末X線回折パターンを示す。
【図11】図11は、臭化チオトロピウム形態9のORTEP図を示す。
【図12】図12は、臭化チオトロピウム形態11の粉末X線回折パターンを示す。
【図13】図13は、臭化チオトロピウム形態11の熱重量分析曲線を示す。
【図14】図14は、臭化チオトロピウム形態12の粉末X線回折パターンを示す。
【図15】図15は、臭化チオトロピウム形態12の熱重量分析曲線を示す。
【図16】図16は、非晶質臭化チオトロピウムの粉末X線回折パターンを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約8.7、15.3、15.5および25.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項2】
約9.9、13.3、18.0、20.2および24.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項1に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項3】
図1に描写する粉末X線回折パターンよりさらに特徴づけられる、請求項2に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項4】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのメタノール溶媒和物である、請求項1に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項5】
それぞれ約1:3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約8.7、15.3、15.5および25.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項6】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項5に記載の方法: a) 約1:3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてb) 前記溶液を冷却して懸濁液を形成する。
【請求項7】
約1:3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって臭化チオトロピウムの溶液を調製する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
約50℃〜約60℃の温度に加熱する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
約-6℃〜約-14℃の温度に冷却する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
溶液が約25℃〜約20℃の範囲の第1 温度に冷却され、次いで約-6℃〜約-14℃の範囲の第2 温度に冷却されるように、冷却を徐々に実施する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
約23.1、23.6、24.1、30.1および30.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項12】
約9.9、11.0、13.4、15.3、18.1、19.9、21.4、24.7、25.2、26.0および27.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項13】
図2に描写する粉末X線回折パターンよりさらに特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項14】
熱重量分析により約160℃において約0.8%〜約2.3%の減量段階によりさらに特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項15】
図3に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項14に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項16】
約144℃に第1 吸熱ピークおよび約228℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項17】
約207.6℃の融点によりさらに特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項18】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのメタノール溶媒和物である、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項19】
約1:1〜約3:1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約23.1、23.6、24.1、30.1および30.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項20】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項19に記載の方法: a) 約1:1〜約3:1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてb) 前記溶液を冷却して懸濁液を形成する。
【請求項21】
約1:1〜約3:1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって臭化チオトロピウムの溶液を調製する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
約50℃〜約70℃の温度に加熱する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
約25℃〜約20℃の温度に冷却する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
約27.7、27.8、30.3および30.5 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項25】
約9.9、11.0、13.3、15.3、18.1、19.9および21.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、請求項24に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項26】
図4に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項25に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項27】
熱重量分析により約160℃において約5.3%〜約5.7%の減量段階によりさらに特徴づけられる、請求項24に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項28】
図5に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項27に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項29】
約146℃〜約150℃の範囲の第1 吸熱ピークおよび約227℃〜約228℃の範囲の第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項24に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項30】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムの酢酸溶媒和物である、請求項24に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項31】
酢酸、メタノールおよびヘプタンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約27.7、27.8、30.3および30.5 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項32】
前記結晶化下記の工程を含んでなる、請求項31に記載の方法: a) 酢酸およびメタノールを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの第1 溶液を形成し、b) n-ヘプタンを第1 溶液に添加して第2 溶液を形成し、そしてc) 第2 溶液を冷却して懸濁液を形成する。
【請求項33】
酢酸およびメタノールを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって、第1 溶液を形成する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
酢酸およびメタノールを含んでなる第1 溶液中の酢酸/メタノールの比が約7/1〜約7/2 (v/v) である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第1 溶液の前記加熱を約40℃〜約50℃の温度において実施する、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
n-ヘプタンを第1 溶液に滴下する、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
添加を約40℃〜約50℃の範囲の温度において実施する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第2 溶液を約30℃〜約20℃の範囲の温度に冷却する、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
約8.8、9.0、11.7および17.7 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項40】
約13.4、15.1、15.3、15.6、18.1および20.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項39に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項41】
図6に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項40に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項42】
熱重量分析による約5.2%の減量によりさらに特徴づけられる、請求項39に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項43】
図7に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項42に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項44】
約136℃に第1 吸熱ピークおよび約228℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項39に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項45】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムの酢酸溶媒和物である、請求項39に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項46】
酢酸およびアセトニトリルを含んでなる溶媒混合物と、ジイソプロピルエーテルを含んでなる抗溶媒とを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約8.8、9.0、11.7および17.7 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項47】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項46に記載の方法: a) 前記溶媒中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてb) ジイソプロピルエーテルを前記溶液に添加して懸濁液を形成する。
【請求項48】
臭化チオトロピウムを前記溶媒と組合わせることによって臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして加熱する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記溶媒混合物中の酢酸/アセトニトリルの比がそれぞれ約1/4〜約1/5 (v/v) である、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
約40℃〜約50℃の範囲の温度において加熱を実施する、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
溶液にジイソプロピルエーテルを滴下する、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
約40℃〜約50℃の範囲の温度において添加を実施する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
約30℃〜約20℃の温度に冷却する、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
約16.2、16.5、28.0および28.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項55】
約9.9、11.0、13.4、15.3、17.9、19.7、20.9および21.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項56】
図8に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項55に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項57】
熱重量分析による約5.1%の減量によりさらに特徴づけられる、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項58】
図9に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項57に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項59】
約149℃に第1 吸熱ピークおよび約226℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項60】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのメタノール溶媒和物である、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項61】
メタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項62】
前記結晶化下記の工程を含んでなる、請求項61に記載の方法: a) メタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてb) 前記溶液を冷却して懸濁液を形成する。
【請求項63】
臭化チオトロピウムをメタノールと組合わせ、そして加熱して溶液を形成することによって、メタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成する、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
約61℃〜約65℃の範囲の温度に加熱する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
溶液を約27℃〜約22℃の範囲の温度に冷却する、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物。
【請求項67】
図10に描写する計算した粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物。
【請求項68】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノール溶媒和物である、請求項67に記載の臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物。
【請求項69】
下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノラート形態: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.42、12.04、13.60 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.8、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。
【請求項70】
図11に描写するORTEO図により特徴づけられる、請求項69に記載の臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノラート形態。
【請求項71】
等温条件下に臭化チオトロピウムをn-プロパノールから結晶化させることを含んでなる、下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、結晶質臭化チオトロピウムn-プロパノール溶媒和物を製造する方法: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.42、12.04、13.60 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.8、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。
【請求項72】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項71に記載の方法: a) n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、b) 前記溶液を25℃に冷却して混合物を形成し、そしてc) 前記混合物を25℃に約5日間維持する。
【請求項73】
臭化チオトロピウムをn-プロパノールと組合わせ、そして加熱することによって、臭化チオトロピウムのn-プロパノール中の溶液を形成する、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
約80℃〜約100℃の温度に加熱する、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
約20.2、26.5、28.0および31.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項76】
約8.9、15.6、17.7、21.7、23.4および24.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項75に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項77】
図12に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項76に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項78】
熱重量分析による約 < 0.1%の減量によりさらに特徴づけられる、請求項75に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項79】
図13に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項78に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項80】
約227℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項75に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項81】
臭化チオトロピウム溶媒和物を約160℃〜170℃の範囲の温度に加熱することを含んでなる、請求項75に記載の結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項82】
約20.9、21.1、21.4および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物。
【請求項83】
約9.9、11.0、13.5、15.3、18.1、19.9、20.9、21.1、21.4、23.9、25.1、27.1および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項82に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項84】
図14に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項83に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項85】
約125℃〜約184℃の温度おける熱重量分析による約5.9%の減量によりさらに特徴づけられる、請求項82に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項86】
図15に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項85に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項87】
約158℃に第1 吸熱ピークおよび約229℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項86に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項88】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノール溶媒和物である、請求項82に記載の結晶質臭化チオトロピウムn-プロパノール溶媒和物。
【請求項89】
n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして約55℃〜約25℃の温度に冷却して懸濁液を形成することを含んでなる、約20.9、21.1、21.4および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノラート溶媒和物を製造する方法。
【請求項90】
臭化チオトロピウムをn-プロパノールと組合わせ、そして加熱することによって、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成する、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
約80℃〜約100℃、より好ましくは97℃の温度に加熱する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
溶液を約55℃〜約25℃の温度に冷却する、請求項89に記載の方法。
【請求項93】
徐々に冷却する、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
臭化チオトロピウムの非晶質形態。
【請求項95】
図16に描写する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、請求項94に記載の非晶質臭化チオトロピウム。
【請求項96】
水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を凍結乾燥することを含んでなる、非晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項97】
凍結乾燥手順に任意の形態の臭化チオトロピウムを出発物質として使用する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
出発物質が請求項1、2および8に記載の臭化チオトロピウムメタノラートである、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
出発物質が請求項67、71および84に記載の臭化チオトロピウムn-プロパノラートである、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
臭化チオトロピウムを水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中に溶解することによって、溶液を調製する、請求項96に記載の方法。
【請求項101】
溶解を約20℃〜約40℃の温度において実施する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法。
【請求項103】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項102に記載の方法: a) 約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の溶液を形成し、そしてb) 冷却して懸濁液を形成する。
【請求項104】
約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
約50℃〜約70℃の温度に加熱する、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
約温室〜約-5℃の温度に冷却する、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
臭化チオトロピウムをn-ブタノールから結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.88、13.28、15.27、16.39、17.96、19.67、20.71および21.30 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法。
【請求項108】
結晶化がn-ブタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
臭化チオトロピウムをn-ブタノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
約90℃〜約96℃の範囲の温度に加熱する、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
溶液を約25℃〜約20℃の範囲の温度に冷却する、請求項108に記載の方法。
【請求項112】
エタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法。
【請求項113】
前記結晶化がエタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
臭化チオトロピウムをエタノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
溶液を約70℃〜約80℃の範囲の温度に加熱する、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
溶液を温室に冷却する、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
臭化チオトロピウムをイソプロパノールから結晶化させることを含んでなる、約9.86、10.97、13.28、15.28、18.04、19.80、20.71および21.26 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法。
【請求項118】
前記結晶化がイソプロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
臭化チオトロピウムをイソプロパノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
約80℃〜約100℃の温度に加熱する、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
溶液を約25℃〜約21℃の温度に冷却する、請求項118に記載の方法。
【請求項122】
水中の臭化チオトロピウムの混合物を形成することを含んでなる、約8、9、11.9、13.5、14.8、16.7、17.5、20.3、23.6、24.1および26.9 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの一水和物形態を製造する方法。
【請求項123】
出発臭化チオトロピウムが任意の形態の臭化チオトロピウムであることができる、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
出発臭化チオトロピウムが溶媒和物、無水形態または非晶質形態である、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
臭化チオトロピウムの溶媒和物形態がアルコラートおよび酢酸溶媒和物から成る群から選択される、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
アルコラートがメタノラート、エタノラート、n-プロパノラート、イソ-プロパノラートまたはn-ブタノラートから成る群から選択される、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
アルコラートがn-プロパノラートまたはメタノラートから成る群から選択される、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
臭化チオトロピウムの前記形態のいずれか1つが臭化チオトロピウムの前記形態のいずれかの他の約10%以下とともに存在する、請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの結晶質形態。
【請求項129】
臭化チオトロピウムの前記形態のいずれか1つが臭化チオトロピウムの前記形態のいずれかの他の約5%以下とともに存在する、請求項128に記載の臭化チオトロピウム。
【請求項130】
臭化チオトロピウムの前記形態のいずれか1つが臭化チオトロピウム一水和物の約10%以下とともに存在する、請求項128に記載の臭化チオトロピウム。
【請求項131】
臭化チオトロピウムの前記形態のいずれか1つが臭化チオトロピウム一水和物の約5%以下とともに存在する、請求項130に記載の臭化チオトロピウム。
【請求項132】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの微小化形態。
【請求項133】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物。
【請求項134】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法。
【請求項135】
本発明の方法に従い製造された請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物。
【請求項136】
本発明の方法に従い製造された請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法。
【請求項137】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物。
【請求項138】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法。
【請求項139】
本発明の方法に従い製造された請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物。
【請求項140】
本発明の方法に従い製造された請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法。
【請求項141】
臭化チオトロピウムの結晶質形態1。
【請求項142】
臭化チオトロピウムの結晶質形態2。
【請求項143】
臭化チオトロピウムの結晶質形態6。
【請求項144】
臭化チオトロピウムの結晶質形態7。
【請求項145】
臭化チオトロピウムの結晶質形態8。
【請求項146】
臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノラート形態。
【請求項147】
臭化チオトロピウムの結晶質形態11。
【請求項148】
臭化チオトロピウムの結晶質形態12。
【請求項1】
約8.7、15.3、15.5および25.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項2】
約9.9、13.3、18.0、20.2および24.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項1に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項3】
図1に描写する粉末X線回折パターンよりさらに特徴づけられる、請求項2に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項4】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのメタノール溶媒和物である、請求項1に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項5】
それぞれ約1:3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約8.7、15.3、15.5および25.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項6】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項5に記載の方法: a) 約1:3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてb) 前記溶液を冷却して懸濁液を形成する。
【請求項7】
約1:3 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって臭化チオトロピウムの溶液を調製する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
約50℃〜約60℃の温度に加熱する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
約-6℃〜約-14℃の温度に冷却する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
溶液が約25℃〜約20℃の範囲の第1 温度に冷却され、次いで約-6℃〜約-14℃の範囲の第2 温度に冷却されるように、冷却を徐々に実施する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
約23.1、23.6、24.1、30.1および30.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項12】
約9.9、11.0、13.4、15.3、18.1、19.9、21.4、24.7、25.2、26.0および27.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項13】
図2に描写する粉末X線回折パターンよりさらに特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項14】
熱重量分析により約160℃において約0.8%〜約2.3%の減量段階によりさらに特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項15】
図3に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項14に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項16】
約144℃に第1 吸熱ピークおよび約228℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項17】
約207.6℃の融点によりさらに特徴づけられる、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項18】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのメタノール溶媒和物である、請求項11に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項19】
約1:1〜約3:1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約23.1、23.6、24.1、30.1および30.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項20】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項19に記載の方法: a) 約1:1〜約3:1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてb) 前記溶液を冷却して懸濁液を形成する。
【請求項21】
約1:1〜約3:1 (v/v) の比を有するメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって臭化チオトロピウムの溶液を調製する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
約50℃〜約70℃の温度に加熱する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
約25℃〜約20℃の温度に冷却する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
約27.7、27.8、30.3および30.5 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項25】
約9.9、11.0、13.3、15.3、18.1、19.9および21.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、請求項24に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項26】
図4に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項25に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項27】
熱重量分析により約160℃において約5.3%〜約5.7%の減量段階によりさらに特徴づけられる、請求項24に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項28】
図5に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項27に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項29】
約146℃〜約150℃の範囲の第1 吸熱ピークおよび約227℃〜約228℃の範囲の第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項24に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項30】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムの酢酸溶媒和物である、請求項24に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項31】
酢酸、メタノールおよびヘプタンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約27.7、27.8、30.3および30.5 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項32】
前記結晶化下記の工程を含んでなる、請求項31に記載の方法: a) 酢酸およびメタノールを含んでなる混合物中の臭化チオトロピウムの第1 溶液を形成し、b) n-ヘプタンを第1 溶液に添加して第2 溶液を形成し、そしてc) 第2 溶液を冷却して懸濁液を形成する。
【請求項33】
酢酸およびメタノールを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって、第1 溶液を形成する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
酢酸およびメタノールを含んでなる第1 溶液中の酢酸/メタノールの比が約7/1〜約7/2 (v/v) である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第1 溶液の前記加熱を約40℃〜約50℃の温度において実施する、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
n-ヘプタンを第1 溶液に滴下する、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
添加を約40℃〜約50℃の範囲の温度において実施する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第2 溶液を約30℃〜約20℃の範囲の温度に冷却する、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
約8.8、9.0、11.7および17.7 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項40】
約13.4、15.1、15.3、15.6、18.1および20.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項39に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項41】
図6に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項40に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項42】
熱重量分析による約5.2%の減量によりさらに特徴づけられる、請求項39に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項43】
図7に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項42に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項44】
約136℃に第1 吸熱ピークおよび約228℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項39に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項45】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムの酢酸溶媒和物である、請求項39に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項46】
酢酸およびアセトニトリルを含んでなる溶媒混合物と、ジイソプロピルエーテルを含んでなる抗溶媒とを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約8.8、9.0、11.7および17.7 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項47】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項46に記載の方法: a) 前記溶媒中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてb) ジイソプロピルエーテルを前記溶液に添加して懸濁液を形成する。
【請求項48】
臭化チオトロピウムを前記溶媒と組合わせることによって臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして加熱する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記溶媒混合物中の酢酸/アセトニトリルの比がそれぞれ約1/4〜約1/5 (v/v) である、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
約40℃〜約50℃の範囲の温度において加熱を実施する、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
溶液にジイソプロピルエーテルを滴下する、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
約40℃〜約50℃の範囲の温度において添加を実施する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
約30℃〜約20℃の温度に冷却する、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
約16.2、16.5、28.0および28.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項55】
約9.9、11.0、13.4、15.3、17.9、19.7、20.9および21.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項56】
図8に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項55に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項57】
熱重量分析による約5.1%の減量によりさらに特徴づけられる、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項58】
図9に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項57に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項59】
約149℃に第1 吸熱ピークおよび約226℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項60】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのメタノール溶媒和物である、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項61】
メタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、請求項54に記載の結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項62】
前記結晶化下記の工程を含んでなる、請求項61に記載の方法: a) メタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そしてb) 前記溶液を冷却して懸濁液を形成する。
【請求項63】
臭化チオトロピウムをメタノールと組合わせ、そして加熱して溶液を形成することによって、メタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成する、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
約61℃〜約65℃の範囲の温度に加熱する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
溶液を約27℃〜約22℃の範囲の温度に冷却する、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物。
【請求項67】
図10に描写する計算した粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物。
【請求項68】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノール溶媒和物である、請求項67に記載の臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物。
【請求項69】
下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノラート形態: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.42、12.04、13.60 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.8、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。
【請求項70】
図11に描写するORTEO図により特徴づけられる、請求項69に記載の臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノラート形態。
【請求項71】
等温条件下に臭化チオトロピウムをn-プロパノールから結晶化させることを含んでなる、下記のデータを有する単結晶X線回折により特徴づけられる、結晶質臭化チオトロピウムn-プロパノール溶媒和物を製造する方法: 単斜晶系; Pcの空間群、(No. 7); 単位格子パラメーター: a、b、c: それぞれ13.42、12.04、13.60 [Å] 、およびα、β、γ: それぞれ90、103.8、90 [°]、および式C20.5H26BrNO4.5S2について2135 [Å3] の容積、4のZ; および1.53 [g/cm3] の計算密度D。
【請求項72】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項71に記載の方法: a) n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、b) 前記溶液を25℃に冷却して混合物を形成し、そしてc) 前記混合物を25℃に約5日間維持する。
【請求項73】
臭化チオトロピウムをn-プロパノールと組合わせ、そして加熱することによって、臭化チオトロピウムのn-プロパノール中の溶液を形成する、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
約80℃〜約100℃の温度に加熱する、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
約20.2、26.5、28.0および31.2 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項76】
約8.9、15.6、17.7、21.7、23.4および24.3 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項75に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項77】
図12に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項76に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項78】
熱重量分析による約 < 0.1%の減量によりさらに特徴づけられる、請求項75に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項79】
図13に描写する熱重量分析曲線によりさらに特徴づけられる、請求項78に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項80】
約227℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項75に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項81】
臭化チオトロピウム溶媒和物を約160℃〜170℃の範囲の温度に加熱することを含んでなる、請求項75に記載の結晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項82】
約20.9、21.1、21.4および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノール溶媒和物。
【請求項83】
約9.9、11.0、13.5、15.3、18.1、19.9、20.9、21.1、21.4、23.9、25.1、27.1および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項82に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項84】
図14に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項83に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項85】
約125℃〜約184℃の温度おける熱重量分析による約5.9%の減量によりさらに特徴づけられる、請求項82に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項86】
図15に描写する粉末X線回折パターンによりさらに特徴づけられる、請求項85に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項87】
約158℃に第1 吸熱ピークおよび約229℃に第2 吸熱ピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによりさらに特徴づけられる、請求項86に記載の結晶質臭化チオトロピウム。
【請求項88】
前記結晶質形態が臭化チオトロピウムのヘミ-n-プロパノール溶媒和物である、請求項82に記載の結晶質臭化チオトロピウムn-プロパノール溶媒和物。
【請求項89】
n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして約55℃〜約25℃の温度に冷却して懸濁液を形成することを含んでなる、約20.9、21.1、21.4および34.4 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質n-プロパノラート溶媒和物を製造する方法。
【請求項90】
臭化チオトロピウムをn-プロパノールと組合わせ、そして加熱することによって、n-プロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成する、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
約80℃〜約100℃、より好ましくは97℃の温度に加熱する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
溶液を約55℃〜約25℃の温度に冷却する、請求項89に記載の方法。
【請求項93】
徐々に冷却する、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
臭化チオトロピウムの非晶質形態。
【請求項95】
図16に描写する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、請求項94に記載の非晶質臭化チオトロピウム。
【請求項96】
水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中の臭化チオトロピウムの溶液を凍結乾燥することを含んでなる、非晶質臭化チオトロピウムを製造する方法。
【請求項97】
凍結乾燥手順に任意の形態の臭化チオトロピウムを出発物質として使用する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
出発物質が請求項1、2および8に記載の臭化チオトロピウムメタノラートである、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
出発物質が請求項67、71および84に記載の臭化チオトロピウムn-プロパノラートである、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
臭化チオトロピウムを水、t-ブタノール、メタノールまたはそれらの混合物中に溶解することによって、溶液を調製する、請求項96に記載の方法。
【請求項101】
溶解を約20℃〜約40℃の温度において実施する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物から臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.91、13.45、15.34、17.93、19.71、20.90および21.45 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる、臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法。
【請求項103】
前記結晶化が下記の工程を含んでなる、請求項102に記載の方法: a) 約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物中の溶液を形成し、そしてb) 冷却して懸濁液を形成する。
【請求項104】
約3/1 (v/v) の比のメタノールおよびアセトンを含んでなる混合物と臭化チオトロピウムを組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
約50℃〜約70℃の温度に加熱する、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
約温室〜約-5℃の温度に冷却する、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
臭化チオトロピウムをn-ブタノールから結晶化させることを含んでなる、約9.82、10.88、13.28、15.27、16.39、17.96、19.67、20.71および21.30 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法。
【請求項108】
結晶化がn-ブタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
臭化チオトロピウムをn-ブタノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
約90℃〜約96℃の範囲の温度に加熱する、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
溶液を約25℃〜約20℃の範囲の温度に冷却する、請求項108に記載の方法。
【請求項112】
エタノールから臭化チオトロピウムを結晶化させることを含んでなる、約9.92、11.03、13.41、15.31、18.10、19.91、20.94および21.41 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法。
【請求項113】
前記結晶化がエタノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
臭化チオトロピウムをエタノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
溶液を約70℃〜約80℃の範囲の温度に加熱する、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
溶液を温室に冷却する、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
臭化チオトロピウムをイソプロパノールから結晶化させることを含んでなる、約9.86、10.97、13.28、15.28、18.04、19.80、20.71および21.26 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの結晶質形態を製造する方法。
【請求項118】
前記結晶化がイソプロパノール中の臭化チオトロピウムの溶液を形成し、そして前記溶液を冷却して懸濁液を形成することを含んでなる、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
臭化チオトロピウムをイソプロパノールと組合わせ、そして加熱することによって、溶液を形成する、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
約80℃〜約100℃の温度に加熱する、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
溶液を約25℃〜約21℃の温度に冷却する、請求項118に記載の方法。
【請求項122】
水中の臭化チオトロピウムの混合物を形成することを含んでなる、約8、9、11.9、13.5、14.8、16.7、17.5、20.3、23.6、24.1および26.9 ± 0.2°2θにピークを有する粉末X線回折パターンにより特徴づけられる臭化チオトロピウムの一水和物形態を製造する方法。
【請求項123】
出発臭化チオトロピウムが任意の形態の臭化チオトロピウムであることができる、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
出発臭化チオトロピウムが溶媒和物、無水形態または非晶質形態である、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
臭化チオトロピウムの溶媒和物形態がアルコラートおよび酢酸溶媒和物から成る群から選択される、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
アルコラートがメタノラート、エタノラート、n-プロパノラート、イソ-プロパノラートまたはn-ブタノラートから成る群から選択される、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
アルコラートがn-プロパノラートまたはメタノラートから成る群から選択される、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
臭化チオトロピウムの前記形態のいずれか1つが臭化チオトロピウムの前記形態のいずれかの他の約10%以下とともに存在する、請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの結晶質形態。
【請求項129】
臭化チオトロピウムの前記形態のいずれか1つが臭化チオトロピウムの前記形態のいずれかの他の約5%以下とともに存在する、請求項128に記載の臭化チオトロピウム。
【請求項130】
臭化チオトロピウムの前記形態のいずれか1つが臭化チオトロピウム一水和物の約10%以下とともに存在する、請求項128に記載の臭化チオトロピウム。
【請求項131】
臭化チオトロピウムの前記形態のいずれか1つが臭化チオトロピウム一水和物の約5%以下とともに存在する、請求項130に記載の臭化チオトロピウム。
【請求項132】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの微小化形態。
【請求項133】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物。
【請求項134】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法。
【請求項135】
本発明の方法に従い製造された請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物。
【請求項136】
本発明の方法に従い製造された請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法。
【請求項137】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物。
【請求項138】
請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法。
【請求項139】
本発明の方法に従い製造された請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物。
【請求項140】
本発明の方法に従い製造された請求項1、11、24、39、54、66、67、69、75、82および94のいずれかに記載の微小化臭化チオトロピウムの少なくとも1つの形態と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる医薬処方物を製造する方法。
【請求項141】
臭化チオトロピウムの結晶質形態1。
【請求項142】
臭化チオトロピウムの結晶質形態2。
【請求項143】
臭化チオトロピウムの結晶質形態6。
【請求項144】
臭化チオトロピウムの結晶質形態7。
【請求項145】
臭化チオトロピウムの結晶質形態8。
【請求項146】
臭化チオトロピウムの結晶質ヘミ-n-プロパノラート形態。
【請求項147】
臭化チオトロピウムの結晶質形態11。
【請求項148】
臭化チオトロピウムの結晶質形態12。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2009−513675(P2009−513675A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538130(P2008−538130)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048734
【国際公開番号】WO2007/075858
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(505216117)シコール インコーポレイティド (35)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048734
【国際公開番号】WO2007/075858
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(505216117)シコール インコーポレイティド (35)
【Fターム(参考)】
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