説明

臼蓋用コンポーネント

【課題】ライナーのポリエチレン粉の発生による骨融解の誘発を抑制でき、臼蓋へのカップの十分な固定力も確保でき、更に、骨成長を阻害してしまうことも抑制できる、臼蓋用コンポーネントを提供する。
【解決手段】カップ11は、半球殻状に設けられ、骨盤100の臼蓋100aに設置される。固定機構12は、カップ11を臼蓋100aへ固定する。カップ11には、その縁部分の外表面側において、凹み形成された凹み部分11bが設けられる。固定機構12は、骨盤100に対して螺合するスクリュー部12aと、カップ11の凹み部分11bに対して係合するカップ係合部12bと、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工股関節において用いられ、臼蓋に設置される臼蓋用コンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、股関節に異常が認められた患者に対して、人工股関節を適用し、股関節の一部又は全部を人工股関節で置換する人工股関節節置換術が行われている。そして、上述したような人工股関節においては、骨盤の臼蓋に対しては半球殻状に設けられたカップを有する臼蓋用コンポーネントが設置され、大腿骨に対しては骨頭の一部又は全部を置換するコンポーネントが用いられる。
【0003】
上述した臼蓋用コンポーネントとして、特許文献1において従来技術として開示されているように、カップを臼蓋へ固定する機構としてカップの壁部を貫通して骨盤へ螺合するネジが用いられたものが知られている。この臼蓋用コンポーネントの場合、カップの壁部において、ネジが貫通するための貫通孔が設けられることになる。
【0004】
臼蓋用コンポーネントにおけるカップに対しては、その内側において、大腿骨側の骨頭部分を構成するコンポーネントに対して摺動するポリエチレン製のライナーが取り付けられる。そして、前述のようにカップの壁部に貫通孔が設けられた臼蓋用コンポーネントの場合、ライナーと骨頭部分のコンポーネントとの間の摩擦によるライナーの摩耗によって発生したポリエチレン粉が、ライナーとカップとの間を経てカップの貫通孔から骨盤側へ入り込み、これにより骨融解が誘発される虞があることが知られている。
【0005】
一方、特許文献1においては、カップの壁部に貫通孔が設けられていない形態の臼蓋用コンポーネントが開示されている。この臼蓋用コンポーネントにおけるカップには、カップの縁部分に一体に設けられるとともに、カップの縁部分から外側に広がるように形成されたリブが設けられている。そして、このリブには、骨盤へ螺合してカップを臼蓋へ固定するためのネジが貫通するための貫通孔が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−513054号公報(第7−16頁、図2A−図9E)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたような、リブが設けられたカップを有する臼蓋用コンポーネントの場合、カップの壁部に貫通孔が設けられていないため、ライナーのポリエチレン粉の発生による骨融解の誘発を抑制することができる。そして、この臼蓋用コンポーネントによると、骨盤へ螺合するネジによってカップを臼蓋へ固定できるため、臼蓋へのカップの十分な固定力も確保することができる。
【0008】
しかしながら、上記の臼蓋用コンポーネントの場合、カップの縁部分から外側に広がるように形成されたリブがカップの縁部分に一体に設けられている。このため、このリブが、骨成長への影響を生じて骨成長を阻害する要因となってしまう虞がある。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、ライナーのポリエチレン粉の発生による骨融解の誘発を抑制でき、臼蓋へのカップの十分な固定力も確保でき、更に、骨成長を阻害してしまうことも抑制できる、臼蓋用コンポーネントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための第1発明に係る臼蓋用コンポーネントは、人工股関節において用いられ、臼蓋に設置される臼蓋用コンポーネントであって、半球殻状に設けられ、骨盤の臼蓋に設置されるカップと、前記カップを臼蓋へ固定する固定機構と、を備えている。そして、第1発明に係る臼蓋用コンポーネントは、前記カップには、その縁部分の外表面側において、凹み形成された凹み部分が設けられ、前記固定機構は、骨盤に対して螺合するスクリュー部と、前記カップの前記凹み部分に対して係合するカップ係合部と、を有していることを特徴とする。
【0011】
この発明によると、固定機構がカップの壁部を貫通することがなく、カップの壁部に貫通孔が設けられることがないため、ライナーのポリエチレン粉の発生による骨融解の誘発を抑制することができる。そして、本発明では、固定機構が、骨盤へ螺合するスクリュー部とカップの凹み部分に係合するカップ係合部とを備えてカップを臼蓋へ固定する機構として設けられているため、臼蓋へのカップの十分な固定力を確保することができる。更に、本発明では、固定機構は、カップの縁部分の外表面に凹み形成された凹み部分にカップ係合部が係合する構成のため、カップの縁部分から外側に広がって骨成長への影響を生じる特許文献1に開示されたリブのような構造も不要となる。このため、固定機構が骨成長を阻害してしまうことも抑制されることになる。
【0012】
従って、本発明によると、ライナーのポリエチレン粉の発生による骨融解の誘発を抑制でき、臼蓋へのカップの十分な固定力も確保でき、更に、骨成長を阻害してしまうことも抑制できる、臼蓋用コンポーネントを提供することができる。
【0013】
第2発明に係る臼蓋用コンポーネントは、第1発明の臼蓋用コンポーネントにおいて、前記カップの前記凹み部分は、螺旋方向に沿って部分的に延びる溝である螺旋溝として設けられ、前記カップ係合部は、前記螺旋溝に螺合するように螺旋方向に沿って延びる突起である螺旋状突起として設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明によると、カップの凹み部分が螺旋溝として設けられ、カップ係合部が螺旋状突起として設けられるため、螺旋状突起を回転させて螺旋溝に螺合させることで容易且つ強固にカップ係合部をカップに係合させることができる。また、カップ係合部が螺旋状突起として設けられるため、カップの凹み部分に係合するカップ係合部の構造を大幅にコンパクト化でき、更に骨成長の阻害を抑制し易い構造を実現できる。
【0015】
第3発明に係る臼蓋用コンポーネントは、第1発明又は第2発明の臼蓋用コンポーネントにおいて、前記固定機構は、前記スクリュー部と前記カップ係合部とが一体に形成された部材として設けられ、前記カップ係合部が、螺旋方向に沿って延びる突起である螺旋状突起として設けられ、前記カップ係合部の直径寸法が、前記スクリュー部の直径寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、固定機構が、スクリュー部よりも大径の螺旋状突起として設けられたカップ係合部がスクリュー部と一体に形成された部材として設けられる。このため、固定機構を回転させることで、同時タイミングで容易に、スクリュー部を骨盤に螺合させるとともにカップ係合部をカップに係合させることができる。よって、術者が臼蓋用コンポーネントの設置作業を容易且つ迅速に行うことができ、更に、固定機構の部材点数の削減を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、ライナーのポリエチレン粉の発生による骨融解の誘発を抑制でき、臼蓋へのカップの十分な固定力も確保でき、更に、骨成長を阻害してしまうことも抑制できる、臼蓋用コンポーネントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】人工股関節について骨盤及び大腿骨の一部とともに示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る臼蓋用コンポーネントが臼蓋に設置された状態を示す斜視図である。
【図3】図2に示す臼蓋用コンポーネントにおけるカップを示す斜視図である。
【図4】図2に示す臼蓋用コンポーネントにおける固定機構を示す斜視図である。
【図5】変形例に係る固定機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、人工股関節において用いられ、臼蓋に設置される臼蓋用コンポーネントとして広く適用することができるものである。
【0020】
図1は、本発明の一実施の形態に係る臼蓋用コンポーネント1を含む人工股関節について骨盤100及び大腿骨101の一部とともに示す断面図である。また、図2は、臼蓋用コンポーネント1が骨盤100の臼蓋(寛骨臼窩)100a(図1を参照)に設置された状態を示す斜視図である。尚、図2では、骨盤100の一部を示しており、骨盤100の表面の凹凸をメッシュ状の線で模式的に示している。
【0021】
図1及び図2に示すように、臼蓋用コンポーネント1は、人工股関節において用いられ、臼蓋100aに設置される。尚、図2に示す人工股関節は、臼蓋用コンポーネント1に加え、ライナー102、ステム103、及び骨頭ボール104を更に備えて構成されている。臼蓋用コンポーネント1、ステム103、骨頭ボール104は、生体埋植用に医療機器としての認可承認を得たチタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼などの金属材料を素材として構成されている。ライナー102は、ポリエチレンを素材として構成されている。
【0022】
ステム103は、大腿骨101の髄腔部101aに一端側が埋植されて配置される棒状に形成される。そして、ボール状に形成されて骨頭部分を構成する骨頭ボール104が、ステム103の他端側に取り付けられる。尚、本実施形態では、骨頭ボール104がステム103に連結される構成を例にとって人工股関節を説明しているが、この通りでなくてもよく、骨頭ボール104がステム103に一体に形成されていてもよい。
【0023】
ライナー102は、半球殻状に形成され、半球面状に内側に凹む摺動面102aが形成されている。そして、ライナー102は、臼蓋用コンポーネント1におけるカップ11の内側に取り付けられる。更に、大腿骨101に配置されたステム103に連結された骨頭ボール104が、ライナー102に対してその摺動面102aにおいて摺動するように配置される。このように、臼蓋用コンポーネント1を含む人工股関節が構成されることになる。
【0024】
次に、臼蓋用コンポーネント1について詳しく説明する。図1及び図2に示す臼蓋用コンポーネント1は、カップ11と固定機構12とを備えて構成されている。
【0025】
図3は、カップ11を示す斜視図である。図1乃至図3に示すカップ11は、半球殻状に設けられて、骨盤100の臼蓋100aに設置される。そして、カップ11の内側には、貫通孔が設けられていない半球面状のライナー取付面11aが形成され、このライナー取付面11aに対してライナー102が嵌め込まれるようにして取り付けられる。このカップ11は、前述のように、チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼などの金属材料を素材として構成されている。
【0026】
また、カップ11には、その縁部分の外表面側において、凹み形成された凹み部分11bが設けられている。この凹み部分11bは、螺旋方向に沿って部分的に延びる溝である螺旋溝として設けられている。本実施形態では、凹み部分11bを構成する螺旋溝は複数(3つ)設けられ、これらの複数の螺旋溝は、同一のピッチの1つの螺旋方向に沿って配置されている。
【0027】
尚、カップ11の外表面であって臼蓋100aに対して設置される臼蓋設置面11cには、臼蓋100aに対する固定性能を向上させるための表面処理が施されていてもよい。例えば、アパタイトコーティング処理や、溶射処理、粗面化処理、等の骨盤100に対する固定性能を向上させるための表面処理が施されていてもよい。
【0028】
図4は、固定機構12を示す斜視図である。尚、図4に示す固定機構12は、図3に示すカップ11に対して拡大して図示されている。図2及び図4に示す固定機構12は、カップ11を臼蓋100aに固定する機構として構成されている。この固定機構12は、前述のように、チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼などの金属材料を素材として構成されている。
【0029】
固定機構12は、軸状に延びる部材として設けられ、スクリュー部12aとカップ係合部12bとを備えて構成されている。そして、この固定機構12は、スクリュー部12aとカップ係合部12bとが一体に形成された部材として設けられている。尚、この固定機構12においては、スクリュー部12aが設けられる部分と、カップ係合部12bが設けられる部分とが、直列に直線状に並んで設けられている。
【0030】
また、スクリュー部12aは、骨盤100に対して螺合する雄ネジ部分として設けられている。一方、カップ係合部12bは、カップ11の凹み部分11bに対して係合する部分として設けられている。そして、このカップ係合部12bは、凹み部分11bである螺旋溝に螺合するように螺旋方向に沿って複数ピッチに亘って延びる突起である螺旋状突起として設けられている。尚、カップ係合部12bの直径寸法は、スクリュー部12aの直径寸法よりも大きく設定されている。
【0031】
次に、人工股関節置換術における臼蓋用コンポーネント1についての骨盤100の臼蓋100aに対する設置作業について説明する。臼蓋用コンポーネント1の臼蓋100aへの設置においては、まず、カップ11が、臼蓋設置面11cにおいて、臼蓋100aに対して嵌め込まれるようにして設置される。
【0032】
次いで、カップ11が設置された骨盤100における凹み部分11bに対応する箇所に対して、固定機構12が、骨盤100に螺合して固定される。このとき、人工股関節置換術を行う術者は、スクリュー部12aにおいて固定機構12を骨盤100に螺合させるように、固定機構12の操作用の手術器具(図示せず)を用いて、固定機構12の回転操作を行う。
【0033】
また、上述した固定機構12の回転操作が行われることで、スクリュー部12aに一体に設けられたカップ係合部12bが、カップ11における凹み部分11bに対応する位置において、骨盤100に螺合するスクリュー部12aとともに回転することになる。そして、スクリュー部12aとともに回転する螺旋状突起としてのカップ係合部12bが、螺旋状溝として設けられたカップ11の凹み部分11bに対して螺合して係合することになる。これにより、固定機構12が、骨盤100に対して螺合するとともにカップ11に係合し、カップ11を臼蓋100aに固定することになる。
【0034】
尚、カップ11が臼蓋100aに対して十分な固定力で嵌め込まれて固定されていると術者が判断した場合は、固定機構12によってカップ11を臼蓋100aに固定する上記の作業が省略されることもある。
【0035】
以上説明した臼蓋用コンポーネント1によると、固定機構12がカップ11の壁部を貫通することがなく、カップ11の壁部に貫通孔が設けられることがないため、ライナー102のポリエチレン粉の発生による骨融解の誘発を抑制することができる。そして、臼蓋用コンポーネント1では、固定機構12が、骨盤100へ螺合するスクリュー部12aとカップ11の凹み部分11bに係合するカップ係合部12bとを備えてカップ11を臼蓋100aへ固定する機構として設けられているため、臼蓋100aへのカップ11の十分な固定力を確保することができる。更に、臼蓋用コンポーネント1では、固定機構12は、カップ11の縁部分の外表面に凹み形成された凹み部分11bにカップ係合部12bが係合する構成のため、カップ11の縁部分から外側に広がって骨成長への影響を生じる特許文献1に開示されたリブのような構造も不要となる。このため、固定機構12が骨成長を阻害してしまうことも抑制されることになる。
【0036】
従って、本実施形態によると、ライナー102のポリエチレン粉の発生による骨融解の誘発を抑制でき、臼蓋100aへのカップ11の十分な固定力も確保でき、更に、骨成長を阻害してしまうことも抑制できる、臼蓋用コンポーネント1を提供することができる。
【0037】
また、臼蓋用コンポーネント1によると、カップ11の凹み部分11bが螺旋溝として設けられ、カップ係合部12bが螺旋状突起として設けられるため、螺旋状突起であるカップ係合部12bを回転させて螺旋溝である凹み部分11bに螺合させることで容易且つ強固にカップ係合部12bをカップ11に係合させることができる。また、カップ係合部12bが螺旋状突起として設けられるため、カップ11の凹み部分11bに係合するカップ係合部12bの構造を大幅にコンパクト化でき、更に骨成長の阻害を抑制し易い構造を実現できる。
【0038】
また、臼蓋用コンポーネント1によると、固定機構12が、スクリュー部12aよりも大径の螺旋状突起として設けられたカップ係合部12bがスクリュー部12aと一体に形成された部材として設けられる。このため、固定機構12を回転させることで、同時タイミングで容易に、スクリュー部12aを骨盤100に螺合させるとともにカップ係合部12bをカップ11に係合させることができる。このため、術者が臼蓋用コンポーネント1の設置作業を容易且つ迅速に行うことができ、更に、固定機構12の部材点数の削減を図ることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0040】
(1)前述の実施形態では、固定機構が、スクリュー部とカップ係合部とが一体に形成された部材として設けられている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、スクリュー部とカップ係合部とが別部材として設けられ、これらが互いに連結されて固定されることで固定機構が構成される形態であってもよい。
【0041】
(2)カップにおける凹み部分の形態と固定機構におけるカップ係合部の形態とについては、前述の実施形態で例示した形態に限らず、種々変更して実施してもよい。即ち、凹み部分は、螺旋方向に沿って部分的に延びる溝である螺旋溝以外の形態として構成されてもよい。また、カップ係合部は、螺旋溝に螺合するように螺旋方向に沿って延びる突起である螺旋状突起以外の形態として構成されてもよい。
【0042】
尚、図5は、変形例に係る固定機構13を示す斜視図である。図5に示す固定機構13は、スクリュー部13aとカップ係合部13bとを備えて構成されている。スクリュー部13aは、前述の実施形態におけるスクリュー部12aと同様に構成されている。一方、カップ係合部13bは、前述の実施形態におけるカップ係合部12bのような螺旋方向に沿って複数ピッチに亘って延びる螺旋状突起とは異なる形態のカップ係合部として設けられている。このカップ係合部13bは、軸状の部材である固定機構13のスクリュー部13aと反対側の端部に設けられ、螺旋方向に沿って部分的に延びる突起状の部分として設けられている。このようなカップ係合部13bが設けられた固定機構13とカップ11とを備えて構成される臼蓋用コンポーネントを実施してもよい。
【0043】
(3)前述の実施形態では、固定機構が1つ備えられた形態の臼蓋用コンポーネントを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、前述の実施形態における固定機構12を複数備え、カップ11の縁部分の外表面側において、各固定機構12に対応する凹み部分11bがカップ11の周方向に亘って複数個所に設けられている形態の臼蓋用コンポーネントを実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、人工股関節において用いられ、臼蓋に設置される臼蓋用コンポーネントとして、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0045】
1 臼蓋用コンポーネント
11 カップ
11b 凹み部分
12 固定機構
12a スクリュー部
12b カップ係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工股関節において用いられ、臼蓋に設置される臼蓋用コンポーネントであって、
半球殻状に設けられ、骨盤の臼蓋に設置されるカップと、
前記カップを臼蓋へ固定する固定機構と、
を備え、
前記カップには、その縁部分の外表面側において、凹み形成された凹み部分が設けられ、
前記固定機構は、骨盤に対して螺合するスクリュー部と、前記カップの前記凹み部分に対して係合するカップ係合部と、を有していることを特徴とする、臼蓋用コンポーネント。
【請求項2】
請求項1に記載の臼蓋用コンポーネントであって、
前記カップの前記凹み部分は、螺旋方向に沿って部分的に延びる溝である螺旋溝として設けられ、前記カップ係合部は、前記螺旋溝に螺合するように螺旋方向に沿って延びる突起である螺旋状突起として設けられていることを特徴とする、臼蓋用コンポーネント。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の臼蓋用コンポーネントであって、
前記固定機構は、前記スクリュー部と前記カップ係合部とが一体に形成された部材として設けられ、
前記カップ係合部が、螺旋方向に沿って延びる突起である螺旋状突起として設けられ、
前記カップ係合部の直径寸法が、前記スクリュー部の直径寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする、臼蓋用コンポーネント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−115368(P2012−115368A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266120(P2010−266120)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(504418084)日本メディカルマテリアル株式会社 (106)
【Fターム(参考)】