説明

航空機用ターボジェットエンジン

本発明は、ナセル(101)の中に収められるモータ(103)と、モータ(103)の推進システムに関与する流体を冷やすことを目的とした熱交換器(107)とを有する航空機用ターボジェットエンジン(100)に関するものである。熱交換器(107)は、モータ(103)の外側壁(105)のところに配置され、空気が中を循環することができるようになっている間隙の空間が、モータ(103)の外側壁(105)と熱交換器(107)の下部壁との間に設けられる。本発明はまた、そのようなターボジェットエンジンを少なくとも一つ備える航空機にも関している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用ターボジェットエンジンに関するものである。
より正確には、本発明は、熱交換器に関するものであり、該熱交換器は、表面式熱交換器とも呼ばれ、ターボジェットエンジンの中に収められる。
本発明による熱交換器は、例えば、オイルのようなターボジェットエンジンの推進システムの流体を冷却して、少なくとも部分的に冷却される前記推進システムの中に該流体が再び投入されることができるようにすることを目的とする。
本発明はまた、そのようなターボジェットエンジンを少なくとも一つ有する航空機にも関している。
【背景技術】
【0002】
一般的に、本発明による熱交換器は、ターボジェットエンジンの中またはその周辺部を循環することを目的とした流体を冷却することが必要とされることから、応用例を見出すものである。
【0003】
民間航空の分野においては、付属の熱交換器を利用して、ターボジェットエンジンのモータの中を循環するオイルを冷却することが既知である。
熱いオイルは、熱交換器の中に運ばれ、そこで冷却されてから、推進システムにおいて再利用される。
【0004】
従来技術の図1において、従来技術のターボジェットエンジン1ならびに二つの熱交換器6および12が断面図で示されている。
【0005】
ターボジェットエンジン1は、モータ3を中に収めるナセル2を有する。
モータ3は、空気の分岐体5を介して、ナセル2の内側壁4に固定される。
【0006】
従来技術においては、一般的に、熱交換器用に二つの可能な配置が存在する。
すなわち、熱交換器は、モータ3の本体のところかナセル2のところに位置決めすることができる。
【0007】
熱交換器6がモータ3の本体のところに装着されるとき、該熱交換器はより正確には、モータ3を少なくとも部分的に囲むモータ保護カバー8とモータ3それ自体との間に設けられる内部空間7の中に収められる。
空気の入口9は、ターボジェットエンジン1を通り抜ける冷たい空気流束から冷たい空気を取り込み、その空気を熱交換器6の内部に運ぶ。
冷たい空気は、熱交換器のマトリクスを通過するが、該熱交換器の中には冷却対象の熱いオイルが循環する。
二つの流体は、仕切壁によって互いに分離されて混ざらない。
熱交換は、マトリクスの内部で成される。
部分的に温まった空気は、空気の出口10を通って熱交換器6から出て、ナセルから外に出る副次的な空気流束の中に再び投入される。
【0008】
熱交換器12がナセル2のところに位置決めされる場合において、該熱交換器はより正確には、前記ナセル2の内部空間の中に収められる。
空気の入口13は、ターボジェットエンジン1を通り抜ける冷たい空気流束から冷たい空気を取り込み、その空気を前記熱交換器12の内部に運ぶ。
熱交換器12のマトリクスを通過した後、この空気の流量は、空気の出口14を通ってナセル2の外側に排出されるか、あるいは特有の空気の出口(図示は省略)を通ってモータの内部の流れの中に再び導入される。
【0009】
そのような熱交換器は、推進効率およびモータへの空気力学的影響の観点から最適な解決案とはなっておらず、そしてこのことは複数の理由によるものである。
熱交換器のマトリクスを通過する空気がモータの内部の流れの外に排気される場合において、すなわち外側に向いた空気の出口を用いたナセルの中への装着の場合において、空気の取込みは、モータの推力に貢献しない、あるいはほとんど貢献しない限りにおいて、推進効率の直接の損失となる。
熱交換器のマトリクスを通過する空気がモータの内部の流れの中に再導入される場合、つまりモータの本体の中への装着の場合において、熱交換器のマトリクスは、その内部構造によって流れの中に大きな圧力損失を誘発し、またモータの下流の空気力学的流れを多かれ少なかれ有意に混乱させる傾向にある。
その上、単数あるいは複数の内部配管の空気の入口ならびに空気の出口があることにより、圧力損失を生み出し、多かれ少なかれ有意にモータの内部の流れを混乱させる。
【0010】
他の既知の解決案にプレート式熱交換器の利用がある。
とりわけ、それが連結するナセル2の内側壁4の形状に局部的にぴったり一致するプレート式熱交換器が既知である。
熱交換器の上部表面は、ナセルの内側壁4に連結しており、一方下部表面は、ナセル2の内部空間を通り抜ける冷たい空気流束の中に位置する。
熱交換器の内部に運ばれた熱は、熱伝導によって、前記熱交換器の下部表面を形成するプレートの内側表面に移される。
この熱いプレートを、ナセル2の中を流れる冷たい空気流束がかすめて通り過ぎる。
熱いプレートの中に蓄積される熱は、このように強制対流によってターボジェットエンジン1の空気力学的流れの方に消散される。
【0011】
従来技術の熱交換器のこの第二の実施態様の不都合は、ターボジェットエンジンから出る騒音公害の現在の低減システムと相いれないということである。
すなわち、この騒音公害を減らすために、ナセル2の内側壁4を音響ライニング11で少なくとも部分的に覆うことが既知である。
より一般的には、ナセル2とモータ保護カバー8の各内側壁および外側壁は、これらの壁のうちの二つが互いに正面に向かい合っているため、この音響ライニング11で覆われることになる。
この音響ライニング11の存在は、ナセル2の内側壁4へのプレート式熱交換器の結合と両立しない。
そのようなプレート式熱交換器を利用するためには、音響ライニング11を局部的に取り除く必要がありえようが、このことは結局、騒音公害についての寸法の決定基準をみると難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明において、熱交換器について、接線方向の気体の流れと接触して前記熱交換器を通過する流体を冷やすことを目的としたもの、の現在の位置にとって代わるものを提供しようと努める。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのために本発明は、熱交換器を、音響ライニングが存在する可能性があるナセルの冷たい壁のところにではなく、そのような音響ライニングのないモータあるいはナセルの壁のところに配置することを提案する。
ターボジェットエンジンの現在の形状から考えて、ナセルの下流に位置するモータの外側壁の部分、すなわち前記モータのジェットノズルのところのみが、本発明による熱交換器を受けいれることができる。
外側壁のこの部分は、モータから出る第一次の空気流束の排出口のところに位置しているので、非常に大きな温度の上昇を受ける可能性がある。
したがって、熱交換が、熱交換器を通過する熱い流体から、前記熱交換器をかすめて通り過ぎる冷たい空気の方に向かってなされるのではなく、モータの熱い壁から、それよりも温度の低い、熱交換器を通過する液体の方に向かってなされるおそれがある。
【0014】
本発明において、この望ましくない熱交換を避けるために、モータのジェットノズルのところでの熱交換器の有利な位置を保ちながらも、熱交換器が設置される熱い壁から熱交換器を熱遮断することを提案する。
そのために、モータの熱い外側壁と熱交換器の下部壁の間に熱遮断のための空気層を設け、これらの二つの壁の間の望ましくない熱交換を制限する。
下部壁とは、ナセルの内側壁の方へ向けられる上部壁と反対の、モータの方へ向けられる熱交換器の壁を意味する。
この断熱層によって、モータの熱い壁と熱交換器の下部壁との間の直接接触を、二つの壁の間に高い熱抵抗を作り上げることによって避けることができる。
有利には、断熱空気層のところに設けられる空気の入口および出口は、空気の流量が、これら二つの壁の間に設けられる空間内での空気の長すぎる停滞を避けるのに十分となるようなものである。
すなわち、空気の流量が全くない、または不十分だと、そこに停滞する断熱空気層は、モータの熱い壁によって熱せられるおそれがあり、したがって、その熱遮断の役割をもはや果たすことができなくなるおそれがある。
またエアポケット、すなわち二つの壁の間に設けられる空間に停滞する空気、を準備することもできるが、このエアポケットは、例えば熱い空気用の出口弁を開くことおよび冷たい空気の進入を可能にする弁を開くことによって、定期的に入れ替えられる。
当然ながら、本発明による熱交換器はまた、ジェットノズルの上流に、あるいはナセルの内側壁にさえも配置されることもできる。
その場合、断熱空気層は働きは劣るであろうが、しかし熱交換器の機能を害するものとはならないであろう。
【0015】
本発明はしたがって、航空機用ターボジェットエンジンを対象としており、該航空機用ターボジェットエンジンは、ナセルの中に収められるモータと、モータの推進システムに関与する流体を冷やすことを目的とした熱交換器とを有するものであり、熱交換器がモータの外側壁のところに配置され、空気が中を循環することができるようになっている間隙の空間がモータの外側壁と熱交換器の下部壁との間に設けられることを特徴としている。
間隙の空間とは、空気力学的障害を生み出す可能性のある、モータの壁の外側表面のところに過度の突出部をとりわけ作り出さないために、熱交換器とモータの熱い壁との間の距離を最小にするように制限された立体の空間を意味する。
本発明による間隙の空間の外側輪郭は、該間隙の空間が断熱する熱交換器の外側輪郭に沿っている。
【0016】
熱交換器は、プレート式熱交換器のような、表面式熱交換器であることができ、該熱交換器は、冷却対象の流体が中で循環する単数または複数のプレートを備えており、冷却用の空気はプレートの間を循環する。
熱交換器が、冷却対象の流体が中で循環する管路が貫通する収納箱を有することもまた可能であり、冷却用の空気は管路の周りを循環する。
【0017】
推奨的には、本発明による熱交換器は、モータの後部端のところに配置されるが、そこは前記モータの外部壁の表面を覆いうる音響ライニングはまったく存在しないところである。
【0018】
本発明によるターボジェットエンジンの実施例によると、以下の追加の特徴の全部あるいは一部を準備することが可能である。
ターボジェットエンジンは、モータの外側壁への熱交換器の固定手段を有する。
固定手段は、少なくとも一つの補強材を有する。
単数または複数の該補強材は、垂直あるいは水平であることができる。
間隙の空間はエアポケットを形成し、該エアポケットの中で空気は部分的に停滞する。
部分的に停滞することとは、エアポケットを通って通過する冷却用空気のナセル内滞在時間が、ナセルの全体に通じる内部空間を通り抜ける冷たい空気のナセル内滞在時間を上回ることを意味する。
モータの外側壁は、熱交換器が中に収まるくりぬきを、モータの延長部分に広がるように有する。
このようにして、空気力学的混乱を生み出しうる、モータの外側壁の表面のあらゆる突出部がなくなる。
熱交換器は、空気の入口を備え、該空気の入口は、熱交換器本体の上流に配置され、間隙の空間内に空気を運ぶのに適合している;
空気の入口は、ナセルを通り抜ける副次的な空気流束の中から空気を取り込む。
でなければ、モータ本体とモータ保護カバーとの間に設けられる換気装置の空気から空気を取り込むことが可能である。
熱交換器は、熱交換器本体の下流に設けられる空気の出口を有し、該空気の出口は、間隙の空間の中を循環する空気が前記間隙の空間の外、推奨的にはナセルを通り抜ける副次的な流束の中に流れるのを可能にするのに適合している。
空気流束を換気装置の空気の中に再び投入することを想定することもまた可能である。
【0019】
間隙の空間に供給する空気の入口および出口は、単純なスリットあるいは穴で形成されることができる。
前記間隙の空間における空気の出入りを好きなように調節するように、前記空気の入口および出口に特有の閉鎖装置を備えることもまた可能である。
熱交換器は、モータの円形の外周の全体にわたって設けられる。
点の表面式熱交換器を有することもまた可能である、すなわち、モータの熱い壁の外側表面の限られた一部分しか覆わないものである。
【0020】
本発明は、以下の記述を読むことによって、また記述に付随する図面を検討することによって、よりよく理解されるものである。
図面は、参考までに示されるものであり、本発明を限定するものでは全くない。
図面は以下を表している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】既に記述された従来技術の熱交換器を備えたターボジェットエンジンの縦断面図である。
【図2】本発明の一つの実施例による熱交換器を有するターボジェットエンジンの分解組立概略図である。
【図3A】本発明による熱交換器の一例の、モータの外側壁への配置の、縦断面による概略図である。
【図3B】本発明による熱交換器の他の一例の、モータの外側壁への配置の、縦断面による概略図である。
【図4A】本発明による熱交換器の一つの実施例を備えたモータの外側壁の拡大図である。
【図4B】本発明による熱交換器の他の一つの実施例を備えたモータの外側壁の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2には、本発明による熱交換器107を備えたターボジェットエンジン100が示される。
【0023】
ターボジェットエンジン100は、ナセル101を有し、該ナセルの内部空間102はモータ103を収容する。
従来技術の図1の記述において説明されたように、ナセル101の内側壁104は、ほとんどの場合、音響処理(図示は省略)で覆われており、これはナセル101の内側壁104の正面にある、モータ103の外側壁105の前部部分も同様である。
反対に、モータ103の後部端106は、ナセル101によって覆われておらず、そのような音響ライニングは常にない。
本発明によると、有利には、熱交換器107は、モータ103の後部端106のところに配置される。
前部と後部とは、ナセルを通り抜ける副次的な空気流束Fの流れの方向に関連することを意味する。
【0024】
図3Aおよび図3Bには、熱交換器107を備えた後部端106のところの、モータ103の外側壁105の二つの断面図が示される。
【0025】
モータ103の外側壁105は、熱交換器107を収容するくりぬき108を設けるようにくぼんでいる。
したがって、熱交換器の上部壁110は、ナセル101の内側壁104の方に向けられて、モータ103の外側壁105の外側表面111と同じ高さに達する。
ナセル101の内部空間102を通り抜ける副次的な空気流束は、熱交換器107があることによる、空気力学的混乱を受けない。
【0026】
本発明による間隙の空間116は、くりぬき108の中に設けられ、そして熱交換器107の下部壁112とモータ103の外側壁105の外側表面111によって画定される。
【0027】
図3Aで示される例において、熱交換器107は、例えば、モータ103の推進システムからのオイルのような、冷却対象の流体が中を循環する収納箱で形成されている。
【0028】
図3Bは、熱交換器107の別の形状を表している。
モータ103の外側壁105の外側表面111と熱交換器107の下部壁112との間に設けられるくりぬき108の輪郭は、前記熱交換器107の外側輪郭にほぼ沿っている。
有利には、熱交換器107の下流に設けられる空気の出口114のところで空気の流量を減らすように、対応する間隙の空間116の中に隘路113が形成される。
上流および下流とは、ナセル101の内部空間102の中の副次的な空気流束Fの流れの方向に関連することを意味する。
このように、断熱の空気層を形成する空気が中で部分的に停滞するエアポケットが、形成される。
【0029】
いずれにせよ、間隙の空間116は、例えばナセル101内を循環する副次的な空気流束Fからくる断熱の空気流束fが通過するのに適合している。
【0030】
熱交換器107の上流に配置される空気の入口115は、間隙の空間116の中への空気の進入を容易にするように、副次的な空気流束Fの流れの方向に向けられる。
【0031】
有利には、空気の出口114は、抵抗を制限して断熱の空気fの流出を容易にするように、空気力学的な開口である。
【0032】
熱交換器107は、例えば、補強材によってモータ103の外側壁105の外側表面111に固定されるが、該補強材の寸法は、前記間隙の空間116の所望の大きさに比例する。
【0033】
別の実施例において、またこれは図2で示されるとおりであるが、熱交換器107は、モータ103の外側壁105に直接取り付けられる。
すなわち、外側壁は、外側壁105の第一の層と第二の層との間に貫通するスリットを設けるように穴があいているのであるが、これら二つの層は互いに局部的に連結したままである。
貫通するスリットとは、該スリットが上流と下流の二つの点で外に通じることを意味する。
熱交換器107は、第一の層、言い換えると上部の層の厚みの中に取り付けられる。
【0034】
このように、モータ103の外側壁105の外側表面111には、空気力学的混乱を生み出しうるいかなる高低差も存在しないことが保証される。
【0035】
図2で示される例において、熱交換器107は、モータ103の外周全体にわたって取り付けられる。
当然ながら、熱交換器107を前記モータ103の部分的な外周にわたって取り付けることもまた可能である。
【0036】
図3Bでは、垂直の補強材117が示されており、該垂直の補強材は、熱交換器の下部壁112を、モータ103の外側壁105の外側表面111に連結するものである。
垂直とは、補強材がモータの壁から熱交換器107まで半径方向に延びることを意味する。
【0037】
図4Aおよび図4Bで、本発明による熱交換器107における、モータ103の外側壁105の拡大図を見ることができる。
図4Aの空気の入口115は、空気の出口114と対称である。
より正確には、空気の入口115も空気の出口114も、縦のスリットでできており、熱交換器107の幅全体にわたって延びている。
幅とは、ターボジェットエンジンの縦軸に対して垂直に広がる次元を意味する。
【0038】
図4Bでは、反対に、空気の入口115は点である、すなわち、熱交換器107の部分的な幅にわたって設けられる。
したがって、間隙の空間116に入り込む断熱の空気流束fの流量は、図4Aで示される例におけるより、図4Bで示される例における方が少ない。
【0039】
いずれにせよ、間隙の空間116を通って通過する断熱の空気流束fは、モータ103の熱い外側壁105と熱交換器107の下部壁112との間の断熱を保つのに適合しており、これらの二つの壁の間の熱の交換を最小にするようにする。
【0040】
図2で示されるような、空気の出口114を通って外に出る断熱の空気流束fは、ナセルの内部空間から外に出る副次的な空気流束Fに、およびジェットノズルから外に出る第一次の空気流束F’に混ざる。
間隙の空間に供給するために副次的な空気流束Fのところで取り込まれる空気の量は比較的少ないので、ナセル101の内部空間102の内部の空気力学的流れを妨げることはない。
また、空気流束がモータの保護カバーと本体との間に設けられる換気装置の空気から取り込まれる場合において、ナセル101の内部でいかなる空気力学的障害も存在しない。
【符号の説明】
【0041】
100 ターボジェットエンジン
101 ナセル
102 内部空間
103 モータ
104 内側壁
105 外側壁
106 後部端
107 熱交換器
108 くりぬき
110 上部壁
111 外側表面
112 下部壁
113 隘路
114 出口
115 入口
116 空間
117 補強材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用ターボジェットエンジン(100)であって、ナセル(101)の中に収められるモータ(103)と、モータの推進システムに関与する流体を冷やすことを目的とした熱交換器(107)とを有するものであり、
熱交換器が、モータの外側壁(105)のところに配置され、
空気が中を循環することができるようになっている間隙の空間(116)が、モータの外側壁と熱交換器の下部壁(112)との間に設けられることを特徴とする、航空機用ターボジェットエンジン。
【請求項2】
ターボジェットエンジンであって、モータの外側壁への熱交換器の固定手段を有することを特徴とする、請求項1に記載のターボジェットエンジン。
【請求項3】
ターボジェットエンジンであって、固定手段が少なくとも一つの補強材(117)を有することを特徴とする、請求項2に記載のターボジェットエンジン。
【請求項4】
ターボジェットエンジンであって、間隙の空間がエアポケットを形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載のターボジェットエンジン。
【請求項5】
ターボジェットエンジンであって、モータの外側壁が、熱交換器が中に収まるくりぬき(108)を、モータの延長部分に広がるように有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載のターボジェットエンジン。
【請求項6】
ターボジェットエンジンであって、熱交換器が、空気の入口(115)を備え、
該空気の入口が、熱交換器本体の上流に配置され、間隙の空間内に空気を運ぶのに適合していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一つに記載のターボジェットエンジン。
【請求項7】
ターボジェットエンジンであって、空気の入口が、ナセルを通り抜ける副次的な空気流束(F)の中から空気を取り込むことを特徴とする、請求項6に記載のターボジェットエンジン。
【請求項8】
ターボジェットエンジンであって、熱交換器が、熱交換器本体の下流に設けられる空気の出口(114)を有し、
該空気の出口が、間隙の空間の中を循環する空気が前記間隙の空間の外に流れるのを可能にするのに適合していることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一つに記載のターボジェットエンジン。
【請求項9】
ターボジェットエンジンであって、熱交換器が、モータの円形の外周の全体にわたって設けられることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一つに記載のターボジェットエンジン。
【請求項10】
航空機であって、請求項1から9のいずれか一つに記載のターボジェットエンジンを少なくとも一つ有する、航空機。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2009−541657(P2009−541657A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517345(P2009−517345)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051470
【国際公開番号】WO2008/000994
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(507189703)エアバス フランス (35)
【氏名又は名称原語表記】AIRBUS FRANCE