説明

航空機通信システム及び携帯無線通信装置と地上との間における関連する通信方法

航空機通信システムは、少なくとも1つの携帯無線通信装置との間で無線通信を送受信する航空機内に配置された無線LANアクセスポイントを有する。コントロールパネルは、無線LANアクセスポイントに動作可能に接続され、航空機のフライトデッキ内に配置される。通信トランシーバは、コントロールパネルと無線LANアクセスポイントと共に動作し、無線LANアクセスポイントと地上トランシーバとの間で通信信号を送受信するよう動作可能である。携帯無線通信装置と地上トランシーバとの間の通信は、1つの非限定的な実施例によるコントロールパネルを使用してフライトデッキから制御可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、航空機通信の分野に関し、より詳細には、航空機対空通信システム及び関連方法に関する。
[発明の背景]
2001年9月11日に起こった悲劇的な出来事は、航空当局の新たな認識をもたらした。2001年9月11日前には、大部分の政府当局は、国内のハイジャックが過去のものであると信じていた。主として選択された国際線の飛行をプロテクトするため、33人の武装した訓練されたFAM(Federal Air Marshal)しか従事していなかった。FAMは、既存の通信機器若しくは航空機オペレーションを妨害することなく利用可能な標準的な当局の通信機器の欠落のため、外部リソースと通信できずに行動していた。これを知って、9月11日のテロリストは最も少ない抵抗した受けない国内線の飛行をターゲットにした。
【0002】
現在、数千人のFAMが、民間航空会社を保護することによって航空セキュリティを向上させるために割り当てられている。残念なことに、これらのFAMは、依然として飛行中は孤立しており、互いに、乗務員と、又は航空オペレーションコントロールセンターや連邦航空警察サービスオペレーションセンターなどの何れかの地上のMOC(Mission Operation Center)と無線により秘かに通信することはできない。FAMのための航空通信を確保しようとするいくつかの試みは、Inmarsat(Aero−I及びAero−H)やIridiumを含むSATCOM(衛星通信)リンクを利用することに着目してきた。各航空機に約25,000ドルの取得及び設置コストがかかるため、これらのSATCOM手段はコストのかかるものである。約8,000機の米国民間航空機にこのようなシステムを設置することは、大変費用のかかるものとなる。この高い投資によってでさえ、これらの手段の一部は秘密の通信を提供することができない。
【0003】
AirfoneTM対空電話システムを利用してFAMによる対空通信を支援するための他の提案があるが、このタイプの通信システムは、セキュアでなく、また無線によるものでもない。それはまた、FAMが座席の電話に拘束されることを余儀なくし、FAMが飛行中に隠密行動を維持することを困難にする。他の提案されている衛星通信及びセルラーシステムは、高価なインフラストラクチャを必要とし、秘密及び無線によるものでない。
【0004】
他の提案が、米国特許第6,676,078号、第6,725,035号及び第6,816,087号に提供されている。例えば、’078号特許は、テロリスト行為をコックピットの乗務員に警告する方法及びシステムを開示している。FOBが、フライトアテンダントに携帯される。アンテナ送信ユニット(ASU)が乗客のキャビンに配置され、コックピットディスプレイユニット(CDU)が航空機のコックピットに配置される。フライトアテンダントは、ASUを介しCDUに符号化信号を送信し、警報インディケータをコックピットの乗務員に提供することによって、コックピットに警報信号を送信することが可能である。CDUはまた、トランスポンダコードとACARSメッセージを地上のユニットに送信することが可能である。当該システムは、無線ブザーシステムと同様に動作する。それはフライトアテンダントによって起動され、飛行機のデッキ乗務員により地上に警告が送信されることを可能にする。
【0005】
‘087号特許では、警報信号が、航空機の何れか既存の航空機搭載電子装置及びナビゲーション装置を妨害しない周波数を送信するよう送信機を起動する、フライトアテンダントによって携帯される携帯送信機によって送信される。飛行機のデッキにある受信機は、乗務員に警告する可聴性及び可視的な警報を有し、乗務員は、予め選択された周波数によりハイジャックコードなどの警報信号を地上に送信するためのラジオを起動することができる。
【0006】
‘035号特許は、航空機にあるセルラーシステムリピータに関する。垂直偏波された信号が、航空機によるオペレーションのためセルラータワーから発信される。
【0007】
これらのシステムに係る1つの共通した問題は、飛行機のデッキと主に通信するのみであり、ハイジャックされた民間航空機を傍受するためスクランブル化されているかもしれないICE“スクランブル化”航空機との通信若しくは満足いく対空通信のための航空電子機器リソースを妨害しない点におけるそれらの制限である。“スクランブル化”航空機の又は地上トランシーバとFAMとの間のこのような通信は、スクランブル化航空機のパイロットがハイジャックされた航空機が2001年9月11に起こったようなさらなる惨劇を防ぐことが目的とされるべきであると信じている場合、惨劇を防ぐために重要となりうる。
[発明の概要]
上記背景に関して、本発明の課題は、飛行機と地上との間の秘密の無線通信を提供可能な航空機通信システム又は“スクランブル化”航空機を提供することである。
【0008】
本発明の各種の非限定的な実施例によって、他の課題、特徴及び効果が提供される。1つの非限定的な実施例によると、少なくとも1つの携帯無線通信装置が、典型的には音声及び/又はデータ無線通信信号などの通信信号を送受信するためのトランシーバを含む航空機内に配置される。当該装置は、1つの非限定的な実施例では携帯情報端末とすることが可能である。無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントが、航空機内に配置され、少なくとも1つの携帯無線通信装置により無線通信信号を送受信する。コントロールパネルが、無線LANアクセスポイントに動作可能に接続され、航空機のフライトデッキ内に配置される。通信トランシーバは、コントロールパネルと無線LANアクセスポイントと共に動作し、無線LANアクセスポイントと地上トランシーバとの間で通信信号を送受信するよう動作する。少なくとも1つの携帯通信装置と地上トランシーバとの間の通信信号は、典型的には、1つの非限定的な実施例ではコントロールパネルを使用してフライトデッキから制御される。
【0009】
他の特徴によると、無線LANアクセスポイントは、コントロールパネル内に一体化される通信モジュールとして構成することが可能である。通信トランシーバはまた、スクランブル化ICE航空機と通信するよう動作可能である。通信トランシーバはまた、フライトデッキの乗務員により選択された周波数により動作可能であり、HF、VHF又はUHF帯域により動作可能である。通信トランシーバはまた、衛星通信に対して動作可能である。
【0010】
さらなる他の特徴では、航空会社のオペレーションコントロールセンターなどのミッション・オペレーション・センター(MOC)が、航空機に配置された通信受信機との間で通信信号を送受信することが可能である。MOCは、航空機内に配置された携帯無線通信装置のユーザと通信するため、航空機又は航空会社のオペレーションコントロールセンターとの通信において動作可能なFAM(Federal Air Marshal)サービスオペレーションセンターとすることが可能である。コントロールパネルは、典型的には、通信を乗務員に警告するため、携帯無線通信装置からの無線送信を示す聴覚的又は視覚的警告を有することが可能である。
【0011】
他の特徴では、携帯無線通信装置及び無線LANアクセスポイントは、暗号化されたVoIP(Voice over Internet Protocol)無線通信信号を送受信するよう動作する。携帯無線通信装置はまた、ユーザが正しく識別されたときに限って、通信装置の動作を許可する識別セキュリティ回路を有することが可能である。例えば、識別セキュリティ回路は、バイオメトリック、スマートカードID又はPIN(Personal Identification Number)を利用して正当なユーザを特定するよう動作可能である。通信トランシーバはまた、典型的には、対空通信のため航空機により使用される範囲である約118〜135MHzのVHFチャネルを介し送受信するよう動作可能である。
[好適な実施例の詳細な説明]
本発明が、その好適な実施例が示される添付した図面を参照してより十分に後述される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形式により実現可能であり、ここに与えられる実施例に限定されるものと解釈されるべきでない。本開示が完全なものとなるようこれらの実施例は与えられ、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるであろう。明細書を通じて同様の数字は同様の要素を表し、プライム記号は、他の実施例における同様の要素を示すのに使用される。
【0012】
図1は、乗客キャビン12とフライトデッキ14を有する航空機10の内部を示し、さらにFAM若しくはFAにより示される複数のFAM(Federal Air Marshal)及びフライトアテンダントの位置を示す。図示された各FAM及びフライトアテンダントは、無線通信信号を送受信するためのトランシーバ17を有する携帯無線通信装置16を携行する。1つの非限定的な例では、携帯無線通信装置16は、非限定的な具体例としてHewlitt Packard IPAQ 6300などの携帯情報端末(PDA)とすることが可能である。これらの及び同様のPDA装置が、非限定的な具体例として、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)システム、GSM(Global System for Mobile communication)及びGPRS(General Packet Radio Service)により機能する。他のネットワーク及びシステムもまた利用可能である。
【0013】
図1に示されるように、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)アクセスポイント18は、航空機内に配置され、携帯無線通信装置16との無線通信信号を送受信し、さらにローカル・エリア・ネットワーク(LAN)機能を提供する。1つの非限定的な例では、コントロールパネル20が、ワイヤレスLANアクセスポイント18に動作可能に接続され、航空機10のフライトデッキ14内に配置され、フライトデッキ乗務員により制御される。
【0014】
1つの非限定的な例によるこのコントローラパネル20は、フライトデッキ14の他のエリアがそこに配置されたコントロールパネルを有することも可能であるが、操縦士と副操縦士との間にある標準機器としてオーディオコントロールパネルの一部とすることも可能である。
【0015】
多くの民間航空機に一般的なARINCトランシーバなどの対空通信トランシーバ22は、コントロールパネル20及び無線LANアクセスポイント18と動作可能であり、例えば、MOC(Mission Operations Center)の一部として無線LANアクセスポイントと地上のトランシーバ23との間の通信信号を送受信するよう機能する。1つの非限定的な例では、航空機の携帯無線通信装置16と地上通信受信機との間の通信は、フライトデッキからの制御は必ずしも必要ではないが、コントロールパネル20を介しフライトデッキ14から乗務員により制御可能である。
【0016】
1つの非限定的な例によるシステム及び方法は、秘密の無線通信機能を提供し、乗客キャビン12の任意の位置から、当該非限定的な例ではMOC32(図2)としてのFAMサービスオペレーションセンターと無線LANライン、電話若しくは他の既知の通信システムを介し通信可能な航空機オペレーションコントロールセンターなどのMOC30に配置される地上スタッフに、若しくは携帯無線通信装置を携帯する他の搭乗しているFAM、フライトアテンダント若しくは他の乗務員に、暗号化した無線VoIP(Voice over Internet Protocol)を使用することができる。
【0017】
無線LANアクセスポイント18は、コントロールパネル内に一体化される通信モジュールとして形成可能である。典型的には、当該構成では、通信モジュールは航空機のサービス提供中止を要することなく、通常の夜間のメンテナンス作業中に航空機に設置することが可能である。無線LANアクセスポイント18はまた、無線及び秘密のトランシーバモジュールとして構成することが可能であり、また図2に示されるようなオーディオ入出力18a、中央処理ユニット18b及びWLANトランシーバ18cの回路を有することが可能である。通信モジュールはまた、半二重通信装置として動作可能な携帯無線通信装置と動作する何れかのヘッドセット接続、グラウンド接続及びマイクロフォンPTT(Push−To−Talk)回路を有することが可能である。
【0018】
携帯無線通信装置16は携帯情報端末(PDA)に限定されず、PDA技術は、LCDスクリーン16aなどの視聴スクリーンなどの効果を提供するということが理解されるべきである。そこでは、航空機の内部のレイアウトを与えることが可能であり、その他の警官がいる列の番号及び座席記号を示す図3に示されるように表示される他のFAMの位置が与えられる。また、ビデオ、音声又はデータ機能を備えた携帯情報端末は、異なる通信がFAMとFAMサービスMOC32との間で行われることを可能にする。
【0019】
1つの非限定的な特徴では、通信トランシーバ22は、VHFにより動作するARINCトランシーバとすることが可能であるが、トランシーバ22は、HF、VHF、UHF又は他の周波数により動作可能であり、必要なSATCOM周波数により動作可能であることが理解されるべきである。いくつかの実施例では、ヘッドセット及びマイクロフォンジャックにプラグイン可能な2つのピッグテールコネクタを設けることが可能である。通信トランシーバはまた、乗務員により選択された周波数により動作するようにしてもよく、これにより、FAM、フライトアテンダント又は携帯無線通信装置を使用する他の個人の間の通信が他の航空機通信を妨害しないようにすることができる。WLANアクセスポイント18の一部としてのWLANトランシーバ18cは、トランシーバ22の一部としてARINCインタフェースとインタフェースをとることができる。1つの非限定的な例では、通信は約118.00〜135.00MHzのAOC(Aeronautical Operational Control)VHFチャネルを介し行うことが可能である。
【0020】
1つの特徴では、FAM、フライトアテンダント又は携帯無線通信装置16を使用する他の個人は、図3に示されるような乗客キャビンレイアウトのディスプレイによって、又は他のFAM若しくはMOCとのデータ若しくは音声通信によってなど、状況認識を有することが可能となる。携帯無線通信装置16は、Bluetooth装置とすることが可能であり、秘密のオペレーションのため無線earbudを有することが可能である。それは半二重モードにより動作可能であり、PTT回路を有することが可能である。携帯無線通信装置16のユーザは、装置を送信モードにするため音声チャネルを指揮することが可能である。上述されるような装置の具体例は、PDAとすることが可能であるが、先端にボタンを有するペンや袖上の有線マイクロフォンとすることも可能であり、さらにPDA装置により動作可能とすることもできる。図4は、ヒップに装着され、秘密のearbud16cに信号を送信する小型送信機16bに接続される携帯無線通信装置16を有するFAM50を示す。秘密のマイクロフォンジャック16dは、音声信号処理を可能にする。
【0021】
さらに、フライトアテンダントにセキュリティのため携帯無線通信装置16の何れかが支給される場合、各装置は、ユーザが正しく特定されたときに限って装置16の動作を許可する識別セキュリティ回路16c(図3)を有することが可能である。この識別セキュリティ回路16eは、バイオメトリック、スマートカードID16f又はPIN(Personal Identification Number)入力により動作可能となる。
【0022】
通信トランシーバ22及びコントロールパネル20は、乗務員からの手動による加入が必要とされるように機能することが可能である。乗務員は、無線送信が携帯無線通信装置16から生成されていることを示すコントロールパネル20(図2)上の音声又は視覚的な警告20aを用いて通知可能であり、これにより、通信トランシーバ22と通信装置16との間の通信に無線LANアクセスポイント18を接続し、VHFチャネルを介し約118〜135MHzなどの適切な通信周波数を選択する。FAMなどの携帯無線通信装置の選択されたユーザが自動的なシステム制御を有してもよく、例えば、1つの非限定的な例として乗務員の起動又は他の関与なしにコントロールパネルなどを介し、携帯無線通信装置16と地上のトランシーバとの間の通信が自動的に実現されることを可能にすることが理解されるべきである。
【0023】
他の非限定的な例として、携帯無線通信装置16から通信するFAMは、航空機のデッキにいる乗務員に、非限定的な例としてVHF帯域における128.15MHzなどの特定の周波数にチューニングするよう求めることが可能となる。これらの通信は、緊急通信チャネルを介しフライトディスパッチャ及び/又はFAA(Federal Aviation Administration)によってモニタ可能である。システム設計に応じて、航空機に搭乗しているFAMとの対空通信を設定するため、手動による乗務員の介入を要求することが可能である。上述されるような他の実施例では、これは音声パスを取得するために必要とされるかもしれない。
【0024】
また、携帯無線通信装置16と共に使用される任意のヘッドセット及びマイクロフォン並びに任意の電気的なインタフェースが、インピーダンスを与えるFAA TSO(Technical Standards Order)C57又はC58により規定され、所望の航空機通信システムの各要素を送受信することが可能であるということが理解されるべきである。また、各携帯無線通信装置16が、PDAスクリーン上の表示されたIDブロック16gなどの選択された呼び出しアドレスを有することが可能であり、従来の電話番号の呼び出しと同様に、他のFAM(又は他のユーザ)若しくはMOCによってFAMが直接呼び出し可能となる。また、携帯無線通信装置を特定する具体的な番号が地上の通信ネットワークに配信可能であり、航空機の特定の通信装置が、ユーザとの通信が所望されることを示す視覚的又は聴覚的警告をユーザに発信することを可能にする。
【0025】
1つの非限定的な例では、通信トランシーバは、携帯無線通信装置を使用するFAM若しくはフライトアテンダントがいるハイジャックされた航空機を傍受するため送信されたスクランブル化ICE(Immigration and Customs Enforcement)航空機などのスクランブル化航空機と通信するのに機能することが可能である。この結果、秘密通信がさらに必要となり、FAMと“スクランブル化”ICE航空機との間のセキュアな高速無線ネットワーク通信リンクが所望される。ほとんどのシナリオにおいて最小限の秘密通信が所望されるが、スクランブリング航空機との通信はさらに高いセキュリティを要求することが理解されるべきである。例えば、非限定的な例では、フロリダ州MelbourneのHarris Corporationにより提供されるSecNet11製品群を利用するなどによって、セキュアタイプ1暗号化無線ネットワーク通信が所望される。
【0026】
SecNet11装置は、タイプ1暗号化セキュア無線LAN(SWAL)を含む無線インフラストラクチャサポート及び有線ネットワークアクセスのための無線ブリッジを有することが可能である。利用可能な他の装置は、携帯若しくは固定されたコンピュータに接続可能なSecNet11又はSecNet11にPCカードを加えたものを含む。これらのタイプのカードは、任意のタイプの暗号化された秘密情報を含み、これまでNSAにより証明されたタイプ1暗号化無線ネットワークインタフェースカードである。例えば、一部の無線ブリッジは、航空機内の独立した通信ネットワークを提供するため、又は単一のネットワークとして機能し、タイプ1セキュアポイント・ツー無線通信を可能にするため利用可能である。無線ブリッジはまた、各種無線通信装置及び携帯コンピュータに変換されるPCカードなどの他のSecNet11の無線ステーションに対する接続性を提供するため、無線アクセスポイントとして構成可能である。これは、有線ネットワーク及び他のユーザと無線ステーションとの間の通信を可能にする。
【0027】
無線ネットワークはまた、必要に応じて航空機から拡張することが可能であり、複数のブリッジがアクセスポイントして設定され、航空機全体に配置可能である。また、無線ネットワークローミング及び10ベースTイーサネット(登録商標)(803.3)ネットワーク接続コンフィギュレーション、各ログインコンフィギュレーション及びウェブベースブラウザ若しくはSNMPとの通信を利用することが可能である。一部の装置は、PCMCIAフォームファクタにより構成され、データ(COMSAT)を暗号化し、ソース及びデスティネーションアドレス(NETSUC)を使用することによって通信可能である。通信はまた、IEEE801.11(b)規格及びNSA Commercial COMSAT evaluation program(CCEP)の一部に基づくものとすることが可能である。さらに、秘密レベルデータを通信するためのBATONなどのNSAタイプ1暗号化アルゴリズムやVoIP及びビデオに加えて、Harris Sierra 1暗号化モジュール及びIntersil Prismチップセットなど、システムが暗号化及び拡散スペクトル回路と組み合わせ可能である。システムは、2.4GHz ISM帯域により動作可能であり、異なるオペレーティングシステム(OS)プラットフォームサポート及びWindows(登録商標)バージョンによるアドホック及びインフラストラクチャモードを利用することが可能である。Windows(登録商標) XP、Pocket PC及びLinuxなどのさらなるオペレーティングシステムドライバが利用可能である。
【0028】
上述されるようなシステムは、多数のコンポーネントを有し、FAM、フライトアテンダント又は携帯無線通信装置の他のユーザの選択的な呼び出しを含み、バージニア州RestonにあるFAMサービスMOCや航空会社のオペレーションコントロールセンターの一部としてのMOCなどによって、地上と空との間の通信を可能にすることは明らかである。システムは、Homeland SecurityのSDS(Surveillance Detection System)とのインタフェースを提供し、データ及びビデオアプリケーションを有することが可能である。例えば、低ビットレート通信によるより多くの従来のVHF通信によって、運転免許証又は他のより限定的な情報が容易にアップロード可能となる。暗号化されたVoIP通信が典型的なものであり、秘密通信を提供する。システムはまた、周波数変換装置として機能し、航空機上の何れかのHF、VHF、UHF及びグローバル衛星通信システムを含む上述されたような何れか既存の航空機通信システムとの半二重ベースバンド音声インタフェースを利用可能である。MOCからFAMの選択的な呼び出しを行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、フライトデッキのコントロールパネルの一部として無線LANとの通信において携帯無線通信装置をそれぞれが有しているFAM及びフライトアテンダントの位置を示す航空機内部の概略的な平面図である。
【図2】図2は、本発明の非限定的な例として携帯無線通信装置、ワイヤレスLANアクセスポイント、コントロールパネル、通信トランシーバ、航空機オペレーションコントロールセンター及びFAMサービスオペレーションセンターの基本的なコンポーネントを示す航空機通信システムのブロック図である。
【図3】図3は、ユーザが正しく識別されたときに限って携帯無線通信装置の動作を可能にするための識別セキュリティ回路と、航空機内部を示す表示とを含む携帯情報端末(PDA)の前面図である。
【図4】図4は、本発明の非限定的な例として利用可能なPDAとしての携帯無線通信装置を携行する個人の具体例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの携帯無線通信装置により無線通信信号を送受信するよう構成される航空機内に配置される無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントと、
前記無線LANアクセスポイントと動作可能に接続され、前記航空機のフライトデッキ内に配置され、フライトデッキの乗務員により制御されるコントロールパネルと、
前記コントロールパネルと無線LANアクセスポイントと共に動作し、対空通信を可能にするため、前記無線LANアクセスポイントと地上トランシーバとの間の通信信号を送受信するよう動作する通信トランシーバと、
を有する航空機通信システム。
【請求項2】
前記無線LANアクセスポイントは、前記コントロールパネル内に一体化される通信モジュールを有する、請求項1記載の航空機通信システム。
【請求項3】
前記通信トランシーバは、スクランブル化ICE航空機と通信するよう動作する、請求項1記載の航空機通信システム。
【請求項4】
前記通信トランシーバは、HF、VHF又はUHFトランシーバの1つから構成される、請求項1記載の航空機通信システム。
【請求項5】
前記航空機に配置された通信トランシーバとの間で通信信号を送受信するミッション・オペレーション・センターをさらに有する、請求項1記載の航空機通信システム。
【請求項6】
前記コントロールパネルは、前記少なくとも1つの携帯無線通信装置からの通信信号の無線送信を示す聴覚的又は視覚的警告を有する、請求項1記載の航空機通信システム。
【請求項7】
前記無線LANアクセスポイントは、VoIP(Voice over Internet Protocol)に従って通信信号を送受信するよう動作する、請求項1記載の航空機通信システム。
【請求項8】
航空機と地上との間の通信方法であって、
前記航空機内に配置される無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントと、前記航空機内に配置される少なくとも1つの携帯無線通信装置との間で通信信号を送信するステップと、
前記無線LANアクセスポイントに動作可能に接続される前記航空機の通信トランシーバと、地上通信トランシーバとの間で前記通信信号を送信するステップと、
フライトデッキにあるコントロールパネルを介して、前記携帯無線通信装置、前記地上トランシーバ及び前記航空機の通信トランシーバとの間の前記通信信号を制御するステップと、
を有する方法。
【請求項9】
前記コントロールパネル内に前記無線LANアクセスポイントを通信モジュールとして一体化するステップをさらに有する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記フライトデッキのコントロールパネルにおいて聴覚的若しくは視覚的警告を表示することによって、前記航空機の携帯無線通信装置からの通信信号の無線送信を表示するステップをさらに有する、請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−545283(P2008−545283A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555143(P2007−555143)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/003988
【国際公開番号】WO2006/086259
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.Linux
【出願人】(594071675)ハリス コーポレイション (287)
【氏名又は名称原語表記】Harris Corporation
【Fターム(参考)】