説明

色変換テーブル管理方法、色変換テーブル管理装置及びプログラム

【課題】簡便な方法により、特定の色変換テーブルに対して実施した変更の結果を他の色変換テーブルに対しても反映させることができる色変換テーブル管理方法、色変換管理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】CPU11は、所定の変更指示入力を受け付け、受け付けられた変更指示入力に応じて、複数の色変換テーブルから何れかを選択して第1の色変換テーブルとし、選択された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する。そして、CPU11は、設定された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、複数の色変換テーブルのうちの第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する。そして、CPU11は、第1の色変換テーブル及び第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、記憶部14に記憶された第1の色変換テーブル及び第2の色変換テーブルを再度作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色変換テーブル管理方法、色変換テーブル管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RGB表色系やCMYK表色系等のデバイス依存の色空間における入力色データからL*a*b*表色系やXYZ表色系等のデバイス非依存の色空間に変換するためのソースプロファイルと、デバイス非依存の色空間から出力を行うデバイスについてのデバイス依存の色空間における出力色データに変換するためのデスティネーションプロファイルとに基づいて、入力色データから出力色データを得るためのデバイスリンクプロファイル(DLP:Device Link Profile)などの色変換テーブルを生成し、これを使用することにより、出力する画像に対して、最適な色変換を行うようにしたプロファイル管理装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、このようなプロファイル管理装置において、上述のようにして生成されたDLPに対し、より最適な色変換がおこなわれるように、DLPを構成するパラメータを変更し、これに基づいてDLPを再構築するようにしたものがある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−5081号公報
【特許文献2】特開2008−136065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像の出力の際には、例えば、色変換を行うコントローラが、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)において記述される画像の属性を示すオブジェクトと呼ばれる属性情報に従って画像データに対してRIP(Raster Image Processor)処理が行われる。このオブジェクトには、イメージ、テキスト及びグラフィックが含まれており、それぞれのオブジェクトについて最適な色変換がおこなわれるよう、近年では、オブジェクト毎に異なるDLPが作成されている。
【0006】
そして、上記特許文献2に記載のプロファイル管理装置のように、DLPにおけるパラメータの変更を行う場合には、オブジェクト毎に異なるDLP毎に実施することとなる。
オブジェクト種別が異なると、DLPにおけるパラメータは全く同じにならない場合があるため、DLP毎に個別にパラメータの変更が行えることは有利である。
【0007】
しかしながら、例えば、異なるオブジェクト種別であっても、共通でパラメータの変更を行いたいといったように、異なるDLP間で同じような変更を行いたいというニーズがあり、例えば、全体的に画像を赤くするといったように、DLP間で色調を合わせたい場合等には、あるDLPに対して行った変更内容を、他のDLPに対しても同様にして反映させる必要があるが、ユーザに対してDLP毎に設定操作を行わせることとなり、大変煩わしいものとなっていた。
【0008】
本発明の課題は、簡便な方法により、特定の色変換テーブルに対して実施した変更の結果を他の色変換テーブルに対しても反映させることができる色変換テーブル管理方法、色変換テーブル管理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入力色データをデバイス非依存の色空間に変換するためのソースプロファイルと、前記デバイス非依存の色空間から出力色データに変換するためのデスティネーションプロファイルとに基づいて作成される、入力色データから出力色データを得るための複数の色変換テーブルを管理する色変換テーブル管理方法において、
所定の変更指示入力を受け付ける入力受付工程と、
前記入力受付工程において受け付けられた変更指示入力に応じて、前記複数の色変換テーブルから何れかを選択して第1の色変換テーブルとし、該選択された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する第1のデータ変更工程と、
前記第1のデータ変更工程において設定された前記第1の色変換テーブルのデータの変更内容に基づいて、前記複数の色変換テーブルのうちの前記第1の色変換テーブル以外の第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する第2のデータ変更工程と、
前記第1のデータ変更工程及び前記第2のデータ変更工程においてそれぞれ設定されたデータの変更内容に基づき、前記第1の色変換テーブル及び第2の色変換テーブルを再度作成する再作成工程と、
を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の色変換テーブル管理方法において、
前記複数の色変換テーブルは、それぞれ画像の属性を示す複数種類の属性情報のうちの何れかに対応づけられており、
前記第2のデータ変更工程において、前記複数の色変換テーブルから、前記第1の色変換テーブルと同一のソースプロファイル及びデスティネーションプロファイルに基づいて作成された色変換テーブルであって、対応付けられた属性情報の異なる色変換テーブルを前記第2の色変換テーブルとし、該第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の色変換テーブル管理方法において、
前記第2のデータ変更工程において、複数の前記第2の色変換テーブルから何れかを選択し、該選択された色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の色変換テーブル管理方法において、
前記第2のデータ変更工程において、前記第1の色変換テーブルのデータの変更内容に基づいて変更を行う色変換テーブルについて前記複数の色変換テーブルから選択して前記第2の色変換テーブルとし、該第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の色変換テーブル管理方法において、
前記複数の色変換テーブルには、データの変更対象が複数種類含まれており、
前記第1の色変換テーブルにおける複数種類の変更対象のそれぞれについてデータの変更内容の設定が可能であり、
前記第2のデータ変更工程において、前記複数種類の変更対象からデータの変更を行う対象を選択し、該選択した変更対象であるデータについて前記第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、入力色データをデバイス非依存の色空間に変換するためのソースプロファイルと、前記デバイス非依存の色空間から出力色データに変換するためのデスティネーションプロファイルとに基づいて作成される、入力色データから出力色データを得るための複数の色変換テーブルを管理する色変換テーブル管理装置において、
前記複数の色変換テーブルを記憶する記憶部と、
所定の変更指示入力を受け付け、該受け付けられた変更指示入力に応じて、前記複数の色変換テーブルから何れかを選択して第1の色変換テーブルとし、該選択された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定し、該設定された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、前記複数の色変換テーブルのうちの前記第1の色変換テーブル以外の第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定し、前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、前記記憶部に記憶された前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルを再度作成し、該作成された前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルを前記記憶部に記憶する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の色変換テーブル管理装置において、
前記複数の色変換テーブルは、それぞれ画像の属性を示す複数種類の属性情報のうちの何れかに対応付けられており、
前記制御部は、前記複数の色変換テーブルから、前記第1の色変換テーブルと同一のソースプロファイル及びデスティネーションプロファイルに基づいて作成された色変換テーブルであって、対応付けられた属性情報の異なる色変換テーブルを前記第2の色変換テーブルとし、該第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の色変換テーブル管理装置において、
前記制御部は、複数の前記第2の色変換テーブルから何れかを選択し、該選択された第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の色変換テーブル管理装置において、
前記制御部は、前記第1の色変換テーブルのデータの変更内容に基づいて変更を行う色変換テーブルについて前記複数の色変換テーブルから選択して前記第2の色変換テーブルとし、該第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項6〜9の何れか一項に記載の色変換テーブル管理装置において、
前記複数の色変換テーブルには、データの変更対象が複数種類含まれており、
前記制御部は、前記第1の色変換テーブルにおける複数種類の変更対象のそれぞれについてデータの変更内容の設定が可能であり、前記複数種類の変更対象からデータの変更を行う対象を選択し、該選択した変更対象であるデータについて前記第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、プログラムにおいて、
入力色データをデバイス非依存の色空間に変換するためのソースプロファイルと、前記デバイス非依存の色空間から出力色データに変換するためのデスティネーションプロファイルとに基づいて作成される、入力色データから出力色データを得るための複数の色変換テーブルを管理するコンピュータを、
所定の変更指示入力を受け付け、該受け付けられた変更指示入力に応じて、前記複数の色変換テーブルから何れかを選択して第1の色変換テーブルとし、該選択された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定し、該設定された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、前記複数の色変換テーブルのうちの前記第1の色変換テーブル以外の第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定し、前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルを再度作成し、該作成された前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルを記憶部に記憶する制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡便な方法により、特定の色変換テーブルに対して実施した変更の結果を他の色変換テーブルに対しても反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラーマネジメントシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】カラーマネジメントシステムの機能を説明する機能ブロック図である。
【図3】デバイスリンクプロファイルの作成方法の概略について説明する図である。
【図4】デバイスリンクプロファイルの作成画面の一例を示す図である。
【図5】デバイスリンクプロファイル作成処理について説明するフローチャートである。
【図6】デバイスリンクプロファイル設定変更処理について説明するフローチャートである。
【図7】設定変更範囲設定処理について説明するフローチャートである。
【図8】デバイスリンクプロファイルの設定変更画面の一例を示す図である。
【図9】デバイスリンクプロファイルの設定変更画面の一例を示す図である。
【図10】デバイスリンクプロファイルの設定変更画面の一例を示す図である。
【図11】デバイスリンクプロファイルの設定変更画面の一例を示す図である。
【図12】デバイスリンクプロファイルの設定変更の手順について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係るカラーマネジメントシステム(CMS:Color Management System)について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0023】
図1に、本発明のデバイスリンクプロファイル(DLP)管理装置として機能するコントローラ10を構成に含むCMS1を示す。
CMS1は、例えば、クライアントPC(Personal Computer)2、MFP(Multi Function Peripheral)3及びコントローラ10を有する。
【0024】
クライアントPC2は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、ROM(Read Only Memory)23、記憶部24、入力部25、表示部26及び通信部27を有する。これらの各構成は、バス28によって接続される。
【0025】
CPU21は、ROM23内に記憶されたプログラムと協働し、RAM22に展開されたプログラムやデータ等に従ってクライアントPC2の動作制御を行う。
RAM22は、CPU21の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
ROM23は、CPU21によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
【0026】
記憶部24は、CPU21によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。記憶部24は、プログラムやデータ等を書き換え可能な記憶装置である。記憶部24は、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
【0027】
入力部25は、クライアントPC2に対して入力操作を可能とする。入力部25は、例えばキーボードやマウス、その他の入力装置又はそれらの入力装置の組合せ等によって構成される。入力部25は、ユーザによる入力操作を受け付けてクライアントPC2へ入力する。
【0028】
表示部26は、CPU21の処理内容に応じた表示出力を行う。表示部26は、例えばCRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、その他の表示装置又はそれらの表示装置の組合せ等によって構成される。
【0029】
通信部27は、外部の機器との間でデータ伝送を行う。通信部27は、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信装置を有し、回線を通じて外部の機器とデータ伝送を行う。通信部27によるデータ伝送は、有線/無線を問わず、またそのプロトコルやその他の接続形式に関する条件(例えば、規格等)を問わないが、本実施の形態では、通信部27は、イーサネット(登録商標)のネットワーク回線4を介してコントローラ10と通信を行う。
【0030】
コントローラ10は、制御部としてのCPU11、RAM12、ROM13、記憶部14、入力部15、表示部16、通信部17及びインタフェース18を有する。これらの各構成は、バス19によって接続される。
【0031】
CPU11は、ROM13内に記憶されたプログラムと協働し、RAM12に展開されたプログラムやデータ等に従ってコントローラ10の動作制御を行う。
RAM12は、CPU11の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
ROM13は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
【0032】
記憶部14は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。記憶部14は、プログラムやデータ等を書き換え可能な記憶装置である。記憶部14は、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。また、記憶部14は、後述するソースプロファイルやデスティネーションプロファイル等のデバイスプロファイル(DP:Device Profile)及びDLPを記憶する。
【0033】
入力部15は、コントローラ10に対して入力操作を可能とする。入力部15は、例えばキーボードやマウス、その他の入力装置又はそれらの入力装置の組合せ等によって構成される。入力部15は、ユーザによる入力操作を受け付けてコントローラ10へ入力する。
【0034】
表示部16は、CPU11の処理内容に応じた表示出力を行う。表示部16は、例えばCRTディスプレイやLCD、有機ELディスプレイ、その他の表示装置又はそれらの表示装置の組合せ等によって構成される。
【0035】
通信部17は、例えば、NIC等の通信装置を有し、回線を通じて外部の機器とデータ伝送を行う。通信部17によるデータ伝送は、有線/無線を問わず、またそのプロトコルやその他の接続形式に関する条件(例えば、規格等)を問わないが、本実施の形態では、通信部17は、ネットワーク回線4を介してクライアントPC2と通信を行う。
【0036】
インタフェース18は、外部の機器を接続し、当該外部の機器との間でデータ伝送を可能にする。インタフェース18を介した外部の機器の接続及びデータ伝送は、有線/無線を問わず、またそのプロトコルやその他の接続形式に関する条件(例えば、規格等)を問わないが、本実施形態では、専用回線5を介してMFP3との間におけるデータ伝送を行う。インタフェース18には、MFP3以外の機器を接続することもできる。
【0037】
MFP3は、制御部31、読取部32、データ伝送部33、記憶部34及び画像形成部35を有する。これらの各構成は、バス36によって接続される。
【0038】
制御部31は、図示しないCPU、RAM、ROM等を備えたコンピュータを有する。制御部31は、CPUがROM内に記憶されたプログラムと協働し、RAMに展開されたプログラムやデータ等に従ってMFP3の動作制御を行う。
【0039】
読取部32は、例えばイメージスキャナ等の画像読取装置を有し、画像読取装置にセットされた媒体から画像を読み取り、画像データを生成する。
【0040】
データ伝送部33は、専用回線5を介してコントローラ10との間におけるデータ伝送を行う。
【0041】
記憶部34は、読取部32によって生成された画像データやデータ伝送部33を介して入力されるデータ等、各種のデータを記憶する。記憶部34は、プログラムやデータ等を書き換え可能な記憶装置である。記憶部34は、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
【0042】
画像形成部35は、読取部32によって生成された画像データやデータ伝送部33を介して入力されるデータ等に基づいた画像形成(印刷)を行う。
画像形成部35に採用可能な印刷方式として、例えば電子写真方式やインクジェット方式、熱転写方式、オフセット等が挙げられる。本実施の形態では、画像形成部35は、電子写真方式による画像形成を行うための構成を有する。
【0043】
図2に、CMS1の機能ブロック図を示す。
クライアントPC2は、OS(Operating System)201、ジョブ作成アプリケーション202及びプリンタドライバ203として機能する。これらの各機能は、CPU21によって行われるソフトウェア処理によって実現される。
【0044】
OS201は、ジョブ作成アプリケーション202やプリンタドライバ203等、他の各種機能に対応したプログラムを動作させるための基本ソフトウェアである。
【0045】
ジョブ作成アプリケーション202は、MFP3による印刷の対象となる元データを生成する。元データとしては、例えばワープロソフトによる文書データやテキストエディタによるテキストデータ、画像処理ソフトによるビットマップ、JPEGその他の形式の画像データが挙げられる。
【0046】
プリンタドライバ203は、元データに基づいて印刷ジョブを生成する。印刷ジョブは、MFP3による印刷を行うためのデータである。プリンタドライバ203には、MFP3に対応したソフトウェアが用いられる。
印刷ジョブは、通信部27を介してコントローラ10に出力される。
【0047】
コントローラ10は、RIP処理部101、CMS処理部102、DLP設定部103、DLP計算部104、DLP設定変更検知部105、反映要否設定部106及び設定適用範囲設定部107として機能する。これらの各機能は、CPU11によって行われるソフトウェア処理によって実現される。
【0048】
RIP処理部101は、印刷ジョブに基づいてRIP処理を行う。RIP処理は、印刷ジョブに含まれるページ記述言語(PDL)を解析してビットマップ画像データを生成する処理である。RIP処理によって生成されたビットマップ画像データは、インタフェース18を介してMFP3に出力される。MFP3は、このビットマップ画像データに基づいて印刷を行う。
【0049】
CMS処理部102は、カラーマネジメント処理を行う。本実施形態におけるカラーマネジメント処理は、色変換処理に用いるDLPを決定する処理である。色変換処理は、RIP処理中に行う。CMS処理部102は、DLPを記憶部14から読み出してRIP処理部101へ渡す。
【0050】
記憶部14は、デバイスプロファイルとしてのRGBソースプロファイル141、CMYKソースプロファイル142及びデスティネーションプロファイル143や、RGB−CMYKプロファイルセット144及びCMYK−CMYKプロファイルセット145をそれぞれ複数記憶している。
【0051】
RGBソースプロファイル141は、入力画像データがRGB形式のデータ(以下、RGBデータという。)である場合のソースプロファイルである。CMYKソースプロファイル142は、入力画像データがCMYK形式のデータ(以下、CMYKデータという。)である場合のソースプロファイルである。ソースプロファイルは、色合わせの目標となるプロファイルであり、入力RGB値又は入力CMYK値と、L*a*b*値又はXYZ値等の入出力デバイスに依存しない共通色空間の色値との対応関係を記述したプロファイルである。RGBソースプロファイル141、CMYKソースプロファイル142は、LUT(Look Up Table)等により記述される。なお、ソースプロファイルは、ターゲットプロファイル又はシミュレーションプロファイルということがある。
【0052】
デスティネーションプロファイル143は、L*a*b*値又はXYZ値等の入出力デバイス非依存の共通色空間の色値と、出力デバイスに依存する出力CMYK値との対応関係を記述したプロファイルである。デスティネーションプロファイル143は、LUT等により記述される。
【0053】
RGB−CMYKプロファイルセット144は、RGBイメージ用デバイスリンクプロファイル(RGBイメージ用DLP)144aと、RGBテキスト用デバイスリンクプロファイル(RGBテキスト用DLP)144bと、RGBグラフィック用デバイスリンクプロファイル(RGBグラフィック用DLP)144cとを含んでいる。このRGB−CMYKプロファイルセット144に含まれる各DLP144a〜144cは、RGBソースプロファイル141とデスティネーションプロファイル143とを統合したプロファイルであり、入力RGB値と、出力デバイスにおける出力CMYK値との対応関係を記述したプロファイルである。また、一のRGB−CMYKプロファイルセット144に含まれるRGBイメージ用DLP144a、RGBテキスト用DLP144b及びRGBグラフィック用DLP144cは、それぞれ、同一のRGBソースプロファイル141及びデスティネーションプロファイル143に基づいて作成されたプロファイルであるが、後述するように、プロファイルの作成に際してそれぞれ異なる設定値(作成条件)を適用することにより、プロファイルを構成するパラメータがそれぞれ異なっている。また、RGBイメージ用DLP144a、RGBテキスト用DLP144b及びRGBグラフィック用DLP144cは、それぞれ、プロファイルカーブ1440a〜1440cが対応付けられている。プロファイルカーブ1440a〜1440cは、各DLP144a〜144cに入力する入力RGB値に対して補正を行うための入力カーブと、各DLP144a〜144cから出力された出力CMYK値に対して補正を行うための出力カーブとを含む補正テーブルである。本実施の形態では、各DLP144a〜144cとこれに対応付けられたプロファイルカーブ1440a〜1440cとによって色変換テーブルを構成している。
【0054】
CMYK−CMYKプロファイルセット145は、CMYKイメージ用デバイスリンクプロファイル(CMYKイメージ用DLP)145aと、CMYKテキスト用デバイスリンクプロファイル(CMYKテキスト用DLP)145bと、CMYKグラフィック用デバイスリンクプロファイル(CMYKグラフィック用DLP)145cとを含んでいる。このCMYK−CMYKプロファイルセット145に含まれる各DLP145a〜145cは、CMYKソースプロファイル142とデスティネーションプロファイル143とを統合したプロファイルであり、入力CMYK値と、出力デバイスにおける出力CMYK値との対応関係を記述したプロファイルである。また、一のCMYK−CMYKプロファイルセット145に含まれるCMYKイメージ用DLP145a、CMYKテキスト用DLP145b及びCMYKグラフィック用DLP145cは、それぞれ、同一のCMYKソースプロファイル142及びデスティネーションプロファイル143に基づいて作成されたプロファイルであるが、後述するように、プロファイルの作成に際してそれぞれ異なる設定値(作成条件)を適用することにより、プロファイルを構成するパラメータがそれぞれ異なっている。また、CMYKイメージ用DLP145a、CMYKテキスト用DLP145b及びCMYKグラフィック用DLP145cは、それぞれ、プロファイルカーブ1450a〜1450cが対応付けられている。プロファイルカーブ1450a〜1450cは、各DLP145a〜145cに入力する入力CMYK値に対して補正を行うための入力カーブと、各DLP145a〜145cから出力された出力CMYK値に対して補正を行うための出力カーブとを含む補正テーブルである。本実施の形態では、各DLP145a〜145cとこれに対応付けられたプロファイルカーブ1450a〜1450cとによって色変換テーブルを構成している。
【0055】
DLP設定部103は、記憶部14に記憶されたDP及びDLPの管理を行うソフトウェアである。DLP設定部103は、記憶部14に記憶されたRGBソースプロファイル141又はCMYKソースプロファイル142と、デスティネーションプロファイル143とに基づいて、DLPの作成を行う。
【0056】
DLP計算部104は、DLP設定部103からの指示に応じてDLPの作成を行う。DLPの作成には、固有の演算処理(計算)を伴う。この演算処理は、DLP計算部104として機能するCPU11が担う。
【0057】
ここで、図3を参照して、DLPの作成方法について説明する。
まず、DLP設定部103は、DLPの作成に用いるRGBソースプロファイル141、CMYKソースプロファイル142及びデスティネーションプロファイル143を記憶部14から読み出す。
【0058】
RGBソースプロファイル141及びCMYKソースプロファイル142は、例えば、予め色調整の目標となる複数のカラーパッチで構成されるカラーチャートを測色器により測色して得た測色データに基づいて作成することができる。なお、測色データは、予め作成された測色データがクライアントPC2やコントローラ10に入力されるものであってもよいし、測定器をクライアントPC2やコントローラ10に接続した状態でカラーチャートを測色し、その結果を測定器からクライアントPC2あるいはコントローラ10に取り込むことによって得られるものであってもよい。これらのソースプロファイルは、クライアントPC2あるいはコントローラ10にて予め作成され、記憶部14に記憶される。なお、他の装置にて作成されたプロファイルを用いてもよい。
【0059】
デスティネーションプロファイル143は、例えば、MFP3で出力されたカラーチャートを測色器により測色して得た測色データに基づいて作成することができる。このデスティネーションプロファイル143も同様に、クライアントPC2あるいはコントローラ10にて予め作成され、記憶部14に記憶される。なお、他の装置にて作成されたプロファイルを用いてもよい。
【0060】
DLP設定部103は、このようにして記憶部14に記憶されたRGBソースプロファイル141、CMYKソースプロファイル142及びデスティネーションプロファイル143から、ユーザの操作に基づくクライアントPC2からの指示に応じて、使用するプロファイルを選択する。具体的には、DLP設定部103は、クライアントPC2に指示して、表示部26に図4に示すようなDLP作成画面W2を表示させる。そして、ソースプロファイル名入力テキストボックスT2に対して、DLP作成に用いるソースプロファイルのファイル名が入力されることにより、ソースプロファイルの選択が行われる。同様に、デスティネーションプロファイル名入力テキストボックスT3に対して、DLP作成に用いるデスティネーションプロファイルのファイル名が入力されることにより、デスティネーションプロファイルの選択が行われる。
【0061】
次に、DLP設定部103は、DLPの作成条件を設定する。この作成条件は、コントローラ10において必要とされるDLPの種類の数だけ予め記憶部14に記憶されており、作成されるDLPの種類に応じて最適な作成条件が設定される。本実施の形態では、DLP設定部103は、図4に示されるDLP作成画面W2におけるプルダウンメニューP1に対する入力操作が行われることにより、オブジェクト種別を特定し、入力画像データがRGBデータである場合のイメージオブジェクト用の作成条件(以下、RGBイメージ用作成条件ということがある。)、入力画像データがRGBデータである場合のテキストオブジェクト用の作成条件(以下、RGBテキスト用作成条件ということがある。)、入力画像データがRGBデータである場合のグラフィックオブジェクト用の作成条件(以下、RGBグラフィック用作成条件ということがある。)、入力画像データがCMYKデータである場合のイメージオブジェクト用の作成条件(以下、CMYKイメージ用作成条件ということがある。)、入力画像データがCMYKデータである場合のテキストオブジェクト用の作成条件(以下、CMYKテキスト用作成条件ということがある。)、入力画像データがCMYKデータである場合のグラフィックオブジェクト用の作成条件(以下、CMYKグラフィック用作成条件ということがある。)の計6種類の作成条件のうち、特定したオブジェクト種別及び選択されたソースプロファイルに対応するものを選択する。DLPの作成条件には、レンダリングインテント、ベタ保持、中間にごり除去、墨の置換及び用紙シミュレーション等が含まれており、オブジェクト種別に応じてそれぞれ最適なパラメータに予め設定されている。
【0062】
レンダリングインテントは、色変換方法を指定するものであり、「測色的レンダリング」、「彩度レンダリング」、「知覚レンダリング」といったものが指定される。
【0063】
ベタ保持とは、入力画像の色がシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K),レッド(R:マゼンタとイエロー),グリーン(G:シアンとイエロー),ブルー(B:シアンとマゼンタ)のいずれかの100%(最大階調)で構成されている場合に、MFP3においても対応するC,M,Y,K,R,G,Bの100%(最大階調)で再現することである。
【0064】
中間にごり除去とは、入力画像の色がC,M,Y,Kのうち1色のみで構成されている場合に、MFP3においても対応するC,M,Y,Kの1色のみで再現し、入力画像の色がR,G,Bのいずれかのみで構成されている場合に、MFP3においても、Rについてはこれに対応するM,Yの2色の組み合わせで再現し、Gについてはこれに対応するC,Yの2色の組み合わせで再現し、Bについてはこれに対応するC,Mの2色の組み合わせで再現することである。
【0065】
墨の置換とは、入力画像のRGB成分が等量の場合に、その色を墨(K)に置換することである。
【0066】
用紙シミュレーションとは、用紙の白色を考慮するか否かの設定である。用紙シミュレーションが「ON」に設定された場合には、用紙の白色が考慮され、用紙シミュレーションが「OFF」に設定された場合には、用紙の白色は考慮されない。
【0067】
また、DLP設定部103は、ユーザの操作に基づくクライアントPC2からの指示に応じてDLPの作成条件をさらに設定することができる。具体的には、DLP設定部103は、図4に示されるDLP作成画面W2におけるプルダウンメニューP2に対する入力操作が行われることにより、レンダリングインテントの指定を行う。また、DLP設定部103は、図4に示されるDLP作成画面W2におけるチェックボックス表示領域E2に対する入力操作が行われることにより、中間にごり除去及びベタ保持の実施の有無を設定する。
【0068】
次に、DLP設定部103は、設定された作成条件に基づいてDLPの生成を行う。具体的には、DLP設定部103は、図4に示されるDLP作成画面W2におけるDLP名入力テキストボックスT4に対してDLPのファイル名が入力され、「保存」ボタンB4に対する操作が行われると、上述のようにして設定された作成条件に従って、RGBイメージ用DLP144a、RGBテキスト用DLP144b、RGBグラフィック用DLP144c、CMYKイメージ用DLP145a、CMYKテキスト用DLP145bあるいはCMYKグラフィック用DLP145cをDLP計算部104により演算を行わせて作成する。
【0069】
DLP設定部103は、作成されたDLP(RGBイメージ用DLP144a、RGBテキスト用DLP144b、RGBグラフィック用DLP144c、CMYKイメージ用DLP145a、CMYKテキスト用DLP145b、CMYKグラフィック用DLP145c)を記憶部14に記憶させる。このとき、DLP設定部103は、同一のRGBプロファイル141とデスティネーションプロファイル143とによって生成されたRGBイメージ用DLP144a、RGBテキスト用DLP144b及びRGBグラフィック用DLP144cを対応付け、一のRGB−CMYKプロファイルセット144として記憶部14に記憶させる。また、DLP設定部103は、同一のCMYKプロファイル142とデスティネーションプロファイル143とによって生成されたCMYKイメージ用DLP145a、CMYKテキスト用DLP145b及びCMYKグラフィック用DLP145cを対応付け、一のCMYK−CMYKプロファイルセット145として記憶部14に記憶させる。
【0070】
以上のようなDLPの作成手順について概略説明すると、図5に示すようになる。
すなわち、DLP設定部103は、一のRGBソースプロファイル141又はCMYKソースプロファイル142を記憶部14から読み出す(ステップS101)。そして、DLP設定部103は、一のデスティネーションプロファイル143を記憶部14から読み出す(ステップS102)。そして、DLP設定部103は、上述のようにして作成条件の設定を行い(ステップS103)、DLPを作成する(ステップS104)。そして、DLP設定部103は、他にDLPを作成するか否か判定し(ステップS105)、DLPを作成すると判定したときは(ステップS105:Y)、ステップ101の処理を実行し、DLPを作成すると判定しないときは(ステップS105:N)、この処理を終了する。
【0071】
また、DLP設定部103は、例えば、図8に示すようなGUI(Graphic User Interface)としてのDLP設定変更画面W3をクライアントPC2の表示部26に表示させ、このDLP設定変更画面W3によってユーザによるDLPの設定変更指示を行わせることができる。そして、DLP設定部103は、ユーザの指示に応じて記憶部14に記憶されたDLPやプロファイルカーブのパラメータの編集を行い、その変更内容の設定を行う。そして、DLP設定部103は、設定されたDLPの変更内容に基づいて、DLP計算部104によって、DLPの再計算を行わせることにより、DLPの再作成を行う。また、DLP設定部103は、設定されたプロファイルカーブの変更内容に基づいて、プロファイルカーブの再計算を行わせることにより、プロファイルカーブの再作成を行う。DLP設定部103は、このようにして再作成されたDLP及びプロファイルカーブを記憶部14に記憶する。なお、再作成されたDLP及びプロファイルカーブを、再作成前のDLP及びプロファイルカーブに対して上書きするようにしてもよいし、別途記憶するようにしてもよい。
【0072】
DLP設定変更検知部105は、DLP設定部103によってDLP及びプロファイルカーブのパラメータの編集が行われて、変更内容が設定されたことを検知する。
【0073】
反映要否設定部106は、DLP設定部103と連携して実行されるソフトウェアであって、DLP設定変更検知部105による検知に応じて起動し、DLP設定部103によって設定されたDLP及びプロファイルカーブの変更内容を反映させる他のDLPを選択する。
【0074】
設定適用範囲設定部107は、DLP設定部103及び反映要否設定部106と連携して実行されるソフトウェアであって、反映要否設定部106によって選択されたDLPに対し、DLP設定部103によって設定されたDLP及びプロファイルカーブの変更内容のうち、他のDLP及びこれに対応するプロファイルカーブに反映させる変更内容を選択する。
【0075】
反映要否設定部106によって他のDLPが選択され、設定適用範囲設定部107によって選択された、DLPに反映させる変更内容が選択されると、DLP設定部103は、反映させる変更内容に基づき、選択された他のDLP及びこれに対応するプロファイルカーブに対し、上述のようにして再作成を行う。なお、反映要否設定部106によって他のDLPが選択されたが、設定適用範囲設定部107による変更内容の選択が行われない場合は、DLP設定部103は、反映要否設定部106によって選択された他のDLP及びこれに対応するプロファイルカーブについて、設定された全ての変更内容を反映させて、再作成を行う。
【0076】
次に、コントローラ10のCPU11によって実行されるデバイスリンクプロファイル設定変更処理について図6を参照しながら説明する。このデバイスリンクプロファイル設定変更処理は、クライアントPC2におけるユーザによる所定のDLP設定変更操作が行われたときに実行される処理である。
【0077】
まず、CPU11は、DLP設定部103として機能して、ユーザによるDLPの選択操作に応じて、対応するDLP及びこれに対応するプロファイルカーブを記憶部14から読み出す(ステップS201)。本実施の形態において、この読み出されたDLP及びこれに対応するプロファイルカーブを第1の色変換テーブルということがある。
【0078】
そして、CPU11は、読み出されたDLP及びプロファイルカーブに対するパラメータの変更内容の設定を行う(ステップS202)。
【0079】
具体的には、CPU11は、例えば、図8に示すようなDLP設定変更画面W3をクライアントPC2の表示部26に表示させるようにクライアントPC2に指示し、ユーザによるパラメータの編集操作を受け付ける。CPU11は、受け付けた編集操作内容を、例えば、RAM12に保持する。そして、CPU11は、編集操作に応じて表示内容が随時変更されるようにクライアントPC2に指示する。なお、図8に示す例は、RGBイメージ用DLP144aが選択されたときに表示されるものであるが、他のDLPが選択されたときも同様の表示が行われる。
【0080】
DLPのパラメータの編集は、ポイントカラー調整表示領域E3における各種プルダウンメニュー及びボタンを操作することにより実施される。まず、プルダウンメニューP3〜P5を操作することにより、DLPの入力RGB値が選択され、選択された入力RGB値によって表現されるRGBカラー画像が指定色欄に表示される。なお、選択されたDLPの入力値がCMYK値である場合には、入力CMYK値がプルダウンメニューにより選択されることとなる。ここで、選択された入力RGB値及び入力CMYK値によって特定される色をポイントカラーと呼ぶことがある。プルダウンメニューP3〜P5は、それぞれ、0〜255の値から何れかが選択可能となっている。ここでは、(R:0,G:255,B:0)によって表現されるカラー画像がポイントカラー調整表示領域E3の指定色欄に表示されている。また、入力RGB値が選択されると、DLPに設定されている入力RGB値に対する出力CMYK値が計算結果欄N1及び調整後欄N2に表示される。そして、プルダウンメニューP6〜P9を操作することにより、出力CMYK値のそれぞれに対して値の増減を行うことができる。プルダウンメニューP6〜P9は、それぞれ、−255〜255の値から何れかが選択可能となっている。増減後のCMYK値は、調整後欄N2に表示される。これにより、ユーザは、出力CMYK値の増減前後の値を視認することができる。また、プルダウンメニューP10を操作すると、編集の対象である入力RGB値に対応する出力CMYK値の変更に伴い、出力CMYK値の補間演算による再計算が実施される対象である入力RGB値の範囲が設定される。この設定は、編集の対象である入力RGB値に対応する出力CMYK値が変更されたときに生じる可能性のあるトーンジャンプを抑制するためのものである。プルダウンメニューP10は、「広い」、「中間」及び「狭い」から何れかが選択可能となっており、選択された内容に応じて、再計算が実施される対象となる入力RGB値の範囲が変更される。なお、この範囲を数値によって指定するようにしてもよい。以上のようにして実施されたDLPのパラメータの編集は複数の入力RGB値に対してそれぞれ行うことができる。そして、「リセット」ボタンB5を操作することにより、上述のようにして変更された設定を、設定変更前の状態に戻すことができる。
【0081】
また、プロファイルカーブのパラメータの編集は、プロファイルカーブ調整領域E4における各種プルダウンメニュー、ラジオボタン、チェックボックス及びボタンを操作することにより実施される。まず、ラジオボタンR1,R2の何れかを操作することにより、入力カーブ及び出力カーブの何れを調整するかが選択され、選択されなかった入力カーブ又は出力カーブに対応する各種項目がグレイアウト表示される。図8に示される例では、ラジオボタンR1が操作されて入力カーブが選択されたことにより入力カーブの編集がアクティブになるとともに、出力カーブに対応する各種項目がグレイアウト表示されて非アクティブであることが示されている。そして、プルダウンメニューP11を操作することにより、入力カーブのRGB値又はCMYK値を個別に調整するか、あるいは、1回の調整操作によってRGB値又はCMYK値をまとめて調整するかの選択が可能となっている。そして、チェックボックスC1〜C3を操作してチェックの有無を入力すると、これに対応する色の入力値−出力値の関係を示すグラフの表示/非表示を設定することができる。これらのグラフは、グラフ表示領域G1上に表される。そして、ラジオボタンR3〜R5の何れかが操作されると、操作されたラジオボタンに対応する色のグラフに対する編集が可能となる。そして、プルダウンメニューP13を操作することにより、編集可能な色の入力値が選択され、プルダウンメニューP14を操作することにより、プルダウンメニューP13によって選択された入力値に対する出力値が選択される。プルダウンメニューP13,P14は、それぞれ、0〜255の値から何れかが選択可能となっている。出力カーブの調整についても、入力カーブと同様にしてパラメータの編集を行うことができる。すなわち、ラジオボタンR2を操作して出力カーブの編集をアクティブとした後、プルダウンメニューP12を操作して出力カーブのCMYK値を個別に調整するか、あるいは、1回の調整操作によってCMYK値をまとめて調整するかの選択を行う。そして、チェックボックスC4〜C7を操作してグラフ表示領域G1上に表示するCMYK各色の選択を行う。そして、ラジオボタンR6〜R9を操作して編集を行う色を選択し、プルダウンメニューP13,P14を操作して出力カーブの入力値に対する出力値の選択を行う。そして、「リセット」ボタンB6を操作することにより、上述のようにして変更された設定を、設定変更前の状態に戻すことができる。
【0082】
なお、DLP設定変更画面W3には、「確認印刷」ボタンB7が含まれており、このボタンが操作されると、設定変更後の内容による所定のカラーパターンがMFP3により出力される。
【0083】
CPU11は、上述のようにしてステップS202における処理を実行した後、設定変更が完了したか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、CPU11は、図8に示されるDLP設定変更画面W3に含まれる「OK」ボタンB8又は「他のオブジェクトに設定値を反映」ボタンB10が操作されたか否かを検出することにより設定変更の完了を判定する。CPU11は、設定変更が完了したと判定しないときは(ステップS203:N)、ステップS202の処理を実行してDLPに対する変更内容の設定を継続する。一方、CPU11は、設定変更が完了したと判定したときは(ステップS203:Y)、DLP設定変更検知部105として機能して、「他のオブジェクトに設定値を反映」ボタンB10が操作されて設定変更が完了したか否かを判定する(ステップS204)。なお、DLP設定変更画面W3における「キャンセル」ボタンB9が操作されたときは、CPU11は、設定変更の内容を全てクリアした上でこの処理を終了する。
【0084】
CPU11は、「他のオブジェクトに設定値を反映」ボタンB10が操作されたと判定したときは(ステップS204:Y)、設定変更範囲設定処理を実行する(ステップS205)。
ここで、図7を参照して、設定変更範囲設定処理について説明する。
【0085】
図7に示すように、まず、CPU11は、反映要否設定部106として機能して、ステップS202において行われた設定変更の内容を反映させるオブジェクト種別の選択を行う(ステップS301)。
【0086】
具体的には、CPU11は、図9に示すようなダイアログボックスD1をクライアントPC2の表示部26に表示させるようにクライアントPC2に指示し、ユーザによる操作を受け付ける。ここで選択される対象となるのは、ステップS202において編集が行われた対象であるDLPと同一のプロファイルセットに含まれるDLPである。例えば、ステップS202における編集の対象となったDLPがRGBイメージ用DLP144aである場合には、選択される対象となるのは、同一のRGB−CMYKプロファイルセット144に含まれるRGBテキスト用DLP144b及びRGBグラフィック用DLP144cとなる。ダイアログボックスD1におけるラジオボタンR10,R11を操作することにより、全てのオブジェクト種別に対して設定変更の内容を反映させるか、一部のオブジェクト種別を選択し、選択したオブジェクト種別に対して設定変更の内容を反映させるかを選択する。すなわち、同一のプロファイルセットに含まれるオブジェクト種別の異なる他のDLPの全てに対して設定変更の内容を反映させるか、同一のプロファイルセットに含まれるオブジェクト種別の異なる他のDLPのうちの一部のDLPに対して設定変更の内容を反映させるかを選択する。ここで、ラジオボタンR11が操作された場合には、ダイアログボックスD1に示された他のオブジェクト種別について、チェックボックスC8,C9を操作してチェックの有無を入力することにより、設定変更の内容を反映させるオブジェクト種別の異なる他のDLPを具体的に選択することができる。図9に示す例では、編集対象となったDLPのオブジェクト種別がイメージであるので、他のオブジェクト種別であるテキスト及びグラフィックが選択可能となっている。
【0087】
そして、CPU11は、反映させる他のDLPの選択が完了したか否かを判定する(ステップS302)。すなわち、CPU11は、図9に示されるダイアログボックスD1に含まれる「OK」ボタンB11が操作されたか否かを判定する。
【0088】
CPU11は、反映させる他のDLPの選択が完了したと判定しないときは(ステップS302:N)、図9に示されるダイアログボックスD1に含まれる「適用項目の設定」ボタンB13が操作されたか否かを判定する(ステップS303)。CPU11は、「適用項目の設定」ボタンB13が操作されたと判定しないときは(ステップS303:N)、ステップS301の処理を実行してオブジェクト種別の選択処理を継続する。一方、CPU11は、「適用項目の設定」ボタンB13が操作されたと判定したときは(ステップS303:Y)、設定適用範囲設定部107として機能して、ステップS202において編集した変更内容のうち、ステップS301において選択した他のDLPに対して反映させる変更内容を選択する(ステップS304)。
【0089】
具体的には、CPU11は、図10に示すようなダイアログボックスD2をクライアントPC2の表示部26に表示させるようにクライアントPC2に指示し、ユーザによる操作を受け付ける。そして、ダイアログボックスD2におけるチェックボックスC10〜C12を操作することにより、ステップS202において実施された編集項目である、ポイントカラー調整、入力カーブ及び出力カーブのそれぞれについて、他のDLPへの変更内容の反映の可否を選択することができる。
【0090】
そして、CPU11は、図10に示されるダイアログボックスD2における「詳細設定」ボタンB16が操作されたか否かを判定する(ステップS305)。CPU11は、「詳細設定」ボタンB16が操作されたと判定したときは(ステップS305:Y)、ステップS202において編集した変更内容のうち、ポイントカラー調整が行われた複数の入力RGB値及び入力CMYK値から他のDLPに反映させるものをユーザの操作に応じて選択する(ステップS306)。すなわち、CPU11は、他のDLPに変更内容を反映させるポイントカラーを選択する。
【0091】
具体的には、CPU11は、図11に示すようなダイアログボックスD3をクライアントPC2の表示部26に表示させるようにクライアントPC2に指示し、ユーザによる操作を受け付ける。そして、ダイアログボックスD3におけるチェックボックスC13〜C17を操作することにより、ステップS202において設定変更の対象とされた複数のポイントカラーから他のDLPに反映させるものを選択することができる。なお、ダイアログボックスD3に示されるチェックボックスは、ステップS202において設定変更の対象とされたポイントカラーの数に応じて設けられる。
【0092】
次に、CPU11は、他のDLPに反映させるポイントカラーの選択が完了したか否かを判定する(ステップS307)。すなわち、CPU11は、図11に示されるダイアログボックスD3における「OK」ボタンB17が操作されたか否かを判定する。CPU11は、「OK」ボタンB17が操作されてポイントカラーの選択が完了したと判定したときは(ステップS307:Y)、選択されたポイントカラーの情報をRAM12に保存し、ステップS304の処理を実行する。一方、CPU11は、ポイントカラーの選択が完了したと判定しないときは(ステップS307:N)、ステップS306の処理を実行してポイントカラーの選択を継続する。なお、図11に示されるダイアログボックスD3における「キャンセル」ボタンB18が操作された場合は、選択されたポイントカラーの情報を保存せずにステップS304の処理を実行する。
【0093】
また、CPU11は、ステップS305において、「詳細設定」ボタンB16が操作されたと判定しないときは(ステップS305:N)、他のDLPへの変更内容の反映の可否の設定が完了したか否かを判定する(ステップS308)。すなわち、CPU11は、図10に示されるダイアログボックスD2における「OK」ボタンB14が操作されて適用項目の設定が完了したか否かを判定する。CPU11は、「OK」ボタンB17が操作されて設定完了したと判定したときは(ステップS308:Y)、ステップS304において選択された情報をRAM12に保存し、ステップS301の処理を実行する。一方、CPU11は、設定完了したと判定しないときは(ステップS308:N)、ステップS304の処理を実行し、他のDLPへの変更内容の反映の可否の設定を継続する。なお、図10に示されるダイアログボックスD2における「キャンセル」ボタンB15が操作された場合は、ステップS304において選択された情報をRAM12に保存せずにステップS301の処理を実行する。
【0094】
また、CPU11は、ステップS302において、反映させる他のDLPの選択が完了したと判定したとき、すなわち、図9に示されるダイアログボックスD1における「OK」ボタンB11が操作された場合には(ステップS302:Y)、ステップS301において選択された情報をRAM12に保存してこの処理を終了する。本実施の形態では、ここで選択されたDLP及びこれに対応するプロファイルカーブを第2の色変換テーブルということがある。なお、図9に示されるダイアログボックスD1における「キャンセル」ボタンB12が操作された場合は、ステップS301において選択された情報をRAM12に保存せずにこの処理を終了し、デバイスリンクプロファイル設定変更処理のステップS206に移行する。
【0095】
そして、CPU11は、ステップS206において、他のオブジェクト種別のDLPに対しても設定変更の内容を反映させるか否かを判定する(ステップS206)。すなわち、CPU11は、設定変更範囲設定処理のステップS301において設定変更の内容を反映させるオブジェクト種別の選択が行われたか否かを判定する。
【0096】
CPU11は、他のオブジェクト種別のDLPに対しても設定変更の内容を反映させると判定しないときは(ステップS206;N)、ステップS201において選択されたDLPに対してのみDLP及びプロファイルカーブの再作成を行い(ステップS207)、この処理を終了する。具体的には、CPU11は、上述したDLPの作成の要領と同じようにしてDLPの再作成を行うが、ステップS202において編集された変更内容を適用した上で、DLPの作成を行う。また、プロファイルカーブについて、CPU11は、変更された入力値及び出力値が周辺の値から急峻に変化しないように、当該変更が行われた入力値及び出力値の周辺の入力値及び出力値について補間演算を行い、階調の移行が滑らかとなるように再作成する。
【0097】
一方、CPU11は、ステップS206において、他のオブジェクト種別のDLPに対しても設定変更の内容を反映させると判定したときは(ステップS206:Y)、ステップS201において選択されたDLPに対してDLP及びこれに対応するプロファイルカーブの再作成を行うとともに、設定変更範囲設定処理のステップS301において選択されたDLPに対する再作成を行う(ステップS208)。具体的には、CPU11は、ステップS207と同様にしてステップS201において選択されたDLPの再作成を行うとともに、設定変更範囲設定処理のステップS301において選択された、設定変更の内容を反映させるDLPに対し、ステップS304及びステップS306において設定された範囲において、ステップS202において編集された変更内容を反映させてDLPの再作成を行う。より具体的には、CPU11は、DLPについては、ステップS202において編集された入力RGB値又は入力CMYK値に対する出力CMYK値の変更前後の増減率を算出し、他のDLPにおいて、対応する入力RGB値又は入力CMYK値に対する出力CMYK値に対して、算出された増減率を適用して変更後の出力CMYK値を算出する。そして、算出した変更後の出力CMYK値を反映させた上で、DLPの作成を行う。このとき、変更された出力CMYK値が周辺の出力CMYK値から急峻に変化しないようにするため、周辺の出力CMYK値について補間演算するようにしてもよい。また、CPU11は、ステップS201において選択されたDLPに対応する再作成後のプロファイルカーブと、ステップS301において選択された他のDLPに対応する再作成前のプロファイルカーブとを補間して得ることにより、ステップS301において選択された他のDLPに対応するプロファイルカーブの再作成を行う。なお、ステップS301において選択された他のDLPに対応する再作成後のプロファイルカーブをステップS201において選択されたDLPに対応する再作成後のプロファイルカーブと一致させるようにしてもよい。
【0098】
また、CPU11は、ステップS204において、「他のオブジェクトに設定値を反映」ボタンB10が操作されたと判定しないとき、すなわち、図8に示されるDLP設定変更画面W3に含まれる「OK」ボタンB8が操作されたと判定したときは(ステップS204:N)、ステップS207の処理を実行し、ステップS201において選択されたDLPについてのみ再作成を行う。
【0099】
以上説明したデバイスリンクプロファイル設定変更処理によって実行されるDLPの設定変更の手順について概略説明すると、図12に示すようになる。
すなわち、クライアントPC2におけるユーザによる所定のDLP設定変更操作が行われてユーザによって何れかのプロファイルセットが選択されると、図12(a)に示されるDLP選択画面W4がクライアントPC2の表示部26に表示される。DLP選択画面W4には、調整開始を行うための「調整」ボタンB19〜B24がオブジェクト種別毎に対応して設けられている。そして、ユーザによって何れかの「調整」ボタンB19〜B24が操作されると、図12(b)に示されるDLP設定変更画面W3において、操作された「調整」ボタンB19〜B24に対応するDLPの設定変更画面が表示部26に表示される。そして、上述した要領にてパラメータの編集が行われた後、ユーザによって「他のオブジェクトに設定値を反映」ボタンB10が操作されると、図12(c)に示されるダイアログボックスD1が表示部26に表示される。そして、上述した要領にて設定変更の内容を反映させるオブジェクト種別の選択が行われた後、ユーザによって「適用項目の設定」ボタンB13が操作されると、図12(d)に示されるダイアログボックスD2が表示部26に表示される。そして、上述した要領にて他のオブジェクト種別に対して反映させる変更内容の選択が行われた後、ユーザによって「詳細設定」ボタンが操作されると、図12(e)に示されるダイアログボックスD3が表示部26に表示される。そして、上述した要領にてポイントカラーの選択が行われた後、「OK」ボタンB17が操作されると、図12(d)に示されるダイアログボックスD2が再び表示部26に表示される。そして、このダイアログボックスD2における「OK」ボタンB14が操作されると、図12(c)に示されるダイアログボックスD1が再び表示部26に表示される。そして、このダイアログボックスD1における「OK」ボタンB11がユーザによって操作されると、上述した要領にて、図12(a)における何れかの「調整」ボタンB12〜B24が操作されることによって選択されたオブジェクト種別のDLPと、選択された他のオブジェクト種別のDLPについて再作成が実施される。
【0100】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、記憶部14は、複数の色変換テーブルを記憶する。そして、CPU11は、所定の変更指示入力を受け付け、受け付けられた変更指示入力に応じて、複数の色変換テーブルから何れかを選択して第1の色変換テーブルとし、選択された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する。そして、CPU11は、設定された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、複数の色変換テーブルのうちの第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する。そして、CPU11は、第1の色変換テーブル及び第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、記憶部14に記憶された第1の色変換テーブル及び第2の色変換テーブルを再度作成する。そして、CPU11は、作成された第1の色変換テーブル及び第2の色変換テーブルを記憶部14に記憶する。その結果、異なるDLP間で共通してパラメータの変更を行いたい場合には、第1の色変換テーブルにおいて具体的に変更内容を設定し、一度の設定操作により、その設定内容を他のDLPにも反映させることができるので、簡便な方法により、特定の色変換テーブルに対して実施した変更の結果を他の色変換テーブルに対しても反映させることができる。
【0101】
また、本発明の実施の形態によれば、CPU11は、複数の色変換テーブルから、第1の色変換テーブルと同一のソースプロファイル及びデスティネーションプロファイルに基づいて作成された色変換テーブルであって、対応付けられたオブジェクト種別の異なる色変換テーブルを第2の色変換とし、この第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する。その結果、同一のターゲット及び出力デバイスを対象とするDLPについて、同様のパラメータの変更を施すことができるので、簡便な方法でより適切なパラメータの変更を実施することができるようになる。
【0102】
また、本発明の実施の形態によれば、CPU11は、複数の第2の色変換テーブルから何れかを選択する。そして、CPU11は、選択された第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する。その結果、同一のターゲット及び出力デバイスを対象とするDLPが複数ある場合には、所望とするDLPにのみ同様のパラメータの変更を実施することができ、利便性が向上する。
【0103】
また、本発明の実施の形態によれば、CPU11は、第1の色変換テーブルのデータの変更内容に基づいて変更を行う色変換テーブルについて複数の色変換テーブルから選択して第2の色変換テーブルとし、この第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する。その結果、所望とするDLPにのみ同様のパラメータの変更を実施することができ、利便性が向上する。
【0104】
また、本発明の実施の形態によれば、CPU11は、第1の色変換テーブルにおける複数種類の変更対象のそれぞれについてデータの変更内容の設定を行う。そして、CPU11は、複数種類の変更対象からデータの変更を行う対象を選択する。そして、CPU11は、選択した変更対象であるデータについて第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する。その結果、第2のDLPに反映させたいパラメータの変更内容を選択できるので、利便性がさらに向上する。
【0105】
なお、本発明の実施の形態における記述は、本発明に係るカラーマネジメントシステムの一例であり、これに限定されるものではない。カラーマネジメントシステムを構成する各機能部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0106】
また、本実施の形態では、同一のプロファイルセットに属する他のDLPに対して、設定変更を行ったDLPの設定変更の内容を反映させるようにしたが、同一のプロファイルセットに属さない他のDLPに対して反映させるようにしてもよい。
【0107】
また、本実施の形態では、プロファイルセットを設け、同一のソースプロファイル及びデスティネーションプロファイルに基づいて作成されたオブジェクト種別の異なるDLPを同一のプロファイルセットに定義づけるようにしたが、プロファイルセットを設けない構成としてもよく、例えば、同一のソースプロファイル及びデスティネーションプロファイルに基づいて作成されたオブジェクト種別の異なるDLPを特定し、特定したDLPに対して設定変更を行ったDLPの設定変更の内容を反映させるようにしてもよい。また、このとき、設定変更を行ったDLPとは同一でないソースプロファイル及びデスティネーションプロファイルに基づいて作成されたDLPに対して設定変更の内容を反映させるようにしてもよい。
【0108】
また、本実施の形態では、設定変更を行ったDLPの設定変更の内容を他のDLPに対して反映させるか否かを選択できるようにしたが、必ず反映させる構成としてもよい。
【0109】
また、本実施の形態では、設定変更を行う複数種類の設定項目のそれぞれについて、他のDLPに対して設定変更の内容を反映させるか否かを選択できるようにしたが、そのような機能を備えず、他のDLPに対し、設定変更を行ったDLPの設定変更の内容のうちの全ての設定項目について設定変更の内容を反映させるようにしてもよい。また、設定変更を行ったDLPの設定変更の内容のうちの一部の設定項目については、他のDLPに対し、必ず設定変更の内容を反映させ、他の設定項目については、他のDLPに対し、設定変更の内容を反映させるか否かを選択できるようにしてもよい。
【0110】
また、本実施の形態では、オブジェクト種別としてイメージ、テキスト及びグラフィックを適用したが、これらのうちの一部のみ適用してもよい。また、イメージ、テキスト及びグラフィック以外のオブジェクト種別を適用してもよい。
【0111】
また、本実施の形態では、DLP設定部103及びDLP計算部104等をコントローラ10に設け、コントローラ10にてDLPの作成及び再作成を行うようにしたが、これらの機能をクライアントPC2等、コントローラ10以外の装置に設けるようにしてもよい。また、複数の装置によりこれらの機能を分担させるように構成してもよい。
また、コントローラ10の機能がMFP3に含まれるものであってもよい。
【0112】
また、本実施の形態では、ソースプロファイル、デスティネーションプロファイル及びDLPをコントローラ10の記憶部14に記憶するようにしたが、クライアントPC2等、他の装置に設けられた記録媒体に記憶されるものであってもよい。
【0113】
また、本実施の形態では、ポイントカラー調整及びプロファイルカーブ調整について他のDLPに反映させるものとしたが、他の調整内容であってもよい。またポイントカラー調整及びプロファイルカーブ調整の何れか一方の設定変更の内容を他のDLPに反映させるものとしてもよい。また、具体的な調整内容については適宜変更可能である。
【0114】
また、本実施の形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【符号の説明】
【0115】
1 CMS
2 クライアントPC
3 MFP
10 コントローラ
11 CPU
14 記憶部
141 RGBソースプロファイル
142 CMYKソースプロファイル
143 デスティネーションプロファイル
144a RGBイメージ用DLP
144b RGBテキスト用DLP
144c RGBグラフィック用DLP
145a CMYKイメージ用DLP
145b CMYKテキスト用DLP
145c CMYKグラフィック用DLP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力色データをデバイス非依存の色空間に変換するためのソースプロファイルと、前記デバイス非依存の色空間から出力色データに変換するためのデスティネーションプロファイルとに基づいて作成される、入力色データから出力色データを得るための複数の色変換テーブルを管理する色変換テーブル管理方法において、
所定の変更指示入力を受け付ける入力受付工程と、
前記入力受付工程において受け付けられた変更指示入力に応じて、前記複数の色変換テーブルから何れかを選択して第1の色変換テーブルとし、該選択された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する第1のデータ変更工程と、
前記第1のデータ変更工程において設定された前記第1の色変換テーブルのデータの変更内容に基づいて、前記複数の色変換テーブルのうちの前記第1の色変換テーブル以外の第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定する第2のデータ変更工程と、
前記第1のデータ変更工程及び前記第2のデータ変更工程においてそれぞれ設定されたデータの変更内容に基づき、前記第1の色変換テーブル及び第2の色変換テーブルを再度作成する再作成工程と、
を含むことを特徴とする色変換テーブル管理方法。
【請求項2】
前記複数の色変換テーブルは、それぞれ画像の属性を示す複数種類の属性情報のうちの何れかに対応づけられており、
前記第2のデータ変更工程において、前記複数の色変換テーブルから、前記第1の色変換テーブルと同一のソースプロファイル及びデスティネーションプロファイルに基づいて作成された色変換テーブルであって、対応付けられた属性情報の異なる色変換テーブルを前記第2の色変換テーブルとし、該第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする請求項1に記載の色変換テーブル管理方法。
【請求項3】
前記第2のデータ変更工程において、複数の前記第2の色変換テーブルから何れかを選択し、該選択された色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする請求項2に記載の色変換テーブル管理方法。
【請求項4】
前記第2のデータ変更工程において、前記第1の色変換テーブルのデータの変更内容に基づいて変更を行う色変換テーブルについて前記複数の色変換テーブルから選択して前記第2の色変換テーブルとし、該第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする請求項1に記載の色変換テーブル管理方法。
【請求項5】
前記複数の色変換テーブルには、データの変更対象が複数種類含まれており、
前記第1の色変換テーブルにおける複数種類の変更対象のそれぞれについてデータの変更内容の設定が可能であり、
前記第2のデータ変更工程において、前記複数種類の変更対象からデータの変更を行う対象を選択し、該選択した変更対象であるデータについて前記第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の色変換テーブル管理方法。
【請求項6】
入力色データをデバイス非依存の色空間に変換するためのソースプロファイルと、前記デバイス非依存の色空間から出力色データに変換するためのデスティネーションプロファイルとに基づいて作成される、入力色データから出力色データを得るための複数の色変換テーブルを管理する色変換テーブル管理装置において、
前記複数の色変換テーブルを記憶する記憶部と、
所定の変更指示入力を受け付け、該受け付けられた変更指示入力に応じて、前記複数の色変換テーブルから何れかを選択して第1の色変換テーブルとし、該選択された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定し、該設定された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、前記複数の色変換テーブルのうちの前記第1の色変換テーブル以外の第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定し、前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、前記記憶部に記憶された前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルを再度作成し、該作成された前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルを前記記憶部に記憶する制御部と、
を備えたことを特徴とする色変換テーブル管理装置。
【請求項7】
前記複数の色変換テーブルは、それぞれ画像の属性を示す複数種類の属性情報のうちの何れかに対応付けられており、
前記制御部は、前記複数の色変換テーブルから、前記第1の色変換テーブルと同一のソースプロファイル及びデスティネーションプロファイルに基づいて作成された色変換テーブルであって、対応付けられた属性情報の異なる色変換テーブルを前記第2の色変換テーブルとし、該第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする請求項6に記載の色変換テーブル管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、複数の前記第2の色変換テーブルから何れかを選択し、該選択された第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする請求項7に記載の色変換テーブル管理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1の色変換テーブルのデータの変更内容に基づいて変更を行う色変換テーブルについて前記複数の色変換テーブルから選択して前記第2の色変換テーブルとし、該第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする請求項6に記載の色変換テーブル管理装置。
【請求項10】
前記複数の色変換テーブルには、データの変更対象が複数種類含まれており、
前記制御部は、前記第1の色変換テーブルにおける複数種類の変更対象のそれぞれについてデータの変更内容の設定が可能であり、前記複数種類の変更対象からデータの変更を行う対象を選択し、該選択した変更対象であるデータについて前記第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定することを特徴とする請求項6〜9の何れか一項に記載の色変換テーブル管理装置。
【請求項11】
入力色データをデバイス非依存の色空間に変換するためのソースプロファイルと、前記デバイス非依存の色空間から出力色データに変換するためのデスティネーションプロファイルとに基づいて作成される、入力色データから出力色データを得るための複数の色変換テーブルを管理するコンピュータを、
所定の変更指示入力を受け付け、該受け付けられた変更指示入力に応じて、前記複数の色変換テーブルから何れかを選択して第1の色変換テーブルとし、該選択された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定し、該設定された第1の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、前記複数の色変換テーブルのうちの前記第1の色変換テーブル以外の第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容を設定し、前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルにおけるデータの変更内容に基づき、前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルを再度作成し、該作成された前記第1の色変換テーブル及び前記第2の色変換テーブルを記憶部に記憶する制御手段として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−109884(P2012−109884A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258508(P2010−258508)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】