説明

色彩選別機のエジェクターシステム

【課題】清掃やメンテナンス性に優れる色彩選別機のエジェクターシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】移送手段の端部から落下する粒状物を所定位置において検出し、当該検出結果に基づいてエアーにより粒状物を除去する色彩選別機のエジェクターシステムであって、先端に複数のノズル孔が開口し、該ノズル孔に連通する複数のエアー流路が形成されるノズル部と、圧縮エアー源と連通するエアー空間か形成されるとともに該エアー空間と連通する複数の電磁弁を備え、当該各電磁弁の作動により対応する前記ノズル部の各エアー流路に圧縮エアーを供給する複数のエアー流路が形成されるマニホールド部とから構成され、前記ノズル部におけるエアー流路開口面と前記マニホールド部におけるエアー流路開口面を当接させた状態で前記ノズル部と前記マニホールド部を分解可能に一体化することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米や小麦等の穀粒、樹脂ペレット、コーヒー豆、その他の粒状物を良品と不良品に選別したり、粒状物に混入する異物を除去したりする色彩選別機に用いられるエジェクターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
粒状物を良品と不良品に選別したり、粒状物に混入する異物を除去したりする色彩選別機は従来周知である。
色彩選別機は、例えばシュートやベルトの端部から空中に放出される粒状物に光を照射し、該粒状物からの反射光や透過光をセンサーにより検出して該検出信号を基準値と比較することで不良品や異物を判別し、該不良品や異物をエジェクターノズルからのエアーの噴射等により吹き飛ばすことで粒状物を選別するものである(例えば、特許文献1,2を参照。)。
【0003】
図13は、特許文献1に記載された選別機のイジェクタノズルを示す。当該イジェクタノズル101は、複数のスリット状の空気噴射孔102及び当該各空気噴射孔102に連通する複数の孔103を有し、該複数の孔103の各々に、図示しない噴射空気供給源に接続されるホース104を嵌挿して前記空気噴射孔102から空気を噴射する。
しかしながら、当該イジェクタノズル101は、前記ホース104が前記孔103から抜けてトラブルが発生する問題がある。また、当該イジェクタノズル101には、前記ホース104を含め塵埃やゴミが溜まりやすく、清掃やメンテナンスを頻繁に行う必要がある。
【0004】
図14は、特許文献2に記載された選別機のエアー噴射装置を示す。当該エアー噴射装置111は、複数のノズルブロック112と、該複数のノズルブロック112に配管接続される複数の電磁弁113と、該複数の電磁弁113と配管接続される一つのレシーバタンク114をベース115上に配設したものである。当該エアー噴射装置111は、前記レシーバタンク114に蓄えられる圧縮エアーが配管を通じて前記各電磁弁113に供給されており、特定の電磁弁113を開いた際に配管を通じて対応するノズルブロック112にエアーを供給し、該ノズルブロック112の先端に形成されるノズル116からエアーを噴射する。
当該エアー噴射装置111は、前記各ノズルブロック112と前記各電磁弁113をそれぞれ配管により接続するものであり、上記イジェクタノズル101のようにホース104が孔103から抜けてトラブルが発生する問題はない。
しかしながら、当該エアー噴射装置111は、複数のノズルブロック112、複数の電磁弁113、及びレシーバタンク114のそれぞれを配管により接続してベース115上に配設するものであり、清掃やメンテナンスが大掛かりなものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−252535号公報
【特許文献2】特開平5−169037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、清掃やメンテナンス性に優れる色彩選別機のエジェクターシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、移送手段の端部から落下する粒状物を所定位置において検出し、当該検出結果に基づいてエアーにより粒状物を除去する色彩選別機のエジェクターシステムであって、先端に複数のノズル孔が開口し、該ノズル孔に連通する複数のエアー流路が形成されるノズル部と、圧縮エアー源と連通するエアー空間が形成されるとともに該エアー空間と連通する複数の電磁弁を備え、当該各電磁弁の作動により対応する前記ノズル部の各エアー流路に圧縮エアーを供給する複数のエアー流路が形成されるマニホールド部とから構成され、前記ノズル部におけるエアー流路開口面と前記マニホールド部におけるエアー流路開口面を当接させた状態で前記ノズル部と前記マニホールド部を分解可能に一体化することを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、前記ノズル部におけるエアー流路開口面と前記マニホールド部におけるエアー流路開口面を凹凸嵌合させるとともに、マニホールド部から伸長する一対のロッドをノズル部に形成される一対の貫通孔に挿通させることで前記ノズル部とマニホールド部を分解可能に一体化することが好ましい。
【0009】
本発明は、前記ノズル部がノズル上部材とノズル下部材をネジ止めして構成されるとともに、前記マニホールド部がマニホールド上部材とマニホールド下部材をネジ止めして構成され、それぞれ前記上下各部材の対向面に前記各エアー流路が形成されることが好ましい。
【0010】
本発明は、前記ノズル部が粒状物の流路中に位置し、前記マニホールド部が機体内部に位置するよう色彩選別機に対し配設されることが好ましい。
【0011】
本発明は、前記ノズル部上面の一側端部に当該ノズル部上面の他側端部に向けて開口するノズルを備えるエアースイーパーが配設されてなり、前記ノズル部には当該エアースイーパーのノズルに連通するエアー流路が形成され、前記マニホールド部には前記エアー空間と連通する電磁弁が配設されるとともに当該電磁弁の作動により前記ノズル部に形成される前記エアースイーパーのノズルに連通するエアー流路に圧縮エアーを供給するエアー流路が形成されることが好ましい。
【0012】
本発明は、前記複数の電磁弁がマニホールド部に対し位相をずらした状態で複数列に配設されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明における色彩選別機のエジェクターシステムは、ノズル部におけるエアー流路開口面とマニホールド部におけるエアー流路開口面を当接させた状態で当該ノズル部と当該マニホールド部を分解可能に一体化するので、従来のようにホースが抜けてトラブルが発生することがなく、清掃やメンテナンス性にも優れるものである。
【0014】
本発明のエジェクターシステムは、ノズル部におけるエアー流路開口面とマニホールド部におけるエアー流路開口面を凹凸嵌合させるとともに、マニホールド部から伸長する一対のロッドをノズル部に形成される一対の貫通孔に挿通させるものとすれば、ノズル部とマニホールド部を簡単に分解することができ清掃やメンテナンス性が向上する。
【0015】
本発明のエジェクターシステムは、ノズル部がノズル上部材とノズル下部材をネジ止めして構成されるとともに、マニホールド部がマニホールド上部材とマニホールド下部材をネジ止めして構成され、それぞれ上下各部材の対向面にエアー流路が形成されることとすれば、ノズル部とマニホールド部の上下各部材を簡単に分解することができ、該エアー流路を簡単に清掃することができる。
【0016】
本発明のエジェクターシステムは、マニホールド部が機体内部に位置するよう色彩選別機に対し配設されることとすれば、粒状物の落下に伴い流路中に舞い上がる塵埃等により電磁弁が汚染されることがなく、清掃やメンテナンスの負担を軽減することができる。
【0017】
本発明のエジェクターシステムは、ノズル部上面の一側端部に当該ノズル部上面の他側端部に向けて開口するノズルを備えるエアースイーパーが配設されることとすれば、該ノズル部上面に堆積する原料や塵埃等を自動清掃することができ、作業者による清掃やメンテナンスの負担を軽減することができる。
【0018】
本発明のエジェクターシステムは、複数の電磁弁がマニホールド部に対し位相をずらした状態で複数列に配設されることとすれば、電磁弁を一列に配設する場合と比べノズル孔の数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】色彩選別機の外観斜視図。
【図2】色彩選別機の概略側断面図。
【図3】エジェクターシステムの斜視図。
【図4】エジェクターシステムの正面一部拡大図。
【図5】エジェクターシステムの分解図。
【図6】マニホールド部の斜視図。
【図7】エジェクターシステムを構成する下部材の平面図。
【図8】エジェクターシステムを構成する上部材の下面図。
【図9】図3のA−A断面図。
【図10】図3のB−B断面図。
【図11】図3のC−C断面図。
【図12】図2の部分拡大図。
【図13】従来のイジェクタノズル。
【図14】従来のエアー噴射装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
<色彩選別機の概要>
色彩選別機の概要について説明する。
図1は色彩選別機の一例であって、その外観斜視図を示す。図2は図1に示す色彩選別機の概略側断面図を示す。
当該色彩選別機1は、粒状物を投入する投入ホッパ2と、該粒状物を選別機1の上部に持ち上げるバケットコンベア3と、該持ち上げられた粒状物を貯留する貯留タンク4と、該貯留タンク4の出口に配設されるロータリーバルブ5と、該ロータリーバルブ5の下方に配設される所定幅を有する傾斜状シュート6と、該傾斜状シュート6を挟んで前後に一対配設される光学検出装置7a,7bと、該光学検出装置7a,7bの下方に配設されるエジェクターシステム8と、該エジェクターシステム8の下方に配設される粒状物排出樋9とを備える。
【0021】
前記光学検出装置7a,7bは、センサー10a,10bと、ミラー11a,11bと、照明手段12a,12bと、背景手段13a,13bを備える。
前記センサー10a,10bには、例えば前記傾斜状シュート6の幅方向各位置に割り当てられるライン状に連接した複数の受光素子から構成されるCCDラインセンサー等が用いられる。
また、前記背景手段13a,13bは、前記センサー10a,10bの光軸上であって粒状物検出位置Oの背後に配設される。
当該光学検出装置7a,7bは、前記傾斜状シュート6から落下する粒状物を、該落下軌跡の幅方向各位置において検出する。
【0022】
前記エジェクターシステム8は、前記傾斜状シュートの幅方向各位置に割り当てられる複数のノズル孔を有するノズル部20を備え、前記光学検出装置7a,7bによる検出結果に基づいて、前記傾斜状シュート6から落下する粒状物を、該落下軌跡の幅方向各位置に対応するノズル孔からのエアーの噴射により吹き飛ばす。
【0023】
前記粒状物排出樋9は、前記傾斜状シュート6の下端から粒状物が落下する軌跡に沿って配設される良品排出樋9a、前記エジェクターシステム8を構成するノズル部20のノズル孔からのエアーの噴射により粒状物が落下軌跡を変更させられる位置に配設される不良品排出樋9bを備える。
【0024】
当該色彩選別機1において、投入ホッパ2に投入される粒状物は、バケットコンベア3により持ち上げられ前記貯留タンク4に貯留される。該貯留タンク4から前記ロータリ−バルブ5を介して一定流量で供給される粒状物は、前記傾斜状シュート6上を幅方向に広がって連続状に自然流下する。該傾斜状シュート6の下端から空中に放出される粒状物は、前記一対の光学検出装置7a,7bの各照明手段12a,12bにより照明され、前記傾斜状シュート6の幅方向に直線状に延びる粒状物検出位置Oにおいて前記背景手段13a,13bを背景として前記各センサー10a,10bにより撮像され、当該撮像信号の電圧値を基準となる閾値と比較する等して不良品や異物が判別される。そして、良品と判別される粒状物は、所定の落下軌跡に沿って配設される良品排出樋9aに落下する。また、不良品や異物と判別される粒状物は、前記エジェクターシステム8を構成するノズル部20の所定位置に開口するノズル孔から所定のタイミングで噴射されるエアーにより吹き飛ばされて不良品排出樋9bに落下する。
なお、エアーにより吹き飛ばす粒状物は不良品や異物でなく、良品であっても構わない。
【0025】
<エジェクターシステム>
本発明のエジェクターシステムについて説明する。
図3は本発明の実施の形態におけるエジェクターシステムの斜視図を示す。図4は図3に示すエジェクターシステムの正面一部拡大図を示す。
図3に示すように、本実施の形態におけるエジェクターシステム8は、ノズル部20とマニホールド部30から構成される。
前記ノズル部20はノズル上部材20aとノズル下部材20bをネジ止めして構成される。前記マニホールド部30はマニホールド上部材30aとマニホールド下部材30bをネジ止めして構成される。
【0026】
ここで、図4から明らかなように、前記ノズル部20の前面には幅方向に複数のノズル孔21が開口する。また、図3及び図4に示すように、前記ノズル部20上面の一側端部には、該上面の他側端部に向けて開口するノズル22を備えるエアースイーパー23が配設される。
なお、マニホールド上部材30aの上面前方には、色彩選別機に対し当該エジェクターシステム8を取り付けるための取付部材31がネジ止めされる。
【0027】
図5は図3に示すエジェクターシステムをノズル部とマニホールド部に分解した図を示す。図6は該分解したマニホールド部の斜視図を示す。
図5に示すように、前記マニホールド部30は前面に横長の凹部32が形成され、該凹部32の両側方に一対のロッド33a,33bが取り付けられる。
一方、前記ノズル部20は後面に横長の凸部24が形成され、該凸部24の両側方に一対の貫通孔25a,25bが形成される。
【0028】
ここで、図6から明らかなように、前記マニホールド部30の前面に形成される前記凹部32には、前記ノズル孔21に連通するエアー流路37が幅方向に複数開口する。また、前記凹部32の両側方には、前記一対のロッド33a,33bの各取付穴34a,34bが形成される。
【0029】
図4及び図6に示すように、前記マニホールド上部材30aとマニホールド下部材30bの各後面には、前記凹部32に開口するエアー流路37に対応させて電磁弁35a,35bが幅方向に複数配設される。また、前記マニホールド下部材30bの下面には、圧縮エアー供給用配管を接続するための一対のエアー配管接続部36a,36bが配設される。
ここで、図4から明らかなように、前記各電磁弁35a,35bは、マニホールド上下各部材30a,30bに対し幅方向に位相をずらした状態で配設される。
なお、前記電磁弁35a,35bには周知のものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。
【0030】
本実施形態のエジェクターシステム8は、前記マニホールド部30に取り付けられる一対のロッド33a,33bを前記ノズル部20に形成される一対の貫通孔25a,25bに挿通するとともに、前記ノズル部20の後面に形成される前記凸部24を前記マニホールド部30の前面に形成される前記凹部32に嵌合させた状態で、前記各貫通孔25a,25bから突出する前記各ロッド33a,33bの先端雄ネジ部に、図5に示す固定部材26a,26bの雌ネジ部を螺合させ締め付けて、前記ノズル部20と前記マニホールド部30とを一体化するものである。
【0031】
本実施形態のエジェクターシステムは、ノズル部20とマニホールド部30とを前記固定部材26a,26bの締め付けにより一体とするものであるから、該ノズル部20と該マニホールド部30を簡単に分解することができ、清掃やメンテナンス性が向上する。
【0032】
次に、図7は図3に示すエジェクターシステムにおいてノズル上部材とマニホールド上部材を取り外した状態の平面図を示す。図8は図7において取り外したノズル上部材とマニホールド上部材の下面図を示す。
図7に示すように、ノズルとマニホールドの各下部材20b,30bの上面には、マニホールド下部材30bの前方からノズル下部材20bの前端まで続く溝37b,27bが幅方向に複数形成される。
【0033】
マニホールド下部材30bの上面後方には、下面にエアー供給孔39a,39bが開口するエアー空間用凹部40bが形成される。また、前記マニホールド下部材30bには連通孔38bが幅方向に複数形成される。
ここで、前記エアー空間用凹部40bは、マニホールド下部材30bの後面に複数配設される前記各電磁弁35bに連通する。また、前記各連通孔38bは、後端が前記各電磁弁35bに連通し、前端が前記マニホールド下部材30bの前方に形成される前記溝37bに一つ置きに連通する。
【0034】
一方、図8に示すように、ノズルとマニホールドの各上部材20a,30aの下面には、マニホールド上部材30aの前方からノズル上部材20aの前端まで続く溝37a,27aが幅方向に複数形成される。
【0035】
マニホールド上部材30aの下面後方にはエアー空間用凹部40aが形成される。また、前記マニホールド上部材30aには連通孔38aが幅方向に複数形成される。
ここで、前記エアー空間用凹部40aは、マニホールド上部材30aの後面に複数配設される前記各電磁弁35aに連通する。また、前記各連通孔38aは、後端が前記各電磁弁35aに連通し、前端が前記マニホールド上部材30aの前方に形成される前記溝37aに一つ置きに連通する。
【0036】
本実施形態のエジェクターシステムは、図7に示すノズルとマニホールドの各下部材20b,30bの上面に形成される前記各溝27b,37bと、図8に示すノズルとマニホールドの各上部材20a,30aの下面に形成される前記各溝27a,37aとにより、前記ノズル孔21と前記各連通孔38a,38bを連通する複数の独立したエアー通路27,37を構成する。
このとき、前記マニホールド下部材30bに形成される連通孔38bと連通する溝37bは、マニホールド上部材30aに形成される連通孔38aと連通しない溝37aとの間でエアー通路を構成する。また、前記マニホールド下部材30bに形成される連通孔38bと連通しない溝37bは、マニホールド上部材30aに形成される連通孔38aと連通する溝37aとの間でエアー通路を構成する。
【0037】
ところで、図8に示すノズル上部材20aの下面左端に形成される溝28aには、該ノズル上部材20aの上面に連通する連通孔29が形成される。当該溝28aは、図7に示すノズル下部材20bの上面左端に形成される溝28bとともにノズル部20上面に配設されるエアースイーパー23のノズル22に連通するエアー流路28を構成する。
【0038】
また、本実施形態のエジェクターシステムは、図7に示すマニホールド下部材30bの上面に形成されるエアー空間用凹部40bと、図8に示すマニホールド上部材30aの下面に形成されるエアー空間用凹部40aとにより、マニホールド部30の内部に後述するエアー空間40を構成する。当該エアー空間40は、図示しない圧縮エアー源から前記マニホールド下部材30bの下面に開口するエアー供給口39a,39bに供給される圧縮エアーを貯留する空間である。
【0039】
ここで、図9は図3のA−A断面におけるノズル部及びマニホールド部内のエアー流路を示す。図10は図3のB−B断面におけるノズル部及びマニホールド部内のエアー流路を示す。
図9に示すエアー流路は、マニホールド部30に形成されるエアー空間40からマニホールド下部材30bに配設される電磁弁35bを介して該下部材30bに形成される連通孔38bに連通し、マニホールド部30の前方に形成される前記エアー流路37及びノズル部20に形成される前記エアー流路27を介してノズル部20前面に開口するノズル孔21に連通する。
【0040】
図10に示すエアー流路は、マニホールド部30に形成されるエアー空間40からマニホールド上部材30aに配設される電磁弁35aを介して該上部材30aに形成される連通孔38aに連通し、マニホールド部30の前方に形成される前記エアー流路37及びノズル部20に形成される前記エアー流路27を介してノズル部20前面に開口するノズル孔21に連通する。
【0041】
図9及び図10に示す各エアー流路は、前記各電磁弁35a,35bの開放により前記エアー空間40から各ノズル孔21に対しエアーを供給する。
例えば、図1及び図2に示す色彩選別機1において光学検出装置7a,7bが不良品を検出し、当該不良品が検出された粒状物落下軌跡の幅方向の位置が図9又は図10に示すノズル孔21の位置に対応する場合、本実施形態のエジェクターシステム8は、図9又は図10に示す電磁弁35a,35bの開放により、前記エアー空間40に貯留される高圧エアーを前記所定のエアー流路を経て前記いずれかのノズル孔21から噴射する。
【0042】
図11は図3のC−C断面におけるノズル部及びマニホールド部内のエアー流路を示す。
図11に示すエアー流路は、マニホールド部30に形成されるエアー空間40からマニホールド上部材30aに配設される電磁弁35aを介して該上部材30aに形成される連通孔38aに連通し、マニホールド部30の前方に形成される前記エアー流路37及びノズル部20に形成されるエアー流路28から連通孔29を介してノズル部20上面に配設されるエアースイーパー23のノズル22に連通する。
【0043】
図11に示すエアー流路も、前記電磁弁35aの開放により前記エアー空間40からエアースイーパー23のノズル22に対しエアーを供給する。
例えば、図1及び図2に示す色彩選別機1においてタイマーを利用し、該色彩選別機1の稼働時間に応じて前記電磁弁35aを開放させ前記ノズル22から定期的にエアーを噴射させたり、センサーを利用し、ノズル部20上面への塵埃等の堆積状況に応じて前記電磁弁35aを開放させ前記ノズル22からエアーを噴射させたりすることで、ノズル部20上面を自動清掃することができる。また、前記電磁弁35aの開閉動作を手動に切り換えることで、作業者の操作によりノズル部20上面を自動清掃することもできる。
【0044】
以上のとおり、本実施形態のエジェクターシステム8は、ノズル部20とマニホールド部30とを簡単に組立・分解することが可能な構成としたことで、清掃やメンテナンス性が向上する。
また、本実施形態のエジェクターシステム8は、ノズル部20とマニホールド部30を各上下部材のネジ止めにより構成したので該各上下部材を簡単に分解することができ、各上下部材の対向面に形成されるエアー通路27,37を簡単に清掃することができる。
【0045】
本実施形態のエジェクターシステム8は、ノズル部20上面の一側端部に該ノズル部20上面の他側端部に向けて開口するノズル22を備えるエアースイーパー23を配設したので、該ノズル部20上面に堆積する原料や塵埃等を自動清掃することができ、作業者による清掃やメンテナンスの負担を軽減することができる。
【0046】
本実施形態のエジェクターシステム8は、マニホールド部30を構成する上下各部材30a,30bのそれぞれに電磁弁35a,35bを複数配設し、該上部材30aに配設する電磁弁35aと該下部材30bに配設する電磁弁35bの位相を異ならせる構成としたので、電磁弁を片方の部材にのみ配設する場合と比べノズル部前面に開口するノズル孔の数を二倍にまで増やすことができる。
【0047】
上記実施形態のエジェクターシステムは、マニホールド部30に取り付けられる一対のロッド33a,33bをノズル部20に形成される一対の貫通孔25a,25bに挿通し、該貫通孔25a,25bから突出するロッド33a,33bの先端雄ネジ部に固定部材26a,26bの雌ネジ部を螺合させ締め付けて、前記ノズル部20とマニホールド部30を一体化したが、前記ノズル部20とマニホールド部30を他の手段により一体化しても構わない。
【0048】
上記実施形態のエジェクターシステムは、ノズル部20とマニホールド部30の上下各部材の対向面に形成される各エアー流路27,37を、各下部材の上面に形成される溝と各上部材の下面に形成される溝とにより構成したが、前記各エアー流路27,37はノズル部20とマニホールド部30の上下各部材の対向面に形成されていればよく、前記各エアー流路27,37を構成する溝は前記上下各部材のいずれかのみに形成されるものでも構わない。
【0049】
上記実施形態のエジェクターシステムは、ノズル部20とマニホールド部30を、それぞれ上下各部材をネジ止めして構成したが、それぞれ一部材で構成することもできる。その場合、前記各部に形成するエアー流路は貫通孔として形成すればよい。
【0050】
上記実施形態のエジェクターシステムは、ノズル部20上面にエアースイーパー23を配設するものであるが、当該エアースイーパーの配設は任意である。
【0051】
上記実施形態のエジェクターシステムは、マニホールド部30に対し電磁弁35を二列に配設するものであるが、当該電磁弁35は三列以上配設するものでもよいし、従来どおり一列のみ配設するものでもよい。
【0052】
<エジェクターシステムの色彩選別機への適用例>
図12は本発明のエジェクターシステムの色彩選別機への適用例であって、図2の部分拡大図を示す。
図12に示すように、本実施形態のエジェクターシステム8は、マニホールド上部材30aの前方上面にネジ止めされた前記取付部材31によって色彩選別機の機体に固定される。
その際、該エジェクターシステム8は、ノズル部20が粒状物の流路中に位置し、マニホールド部30が機体内部に位置するよう配設される。
【0053】
本実施形態のエジェクターシステム8は、マニホールド部30を色彩選別機の機体内部に配設することで、粒状物の落下に伴い前記流路中に舞い上がる塵埃等により電磁弁が汚染されるのを防ぐことができる。
【0054】
なお、本実施形態のエジェクターシステム8は、上記色彩選別機1への適用に限るものでなく、あらゆる色彩選別機に適用可能である。
【0055】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜構成を変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の色彩選別機に用いられるエジェクターシステムは、ノズル部とマニホールド部を分解可能な構造で一体化して構成したため清掃やメンテナンス性に優れており極めて利用価値の高いものである。
【符号の説明】
【0057】
1 色彩選別機
2 投入ホッパ
3 バケットコンベア
4 貯留タンク
5 ロータリーバルブ
6 傾斜状シュート
7a,7b 光学検出装置
8 エジェクターシステム
9 粒状物排出樋
9a 良品排出樋
9b 不良品排出樋
10a,10b センサー
11a,11b ミラー
12a,12b 照明手段
13a,13b 背景手段
20 ノズル部
20a ノズル上部材
20b ノズル下部材
21 ノズル孔
22 ノズル
23 エアースイーパー
24 凸部
25a,25b 貫通孔
26a,26b 固定部材
27 エアー流路
27a,27b 溝
28 エアー流路
28a,28b 溝
30 マニホールド部
30a マニホールド上部材
30b マニホールド下部材
31 取付部材
32 凹部
33a,33b ロッド
34a,34b ロッド取付穴
35a,35b 電磁弁
36a,36b エアー配管接続部
37 エアー流路
37a,37b 溝
38a,38b 連通孔
39a,39b エアー供給孔
40 エアー空間
40a,40b エアー空間用凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送手段の端部から落下する粒状物を所定位置において検出し、当該検出結果に基づいてエアーにより粒状物を除去する色彩選別機のエジェクターシステムであって、
先端に複数のノズル孔が開口し、該ノズル孔に連通する複数のエアー流路が形成されるノズル部と、圧縮エアー源と連通するエアー空間が形成されるとともに該エアー空間と連通する複数の電磁弁を備え、当該各電磁弁の作動により対応する前記ノズル部の各エアー流路に圧縮エアーを供給する複数のエアー流路が形成されるマニホールド部とから構成され、前記ノズル部におけるエアー流路開口面と前記マニホールド部におけるエアー流路開口面を当接させた状態で前記ノズル部と前記マニホールド部を分解可能に一体化することを特徴とする色彩選別機のエジェクターシステム。
【請求項2】
前記ノズル部におけるエアー流路開口面と前記マニホールド部におけるエアー流路開口面を凹凸嵌合させるとともに、マニホールド部から伸長する一対のロッドをノズル部に形成される一対の貫通孔に挿通させることで前記ノズル部とマニホールド部を分解可能に一体化する請求項1記載の色彩選別機のエジェクターシステム。
【請求項3】
前記ノズル部はノズル上部材とノズル下部材をネジ止めして構成されるとともに、前記マニホールド部はマニホールド上部材とマニホールド下部材をネジ止めして構成され、それぞれ前記上下各部材の対向面に前記各エアー流路が形成される請求項1又は2記載の色彩選別機のエジェクターシステム。
【請求項4】
前記ノズル部は粒状物の流路中に位置し、前記マニホールド部は機体内部に位置するよう色彩選別機に対し配設される請求項1乃至3の何れか一項記載の色彩選別機のエジェクターシステム。
【請求項5】
前記ノズル部上面の一側端部には当該ノズル部上面の他側端部に向けて開口するノズルを備えるエアースイーパーが配設されてなり、前記ノズル部には当該エアースイーパーのノズルに連通するエアー流路が形成され、前記マニホールド部には前記エアー空間と連通する電磁弁が配設されるとともに該電磁弁の作動により前記ノズル部に形成される前記エアースイーパーのノズルに連通するエアー流路に圧縮エアーを供給するエアー流路が形成される請求項1乃至4の何れか一項記載の色彩選別機のエジェクターシステム。
【請求項6】
前記複数の電磁弁はマニホールド部に対し位相をずらした状態で複数列に配設される請求項1乃至5の何れか一項記載の色彩選別機のエジェクターシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−35185(P2012−35185A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176736(P2010−176736)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】