説明

芝刈機

【課題】グラスバッグが芝草で満杯になったことを表示する表示装置(若しくは表示灯)が作業中に気付きにくい点を解決することで、視認性のよい満杯表示装置を可能にするとともに、満杯表示装置を設けるにあたって走行性をも向上することを可能にする。
【解決手段】機体(ハウジング)11に動力源(エンジン)14を設け、この動力源14でカッタブレード15を回転させ、このカッタブレード15で芝草を刈り、この刈った芝草をグラスバッグ16に貯留する形式の芝刈機において、機体11の中心に且つ機体11の前方に機体中心を表示する指標(センタポール)70を設け、この指標70にグラスバッグ16に所定量の芝草が溜まったことを表示する表示灯72を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芝草でグラスバッグが満杯になったことを表示することができる歩行型若しくは乗用型の芝刈機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
芝刈機として、カッタハウジングにカッタブレードを回転自在に取付け、このカッタブレードで芝を刈り、刈った芝草(刈草)をカッタハウジングの後方に設けたグラスバッグに収納するものが実用に供されている。
実用の芝刈機は、例えば、グラスバッグに芝草が満杯になったときには、グラスバッグを目視にて確認して芝草を処分するようにすれば実用上十分であった。
【0003】
このような芝刈機として、機体に、グラスバッグに芝草が満杯になったことを表示する表示装置を取付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−95071公報(第7頁、図11)
【0004】
特許文献1の技術を説明する。
図9は従来の基本構成を説明する図であり、芝刈機200は、ハウジング(機体)201の上部にエンジン202を搭載し、このエンジン202にエンジンカバー203を被せ、ハウジング201内にエンジン202で回転させるカッタ(不図示)を設け、ハウジング201に後方に芝草を収集するグラスバッグ(芝収容バッグ)205を取付け、ハウジング201から斜め上方にハンドル206を延出し、このハンドル206の上部に芝収容バッグ205が芝草で満杯になったことを表示する表示装置(表示灯)207を設けたものである。
【0005】
しかし、芝刈機200では、ハンドル206の上部に芝収容バッグ205が芝草で満杯になったことを表示する表示装置207を設けたものであり、作業中においては作業者の視線は前方にあるので、芝収容バッグ205が芝草で満杯になったことを気付きにくいという問題があった。
また、芝刈機200では、芝収容バッグ205芝草で満杯になったことを表示するだけものであり、例えば、表示装置207の視認性や芝刈機200の走行性を合わせて向上できるものではない。
【0006】
すなわち、グラスバッグの芝草の収集度合を認識できる表示装置(若しくは表示灯)を設ける場合には、表示装置の視認性を向上させることが望まれるとともに、芝刈機の走行性などを合わせて向上することができれば、更に好ましいことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、グラスバッグが芝草で満杯になったことを表示する表示装置(若しくは表示灯)が作業中に気付きにくい点を解決し、視認性のよい満杯表示装置を備えた芝刈機を提供するとともに、満杯表示装置を設けるにあたって走行性をも向上することができる芝刈機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、機体に動力源を設け、この動力源でカッタブレードを回転させ、このカッタブレードで芝草を刈り、この刈った芝草をグラスバッグに貯留する形式の芝刈機において、機体の中心に且つ機体の前方に機体中心を表示する指標を設け、この指標にグラスバッグに所定量の芝草が溜まったことを表示する表示灯を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、指標が、機体の略上下方向に延ばした略棒状のセンタポールであり、このセンタポールの上端部に表示灯を設置したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、表示灯を、グラスバッグが満杯になる直前では点滅させ、グラスバッグが満杯になったときには点灯させるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、グラスバッグに貯留する芝草の量を、動力源の負荷変動から検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、機体の中心に且つ機体の前方に機体中心を表示する指標を設け、この指標にグラスバッグに所定量の芝草が溜まったことを表示する表示灯を設けたので、作業中に表示灯を見やすくできるとともに、作業中の機体の蛇行を防止することができる。この結果、表示灯の視認性の向上を図ることができるとともに、芝刈機の操作性の向上を図ることができるという利点がある。
【0013】
請求項2に係る発明では、指標が、機体の略上下方向に延ばした略棒状のセンタポールであり、このセンタポールの上端部に表示灯を設置したので、さらなる表示灯の視認性の向上を図ることができるとともに、さらなる芝刈機の操作性の向上を図ることができるという利点がある。
【0014】
請求項3に係る発明では、表示灯を、グラスバッグが満杯になる直前では点滅させ、グラスバッグが満杯になったときには点灯させたので、芝草処理の時期を予測することができる。これにより、芝刈り作業の段取りを効率よく設定することができる。この結果、芝刈機の利便性の向上を図ることができるという利点がある。
【0015】
請求項4に係る発明では、グラスバッグに貯留する芝草の量を、動力源の負荷変動から検出したので、グラスバッグに芝草が溜まったことを検出する特別なセンサを省くようにすることができる。この結果、芝刈機に、所定量の芝草が溜まったことを表示する表示灯を設ける場合に、芝刈機のコストの低減を図ることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る芝刈機の側面図であり、図2は本発明に係る芝刈機の平面図である。
芝刈機としての歩行型芝刈機10は、下開放の機体としてのハウジング11の前後端にそれぞれ左右の前輪12および左右の後輪(駆動輪)13を備え、ハウジング11の上部に動力源としてのエンジン14を搭載し、ハウジング11の内部にカッタブレード(カッタ)15を備え、ハウジング11の後方に芝を収容するグラスバッグ(芝収容バッグ)16を備え、ハウジング11から後上方に向けてハンドル17を延ばし、ハンドル17の後端部にメインスイッチ64、変速レバー62、作業用クラッチレバー41や走行レバー42などの操作部18を備えたものである。
28はハウジング(機体)11から芝収容バッグ16を取外したときに機体11の後方を覆うディスチャージガード(グラスカバー)である。
【0017】
エンジン14は、下端部から下方へ出力軸19を延ばし、出力軸19の下端部に作業用ブレーキ/クラッチ部21を介してカッタ(刈刃)15を取り付けた動力源である。
さらに、エンジン14は、出力軸19を伝動機構22を介して油圧無段変速装置(以下、変速装置と略記する)25の入力側に連結したものである。変速装置25の出力軸は車軸26を介して後輪13に連結されている。
【0018】
さらに、エンジン14は、始動のためのリコイルスタータ81を備えるとともに、エンジン14の外部を覆うエンジンカバー29を備える。81aはリコイルスタータ81のノブを示す。
エンジンカバー29は、取付状態で機体の中心を示す指標としてのセンタポール70を備える。
【0019】
変速装置25は、図示しない変速斜板がケースに内蔵され、この変速斜板に変速用アーム25aが連結され、この変速用アーム25aに変速用ケーブル27が連結されている。変速用ケーブル27で変速用アーム25aを操作することで、変速斜板の傾きを変える。変速斜板の傾きを変えることで、ケースに内蔵されたピストンポンプのストロークを変え、オイルの吐出量を変える。オイルの吐出量を変えることで、ケースに内蔵されたモータの回転数を変え、後輪13の回転数を変える。
すなわち、変速装置25は、後輪13の回転数を零(停止)から高速回転域まで無段階に変速するものである。
【0020】
具体的には、変速用ケーブル27を牽引することで、変速装置25の変速斜板の傾きを大きくする。変速斜板の傾きを大きくすることで、ケースに内蔵されたピストンポンプのストロークを大きくする。これにより、オイルの吐出量を増やして歩行型芝刈機10の走行速度を上げる。
【0021】
一方、変速用ケーブル27の牽引力を解除することで、変速装置25の変速斜板の傾きを小さくする。変速斜板の傾きを小さくすることで、ケースに内蔵されたピストンポンプのストロークを小さくする。これにより、オイルの吐出量を減らして歩行型芝刈機10の走行速度を下げる。
さらに、変速装置25の変速斜板の傾きを零にすることで、歩行型芝刈機10を停止させる。
【0022】
ハンドル17は、ハウジング11から後上方に向けて左右のハンドルバー31,32と、左右のハンドルバー31,32に架け渡した門型のグリップ部33を備える。
左ハンドルバー31の後端部31aに左取付ブラケット38を取り付けるとともに、右ハンドルバー32の後端部32aに右取付ブラケット39を取り付ける。
左右の取付ブラケット38,39に作業用クラッチレバー41および走行レバー(レバー)42が揺動自在に取り付けられている。
【0023】
作業用クラッチレバー41は、カッタ15を停止させるときにカッタ15にブレーキを掛ける操作を同時に行うレバーであり、ブレーキ/クラッチ部(ブレード・ブレーキ・クラッチ;BBC)21を操作するBBC用操作レバーと呼ぶこともある。また、作業用クラッチレバー41は、押して操作をしない限り、ブレーキ/クラッチ部21をブレーキON/クラッチOFF状態からブレーキOFF/クラッチON状態に移行させることを禁止するロックノブ43を備える。
【0024】
変速レバー62は、変速用ケーブル27の先端を接続することで、変速装置25を操作し、歩行型芝刈機10の走行速度を決定するものである。
走行レバー42は、変速レバー62に連動させたレバーであり、初期状態では変速レバー62を戻して芝刈機10の走行を停止するとともに、ハンドル17側に倒したときには変速レバー62の変速操作を可能にするレバーである。
【0025】
言い換えれば、歩行型作業機10は、エンジン14でカッタ15を回転させ、このカッタ15で芝草面を刈り、刈った芝草(刈草)をハウジング11から搬送風とともに芝収容バッグ(グラスバッグ)16に搬送し、この芝収容バッグ16に芝草を収集する芝刈機であるとともに、エンジン14の回転を後輪13,13に伝達し、エンジン14で後輪13,13を駆動するようにした自走式の芝刈機でもある。
【0026】
図3は本発明に係る歩行型芝刈機の模式的系統図である。
エンジン14は、エンジン14を始動するリコイルスタータ81、燃料を点火する点火装置82、エンジン14の回転で発電する発電機87、およびエンジン回転数を調整する電子式ガバナ80を備える。
【0027】
電子式ガバナ80は、スロットル弁92の開度を検出するスロットル開度センサ85、エンジン14の回転数を検出するエンジン回転センサ86、スロットル弁92を操作するスロットル弁用制御モータ83、およびスロットル弁用制御モータ83を制御する制御部89を備える。
【0028】
制御部89はメインスイッチ64、作業用クラッチ操作検出センサ68、スロットル開度センサ85、エンジン回転センサ86の各信号を受けてエンジン14を制御するとともに、センタポール70(図1参照)の表示灯72の電子制御ユニットであり、例えばマイクロコンピュータが用いられる。
【0029】
エンジン14は、メインスイッチ64をオンにした状態でリコイルスタータ81のノブ81aを引張ることで始動するエンジンである。エンジン14が始動することで、発電機87で発生した交流電力を電源回路88で直流に変換して制御部89に伝える。
制御部89は、エンジン回転センサ86からの回転情報に基づいてモータ用ドライバ84に制御信号を発することで、スロットル弁用制御モータ83を電気的にオン・オフ制御する。
スロットル弁用制御モータ83でスロットル弁92を操作して、エンジン14の回転数(エンジン回転数)を電気的に制御する。
【0030】
すなわち、電子式ガバナ80は、制御部89の信号に基づいてスロットル弁用制御モータ83でスロットル弁92の開度を自動的に調整する構成である。
これにより、エンジン14の回転数を目標回転数Ntに保つことができる。
【0031】
ここで、目標回転数Ntとは、作業条件に適したエンジン回転数として予め設定されたものである。
【0032】
作業用クラッチ操作検出センサ68は、作業用クラッチレバー41を操作することで、オン・オフ状態に切り替えられる。作業用クラッチ操作検出センサ68から制御部89に信号を発する。
この作業用クラッチレバー41を矢印の如く操作することで、ブレーキ/クラッチ部21をオンに切り替えてカッタ15を回転する。
【0033】
走行レバー42を矢印の如く操作することで、変速装置25の変速斜板(図示せず)を傾けて後輪13を駆動する。
変速レバー62を矢印の如く操作することで、変速装置25の変速斜板を大きく傾けて歩行型芝刈機10の走行速度を上げる。
【0034】
図4は本発明に係る芝刈機のセンタポールの側面断面図であり、図5は本発明に係る芝刈機のセンタポールの平面図である。
センタポール70は、エンジンカバー29に取付けるセンタポール本体71と、このセンタポール本体71の先端に取付けることで芝収容バッグ(グラスバッグ)16(図1参照)の芝草の収容状況を表示する表示灯72と、この表示灯72を透視可能に覆う透光ケース73と、表示灯72から延出したリード線72aと、からなる。
【0035】
センタポール本体71は、エンジンカバー29の表面形状に沿わせたベース部74と、このベース部74から略上方に立ち上げた立上げ部75と、この立上げ部75の先端内部に設けることで表示灯を支持する支持部75aと、立上げ部75の中間内部に設けることでリード線72aを案内するガイド部75b,75bと、ベース部74の前方に設けることでエンジンカバ−29に係止する係止部76と、ベース部74の後方に設けることでエンジンカバ−29に取付ける孔79と、からなる。
【0036】
図中、29aは係止部76を係止するためにエンジンカバー29に設けた孔、29bはボルト77を貫通させる孔、29cはリード線をエンジンカバー29内に導く孔、78はボルト77をねじ込むナットである。
【0037】
図6は本発明に係る芝刈機の芝草の収容状況を表示するフロー図であり、ST××はステップ番号を示す(符号は図3参照)。
歩行型芝刈機10(図1参照)では、芝収容バッグ16に芝草が堆積した状態ではエンジン14の負荷が増大する。図3で説明したように、エンジン14は電子ガバナ80を備えたものであり、この電子ガバナ80でスロットル弁92のスロットル開度を調整し、エンジン14の回転数を目標回転数Ntに保つことができるものである。従って、芝収容バッグ16に芝草が堆積前のスロットル開度をS1(図6参照)、芝収容バッグ16に70%超える芝草が堆積したときのスロットル開度をS2(図6参照)、芝収容バッグ16に90%を超える芝草が堆積したときのスロットル開度をS3(図6参照)と予め設定し、これらのスロットル開度S2,S3をそれぞれ連続的に所定時間t2,t3(図6参照)を経過した(保った)ときに、芝収容バッグ16に芝草収容堆積が少ないこと若しくは芝収容バッグ16が満杯間近であることを検知するものである。詳細には、以下の通りである。
【0038】
ST01:スロットル弁92のスロットル開度S1にて運転を開始する。
ST02:スロットル弁92はスロットル開度S2を超えたかどうかを判断する。YESならばST03に進み、NOならばST02を繰り返す。
ST03:不図示のタイマをスタートさせ、スロットル開度S2で連続的に所定時間t2を経過したか(保ったか)どうかを判断する。YESならばST04に進み、NOならば不図示のタイマをリセットしてST02に戻る。
【0039】
ST04:表示灯を点滅させる。
ST05:スロットル弁92はスロットル開度S3を超えたかどうかを判断する。YESならばST06に進み、NOならばST05を繰り返す。
【0040】
ST06:不図示のタイマをスタートさせ、スロットル開度S3で連続的に所定時間t3を経過したか(保ったか)どうかを判断する。YESならばST07に進み、NOならば不図示のタイマをリセットしてST05に戻る。
ST07:表示灯を点滅から点灯に変える。
歩行型芝刈機10(図1参照)を停止して芝収容バッグ16内の芝草を捨てる。
【0041】
芝刈機10は、機体(ハウジング)11に動力源(エンジン)14を設け、この動力源14でカッタブレード15を回転させ、このカッタブレード15で芝草を刈り、この刈った芝草をグラスバッグ16に貯留する形式の芝刈機において、機体11の中心に且つ機体11の前方に機体中心を表示する指標(センタポール)70を設け、この指標70にグラスバッグ16に所定量の芝草が溜まったことを表示する表示灯72を設けたものと言える。
【0042】
例えば、グラスバッグに芝草が溜まったことを認識できる表示灯を作業中に見やすい位置に設定することは、表示灯の視認性を向上させることができるので好ましいことであり、表示灯の設置にともなって芝刈機の走行性などを合わせて向上することができれば、さらに好ましいことである。
【0043】
すなわち、機体11の中心に且つ機体11の前方に機体中心を表示する指標(センタポール)70を設け、この指標70にグラスバッグ16に所定量の芝草が溜まったことを表示する表示灯72を設けることで、作業中に表示灯72を見やすくするとともに、作業中の機体11の蛇行を防止することができる。この結果、表示灯72の視認性の向上を図ることができるとともに、芝刈機10の操作性の向上を図ることができる。
【0044】
芝刈機10は、指標が、機体の略上下方向に延ばした略棒状のセンタポール70であり、このセンタポール70の上端部に表示灯72を設置したものとも言える。
指標が、機体の略上下方向に延ばした略棒状のセンタポール70であり、このセンタポール70の上端部に表示灯72を設置することで、さらなる表示灯72の視認性の向上を図ることができるとともに、さらなる芝刈機10の操作性の向上を図ることができる。
【0045】
芝刈機10は、表示灯72を、グラスバッグ16が満杯になる直前では点滅させ、グラスバッグ16が満杯になったときには点灯させるようにしたものとも言える。
表示灯72を、グラスバッグ16が満杯になる直前では点滅させ、グラスバッグ16が満杯になったときには点灯させることで、芝草処理の時期を予測することができ、芝刈り作業の段取りを効率よく設定することができる。この結果、芝刈機10の利便性の向上を図ることができる。
【0046】
芝刈機10は、グラスバッグ16に貯留する芝草の量を、動力源(エンジン)14の負荷変動から検出するものとも言える。
グラスバッグ16に貯留する芝草の量を、動力源(エンジン)14の負荷変動から検出することで、グラスバッグ16に芝草が溜まったことを検出する特別なセンサを省くことができる。この結果、芝刈機10に、所定量の芝草が溜まったことを表示する表示灯72を設ける場合に、芝刈機10のコストの低減を図ることができる。
【0047】
図7は本発明に係る別実施例の芝刈機の側面図であり、芝刈機としての乗用芝苅機100は、機体としての車体111の前部に動力源としてのエンジン112を搭載し、車体111の下部前方に前輪113を回転自在に設け、車体111の下部後方に後輪114を回転自在に設け、車体111の下部中央に昇降自在にカッタデッキ115を設け、このカッタデッキ115の内部に回転自在にカッタブレード(カッタ)116を取付け、車体111の上部中央に前輪を操舵するステアリング117を配置し、車体111の上部後方に乗員が着座するシート118を設け、車体111の下部後方から斜め上方にステー119を延出し、このステー119にカッタ116で刈取った芝草(刈草)を収集するグラスバッグ(芝収容バッグ)121を取付け、この芝収容バッグ121とカッタデッキ115とを芝草搬送チューブ122(図8参照)で連結し、車体111の上部前方にセンタポール70を設けたものである。
【0048】
図中、72はセンタポール70の表示灯、124はフロントフェンダ、125はボンネット、126は車体111前面を覆うフロントグリル、127は乗員の足を載せるステップ、128はリヤカバーを示す。
【0049】
図8は本発明に係る別実施例の芝刈機の平面図であり、乗用芝刈機100は、機体(車体)111に動力源(エンジン)112を設け、この動力源112でカッタブレードを回転させ、このカッタブレード116で芝草を刈り、この刈った芝草をグラスバッグ(芝収容バッグ)121に貯留する形式の芝刈機において、機体111の中心に且つ機体111の前方に機体中心を表示する指標(センタポール)70を設け、この指標70にグラスバッグ121に所定量の芝草が溜まったことを表示する表示灯72を設けたものである。
【0050】
すなわち、機体111の中心に且つ機体111の前方に機体中心を表示する指標(センタポール)70を設け、このセンタポール70にグラスバッグ121の芝草の堆積状況を表示する表示灯72を設けたので、表示灯72の視認性の向上を図ることができるとともに、芝刈機100の操作性の向上を図ることができる。
【0051】
尚、本発明に係る芝刈機は、図6に示すように、表示灯72を、グラスバッグ16が満杯になる直前では点滅させ、グラスバッグ16が満杯になったときには点灯させるようにしたが、これに限るものではなく、例えば、表示灯の色調を変化させるものであってもよい。
本発明に係る芝刈機は、図5に示すように、指標はセンタポール70であったが、これに限るものではなく、指標を車幅灯などの表示灯などを利用するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る芝刈機は、電子ガバナを備えるエンジンを作業の動力源とする歩行型芝刈機や乗用芝刈機に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る芝刈機の側面図である。
【図2】本発明に係る芝刈機の平面図である。
【図3】本発明に係る歩行型芝刈機の模式的系統図である。
【図4】本発明に係る芝刈機のセンタポールの側面断面図である。
【図5】本発明に係る芝刈機のセンタポールの平面図である。
【図6】本発明に係る芝刈機の芝草の収容状況を表示するフロー図である。
【図7】本発明に係る別実施例の芝刈機の側面図である。
【図8】本発明に係る別実施例の芝刈機の平面図である。
【図9】従来の基本構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0054】
10…芝刈機(歩行型芝刈機)、11…機体(ハウジング)、14…動力源(エンジン)、16…グラスバッグ、70…指標(センタポール)、72…表示灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に動力源を設け、この動力源でカッタブレードを回転させ、このカッタブレードで芝草を刈り、この刈った芝草をグラスバッグに貯留する形式の芝刈機において、
前記機体の中心に且つ前記機体の前方に機体中心を表示する指標を設け、この指標に前記グラスバッグに所定量の芝草が溜まったことを表示する表示灯を設けたことを特徴とする芝刈機。
【請求項2】
前記指標は、前記機体の略上下方向に延ばした略棒状のセンタポールであり、このセンタポールの上端部に前記表示灯を設置したことを特徴とする請求項1記載の芝刈機。
【請求項3】
前記表示灯は、前記グラスバッグが満杯になる直前では点滅させ、前記グラスバッグが満杯になったときには点灯させるものであることを特徴とする請求項1又は請求項3記載芝刈機。
【請求項4】
前記グラスバッグに貯留する芝草の量を、前記動力源の負荷変動から検出することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の芝刈機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−195450(P2007−195450A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17555(P2006−17555)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】