説明

芳香具

【課題】液体芳香剤の含浸量のバラつきを防止し、また、製造工程時間の削減を図るとともに、安定した発香状態を維持できる芳香具を提供する。
【解決手段】
外装体3の底側から不織布5、フローライト7が積層配置され、フローライト7は保持体11により、外装体3のほぼ中央に固定される。保持体11は保持脚11cにより側方からフローライト7を狭持するとともに、そのフレーム11aから伸びる係合爪11dを、弾性変形を伴って外装体3の開口端に形成された巻状端3aの下方に係合させる。ここで、係合爪11dは弾性力21を巻状端3aに及ぼし、その反作用として保持体11からフローライト7の肩部7bに付勢力23が加わる。これにより、フローライト7の底面から不織布5に対して接合圧力25の圧力が加わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体芳香剤を揮散させる芳香具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、家庭用、自動車用などの様々な芳香具において、液体の芳香剤を担持させる担持体に多孔質性の材料が多く用いられている。中でも、フローライト(登録商標)などを成型した多孔質性の担持体を用いる例が多く見受けられる。このフローライトは、化学式2CaO・3SiO・mSiO・nHO(1<m<2,2<n<3)で表わされる花弁状結晶構造を有する特殊ケイ酸カルシウムであり、無機粉体の中では極めて優れた吸液能と液体保持能力とを併せ持つ。このフローライトからなる担持体の内部及び表面には、非常に目の細かい細孔が形成されており、一旦液体芳香剤を担持(含浸)させた後は、その高い液体保持能力により優れた徐放性を示す。これにより、長期間芳香作用を持続させることが可能となる。
【0003】
このように、フローライトを用いた担持体は、液体が放出し難いという性質を有しているが、この一方で、液体を含浸させ難いという性質も有している。これにより、フローライトの担持体に液体芳香剤を含浸させるには、液体芳香剤の液中に長時間浸漬させておく必要があり、製造では含浸工程に多くの時間を割く必要がある。
【0004】
そこで、従来では、大型の含浸槽に大量のフローライトを浸漬し、1個当たりの含浸時間を短縮して全体の製造工程時間の短縮化を図っていた。
【0005】
上述のように、芳香具の安定した発香状態を長く保つためには、優れた液体保持能力を有するフローライトを用いれば実現することができるが、さらに発香時間を伸ばそうとする場合、次に考えられる手段はフローライトの大型化である。
【0006】
しかし、フローライトの大型化については、様々な問題がある。
【0007】
主な問題として挙げられるのは、上記の含浸工程時間が増大してしまうことである。工程時間が増大すると製造コストの増大にも繋がってしまう。
【0008】
また、担持体に成型される前の、材料となる粉末状のフローライトは、空中に飛散すると長時間滞留するほどの微粉末であり、成型するのが非常に難しい。そして、この成型の難しさは、大型になる程顕著となる。そして、成型が難しいために、大きさにバラつきが生じやすい。
【0009】
さらに、大きさがバラつくことにより、液体芳香剤の含浸速度にもバラつきが生じる。すなわち、同じ量のフローライト粉末材料を用いて大きさの異なる担持体が生成されるということは、圧縮率が異なる担持体が生成されるということであり、言い換えれば、細孔の目の詰まり具合が異なる担持体が形成されるということである。これにより、同時に含浸槽に浸漬しても、浸漬時間が十分でなければ、含浸量にバラつきが生じてしまう。
【0010】
含浸量にバラつきがあると、発香時間(揮散時間)に差が生じ、製品の品質の低下に繋がる。また、十分に含浸させるため、最大バラつきを考慮して浸漬時間を設けようとすると、製造工程の時間が増大してコストアップに繋がってしまう。
【0011】
そこで、従来から、上記のような問題を解決するために、製造工程時間の短縮化を図り、且つ含浸量を一定に保つことのできる構成が考えられている。この一例は特許文献1に開示されており、以下では、この従来例について図を用いて説明する。
【0012】
図5は、従来の芳香具の分解図を示したものであり、図6は図5の芳香具の縦断面図を示したものである。
【0013】
これら図5及び図6に示すように、芳香具100は、液体芳香剤を含浸する吸収体140と補助吸収体130とを備えている。この吸収体140は、内装体150の内側の段差部150aに嵌め込まれるように固定され、また、補助吸収体130は、内装体150の内部の4つの支持板150bと外壁150cとの間に挟まれる形で支持される。
【0014】
図6は、図5に示した構成を組み合わせ、上下反転させた形で格納された状態の縦断面図である。この図で明らかなように、吸収体140と内装体150との間には、芳香成分の揮散効率を良好にするために、空間170が設けられている。しかし、このように空間170を設けていると、注入された液体芳香剤の一部がこの空間170に残り、全て吸収体140に吸収させることはできない。この一部残った液体芳香剤を吸収するために、この芳香具100には補助吸収体130が備えられている。この従来例では、補助吸収体130の材質として、紙パルプなどの天然繊維やポリプロピレンなどの合成繊維からなる不織布やフェルトが挙げられている。また、吸収体140の素材としては、セラミックなどが挙げられている。
【0015】
このような構成により、定量の液体芳香剤が各芳香具に注入されるので、含浸量のバラつきは生じず、発香時間についてのバラつきも抑えられる。また、フローライトやセラミックのように含浸速度の遅い吸収体を用いた場合であっても、工場にて液体芳香剤が封入された後、流通過程において含浸が完了すれば良いので、含浸工程が省略でき、製造工程の短縮化を図ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2009−56115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上記特許文献1に開示された芳香具では、液体芳香剤を吸収した異種の吸収体(吸収体および補助吸収体)のそれぞれから芳香成分が別々に揮散される構成となっている。ここで、一般的には、材質の異なる吸収体ではそれぞれ揮散量が異なり、また、含浸量も異なることが多い。これにより、開封直後は、何れか一方の吸収体に含浸された芳香成分が先に揮散し尽くし、後半は、残り一方の吸収体からのみ芳香成分が揮散されることとなってしまう。すなわち、開封時には、芳香成分は2つの異なる吸収体のそれぞれから同時に揮散されるので大量に放出され、後半は一方のみの吸収体からの揮散となり、揮散量が極端に減少し、発香状態が安定しない。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明は、また、製造工程時間の削減を図るとともに、安定した発香状態を維持できる芳香具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の芳香具は、上方が開口した有底筒状体の外装体の内部に、液体香料と、この液体香料を含浸担持する主担持体及び補助担持体と、主担持体を保持する保持体とが封入される芳香具であって、外装体の開口付近には、内周に沿って内向きに被係合部が形成され、保持体は、被係合部に対向するように形成された弾性変形可能な係合爪を有し、外装体の底側から開口側に向かって順に、補助担持体、主担持体、及び保持体が積層状態で格納され、この格納状態において、保持体は、底側から開口側への向きの弾性力を及ぼしながら係合爪を被係合部と係合させるとともに、この弾性力に基づく開口側から底側への向きの反力を主担持体に及ぼすように保持し、補助担持体は、主担持体よりも液体の含浸速度が速く、且つ、主担持体よりも吸液能が小さいことを特徴とする。
【0020】
このように構成すると、弾性変形を伴う係合爪と被係合部との係合に基づき、開口側から底側向きの反力が、保持体から主担持体に加わり、主担持体が補助担持体に押し付けられる。また、外装体の底に溜まった液体香料は、主担持体よりも含浸速度の速い補助担持体に先に吸収される。さらに、補助担持体に吸収された液体香料は、補助担持体よりも吸液能が大きい主担持体に接合部を介して吸収される。これにより、液体香料の殆どは主担持体に含浸される。
【0021】
この発明によれば、補助担持体が主担持体を介して保持体により外装体の底に押し付けられるので、主担持体と補助担持体との接合状態が良好に保たれる。また、液体香料の殆どは主担持体に含浸されることになるので、芳香成分はほぼ主担持体からのみの揮散となり、安定した発香状態が保持される。
【0022】
また、本発明の芳香具は、被係合部は、外装体の側壁の開口側端部を外巻きに巻き込んだ中空環状体に形成され、且つ、この中空環状体を縮径方向に突出させた巻状端であることを特徴とする。
【0023】
このように構成すると、巻状端は外巻きに巻き込み形成されるので、開口付近の外装体の内壁は連続する。
【0024】
この発明によれば、開口付近の外装体の内壁は連続しているので、巻状端の内側に液体芳香剤が侵入することがない。
【0025】
さらに、本発明の芳香具では、保持体は、主担持体の上面の中央部を覗かせる開口部が形成され、主担持体の上面の周囲の肩部を保持することを特徴とする。
【0026】
このように構成すると、保持体に、主担持体の上面の中央部を覗かせる開口部が形成されているので、肩部を保持されている主担持体の上面中央部が外装体の開口側に露出される。
【0027】
この発明によれば、主担持体の上面の中央部が露出されるので、液体芳香剤の注入持に、主担持体を直接液体芳香剤に晒すことが可能となり、また、使用時には、開口部を通して主担持体から芳香成分が飛びやすくなる。
【0028】
また、本発明の芳香具では、補助担持体は、一方側で、外装体と主担持体との隙間領域を、外装体の底面に沿って広がるとともに、他方側で、主担持体に対して接合配置される ことを特徴とする。
【0029】
このように構成すると、外装体と主担持体との隙間領域に、外装体の底面に沿って補助担持体が広がっているので、主担持体の直接届かない隙間領域の液体芳香剤が補助担持体により吸収される。また、補助担持体と主担持体とが接合配置されるので、補助担持体に吸収された液体芳香剤が主担持体に接触する。
【0030】
この発明によれば、隙間領域の液体芳香剤が補助担持体に吸収されるので、液体芳香剤を主担持体及び補助担持体に残らず含浸させることができる。また、補助担持体と主担持体とが接合するので、補助担持体に含浸された液体芳香剤を、より大きな吸液能を有する主担持体に含浸させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、保持体が、主担持体に付勢し、主担持体が補助担持体に押し付けられるので、外装体内において、主担持体と補助担持体との接合状態が良好に保たれる。また、補助担持体は担持体よりも液体の含浸速度が速いので、外装体の底に溜まった液体芳香剤は、速やかに補助担持体に含浸される。さらに、主担持体の吸液能は、補助担持体よりも大きいので、一旦補助担持体に含浸された液体芳香剤は、接合部分から主担持体に移り、使用時には、ほぼすべての液体芳香剤が主担持体に含浸された状態となる。これにより、使用時には、芳香成分は、ほぼ主担持体からのみ揮散され、安定した芳香効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施の形態に係る芳香具の分解斜視図である。
【図2】図1の芳香具の本体部の分解斜視図である。
【図3】本実施の形態に係る芳香具内部の保持の状態を示した縦断面図である。
【図4】本実施の形態に係る芳香具内部の液体芳香剤の動きを示した縦断面図である。
【図5】従来の芳香具の分解斜視図である。
【図6】図5の芳香具の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0034】
図1は、本実施の形態に係る芳香具の分解斜視図である。
【0035】
この図に示すように、本実施の形態に係る芳香具1の本体17は、上方が開口した有底筒状体の外装体3を有し、この外装体3の中に、フローライト(多孔質性芳香剤担持体)7と、このフローライト7を保持する保持体11とを備えている。
【0036】
ここで、本体17を更に分解した斜視図を図2により示す。
【0037】
この図2に示すように、本体17の外装体3の内部には、底側から開口側に向かって順に、不織布(補助担持体)5、フローライト7(主担持体)、保持体11が積層状態で格納されている。この不織布5は、図1では示されていなかったが、外装体3の底面とほぼ同じ面積を有する円板状の芳香液担持体であり、外装体3の底に配置され、底面に沿って内壁近くにまで広がっている。
【0038】
フローライト7は、この不織布5の上に重ねて配置される。このフローライト7は、非常に脆く、衝撃が加わると、「欠け」や「割れ」が生じるという性質を有する。従って、外装体3の内壁と干渉しないように周りに隙間空間19を設けて配置するのが望ましい。また、隙間空間19を設けると、フローライト7の側周の領域に空気の流れが生じるので揮散状態も良好になる。
【0039】
本実施の形態では、このフローライト7を中央に固定するために保持体11が用いられる。保持体11は、フローライト7の上面中央部を覗かせるように開口部が形成された円環状のフレーム11aを有し、このフレーム11aの下面に等間隔で4ヶ所から保持脚11cが垂設されている。これら保持脚11cは、その先端がフローライト7の外径位置よりも内径側に傾いている。また、保持脚11cは可撓性を有しており、これにより、保持脚11cは適度な弾性力を伴ってフローライト7の外径位置まで広がることができ、フローライト7は保持脚11cにより側面から狭持される。
【0040】
そして、フレーム11aの外周に沿って4ヶ所に係合爪11dが形成されている。この係合爪11aは、上記の保持脚11cの等間隔配置に対して、それぞれの隣り合う保持脚11cの間の4ヶ所に配置される。また、係合爪11dは、保持脚11cと同様に弾性変形可能であり、外装体3に格納された状態において、外装体3の開口付近に形成された巻状端3a(被係合部)に内側下方から係合する。この巻状端3aは、外装体3の開口側端部を外側に巻き込み、中空環状体に形成されている。さらに、この中空環状体は、開口の径を縮小する縮径方向に突出形成されている。この係合の状態は、図1に示されている。このように、外装体3の開口端の巻状端3aは、側壁を形成している部材をそのまま外巻きに曲げ加工することにより形成されているので内壁側は同一部材で連続しており、中空環状体の中空部分に液体芳香剤が入り込むことはない。
【0041】
ここで、芳香具1の内部の格納状態について説明する。
【0042】
図3は、芳香具1の内部の保持状態を示した図であり、図4は、芳香具1の内部の液体芳香剤の動きを示した図である。
【0043】
図3に示すように、フローライト7は保持体11の保持脚11cに側方から狭持されている。
【0044】
また、巻状端3aに対向するように形成された係合爪11dは、弾性力21により巻状端3aを下方から突き上げる。そして、弾性力21の分力のうち、底側から開口側への向きの分力21aに応じて、巻状端3aから係合爪11dへ反作用が生じる。そして、この反作用に基づく力が保持体11を介して伝達され、付勢力23(開口側から底側への向きの反力)が保持体11からフローライト7の上面周囲の肩部7bに加えられる。これにより、フローライト7から不織布5に対して接合圧力25が加わり、両者の接合状態が良好に保たれる。
【0045】
このように、フローライト7は、保持体11によって不織布5と常に接合するように、外装体3との隙間空間19を保持して固定される。
【0046】
図3では、封入された直後の状態、すなわち、まだフローライト7及び不織布5に液体芳香剤9の全ては含浸されていない状態が示されている。そして、この状態から液体芳香剤9の含浸が進み、隙間領域19に液体芳香剤9が残った状態が図4に示されている。この状態では、フローライト7は、液体芳香剤9と接していないので、直接吸収することはできない。しかし、不織布5が外装体3の内壁近くの隙間領域19にまで延びているので、この内壁近くに残った液体芳香剤9は、不織布5により吸収される。この状態が図中の流れ27として示されている。
【0047】
ここで、フローライト7と不織布5との液体の含浸特性について比較すると、フローライトは不織布等に比べて含浸速度は小さいが、液体を吸収する力(以降、吸液能という)はフローライトの方が優れている。従って、液体を含浸したフローライトと不織布とが接している場合、含浸されている液体は、不織布からフローライトの方へ移動する。この様子が、図4中の流れ29として示されている。このようにして、隙間領域19に残った液体芳香剤9も不織布5を介して集められ、この不織布5と接するフローライト7に含浸させることができ、最終的には、両者の吸液能の差により、ほぼ全ての液体芳香剤9がフローライト7に含浸担持される。
【0048】
例えば、体積が30cm程のフローライトであれば、これに見合った20g程度の液体芳香剤を含浸させるのに30時間前後を要する。しかし、これは出荷から消費者の手に届くまでの時間に比べると十分であり、工場で液体芳香剤をフローライトやその他の構成要素とともに封入し、完全に含浸させる前に出荷しても、実際に使用(開封)する段階では、フローライトへの含浸は完了している。このように、本実施の形態における芳香具では、製造段階における含浸工程を省き、製造コストの削減を図ることが可能となる。
【0049】
また、使用時には、ほぼ全ての液体芳香剤がフローライトに含浸されているので、芳香成分は、単一の担持体(フローライト)からのみ揮散され、安定した発香状態を保持することが可能となる。
【0050】
さらに、フローライトの側周側には隙間領域が設けられているので、流通段階では、外装体の内壁と干渉することなくフローライトの欠け・割れ等を防止できるとともに、使用時では、適度な空気の流れが生じ、良好な揮散状態も実現することが可能である。
【0051】
なお、図3及び図4では、保持体11の保持脚11cと係合爪11dとを同一断面図に示したが、これらは保持体11のフレーム11aに交互に配置されるため、同一紙面に表わされるものではなく、概念を説明するために便宜的に係合爪11dのみを2点鎖線で表した。
【0052】
以上のように、本実施の形態では、有底筒状の外装体の開口端の形状が、外巻き加工を施した被係合部を例として示したが、これに限らず、保持体がフローライト等の主担持体を固定できるように保持体の係合爪が係合できる構成であれば、他の形状でも構わない。
【0053】
また、この被係合部は、開口付近の内側向きに形成されていれば良く、周囲全体に亘って形成されている必要はない。
【0054】
さらに、本実施の形態では、主担持体にフローライトを、また、補助担持体には不織布を用いる例を示したが、これに限らず、主担持体は補助担持体よりも含浸速度が遅く且つ吸液能が大きいという組合せであれば、例えば、主担持体にセラミック、補助担持体にフェルト等を用いても良い。
【0055】
また、本実施の形態では、不織布が外装体の底面とほぼ同じ円形に形成されている構成を例として示したが、これに限らず、主担持体と接合していない不織布の外側部分が、外装体の内壁近くに延びる部分を一部有していれば良く、円板状である必要はない。
【符号の説明】
【0056】
1 芳香具
3 外装体
3a 巻状端(被係合部)
5 不織布(補助担持体)
7 フローライト(主担持体)
7a 中央部
7b 肩部
9 液体芳香剤(液体香料)
11 保持体
11d 係合爪
11e 開口部
19 隙間領域
21a 分力(底側から開口側への向きの弾性力)
23 付勢力(開口側から底側根の向きの反力)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開口した有底筒状体の外装体の内部に、液体香料と、この液体香料を含浸担持する主担持体及び補助担持体と、前記主担持体を保持する保持体とが封入される芳香具であって、
前記外装体の開口付近には、内周に沿って内向きに被係合部が形成され、
前記保持体は、前記被係合部に対向するように形成された弾性変形可能な係合爪を有し、
前記外装体の底側から開口側に向かって順に、前記補助担持体、前記主担持体、及び前記保持体が積層状態で格納され、
この格納状態において、前記保持体は、底側から開口側への向きの弾性力を及ぼしながら前記係合爪を前記被係合部と係合させるとともに、この弾性力に基づく開口側から底側への向きの反力を前記主担持体に及ぼすように保持し、
前記補助担持体は、前記主担持体よりも液体の含浸速度が速く、且つ、前記主担持体よりも吸液能が小さい
ことを特徴とする芳香具。
【請求項2】
前記被係合部は、前記外装体の側壁の開口側端部を外巻きに巻き込んだ中空環状体に形成され、且つ、この中空環状体を縮径方向に突出させた巻状端である
ことを特徴とする請求項1に記載の芳香具。
【請求項3】
前記保持体は、前記主担持体の上面の中央部を覗かせる開口部が形成され、前記主担持体の前記上面の周囲の肩部を保持する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の芳香具。
【請求項4】
前記補助担持体は、一方側で、前記外装体と前記主担持体との隙間領域を、前記外装体の底面に沿って広がるとともに、他方側で、前記主担持体に対して接合配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の芳香具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−177458(P2011−177458A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47351(P2010−47351)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(592060112)オカモト産業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】