説明

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品

【課題】機械特性、難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体98〜1質量%、(B)芳香族ポリカーボネート0〜97質量%、(C)脂肪族ポリエステル1〜98質量%、(D)天然由来の有機充填剤1〜80質量%及び(E)無機充填剤0〜20質量%を、合計量が100質量%になるように含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品に関し、詳しくは芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリエステル、天然由来の有機充填剤及び無機充填剤を特定割合で含み、機械特性、難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物並びにそれからなる成形品に関するものである。
この樹脂組成物は、OA機器・情報通信機器・家庭電化機器分野などに利用が可能である。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性などの機械的特性に優れ、耐熱性、透明性に優れているため、電気、電子、OA機器、機械、自動車などの様々な分野で用いられているが、原料が石油に由来するものであり、また使用後の分解性の面から近年問題とされている環境への負荷を低減させることが課題となっている。
一方、脂肪族ポリエステル樹脂は生分解性を有するものも多く、利用後の環境への負荷が小さいという点で非常に注目を集めている。
特に、トウモロコシやサトウキビといった植物由来の原料から作られるポリ乳酸樹脂は、最終的には水と二酸化炭素に分解される(カーボンニュートラル)という点から環境負荷を低減できるため、環境対応型樹脂として開発が進んでいる。
更に、植物性プラスチックとしては高い融点を持ち、溶融成形が可能であることから実用上優れた植物性・生分解性樹脂としての利用が期待されている(例えば、特許文献1等)。
また、石油由来の脂肪族ポリエステル樹脂(例えば、特許文献2等)の中にも将来的に原料の一部から全てを植物由来に切り替えるとされているものもあり注目が集まっている。
しかしながら、ポリ乳酸をはじめとした脂肪族ポリエステル樹脂は、耐熱性を中心とした機械的物性が低いため、単体を成形品として機械的強度が要求される部材に利用することは困難である。
そこで、脂肪族ポリエステル樹脂を芳香族ポリカーボネートとアロイ化することにより本問題を解決しようとする試みがなされてきた(例えば、特許文献3、4等)。
一方、脂肪族ポリエステル樹脂の機械特性や耐熱性を改良するための方法の一つとして、ガラス繊維などの無機充填剤を使用する方法が検討されているが、大量に加える必要があるため、成形品の比重が増大したり、焼却または廃棄時にゴミとなる残留物が増加して環境に負荷がかかるなどの問題がある。
これらの方法を解決するために、無機充填剤と比較して比重が軽く、環境に負荷の小さい天然由来の有機充填剤を配合する方法が検討されている。
【0003】
ガラス繊維、炭素繊維といった無機充填剤を用いて剛性を増加させる方法については、流動性低下と比重の増加を伴うことが問題となる。
このため代替として有機充填剤の利用が検討されてきた。例えば、特許文献5にはポリ乳酸をはじめとするポリエステル樹脂に対して天然由来の有機充填剤を配合する内容の記述があるが、流動性、剛性の改善に関しては記述が見られない。
また、アロイ化した芳香族ポリカーボネート/脂肪族ポリエステルに対し天然由来の有機充填剤を添加した組成物の難燃性向上について言及した特許文献は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−245866号公報
【特許文献2】特開平7−330954号公報
【特許文献3】特開平7−324159号公報
【特許文献4】特開2006−28299号公報
【特許文献5】特開2006−117768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリエステル、天然由来の有機充填剤及び無機充填剤を特定割合で含み、機械特性、難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物並びにそれからなる成形品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリエステル、天然由来の有機充填剤及び無機充填剤を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において、芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を配合することにより、上記目的を達成する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、すなわち、本発明は、
1.(A)芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体98〜1質量%、(B)芳香族ポリカーボネート0〜97質量%、(C)脂肪族ポリエステル1〜98質量%、(D)天然由来の有機充填剤1〜80質量%及び(E)無機充填剤0〜20質量%を、合計量が100質量%になるように含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、
2.(A)成分から(E)成分の合計量100質量部に対して、(F)ポリフルオロオレフィン0.02〜2質量部を含む、上記1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、
3.(A)と(B)成分の合計量が80〜50質量%、(C)成分が19〜49質量%である、上記1又は2記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、
4.(C)成分が、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート及びポリカプロラクトンから選ばれる少なくとも1種である上記1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、
5.(D)成分が、繊維強化ペレット化されたものである上記1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、
6.(D)成分が、ジュート繊維、レーヨン繊維、竹繊維、ケナフ繊維及びヘンプ繊維から選ばれる少なくとも一種に(C)成分を含浸させて繊維強化ペレット化したものである上記5に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、
7.(A)成分から(E)成分の合計量100質量部に対して、更に、(G)カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びオキサゾリン化合物から選ばれる少なくとも1種を0.01〜10質量部含む、請求項1〜6のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、
8.1〜7のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリエステル、天然由来の有機充填剤及び無機充填剤を特定割合で含む、機械特性、特に難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物並びにそれからなる成形品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において、(A)成分の芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体としては、一般式(1)
【化1】

(式中、R1は炭素数1〜35のアルキル基又はハロゲン原子を示し、aは0〜5の整数を示す。)
で表わされる末端構造を有する芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体が好ましく、例えば、特開2004−35662号公報に開示されている共重合体を挙げることができ、R1は炭素数1〜35のアルキル基であり、直鎖状のものでも分岐状のものでもよく、結合の位置は、p位、m位、o位のいずれもよいがp位が好ましい。
また、この分子末端のアルキル基R1としては炭素数10〜35のアルキル基がより好ましい。
【0010】
芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、好ましくは、次の一般式(2)で表される構造単位からなる芳香族ポリカーボネート部分と一般式(3)で表される構造単位からなるポリオルガノシロキサン部分を分子内に有する共重合体を挙げることができる。
【0011】
【化2】

【0012】
ここで、R2及びR3は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、同一でも異なっていてもよい。
4〜R7は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、好ましくはメチル基である。R4〜R7はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
8は脂肪族または芳香族を含む有機残基を示し、好ましくは、o−アリルフェノール由来の基、p−ヒドロキシスチレン由来の基またはオイゲノール由来の基である。
【0013】
Zは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数1〜20のアルキリデン基、炭素数5〜20のシクロアルキレン基または炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、あるいは−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−結合を示す。好ましくは、Zはイソプロピリデン基である。
bおよびcは0〜4の整数で、好ましくは0である。nは1〜500の整数で、好ましくは5〜200である。
【0014】
芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、例えば、予め製造された芳香族ポリカーボネート部分を構成する芳香族ポリカーボネートオリゴマー(以下、「PCオリゴマー」と略称する。)と、ポリオルガノシロキサン部分を構成する末端にo−アリルフェノール由来の基、p−ヒドロキシスチレン由来の基、オイゲノール由来の基等の反応性基を有するポリオルガノシロキサン(反応性PORS)とを、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等の溶媒に溶解させ、二価フェノールの苛性アルカリ水溶液を加え、触媒として、第三級アミン(トリエチルアミン等)や第四級アンモニウム塩(トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等)を用い、一般式(4)
【0015】
【化3】

【0016】
(式中、R1、aは一般式(1)と同じである。)
で表されるフェノール化合物からなる一般の末端停止剤の存在下、界面重縮合反応することにより製造することができる。
上記の末端停止剤としては、具体的には、例えば、フェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、p−tert−アミルフェノール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、ペンタブロモフェノール等を挙げることができる。これらのなかでも、環境問題からハロゲンを含まない化合物が好ましい。
芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造に使用されるPCオリゴマーは、例えば、塩化メチレンなどの溶媒中で、一般式(5)
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、R2、R3、Z、bおよびc、一般式(2)と同じである。)
で表される二価フェノールとホスゲンまたは炭酸エステル化合物等のカーボネート前駆体とを反応させることによって容易に製造することができる。
すなわち、例えば、塩化メチレン等の溶媒中において、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応により、または二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応等によって製造される。
【0019】
一般式(5)で表される二価フェノールとしては、4,4'−ジヒドロキシジフェニル;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等を挙げることができる。なかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]が好ましい。これらの二価フェノールはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
また、炭酸エステル化合物としては、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートやジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートを挙げることができる。
芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造に供されるPCオリゴマーは、前記の二価フェノールの一種類を用いたホモポリマーであってもよく、また二種以上を用いたコポリマーであってもよい。
更に、多官能性芳香族化合物を上記二価フェノールと併用して得られる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであってもよい。
その場合、分岐剤の多官能性芳香族化合物としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α',α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α',α'−ビス(4"−ヒドロキシルフェニル)エチル]ベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)等を使用することができる。
【0021】
なお、上記の方法によって製造される共重合体は、実質的に共重合体分子の片方又は両方に前記一般式(1)で表される末端基を有するものである。
芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、上記のようにして製造することができるが、一般に芳香族ポリカーボネートが副生し、芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む芳香族ポリカーボネート樹脂として製造される。
このような芳香族ポリカーボネート樹脂の全体の粘度平均分子量は10,000〜40,000が好ましく、更に好ましくは12,000〜30,000である。
【0022】
芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体において、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)が特に好ましい。
芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン部分の含有量は、最終的な樹脂組成物として要求される難燃性のレベルに応じて適宜選択すればよい。
すなわち、(A)成分中のポリオルガノシロキサン部分の割合は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の合計量に対して、好ましくは0.3〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
0.3質量%未満では充分な酸素指数が得られず、目的の難燃性が発現しないおそれがある。また、10質量%を超えると、樹脂組成物の耐熱性が著しく低下するおそれがあり、樹脂組成物のコストアップにもなる。
上記範囲内であると、好適な酸素指数が得られ、優れた難燃性の組成物が得られる。
【0023】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の(A)芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の配合割合は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の合計量に基づき、98〜1質量%であり、組成物中に含まれるポリオルガノシロキサンの総量は好ましくは0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.5〜3.0質量%である。
組成物中に含まれるポリオルガノシロキサンの量が0.1質量%未満であると、難燃性向上効果が得られず、5質量%を超えると、耐衝撃性や溶融流動性の低下などの物性不良を招く場合がある。
【0024】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において、(B)成分の芳香族ポリカーボネート(PC)としては、特に制限はなく種々のものが挙げられる。
通常、2価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。
すなわち、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶融法、すなわち、2価フェノールとホスゲンの反応、2価フェノールとジフェニルカーボネートなどとのエステル交換反応により製造されたものを使用することができる。
【0025】
2価フェノールとしては、様々なものが挙げられるが、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。
【0026】
特に好ましい2価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールAを主原料としたものである。
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、またはハロホルメートなどであり、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどである。
この他、2価フェノールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
なお、芳香族ポリカーボネートは、分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α',α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などがある。
また、分子量の調節のためには、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどが用いられる。
【0028】
また、本発明に用いる芳香族ポリカーボネートとしては、テレフタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそのエステル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下でポリカーボネートの重合を行うことによって得られるポリエステル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。
また、種々の芳香族ポリカーボネートの混合物を用いることもできる。
本発明において用いられる芳香族ポリカーボネートは、構造中に実質的にハロゲンを含まないものが好ましい。
また、機械的強度および成形性の点から、その粘度平均分子量は、10,000〜100,000、好ましくは、11,000〜40,000、特に12,000〜25,000のものが好適である。
【0029】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の芳香族ポリカーボネート成分の合計は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の合計量に基づき、0〜97質量%であり、好ましくは80〜20質量%、より好ましくは70〜30質量%である。
芳香族ポリカーボネート成分の総量が97質量%を超えると、剛性の著しい低下を招く。
【0030】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において、(C)成分の脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸、乳酸類とヒドロキシカルボン酸との共重合体、脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸を原料としたポリエステル、ポリカプロラクトン等を用いることができる。
また、異なる脂肪族ポリエステル同士の共重合体であってもよい。
【0031】
ポリ乳酸は、通常ラクタイドと呼ばれる乳酸の環状二量体から開環重合により合成され、その製造方法は、米国特許第1,995,970号明細書、米国特許第2,362,511号明細書、米国特許第2,683,136号明細書等に開示されている。
また、乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸の共重合体は、通常ラクタイドとヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体から開環重合により合成され、その製造方法は、米国特許第3,635,956号明細書、米国特許第3,797,499号明細書等に開示されている。
開環重合によらず、直接脱水重縮合により乳酸系樹脂を製造する場合には、乳酸類と必要に応じて、他のヒドロキシカルボン酸を、好ましくは有機溶媒、特に、フェニルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に好ましくは、共沸により留出した溶媒から水を除き、実質的に無水の状態にした溶媒を反応系に戻す方法によって重合することにより、本発明に適した重合度の乳酸系樹脂が得られる。
【0032】
原料の乳酸類としては、L−及びD−乳酸、又はその混合物、乳酸の二量体であるラクタイドのいずれも使用することができる。
また、乳酸類と併用できる他のヒドロキシカルボン酸類としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などがあり、更にヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例えば、グリコール酸の二量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを使用することもできる。
乳酸系樹脂の製造に際し、適当な分子量調節剤、分岐剤、その他の改質剤などを添加することもできる。
また、乳酸類及び共重合体成分としてのヒドロキシカルボン酸類は、いずれも単独又は2種以上を使用することができ、更に得られた乳酸系樹脂を2種以上混合し使用してもよい。
【0033】
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物などが挙げられ、これらは1種または2種以上で用いることができる。
また、脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、およびこれらのジメチルエステル体などが挙げられ、これらも1種または2種以上で用いることができる。
脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸を原料としたポリエステルの具体例としては、ポリブチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリエチレンセバケート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリネオペンチルグリコールオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられ、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートが特に好ましい。
【0034】
脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸が流動性と熱的・機械的物性の点で優れており、分子量の大きいものが好ましく、重量平均分子量3万以上のものが更に好ましい。
脂肪族ポリエステルとしては、具体的には、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
特に、高剛性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得るためには、ポリ乳酸が好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の(C)脂肪族ポリエステルの配合割合は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の合計量に基づき、1〜98質量%であり、好ましくは50〜80質量%、より好ましくは20〜50質量%である。
(C)脂肪族ポリエステルの配合割合が98質量%を超えると、難燃性が著しく低下する。
本発明においては、剛性と難燃性の観点から、(A)成分と(B)成分との合計量が80〜50質量%で、(C)成分が19〜49質量%であることが好ましい。
【0035】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において、(D)成分の天然由来有機充填剤としては、天然物に由来するものであれば、特に限定されず、好ましくはセルロースを含むものである。
天然由来有機充填剤の具体例としては、籾殻、木材チップ、おから、古紙粉砕材、衣料粉砕材などのチップ状のもの、綿繊維、麻繊維、竹繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ヘンプ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナッツ繊維などの植物繊維もしくはこれらの植物繊維から加工されたパルプやレーヨンなどのセルロース繊維および絹、羊毛、アンゴラ、カシミヤ、ラクダなどの動物繊維などの繊維状のもの、紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、籾殻粉末、果実殻粉末、キチン粉末、キトサン粉末、タンパク質、澱粉などの粉末状のものが挙げられ、耐熱性の観点から、紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、籾殻粉末、果実殻粉末、キチン粉末、キトサン粉末、タンパク質粉末、澱粉などの粉末状のもの、綿繊維、麻繊維、竹繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ヘンプ繊維、ジュート繊維、レーヨン繊維、バナナ繊維、ココナッツ繊維などの植物繊維が好ましく、紙粉、木粉、竹粉、竹繊維、ケナフ繊維、ヘンプ繊維、ジュート繊維、レーヨン繊維がより好ましく、竹繊維、ケナフ繊維、ヘンプ繊維、ジュート繊維、レーヨン繊維が更に好ましい。
また、これらの天然由来有機充填剤は、天然物から直接採取したものを用いてもよいが、地球環境の保護や資源保全の観点から、古紙、廃木材および古衣などの廃材をリサイクルして用いてもよい。
古紙とは、新聞紙、雑誌、コピー用紙などのOA用紙、その他の再生パルプ、もしくは、段ボール、ボール紙、紙管などの板紙であり、植物繊維を原料として加工されたものであれば、いずれを用いてもよいが、耐熱性の観点から、新聞紙および段ボール、ボール紙、紙管などの板紙の粉砕品が好ましい。
また、木材の具体例としては、松、杉、檜、もみ等の針葉樹材、ブナ、シイ、ユーカリなどの広葉樹材などがあり、その種類は問わない。
【0036】
天然由来有機充填剤は、表面処理したものを用いてもよく、アルカリ処理、熱処理、アセチル化処理、シアノエチル化処理、シランカップリング処理、グリオギザール処理など各種公知の方法で表面処理した天然由来有機充填剤を用いることにより、耐熱性だけでなく、機械特性も向上する傾向にあり好ましい。
【0037】
また、天然由来有機充填剤としては、耐熱性を向上することができるという点から、表面上に微粒子が付着するセルロースを含むことが好ましい。
微粒子とは、特に限定されるものではなく、有機物もしくは無機物のいずれでもよく、前記した各種薬品が付着したことで生じる微粒子であってもよい。微粒子の形状は、針状、板状、球状のいずれでもよい。
微粒子のサイズは、特に限定されるものではないが、0.1〜5000nmの範囲に分布していることが好ましく、0.3〜1000nmの範囲に分布していることがより好ましく、0.5〜500nmの範囲に分布していることが更に好ましく、1〜100nmの範囲に分布していることが特に好ましく、1〜80nmの範囲に分布していることが最も好ましい。
なお、ここで特定の範囲に「分布している」とは、微粒子総数の80%以上が特定の範囲に含まれることを意味する。
微粒子の付着形態は、凝集状態もしくは分散状態のいずれでもよいが、分散状態で付着していることがより好ましい。
上記微粒子のサイズは、本発明の樹脂組成物から得られる成形品を透過型電子顕微鏡により8万倍の倍率で観察することができる。
【0038】
天然由来有機充填剤としては、予め脂肪族ポリエステルを含浸し、繊維強化ペレット化したものを用いてもよい。
天然由来有機充填剤が含浸する脂肪族ポリエステルとしては、脂肪族ポリエステルと同様のものを用いることができ、ポリ乳酸を用いることが好ましい。
上記繊維強化ペレット化とは、少なくとも溶融成形可能な脂肪族ポリエステルと、天然由来有機充填剤とを主原料として行われる。
この場合、製造工程は特に限定されず、例えば、通常の2軸混練機等を使用した溶融混練方法、天然由来有機充填剤と溶融状態の樹脂とを混練する方法)、天然由来有機充填剤に溶融した脂肪族ポリエステルを含浸させた後、冷却し切断する方法、樹脂粉末をドライ法又はウェット法により天然由来有機充填剤に付着させ、この付着樹脂を溶融した後、冷却し切断する方法、繊維強化ペレット製造装置(例えば、株式会社神戸製鋼所製のもの)を用いる方法等を適用すればよく、好ましくは繊維強化ペレット製造装置を用いて製造する。
【0039】
上記繊維強化ペレットの製造に際し、いずれの製造方法による場合でも脂肪族ポリエステルとしては溶融し得ることが必要である。
本発明において脂肪族ポリエステルを溶融成形可能としているのは、かかる必要性を充たすためである。
尚、繊維強化ペレット化に用いられる脂肪族ポリエステルと、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に用いられる(C)脂肪族ポリエステルとは、同一であっても異なっていてもよい。
【0040】
天然由来有機充填剤を繊維強化ペレット化する際には、天然由来有機充填剤の繊維長が長い程、その成形加工後に得られる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に含有される繊維の繊維長が長いほど、剛性を中心とした機械的物性が向上する。
また、加工性の観点から、上記繊維強化ペレット化された天然由来有機充填剤の平均繊維長は3〜12mmであることが好ましい。
上記平均繊維長とは本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における天然由来有機充填剤を繊維強化ペレット化したものの平均繊維長をいう。
尚、かかる平均繊維長は繊維強化ペレットの長さ(切断面間の距離)と等しくなるためペレットの長さをノギスなどを用いることで測定することができる。
【0041】
天然由来有機充填剤としては、上述のようにして繊維強化ペレット化されたものが好ましく、繊維強化ペレット化され、平均繊維長が3〜12mmのものがより好ましく、ジュート繊維、レーヨン繊維、竹繊維、ケナフ繊維及びヘンプ繊維から選ばれる少なくとも一種が、繊維強化ペレット化され、平均繊維長が3〜12mm、好ましくは5〜12mm、より好ましくは6〜12mm のものである。
【0042】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の(D)天然由来有機充填剤の配合割合は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の合計量に基づき、1〜80質量%であり、好ましくは2〜40質量%、より好ましくは3〜15質量%である。
(D)天然由来有機充填剤の配合割合が上記範囲内であると、剛性を中心とした諸物性と難燃性のバランスが良好となる。
【0043】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において、(E)成分の無機充填剤は、成形品の剛性、更には難燃性を更に向上させることができる。
無機充填剤としては、タルク、マイカ、カオリン、珪藻土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維などを挙げることができる。
中でも、板状であるタルク、マイカなどや、繊維状の充填剤が好ましく、タルクが好ましい。
タルクとしては、マグネシウムの含水ケイ酸塩であり、一般に市販されているものを用いることができる。
タルクには、主成分であるケイ酸と酸化マグネシウムの他に、微量の酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化鉄を含むことがあるが、本発明の樹脂組成物を製造するには、これらを含んでいてもかまわない。
また、タルクなどの無機充填剤の平均粒径は通常、0.1〜50μm、好ましくは0.2〜20μmである。
これらの無機充填剤、特にタルクを含有させることにより、剛性が向上する。
【0044】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の(E)無機充填剤の配合割合は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の合計量に基づき、0〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%、より好ましくは5〜12質量%である。
(E)無機充填剤の配合割合が20質量%を超えると、耐衝撃性の著しい低下などの物性不良を招く。
【0045】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、(F)ポリフルオロオレフィンを配合することができる。
ポリフルオロオレフィンは、難燃性試験等における燃焼時の溶融滴下防止を目的に使用される。
ポリフルオロオレフィンとしては、通常、フルオロエチレン構造を含む重合体、共重合体であり、例えば、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を含まないエチレン系モノマーとの共重合体である。
好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、その平均分子量は、500,000以上であることが好ましく、特に好ましくは500,000〜10,000,000である。
本発明で用いることができるポリテトラフルオロエチレンとしては、現在知られている全ての種類のものを用いることができる。
【0046】
なお、ポリテトラフルオロエチレンのうち、フィブリル形成能を有するものを用いると更に高い溶融滴下防止性を付与することができる。
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格において、タイプ3に分類されるものが挙げられる。
その具体例としては、例えば、テフロン6−J(三井・デュポンフロロケミカル社製)、ポリフロンD−1、ポリフロンF−103、ポリフロンF201(ダイキン工業社製)、CD076(旭硝子フロロポリマーズ社製)等を挙げることができる。
【0047】
また、上記タイプ3に分類されるもの以外では、例えば、アルゴフロンF5(モンテフルオス社製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100(ダイキン工業社製)等を挙げることができる。
これらのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
上記のようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、例えば、テトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、6.9〜689.5kPaの圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合させることによって得られる。
【0048】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の(F)ポリフルオロオレフィンの配合割合は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の合計量100質量部に対して、0〜2質量部であり、好ましくは0.02〜2質量部、より好ましくは0.05〜1.5質量部である。
(F)ポリフルオロオレフィンの配合割合が2質量部を超えると、難燃性向上において、添加量に見合った溶融滴下防止効果は得られず、耐衝撃性、成形品外観に悪影響を与える場合がある。
【0049】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、更に(G)カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びオキサゾリン化合物から選ばれる少なくとも一種をすることができる。
【0050】
カルボジイミド化合物は、分子中に一個以上のカルボジイミド基を有する化合物であり、ポリカルボジイミド化合物をも含む。
カルボジイミド化合物の製造方法としては、例えば、触媒として、例えば、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート等の有機リン系化合物、又は、例えばロジウム錯体、チタン錯体、タングステン錯体、パラジウム錯体等の有機金属化合物を用い、各種ポリイソシアネート化合物を約70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒(例えば、ヘキサン、ベンゼン、ジオキサン、クロロホルム等)中で脱炭酸重縮合させることにより製造する方法を挙げることができる。
【0051】
このカルボジイミド化合物に含まれるモノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジナフチルカルボジイミド等を例示することができ、これらの中でも、特に工業的に入手が容易であるジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロピルカルボジイミドが好ましい。
【0052】
エポキシ化合物としては、分子内に少なくとも1つ以上のエポキシ基を有する化合物を挙げることができる。
具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、エポキシブチルステアレート、エポキシオクチルステアレート、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p−ブチルフェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、ネオヘキセンオキシド、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ビス−エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチレンエポキシド、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン系共重合体、エポキシ化水素化スチレン−ブタジエン系共重合体、ビスフェノール−A型エポキシ化合物、ビスフェノール−S型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、3,4−エポキシシクロヘキサメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、あるいは3,4−エポキシシクロヘキシルグリシジルエーテルなどの脂環式エポキシ化合物などを例示することができる。
【0053】
イソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート又は3,3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0054】
イソシアネート化合物は、公知の方法で容易に製造することができ、また市販品を適宜使用することもできる。市販のポリイソシアネート化合物としては、三井化学ポリウレタン株式会社製のヘキサメチレンジイソシアネート「タケネート」(登録商標)、日本ポリウレタン株式会社製の水添ジフェニルメタンジイソシアネート「コロネート」(登録商標)、日本ポリウレタン株式会社製の芳香族イソシアネート「ミリオネート」(登録商標)等がある。
【0055】
オキサゾリン化合物としては、例えば、2,2'−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、又は2,2'−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等が挙げられる。また、オキサゾリン基含有反応性ポリスチレンもオキサゾリン系化合物として使用することができる。
本発明においては、特に、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物が好ましく、これらから選ばれる化合物を2種類以上組み合わせて添加してもよい。
【0056】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の(G)カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びオキサゾリン化合物から選ばれる少なくとも一種の配合割合は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の合計量100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。
(G)カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びオキサゾリン化合物から選ばれる少なくとも一種の配合割合が上記範囲内であると、各成分の反応相溶化を促進し、(C)成分を安定化することが可能である。
【0057】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、上記必須成分及び任意成分と共に、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に常用されている添加剤成分を必要により添加することができる。
添加剤成分としては、例えば、可塑剤、安定剤、無機充填剤、難燃剤、シリコーン系化合物、フッ素樹脂等が挙げられる。
添加剤成分の配合量は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の特性が維持される範囲であれば特に制限はない。
【0058】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記の各成分を通常の方法により配合し、溶融混練することで得ることができる。
配合および混練は、例えば、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで予備混合して、ヘンシェルミキサー(商品名)、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ、二軸スクリュー混練機等を用いる方法で行うことができる。
溶融混練の際の加熱温度は、通常200〜320℃であり、好ましくは220〜280℃の範囲で適宜選択される。
【0059】
本発明で用いる(D)天然由来有機充填剤を上記溶融混練に供する為には、予め微粉砕して粉末状にしておく方法、天然由来有機充填剤を圧縮しタブレット化したものを用いる方法、天然由来有機充填剤の不織布に樹脂を含浸させたものを粉砕して配合物に加える方法、またひも状の天然由来有機充填剤の場合は、本樹脂組成物に用いる樹脂を用いて予め引抜成形によって繊維強化ペレット化した上で用いる方法を取ることができる。
また、2軸スクリュー押出機などを用いて混練し得られる溶融樹脂を、ひも状の天然由来有機充填剤に含浸させ引抜成形などで繊維強化ペレットとして得ることも可能である。
【0060】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、上記の溶融混練物、あるいは、得られたペレットを原料として、中空成形法、射出成形法、押出成形法、真空成形法、圧空成形法、熱曲げ成形法、カレンダー成形法、回転成形法などにより成形品とすることができる。
本発明はまた、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品をも提供する。
【実施例】
【0061】
次に、本発明を実施例により、更に詳しく説明するが、本発明は、これらの例によって
なんら限定されるものではない。
【0062】
製造例1:芳香族ポリカーボネート(PC)−ポリオルガノシロキサン(PDMS)共重合体の製造
(1)PCオリゴマーの製造
400リットルの5質量%水酸化ナトリウム水溶液に、60kgのビスフェノールAを溶解させ、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
次いで、室温に保持したこのビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間の流量で、また、塩化メチレンを69リットル/時間の流量で、内径10mm、管長10mの管型反応器にオリフィス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して10.7kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反応させた。
ここで、用いた管型反応器は二重管となっており、ジャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温度を25℃に保った。
また、排出液のpHは10〜11となるように調整した。
このようにして得られた反応液を静置することにより、水相を分離・除去し、塩化メチレン相(220リットル)を採取して、PCオリゴマー(濃度317g/リットル)を得た。ここで得られたPCオリゴマーの重合度は2〜4であり、クロロホーメイト基の濃度は0.7モル/リットルであった。
【0063】
(2)末端変性ポリカーボネートの製造
内容積50リットルの攪拌付き容器に、上記(1)で得られたPCオリゴマー10リットルを入れ、p−ドデシルフェノール(分岐状ドデシル基含有)〔油化スケネクタディ社製〕162gを溶解させた。
次いで、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム53g、水1リットル)とトリエチルアミン5.8ミリリットルを加え、1時間、300rpmで攪拌し、反応させた。
その後、上記の系にビスフェノールAの水酸化ナトリウム溶液(ビスフェノールA:720g、水酸化ナトリウム412g、水5.5リットル)を混合し、塩化メチレン8リットルを加え、1時間500rpmで攪拌し、反応させた。
反応後、塩化メチレン7リットル及び水5リットルを加え、10分間、500rpmで攪拌し、攪拌停止後静置し、有機相と水相を分離した。
得られた有機相を5リットルのアルカリ(0.03モル/リットル−NaOH)、5リットルの酸(0.2モル/リットル−塩酸)及び5リットルの水(2回)の順で洗浄した。
その後、塩化メチレンを蒸発させ、フレーク状のポリマーを得た。粘度平均分子量は17,500であった。
【0064】
(3)反応性PDMSの製造
1,483gのオクタメチルシクロテトラシロキサン、96gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン及び35gの86質量%硫酸を混合し、室温で17時間攪拌した。
その後、油相を分離し、25gの炭酸水素ナトリウムを加え1時間攪拌した。
濾過した後、150℃、4×102 Pa(3torr)で真空蒸留し、低沸点物を除き油状物を得た。
60gの2−アリルフェノールと0.0014gの塩化白金−アルコラート錯体としてのプラチナとの混合物に、上記(2)で得られた油状物294gを90℃の温度で添加した。
この混合物を90〜115℃の温度に保ちながら3時間攪拌した。
生成物を塩化メチレンで抽出し、80質量%の水性メタノールで3回洗浄し、過剰の2−アリルフェノールを除いた。
その生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で115℃に加熱して溶剤を留去した。
得られた末端フェノールPDMSは、NMRの測定により、ジメチルシラノオキシ単位の繰り返し数は30であった。
【0065】
(4)PC−PDMS共重合体の製造
上記(3)で得られた反応性PDMSの182gを塩化メチレン2リットルに溶解させ、上記(1)で得られたPCオリゴマー10リットルを混合した。
そこへ、水酸化ナトリウム26gを水1リットルに溶解させたものと、トリエチルアミン5.7ミリリットルを加え、500rpmで室温にて1時間攪拌、反応させた。
反応終了後、上記反応系に、5.2質量%の水酸化ナトリウム水溶液5リットルにビスフェノールA600gを溶解させたもの、塩化メチレン8リットル及びp−tert−ブチルフェノ−ル96gを加え、500rpmで室温にて2時間攪拌、反応させた。
【0066】
反応後、塩化メチレン5リットルを加え、更に、水5リットルで水洗、0.03モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液5リットルでアルカリ洗浄、0.2モル/リットル塩酸5リットルで酸洗浄、及び水5リットルで水洗2回を順次行い、最後に塩化メチレンを除去し、フレーク状のPC−PDMS共重合体を得た。
得られたPC−PDMS共重合体を120℃で24時間真空乾燥した。粘度平均分子量は17,000であり、PDMS含有率は3.0質量%であった。
【0067】
なお、粘度平均分子量、PDPS含有率は下記の要領で求めた。
(1)粘度平均分子量(Mv)
ウベローデ型粘度計にて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求めた後、次式にて算出した。
[η]=1.23×10-5Mv0.83
(2)PDMS含有率
1H−NMRで1.7ppmに見られるビスフェノールAのイソプロピルのメチル基のピークと、0.2ppmに見られるジメチルシロキサンのメチル基のピークとの強度比を基に求めた。
【0068】
〔性能評価方法〕
性能評価は、下記の測定方法に従って行なった。
(1)酸素指数(LOI)
JIS K 7201に準拠して測定した。
酸素/窒素の割合を変化させた燃焼管の中で、上方から接近着火、3分間以上継続して燃焼する酸素/窒素の最小値を求めた。
(2)剛性試験
曲げ弾性率:ASTM D790に準拠して測定した(単位:MPa)。
引張弾性率:JIS K 7161に準拠して測定した(単位:MPa)。
【0069】
実施例1〜6及び比較例1〜6
各配合原料をそれぞれ乾燥した後、表1及び2に示す配合割合(質量部)にて、タンブラーを用いて均一にブレンドした後、二軸スクリュー混練機で混練し、ペレット化した。
得られたペレットを、射出成形機を用いて成形し、所望の試験片を得た。この試験片を
用いて性能評価を行った結果を表1及び2に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
表1及び表2において、(A)〜(G)成分に用いた材料は以下の通りである。
(A)芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体:製造例1のものを使用した。
(B)芳香族ポリカーボネート:「タフロン」(登録商標) A1900(出光興産株式会社製)
(C)脂肪族ポリエステル1:ポリ乳酸「LACEA」(登録商標) H−100(三井化学株式会社製)
脂肪族ポリエステル2:ポリブチレンサクシネート「GSPla」(登録商標) AZ81T(三菱化学株式会社製Tg:−32℃)
(D)天然由来有機充填剤1:繊維強化ペレット製造装置(株式会社 神戸製鋼所製)を用い、裸状態のジュートの連続繊維に溶融状態のポリ乳酸を含浸させ、冷却した後、切断する方法により、ペレット長と同様長さの繊維を有する繊維強化ペレットを作製した。尚、上述のようにして測定したこのペレットの平均繊維長は6mmであった。
天然由来有機充填剤2:繊維強化ペレット製造装置(株式会社 神戸製鋼所製)を用い、裸状態のレーヨンの連続繊維に溶融状態のポリ乳酸を含浸させ、冷却した後、切断する方法により、ペレット長と同様長さの繊維を有する繊維強化ペレットを作製した。尚、上述のようにして測定したこのペレットの平均繊維長は6mmであった。
(E)無機充填剤1:タルク(TP−A25) (富士タルク社製)
【0073】
(F)ポリフルオロオレフィン:ポリテトラフルオロエチレン CD076(旭硝子フロロポリマーズ社製)
(G)エポキシ化合物:ビスフェノールAエポキシ樹脂「エピクロン」(登録商標) AM−040‐P(大日本インキ社製)
カルボジイミド化合物:ジシクロヘキシルカルボジイミド「カルボジライト」(登録商標) LA−1(日清紡績社製)
イソシアネート化合物:1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン「タケネート」(登録商標) 600(三井化学ポリウレタン社製)
オキサゾリン化合物:オキサゾリン基含有反応性ポリスチレン「エポクロス」(登録商標) RPS−1005(日本触媒社製)
【0074】
表1及び2表より以下のことが分かる。
(1)実施例1〜4及び6、比較例1〜4から、(A)芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を配合することにより、剛性を低下させることなく酸素指数が向上する。
(2)実施例6及び比較例4から、(C)脂肪族ポリエステル1(ポリ乳酸)の量が(B)芳香族ポリカーボネートと同量程度配合しても効果がある。
(3)比較例5から、(C)脂肪族ポリエステル1(ポリ乳酸)が配合されないと、剛性が非常に低い。
(4)比較例6から、(B)芳香族ポリカーボネートが配合されないと、酸素指数が非常に低い。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、機械特性、難燃性等に優れている。
従って、OA機器、情報・通信機器、家庭電化機器分野などに利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体98〜1質量%、(B)芳香族ポリカーボネート0〜97質量%、(C)脂肪族ポリエステル1〜98質量%、(D)天然由来の有機充填剤1〜80質量%及び(E)無機充填剤0〜20質量%を、合計量が100質量%になるように含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項2】
(A)成分から(E)成分の合計量100質量部に対して、(F)ポリフルオロオレフィン0.02〜2質量部を含む、請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
(A)と(B)成分の合計量が80〜50質量%、(C)成分が19〜49質量%である、請求項1又は2記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
(C)成分が、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート及びポリカプロラクトンから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項5】
(D)成分が、繊維強化ペレット化されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項6】
(D)成分が、ジュート繊維、レーヨン繊維、竹繊維、ケナフ繊維及びヘンプ繊維から選ばれる少なくとも一種に(C)成分を含浸させて繊維強化ペレット化したものである請求項5に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項7】
(A)成分から(E)成分の合計量100質量部に対して、更に、(G)カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物及びオキサゾリン化合物から選ばれる少なくとも1種を0.01〜10質量部含む、請求項1〜6のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品。

【公開番号】特開2010−215791(P2010−215791A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64565(P2009−64565)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【出願人】(000104364)カルプ工業株式会社 (23)
【Fターム(参考)】