説明

荷物入れ容器

【課題】未使用時のパーティションを好適に収納可能な荷物入れ容器を提供する。
【解決手段】車両100に搭載されると共に持ち運び可能な荷物入れ容器1であって、内部に荷物が収納される収納室16を有し、車体に対して取り外し可能である容器本体10と、容器本体10に脱着可能であると共に、収納室16を仕切るパーティション20と、容器本体10を持ち上げる場合に把持されるハンドル30と、を備え、ハンドル30は、容器本体10に回動可能に設けられ、ハンドル30が収納される収納位置を有し、収納位置のハンドル30は、収納されたパーティション20を容器本体10の内壁面14aとで挟み、パーティション20を収納状態で保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される荷物入れ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アンダーボックス等の荷物入れ容器を搭載する車両が開発されている。例えば、特許文献1には、シートクッション下の荷物入れ容器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−337586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、荷物入れ容器に収納される荷物は大小様々であるから、収納室をパーティション(仕切り部材)で適宜仕切ることが好ましいが、大きな荷物を収納するためパーティションを使用しない場合、そのパーティションを荷物入れ容器に単に収納すると、車両の走行によって、パーティションが振動し、損傷等する虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、未使用時のパーティションを好適に収納可能な荷物入れ容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、車両に搭載されると共に持ち運び可能な荷物入れ容器であって、内部に荷物が収納される収納室を有し、車体に対して取り外し可能である容器本体と、前記容器本体に脱着可能であると共に、前記収納室を仕切る仕切り部材と、前記容器本体を持ち上げる場合に把持されるハンドルと、を備え、前記ハンドルは、前記容器本体に回動可能に設けられ、当該ハンドルが収納される収納位置を有し、前記収納位置の前記ハンドルは、収納された前記仕切り部材を前記容器本体の壁面とで挟み、前記仕切り部材を収納状態で保持することを特徴とする荷物入れ容器である。
【0007】
このような荷物入れ容器によれば、収納位置に配置されるハンドルが、収納された未使用の仕切り部材を容器本体の壁面とで挟み、仕切り部材を収納状態で好適に保持する。
このようにして、未使用時の仕切り部材が挟まれて保持されるので、車両の走行に伴って、仕切り部材が振動等しにくくなり、損傷することもなく、騒音が発生することもない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、未使用時のパーティションを好適に収納可能な荷物入れ容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る荷物入れ容器の斜視図であり、車両に搭載された状態を示す。
【図2】本実施形態に係る荷物入れ容器の斜視図である。
【図3】本実施形態に係る荷物入れ容器の平面図である。
【図4】本実施形態に係る荷物入れ容器の斜視図であり、持ち上げた状態を示す。
【図5】(a)は変形例に係る荷物入れ容器の斜視図であり、(b)は(a)のX1−X1線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
【0011】
≪荷物入れ容器の構成≫
図1に示すように、本実施形態に係る荷物入れ容器1は、車両100のトランクルーム101(荷室)のフロアボード102下に搭載されると共に、その内部の収納室16に荷物を収納したままで持ち運び可能な容器である。収納される荷物としては、例えば、洗車セット、タイヤチェーン、キャンプ用品が挙げられる。
荷物入れ容器1は、容器本体10と、パーティション20(仕切り部材)と、一対のハンドル30、30と、を備えている。
【0012】
<容器本体>
図2、図3に示すように、容器本体10は、上方が開口した箱状であって、前壁部11と、後壁部12と、左壁部13と、右壁部14と、底壁部15とを備え、内部に荷物が収納される収納室16を有している。
また、容器本体10は、通常時、フロアボード102下の空間に収納され、その上を、フロアボード102の一部である開閉蓋103が覆うようになっている。一方、荷物入れ容器1の使用時、容器本体10は、開閉蓋103が開かれた状態で、持ち上げられ、車両100(車体)から取り外し可能に構成されている(図4参照)。
なお、容器本体10の下方の空間には、例えば、予備タイヤが収納される。
【0013】
前壁部11の内壁面11aには、車幅方向(左右方向)において所定間隔で、鉛直方向に延びる仕切り溝11b、11bが形成されている。一方、後壁部12の内壁面12aには、仕切り溝11b、11bと対向するように、仕切り溝12b、12bが形成されている。
【0014】
仕切り溝11b、12bは、収納室16を仕切る場合、パーティション20が差し込まれる溝である。なお、本実施形態では、仕切り溝11b、12bがそれぞれ2本形成された構成を例示しているが、これに限定されず変更自由である。
【0015】
また、前壁部11の内壁面11aにおいて、車幅方向の両側には、鉛直方向に延びる収納溝11c、11cがそれぞれ形成されている。一方、後壁部12の内壁面12aには、収納溝11c、11cと対向するように、収納溝12c、12cが形成されている。
【0016】
収納溝11c、12cは、収納室16を仕切らず、パーティション20を収納する場合、このパーティション20が差し込まれる溝である。つまり、対向する収納溝11c、12cの間の空間は、パーティション20が収納される収納部を構成しており、この収納部が車幅方向の両側にそれぞれ形成されている。
なお、本実施形態では、収納溝11c、12cの幅は、1枚のパーティション20の厚さと対応しているが、この他に例えば、収納溝11c、12cの幅を太くし、複数枚のパーティション20が収納される構成としてもよい。
【0017】
<パーティション>
パーティション20は、薄板部品であり、仕切り溝11b、12bに差し込み・脱離されることで、収納室16を適宜に仕切るためものである。つまり、パーティション20は、容器本体10に対して脱着可能である。
なお、本実施形態では、パーティション20を1枚備える構成を例示しているが、これに限定されず変更自由である。また、パーティション20の高さ方向の寸法は、特に限定はなく、容器本体10の深さと同程度でもよいし、1/2〜2/3程度でもよい。
【0018】
<ハンドル>
ハンドル30は、略U字形を呈しており(図3参照)、荷物入れ容器1を持ち上げる場合に把持されるグリップ部31と、グリップ部31の両端にそれぞれ形成された被取付部32、32と、を備えている。被取付部32は、容器本体10の左壁部13又は右壁部14の上部に形成された回動穴(図示しない)に差し込まれており、これにより、ハンドル30が、容器本体10に対して回動可能に設けられている。
【0019】
また、ハンドル30は、ハンドル30が収納される収納位置(図1〜図3参照)と、ハンドル30が引き出されて把持される把持位置(図4参照)と、を有している。
【0020】
<ハンドル−収納位置>
収納位置は、ハンドル30が容器本体10内に回動され、グリップ部31が、左壁部13の内壁面13a、又は、右壁部14の内壁面14aに沿って配置される位置である(図1〜図3参照)。
【0021】
また、ハンドル30が収納位置に配置される場合において、パーティション20が収納溝11c、12cに差し込まれ収納されているとき、その自重により収納位置で留まろうとするハンドル30(主にグリップ部31)は、収納されているパーティション20を、左壁部13の内壁面13a又は右壁部14の内壁面14aとで挟み、パーティション20の収納状態を保持するようになっている。
【0022】
なお、ハンドル30を使用しない場合、ハンドル30が収納位置に戻り、収納されているパーティション20を好適に挟むように、ハンドル30の被取付部32と左壁部13及び/又は右壁部14との間に、図示しない渦巻きばね(付勢手段)を設け、収納位置に自動復帰するように構成してもよい。
【0023】
<ハンドル−把持位置>
一方、把持位置は、ハンドル30が容器本体10の上方に回動され、グリップ部31が、左壁部13又は右壁部14の上方に配置される位置である(図4参照)。
【0024】
≪荷物入れ容器の作用効果≫
このような荷物入れ容器1によれば、次の作用効果を得る。
ハンドル30が収納位置に配置される場合において、パーティション20の未使用時、つまり、パーティション20が収納されているとき、ハンドル30(主にグリップ部31)は、収納されているパーティション20を、左壁部13の内壁面13a又は右壁部14の内壁面14aとで挟み、パーティション20の収納状態を保持する。このようにして、パーティション20は、収納状態で安定して保持されるので、車両の走行に伴って、パーティション20が振動等しにくくなる。
【0025】
≪変形例≫
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように変更できる。
例えば、図5(a)、図5(b)に示すように、右壁部14に樹脂製の突起14b、14b(ロック手段)を形成し、この突起14b、14bによって、ハンドル30の被取付部32を収納位置でロック(保持)する構成としてもよい。なお、ハンドル30を開き、収納位置から把持位置に回動させる場合、突起14b、14bが変形し後退するようになっている。
このような構成にすれば、突起14b、14bによって、走行する車両100の振動に伴ってハンドル30が跳ね上がることを好適に防止しつつ、ロックされたハンドル30でパーティション20を安定して保持できる。
【0026】
前記した実施形態では、荷物入れ容器1が、トランクルーム101下に搭載される構成を例示したが、その他に例えば、車室のフロア下、シート下等に搭載される構成でもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 荷物入れ容器
10 容器本体
14 右壁部
14a 内壁面
15 底壁部
16 収納室
20 パーティション(仕切り部材)
30 ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されると共に持ち運び可能な荷物入れ容器であって、
内部に荷物が収納される収納室を有し、車体に対して取り外し可能である容器本体と、
前記容器本体に脱着可能であると共に、前記収納室を仕切る仕切り部材と、
前記容器本体を持ち上げる場合に把持されるハンドルと、
を備え、
前記ハンドルは、前記容器本体に回動可能に設けられ、当該ハンドルが収納される収納位置を有し、
前記収納位置の前記ハンドルは、収納された前記仕切り部材を前記容器本体の壁面とで挟み、前記仕切り部材を収納状態で保持する
ことを特徴とする荷物入れ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−56981(P2011−56981A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205854(P2009−205854)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】