説明

菓子付き音発生玩具

【課題】 菓子を手回しハンドルにより適宜の速度で回転させるとともに、音を適宜の速度で発生させることができる興趣に富む新規な菓子付き音発生玩具を得る。
【解決手段】 菓子付き音発生玩具1は、玩具本体10の上部に支持棒2を介して菓子3を回転自在に保持する。この玩具の玩具本体は、菓子を支持棒を介して回転駆動する回転駆動機構部11と、この回転駆動機構部に回転力を与えるように本体外側に回転操作可能に設けられた手回しハンドル12と、この手回しハンドルの回転に伴ってオンオフするスイッチ手段13と、このスイッチ手段がオンしたときに音を発生させる音発生手段14と、この音発生手段からの音を出力するスピーカ15とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手回しハンドルを回すことにより菓子を適宜の速度で回転させ得るとともに音を適宜の速度で発生させることができる菓子付き音発生玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば棒付きキャンディ、棒付き飴等の棒付きの菓子を、玩具本体上部に回転可能に保持し、これを玩具本体の内部に設けた電動モータで回転駆動するようにした菓子付き玩具が従来既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】 特開平5−277261
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来から知られている菓子付き玩具では、玩具本体に設けたスイッチを操作することにより電動モータによりキャンディ等を回転させるだけであり、それほど興趣に富む玩具とは言えない。
勿論、キャンディ等は取替可能であり、新しいキャンディ等を装着することで何度でも使用できるが、キャンディ等が無くなれば、玩具として面白みのあるものでもない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、キャンディ、飴等の棒付き菓子を手回しハンドルにより適宜の速度で回転させるとともに、音を適宜の速度で発生させることができる興趣に富む新規な菓子付き音発生玩具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る菓子付き音発生玩具は、玩具本体の上部に支持棒を介して菓子を回転自在に保持してなる菓子付き音発生玩具であって、玩具本体は、前記菓子を支持棒を介して回転駆動する回転駆動機構部と、この回転駆動機構部に回転力を与えるように本体外側に回転操作可能に設けられた手回しハンドルと、この手回しハンドルの回転に伴ってオンオフするスイッチ手段と、このスイッチ手段がオンしたときに音を発生させる音発生手段と、この音発生手段からの音を出力するスピーカとを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明(請求項2記載の発明)に係る菓子付き音発生玩具は、請求項1において、音発生手段は、音声ICであり、この音声IC、電源を含む電気回路中に前記スイッチ手段が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明(請求項3記載の発明)に係る菓子付き音発生玩具は、請求項1または請求項2において、スイッチ手段は、リーフスイッチであり、このリーフスイッチは、前記手回しハンドルにより回転するカムによりオンオフするように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明(請求項4記載の発明)に係る菓子付き音発生玩具は、請求項2または請求項3において、スイッチ手段のオンオフする速度によって、音声ICによる音の再生速度が変化するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明(請求項5記載の発明)に係る菓子付き音発生玩具は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、菓子は、玩具本体に対して着脱自在に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明に係る菓子付き音発生玩具によれば、手回しハンドルを操作することで菓子を回転させ得るとともに、該手回し速度に応じた速度で音を発生させることができる玩具を得ることができるのであり、興趣に富む菓子付きの玩具を得ることができる。
【0012】
特に、本発明によれば、ハンドルを回す速度に同調して音声の速度を変化させることができるのであり、また速度を変えても音声の音程が変化しないという利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1および図2は本発明に係る菓子付き音発生玩具の一つの実施の形態を示す。
【0014】
これらの図において、全体を符号1で示す菓子付き音発生玩具は、玩具本体10の上部に支持棒2を介して例えば棒付きのキャンディ等のような菓子3を回転自在に保持するように構成されている。なお、この菓子3は必要に応じて着脱可能に構成されており、食べてしまったときに、新しいものに交換できるようになっている。
【0015】
前記玩具本体10は、全体がほぼ細長な直方体形状を呈するように形成された一対のケーシング10a,10bからなり、キャンディ等のような菓子3を支持棒2を介して回転駆動する回転駆動機構部11が内設されている。そして、この回転駆動機構部11に回転力を与える手回しハンドル12が、本体10の外側に回転操作可能に設けられている。なお、この手回しハンドル12は、本体10の外側に回転自在に軸支された円板の偏心位置に突設したノブ部により構成されている。
【0016】
また、この玩具本体10には、手回しハンドル12の回転に伴ってオンオフするスイッチ手段としてのリーフスイッチ13と、このリーフスイッチ13がオンしたときに音を発生させる音発生手段としての音声IC14と、この音声IC14からの音を出力するスピーカ15等も設けられている。
【0017】
なお、前記回転駆動機構部11は、前記菓子3の支持棒2を保持する中空軸16、これに手回しハンドル12からの回転力を伝える回転伝達軸17、これら間での回転伝達を行うギヤ機構18a,18bなどからなり、前記回転伝達軸17には、カム19が設けられ、このカムにより前記リーフスイッチ13がオンオフするように構成されている。
【0018】
また、上記の音声IC14には、音楽、音声およびそれらを駆動制御する内容がプログラムされて記憶されていることは勿論である。
【0019】
図3は音声IC14から音声を発生させるための電気回路であり、バッテリ21を有するとともに、その回路の一部には前記リーフスイッチ13による接点S1が設けられている。そして、このような図3に示す回路では、リーフスイッチ13により接点S1がオンオフすると、バッテリ21からの通電電流が音声IC14に送られ、これにより音声が発生されることになる。
【0020】
すなわち、手回しハンドル12の回転速度の変化でカムによるリーフスイッチ13のオンオフ接続する速度が変化し、これによりリーフスイッチ13の接続速度の変化を音声IC14に組み込まれていているミディソフトが再生する音楽の速度に反映することになり、これに応じて再生された音楽がスピーカ15から出力されるのである。
【0021】
これは、ミディソフトは音に関する情報を扱うもので、音のデータはないが、再生するタイミング、音程、長さ、音色という楽譜に近いデータを有している。そして、テンポによって再生速度を指定することなり、このテンポで変化するのは再生するタイミングのみで、その他の音程、長さ、音色は変化しないもので、この特性を利用することで上述した再生する音楽の速度ののみが変化することになるのである。
なお、上述した構成では、ハンドル12を手回ししている間だけ音楽が流れ、手回しをやめると音楽が止まることは言うまでもない。
【0022】
したがって、このような回路では、ハンドル12を回す速度に同調して菓子3が回転すると同時に、音声(例えば音楽、おしゃべり、擬音など)の速度が変化することになり、この速度を任意に変えることができるのである。すなわち、手回し速度によって、菓子3を回転動作させる機構と同調し、再生する音声の速度を変えることができるのである。そして、この場合において、上記回路によれば、速度が変わっても、音声の音程は変化しない。
【0023】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば上述した実施の形態では、菓子として棒付きキャンディを例示したが、これに限らず、棒付き飴、その他類似の菓子などであってもよいことは言うまでもない。このような菓子には、棒付きアイスクリーム等の棒付き食品全般に適用可能であり、また幼児向けがらがら、ビジーボード、ハンドル回転式びっくり箱などの玩具にも活用できることは容易に理解されよう。
【0024】
また、本発明によれば、音発生手段として音声IC14を用いた場合を説明したが、これに限らず、適宜の音、音楽、メロディなどを記憶し、通電により所要の速度で音を発生させることができるようなものであれば、どのようなものでもよい。要は、手回し速度に同調して、キャンディ等の菓子が回転し、これと同時に同調した速度で音楽等の音が流れるような構成であればよい。
【0025】
さらに、手回しハンドルによる回転を検出するスイッチ手段としてリーフスイッチ13を用いた場合を例示したが、手回しによる回転速度を検出し、音発生手段から音を発生させることができるようなものであれば、どのようなものでもよい。
【0026】
また、上述した実施形態では、音声ICの音声再生をミディソフトで行っているが、これに限定されず、ウェブソフトで行うこともできる。尤も、このようなウェブソフトは音のデータそのものであり、再生するにあたってサンプリングレートという再生速度を指定することにより、1秒間当たりに再生する音のデータの数が決まるので、再生する速度は変化させることができるが、その代わり早送りやスロー再生のようになり、音程が同時に変化してしまうことになるが、実用上は支障ないものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 本発明に係る菓子付き音発生玩具の一実施形態を示す概略分解斜視図である。
【図2】 本発明に係る菓子付き音発生玩具の概略正面図である。
【図3】 本発明に係る菓子付き音発生玩具に用いる電気回路の概略図である。
【符号の説明】
【0028】
1…菓子付き音発生玩具、2…支持棒、3…菓子、10…玩具本体、11…回転駆動機構部、12…手回しハンドル、13…スイッチ手段(リーフスイッチ)、14…音発生手段(音声IC)、15…スピーカ、18a,18b…ギヤ機構、19…カム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具本体の上部に支持棒を介して菓子を回転自在に保持してなる菓子付き音発生玩具であって、
玩具本体は、前記菓子を支持棒を介して回転駆動する回転駆動機構部と、この回転駆動機構部に回転力を与えるように本外側に回転操作可能に設けられた手回しハンドルと、この手回しハンドルの回転に伴ってオンオフするスイッチ手段と、このスイッチ手段がオンしたときに音を発生させる音発生手段と、この音発生手段からの音を出力するスピーカとを備えたことを特徴とする菓子付き音発生玩具。
【請求項2】
請求項1記載の菓子付き音発生玩具において、
前記音発生手段は、音声ICであり、
この音声IC、電源を含む電気回路中に前記スイッチ手段が設けられていることを特徴とする菓子付き音発生玩具。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の菓子付き音発生玩具において、
前記スイッチ手段は、リーフスイッチであり、
このリーフスイッチは、前記手回しハンドルにより回転するカムによりオンオフするように構成されていることを特徴とする菓子付き音発生玩具。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載の菓子付き音発生玩具において、
前記スイッチ手段のオンオフする速度によって、音声ICによる音の再生速度が変化するように構成されていることを特徴とする菓子付き音発生玩具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の菓子付き音発生玩具において、
菓子は、玩具本体に対して着脱自在に設けられていることを特徴とする菓子付き音発生玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−307353(P2008−307353A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183729(P2007−183729)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(399016031)株式会社トイテック (13)
【Fターム(参考)】