説明

蒸散装置

【課題】蒸散剤の流出を防止することができる蒸散装置を提供する。
【解決手段】カートリッジ12が装着される装着部133の下側にカートリッジ12から流出した蒸散剤を貯留する貯留空間201を形成し、装置本体11内に装着部113を隔成する中ケース73の周面部122に装着部113と貯留空間201とを連通する下部スリット212を形成する。カートリッジ12にシール不良が発生し、当該カートリッジ12から蒸散剤が漏れ出した場合、この蒸散剤を下部スリット212を介して、閉鎖された貯留空間201に貯留して保持する。下部スリット212を、カートリッジ12装着用に開設された挿入部132より低位置に設定し、蒸散剤の挿入部132から外部への漏れを確実に防止する。これにより、蒸散剤の漏れに起因した不具合を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸散剤を蒸散する蒸散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蒸散剤を蒸散させる装置としては、蒸散装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この蒸散装置は、ヒータで加熱されるヒータ面を備えており、該ヒータ面は傾斜して設けられている。
【0004】
このヒータ面には、カートリッジがセットされるように構成されており、セットされたカートリッジを傾斜した状態で載置できるように構成されている。
【0005】
該カートリッジは、蒸散剤を収容したトレイと、該トレイの開口部を閉鎖するガス透過性フィルムで構成された蒸散面とによって構成されており、ヒータ面からの熱で蒸散剤を加熱して前記蒸散面から蒸散できるように構成されている。
【特許文献1】特開2004−057002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の蒸散装置にあっては、セットされるカートリッジにシール不良が発生し、カートリッジから蒸散剤が漏れた場合、この蒸散剤が床面に流れ出る恐れがあった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、蒸散剤の流出を防止することができる蒸散装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の蒸散装置にあっては、蒸散剤を収容したトレイの開口部が蒸散面で閉鎖されたカートリッジと、該カートリッジを内部に装着する装置本体とからなり、該装置本体に前記カートリッジを装着するための挿入部が開設された蒸散装置であって、前記カートリッジが装着される装着部を前記装置本体内に隔成し、前記装着部の下側に前記カートリッジから流出した前記蒸散剤を貯留する貯留空間を形成するとともに、前記装着部を隔成する壁面に前記装着部と前記貯留空間とを連通する連通部を設け、該連通部を前記挿入部より低位置に設定した。
【0009】
すなわち、カートリッジが装着される装着部の下側には、前記カートリッジから流出した蒸散剤を貯留する貯留空間が形成されており、前記装着部を隔成する壁面には、前記装着部と前記貯留空間とを連通する連通部が設けられている。
【0010】
このため、トレイの開口部を閉鎖する蒸散面にシール不良が発生し、当該カートリッジから蒸散剤が漏れた場合には、前記連通部を介して前記貯留空間に貯留される。
【0011】
このとき、前記蒸散剤は、閉鎖された貯留空間に貯留されている。このため、開放された貯留空間に蒸散剤を貯留する場合と比較して、貯留された蒸散剤の不用意な流出が抑制される。
【0012】
そして、前記連通部は、前記カートリッジを装着するために前記装置本体に開設された挿入部より低位置に設定されている。このため、前記カートリッジから流出した蒸散剤の前記挿入部から外部への漏れが防止される。
【0013】
また、請求項2の蒸散装置においては、前記挿入部の開口方向を横向きに設定した。
【0014】
すなわち、前記カートリッジを装着するために前記装置本体に開設された前記挿入部は横向きに開口しており、この横向きに開口した挿入部からの蒸散剤の漏れを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明の請求項1の蒸散装置にあっては、装置本体に装着されたカートリッジにシール不良が発生し、該カートリッジから蒸散剤が漏れ出した際には、この蒸散剤を連通穴を介して、閉鎖された貯留空間に貯留して保持することができる。
【0016】
このとき、前記蒸散剤は、閉鎖された貯留空間に貯留される。このため、開放された貯留空間に蒸散剤を貯留する場合と比較して、貯留された蒸散剤の不用意な流出を抑制することができる。
【0017】
また、前記連通部は、前記カートリッジ装着用に開設された挿入部より低位置に設定されている。このため、流出した前記蒸散剤の前記挿入部から外部への漏れを確実に防止することができる。
【0018】
これにより、カートリッジから漏れ出した蒸散剤が床面に流れ落ちる恐れのある従来と比較して、蒸散剤が床面を汚すといった蒸散剤の漏れに起因した不具合を防止することができる。
【0019】
また、請求項2の蒸散装置においては、カートリッジを装着するために装置本体に開設された挿入部は横向きに開口しており、この横向きに開口した挿入部を備えた蒸散装置であっても、前記蒸散剤の漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる蒸散装置1を示す図であり、該蒸散装置1は、消臭剤、芳香剤、防虫剤、殺虫剤等の蒸散剤を蒸散する装置である。この蒸散剤としては、ゲル状の薬剤や液状の薬剤が挙げられるが、本実施の形態では、液状の薬剤が用いられている。
【0021】
この蒸散装置1は、図1及び図2に示すように、装置本体11と、該装置本体11に交換可能に装着されるカートリッジ12とよって構成されている。
【0022】
該カートリッジ12は、図3にも示すように、樹脂製のトレイ21と、該トレイ21の開口部を閉鎖する蒸散面22とからなり、該蒸散面22は、液状の蒸散剤は通さず、蒸散され気化された蒸散剤は透過する透明乃至半透明のガス透過性フィルムで構成されている。
【0023】
前記トレイ21は、図4及び図5にも示すように、横長形状に形成されており、図4及び図5中、左寄りの部分に底面31側へ突出した第一収容部32と第二収容部33とが膨出形成されている。前記第一収容部32は、当該トレイ21の図5中左方である先端側に配置されており、前記第二収容部33は、図5中右方である基端側に配置されている。これにより、前記両収容部32,33は、前記トレイ21の底面31に沿って並設されるとともに、横並びに配列されている。
【0024】
前記第一収容部32は、図3及び図4に示したように、半円形状に形成されており、前記第二収容部33も半円形状に形成されている。両収容部32,33は、弦を構成する辺が対向して配設されており、前記第一収容部32は前記第二収容部33と共に円形を成すように配置されている。
【0025】
前記第一収容部32と前記第二収容部33との間には、両者を区画する区画部41が上下に方向に延在しており、前記蒸散面22を構成するガス透過性フィルムは、図4及び図5に示したように、前記各収容部32,33の外周部及び前記区画部41に接着されている。これにより、隣接した前記両収容部32,33は、互いに区画されており、各収容部32,33には、異なる色彩の異なる蒸散剤が収容されている。
【0026】
前記各収容部32,33の底面31には、図4に示したように、半径方向に延在する線状凹部51,・・・と、同心円上に延在する円弧状凹部52,・・・とが形成されており、当該底面31には、凹凸が形成されている。この凹凸によって、各収容部32,33は、補強されている。
【0027】
前記トレイ21の一般部61は、前記両収容部32,33から図4中右方である基端側へ延出するように、その長さ寸法が設定されており、この基端側に延出した一般部61によって着脱時に操作される舌片62が構成されている。そして、この舌片62の中央部には、図3から図5に示すように、底面側へ膨出形成された突起63が形成されている。
【0028】
前記装置本体11は、図2に示したように、前面を形成する前ケース71と、裏面を形成する後ケース72と、前記前ケース71及び後ケース72内に収容される中ケース73とによって構成されている。
【0029】
前記前ケース71は、円形リング状に形成されており、その横断面形状は、図6及び図7に示すように、前方に突出した円弧状に形成されている。この前ケース71の裏面には、図6に示したように、後方に延出した円筒部75,75が突設されており、各円筒部75,75は、リブ74,・・・によって側方から支持されている。
【0030】
前記後ケース72は、図2に示したように、円形容器状の容器部81を中心に構成されており、該容器部81の外周部には、図6及び図7に示したように、横断面円弧状のリング部82が形成されている。このリング部82は、前記前ケース71に対応した形状に形成されており、図6及び図8に示すように、図6中、右側の部位に後ケース切欠部83が形成されている。このリング部82には、図6に示したように、ネジ挿入部84が凹設されており、該ネジ挿入部84の底面には、タッピンねじ85が挿入される挿通穴86が開設されている。
【0031】
このリング部82の外周縁には、図7に示したように、前方へ延出した凸条91が形成されており、該凸条91に対向する前記前ケース71の周縁には、前記凸条91が挿入される凹溝92が形成されている。
【0032】
前記凸条91は、前記凹溝92に嵌着できるように構成されており、前記凸条91を前記凹溝92に嵌着して前記後ケース72を前記前ケース71に密着して連結した状態で、図6に示したように、前記挿通穴86に挿入した前記タッピンねじ85を前記前ケース71の円筒部75に螺入することによって、前記後ケース72を前記前ケース71に固定できるように構成されている。この連結状態において、前記前ケース71と前記後ケース72の前記リング部82との間には、図6及び図7に示したように、ドーナッツ状のリング空間95が当該装置本体11の周縁部に形成されるように構成されている。
【0033】
前記容器部81には、図6から図8に示したように、電子基板101が設けられており、該電子基板101からは、コンセントプラグ102,102が延出している。このコンセントプラグ102,102は、前記容器部81を挿通して裏側へ延出しており、部屋の壁面Wに設けられたコンセントに差し込むことで、商用電源の供給を受けて作動するように構成されている。
【0034】
つまり、この蒸散装置1は、前記コンセントプラグ102,102を介して壁面Wのコンセントから給電を受けて作動するコンセント給電タイプを構成している。
【0035】
前記電子基板101には、電子回路が形成されており、当該電子基板101の前記中ケース73側の面には、発熱体としてのヒータ111が設けられている。該ヒータ111には、図8に示したように、加熱源としての加熱板112が面接した状態で固定されており、該加熱板112は、前記ヒータ111からの熱で加熱され、その熱を全面に伝導するように構成されている。
【0036】
この加熱板112は、前記電子基板101の一端側に設けられており、図7及び図8に示したように、前記コンセントプラグ102,102を壁面Wのコンセントに差し込んだ使用状態Uにおいて、下側に位置するように構成されている。
【0037】
前記中ケース73は、図2に示したように、円板状の前面部121と、該前面部121の周縁より後方へ延出した周面部122と、該周面部122の後端に設けられた後面部123とによって一体形成されており、該後面部123は、前記前面部121に対向して設けられている。
【0038】
前記周面部122には、図2中、右方に周面切欠部131が設けられており、当該中ケース73は、横方向Sへ向けて開口している(図1参照)。前記周面切欠部131は、図2及び図6並びに図9に示すように、前記後ケース72の前記リング部82に設けられた前記後ケース切欠部83に対応した部位に設けられており、この装置本体11の前記コンセントプラグ102,102を起立した壁面Wのコンセントに差し込んだ使用状態Uに配置した状態で、当該装置本体11には、前記中ケース73に設けられた前記周面切欠部131と、前記後ケース72に設けられた前記後ケース切欠部83とによって、前記中ケース73内に前記カートリッジ12を挿入する挿入部132が右方へ向けて開口している。
【0039】
これにより、前記装置本体11の前記コンセントプラグ102,102を起立した壁面Wのコンセントに差し込んだ使用状態Uに配置において、図1に示したように、前記挿入部132が横方向Sへ向けて開口するように、前記挿入部132の開口方向が設定されている。
【0040】
そして、前記中ケース73には、前記挿入部132を介して前記カートリッジ12を交換可能に装着する装着部133が、前記前面部121と前記後面部123との間に形成されている。これにより、前記装置本体11の内部には、前記カートリッジ12を装着する為の前記装着部133が前記中ケース73によって隔成されている。
【0041】
該中ケース73によって隔成された前記装着部133の下側には、図7に示したように、該装着部133に装着された前記カートリッジ12にシール不良等が発生し、蒸散剤が漏れ出た場合に、流出した蒸散剤を貯留する閉鎖された貯留空間201が、前記前ケース71と前記後ケース72の前記リング部82とによって形成された前記リング空間95によって形成されている。
【0042】
この中ケース73の前記周面部122と前記前面部121との間には、図10及び図11に示すように、前記挿入部132の上部側に上部スリット211が形成されており、前記挿入部132の下部側には、下部スリット212が形成されている。前記上部スリット211の近傍に位置した前記前面部121の周縁部分には、上方切欠部213が切欠形成されており、前記下部スリット212の近傍に位置した前記前面部121の周縁部分には、下方切欠部214が切欠形成されている。
【0043】
これにより、この中ケース73を前記前ケース71と前記後ケース72との間に取り付けた取付状態で、前記中ケース73の前記装着部133を隔成する壁面である前記周面部122には、前記装着部133と前記貯留空間201とを連通する連通部が前記下部スリット212によって形成されており、この下部スリット212は、図11に示したように、前記使用状態Uにおいて、前記挿入部132より低位置に設定されている。
【0044】
また、前記取付状態において、前記前面部121の周縁は、前記下部スリット212近傍に切欠形成された前記下方切欠部214によって、その一部が前記前ケース71の内側面から離間しており、この下方切欠部214によって前記前面部121の後側空間と前側空間とが連通されている。
【0045】
前記周面部122の上部と前記前面部121とが接続された上側の接続部分には、図7に示したように、装着されたカートリッジ12の上縁12aが挿入される上部挿入溝141が横方向に延設されており、前記周面部122の下部と前記前面部121とが接続された下側の接続部分には、装着されたカートリッジ12の下縁12bが挿入される下部挿入溝142が横方向に延設されている。
【0046】
これにより、前記カートリッジ12の上縁12a及び下縁12bを、対応する挿入溝141,142へ側方から挿入できるように構成されており、前記カートリッジ12の上縁12a及び下縁12bを前記各挿入溝141,142に挿入して挟持することで、当該カートリッジ12の前記トレイ21の底面31を起立した状態で保持できるように構成されている。
【0047】
また、この起立状態において、当該カートリッジ12の前記蒸散面22を前記前面部121に面接できるように構成されており、前記上部及び下部挿入溝141,142によって前記カートリッジ12が装着できる方向を規制し、前記蒸散面22を前記後面部123側である後方へ向けて装着できないように構成されている。
【0048】
さらに、前記上部挿入溝141から前記下部挿入溝142までの寸法は、前記カートリッジ12の短辺方向での長さに基づいて設定されており、前記装着部133には、前記カートリッジ12の長辺を縦にして挿入できないように構成されている。
【0049】
これにより、当該装置本体11の前記後ケース72から延出した前記コンセントプラグ102,102を壁面Wのコンセントに差し込んで使用する使用状態Uにおいて、前記装着部133に装着した前記カートリッジ12の前記トレイ21の底面31を起立するとともに、前記各収容部32,33を横方向に配列して配置した状態で、当該カートリッジ12を保持できるように前記装着部133が構成されている。
【0050】
また、この使用状態Uにおいて、図7に示したように、加熱部を構成する前記中ケース73の前記後面部123の下寄りに加熱源を構成する前記加熱板112が配置されるように構成されている。
【0051】
このカートリッジ12の前記蒸散面22が面接する前記前面部121の図2中下側の部位には、図2に示したように、横方向に延在する波形の左放出口151,・・・及び右放出口152,・・・がそれぞれ三カ所に開設されており、前記各左放出口151,・・・と前記各右放出口152,・・・とは、上下に延在する区画面153によって隔てられている。
【0052】
図1中左側に設けられた前記左放出口151,・・・は、前記カートリッジ12を前記装着部133に装着した状態で、前記第一収容部32の前側に配置されるように構成されており、図1中右側に設けられた前記右放出口152,・・・は、前記第二収容部33の前側に配置されるように構成されている。
【0053】
これにより、前記カートリッジ12の前記第一収容部32から蒸散された蒸散剤を前記左放出口151,・・・から外部へ放出できるように構成されており、前記第二収容部33から蒸散された蒸散剤を前記右放出口152,・・・から外部へ放出できるように構成されている。また、前記左右放出口151,・・・、152,・・・によって、前記各収容部32,33から蒸散された蒸散剤を放出する放出部が構成されており、前記コンセントプラグ102,102を壁面Wのコンセントに差し込んだ前記使用状態Uで、当該装置本体11の前面側から前記蒸散剤を部屋の中心部へ向けて放出できるように構成されている。
【0054】
そして、前記前面部121の図2中下縁には、横方向に延在する波形の下部凹部161が凹設されており、前記前面部121の図2中上縁部には、横方向に延在する波形の上部波形開口部162が開口している。
【0055】
この前面部121に対向した前記後面部123の内側面は、平坦面で構成されており、前記装着部133に前記カートリッジ12を装着した状態で当該カートリッジ12のトレイ21の底面31が当該後面部123に密着するように該後面部123と前記前面部121との間隔が設定されている。
【0056】
この後面部123は、図6及び図7に示したように、前記電子基板101に設けられた加熱部として前記加熱板112に密着するように構成されており、前記後面部123は、前記加熱板112によって加熱され、その熱が全面に伝達されるように構成されている。
【0057】
これにより、この後面部123を介して前記カートリッジ12の前記底面31を全体的に加熱できるように構成されており、前記カートリッジ12を前記装着部133に装着した状態で、前記各収容部32,33に収容された蒸散剤を前記トレイ21の底面31側から加熱する加熱部が前記後面部123によって構成されている。
【0058】
以上の構成にかかる本実施の形態において、前記カートリッジ12が装着される装着部133の下側には、前記カートリッジ12にシール不良等が発生し、蒸散剤が漏れ出た場合に、流出した蒸散剤を貯留する貯留空間201が形成されており、装置本体11内に前記装着部113を隔成する中ケース73の周面部122には、前記装着部113と前記貯留空間201とを連通する連通部としての下部スリット212が設けられている。
【0059】
このため、前記カートリッジ12のトレイ21の開口部を閉鎖するガス透過性フィルムで構成された蒸散面22にシール不良が発生し、当該カートリッジ12から蒸散剤が漏れ出した場合には、この蒸散剤を前記下部スリット212を介して、閉鎖された前記貯留空間201に貯留して保持することができる。
【0060】
このとき、この貯留空間201の上部は、前記中ケース73の前記周面部122によって閉鎖されており、前記蒸散剤を、この閉鎖された貯留空間201に貯留することができる。このため、開放された貯留空間に蒸散剤を貯留する場合と比較して、貯留された蒸散剤の不用意な流出を抑制することができる。
【0061】
また、前記下部スリット212は、前記カートリッジ12装着用に開設された挿入部132より低位置に設定されている。このため、流出した前記蒸散剤の前記挿入部132から外部への漏れを確実に防止することができる。
【0062】
これにより、カートリッジ12から漏れ出した蒸散剤が床面に流れ落ちる恐れのある従来と比較して、蒸散剤が床面を汚すといった蒸散剤の漏れに起因した不具合を防止することができる。
【0063】
また、前記カートリッジ12を装着するために装置本体11に開設された前記挿入部132は、横向きに開口しており、この横向きに開口した挿入部132を備えた本実施の形態の蒸散装置1であっても、前記蒸散剤の漏れを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態の分解斜視図である。
【図3】同実施の形態のカートリッジを底面側から見た状態を示す斜視図である。
【図4】同実施の形態のカートリッジを示す底面図である。
【図5】同実施の形態のカートリッジを示す側面図である。
【図6】同実施の形態の要部を示す横断面図である。
【図7】同実施の形態の要部を示す縦断面図である。
【図8】同実施の形態の後ケースを示す斜視図である。
【図9】同実施の形態の蒸散装置の使用状態を示す平面図である。
【図10】同実施の形態の中ケースを底面側から見た状態を示す斜視図である。
【図11】同実施の形態の蒸散装置を示す一部断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 蒸散装置
11 装置本体
12 カートリッジ
21 トレイ
22 蒸散面
73 中ケース
122 周面部
132 挿入部
133 装着部
201 貯留空間
212 下部スリット
S 横方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸散剤を収容したトレイの開口部が蒸散面で閉鎖されたカートリッジと、該カートリッジを内部に装着する装置本体とからなり、該装置本体に前記カートリッジを装着するための挿入部が開設された蒸散装置であって、
前記カートリッジが装着される装着部を前記装置本体内に隔成し、前記装着部の下側に前記カートリッジから流出した前記蒸散剤を貯留する貯留空間を形成するとともに、前記装着部を隔成する壁面に前記装着部と前記貯留空間とを連通する連通部を設け、該連通部を前記挿入部より低位置に設定したことを特徴とする蒸散装置。
【請求項2】
前記挿入部の開口方向を横向きに設定したことを特徴とする請求項1記載の蒸散装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−125535(P2009−125535A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307009(P2007−307009)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【Fターム(参考)】