蒸気タービンシステム及びその運転方法

【課題】主蒸気加減弁を全開として運転してタービン内部効率の向上を図りつつも、緊急な周波数変動等に対応でき、主蒸気飲み込み裕度がある蒸気タービンシステム及びその運転方法を提供する。
【解決手段】蒸気タービンの蒸気流入口に蒸気を供給する主蒸気配管51に、主蒸気止め弁5とその主蒸気止め弁5の下流側に接続された主蒸気加減弁6とを備える蒸気タービンシステムにおいて、主蒸気止め弁5の下流側に主蒸気加減弁6をバイパスする形で設置されたバイパス配管56を高圧蒸気タービン1a途中段落に接続し、バイパス配管56に主蒸気バイパス弁11を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラからの主蒸気流量を調整する主蒸気加減弁を備えた蒸気タービンシステム及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図8に、従来の蒸気タービンシステムの構成図を示す。
【0003】
この蒸気タービンシステムは、高圧蒸気タービン1a、再熱蒸気タービン1b、ボイラ2、復水器3、発電機4、復水ポンプ9、給水加熱器10、及び給水ポンプ13を備えている。また、ボイラ2と高圧蒸気タービン1aとを主蒸気配管51で、高圧蒸気タービン1aとボイラ2とを低温再熱配管52で、ボイラ2と再熱蒸気タービン1bとを高温再熱配管53で、高圧蒸気タービン1a又は再熱蒸気タービン1bと給水加熱器10とを抽気配管54で、給水加熱器10とボイラ2とを給水配管55でそれぞれ接続している。
【0004】
また、この蒸気タービンシステムにおいては、主蒸気配管51に主蒸気止め弁5及び主蒸気加減弁6が設けられ、高温再熱配管53に再熱蒸気止め弁7及びインターセプト弁8が設けられている。
【0005】
この蒸気タービンシステムでは、ボイラ2の高圧加熱器2aから取り出された高圧の主蒸気が、主蒸気配管51の主蒸気止め弁5、及び主蒸気加減弁6を通過して高圧蒸気タービン1aに導入され、ここで膨張仕事をさせた後、低温再熱配管52を介してボイラ2の再熱器2bに送られて再熱される。
【0006】
次に、再熱蒸気は高温再熱配管53の再熱蒸気止め弁7及びインターセプト弁8を通して再熱蒸気タービン1bに導入される。その後、再熱蒸気タービン1bで膨張仕事をさせる。そして、このようにして高圧蒸気タービン1aおよび再熱蒸気タービン2bが発生する動力で発電機4を駆動する。
【0007】
更に、高圧蒸気タービン1a、再熱蒸気タービン1bなどの蒸気タービンにて膨張仕事を終えたタービン排気は復水器3において凝縮されて復水とされ、復水ポンプ9、給水ポンプ13及び給水加熱器10を経由させ給水にしてボイラ2に再び戻している。なお、給水加熱器10には給水ポンプ13の上流側に設けられる低圧給水加熱器と給水ポンプ13の下流側に設けられる高圧給水加熱器がある。低圧給水加熱器には抽気配管54を介して再熱蒸気タービン1bの途中段から抽気した抽気蒸気が復水の加熱原として供給されており、高圧給水加熱器には抽気配管54を介して高圧蒸気タービン1aの途中段から抽気した抽気蒸気が加熱源として供給されている。
【0008】
図9に、この蒸気タービンシステムにおける主蒸気加減弁6を制御した蒸気タービンの運転モード例を示す。
【0009】
主蒸気加減弁6の開度は、(a)に示すように、主蒸気流量が30%を超えると、定格運転点(X)まで90%の状態で維持される。主蒸気圧力は、(b)に示すように、定格運転点(X)で定格圧力になるように運転され、主蒸気流量が100%を超えた飲み込み最大流量点(Y)においても定格圧力が維持される。つまり図9の例では、主蒸気流量が定格運転時の30%を超え定格運転点(X)までの間では主蒸気加減弁6の開度が一定に維持され主蒸気圧力が変化する変圧運転が行なわれ、定格運転点(X)よりも大きな主蒸気流量では圧力を定格圧力に維持するように主蒸気加減弁6の開度が変化する定圧運転が行なわれる。
【0010】
上記の蒸気タービンシステムでは、主蒸気加減弁6を全開ではなく絞り状態で運転しており、定格運転点(X)での主蒸気流量でも、定格流量を超える最大流量点(Y)でも定格圧力となるような加減弁設計であり、定格主蒸気流量に対して加減弁全開時の流量に余裕のある加減弁としている。
【0011】
このように、従来の蒸気タービンシステムにおいては、蒸気タービンは主蒸気加減弁6によって常に蒸気タービンに流入する主蒸気流量を制御するように運転されるが、系統からの周波数変動に対応できるように、それら主蒸気加減弁6の開度は全開ではなく絞り状態で運転される。
【0012】
また、夏場などの真空低下や、経年劣化による定格出力時の必要流量の増加を考慮すると、蒸気タービン設計流量と実際に運転される主蒸気流量にある程度の差が出てしまう。このためにも主蒸気加減弁6は中間開度で運転される。
【0013】
しかしながら、主蒸気加減弁6を中間開度にて運転すると、その前後において圧力損失が大きく、結果として蒸気タービン内部効率は著しく低下してしまう。
【0014】
これに対して、例えば、4つの並列の主蒸気加減弁をもつ蒸気タービンにおいて、通常運転時においては、3つの主蒸気加減弁を全開とし、残りの1つを絞り状態としその開度を調整することで、すべての主蒸気加減弁を中間開度(すなわち絞り状態)にて運転することを避ける方法もある(特許文献1参照)。
【0015】
しかしながら、上記の方法では、3つの主蒸気加減弁からの蒸気タービン入口への部分挿入に対応すべく、主蒸気タービン初段動翼を他の一般段よりも頑丈に設計する必要があるため、タービン性能は一般段のそれと比べ著しく低下してしまう。
【0016】
更に、実際の運転では、3つの主蒸気加減弁は全て全開ではなく、第1、2弁は全開、第3弁はほぼ全開状態とされ、しかも、第4弁は完全には全閉にはされないで運転されることも多くあり、その前後で圧力損失が大きくなってしまうという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2005−155380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
火力発電所の蒸気タービンは、通常、主蒸気加減弁を絞り状態として運転されるが、これは、主蒸気加減弁を全開にて運転すると緊急な周波数の変動に対応できないためである。
【0019】
また、夏場の真空低下時や性能劣化による定格出力時の主蒸気流量増加を考慮した場合、主蒸気加減弁を全開にて運転すると主蒸気飲み込み裕度がないことを意味している。
【0020】
しかしながら、蒸気タービンの設計流量から大きく離れた定格運転時にて、常に加減弁を絞った状態で運転していたのでは、圧力損失が大きく、タービン内部効率を向上させることはできない。
【0021】
そこで、本発明は、主蒸気加減弁を全開として運転してタービン内部効率の向上を図りつつも、周波数変動等に迅速に対応でき、主蒸気飲み込み裕度がある蒸気タービンシステム及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述の目的を達成するため、本発明の蒸気タービンシステムは、軸流多段タービンからなる蒸気タービンの蒸気流入口に蒸気を供給する主蒸気配管に、主蒸気止め弁と当該主蒸気止め弁の下流側に接続された主蒸気加減弁とを備える蒸気タービンシステムにおいて、前記主蒸気止め弁の下流の前記主蒸気配管から分岐して前記蒸気タービンの少なくとも初段段落をバイパスさせるバイパス配管を設置すると共に、前記バイパス配管に主蒸気バイパス弁を設けたことを特徴とする。
【0023】
また、上述の目的を達成するため、本発明の蒸気タービンの運転方法は、軸流多段タービンからなる蒸気タービンの蒸気流入口に蒸気を供給する主蒸気配管に、主蒸気止め弁と当該主蒸気止め弁の下流側に接続された主蒸気加減弁とを備える蒸気タービンシステムの運転方法において、前記主蒸気配管を介して供給される蒸気の一部を、前記主蒸気止め弁の下流の前記主蒸気配管から分岐して前記蒸気タービンの少なくとも初段段落をバイパスさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、主蒸気加減弁を全開として運転できるため、主蒸気加減弁の絞り損失を最小限とし、タービン内部効率の向上を図ることができると共に、主蒸気バイパス弁の開度を調整することで周波数変動等にも迅速に対応でき、主蒸気飲み込み裕度がある蒸気タービンシステム及びその運転方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る蒸気タービンシステムの第1の実施形態を示す構成図。
【図2】本発明に係る蒸気タービンシステムの第1の実施形態での主蒸気加減弁と主蒸気バイパス弁制御による蒸気タービン運転モード例を示す図であって、(a)は主蒸気流量と主蒸気加減弁開度との関係を示す図、(b)は主蒸気流量と主蒸気バイパス弁開度との関係を示す図、(c)は主蒸気流量と主蒸気圧力との関係を示す図。
【図3】本発明に係る蒸気タービンシステムの第1の実施形態の変形例の主蒸気バイパス弁近傍の具体的な構造を示す概略図。
【図4】本発明に係る蒸気タービンシステムの第1の実施形態の変形例の主蒸気バイパス弁近傍の具体的な構造を示す概略図。
【図5】本発明に係る蒸気タービンシステムの第2の実施形態を示す構成図。
【図6】本発明に係る蒸気タービンシステムの第3の実施形態を示す構成図。
【図7】本発明に係る蒸気タービンシステムの第4の実施形態を示す構成図。
【図8】従来の蒸気タービンシステムの構成図。
【図9】従来の蒸気タービンシステムでの主蒸気加減弁制御による蒸気タービンの運転モード例を示す図であって、(a)は主蒸気流量と主蒸気加減弁開度との関係を示す図、(b)は主蒸気流量と主蒸気圧力との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、図8で示した従来例の蒸気タービンシステムの構成と同一部分については同一の符号を付けて説明を省略する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図1に、本発明に係る蒸気タービンシステムの第1の実施の形態を示す。
【0028】
本実施の形態の蒸気タービンシステムは、従来例と同様に、高圧蒸気タービン1a、再熱蒸気タービン1b、ボイラ2、復水器3、発電機4、復水ポンプ9、給水加熱器10、及び給水ポンプ13を備えている。また、配管として主蒸気配管51、低温再熱配管52、高温再熱配管53、抽気配管54、及び給水配管55を備え、弁として主蒸気配管51に主蒸気止め弁5及び主蒸気加減弁6を設け、高温再熱配管53に再熱蒸気止め弁7及びインターセプト弁8を設けている点も従来例と同様である。
【0029】
そして、本実施の形態の蒸気タービンシステムでは、主蒸気止め弁5と主蒸気加減弁6の間の主蒸気配管51から分岐する形で設置されたバイパス配管56を高圧蒸気タービン1a途中段落に接続し、バイパス配管56に主蒸気バイパス弁11を設けている。これにより、バイパス配管56は主蒸気配管51から高圧蒸気タービン1aに供給される主蒸気の一部を、主蒸気加減弁6と高圧蒸気タービン1aの初段段落を含む数段落をバイパスさせることを可能としている。なお、ここで、バイパス配管56を介してバイパスした主蒸気の一部を高圧蒸気タービン1aの途中段落に流入させるため、高圧蒸気タービン1aの途中段落部分のケーシングにはバイパス配管56を取り付けるための座等の構造が設けられている。
【0030】
また本実施の形態においては、バイパス配管56を主蒸気止め弁5と主蒸気加減弁6の間から分岐させているが、主蒸気加減弁6下流の主蒸気配管51から分岐させ、主蒸気加減弁6を通過した主蒸気の一部を高圧蒸気タービン1aの初段段落を含む数段落をバイパスさせるように構成してもよい。すなわち、本実施の形態において、バイパス配管56は、主蒸気配管51から供給される主蒸気が少なくとも高圧蒸気タービン1aの初段段落をバイパスするような構成とすればよい。
【0031】
上記構成とした結果、本実施の形態の蒸気タービンにおいては、定格運転時には主蒸気加減弁6を全開とし、主蒸気バイパス弁11を開にしておくことで、主蒸気加減弁6の絞り損失を最小限とし、かつ主蒸気流量制御を実施しながら蒸気タービンを運転することが可能となる。
【0032】
また、バイパスされた蒸気のつなぎ先においても、高圧蒸気タービン1aの途中段に挿入することにより、主蒸気をより効率的に使用することができる。
【0033】
本実施の形態の蒸気タービンでは、主蒸気バイパス弁11を採用し、主蒸気加減弁6を全開運転とした場合、高圧蒸気タービン1aの内部効率を約3%程度の向上できる見込みがある。
【0034】
図2に、本実施の形態の蒸気タービンシステムでの主蒸気加減弁と主蒸気バイパス弁制御による蒸気タービン運転モード例を示す。
【0035】
主蒸気加減弁6の開度は、図2(a)に示すように、主蒸気流量が30%を超えた運転状態では、100%の状態で維持される。
【0036】
主蒸気バイパス弁11は、図2(b)に示すように、主蒸気流量が100%となる(C)点において開き始め、主蒸気流量が105%の時に主蒸気バイパス弁開度は100%になる。
【0037】
主蒸気圧力は、図2(c)に示すように、定格運転点(A)から飲み込み最大流量時(B)までは、主蒸気バイパス弁11により高圧蒸気タービン1aに流入する主蒸気流量が制御され、これによって高圧蒸気タービン1aに流入する主蒸気の圧力は定格圧力に維持される。
【0038】
ここで、本実施の形態は、図1の構成のほか、主蒸気止め弁と主蒸気加減弁を備える主蒸気配管が並列に複数接続されている蒸気タービンに適用することも可能である。図3及び図4は、第1の実施の形態の変形例に係る蒸気タービンシステムでの主蒸気バイパス弁近傍の具体的な構造を示す。なお、図3および図4において、図1と同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0039】
図3に示すように、この変形例では、ボイラから供給された主蒸気が、並列に設けられた主蒸気配管51aおよび51bの2つに分かれて高圧蒸気タービン1aに流入するように構成されている。各主蒸気配管51a、51bにはそれぞれ独立に制御可能な主蒸気止め弁5a、5b、主蒸気加減弁6a、6bが設けられている。そして、図3に示した変形例では、主蒸気配管51aの主蒸気止め弁5aと主蒸気加減弁6aの間、及び主蒸気配管51bの主蒸気止め弁5bと主蒸気加減弁6bの間から分岐する形でバイパス配管56a、56bがそれぞれ設置されている。そして、これらのバイパス配管56a,56bはそれぞれ高圧蒸気タービン1a途中段落に接続され、バイパス配管56a、56bにはそれぞれ主蒸気バイパス弁11a、11bが設けられている。これにより、バイパス配管56a,56bは、主蒸気配管51a,51bから高圧蒸気タービン1aに供給される主蒸気の一部を、主蒸気加減弁6a,6bと高圧蒸気タービン1aの初段段落を含む数段落をバイパスさせることを可能としている。なお、本変形例においても、バイパス配管56a,56bは少なくとも高圧蒸気タービンの初段段落をバイパスするように構成されていれば十分である。
【0040】
また、主蒸気管51a,51bは、高圧蒸気タービン1aの軸に対して互いに反対側の位置において高圧蒸気タービン1aに接続されている。同様に、バイパス配管56a,56bは高圧蒸気タービン1aの途中段落に接続されるが、この接続部位についても高圧タービン1aの軸に対して互いに反対側の位置としている。
【0041】
このようにすることでも、図1に示した本実施の形態の作用効果を同様に奏することができる。また、複数の主蒸気管51a,51bからバイパス配管56a、56bを設け、バイパス配管56a,56bが高圧蒸気タービン1aの途中段落に接続される接続部位を高圧蒸気タービン1aの軸に対して互いに反対側の位置としたことによって、バイパス配管56a,56bからバイパスされる主蒸気が高圧蒸気タービン1aの途中段落に合流することによる高圧蒸気タービン1aの途中段落における円周方向の蒸気温度の分布が不均一になる影響を少なくすることができる。また、バイパス配管56a,56bからのバイパス蒸気と高圧蒸気タービン1aの途中段落における主流蒸気との温度差がある場合に、高圧蒸気タービン1aのケーシングの上下半温度差を低減することが可能となる。
【0042】
なお、図3の構成のほか、図4に示したように主蒸気配管51aのみにバイパス配管56aを設ける構成とすることでも、図1に示した第1の実施の形態と同様な作用効果を奏することが可能である。
【0043】
(第2の実施の形態)
図5に、本発明に係る蒸気タービンシステムの第2の実施の形態を示す。なお、図1と同一な構成については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0044】
本実施の形態の蒸気タービンシステムにおいては、主蒸気バイパス弁11を備えるバイパス配管56を低温再熱配管52に接続した構成とした以外は、図1に示した第1の実施の形態に係る蒸気タービンシステムと同一の構成とされている。
【0045】
このような構成とした結果、本実施の形態の蒸気タービンにおいては、定格運転時には主蒸気加減弁6を全開とし、主蒸気バイパス弁11を開にしておくことで、主蒸気加減弁11の絞り損失を最小限とし、かつ主蒸気流量制御を実施しながら蒸気タービンを運転することが可能となる。
【0046】
また、バイパス配管56を圧力差の大きな低温再熱配管52と接続しているので、蒸気流量を大きくすることができ、大流量の蒸気制御が可能となる。
【0047】
更に、第1の実施の形態と比較すると、バイパスされた主蒸気は高圧蒸気タービン1aの内部で仕事をすることなく排気ラインに流通するため、高圧蒸気タービン1aの熱効率の向上は少ないが、高圧蒸気タービン1aの途中段にバイパスさせた主蒸気を合流させる必要がないので、高圧蒸気タービン1aを複雑な構造とする必要がない。
【0048】
(第3の実施の形態)
図6に、本発明に係る蒸気タービンシステムの第3の実施の形態を示す。なお、図1と同一な構成については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0049】
本実施の形態の蒸気タービンシステムにおいては、主蒸気バイパス弁11を備えるバイパス配管56を抽気管54に接続した構成とした以外は、図1に示した第1の実施の形態に係る蒸気タービンシステムと同一の構成とされている。
【0050】
このような構成とした結果、本実施の形態の蒸気タービンにおいては、定格運転時には主蒸気加減弁6を全開とし、主蒸気バイパス弁11を開にしておくことで、主蒸気加減弁11の絞り損失を最小限とし、かつ主蒸気流量制御を実施しながら蒸気タービンを運転することが可能となる。
【0051】
また、バイパス配管56を抽気管54に接続しているので、高圧蒸気タービン1aから流失する流量を減らすことができるため、出力を上げることができる。
【0052】
更に、第1の実施の形態と比較すると、バイパスされた主蒸気は高圧蒸気タービン1aの内部で仕事をすることなく、抽気配管54に流通するため蒸気タービン熱効率の向上は少ないが、高圧蒸気タービン1aの途中段にバイパスさせた主蒸気を合流させる必要がないので、高圧蒸気タービン1aを複雑な構造とする必要がない。
【0053】
(第4の実施の形態)
図7に、本発明に係る蒸気タービンシステムの第4の実施の形態を示す。なお、図1と同一な構成については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0054】
本実施の形態の蒸気タービンシステムにおいては、主蒸気バイパス弁11を備えるバイパス配管56は第4の実施の形態と同様に抽気管54に接続されるが、このバイパス配管56の途中にデスーパーヒータ12を設けている。このデスーパーヒータ12には給水加熱器10の下流部の給水配管が接続されており、給水加熱器10からの給水がデスーパーヒータ12に導かれ、バイパス配管56によりバイパスした主蒸気の一部と熱交換を行ない加熱される構成としている。すなわち、主蒸気配管51からバイパス配管56によりバイパスした主蒸気の一部は加熱源としてデスーパーヒータ12に導かれ、この主蒸気の熱を利用してボイラ2に導かれる給水を加熱している。なお、デスーパーヒータ12に導かれた主蒸気の一部はその顕熱のみを奪われ、低温の過熱蒸気となって抽気配管54に合流する。
【0055】
このような構成とした結果、第3の実施の形態における効果に加え、更に、バイパス配管56によってバイパスする一部の主蒸気が有する高い過熱度を用いて給水を暖めることで熱効率を向上させることができる。
【0056】
なお、本実施の形態の蒸気タービンシステムでは、主蒸気バイパス弁11を備えるバイパス配管56を第3の実施の形態と同様に抽気管54に接続したが、第1の実施形態と同様に蒸気タービン1途中段落に接続したり、第2の実施形態と同様に低温再熱配管52に接続したりすることもできる。
【0057】
(その他の実施の形態)
第1の実施の形態では、主蒸気止め弁5と主蒸気加減弁6の間から高圧蒸気タービンをバイパスする形で主蒸気配管56を分岐させ主蒸気バイパス弁12を設置したが、主蒸気加減弁6の下流からバイパス配管56を分岐させ主蒸気バイパス弁11を設置し高圧蒸気タービン1a途中段落に接続することも可能である。また、このような設置例を第3の実施の形態〜第5の実施の形態にも適用することができる。
【0058】
更に、第1の実施の形態〜第5の実施の形態において、少なくとも2つ有するバイパス配管56をそれぞれ異なる個所に接続することもできる。例えば、一方を高圧蒸気タービン1a途中段落に接続し、他方を低温再熱配管52や抽気管54に接続しても良い。
【符号の説明】
【0059】
1a 高圧蒸気タービン、1b 再熱蒸気タービン、2 ボイラ、3 復水器、4 発電機、5 主蒸気止め弁、6 主蒸気加減弁、7再熱蒸気止め弁、8 インターセプト弁、9 復水ポンプ、10 給水加熱器、11 主蒸気バイパス弁、12 デスーパーヒータ、13 給水ポンプ、51 主蒸気配管、52 低温再熱配管、53 高温再熱配管、54 抽気配管、55 給水配管、56 バイパス配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸流多段タービンからなる蒸気タービンの蒸気流入口に蒸気を供給する主蒸気配管に、主蒸気止め弁と当該主蒸気止め弁の下流側に接続された主蒸気加減弁とを備える蒸気タービンシステムにおいて、前記主蒸気止め弁の下流の主蒸気配管から分岐して前記蒸気タービンの少なくとも初段段落をバイパスさせるバイパス配管を設置すると共に、前記バイパス配管に主蒸気バイパス弁を設けたことを特徴とする蒸気タービンシステム。
【請求項2】
前記バイパス配管は前記主蒸気止め弁と前記主蒸気加減弁の間から分岐することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンシステム。
【請求項3】
前記バイパス配管は前記蒸気タービンの途中段落に接続されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の蒸気タービンシステム。
【請求項4】
前記蒸気タービンの出口は低温再熱配管を介してボイラに接続され、前記バイパス配管は、前記低温再熱配管に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の蒸気タービンシステム。
【請求項5】
前記蒸気タービンの蒸気の一部を給水加熱器に導く抽気管を有し、前記バイパス配管を、前記抽気管に接続することを特徴とする請求項1または請求項2記載の蒸気タービンシステム。
【請求項6】
前記バイパス配管の下流側に、当該バイパス配管にてバイパスされた蒸気を熱源として熱交換を行う熱交換器を接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の蒸気タービンシステム。
【請求項7】
軸流多段タービンからなる蒸気タービンの蒸気流入口に蒸気を供給する主蒸気配管に、主蒸気止め弁と当該主蒸気止め弁の下流側に接続された主蒸気加減弁とを備える蒸気タービンシステムの運転方法において、前記主蒸気配管を介して供給される蒸気の一部を、前記主蒸気止め弁の下流の前記主蒸気配管から分岐させ前記蒸気タービンの少なくとも初段段落をバイパスさせることを特徴とする蒸気タービンシステムの運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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