説明

蒸気タービン

【課題】 本発明の課題は、比較的に簡単な手段でもって、柔軟な方法で、ローター、及び/または内側ケーシングの内部の冷却を可能とし、および従って、始動時間、およびローターおよび内側ケーシングの耐用期間が改善される、蒸気タービンを提供することである。
【解決手段】 本発明により、少なくとも、蒸気通路14内において、ローター12の表面に平行に且つ直接的に、および、内側ケーシング1)の内側の表面に対して平行に且つ直接的に、またはこれらどちらか一方に、このローター12、もしくは内側ケーシング11のそれらの下に位置する表面を、この蒸気通路14を通って流動する高温の蒸気の直接的な作用から保護する、板形状の保護シールド18、19、19a、19b、20、20a、20b、20c;23、24、25;33が配設されており、ローター12の上に設けられている板形状の保護シールド18、33が、それぞれに、ローターブレード17の間の全面を覆っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービンの分野に関連している。本発明は、請求項1の上位概念による蒸気タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンのローター、および内側ケーシングは、始動の際、特に流入口の領域内において、傍らを通り過ぎて流れる高温の蒸気によって、構造部材の耐用期間および始動時間を制限する大きな熱的な諸応力を受ける。
【0003】
従って、過去において既に、蒸気タービンのローターおよび内側ケーシングが、重要な領域内において、付加的な外部の装置無しに冷却され得るような、種々の提案が成されている。
【0004】
米国特許第4,551,063号明細書(特許文献1)において、中圧蒸気タービンが開示されており、この中圧蒸気タービン内において、冷却用蒸気は、高圧タービンの出口において、中間加熱の手前で取出され、且つ、蒸気通路の外側に位置する環状スペースから、ローター内における軸線方向の穿孔を介して、このタービンの第1の両方の段内へと案内され、且つそこで、ブレード脚部から蒸気通路内へと送り込まれる。このような解決策は、ただ高圧タービンにおいてだけ使用可能であり、しかしながら、中圧タービンにおいては使用可能ではない。
【0005】
米国特許第5,149,247号明細書(特許文献2)に、組み合わされた高圧−中圧蒸気タービンにおいて、ステータが、中間スペースによって分離されている、外側および内側のステータに分割されている。冷却のために、冷却用蒸気は、高圧部の最終の段から取出され、且つ、中間スペース内へと導入される。類似の解決策は、同様に米国特許第6,341,937号明細書(特許文献3)においても開示されている。これら両方の解決策は、内側のステータが、生蒸気に、全面的に曝されることを防止していない。
【0006】
米国特許第6,010,302号明細書(特許文献4)において、最後に述べれば、ローターが中心の穿孔を備えており、この穿孔を通って、冷却用蒸気は案内され、この冷却用蒸気が、高圧段の出口において取出されている。内側ケーシングの冷却は、この解決策の場合に行われず、且つ可能でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,551,063号明細書
【特許文献2】米国特許第5,149,247号明細書
【特許文献3】米国特許第6,341,937号明細書
【特許文献4】米国特許第6,010,302号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の課題は、
比較的に簡単な手段でもって、柔軟な方法で、ローター、及び/または内側ケーシングの内部の冷却を可能とし、および従って、始動時間、およびローターおよび内側ケーシングの耐用期間が改善される、蒸気タービンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1、4および7の特徴の全体によって解決される。本発明の核心は、少なくとも、蒸気通路内において、
ローターの表面に平行に且つ直接的に、および、内側ケーシングの内側の表面に対して平行に且つ直接的に、またはこれらどちらか一方に、
このローター、もしくは内側ケーシングのそれらの下に位置する表面を、この蒸気通路を通って流動する高温の蒸気の直接的な作用から保護する、板形状の保護シールド)が配設されていること、
ローターの上に設けられている板形状の保護シールドが、それぞれに、ローターブレードの間の全面を覆っていることにある。
【発明の効果】
【0010】
第1の有利な実施形態は、保護シールドが、消極的な保護シールドとして、直接的に、ローターまたは内側ケーシングの保護されるべき表面上に載置し、または、この保護されるべき表面から、ただ間隙だけによって分離されていることによって特徴付けられている。これら空気案内管路は、積極的に冷却されず、むしろ、蒸気通路の高温の蒸気が、もはや高い速度でもって傍らを通り過ぎて流れないことによって作用し、且つここで、従って、「消極的な」保護シールド、または「消極的な」保護板と称される。この高い速度は、ローター回転、および、この内側ケーシングに対して相対的に存在する蒸気流動によって引き起こされ、且つ、高温の蒸気から構造部材表面に対しての熱伝達が、増大されることを生起する。保護シールドであるという理由で、確かに、まだ高温の蒸気温度は作用するが、しかしながら、蒸気と構造部材表面との間の如何なる相対的な速度も、もはや存在しないことによって、熱伝達は著しく低減される。これら保護シールドは、その際、(ローター側で)ローターに固定されたローターブレードの一部として形成され得る。
【0011】
本発明の第2の有利な実施形態は、保護シールドが、比較的に幅広の中間スペースの形成のもとで、ローター、または内側ケーシングの保護されるべき表面に対して間隔を有して配設されていること、および、蒸気タービンが、冷却用蒸気が、この中間スペースを通って流動するように形成されていることによって特徴付けられている。有利には、第1の保護シールドは、流動方向において前方の、蒸気通路の段内において設けられており、且つ、冷却用蒸気が、これら更に下流側に位置する段の内の1つの段内において、蒸気通路から取出され、且つ、中間スペースを通って、この流動方向とは逆に導き戻される。
【0012】
従って、蒸気が既に圧力落差を経過した時に、蒸気通路から初めて取出された、加熱蒸気が使用される。このことによって、この蒸気は、流入口内における蒸気よりも、より冷たい。このより冷たい蒸気は、ここで、方向転換され、且つ、中間スペース内へと、ローター表面、またはケーシング表面に沿って、最も高温の蒸気でもって負荷される、第1の段へと導かれる。冷却用蒸気、即ち冷却蒸気(kuelende oder Kueldampf)が、この方向に流動可能であるために、この蒸気は、1つの位置へと、比較的に低い圧力レベルでもって導かれる。この位置は、例えば、ピストン−またはケーシング軸封隙部の封隙チャンバーであり、または、ダブルフロー式の機械の場合、第2のフロー内における後方の段である。この位置は、しかしながら同様に、この機械の排気部であっても良い。如何なる高温の蒸気も、これら冷却中間スペース内へと流動しないために、これら冷却中間スペースを、比較的に高い圧力のもとにある高温の蒸気に対して封隙することは必要である。この目的で、圧密の保護シールド、もしくは保護板が使用される。
【0013】
特に、蒸気タービンが、シングルフローに構成されており、且つ、流入口の領域内において、蒸気通路に対して反対の側で、ローターと内側ケーシングとの間に、封隙部が、特にピストン−またはケーシング軸封隙部の様式で設けられている場合、
有利には、この封隙部の領域内において、第2の保護シールドが、比較的に幅広の中間スペースの形成のもとで、このローター、またはこの内側ケーシングの保護されるべき表面に対して間隔を有して配設されており、
且つ、これら第1の保護シールドの後ろの中間スペースを通って流動する、冷却用蒸気が、引き続いて、これら第2の保護シールドの後ろの中間スペースを通って導かれる。
【0014】
第1の、および第2の保護シールドが、その際に、ローターの表面を保護するために設けられている場合、これら第1の、および第2の保護シールドの後ろで、流入口の領域を通り抜ける、共通の中間スペースが形成されている。
【0015】
第1の、および第2の保護シールドが、内側ケーシングの表面を保護するために設けられている場合、これら第1の、および第2の保護シールドの後ろで、中間スペースが形成されており、これら中間スペースは、有利には、流入口の領域の周りを巡らされている通路、または、周りを巡らされている穿孔によって、この内側ケーシング内において互いに結合されている。
【0016】
更なる構成は、従属請求項から与えられる。
【0017】
次に本発明を、図との関連において、実施例に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】長手方向断面図における、ローターを保護するための、積極的に蒸気冷却された保護シールドを有する、本発明の第1の有利な実施例の図である。
【図2】図1に相応する図示における、内側ケーシングを保護するための、積極的に蒸気冷却された保護シールドを有する、本発明の第2の有利な実施例の図である。
【図3】拡大された部分図における、「消極的な」蒸気冷却されない保護シールドに関する、有利な実施例の図であり、これら保護シールドが、ハンマーヘッド形状の脚部によって、封隙部の領域内において、ローターに組み付けられている。
【図4】拡大された部分図における、積極的な蒸気冷却された保護シールドに関する、有利な実施例の図であり、これら保護シールドが、ハンマーヘッド形状の脚部によって、封隙部の領域内において、ローターに組み付けられている。
【図5】拡大された部分図における、「消極的な」蒸気冷却されない保護シールドに関する、有利な実施例の図であり、これら保護シールドが、ローターブレードの一部として形成されている。
【図6】拡大された部分図における、積極的な蒸気冷却された保護シールドに関する、有利な実施例の図であり、これら保護シールドが、ローターブレードの間に、ハンマーヘッド形状の脚部によって、ローターに組み付けられている。
【図7】図1に相応する図示における、内側ケーシングを保護するための、積極的に蒸気冷却された保護シールドを有する、本発明の第3の有利な実施例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に、長手方向断面図において、ローターを保護するための、積極的に(aktiv)蒸気冷却された保護シールドを有する、本発明の第1の有利な実施例が描写されている。この図1は、シングルフローの内側ケーシング11を有する蒸気タービン10の配設を示している。高温の蒸気は、流入口15から蒸気通路14を通って流動し、この蒸気通路が、この蒸気タービン10の、内側ケーシング11と、軸線13を中心にして回転可能なローター12との間に形成されており、且つ、この蒸気通路内に、多数の相前後して切替えられた段において、案内ベーン16、およびローターブレード17が設けられている。この蒸気の圧力および温度は、その際に、段から段へと低下する。示された実施例において、第2の段の後、蒸気は、取出され(記入された矢印を参照)、且つ、保護シールド18および19の下に位置している中間スペース21内における冷却用蒸気として、このローター12の表面に沿って、このローター12と内側ケーシング11との間に、この蒸気通路14に対して反対の流入口の側に設けられているピストン封隙部22の、後方の3分の1内に至るまで導かれている。この中間スペース21を離れた後、この冷却用蒸気は、この流入口15からの、ピストン封隙部22の最初の3分の2を経て解放された蒸気と混合される。このピストン封隙部22の最後の3分の1内において、消極的な(passive)保護シールド20が、このローター12に装着されており、この保護シールドは、確かに、例えばこの保護シールド20内における間隙を経てローター表面に至るまで進入可能である、高い温度を有する上記の混合蒸気を、このローターから遠ざけはしないが、しかしながら、この混合蒸気が、このローター表面に対する高い相対的な速度を、および従って、このローター内における高い熱注入を誘起することを防止する。
【0020】
図2内に、図1に相応する図示における、1つの配設における蒸気タービン10が図示されており、この配設の場合、蒸気通路14の第3の段からの蒸気は、内側ケーシング11を冷却するために使用される(記入された矢印を参照)。その際に、冷却用蒸気は、中間スペース27を通って導かれ、この中間スペースが、内側ケーシング11の内側の表面と、蒸気通路内におけるこの上方に間隔をおいて配設された保護シールド23との、もしくは、封隙部即ちピストン封隙部22内における保護シールド24との間に形成されている。冷却用蒸気を、流入口15の傍らを通って、ピストン封隙部22内へと運ぶために、ここで、この内側ケーシング11内において、通路または穿孔26が設けられている。この冷却用蒸気は、この蒸気通路14内における保護シールド23、および、ピストン封隙部22内における保護シールド24によって、高温の蒸気から分離されている。ピストン封隙部22の最後の3分の1内において、冷却用蒸気、即ち冷却蒸気は、流入口15から封隙部22を経て来た封隙蒸気と混合される。前記のことに引き続いて、この封隙部22の内側で、この内側ケーシング11は、消極的な保護シールド25を備えている。
【0021】
図7内に、図2に相応する図示における、1つの配設における蒸気タービン10が図示されており、この配設の場合、内側ケーシング11と外側ケーシング40との間に、封隙部42、43によって、付加的な中間スペース41が形成されている。冷却用蒸気を、流入口15の傍らを通って、ピストン封隙部22内へと運ぶために、ここで、この内側ケーシング11内において、2つの通路26aおよび26bが設けられている。この冷却用蒸気は、蒸気通路に接しての中間スペース27から、通路26aを通ってこの中間スペース41内へと、および、そこから、この通路26bを通ってこのピストン封隙部22内へと流動する。
【0022】
図3において、ピストン−または、回転軸封隙部22内における、消極的な保護シールド、もしくは消極的な保護板20a、20b、および20cに関する有利な実施例が図示されている。これら保護板20a、20b、20cは、この実施例において、ハンマーヘッド形状の脚部でもってローター12内において固定されている。幅aを有する幅の狭い間隙29は、これら保護板20a、20b、20cと、ローター表面との間に、これら保護板20a、20b、20cからこのローター12への熱伝達を減少させるために設けられることが許され、且つ設けられるべきである。これら保護板20a、20b、20cの上に、封隙条片30が装着されており、これら封隙条片は、内側ケーシング11における封隙条片31との協働で、蒸気を抑制する。
【0023】
図4は、積極的な保護シールド、もしくは積極的な保護板19a、19b、即ち、封隙部22内における蒸気流を保護シールド19a、19bとローター12との間の中間スペース21内における冷却蒸気流に対して気密に分離する、保護シールドを示している。これら積極的な保護シールド19a、19bは、ピストン−または、回転軸封隙部22内において設けられている。これら積極的な保護シールド19a、19bは、同様にこの実施例においても、ハンマーヘッド形状の脚部28でもって、このローター12内において固定されている。これら積極的な保護シールド19a、19bは、それぞれに、軸線方向の穿孔32を有しており、従って、冷却蒸気が、これら保護シールド19a、19bの脚部28を、妨害されずに通過可能である。同様にここでも、更に交互に、封隙条片30、31が、これら保護シールド19a、19bと、内側ケーシング11との間に設けられており、これら封隙条片の間で、高温の蒸気が流動する。
【0024】
図5は、蒸気通路14内における保護シールド33を示しており、これら保護シールドが、ローターブレード17の一部であり、且つ選択的に、積極的、または消極的な保護シールドである。これら保護シールド33は、向上された封隙性を達成するために、縁部において重なり合っている。これら保護シールドの上に、封隙条片35が設けられており、これら封隙条片は、蒸気を案内ベーン16の前、および後ろで分離する。更に別の封隙条片34は、これらローターブレード17と内側ケーシング11との間に配設されている。
【0025】
図6は、最後に述べれば、蒸気通路14内における、積極的な保護シールド、もしくは積極的な保護板18を示しており、これら積極的な保護シールド、もしくは積極的な保護板の下に、これまた同様に中間スペース21が設けられており、これら中間スペース内において、冷却蒸気が流動する(記入された矢印を参照)。これら保護シールド18は、同様にここでも、ハンマーヘッド形状の脚部28でもって、ローター12に固定されている。
1つの中間スペース21からその次の中間スペースへと到達するために、穿孔36が保護シールド18内において、および、穿孔38がローターブレード17の脚部内において設けられている。これら案内ベーン16と保護シールド18との間に、案内ホイール(Leitrad)における圧力降下を封隙するために、封隙条片35が設けられている。内側ケーシング11とローターブレード17との間に、同様に、封隙条片34が配置されている。
【符号の説明】
【0026】
10 蒸気タービン
11 内側ケーシング
12 ローター
13 (タービンの)軸線
14 蒸気通路
15 流入口
16 案内ベーン
17 ローターブレード
18 (積極的な)保護シールド
19 (積極的な)保護シールド
20 (消極的な)保護シールド
21 中間スペース
22 封隙部(ピストン封隙部)
23 (積極的な)保護シールド
24 (積極的な)保護シールド
25 (消極的な)保護シールド
26、26a、26b 穿孔、通路
27 第1の中間スペース
28 (ハンマーヘッド形状の)脚部
29 間隙
30、31 封隙条片
32 穿孔
33 保護シールド
34、35 封隙条片
36、37 穿孔
40 蒸気タービンの外側ケーシング
41 第2の中間スペース
42 封隙部
43 封隙部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側ケーシング(11)を有する蒸気タービン(10)であって、
この内側ケーシング内において、軸線(13)を中心として回転可能なローター(12)が配設されており、その際、このローター(12)と内側ケーシング(11)との間に、蒸気通路(14)が形成されており、
この蒸気通路内において、この内側ケーシング(11)に固定された案内ベーン(16)、および、このローター(12)に固定されたローターブレード(17)の多段の配設が設けられており、
この配設内において、流入口(15)から来た高温の蒸気が、作業出力のもとで解放される様式の上記蒸気タービンにおいて、
少なくとも、蒸気通路(14)内において、
ローター(12)の表面に平行に且つ直接的に、および、内側ケーシング(11)の内側の表面に対して平行に且つ直接的に、またはこれらどちらか一方に、
このローター(12)、もしくは内側ケーシング(11)のそれらの下に位置する表面を、この蒸気通路(14)を通って流動する高温の蒸気の直接的な作用から保護する、板形状の保護シールド(18、19、19a、19b、20、20a、20b、20c;23、24、25;33)が配設されていること、
ローター(12)の上に設けられている板形状の保護シールド(18、33)が、それぞれに、ローターブレード(17)の間の全面を覆っていること、
を特徴とする蒸気タービン。
【請求項2】
ローターブレード(17)の間でローター(12)の表面を覆っている、板形状の保護シールド(18、33)は、
ローター(12)に固定されたこれらローターブレード(17)の一部であることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン。
【請求項3】
封隙条片(35)が案内ベーン(16)に設けられており、これら案内ベーン(16)が、ローターブレード(17)の間でローター(12)の表面を覆っている板形状の保護シールド(18、33)に対して半径方向に延在しており、および、
封隙条片(35)が板形状の保護シールド(18、33)に設けられており、これら板形状の保護シールド(18、33)が、これらローターブレード(17)に対して半径方向に延在しているか、
またはこれらどちらか一方である、ことを特徴とする請求項2に記載の蒸気タービン。
【請求項4】
内側ケーシング(11)を有する蒸気タービン(10)であって、
この内側ケーシング内において、軸線(13)を中心として回転可能なローター(12)が配設されており、その際、このローター(12)と内側ケーシング(11)との間に、蒸気通路(14)が形成されており、
この蒸気通路内において、この内側ケーシング(11)に固定された案内ベーン(16)、および、このローター(12)に固定されたローターブレード(17)の多段の配設が設けられており、
この配設内において、流入口(15)から来た高温の蒸気が、作業出力のもとで解放される様式の上記蒸気タービンにおいて、
少なくとも、蒸気通路(14)内において、
ローター(12)の表面に平行に且つ近傍に、および、内側ケーシング(11)の内側の表面に平行に且つ近傍に、またはこれらどちらか一方に、
このローター(12)、もしくは内側ケーシング(11)のそれらの下に位置する表面を、この蒸気通路(14)を通って流動する高温の蒸気の直接的な作用から保護する、板形状の保護シールド(18、19、19a、19b、20、20a、20b、20c;23、24、25;33)が配設されていること、
ピストン封隙部(22)が、ローター(12)と内側ケーシング(11)との間に設けられており、且つ、
このピストン封隙部(22)内において、板形状の保護シールド(20a〜20c)が、このローター(12)の上に、および内側ケーシング(11)に沿って、またはこれらどちらか一方に、設けられており、その際、
間隙(29)が、板形状の保護シールド(20a〜20c)とローター(12)もしくは内側ケーシング(11)の表面との間に存在しており、
この間隙が、板形状の保護シールド(20a〜20c)からローター(12)もしくは内側ケーシング(11)への熱伝達を減少させること、
を特徴とする蒸気タービン。
【請求項5】
板形状の保護シールド(20a〜20c)は、ハンマーヘッド形状の脚部(28)でもってローター(12)に固定されていることを特徴とする請求項4に記載の蒸気タービン。
【請求項6】
板形状の保護シールド(20a〜20c)に、付加的に、封隙条片(30)が装着されていることを特徴とする請求項4に記載の蒸気タービン。
【請求項7】
内側ケーシング(11)を有する蒸気タービン(10)であって、
この内側ケーシング内において、軸線(13)を中心として回転可能なローター(12)が配設されており、その際、このローター(12)と内側ケーシング(11)との間に、蒸気通路(14)が形成されており、
この蒸気通路内において、この内側ケーシング(11)に固定された案内ベーン(16)、および、このローター(12)に固定されたローターブレード(17)の多段の配設が設けられており、
この配設内において、流入口(15)から来た高温の蒸気が、作業出力のもとで解放される様式の上記蒸気タービンにおいて、
少なくとも、蒸気通路(14)内において、
ローター(12)の表面に平行に且つ近傍に、および、内側ケーシング(11)の内側の表面に平行に且つ近傍に、またはこれらどちらか一方に、
このローター(12)、もしくは内側ケーシング(11)のそれらの下に位置する表面を、この蒸気通路(14)を通って流動する高温の蒸気の直接的な作用から保護する、板形状の保護シールド(18、19、19a、19b、20、20a、20b、20c;23、24、25;33)が配設されていること、
ピストン封隙部(22)が、ローター(12)と内側ケーシング(11)との間に設けられており、且つ、
このピストン封隙部(22)内において、板形状の保護シールド(19a、19b)が、このローター(12)の上に、冷却蒸気流がこのローター(12)の表面と板形状の保護シールド(19a、19b)との間で流動可能であるように固定されており、且つ、
これら板形状の保護シールド(19a、19b)が、ハンマーヘッド形状の脚部(28)でもってローター(12)に固定されており、且つ、
これらハンマーヘッド形状の脚部(28)が、冷却蒸気流を通過可能とするために、軸線方向の穿孔(32)を有していること、
を特徴とする蒸気タービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−138916(P2010−138916A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66218(P2010−66218)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【分割の表示】特願2004−516410(P2004−516410)の分割
【原出願日】平成15年6月26日(2003.6.26)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】