説明

蒸発燃料処理装置

【課題】車両の停車中において燃料タンクから発生する蒸発燃料を大気へ放出しない吸着性能と、給油時において給油ガンをストップさせることなく給油できる給油性の向上の両立を図る。
【解決手段】タンクポート10に連通する主室6、7と、該主室6、7と大気ポート12との間に設けた副室9を有し、前記主室6、7内に吸着剤18、23を収納し、前記副室9内に通気性を有するように三次元の骨格組織で形成され、かつ、その骨格組織の表面に吸着剤を添着してなる弾性体31を収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸発燃料処理装置に関するもので、より詳しくは内燃機関の燃料タンクで発生した蒸発燃料が大気側に放出されるのを防止するために一時的に吸着、捕集する蒸発燃料処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の蒸発燃料処理装置は一般にキャニスタと呼ばれている。この蒸発燃料処理装置には、自動車の停車中等に発生する蒸発燃料を吸着し、大気に洩らさないことが要求される(DBL規制)ことから、蒸発燃料に対する吸着剤の接触面積が大きく要求される。
【0003】
一方、給油時においては、燃料タンク内に充満している蒸発燃料が給油燃料により押し出されてキャニスタに吸着される。また、タンク内の圧力が急上昇した場合には給油ガンからの給油を停止させるようになっている。そのため、燃料タンクへの給油時間を短縮するためには、蒸発燃料処理装置内の通気抵抗を低減することが要求される。
【0004】
上記の相反する要求を充足させるための蒸発燃料処理装置として、特許文献1に記載の蒸発燃料処理装置が知られている。この蒸発燃料処理装置は、主室と、該主室と大気側に連通する副室を有するもので、該主室には活性炭を、副室内には、活性炭とセラミック原料から作られたハニカム状の構造物や、吸着シートでスリットを形成し、このスリットに活性炭を挟持してなるスリット状の構造物が収納されている。このように、副室内の構造物の形状をハニカム状やスリット状に形成することで、主室より副室内の通気抵抗を低減し、蒸発燃料の吸着・脱離性能を確保しつつ、給油時間の短縮を図っている。
【特許文献1】特開2002−266709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術では、ハニカム構造物を製造するのに、活性炭とセラミック原料を所定配合で混合後、ハニカム形状に成形し、その後に焼成する必要があり、製造工程が複雑で、かつ、製造コストも高いという問題点がある。
【0006】
また、前記のスリット状構造物で構成するものにおいては、更に、ハニカムに比べて吸着表面積が小さく吸着性能が悪い問題がある。
【0007】
また、前記構造物は剛体であり、また、ケースは通常樹脂製のものを使用するために、ケースの加工精度は高くなく、樹脂ケースと構造物の間に間隙が生じないようにOリング等のシール材が必要であり、組付け作業に手間を有する問題点がある。
【0008】
また、振動等により構造物とケースとの間に間隙が生じることながいように対策を取る必要がある。
【0009】
また、振動等により、構造物が破損しないように一定以上の剛性強度が必要となり、構造物の製造単価が高くなるという問題点がある。
【0010】
そこで、本発明は、これらの問題点を解消できる蒸発燃料処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、タンクポートに連通する主室と、該主室と大気ポートとの間に設けた副室を有し、前記主室内に吸着剤を収納し、前記副室内に通気性を有するように三次元の骨格組織で形成され、かつ、その骨格組織の表面に吸着剤を添着してなる弾性体を収納したことを特徴とするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記弾性体を、体内に連通した発泡セルを有する三次元の骨格組織からなる発泡弾性体で形成したことを特徴とするものである。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記副室内に収納する前記弾性体の断面積を、前記副室の断面積よりも大きく設定したことを特徴とするものである。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記弾性体を、その1個のブロックで副室を満たす大きさに設定したことを特徴とするものである。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記弾性体が、複数に分割されていて、これらを密着的に重ねて構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項2乃至5のいずれかに記載の発明において、前記弾性体のセル範囲を、4乃至20個/25mmの範囲内としたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記弾性体に添着した吸着剤量を、該弾性体体積1リットルあたり30乃至130gの範囲内としたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記副室内に収納する前記弾性体のL/D(相当円面積に換算したときの直径D当たりの長さL)の値を、2乃至6の範囲内としたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、弾性体は、三次元の骨格組織を有するため、その骨格組織に添着された吸着剤での吸着面積が平面に比べて大きくなる。また、蒸発燃料は、弾性体内を直線的に素通りするのではなく、複雑な三次元の経路を経て通過していく。そのため、蒸発燃料の吸着性能がよい。
【0020】
さらに、骨格組織で形成されるセルの大きさや数などを所望に設定することにより、充分な蒸発燃料の吸着性能を確保しつつ、蒸発燃料処理装置内の通気抵抗を低減し、給油時間を短縮できる。
【0021】
したがって、自動車の停車中等に発生する蒸発燃料の吸着性能の向上と、給油性の向上を両立した蒸発燃料処理装置を提供できる。
【0022】
請求項3乃至5の発明によれば、さらに、弾性体を副室内に収納したときに弾性体の反発弾性により副室内に隙間なく収納することが出来る。つまり、弾性体のみにより自己シールができ、弾性体の副室内への組付けにOリング等のシール材は不要であり、製造コストの削減、製造工程の簡略化を図ることが出来る。
【0023】
また、弾性体の弾性力を利用して組付けできるために、組付け作業が容易で、製造工程を簡略化できる。
【0024】
また、弾性体は、柔軟性を有するために振動の影響を受けにくく剛性強度を高める必要がない、また、振動による弾性体と副室との間に間隙が生じることなく保持できるため、振動対策を施す必要がなく、かつ、信頼性も高い。
【0025】
また、請求項6乃至8の発明によれば、さらに、自動車の停車中等に発生する蒸発燃料の吸着性能と給油性の向上の両立を最良に発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0027】
図1及び図2は、本発明の実施例1を示す。
図1は、蒸発燃料処理装置1の概略構成図を示すもので、蒸発燃料処理装置1は、樹脂製のケース2を有し、該ケース2内には仕切壁3、4、5が設けられ、該仕切壁3、4、5により第1室6、第2室7、空間層8、副室9が形成されている。なお、本実施例1では、前記第1室6と前記第2室7とにより主室を構成している。
【0028】
ケース2の一端側(図の上部側)には、前記第1室6に連通するタンクポート10が設けられており、該タンクポート10は、燃料タンクの上部気室に連通している。
【0029】
また、ケース2の一端側には、前記第1室6に連通するパージポート11が設けられており、該パージポート11は、図示しないパージ制御弁(VSV)・パージ通路を介してエンジンの吸気通路へ接続されている。パージ制御弁の開度は、電子制御ユニット(ECU)により制御され、エンジン運転中にパージ制御が行われている。
【0030】
また、ケース2の一端側には、前記副室9に連通する大気ポート12が設けられており、該大気ポート12は、大気側に連通している。したがって、副室9は、前記主室6、7と大気ポート12の間に設けられている。
【0031】
前記第1室6とタンクポート10との間には不織布からなるフィルタ13が設けられ、第1室6とパージポート11との間には不織布からなるフィルタ14が設けられている。また、第1室6の他端側(図の下部側)には吸着剤保持用プレート15が設けられ、スプリング等の付勢手段16により図の上方に付勢されている。前記吸着剤保持用プレート15上には、その全体を覆うようにウレタン等からなる吸着剤保持用フィルタ17が設けられている。前記フィルタ13、14、ケース2、仕切壁3、吸着剤保持用フィルタ17で形成される空間(第1室6)内に吸着剤である活性炭18が所定の密度で充填されている。
【0032】
前記第2室7にも、前記第1室6と同様に、一端側にフィルタ19を設け、他端側に吸着剤保持用フィルタ20と、吸着剤保持用プレート21と、付勢手段22を設け、それらで構成される空間(第2室7)内に吸着剤である活性炭23が所定の密度で充填されている。
【0033】
活性炭18、23は、所定の平均粒子径の造粒炭で構成されている。なお、活性炭18、23を破砕炭で構成しても良い。
【0034】
前記第1室6の他端部(下端部)と前記第2室7の他端部(下端部)は、吸着剤保持用フィルタ17、20及び空間24を介して連通している。
【0035】
また、空間層8の一端側(図の上部側)は通路26により前記第2室7と連通し、空間層8の他端側(図の下部側)は図1(b)に示すように、仕切壁5の他端を欠除して通路27を設け、該通路27により副室9に連通している。そして前記空間層8内には吸着剤(活性炭)は充填されておらず、副室9の内部には、吸着剤30を添着した弾性体31が収納されている。該弾性体31の下端は、カバー2aに設けられた弾性体保持部32により保持されている。該弾性体保持部32は板材からなり、これらの間の隙間を通じで気体が流通するようになっている。前記弾性体31の一端、すなわち副室9の一端は前記大気ポート12に連通している。なお、弾性体31は図1の実施例では、副室9を満たす1本の柱状のブロックで形成したが、複数に分割してもよい。例えば、シート状に形成してこれらを密着状態に重ねてもよく、また、複数の角状ブロックを密着して重ねてもよい。
【0036】
前記弾性体31は、図2(a)に示すような、内部に連通した(発泡)セル31aと、三次元の骨格組織31bを有するものである。該弾性体31の材質として、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、EPDM(エチレンプロピレンジエン共重合体)ゴム、CR(クルルプレン)ゴムを用いる。また、セル範囲(直線25mm上でのセルの数)が4乃至20個/25mmの範囲内で、L/D(図1(d)に示すような弾性体31の相当円面積に換算したときの直径D当たりの長さL)が2乃至6の範囲内である弾性体31を使用することが望ましい。
【0037】
また、弾性体31と副室9の蒸発燃料の通過方向(図1の上下方向)に対して直交する断面形状を略同一の形状で形成する。また、弾性体31の蒸発燃料の通過方向(図1の上下方向)に対して直交する断面積S1を、副室9の蒸発燃料の通過方向(図1の上下方向)に対して直交する断面積S2より大きく、好ましくは、弾性体31の断面積S1を副室9の断面積S2の3乃至20%増しに設定する。このように、弾性体31の断面積S1を副室9の断面積S2より大きく設定することで、弾性体31を副室9内に収納したときに弾性体31が収縮し、その反発弾性により副室9内に隙間なく収納することが出来る。
【0038】
前記弾性体31は、例えば、ポリウレタン樹脂等を発泡後、そのセル間の薄膜を取り除いて成形したものであり、セル(空間)が連続的につながっている発泡弾性体である。この弾性体31としては、例えば、ブリジストン(株)のエバーライトSF(商品名) HR−08、HR−13を使用することができる。
【0039】
吸着剤30として、任意の粒径を有する活性炭を使用できるが、本実施例においては約0.2mmの粉末活性炭を使用した。また、活性炭添着量は、任意に設定するが、本実施例においては、弾性体31の体積1リットル当たり30乃至130gの範囲内とした。
【0040】
前記弾性体31内に前記吸着剤30を添着する方法として、例えば、次のような方法が挙げられる。
【0041】
吸着剤である活性炭30とバインダーである樹脂とを共に溶液中に分散させ、該分散溶液中に、弾性体31を浸漬させ、連通したセル31a内に前記分散溶液を入り込ませる。次に、浸漬した弾性体31を溶液から取り出し、高温槽等で加熱する。この加熱により、溶液は揮発し、前記樹脂が溶解して弾性体31の表面及びその体内に位置する三次元の骨格組織31bの表面に前記活性炭30が固定される(図2(b)参照)。
【0042】
このように形成された弾性体31は、カバー2aを外した状態において副室9内へ挿入し、その後にカバー2aを被着して、その弾性体保持部32とケース2の一端側とで挟持するようになっている。
【0043】
次に、蒸発燃料処理装置(キャニスタ)の動作について説明する。
エンジン停止中において、燃料タンク内で発生した蒸発燃料は、燃料タンクからタンクポート10を経て蒸発燃料処理装置1内へ流入し、第1室6、空間24、第2室7、通路26へと流れ、更に、空間層8、通路27を流れて副室9を通過し、大気ポート12から大気側へ流れる。その際、燃料成分は、第1室6、第2室7内の活性炭18、23に大部分が吸着され、残りの燃料成分は、弾性体31に添着された活性炭30に吸着されることにより、大気ポート12から大気へ放出される際は空気のみの状態となる。
【0044】
次に、エンジンが運転されると、電子制御ユニット(ECU)によりパージ制御弁が開放され、吸気通路内の負圧により大気ポート12から空気が蒸発燃料処理装置1内に吸入される。吸入された空気は、副室9、通路27、空間層8、通路26、第2室7、空間24、第1室6を通過して、パージポート11からエンジンの吸気通路へ供給される。その際、活性炭30、23、18に吸着されていた燃料成分が脱離し、吸入空気と共にエンジンへ供給される。
【0045】
上記の構造を有する蒸発燃料処理装置1は次のような効果を奏する。
弾性体31内は、三次元方向に不規則に連通するセル31aと三次元の骨格組織31bを有する構造であるために、蒸発燃料は、図2(a)の矢印Vで示すように、弾性体31内を直線ではなく、複雑な三次元の経路を経て通過していく。なお、図2(a)は模式図であるためセル31a等が規則的に描かれているが、実際には、セル31a等は三次元方向に不規則に形成されている。
【0046】
以上のように、蒸発燃料が弾性体31内を流通することにより、蒸発燃料が三次元骨格組織31b(活性炭30)と接触する面積を、従来技術のハニカム状やスリット状の構造物における平面的な接触面性に比べて大きくすることが出来、蒸発燃料の吸着性能を高めることができる。
【0047】
また、吸着剤(活性炭)30を弾性体31に容易に添着することができるため、従来のハニカム状の構造物よりも製造が容易で、かつ、安価に製造出来る。
【0048】
また、弾性体31の副室9への組付けも、弾性体31を圧縮した状態で副室9内へ収納し、その後圧縮を解除するだけで、弾性体の復元力により副室9内に隙間なく収納でき、組付けが容易であるとともに、弾性体31のみにより自己シールができ、弾性体31の副室9内への組付けに従来技術のようなOリング等のシール材は不要である。
【0049】
また、弾性体31は、柔軟性を有するために振動の影響を受けにくく剛性強度を高める必要がない、また、振動による弾性体31と副室9との間に間隙が生じることなく保持できるため、従来技術のように振動対策を施す必要がなく、信頼性も高い。
【0050】
また、弾性体31のセル範囲を低くすると通気抵抗を下げることができる反面、活性炭30の添着量が低下し吸着性能が低下する。また、セル範囲を大きくすると通気抵抗は上がる反面、吸着性能は向上する。また、弾性体31のL/Dを低くすると通気抵抗は下がる反面、吸着性能は低下する。また、L/Dを大きくすると通気抵抗は上がる反面、吸着性能は向上する。
【0051】
弾性体31が、要求吸着量を確保しつつ要求通気抵抗を得るには、セル範囲が4乃至20個/25mmの範囲内で、L/D(弾性体31の相当円面積に換算したときの直径D当たりの長さL)が2乃至6の範囲内とし、弾性体31の体積1リットル当たりの活性炭添着量を30乃至130gの範囲内とするとよい。
【0052】
このように設定することで、停車中に燃料タンク内で発生する蒸発燃料が弾性体31に添着された吸着剤(活性炭)30等により吸着捕集され大気に放出されることがない。また、弾性体31の通気抵抗を低減できるため、給油時においても蒸発燃料処理装置1内の通過流速を高くすることが出来、燃料タンク内の圧力上昇を抑制し、給油ガンを停止させることなく給油を行ない燃料タンクへの給油時間を短縮できる。
【実施例2】
【0053】
図3は、実施例2を示す。
本実施例2は、前記実施例1の変形例を示すもので、前記実施例1の第2室7を設けず主室を第1室6のみで構成し、更に、空間層8を設けない構造のものに本発明を適用した蒸発燃料処理装置41である。その他の構造は前記実施例1と同様であり、副室9に収納した弾性体31も前記実施例1の弾性体31と同様で、この弾性体31に前記と同様の吸着剤30が添着されている。
【0054】
前記実施例1と同様の部材については、前記と同様の符号を付して説明を省略する。
燃料タンク内で発生した蒸発燃料は、燃料タンクからタンクポート10を経て蒸発燃料処理装置41内へ流入し、第1室6、空間24、副室9を通過し、大気ポート12から大気に放出される。その際、燃料成分は、第1室6内の活性炭18に大部分が吸着され、残りの燃料成分は、弾性体31に添着された吸着剤(活性炭)30に吸着されることにより、大気ポート12から大気へ放出される際は空気のみの状態となる。
【0055】
また、エンジンが運転されると、電子制御ユニット(ECU)によりパージ制御弁が開放され、吸気通路内の負圧により大気ポート12から空気が蒸発燃料処理装置41内に吸入される。吸入された空気は、副室9、空間24、第1室6を通過して、パージポート11からエンジンの吸気通路へ供給される。その際、活性炭30、18に吸着されていた燃料成分が脱離し、空気と共にエンジンへ供給される。
【0056】
本実施例2においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
なお、前記弾性体31を収納する副室9は、前記実施例1、2に示すように、大気ポート12に最も近い室に設定することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1における蒸発燃料処理装置を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図、(d)は副室内に収納する弾性体の斜視図。
【図2】本発明の実施例1における弾性体を示すもので、(a)は断面図、(b)は一部拡大断面図。
【図3】本発明の実施例2における蒸発燃料処理装置を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は(a)のC−C線断面図。
【符号の説明】
【0058】
1、41 蒸発燃料処理装置
6 第1室(主室)
7 第2室(主室)
9 副室
10 タンクポート
12 大気ポート
18、23、30 吸着剤(活性炭)
31 弾性体
31a セル
31b 三次元骨格組織

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクポートに連通する主室と、該主室と大気ポートとの間に設けた副室を有し、前記主室内に吸着剤を収納し、前記副室内に通気性を有するように三次元の骨格組織で形成され、かつ、その骨格組織の表面に吸着剤を添着してなる弾性体を収納したことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
【請求項2】
前記弾性体を、体内に連通した発泡セルを有する三次元の骨格組織からなる発泡弾性体で形成したことを特徴とする請求項1記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項3】
前記副室内に収納する前記弾性体の断面積を、前記副室の断面積よりも大きく設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項4】
前記弾性体を、その1個のブロックで副室を満たす大きさに設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項5】
前記弾性体が、複数に分割されていて、これらを密着的に重ねて構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項6】
前記弾性体のセル範囲を、4乃至20個/25mmの範囲内としたことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項7】
前記弾性体に添着した吸着剤量を、該弾性体体積1リットルあたり30乃至130gの範囲内としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項8】
前記副室内に収納する前記弾性体のL/D(相当円面積に換算したときの直径D当たりの長さL)の値を、2乃至6の範囲内としたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−214403(P2006−214403A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30255(P2005−30255)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】