説明

蓄光体を備えた非常用表示サインを有するトンネル

【課題】トンネル内の自動車の通行を利用して発電、蓄電した電力を用いて発光・表示することが可能な非常用表示サインを有するトンネルを提供する。
【解決手段】路上または路中に設置された圧電体を備え、自動車などの路上通過によって前記圧電体に加えられる力を用いて発電する圧電発電部と、発電した電力を蓄電する蓄電部と、蓄光体を備え、発電した電力または蓄電した電力を用いて前記蓄光体を発光させる路肩内壁に備えられた非常用表示サインとを有するトンネルを提供する。また、圧電発電部に代えて、路中に設置された回転軸に少なくとも一部が路上に現れる羽根を取り付けた回転体を備え、自動車の路上通過によって前記回転体に加えられた力を用いて発電する回転発電部を有するトンネルを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルに関し、特に蓄光体を備えた非常用表示サインを有するトンネルに関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル内で地震、火災や車両事故等の非常事態に遭遇した場合、極めて短時間のうちに炎や煙に包まれてしまうおそれが大きいため、迅速な対応措置や避難を行うことがひじょうに重要である。しかし、暗いトンネルの中では迅速な対応措置や避難が困難となる場合も多く想定される。そこで、従来から、このような場合に避難者を安全に非常口などに誘導したり、非常電話などの位置を示したりするための非常用表示サインの存在の重要性が認識されてきたところである。このような事態に対応するための技術的な提案もいくつかなされており、例えば特許文献1には、外部(トンネル外に設置された防災受信盤など)から受信した移報信号に基づいて避難方向を電光掲示板などの表示手段で可視表示して出力する表示手段を有するトンネル内避難誘導装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−179774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、トンネル内での非常事態(特に火災)においては、外部からの電力供給が切断されてしまうという事態も十分に考えられる。そこで、非常用表示サインの表示のための照明などのための電力を外部からの供給に依存した場合には、いざ非常事態が発生したという肝腎なときに非常用表示サインが発光していないためにこれを視認することができず、この結果避難や対応措置等に支障が生じることも考えられる。
【0005】
一方、平常時においてはトンネル内を多くの自動車が断続的に(場所によってはほとんど絶え間なく)通行している。そこで、この自動車の通行を利用して発電した電力を用いて非常用表示サインを発光させるとともに、発電による余剰電力を蓄電しておけば、非常時に外部からの電力供給が途絶えてもこの蓄電された電力を用いて非常用表示サインを発光させることができるので、このような外部電力途絶時への対応が可能となるだけではなく、省エネルギーにも資することとなる。さらに平常時においても、このように蓄電した電力を使用することで、自動車の通行が絶えている間も非常用表示サインを恒常的に表示することが可能となる。
【0006】
本発明は、以上のような課題認識に基づくものである。即ち、本発明の解決すべき課題は、トンネル内の自動車の通行を利用して発電、蓄電した電力を用いて発光・表示することが可能な非常用表示サインを有するトンネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、第一の発明は、路上または路中に設置された圧電体を備え、自動車などの路上通過によって前記圧電体に加えられる力を用いて発電する圧電発電部と、発電した電力を蓄電する蓄電部と、蓄光体を備え、発電した電力または蓄電した電力を用いて前記蓄光体を発光させる路肩内壁に備えられた非常用表示サインとを有するトンネルを提供する。
【0008】
また、第二の発明は、第一の発明を基礎として、非常用表示サインを構成する非常用表示サインボックスに前記蓄電部が収納されているトンネルを提供する。
【0009】
また、第三の発明は、第二の発明を基礎として、圧電発電部と蓄電部とは、圧電発電部の路肩側端部と、トンネル内壁の蓄電部とを、配線がトンネル内壁を略垂直に立ちあがることで結ばれるように配置されるトンネルを提供する。
【0010】
また、第四の発明は、第一から第三のいずれか一の発明を基礎として、圧電発電部の圧電体は路面に描かれる標識中に埋め込まれているトンネルを提供する。
【0011】
また、第五の発明は、第一から第四のいずれか一の発明を基礎として、非常用表示サインは、非常用表示サインの蓄光体を照らす発光手段と、発光を断続的に行わせるための制御手段とを有するトンネルを提供する。
【0012】
また、第六の発明は、第五の発明を基礎として、非常用表示サインの表示面は光触媒で覆われており、前記発光手段は蓄光体のほかに前記光触媒をも照らす紫外線ランプであるトンネルを提供する。
【0013】
また、第七の発明は、第一から第六のいずれか一の発明を基礎として、圧電発電部に代えて、路中に設置された回転軸に少なくとも一部が路上に現れる羽根を取り付けた回転体を備え、自動車の路上通過によって前記回転体に加えられた力を用いて発電する回転発電部を有するトンネルを提供する。
【0014】
また、第八の発明は、第一から第七のいずれか一の発明を基礎として、非常用表示サインは、「非常口」又は/および「非常電話」の位置を示すためのものであるトンネルを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、トンネル内の自動車の通行を利用して発電、蓄電した電力を用いて発光・表示することが可能な非常用表示サインを有するトンネルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1に係るトンネルの概要を説明するための図
【図2】圧電体の路面又は路中への設置状態の一例を示す断面図
【図3】実施例2のトンネルにおける非常用表示サインボックスの形状の一例を示す図
【図4】実施例4に係るトンネルの概要を説明するための図
【図5】実施例5のトンネルにおける非常用表示サインおよびその近傍の形状の一例を示す図
【図6】実施例6のトンネルにおける非常用表示サインの一例を示す概略図
【図7】実施例7に係るトンネルの概要を説明するための図
【図8】実施例7の回転発電部の回転体の構造の一例を示す図
【符号の説明】
【0017】
0100 トンネル
0101 道路
0102 自動車
0103 トンネルの路肩内壁
0104 非常口
0105、0106 配線
0110 圧電発電部
0120 蓄電部
0130 非常用表示サイン
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施例1は主に請求項1、8などに関し、実施例2は主に請求項2などに関し、実施例3は主に請求項3などに関し、実施例4は主に請求項4などに関し、実施例5は主に請求項5などに関し、実施例6は主に請求項6などに関し、実施例7は主に請求項7などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【実施例1】
【0019】
<概要>
【0020】
本実施例のトンネルは、路上などに設置された圧電体に対して自動車の通過によって加えられる力を用いて発電を行う手段と、発電した電力を蓄電する手段を有するとともに、発電した電力または蓄電した電力を用いて蓄光体を発光させることで発光・表示が可能な非常用表示サインを有するトンネルである。
【0021】
<構成>
【0022】
図1は、本実施例に係るトンネルの概要を説明するための図であり、トンネル0100内の状態を示したものである(道路0101の横の壁がトンネルの路肩内壁0103である)。トンネル内に敷設されている道路0101上には圧電体(本図には現れない)を備える圧電発電部0110が備えられている。自動車0102が圧電体の上を通過すると、圧電体に対して圧力や振動などの力が加えられる。そこで圧電発電部は、この力を用いて発電を行う。即ち、力が加えられることで電圧を生じるという圧電体の特性を利用して発電が行われる。発電された電力は蓄電部0120によって蓄電池などに蓄電される。このため、圧電発電部と蓄電部の間は配線0105によって電気的に接続されている。
【0023】
一方、トンネルの路肩内壁0103には非常用表示サイン0130が備えられている。本図に示す非常用表示サインは非常口0104の位置を示すものであるが、このように非常用表示サインは非常時に避難や対応措置を行うのに必要なメッセージを表示するためのものである。非常用表示サインには蓄光体(本図では図示を省略)が備えられている。そこで、圧電発電部で発電した電力または蓄電部が蓄電した電力を用いてこの蓄光体を発光させることで非常用表示サインを発光させることができる。このため、蓄電部と非常用表示サインの間も配線0106によって電気的に接続されている。
【0024】
このような構成を用いれば、自動車の通過を利用して発電した電力を非常用表示サインの発光用に利用することができるため、非常用表示サインの発光のために外部から電力を供給する必要がなくなる。また、蓄電部あるいは蓄光体を利用することで、自動車が通過していないタイミングであっても非常用表示サインを発光させることができ、十分な蓄電・蓄光を行うことで非常用表示サインを常時発光させることが可能となる。
【0025】
(圧電発電部)
【0026】
「圧電発電部」は、路上または路中に設置された圧電体を備え、自動車などの路上通過によって前記圧電体に加えられる力を用いて発電するように構成されている。
【0027】
「圧電体」は、例えば、水晶や、チタン酸バリウムなどの圧電セラミックスを素材とし、二枚の電極で挟んだ圧電素子の形でトンネル内に敷設された道路の路上または路中に設置される。圧電体が路上に設置される場合は、露出による汚れや損傷を防止するとともに、その上を自動車が通過したときの圧力が的確に圧電体に伝わるように、圧電体が軟性の樹脂などや硬質の素材の薄膜(例えば金属製の薄膜)で被われていることが望ましい。圧電体が路中に設置される場合にも、自動車が圧電体上方の路上を通過したときの圧力を的確に圧電体に伝わるようにする必要があることから、圧電体を路面近くに配置するとともに圧電体の上をやはり軟性の樹脂などや硬質の素材の薄膜で被うことが望ましい。図1の圧電発電部も圧電体自体は路面に露出しておらず、その上を軟性の樹脂で覆った場合の例である。
【0028】
図2は、圧電体の路面又は路中への設置状態の一例を示す断面図であり、図1のB−B線垂直断面図である。(a)は、圧電体0211を路上(道路0201の上面)に設置した状態であり、圧電体の上を軟性の樹脂0207で被った状態を示す。(b)は、圧電体0211を路中(道路0201に設けた凹部内)に設置した状態であり、圧電体の上を軟性の樹脂0207で被った状態を示す。また、圧電体の上を軟性の樹脂で被ったときに圧電体と軟性の樹脂の間にできる隙間0209にシリコーン系ゲル、アクリル系ゲルなどのゲルを充填してもよい。このようにすることで、圧電体の上を軟性の部材で隙間なく被うことができ、自動車が通過したときに加わる力を確実に圧電体に伝えることができるとともに、ゲルがクッションの役目を果たすことで樹脂のひび割れを防ぐことができる。
【0029】
圧電発電部は、圧電体もしくはこれに被せられた保護部材の上を自動車が通過することで圧電体に力が加えられると圧電効果により電圧が発生するという作用を利用して発電を行う。発電した電力は直ちに非常用表示サインの発光に用いてもよいし、蓄電部がいったん蓄電した後、当該蓄電された電力を用いて非常用表示サインの発光を行ってもよい。
【0030】
図1に示した圧電発電部は道路の片側車線一杯に設置されている(圧電発電部の路肩側端部が路肩内壁の下端0103aにまで達している)例を示したが、圧電発電部は自動車の車輪が通過する位置に設置されていればよく、必ずしも道路の片側車線一杯に設置されている必要はない。従って、例えば圧電発電部の路肩側端部と路肩内壁の間に隙間が空いていてもよい。通例、トンネル内においては、内壁への衝突防止や歩行者がいる場合の安全のため、内壁からやや道路中央寄りに縁石などが設けられていることが多いが、このような場合には、圧電発電部の路肩側端部は縁石の道路側端部の位置でよい。この場合、圧電発電部と蓄電部の間の配線は、縁石の表面を這う形で両者の間を最短距離で結ぶように配置されることが望ましい。
【0031】
(蓄電部)
【0032】
「蓄電部」は、圧電発電部が発電した電力を蓄電するように構成されている。この蓄電は例えば蓄電池などに行われる。図1の例では蓄電部0120はトンネルの内壁面に取り付けられているが、蓄電池の取り付け位置は特に限定はなく、壁内に埋め込んで設置するなどしてもよい。ただし、取り付け工事や交換工事の容易さに鑑みれば、壁内に埋め込むよりも内壁表面に取り付ける方が好ましい。
【0033】
(非常用表示サイン)
【0034】
「非常用表示サイン」は、トンネル内で火災等の非常事態が発生した場合に必要なメッセージを表示するためのサイン(標識)であり、例えば、非常口の位置や方向を表示するサイン、非常電話の位置や方向を表示するサイン、押しボタン式通報装置などの通報設備の位置や方向を表示するサイン、消火器などの消火設備の位置や方向を表示するサインなどがこれに含まれるが、これらに限られるわけではなく、非常事態に際して避難や対応措置を適切に行うことに資するメッセージを表示するものであればすべて本実施例にいう非常用表示サインに該当する。
【0035】
本実施例の「非常用表示サイン」は、蓄光体を備え、発電した電力または蓄電した電力を用いて前記蓄光体を発光させるように構成された部材であって、路肩内壁に備えられる。「路肩内壁」とは、トンネル内に敷設された道路の路肩の外側近傍に位置しているトンネルの内壁をいう。平たく言えばトンネル側面の内壁である。非常用表示サインは、例えば表示面が凹凸形状を有し、凹面に蓄光体を備え、凸面にメッセージをグラフィック表示するための緑色塗料などを塗布したものである。また、非常用表示サインの前面は、汚れや損傷から保護するための透明強化ガラスなどのカバーで被われていることが望ましい。
【0036】
通常時において自動車がひっきりなしに通過しているときは、自動車の通過によって圧電発電部が発電した電力を直ちに使用して蓄光体に光を蓄え非常用表示サインを発光させればよい。しかし、通常時であっても自動車の通行が途絶えているときには、圧電発電部での発電が行われないため、このままでは非常用表示サインを恒常的に発光させることができない。このため、圧電発電部で発電した電力のうち直ちに非常用表示サインの発光に用いずに済む余剰電力を蓄電部が蓄電池などに蓄電しておき、通行が途絶えている間はこの蓄電された電力を用いて蓄光体に光を蓄え非常用表示サインを発光させることで常時非常用表示サインを発光させることができる。また、非常事態が発生した際にも同様にトンネル内の自動車の通行がなくなると考えられることから、この場合にも蓄電した電力を利用して非常用表示サインを発光させることができる。
【0037】
非常用表示サインの発光は上述のように蓄光体を発光させることによって行う。「蓄光体」は、光エネルギーを蓄え、蓄えた光エネルギーを徐々に光として放出する性質を備えた部材である。その種類としては、例えば、アルミン酸ストロンチウム、ユウロピウムおよびジスプロシウムからなるアルミン酸系ストロンチウム系の蓄光体や、硫化亜鉛系の蓄光体が考えられる。本実施例の非常用表示サインの蓄光体はそのどちらであってもよいが、好適には、暗闇での発光持続性能がより優れているアルミン酸系ストロンチウム系の蓄光体が用いられる。
【0038】
蓄光体に光エネルギーを蓄えるためのしくみには公知技術を利用すればよい。例えば、非常用表示サインに紫外線ランプ(例えば紫外線LEDランプ)等の発光手段を備え、発電または蓄電した電力を用いて当該発光手段から蓄光体に光を照射することで蓄光体を励起させるという方法を利用することができる。あるいは非常用表示サインとは別の独立した発光手段を備え、これにより非常用表示サインの蓄光体に光を照射するという方法を用いてもよい。
【0039】
(その他の応用)
【0040】
以上では、非常用表示サインを有する「トンネル」について説明したが、本発明は、トンネル以外にも様々に応用が可能である。例えば、屋内駐車場などにおいても本発明におけると同様の非常用表示サインを備えることで同様の効果が得られることが考えられる。さらに、屋外の道路においても夜間は暗くなるため同様に暗闇でも非常用表示サインを視認できるようにするとのニーズが考えられるので、本発明におけると同様の非常用表示サインをこのような屋外の道路に備えることも考えられる。また、以上に説明したトンネルでは、道路上を自動車が通行することで発電が行われるようになっているが、圧電発電部の構成について基本的に同じ構成を用いて、軌道上を鉄道車両が通過することで発電が行われるようにすることもできる。さらに、道路や床の上などを人が通行その他の動き(飛び跳ねるなど)をすることで発電が行われるようにすることもでき、このように構成することで、本発明を球場、コンサートホールなどの大型施設などに応用することも可能となる。
【0041】
<効果>
【0042】
本実施例の発明により、トンネル内の自動車の通行を利用して発電、蓄電した電力を用いて発光・表示することが可能な非常用表示サインを有するトンネルを提供することが可能となる。
【実施例2】
【0043】
<概要>
【0044】
本実施例のトンネルは、実施例1のトンネルと基本的に共通する。ただし、本実施例のトンネルは、非常用表示サインを構成する非常用表示サインボックスに蓄電部が収納されている点に特徴がある。
【0045】
<構成>
【0046】
本実施例のトンネルは、非常用表示サインを構成する非常用表示サインボックスを有しており、当該非常用表示サインボックスに蓄電部が収納されている。以下、非常用表示サインボックスの構成について説明する。その余の構成は実施例1のトンネルの構成と同様であるから、説明を省略する。
【0047】
(非常用表示サインボックス)
【0048】
「非常用表示サインボックス」は、非常用表示サインを構成するボックスであり、典型的には非常用表示サイン本体(蓄光体を備えた表示板をいい、前面にカバーを備える場合はこれを含む)を収納し、これと一体となって非常用表示サインを構成するボックスである。非常用表示サインボックスの主たる目的は、非常用表示サインを汚れや損傷などから保護することにある。特に、本実施例の非常用表示サインボックスは非常用表示サインとともに蓄電部も収納するように構成されていることに特徴があるが、この目的については後述する。
【0049】
図3は、本実施例のトンネルにおける非常用表示サインボックスの形状の一例を示す図である。本図に示す非常用表示サインボックス0331は非常用表示サインを構成し、非常表示用サイン本体を収納する。非常用表示サインは路肩内壁0303に備えられているので、本図の例の場合には非常用表示サインボックスも当然に路肩内壁に備えられることとなる。また、本図に示すように蓄電部0320(破線で示す)も非常用表示サインボックスに収納されている(本図はボックス内に収納されている蓄電部を透視した状態で示したものである)。好適には、非常用表示サインボックスの中に蓄電部と非常用表示サイン本体が一体的に収納されたものを内壁にワンタッチで取り付けられる(例えば、内壁に設けられたコンセントに差し込める構造とする)ようにしておき、蓄電部もしくは非常用表示サイン本体の少なくともどちらか一方の故障などにより交換する際には、非常用表示サインボックスごと取り換えることができるようにするとよい。この場合、交換により取り外された非常用表示サインボックスは故障部分を修理して次回の交換の際に用いるようにすれば、資源が無駄にならずに済む。
【0050】
このように非常用表示サインと蓄電部を一つのボックスの中に一緒に収納する本例の構成の第一の目的は、蓄電部を非常用表示サインと同様にトンネルの内壁面に配置することで、これを路面などに配置する場合に比べて被水しにくくすることにある。即ち、トンネルは、内壁から地下水などが漏れ出しやすい構造になっている場合がある。また、豪雨などが発生すると坑内に水が溜まりやすい構造になっている場合があり、また、このような構造の場合、トンネル内火災に際しての消火活動に伴って放水活動などが行われた場合にも坑内に水が溜まりやすい。そこで、電気系統を含む蓄電部が路面などの水が溜まりやすい位置に配置すると、蓄電部が損傷し、場合によってはショートなどによる二次災害が発生するおそれも否定できない。そこで、蓄電部をトンネルの内壁面に配置することでこのような被害をできるだけ回避しようとすることが本実施例の発明の目的である。
【0051】
本例の構成の第二の目的は、蓄電部と非常用表示サインを同一のボックスに収納することで、取り付け工事や交換工事を容易にすることにある。特に、交換工事の場合は、故障などが発生した場合には直ちに行わなければならないことから、交通量の多い時間帯であっても工事を行わざるを得ない場合も十分考えられる。この点、本実施例の構成によれば、交換工事を短時間で済ませることが容易となるため、工事に伴う車線規制などを最小限の時間にとどめることができ、二次的な事故の発生などの可能性を少なくすることに資することができる。
【0052】
また、本例の構成の第三の目的は、蓄電部と非常用表示サインを同一のボックスに収納することで、別々のボックスに収納する場合に比べボックスの材料費を節約できることにある。
【0053】
<効果>
【0054】
本実施例の発明により、蓄電部を非常用表示サインとともにトンネルの内壁面に配置することで、これを路面などに配置する場合に比べて被水被害を受けにくくすることなどが可能となる。
【実施例3】
【0055】
<概要>
【0056】
本実施例のトンネルは、実施例2のトンネルと基本的に共通する。ただし、本実施例のトンネルは、圧電発電部と蓄電部とが、圧電発電部の路肩側端部と、トンネル内壁の蓄電部とを配線がトンネル内壁を略垂直に立ちあがることで結ばれるように配置されることに特徴がある。簡単にいえば、圧電発電部のほぼ真横の内壁に蓄電部が配置され、両者の配線が最短距離を通るようになっており、これによって火災時における配線の消失リスクなどをできるだけ回避しようとするものである。
【0057】
<構成>
【0058】
本実施例のトンネルは、圧電発電部と蓄電部との配置関係が、圧電発電部の路肩側端部と、トンネル内壁の蓄電部とを配線がトンネル内壁を略垂直に立ちあがることで結ばれるように配置されるという関係になっている。以下、当該配置関係の具体的内容およびその意義について説明する。その余の構成は実施例2のトンネルの構成と同様であるから、説明を省略する。
【0059】
(圧電発電部と蓄電部との配置関係)
【0060】
本実施例における圧電発電部と蓄電部との配置関係は、前出の図3において現れているとおりである。同図の圧電発電部0310は路肩内壁の下端0303aまで達している一方、蓄電部0320は圧電発電部のほぼ真横に位置する内壁面に配置されている。そこで、圧電発電部の路肩側端部と蓄電部を結ぶ配線0305はトンネル内壁0303をほぼ垂直に立ちあがっている。このようにすることで、圧電発電部と蓄電部の間をほぼ最短距離で配線によって結ぶことが可能となる。「圧電発電部と蓄電部との配置関係が、圧電発電部の路肩側端部と、トンネル内壁の蓄電部とを配線がトンネル内壁を略垂直に立ちあがることで結ばれる」とは、蓄電部が圧電発電部のほぼ真横に位置する内壁面に配置され、圧電発電部の路肩側端部と蓄電部を結ぶ配線がトンネル内壁を概ね垂直に立ちあがっていることをいう。
【0061】
このように圧電発電部と蓄電部を結ぶ配線が概ね最短距離になるように配置する目的は、火災時における配線の消失リスクや自動車の衝突などによる配線の損傷リスクをできるだけ回避することにある。即ち、配線は通例その工事の容易性や工事費用の観点から壁内に埋め込むのではなく、壁面に這わせるようにして配置することが考えられる。しかし、配線は脆弱な部分であるので、火災が発生した場合の焼損などによって消失してしまったり、あるいは車両事故が発生した場合の衝突などによって損傷してしまったりするおそれがある。そこで、配線部分をできるだけ短くすることで、このような消失・損傷リスクを最小限にとどめようとすることが本実施例の発明の目的である。
【0062】
なお、図3では圧電発電部の路肩側端部が路肩内壁の下端まで達している例を示しているため、圧電発電部の路肩側端部と蓄電部を結ぶ配線が全線にわたって内壁面を垂直に立ちあがっているが、圧電発電部の路肩側端部は路肩内壁の下端まで達せずこれよりも道路中央よりにとどまっていてもよい。なぜなら、圧電発電部の圧電体は自動車の車輪が通過する位置に配置されていればよいためである。そこで、このような場合には、圧電発電部の路肩側端部と蓄電部を結ぶ配線は、例えば圧電発電部の路肩側端部から内壁の下端まで水平に這った後、当該内壁の下端から蓄電部に向かって垂直に立ちあがっているようなものであってもよい。本実施例にいう「配線がトンネル内壁を略垂直に立ちあがる」には、このように配線がトンネル内壁以外を這う部分が含まれているものも含まれる。
【0063】
<効果>
【0064】
本実施例の発明により、圧電発電部と蓄電部を結ぶ配線を最短距離になるようにすることで火災時における配線の消失リスクなどをできるだけ回避しようとすることが可能となる。
【実施例4】
【0065】
<概要>
【0066】
本実施例のトンネルは、実施例1から3のいずれか一のトンネルと基本的に共通する。ただし、本実施例のトンネルは、圧電発電部の圧電体が路面に描かれる標識中に埋め込まれている点に特徴がある。
【0067】
<構成>
【0068】
図4は、本実施例に係るトンネルの概要を説明するための図であり、圧電発電部の圧電体が路面に描かれる標識中に埋め込まれている例を示すものである。本図に示す圧電発電部は、圧電体(図には現れない)が路面に描かれる標識中に埋め込まれている。本図の標識は減速マークの例であるが、五個描かれている標識のうち中央の標識0408中に圧電体(本図には現れない)が埋め込まれている。その余の構成は実施例1において図1で示したトンネルと同様である。
【0069】
本実施例の構成は、圧電体を汚れや損傷から保護するための部材を標識が兼ねることで、圧電体の保護のためだけにわざわざ部材を配置する必要をなくし、部材を節約することを可能にすることを目的とする。
【0070】
路面に描かれる標識は、本図に示した減速マークの例のほか、その他のマーク(追突注意、Uターン禁止など)やこれらを文字で表示したものなど、路面に描かれる交通標識、案内標識その他の標識のすべてが含まれる。
【0071】
標識を路面に描く方法としては、一般にセラミック、金属、樹脂などを主成分とするシート、テープ等を道路表面に接着させ、あるいは鋲などで打ち込むといった方法や、樹脂などを主成分とする塗料を塗布する方法が用いられる。本実施例においては、標識の上を自動車が通過したときの圧力が的確に圧電体に伝わるようにする必要があることから、標識の素材として、軟性の樹脂などを用いることが望ましい。あるいは、硬質素材を用いる場合には薄膜状のものとすることが望ましい。
【0072】
<効果>
【0073】
本実施例の発明により、圧電体を汚れや損傷から保護するための部材を標識が兼ねることで、圧電体の保護のためだけにわざわざ部材を配置する必要がなく、部材を節約することが可能となる。
【実施例5】
【0074】
<概要>
【0075】
本実施例のトンネルは、実施例1から4のいずれか一のトンネルと基本的に共通する。ただし、本実施例のトンネルは、非常用表示サインが、蓄光体を照らす発光手段と、発光を断続的に行わせるための制御手段とを有する点に特徴がある。
【0076】
<構成>
【0077】
図5は、本実施例のトンネルにおける非常用表示サインおよびその近傍の形状の一例を示す図であって、側面方向からの断面図で見たものである(トンネルの路肩内壁0503を左上がり斜線で示す。つまり本図の非常用表示サインは本図右側にある道路方向に向かってメッセージを表示する向きに設置されている)。図5(a)に示す非常用表示サイン0530は、サイン本体の表示面が凹凸形状を有し、凹面に蓄光体0531(右上がり斜線で示す)を備え、凸面にメッセージをグラフィック表示するための緑色塗料などを塗布したものである。また、本例の非常用表示サインの前面は、汚れや損傷から保護するための透明強化ガラスなどのカバー0534で被われている。
【0078】
本図に示す非常用表示サインは、蓄光体0531を照らす発光手段(本図の例では紫外線LED)0532と、発光を断続的に行わせるための制御手段0533とを有する。発光手段は蓄電部からの配線0506を通じて電力供給を受けるように構成されている。また、蓄光体の前面(本例では右側面)に埃よけ、飛び石による破損防止などを目的とした透明強化ガラスなどのカバー0534が取り付けられている。以下、発光手段および制御手段の構成について説明する。その余の構成は実施例1などと同様であるから説明を省略する。
【0079】
(発光手段)
【0080】
「発光手段」は、蓄光体を照らすための手段である。具体的な発光手段としては、例えば、図5に示した紫外線LEDランプなどの紫外線ランプや、蛍光灯などが考えられる。なお、図5(a)では、発光手段が非常用表示サイン本体の外部に配置されている例を示したが、図5(b)に示すように、発光手段が非常用表示サイン本体の内部に配置されていてもよい。また、発光手段の数にも限定はなく、例えば図5(b)に示すように複数(同図の例では二個)の発光手段が備えられていてもよい。
【0081】
(制御手段)
【0082】
「制御手段」は、発光を断続的に行わせるためのものである。例えば、発光手段を点滅させたり、一定時間間隔で照射させたりすることが考えられる。例えば、15秒間の照射を15分毎に行うといったようなものである。このような照射方法によって、恒常的に非常用表示サインを発光させるために必要な最小限の照射を行うことが可能となり、省エネに資する。なお、同様の目的から、制御手段は発光を断続的に行わせる以外の制御、例えば減光して照射させる制御も行うものであってもよい。
【0083】
<効果>
【0084】
本実施例の発明により、発電した電力、蓄電した電力を効率的に用いることが可能となるため、省エネに資することができる。
【実施例6】
【0085】
<概要>
【0086】
本実施例のトンネルは、実施例5のトンネルと基本的に共通する。ただし、本実施例のトンネルは、非常用表示サインの表示面が光触媒で覆われており、発光手段は蓄光体のほかに前記光触媒をも照らす紫外線ランプである点に特徴がある。
【0087】
<構成>
【0088】
図6は、本実施例のトンネルにおける非常用表示サインの一例を示す概略図である。本図に示す非常用表示サイン0630は、光触媒0635で覆われている。また、蓄光体0631を照らす発光手段0632は紫外線ランプであり、当該ランプは蓄光体のほか光触媒も照らすように構成されている。本図(a)の例は図5(a)に示したのと同様に、発光手段が非常用表示サインの外部に備えられているものである。また、本図(b)の例は図5(b)に示したのと同様に発光手段が非常用表示サインの内部に備えられているものである。なお、発光手段が非常用表示サインの内部に備えられている場合、非常用表示サインの表面を汚れや損傷から保護するためのカバーで被う場合には、当該カバーは紫外線を透過する材料であることが必要であることから、石英ガラスであることが望ましい。以下、光触媒および紫外線ランプである発光手段について説明する。その余の構成は実施例5と同様であるから説明を省略する。
【0089】
(光触媒)
【0090】
「光触媒」は、光の照射による酸化力によって非常用表示サインの表示面の汚れや細菌などを除去するためのものである。非常用表示サインは、トンネルの路肩内壁に備えられるため、自動車の通行に伴う排気ガスの排出や埃の巻き上げなどに伴い表示面が汚れやすいという問題がある。これをこのまま放置しておくと表示面に表示されているメッセージが視認しづらくなるなどの弊害が生じることも考えられる。そこで、本実施例のトンネルでは非常用表示サインの表示面に光触媒を覆い、これに紫外線ランプの光を照射することで、光触媒の有する酸化力により表示面に付着した排気ガス中の粒子状物質、路面から巻き上げられた埃、あるいはこれらに含まれる細菌などを除去できるようにしている。
【0091】
光触媒としては、公知のものを用いればよく、例えば二酸化チタン薄膜などが利用可能である。
【0092】
(発光手段:紫外線ランプ)
【0093】
本実施例の「発光手段」は、蓄光体を照らすことに加え、光触媒をも照らすという機能を有している。このため、本実施例の発光手段としては、この機能を果たすために好適な紫外線ランプが用いられる。紫外線ランプとして例えば紫外線LEDが用いられる。
【0094】
このような構成によれば、紫外線ランプからの光が光触媒に照射され、光触媒に生じるホールの酸化力によって非常用表示サインの表示面に付着している埃、細菌などの有機物が分解されるため、これら埃や細菌を除去することが可能となる。そして、これによって非常用表示サインの表示面の埃を除去して視認性を維持することが可能となる。
【0095】
<効果>
【0096】
本実施例の発明により、非常用表示サインの表示面の埃を除去して視認性を維持することが可能となる。
【実施例7】
【0097】
<概要>
【0098】
本実施例のトンネルは、実施例1から6のいずれか一のトンネルと基本的に共通する。ただし、本実施例のトンネルは、路上などに設置された回転体の羽根に対して自動車の通過によって加えられる力を用いて発電を行う手段と、発電した電力を蓄電する手段を有するとともに、発電した電力または蓄電した電力を用いて蓄光体を発光させることで発光・表示が可能な非常用表示サインを有するトンネルである。
【0099】
<構成>
【0100】
図7は、本実施例に係るトンネルの概要を説明するための図であり、トンネル内の状態を示したものである。トンネル0700内に敷設されている道路0701上には回転体を有する回転発電部0740が備えられている。この回転体は回転軸(本図には現れない)の周囲に羽根0741bを取り付けたものである。この羽根は一部が路面上に露出している。そこで、自動車0702が回転体の上を通過すると、羽根が自動車に押されて自動車の進行方向に回転することとなる。回転発電部(図示を省略)は、この回転力を利用して発電を行う。発電した電力が蓄電部に蓄電される点、路肩内壁0703に非常用表示サイン0730が備えられている点は実施例1などと同様である。また、この非常用表示サインには蓄光体が備えられている点も同様であり、回転発電部で発電した電力または蓄電部に蓄電した電力を用いてこの蓄光体を発光させることで非常用表示サインを発光させることができる。このような構成によっても、実施例1〜6のような圧電発電部を用いた場合と同様に、自動車の通過を利用して発電した電力を利用することができるため、非常用表示サインの発光のために外部から電力を供給する必要がなくなる。さらに、蓄電部に蓄電した電力を利用することで、自動車が通過していないタイミングであっても非常用表示サインを発光させることができる。以下、回転発電部の構成について説明する。回転発電部で発電した電力の蓄電の仕組みなどその余の構成は実施例1から6のいずれか一のトンネルの構成と同様であるので、説明を省略する。
【0101】
(回転発電部)
【0102】
「回転発電部」は、路中に設置された回転軸に少なくとも一部が路上に現れる羽根を取り付けた回転体を備え、自動車の路上通過によって前記回転体に加えられた力を用いて発電するように構成されている。
【0103】
図8は、本実施例の回転発電部の回転体の構造の一例を示す図である。本図は(a)、(b)いずれも上段に回転体の平面図、下段に前記平面図のC−C線垂直断面を示したものである。本図(a)に示す回転体0841は、回転軸0841aの周囲に複数枚の羽根0841bを取り付けたものである。当該回転体は、路面に穿たれた凹部0801aに収納される形で設置されており、回転軸は路中に固定されている。また、羽根の一部が路面上に露出しており、自動車が回転体の上を通過する際に車輪が羽根に当たるようになっている。また、回転軸は自動車の進行方向に対して垂直に交わる方向に水平に設置され、羽根がこの回転軸を中心に自動車の進行方向(矢印D方向)に回転する向きに取り付けられている。そこで、自動車の通過による羽根の動きにつれて回転体が回転し、この回転力を利用して発電を行うようになっている。
【0104】
なお、図7では、羽根が道路のほぼ全幅にわたって設けられている例を示したが、車輪の通る蓋然性の高い位置の近傍にだけ設けられていてもよい。また、図7および図8(a)の羽根は板状のものであるが、これと異なり図8(b)に示すように棒状のものなどであってもよく、要するに車輪に当たることにより進行方向に回転可能な形状であればよい。
【0105】
また、凹部に埃などがたまって羽根の回転に支障が出ないように、凹部の表面を蓋状部材で覆うようにすることが望ましい。この場合に羽根が回転できるように確保しつつ蓋状部材で覆う方法としては、例えば、図8(b)に示したように、蓋状部材を進行方向に平行な方向に毛先を向けた刷毛状のものとし、羽根を細い棒状の形状として、羽根が密集した刷毛の毛の隙間に沿って回転するようにする方法が考えられる。あるいは、図示は省略するが、凹部の上面全体をゴム膜などの弾性部材で覆うことで羽根が露出しないようにし、車輪が当該弾性部材を介して羽根を回転させるようにする方法でもよい。
【0106】
<効果>
【0107】
本実施例の発明により、トンネル内の自動車の通行を利用して発電、蓄電した電力を用いて発光・表示することが可能な非常用表示サインを有するトンネルを提供することを、回転力を利用した発電方法を用いた方法でも行うことが可能となる。これにより、トンネル内の自動車の通行を利用して発電、蓄電した電力を用いて発光・表示することが可能な非常用表示サインを有するトンネルを提供するという本発明の課題解決のための設計の自由度を広げることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路上または路中に設置された圧電体を備え、自動車などの路上通過によって前記圧電体に加えられる力を用いて発電する圧電発電部と、
発電した電力を蓄電する蓄電部と、
蓄光体を備え、発電した電力または蓄電した電力を用いて前記蓄光体を発光させる路肩内壁に備えられた非常用表示サインと、
を有するトンネル。
【請求項2】
非常用表示サインを構成する非常用表示サインボックスに前記蓄電部が収納されている請求項1に記載のトンネル。
【請求項3】
圧電発電部と、蓄電部とは、
圧電発電部の路肩側端部と、
トンネル内壁の蓄電部とを、
配線がトンネル内壁を略垂直に立ちあがることで結ばれるように配置される
請求項2に記載のトンネル。
【請求項4】
圧電発電部の圧電体は路面に描かれる標識中に埋め込まれている請求項1から3のいずれか一に記載のトンネル。
【請求項5】
非常用表示サインは、
非常用表示サインの蓄光体を照らす発光手段と、
発光を断続的に行わせるための制御手段と、
を有する請求項1から4のいずれか一に記載のトンネル。
【請求項6】
非常用表示サインの表示面は光触媒で覆われており、
前記発光手段は蓄光体のほかに前記光触媒をも照らす紫外線ランプである請求項5に記載のトンネル。
【請求項7】
圧電発電部に代えて、路中に設置された回転軸に少なくとも一部が路上に現れる羽根を取り付けた回転体を備え、自動車の路上通過によって前記回転体に加えられた力を用いて発電する回転発電部を有する、
請求項1から6のいずれか一に記載のトンネル。
【請求項8】
非常用表示サインは、「非常口」又は/および「非常電話」の位置を示すためのものである請求項1から7のいずれか一に記載のトンネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−105737(P2012−105737A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255302(P2010−255302)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(510199937)株式会社イーナ (6)
【出願人】(510199627)
【Fターム(参考)】