説明

蓄電池管理装置および蓄電池管理方法

【課題】蓄電池管理装置で発生したエラーの内容を確認し、保守性を向上できる蓄電池管理装置、および蓄電池管理方法を提供することにある。
【解決手段】蓄電池管理装置3は、蓄電池の異常や劣化あるいは蓄電池管理装置3の異常の少なくともいずれか一方を判定する劣化判定部5を備え、パイロット電池に放電路を形成し、放電電流を供給した際に得られる電圧値あるいは電流値に基づき、蓄電池の側の異常や劣化あるいは蓄電池管理装置3の側の異常を、それぞれ判定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、通信用の小型端末機器などに搭載される蓄電池の蓄電池管理装置および蓄電池管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信用の小型端末機器、例えば公衆電話回線と複数の電話機との間の通信接続を行うビジネス主装置などには、停電時のバックアップ用の予備電源として、蓄電池が搭載されている。蓄電池が経年とともに劣化し、この劣化した蓄電池をそのまま放置すると、蓄電池内部に封じ込められている電解液が外部に漏れることがある。これにより、漏れた電解液によって近傍の電源装置が障害を受け、あるいは、電解液を通じた短絡回路が形成され蓄電池が焼損することがある。
このような事態を回避するため、例えば、蓄電池の劣化を判定する劣化判定手段を備える電流検出装置および蓄電装置の制御装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−201716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通信用の小型端末機器等は、専用の保守員が常駐しないユーザ側に設置されることから、劣化判定手段等により蓄電池が劣化しているか否かを判定し、判定結果が劣化していることを示す場合、あるいは電源装置側が障害を受けた場合、これら発生したエラーの内容を保守員が確認できない問題があった。
そのため、ユーザが現場で発生したエラーの内容を確認できず、現場での迅速なエラー解決ができない問題があった。また、現場でエラーが確認できないため、離れた場所にいる保守員にエラーの内容を伝達することができず、発生したエラー内容の如何に関わらず、保守員が現場に駆けつけなければならないため、保守性が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮し、上記の問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、蓄電池管理装置で発生したエラーの内容を確認し、保守性を向上できる蓄電池管理装置、および蓄電池管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、複数の単電池から構成される蓄電池と、前記蓄電池に電力を供給する蓄電池管理部と、前記蓄電池のうち任意の単電池に放電路を形成し、この放電路に所定の放電電流を供給する放電部と、前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電圧値を検出する第1の検出部と、前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電流値を検出する第2の検出部と、前記第1の検出部により検出された前記電圧値に基づき算出される前記単電池の内部抵抗値と、所定の内部抵抗閾値を比較し、前記蓄電池の異常を判定する内部抵抗値判定部と、前記第2の検出部により検出された前記電流値と、所定の電流閾値を比較し、前記蓄電池管理部の異常を判定する電流範囲判定部とを含む第1の判定部とを備えることを特徴とする蓄電池管理装置である。
【0007】
また、本発明にかかる蓄電池装置は、前記蓄電池の電圧値を検出する第3の検出部と、前記第3の検出部により検出された前記電圧値に基づき、前記蓄電池の異常を判定する第2の判定部をさらに有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる蓄電池装置は、前記蓄電池と接続され、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部により、前記蓄電池の異常が判定された場合、前記蓄電池管理装置から供給されている前記電力を遮断する切離部をさらに有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる蓄電池装置は、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部と接続され、時間の経過を計測する計時部をさらに有し、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部は、前記計時部が所定時間の経過を検出することで、前記判定を実行することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる蓄電池装置は、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部により、前記蓄電池あるいは前記蓄電池管理装置の異常が判定された場合、判定内容に応じた警報を表示する表示部をさらに有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる蓄電池装置は、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部により、前記蓄電池あるいは前記蓄電池管理装置の異常が判定された場合、前記表示部によって表示される警告を解除する警報解除部を、外部から操作可能な位置に有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、複数の単電池から構成される蓄電池と接続され、前記蓄電池に電力を供給する蓄電池管理装置における蓄電池管理方法であって、放電部が、前記単電池のうち任意の単電池に放電路を形成し、この放電路に所定の放電電流を供給し、第1の検出部が、前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電圧値を検出し、第2の検出部が、前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電流値を検出し、第1の判定部が、前記第1の検出部により検出された前記電圧値に基づき算出される前記単電池の内部抵抗値と、所定の内部抵抗閾値を比較し、前記蓄電池の異常を判定し、前記第2の検出部により検出された前記電流値と、所定の電流閾値を比較し、前記蓄電池管理部の異常を判定することを特徴とする蓄電池管理方法である。
【0013】
また、本発明にかかる蓄電池管理方法は、第3の検出部は、前記蓄電池の電圧値を検出し、第2の判定部は、前記第3の検出部により検出された前記電圧値に基づき、前記蓄電池の異常を判定することを特徴とする
【0014】
また、本発明にかかる蓄電池管理方法は、前記第1の判定部および前記第2の判定部は、計時部により計測された時間情報に基づき、前記蓄電池の判定を所定のタイミングで複数回実行することにより、前記蓄電池の異常を判定することを特徴とする。
【0015】
なお、上記構成要素は、下に説明する実施形態において詳細に説明されるものであって、放電部は放電回路34に、第1の検出部は劣化判定用電圧検出部305に、第2の検出部は劣化判定用電流検出部306に、第1の判定部は劣化判定部5に、第3の検出部は、単電池41電圧検出部301、単電池41−42間電圧検出部302、単電池41−43間電圧検出部303、および単電池41−44間電圧検出部304に、第2の判定部は電圧監視部7に、切離部は電池切離部36に、計時部はタイマー310に、警報解除部は警報解除部37および入力部39に、それぞれ相当する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施の形態による蓄電池管理装置は、複数の単電池から構成される蓄電池と、前記蓄電池に電力を供給する蓄電池管理部と、前記蓄電池のうち任意の単電池に放電路を形成し、この放電路に所定の放電電流を供給する放電部と、前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電圧値を検出する第1の検出部と、前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電流値を検出する第2の検出部と、前記第1の検出部により検出された前記電圧値に基づき算出される前記単電池の内部抵抗値と、所定の内部抵抗閾値を比較し、前記蓄電池の異常を判定する内部抵抗値判定部と、前記第2の検出部により検出された前記電流値と、所定の電流閾値を比較し、前記蓄電池管理部の異常を判定する電流範囲判定部とを含む第1の判定部とを有する。
この構成により、蓄電池管理装置は、蓄電池の異常や劣化あるいは蓄電池管理装置の異常の少なくともいずれか一方を判定することができる。よって、劣化した蓄電池がそのまま放置される状況が回避され、劣化した蓄電池が放置され電解液が外部に漏れることにより発生する、近傍の電源装置の障害や蓄電池の焼損を防止することができる。
また、これにより、蓄電池管理装置は、任意の単電池に放電路を形成し、放電電流を供給した際に得られる電圧値あるいは電流値に基づき、蓄電池の側の異常や劣化あるいは蓄電池管理装置の側の異常を、それぞれ判定することができる。このため、現場で蓄電池あるいは蓄電池管理装置の正常性を容易に確認することができる。
【0017】
また、本発明の一実施の形態によれば、前記蓄電池の電圧値を検出する第3の検出部と、前記第3の検出部により検出された前記電圧値に基づき、前記蓄電池の異常を判定する第2の判定部をさらに有する。これにより、蓄電池管理装置は、蓄電池を構成している単電池のいずれか一つに異常があった場合であっても、この異常を判定することができる。
【0018】
また、本発明の一実施の形態によれば、前記蓄電池と接続され、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部により、前記蓄電池の異常が判定された場合、前記蓄電池管理装置から供給されている前記電力を遮断する切離部をさらに有する。これにより、蓄電池管理装置は、蓄電池あるいは蓄電池管理装置の異常が判定された場合、蓄電池への電力の供給を遮断できるため、異常のある蓄電池に電力が供給される電力消費の無駄を防止し、蓄電池管理装置のコストの低減化を実現することができる。
【0019】
また、本発明の一実施の形態によれば、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部と接続され、時間の経過を計測する計時部をさらに有し、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部は、前記計時部が所定時間の経過を検出することで、前記判定を実行する。これにより、蓄電池管理装置は、所定のタイミングで蓄電池あるいは蓄電池管理装置の異常判定を実行することができるため、点検のために保守員が現場に赴く必要がなく、保守性を向上することができる。
【0020】
また、本発明の一実施の形態によれば、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部により、前記蓄電池あるいは前記蓄電池管理装置の異常が判定された場合、判定内容に応じた警報を表示する表示部をさらに有する。これにより、蓄電池管理装置は、判定部により判定された異常の内容に応じた警告を、蓄電池管理装置の周辺に表示することができる。よって、ユーザが異常の内容を容易に確認できる。また、ユーザが異常解除の方法がわからない場合であっても、ユーザが確認した異常の内容を保守員等に伝達することができるため、保守員が現場に駆けつけることなく異常を解除することが可能となり、保守性を向上することができる。
【0021】
また、本発明の一実施の形態によれば、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部により、前記蓄電池あるいは前記蓄電池管理装置の異常が判定された場合、前記表示部によって表示される警告を解除する警報解除部を、外部から操作可能な位置に有する。
これにより、現場で容易に異常警報を解除することができ、保守性を向上することができる。また、環境温度が低くなる冬期には、低温環境が原因で蓄電池の内部抵抗が増加する場合があるが、この場合、蓄電池や蓄電池管理装置には異常が発生していないにも関わらず警報が頻繁に発生することがある。このような誤検出が発生した場合であっても、現場で警報を解除することができるため、保守員が現場に駆けつけることなく警報を解除することが可能となり、保守性を向上することができる。
【0022】
また、本発明の一実施の形態による蓄電池管理方法は、複数の単電池から構成される蓄電池と接続され、前記蓄電池に電力を供給する蓄電池管理装置における蓄電池管理方法であって、放電部が、前記単電池のうち任意の単電池に放電路を形成し、この放電路に所定の放電電流を供給し、第1の検出部が、前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電圧値を検出し、第2の検出部が、前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電流値を検出し、第1の判定部が、前記第1の検出部により検出された前記電圧値に基づき算出される前記単電池の内部抵抗値と、所定の内部抵抗閾値を比較し、前記蓄電池の異常を判定し、前記第2の検出部により検出された前記電流値と、所定の電流閾値を比較し、前記蓄電池管理部の異常を判定し、第3の検出部が、前記蓄電池の電圧値を検出し、第2の判定部が、前記第3の検出部により検出された前記電圧値に基づき、前記蓄電池の異常を判定し、前記第1の判定部および前記第2の判定部が、計時部により計測された時間情報に基づき、前記蓄電池の判定を所定のタイミングで複数回実行することにより、前記蓄電池の異常を判定することを特徴とする。これにより、蓄電池管理装置は、蓄電池の異常判定の際の誤検出を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態にかかる蓄電池管理システムの一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる蓄電池管理装置の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態にかかる劣化判定方法の一例を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態にかかる劣化判定方法の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態にかかる蓄電池管理システムの構成を示す概略ブロック図である。
図1に示すように、蓄電池管理システム1は、ビジネスホン主装置本体2と、蓄電池管理装置3と、蓄電池4とを有する。
【0025】
ビジネスホン主装置本体2は、通信用の小型端末機器、例えば公衆電話回線と複数の電話機との間の通信接続を行う装置である。
【0026】
蓄電池管理装置3は、蓄電池4からビジネスホン主装置本体2に供給される電力を制御する装置であって、例えば、停電時のバックアップ用の予備電力の供給を制御する。この蓄電池管理装置3は、予備電力を生成する蓄電池4と接続され、制御部31と、電源32と、計測回路33と、放電回路34と、常時全電池電圧監視部35と、電池切離部36と、警報解除部37と、表示部38と、入力部39とを備える。また、蓄電池管理装置3は、ビジネスホン主装置本体2の本体の内部に搭載され、表示部38および入力部39が、ビジネスホン主装置本体2の外部から認識あるいは操作可能な位置に設けられている。
【0027】
蓄電池4は、電池切離部36を介して、電源32、あるいはビジネスホン主装置本体2と接続されている。これにより、電池切離部36により接続が切断されると、電源32から蓄電池4に供給される電力が遮断される。
電池4は、直列に接続されている単電池41,42,43,44から構成される組電池である。単電池41〜44は、例えば鉛蓄電池である。これら複数の単電池41〜44のうちの任意の一つ、例えば単電池41を、劣化判定用のパイロット電池41とする。
【0028】
制御部31は、蓄電池管理装置3を統括的に制御する。
電源32は、蓄電池管理装置3を駆動するために必要な電力、あるいは蓄電池4を充電するために必要な充電電力を供給する。
計測回路33は、蓄電池4と接続され、単電池41〜44に供給される電力の電圧値や電流値を計測する。また、計測回路33は、蓄電池4全体の電圧値あるいは単電池41〜44の個々の出力電力の電圧値を計測する。
放電回路34は、パイロット電池41と接続され、制御部31による放電制御信号に応じて、パイロット電池41に対する放電路を短時間だけ形成し、形成された放電路に所定の放電電流を供給する。
【0029】
常時全電池電圧監視部35は、計測回路33と接続され、計測回路33により計測された単電池41〜44の出力電力の電圧値に応じて、蓄電池4の充電電圧が十分か否かの充電電圧の正常性、および蓄電池4の電圧降下があるか否かの電池電圧の正常性を監視する。常時全電池電圧監視部35は、蓄電池4の異常性が検出された場合、電池切離部36を制御し、蓄電池4に供給される電力を停止させる。
【0030】
電池切離部36は、ビジネスホン主装置本体2と電源32とを接続する通電ラインと、蓄電池4との間に接続されている。電池切離部36は、常時全電池電圧監視部35による制御信号に基づき、通電ラインと蓄電池4との接続を切断することによって、電源32から蓄電池4へ供給される電力を停止する。なお、電池切離部36は、常時全電池電圧監視部35の制御によって、切断した接続を回復する(オンにする)切り替えも可能である。
【0031】
警報解除部37は、制御部31とビジネスホン主装置本体2との間に配置され、制御部31から出力される制御信号に基づき、あるいは入力部39から入力される物理的な接続解除により、制御部31とビジネスホン主装置本体2との接続を切断する。
また、あとで詳細に説明するが、本実施の形態にかかる蓄電池管理装置3は、制御部31から出力される警報制御信号に基づき、表示部38が警報を表示する構成を有し、警報解除部37は、制御部31から表示部38に通知される警報制御信号を切断することができる。
【0032】
表示部38は、例えば、発光ダイオード(LED)等であって、蓄電池管理装置3により判定された異常内容に応じた警報を表示する。表示部38は、例えば、蓄電池管理装置3の異常が検出された場合、等間隔に点滅を繰り返す点灯パターン1でLEDを点灯させることができる。また、表示部38は、蓄電池4の劣化が検出された場合、等間隔に2回の点滅を繰り返す点灯パターン2でLEDを点灯させ、蓄電池4の接続不良が検出された場合、一定時間点灯し続ける点灯パターン3でLEDを点灯させることができる。なお、表示部38は、制御部31からの警報制御信号に基づき、これら表示方法で警報を表示する。
【0033】
入力部39は、ビジネスホン主装置本体2を外部から制御するため、ユーザからの指示が入力される操作手段である。入力部39は、例えば、押しボタン式のスイッチ素子であって、制御部31とビジネスホン主装置本体2、あるいは制御部31と表示部38の接続を切断する。入力部39の押しボタン式のスイッチ素子が押下されることで、接続が切断され、表示部38において表示されている警報を解除することができる。
また、蓄電池管理装置3は、入力部39が、1秒以上長押しされることで、蓄電池管理装置3の異常判定機能あるいは蓄電池4の劣化判定機能の少なくとも一方を動作させる構成であってもよい。この構成により、蓄電池管理装置3は、手動操作により、任意のタイミングで異常判定機能あるいは劣化判定機能を実現することができる。
【0034】
次に、図2を用いて、蓄電池管理装置3の一例について詳細に説明する。なお、図1に示す構成部材と同じ機能や構成を有する構成部材については、同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略し、あるいは文章で以下説明することにより図示を省略する。
【0035】
図2に示すとおり、蓄電池管理装置3は、劣化判定部5と、タイミング制御部6と、電圧監視部7と、単電池41電圧検出部301と、単電池41−42間電圧検出部302と、単電池41−43間電圧検出部303と、単電池41−44間電圧検出部304と、劣化判定用電圧検出部305と、劣化判定用電流検出部306と、記憶部307と、内部抵抗値算出部308、外部出力部309と、タイマー310とを備える。
【0036】
単電池41電圧検出部301は、単電池41と接続され、単電池41に供給された電圧値を検出し、検出された電圧値を電圧監視部7に出力する。
単電池41−42間電圧検出部302は、単電池41および単電池42と接続され、単電池41−42間に供給された電圧値を検出し、検出された電圧値を電圧監視部7に出力する。
単電池41−43間電圧検出部303は、単電池41および単電池43と接続され、単電池41−43間に供給された電圧値を検出し、検出された電圧値を電圧監視部7に出力する。
単電池41−44間電圧検出部304は、単電池41および単電池44と接続され、単電池41−44間に供給された電圧値を検出し、検出された電圧値を電圧監視部7に出力する。
電圧監視部7は、これら検出された電圧値に基づき、蓄電池4全体の電圧値、および単電池41〜44の個々の電圧値を算出することができる。なお、電圧監視部7は、これら検出された電圧値の差分を算出することにより、単電池41〜44の個々の電圧値を算出することができる。
【0037】
劣化判定用電圧検出部305は、パイロット電池41と接続され、パイロット電池41に供給された電圧値を検出し、検出された電圧値を内部抵抗値算出部308に出力する。
劣化判定用電流検出部306は、パイロット電池41と接続され、パイロット電池41に流れる電流値を検出し、検出された電流値を内部抵抗値算出部308に出力する。
【0038】
記憶部307は、劣化判定部5による制御において利用される所定の情報を予め記録する。記憶部307は、例えば、内部抵抗値算出部308により算出されたパイロット電池41の内部抵抗値と比較される内部抵抗閾値RT、劣化判定用電流検出部306により検出されるパイロット電池41の電流値と比較される電流閾値IT、電圧監視部7により照合される蓄電池4全体と比較される電圧閾値VT1あるいは単電池41〜44のそれぞれと比較される電圧閾値VT2を記憶している。
【0039】
内部抵抗値算出部308は、劣化判定用電圧検出部305および劣化判定用電流検出部306から出力されたパイロット電池41の電圧値および電流値に基づき、パイロット電池41の内部抵抗値を算出する。内部抵抗値算出部308は、例えば、放電回路34により一定の放電電流が供給された際に、劣化判定用電圧検出部305により検出された電圧値に基づき、パイロット電池41の内部抵抗値を算出することができる。内部抵抗値算出部308は、一定の放電電流が供給された際の電圧値を、供給された放電電流の値で除算することで、パイロット電池41の内部抵抗値を算出する。
【0040】
外部出力部309は、劣化判定部5、タイミング制御部6、電圧監視部7、入力部39により出力された警報制御信号に基づき、警報内容に応じた表示方法によって、表示部38を点灯させることができる。
【0041】
劣化判定部5は、電流範囲判定部51と、内部抵抗値判定部52を含み、蓄電池4の劣化および蓄電池管理装置3の異常を判定する。
【0042】
電流範囲判定部51は、劣化判定用電流検出部306により検出された電流値に基づき、記憶部307に記憶されている電流閾値ITを参照して比較し、蓄電池管理装置3の異常の有無を判定する。電流範囲判定部51は、放電回路34によりパイロット電池41に放電路が形成され、一定の放電電流が供給された際に、パイロット電池41を流れる電流値を、劣化判定用電流検出部306から得ることができる。電流範囲判定部51は、パイロット電池41の放電路を流れる電流値を、電流閾値ITの範囲を規定している上限値および下限値と比較し、許容範囲内であるか否かを判定し、許容範囲外である場合、すなわち、上限値より大きい、あるいは下限値より小さい場合、蓄電池管理装置3に異常が発生していること表す警報制御信号を外部出力部309に出力する。
【0043】
なお、詳細は後述するが、電流範囲判定部51は、パイロット電池41の放電路を流れる電流値として、所定の時間内に複数回検出された電流値の平均値を、電流閾値ITとの比較に利用することができる。これにより、電流範囲判定部51は、電流値にもとづく蓄電池管理装置3の異常判定の精度を向上させることができる。
【0044】
内部抵抗値判定部52は、内部抵抗値算出部308により算出されたパイロット電池41の内部抵抗値に基づき、記憶部307に記録されている内部抵抗閾値RTを参照して比較し、蓄電池4の劣化を判定する。内部抵抗値判定部52は、パイロット電池41の内部抵抗値が内部抵抗閾値RT以上であった場合、蓄電池4が劣化していると判定し、蓄電池4が劣化していること表す警報制御信号を外部出力部309に出力する。
【0045】
タイミング制御部6は、パルス発振部61と、ゲート回路62と、パルスカウンタ63とを含み、電流範囲判定部51により利用される、パイロット電池41を流れる電流値を平均化するためのタイミングを制御する。タイミング制御部6は、例えば、一分間に等間隔に5回の電流値を検出された電流値に基づき、電流値を平均化するよう、電流範囲判定部51を制御することができる。
【0046】
電圧監視部7は、単電池41電圧検出部301、単電池41−42間電圧検出部302、単電池41−43間電圧検出部303、および単電池41−44間電圧検出部304から出力される電圧値に基づき、蓄電池4全体の電圧値および単電池41〜44の個々の電圧値を算出し、電圧閾値VT1あるいは電圧閾値VT2と比較することで、蓄電池4の劣化を判定する。電圧監視部7は、蓄電池4全体の電圧値が電圧閾値VT1より低い場合、蓄電池4全体の劣化を判定し、単電池41〜44の個々の電圧がそれぞれ電圧閾値VT2より低い場合、単電池41〜44のうちいずれか一つが劣化していることを判定する。
また、電圧監視部7は、単電池41〜44の個々の接続を確認するための所定の電圧閾値VT3を利用することにより、蓄電池4の接続不良を判定することができる。電圧閾値VT3は、劣化判定に利用される電圧閾値VT2よりも小さい値であって、例えば、単電池41〜44のそれぞれが12.0Vの単電池であった場合、電圧閾値VT2=12.0V>電圧閾値VT3=5.0Vであって、蓄電池4に電源32からの電力が供給されているか否かを判定するための所定の閾値である。電圧監視部7は、単電池41〜44の個々の電圧値を、それぞれ電圧閾値VT3と比較し、電圧値が電圧閾値VT3以下であった場合、蓄電池4の接続不良を判定し、外部出力部309に接続不良を表す警報制御信号を出力する。
【0047】
次に、図3を用いて、本実施の形態にかかる劣化判定部5の蓄電池管理装置3の異常判定および蓄電池4の劣化判定の方法の一例について説明する。図3は、本実施の形態にかかる劣化判定方法の一例を示すフローチャートである。
【0048】
放電回路34は、パイロット電池41に放電路を形成し、放電路に所定の放電電流を供給する(ST1)。劣化判定用電流検出部306は、放電路に放電電流が供給された際、パイロット電池41を流れる電流値を検出し、劣化判定部5の電流範囲判定部51に出力する。電流範囲判定部51は、タイミング制御部6により制御されたタイミングでパイロット電池41を流れる電流の電流値を検出し、平均的な電流値を算出する。電流範囲判定部51は、例えば、タイミング制御部6により、1分間に5回、パイロット電池41を流れる電流値を検出するよう制御され、検出された5つの電流値の最大値と最小値を除いた3つの電流値に基づき平均値を算出する。
【0049】
電流範囲判定部51は、得られた平均の電流値と、記憶部307に記憶されている電流閾値ITの上限値および下限値とを比較し、平均の電流値が電流閾値ITの範囲内であるか否かを判定する(ST2)。
【0050】
電流範囲判定部51により平均の電流値が電流閾値ITの範囲内であると判断された場合(ST2−YES)、劣化判定部5は、蓄電池管理装置3は正常であると判断し、内部抵抗値判定部52に蓄電池4の異常の有無を判定させる(ST3)。すなわち、劣化判定用電圧検出部305が、放電回路34により放電路に所定の放電電流が供給された際のパイロット電池41の電圧値を検出し、内部抵抗値算出部308に出力する。内部抵抗値算出部308は、劣化判定用電圧検出部305から出力された電圧値を、供給された放電電流の値で除算することで、パイロット電池41の内部抵抗値を算出し、内部抵抗値判定部52に出力する。
【0051】
内部抵抗値判定部52は、内部抵抗値算出部308により算出されたパイロット電池41の内部抵抗値と、記憶部307に記憶されている内部抵抗閾値RTを比較し、パイロット電池41の内部抵抗値が内部抵抗閾値RT以上であるか否かを判定する(ST4)。内部抵抗値判定部52により、パイロット電池41の内部抵抗値が内部抵抗閾値RTより低いと判定された場合(ST4−YES)、劣化判定部5は、蓄電池管理装置3は正常であり、かつ、蓄電池4は劣化していないと判定する(ST5)。
【0052】
一方、ステップST2において、電流範囲判定部51により、平均の電流値が電流閾値ITの範囲外であると判定された場合(ST2−NO)、劣化判定部5は、蓄電池管理装置3の異常を検出し(ST6)、外部出力部309に対して、蓄電池管理装置3において異常が発生していること表す警報制御信号を出力する。この外部出力部309は、この警報制御信号に基づき、「蓄電池管理装置3の交換」を意味する表示方法である点灯パターン1でLED(表示部38)を点灯させる。
【0053】
また、ステップST4において、内部抵抗値判定部52により、内部抵抗値算出部308により算出された内部抵抗値が内部抵抗閾値RTより高いことが判断された場合(ST4−NO)、劣化判定部5は、蓄電池4の劣化を検出し(ST7)、外部出力部309に蓄電池4が劣化していること表す警報制御信号を出力する。この外部出力部309は、警報制御信号に基づき、「蓄電池4の交換」を意味する表示方法である点灯パターン2でLED(表示部38)を点灯させる。
【0054】
これにより、劣化判定部5は、パイロット電池41から検出される電流値および電圧値に基づき、蓄電池管理装置3の異常判定、および蓄電池4の劣化判定を同時に行うことができる。
【0055】
なお、上述の劣化判定部5の劣化判定方法は一例であって、例えば、タイマー310により検出される所定のタイミングで、蓄電池管理装置3の異常判定と蓄電池4の劣化判定を、個々に行う構成であってもよい。よって、劣化判定部5は、パイロット電池41から検出される電流値あるいは電圧値に基づき、蓄電池管理装置3の異常判定、あるいは蓄電池4の劣化判定のうち、少なくもいずれか一方を実施することができる。
【0056】
次に、図4を用いて、本実施の形態にかかる蓄電池管理装置3における蓄電池管理方法の一例について説明する。
図4に示すとおり、ビジネスホン主装置本体2、蓄電池管理装置3および蓄電池4が接続されることにより、蓄電池管理装置3の運用が開始されると(ST21)、電圧監視部7は、単電池41〜44のそれぞれの電圧値が電圧閾値VT2に達しているか否かを判断する(ステップST22)。
【0057】
そして、単電池41〜44のうち、少なくとも1つでも電圧値が電圧閾値VT2に達していない(未満である)単電池がある場合(ステップST22−YES)、電圧監視部7は、蓄電池4の接続不良を検出し、外部出力部309に接続不良を意味する警報制御信号を出力する。外部出力部309は、警報制御信号に基づき、「蓄電池4の接続不良」を意味する表示方法である点灯パターン3でLED(表示部38)を点灯させる(ステップST23)。
一方、単電池41〜44の各電圧値が、全て、電圧閾値VT2に達している(以上である)単電池がある場合、電圧監視部7は、タイマー310により運用開始時点から12時間が経過されたか否かを検出する(ST24)。タイマー310により、12時間が経過したことが検出された場合(ST24−YES)、蓄電池4が劣化しているか否かを電圧監視部7が判定するとともに、蓄電池4が劣化しているか否かを劣化判定部5が判定する(ST25)。
【0058】
すなわち、電圧監視部7は、単電池41電圧検出部301、単電池41−42間電圧検出部302、単電池41−43間電圧検出部303、および単電池41−44間電圧検出部304により検出された電圧値に基づき、例えば、単電池41〜44の個々の電池に供給される電圧値が、記憶部307に記録されている電圧閾値VT2に達しているか否かを判定する。電圧監視部7は、単電池41〜44の個々の電池に供給されている電圧値が電圧閾値VT2より小さい場合、蓄電池4の正常性を判定する。また、劣化判定部5は、図3を用いて上述したとおり、内部抵抗値判定部52において蓄電池4が劣化しているか否かを判定する(ST26)。
【0059】
電圧監視部7および劣化判定部5の両方において、蓄電池4の劣化が検出されなかった場合、蓄電池4が正常であることが判定される(ST26−YES)。
蓄電池4が正常であることが判定されると、タイマー310が、運用開始時点から1回目の劣化判定周期(例えば30日)が経過したか否かを検出する(ST27)。タイマー310により、30日が経過したことが検出された場合(ST27−YES)、ステップ23と同様にして、電圧監視部7により蓄電池4の劣化が判定されるとともに、劣化判定部5により蓄電池4の劣化が判定される(ST28)。
【0060】
電圧監視部7および劣化判定部5の両方において、蓄電池4の劣化が検出されなかった場合、蓄電池4が正常であることが判定される(ST29−YES)。1回目の劣化判定処理において正常であることが判定されると、ステップST25に移行し、タイマー310が、1回目の劣化判定周期の検出から、さらに劣化判定周期(例えば30日)が経過したか否かを検出する。タイマー310により、2回目の劣化判定周期が経過したことが検出されると、ステップST26に移行し、上述の処理が繰り返される。
【0061】
一方、ステップST27において、電圧監視部7あるいは劣化判定部5のうち少なくともいずれか一方が、蓄電池4の劣化を検出した場合(ST29−NO)、タイマー310が、ステップ27において検出された1回目の劣化判定周期の検出時点から所定時間(12時間)の経過を検出する。タイマー310により12時間経過が検出されると、電圧監視部7が、ステップ23,26と同様にして、蓄電池4の劣化を判定するとともに、劣化判定部5が蓄電池4の劣化を判定する(ST30)。これは、所定の劣化判定周期内における、2回目の劣化判定処理である。
【0062】
この2回目の劣化判定処理において、再度、電圧監視部7あるいは劣化判定部5のうち少なくともいずれか一方が、蓄電池4の劣化を検出した場合(ST30−NO)、タイマー310が、ステップST28における2回目の劣化判定処理後、所定時間(12時間)が経過したか否かを検出する。タイマー310により、12時間経過が検出されると、電圧監視部7および劣化判定部5は、3回目の劣化判定処理を行う(ST31)。この3回目の劣化判定処理においても、電圧監視部7あるいは劣化判定部5のうち少なくともいずれか一方が、蓄電池4の劣化を検出した場合(ST31−NO)、電圧監視部7および劣化判定部5は、所定回数、例えば8回、この劣化判定処理を繰り返す(ST32)。
【0063】
8回目の劣化判定処理において、電圧監視部7あるいは劣化判定部5のうち少なくともいずれか一方が、蓄電池4の劣化を検出した場合(ST32−NO)、蓄電池管理装置3は、蓄電池4の劣化を判定し、電圧監視部7あるいは劣化判定部5から、蓄電池4が劣化していること表す警報制御信号が外部出力部309に出力される。
これにより、外部出力部309は、この警報制御信号に基づき、「蓄電池4の交換」を意味する表示方法である点灯パターン2で表示部38のLEDを点灯させる(ST33)。
【0064】
この構成により、蓄電池管理装置3は、蓄電池4の異常や劣化あるいは蓄電池管理装置3の異常の少なくともいずれか一方を判定することができる。よって、劣化した蓄電池4がそのまま放置される状況が回避され、劣化した蓄電池が放置され電解液が外部に漏れることにより発生する、近傍の電源装置の障害や蓄電池の焼損を防止することができる。
また、蓄電池管理装置3は、パイロット電池41に放電路を形成し、放電電流を供給した際に得られる電圧値あるいは電流値に基づき、蓄電池4の側の異常や劣化あるいは蓄電池管理装置3の側の異常を、それぞれ判定することができる。このため、現場で蓄電池4あるいは蓄電池管理装置3の正常性を容易に確認することができる。
また、電圧監視部7は、蓄電池4を構成している単電池41〜44のいずれか一つに異常があった場合であっても、この異常を判定することができる。
【0065】
また、電圧監視部7は、蓄電池4あるいは蓄電池管理装置3の異常が判定された場合、電池切離部36を制御することにより、蓄電池4への電力の供給を遮断できる。このため、異常のある蓄電池4に電力が供給され続け、充電され続けることによって発生するおそれのある液漏れを防止することができる。また、異常の可能性がある蓄電池4および蓄電池管理装置3を迅速に切り離すことで、ビジネスホン主装置本体2側に与える悪影響を軽減することができる。
【0066】
また、蓄電池管理装置3は、タイマー310により計時される時間に基づき、所定のタイミングで蓄電池4あるいは蓄電池管理装置3の異常判定を実行することができるため、点検のために保守員が現場に赴く必要がなく、保守性を向上することができる。
【0067】
さらに、蓄電池管理装置3は、劣化判定部5あるいは電圧監視部7により判定された異常の内容に応じた警告を表示部38によって、蓄電池管理装置3の周辺に伝達することができる。これにより、ユーザが異常の内容を容易に確認することができる。また、ユーザが異常解除の方法がわからない場合であっても、ユーザが確認した異常の内容を保守員等に伝達することができるため、保守員が現場に駆けつけることなく異常を解除することが可能となり、保守性を向上することができる。
【0068】
また、環境温度が低くなる冬期には、低温環境が原因で蓄電池の内部抵抗が増加する場合があるが、この場合、蓄電池4や蓄電池管理装置3には異常が発生していないにも関わらず警報が頻繁に発生することがある。このような誤検出が発生した場合であっても、現場で警報を解除することができるため、保守員が現場に駆けつけることなく警報を解除することが可能となり、保守性を向上することができる。
さらに、蓄電池管理装置3は、蓄電池4の判定を、劣化判定周期に応じて、この周期内に複数回実行することができる。これにより、蓄電池4の異常判定の際の誤検出を低減することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 蓄電池管理システム
2 ビジネスホン主装置本体
3 蓄電池管理装置
4 蓄電池
5 劣化判定部
6 タイミング制御部
7 電圧監視部
31 制御部
32 電源
33 計測回路
34 放電回路
35 常時全電池電圧監視部
36 電池切離部
37 警報解除部
38 表示部
39 入力部
51 電流範囲判定部
52 内部抵抗値判定部
301 単電池41電圧検出部
302 単電池41−42間電圧検出部
303 単電池41−43間電圧検出部
304 単電池41−44間電圧検出部
305 劣化判定用電圧検出部
306 劣化判定用電流検出部
307 記憶部
308 内部抵抗値算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単電池から構成される蓄電池と、
前記蓄電池に電力を供給する蓄電池管理部と、
前記蓄電池のうち任意の単電池に放電路を形成し、この放電路に所定の放電電流を供給する放電部と、
前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電圧値を検出する第1の検出部と
前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電流値を検出する第2の検出部と、
前記第1の検出部により検出された前記電圧値に基づき算出される前記単電池の内部抵抗値と、所定の内部抵抗閾値を比較し、前記蓄電池の異常を判定する内部抵抗値判定部と、前記第2の検出部により検出された前記電流値と、所定の電流閾値を比較し、前記蓄電池管理部の異常を判定する電流範囲判定部とを含む第1の判定部とを備えることを特徴とする蓄電池管理装置。
【請求項2】
前記蓄電池の電圧値を検出する第3の検出部と、
前記第3の検出部により検出された前記電圧値に基づき、前記蓄電池の異常を判定する第2の判定部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の蓄電池管理装置。
【請求項3】
前記蓄電池と接続され、前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部により、前記蓄電池の異常が判定された場合、前記蓄電池管理装置から供給されている前記電力を遮断する切離部をさらに有することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の蓄電池管理装置。
【請求項4】
前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部と接続され、時間の経過を計測する計時部をさらに有し、
前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部は、前記計時部が所定時間の経過を検出することで、前記判定を実行することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の蓄電池管理装置。
【請求項5】
前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部により、前記蓄電池あるいは前記蓄電池管理装置の異常が判定された場合、判定内容に応じた警報を表示する表示部をさらに有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の蓄電池管理装置。
【請求項6】
前記第1の判定部あるいは前記第2の判定部により、前記蓄電池あるいは前記蓄電池管理装置の異常が判定された場合、前記表示部によって表示される警告を解除する警報解除部を、外部から操作可能な位置に有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の蓄電池管理装置。
【請求項7】
複数の単電池から構成される蓄電池と接続され、前記蓄電池に電力を供給する蓄電池管理装置における蓄電池管理方法であって、
放電部が、
前記単電池のうち任意の単電池に放電路を形成し、この放電路に所定の放電電流を供給し、
第1の検出部が、
前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電圧値を検出し、
第2の検出部が、
前記放電部により放電電流が供給された際の、前記単電池の電流値を検出し、
第1の判定部が、
前記第1の検出部により検出された前記電圧値に基づき算出される前記単電池の内部抵抗値と、所定の内部抵抗閾値を比較し、前記蓄電池の異常を判定し、
前記第2の検出部により検出された前記電流値と、所定の電流閾値を比較し、前記蓄電池管理部の異常を判定することを特徴とする蓄電池管理方法。
【請求項8】
第3の検出部は、
前記蓄電池の電圧値を検出し、
第2の判定部は、
前記第3の検出部により検出された前記電圧値に基づき、前記蓄電池の異常を判定することを特徴とする請求項7に記載の蓄電池管理方法。
【請求項9】
前記第1の判定部および前記第2の判定部は、
計時部により計測された時間情報に基づき、前記蓄電池の判定を所定のタイミングで複数回実行することにより、前記蓄電池の異常を判定することを特徴とする請求項8に記載の蓄電池管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−102727(P2011−102727A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257046(P2009−257046)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】