説明

蓄電装置及び車両

【課題】優れた蓄電素子の冷却構造を備えた蓄電装置を提供することを目的とする。
【解決手段】発電要素15を電池ケース11Dに収納した電池セル11を積層した蓄電モジュール12Aと、隣接する電池セル11の間に配置されるスペーサ部材13と、スペーサ部材13の内部に形成された収容部130Zに収容される冷却剤21とを有する蓄電装置。スペーサ部材13は、スペーサ本体部130と、電池ケース11Dの外面に沿って流れる空気の移動通路を形成する複数の突起部131〜135とを有する。収容部130Zは、スペーサ本体部130の内部に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子を積層した蓄電群を有する蓄電装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車、電気自動車などの駆動電源又は補助電源として、複数の蓄電素子を電気的に接続した蓄電群を有する蓄電装置が知られている。この種の蓄電装置として、特許文献1は、角型の蓄電素子と隔壁(スペーサ)とを交互に積層した電池モジュールを開示する。隔壁により、隣接する蓄電素子の間隔を一定に保つことができる。隔壁の端面には、蓄電素子の外面に沿って流れる空気の移動通路を形成するための複数の突起部が形成されている。
【0003】
特許文献2は、扁平型二次電池とこの扁平型二次電池を覆うカバーとの間に、冷却用の気体または液体または粉体またはゲルの何れかを収容した袋を介在させた二次電池のモジュール構造を開示する。
【0004】
特許文献3は、電池の温度が過剰に上昇したときに、その発生する高熱で隔壁が破れて上の空間の乾燥砂などが下の空間の高温電池の本体に降り注ぐ構造を備えた電池のモジュール構造を開示する。
【特許文献1】特開2007−48750号公報
【特許文献2】特開2003−303579号公報
【特許文献3】特開平8−339823号公報
【特許文献4】特開2006−4896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成において、過充電などにより蓄電素子の温度が上昇した場合には、移動通路を流れる空気のみでは蓄電素子を十分に冷却できなくなるおそれがある。そのため、発熱した蓄電素子の熱が他の蓄電素子に伝熱するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、優れた蓄電素子の冷却構造を備えた蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の蓄電装置は、(1)発電要素をケースに収納した蓄電素子を積層した蓄電群と、隣接する蓄電素子の間に配置されるスペーサ部材と、前記スペーサ部材の内部に形成された収容部に収容される冷却剤とを有することを特徴とする。
【0008】
(1)の構成によれば、スペーサ部材が破壊されると、収容部から冷却剤が流出して蓄電素子を冷却することができる。冷却剤はスペーサ部材の内部に収容されているため、蓄電装置の大型化を抑制できる。
【0009】
(2)(1)の構成において、前記スペーサ部材は、スペーサ本体部と、前記ケースの外面に沿って流れる空気の移動通路を形成する複数の突起部とを有し、前記収容部は、前記スペーサ本体部の内部に形成することができる。
【0010】
(2)の構成によれば、スペーサ本体部の内部に収容部を形成しているため、十分な量の冷却剤をスペーサ部材に収容しておくことができる。
【0011】
(3)(1)又は(2)の構成において、前記スペーサ部材は、樹脂から構成することができる。
【0012】
(3)の構成によれば、前記収容部を射出成型により簡単に成形することができる。
【0013】
(4)(1)〜(3)の構成において、前記冷却剤を液状に構成することができる。
【0014】
(4)の構成によれば、冷却性能の高い液体を用いて蓄電素子を十分に冷却することができる。
【0015】
(5)(1)〜(4)の構成において、前記発電要素からガスが発生するガス発生状態において、膨張するケースに圧縮されることにより前記収容部が破壊されて、前記冷却剤が前記ケースに接触することを特徴とする。
【0016】
(5)の構成によれば、前記ケースが膨張するという現象を利用して、冷却剤を流出させているため、ガスが発生するタイミングと冷却剤の流出タイミングとを容易に合わせることができる。
【0017】
(6)(5)の構成において、前記収容部には、破壊式の弁が形成されており、前記発電要素からガスが発生するガス発生状態において、前記弁が破壊されるように構成することができる。
【0018】
(6)の構成によれば、弁の位置に応じて冷却液の流出位置を容易に変更できるため、蓄電素子の全体を効果的に冷却することができる。
【0019】
(7)(1)乃至(6)のいずれかに記載の蓄電装置は車両に搭載することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、優れた蓄電素子の冷却構造を備えた蓄電装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0022】
本実施例の蓄電装置の構成を詳細に説明する。図1は蓄電装置の斜視図である。図2は、蓄電モジュールの分解斜視図である。図3は、蓄電装置の分解斜視図であり、吸気及び排気チャンバを省略して図示している。X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交する3軸である。本実施例の蓄電装置は、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車の駆動用または補助電源として用いることができる。
【0023】
これらの図において、蓄電装置1は、電池セル(蓄電素子)11をX軸方向に積層した蓄電モジュール(蓄電群)12Aと、電池セル11をX軸方向に積層した蓄電モジュール(蓄電群)12Bとを含む。蓄電モジュール12A及び12Bは、Y軸方向に並設されている。
【0024】
電池セル11は、角型形状の電池ケース(ケース)11Dを有しており、電池ケース11Dの内部には発電要素15が巻かれた状態で収納されている。発電要素15は、図4に示すように、正極体15Aと、負極体15Bと、正極体15A及び負極体15Bの間に配置されたセパレータ15Cとで構成されている。なお、図4は、発電要素15の概略図である。ここで、正極体15Aは、集電体と、集電体の表面に形成された正極層とで構成されている。正極層は、集電体の片面又は両面に形成することができる。正極層とは、正極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。
【0025】
また、負極体15Bは、集電体と、集電体の表面に形成された負極層とで構成されている。負極層は、集電体の片面又は両面に形成することができる。負極層とは、負極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。
【0026】
なお、集電体の一方の面に正極層を形成し、集電体の他方の面に負極層を形成した電極(いわゆるバイポーラ電極)を用いることもできる。
【0027】
ここで、電池セル11がニッケル−水素電池である場合には、正極層の活物質として、ニッケル酸化物を用い、負極層の活物質として、MmNi(5−x−y−z)AlMnCo(Mm:ミッシュメタル)等の水素吸蔵合金を用いることができる。また、電池セル11がリチウムイオン電池である場合には、正極層の活物質として、リチウム−遷移金属複合酸化物を用い、負極層の活物質として、カーボンを用いることができる。また、導電剤として、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブを用いることができる。
【0028】
電池セル11には、蓄電素子としてのキャパシタを用いることもできる。キャパシタは、活性炭と電解液との界面に発生する電気二重層を動作原理とした電気二重層キャパシタのことである。固体として活性炭、液体として電解液(希硫酸水溶液)を用いて、これを接触させるとその界面にプラス、マイナスの電極が極めて短い間隔を隔てて相対的に分布する。イオン性溶液中に一対の電極を浸して電気分解が起こらない程度に電圧を負荷させると、それぞれの電極の表面にイオンが吸着され、プラスとマイナスの電気が蓄えられる(充電)。外部に電気を放出すると、正負のイオンが電極から離れて中和状態に戻る。
【0029】
電池セル11のZ軸方向一端面には、突状の正極端子11A及び負極端子11BがY軸方向に並んで設けられている。X軸方向に隣接する電池セル11は、互いに正極端子11A及び負極端子11Bの向きがY軸方向において反対向きとなるように配列されている。また、Y軸方向に隣接する電池セル11は、互いに正極端子11A及び負極端子11Bの向きがY軸方向において同じ向きとなるように配列されている。
【0030】
正極端子11A及び負極端子11Bの間には、ガス放出弁11Cが形成されている(図2参照)。ガス放出弁11Cは、過充電などの際に発生したガスにより電池セル11の内圧が高まると破壊される。これにより、電池セル11の内部のガスが外部に放出され、電池セル11の内圧上昇を抑制できる。
【0031】
X軸方向に隣接する電池セル11の間には、スペーサ部材13が配置される。蓄電モジュール12AのX軸方向の両端部には、エンドプレート19Aが設けられている。アッパー拘束バンド16Aは、両端部が上下方向に折れ曲がった曲げ部160Aを有している。アッパー拘束バンド16Aは、蓄電モジュール12Aの外面のうち端子11A及び11Bが位置する側の面に沿ってX軸方向に延びている。アッパー拘束バンド16Aの曲げ部160Aは、エンドプレート19AのX軸方向の端面に沿ってZ軸方向に延びており、エンドプレート19Aに固定されている。
【0032】
ロア拘束バンド17Aは、両端部が上下方向に折れ曲がった曲げ部170Aを有している。ロア拘束バンド17Aは、蓄電モジュール12Aの外面のうち端子11A及び11Bが位置する側の面とは反対側の面に沿ってX軸方向に延びている。ロア拘束バンド17Aの曲げ部170Aは、エンドプレート19AのX軸方向の端面に沿ってZ軸方向に延びており、エンドプレート19Aに固定されている。ロア拘束バンド17Aは、アッパー拘束バンド16Aと対になって設けられている。
【0033】
曲げ部160A及び170Aの一部はそれぞれX軸方向において重なっており、この重なった部分をエンドプレート19Aにリベット止めすることにより、アッパー拘束バンド16A及びロア拘束バンド17Aを一体化して、エンドプレート19Aに固定することができる。これにより、蓄電モジュール12AをX軸方向に圧縮することができる。蓄電モジュール12Aを圧縮することにより、蓄電装置1の性能を維持することができる。
【0034】
エンドプレート19AのY軸方向の一端面には、その下端部に足部190Aが形成されている。足部190Aは、蓄電モジュール12Aに対してY軸方向に張り出している。足部190Aは、不図示のロアケースに載置される。足部190Aには、貫通穴191Aが形成されている。この貫通穴191Aに不図示の締結ボルトを締結することにより、前記ロアケース及び足部190Aを固定することができる。
【0035】
蓄電モジュール12BのX軸方向の両端部には、エンドプレート19Bが設けられている。アッパー拘束バンド16Bは、両端部が上下方向に折れ曲がった曲げ部160Bを有している。ロア拘束バンド17Bは、両端部が上下方向に折れ曲がった曲げ部170Bを有している。アッパー拘束バンド16Bの構成や組み付け方法は、アッパー拘束バンド16Aと同様であるため、詳細な説明を省略する。ロア拘束バンド17Bの構成や組み付け方法は、ロア拘束バンド17Aと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0036】
エンドプレート19BのY軸方向の一端面には、その下端部に足部190Bが形成されている。足部190Bは、蓄電モジュール12Bに対してY軸方向に張り出している。足部190Bは、不図示のロアケースに載置される。足部190Bには、不図示の貫通穴が形成されている。この貫通穴に不図示の締結ボルトを締結することにより、該ロアケース及び足部190Bを固定することができる。
【0037】
蓄電モジュール12A及び12Bは、不図示のアッパーケース及びロアケースからなる電池パックに収容される。前記ロアケースと蓄電モジュール12A及び12Bとの間には、絶縁シート24が配設されている。絶縁シート24により蓄電モジュール12A及び12Bの漏電を防止できる。
【0038】
蓄電モジュール12AのY軸方向の一端側には、吸気チャンバ31が取り付けられている。蓄電モジュール12BのY軸方向の一端側には、排気チャンバ32が取り付けられている。
【0039】
次に、スペーサ部材13の構成について説明する。スペーサ部材13は、X軸方向に隣接する電池セル11の間に配置される。図2に図示するように、スペーサ部材13は、スペーサ本体部130を含む。スペーサ本体部130は、平板状に形成されている。スペーサ本体部130は、樹脂からなる。
【0040】
スペーサ本体部130のY軸方向の一端面には、その下端部に足部130Xが形成されている。足部130Xは、前記ロアケースに載置されている。一部のスペーサ本体部130の足部130Xには、貫通穴部130Yが形成されている。この貫通穴部130Yに対して、不図示の締結ボルトを締結することにより、足部130Xを前記ロアケースに固定することができる。
【0041】
スペーサ本体部130のX軸方向(電池セル11の積層方向)の両端面には、第1〜第5の突起部131〜135がZ軸方向に並んで配列されている。第1〜第5の突起部131〜135の各間隔は、一定である。第1〜第5の突起部131〜135はそれぞれ、Y軸方向に延びており、Y軸方向の寸法が互いに同一である。第1〜第5の突起部131〜135をX―Z面で切断したときの断面形状は、矩形である。
【0042】
Z軸方向に隣接する第1〜第5の突起部131〜135の間の空間には、冷却用の空気を導通させる移動通路が形成される。吸気チャンバ31から流入する空気は、前記移動通路の内部を電池ケース11Dの外面に沿ってY軸方向に進む。これにより、蓄電モジュール12A及び12Bが冷却され、電池寿命を延ばすことができる。
【0043】
次に、図5を参照しながら、スペーサ部材13の内部構成について説明する。図5はスペーサ部材及びこれに当接する電池セルをX−Z面で切断したときの断面図であり、(A)は蓄電異常が起こる前の状態を図示しており、(B)は蓄電異常が起こった後の状態を図示している。
【0044】
図5(A)において、スペーサ本体部130の内部には、収容部130Zが形成されている。収容部130Zは、スペーサ本体部130の外面に沿って形成されている。収容部130Zには、冷却剤21が収容されている。
【0045】
冷却剤21には、比熱、熱伝導性及び沸点が高い絶縁性の液体を用いることができる。例えば、フッ素系不活性液体を使用することができる。フッ素系不活性液体としては、スリーエム社製フロリナート、Novec HFE(hydrofluoroether)、Novec1230を用いることができる。また、フッ素系不活性液体以外の液体(例えば、シリコンオイル)を用いることもできる。また、冷却剤21として、空気よりも熱伝導性が高い気体(冷却用のガス)を用いることもできる。
【0046】
本実施例の構成によれば、スペーサ部材13の内部に冷却剤21を収容しているため、冷却剤をスペーサ部材13の外部に設ける構成よりも、相対的に蓄電装置1を小型化することができる。また、スペーサ本体部130の内部に収容部130Zを形成することにより、十分な量の冷却剤21をスペーサ部材13に収容することができる。
【0047】
蓄電装置1の正常時には、吸気チャンバ31から流入する空気によって、蓄電モジュール12A及び12Bを適切な温度に制御することができる。しかしながら、過充電、過放電などにより蓄電異常が起こると、吸気チャンバ31から供給される空気のみでは、蓄電装置1を十分に冷却することができない。そのため、蓄電異常により発熱した電池セル11の熱が他の電池セル11に伝熱するおそれがある。そこで、本実施例では、下記の方法により電池セル11を冷却する。
【0048】
図5(A)に図示する構成において、過充電、過放電などにより発電要素15の電解液が電気分解してガスが発生すると、電池ケース11Dの内圧が上昇する。内圧上昇とともに、電池ケース11Dは徐々に膨張し、特に、電池ケース11Dの中央部がX軸方向に相対的に大きく膨張する。膨張した電池ケース11Dによって、スペーサ部材13は圧縮され、スペーサ部材13の中央部がX軸方向に相対的に大きく圧縮される。また、電池セル11の熱によってスペーサ部材13が熱溶融する場合もある。
【0049】
スペーサ部材13の変形量が大きくなると、図5(B)に図示するように、収容部130Zの一部が破損して、冷却剤21が噴出する。噴出した冷却剤21は、電池ケース11Dの外面に接触して、電池セル11を冷却する。これにより、蓄電異常により発熱した電池セル11の熱が他の電池セル11に伝熱するのを抑制できる。
【0050】
また、蓄電異常の際に、電池ケース11Dが膨張するという現象を利用して、冷却剤21を噴出させているため、蓄電異常が起こるタイミングと冷却剤21の噴出タイミングとを容易に合わせることができる。すなわち、冷却剤21の噴出タイミングを電気的に制御するなどの手間を省くことができる。
【0051】
(変形例)
上述の構成では、スペーサ本体部130に冷却剤21を収容したが、第1〜第5の突起部131〜135の内部に冷却剤21を収容することもできる。
【実施例2】
【0052】
次に、図6を参照しながら、実施例2のスペーサ部材について説明する。実施例1と同一の機能を有する部分には、同一符号を付している。図6は、図5に対応した断面図である。
【0053】
収容部130Zには、複数の破壊式の弁130Fが形成されている。各弁130Fは、第1〜第5の突起部131〜135に挟まれた空間(つまり、空気の移動通路)に対応した位置に形成されている。各弁130Fは、スペーサ部材130のX軸方向の厚みを一部薄くすることにより形成されている。
【0054】
図6(A)に図示する構成において、過充電、過放電などにより発電要素15の電解液が電気分解してガスが発生すると、電池ケース11Dの内圧が上昇する。内圧上昇とともに、電池ケース11Dは徐々に膨張し、特に、電池ケース11Dの中央部がX軸方向に相対的に大きく膨張する。膨張した電池ケース11Dによって、スペーサ部材13がX軸方向に圧縮され、収容部130Zの内圧が上昇する。
【0055】
収容部130Zの内圧がさらに上昇すると、図6(B)に図示するように、各弁130Fが破壊され、そこから冷却剤21が噴出する。噴出した冷却剤21は、電池ケース11Dの外面に接触して、電池セル11を冷却する。これにより、蓄電異常により発熱した電池セル11の熱が他の電池セル11に伝熱するのを抑制できる。
【0056】
また、破壊式の弁130Fを各突起部131〜135の間に対応した位置にそれぞれ設けることにより、電池セル11の全体を冷却することができる。すなわち、冷却剤21の流出位置が例えば1か所のみである場合には、電池セル11の冷却箇所が限定され、電池セル11を十分に冷却することができない。
【0057】
これに対して、各突起部131〜135に挟まれた空間に対応して弁130Fを形成することにより、電池セル11の全体を十分に冷却することができる。さらに、実施例1で説明した他の効果も得ることができる。弁130Fの位置は、電池セル11を冷却するという観点から適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】蓄電装置の斜視図である。
【図2】蓄電モジュールの分解斜視図である。
【図3】蓄電装置の分解斜視図である。
【図4】発電要素の概略図である。
【図5】蓄電素子及びスペーサ部材をX−Z面で切断したときの断面図であり、(A)は蓄電異常が起こる前の状態を図示しており、(B)は蓄電異常時の状態を図示している。
【図6】実施例2の蓄電素子及びスペーサ部材をX−Z面で切断したときの断面図であり、(A)は蓄電異常が起こる前の状態を図示しており、(B)は蓄電異常時の状態を図示している。
【符号の説明】
【0059】
11 電池セル
11D 電池ケース
12A、12B 蓄電モジュール
13 スペーサ部材
15 発電要素
21 冷却剤
130 スペーサ本体部
131〜135 第1〜第5の突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電要素をケースに収納した蓄電素子を積層した蓄電群と、
隣接する蓄電素子の間に配置されるスペーサ部材と、
前記スペーサ部材の内部に形成された収容部に収容される冷却剤とを有することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記スペーサ部材は、スペーサ本体部と、前記ケースの外面に沿って流れる空気の移動通路を形成する複数の突起部とを有し、前記収容部は、前記スペーサ本体部の内部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記スペーサ部材は、樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記冷却剤は、液状であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記発電要素からガスが発生するガス発生状態において、膨張するケースに圧縮されることにより前記収容部が破壊されて、前記冷却剤が前記ケースに接触することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記収容部には、破壊式の弁が形成されており、前記発電要素からガスが発生するガス発生状態において、前記弁が破壊されることを特徴とする請求項5に記載の蓄電装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の蓄電装置を搭載した車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−301969(P2009−301969A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157413(P2008−157413)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】