説明

蓋可動装置

【課題】可動蓋が開口部から張り出すのを抑制することが可能な蓋可動装置を得る。
【解決手段】本体部2に、開口部2aの縁2eに略沿って前方側から後方側にかけて略直線状に伸びる横レールとしての長穴4aと、内室2bの後方側で当該内室2bの深さ方向(上下方向)に略沿って伸びる縦レールとしての長穴4bと、を設け、可動蓋3に、開口部2aを閉じた姿勢で前方側となる位置に長穴4aに沿って案内される横スライダとしての突起3cを設けるとともに、開口部2aを閉じた姿勢で突起3cに対して後方側となる位置に長穴4bに沿って案内される縦スライダとしての突起3dを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋可動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可動蓋を設けた車室内用のカップホルダが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−87168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1のカップホルダでは、開閉する際に可動蓋が開口部より大きく外側に張り出すため、美観が損なわれるとともに、可動蓋が他の部品等と干渉するような場合には当該可動蓋を採用できなくなる虞もあった。
【0004】
そこで、本発明は、可動蓋が開口部から張り出すのを抑制することが可能な蓋可動装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明にあっては、本体部に形成された内室の開口部を覆う可動蓋の相互に対向する端辺部のうち一方側を他方側に移動させて、上記可動蓋を上記内室の上記他方側の側面に沿う姿勢で格納する蓋可動装置であって、上記本体部に、上記開口部の縁に略沿って上記一方側から他方側にかけて略直線状に伸びる横レールと、上記内室の上記他方側で上記内室の深さ方向に略沿って伸びる縦レールと、を設け、上記可動蓋に、上記開口部を閉じた姿勢で上記一方側となる位置に上記横レールに沿って案内される横スライダを設けるとともに、上記開口部を閉じた姿勢で上記横スライダに対して上記他方側となる位置に上記縦レールに沿って案内される縦スライダを設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明にあっては、上記本体部に回動可能に軸支され、その回動に伴って横スライダを押す横スライド補助部材と、上記本体部に回動可能に軸支され、その回動に伴って縦スライダを押す縦スライド補助部材と、上記横スライド補助部材と上記縦スライド補助部材とを連動させる連動機構と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明にあっては、上記本体部に、上記横スライド補助部材および上記縦スライド補助部材のうちいずれか一方を駆動する駆動機構を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明にあっては、上記横スライダおよび上記縦スライダのうち少なくともいずれか一方を、対応するレールに沿って転動可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、横スライダが開口部の縁に略沿って伸びる横レールに沿って移動するとともに、縦スライダが深さ方向に略沿って伸びる縦レールに沿って移動するため、開閉の際に可動蓋が開口部の外方に大きく張り出すのを抑制することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、連動機構を介して相互に連動される横スライド補助部材および縦スライド補助部材を設けたことで、可動蓋をより円滑に開閉させることができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、連動機構を設けたため、一つの駆動機構を備える比較的簡素な構成によって、横スライダと縦スライダの双方に対してスライド力を与えることが可能となる。
【0012】
請求項4の発明によれば、横スライダまたは縦スライダを転動可能とすることで、フリクションを低減して、可動蓋をより円滑に開閉させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す複数の実施形態および実施例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素については共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。また、各図中、UPは上下方向、FRは車両前後方向、WDは車幅方向を示す。
【0014】
(第1実施形態)図1は、本実施形態にかかる蓋可動装置を備えた車室内用蓋付きボックスの斜視図であって、可動蓋を閉じた状態を示す図、図2は、車室内用蓋付きボックスの斜視図であって、可動蓋を開いた状態を示す図、図3は、蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の閉状態を示す図、図4は、蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開状態を示す図、図5は、蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開閉軌跡を示す図、図6は、図3のVI−VI断面図である。
【0015】
本実施形態にかかる蓋可動装置としての車室内用蓋付きボックス1は、例えば、自動車の前席(運転席および助手席)間のコンソール等に設けられ、小物入れや、カップホルダ、灰皿等として利用されるものである。
【0016】
本体部2は、上方に向けて開口する開口部2aを有する内室2bを備えて容器状に形成され、車室内で車体に固定されるとともに、可動蓋3を移動可能に支持している。
【0017】
可動蓋3は、図1および図3に示す閉状態から、前後方向に相互に対向する一対の端辺部3a,3bのうち前方側の端辺部3aを後方側に移動させることで、図2および図4に示す開状態となる。開状態では、可動蓋3は、本体部2の内室2bの後方側の側面2cに沿う姿勢で、内室2b内に収容(格納)されるようになっている。
【0018】
可動蓋3を移動可能に支持するため、本体部2の一対の側壁2d,2dには、横レールとしての長穴4aと、縦レールとしての長穴4bとを設けてあり、これら長穴4a,4bに、可動蓋3から側方に向けて突出する突起3c,3dをスライド可能に挿通させてある。本実施形態では、長穴4aに挿通される突起3cが横スライダに相当し、長穴4bに挿通される突起3dが縦スライダに相当する。図3に示すように、突起3cは、可動蓋3の左右両側で、前方側の端辺部3aの近傍となる位置に設けられており、突起3dは、閉状態で突起3cの後方側に離間して設けてある。そして、突起3cを長穴4aの前端部分に挿通し、突起3dを長穴4bの上端部分に挿通してある。なお、図3〜6では、左側の構成のみ示すが、右側も勝手違いの同様の構造となっている。
【0019】
そして、横レールとしての長穴4aは、開口部2aの縁(本実施形態では左右の縁)2eに沿って略直線状に伸びており、縦レールとしての長穴4bは、内室2bの深さ方向に沿って長穴4aと垂直に略直線状に伸びている。なお、本実施形態では、長穴4a,4bは繋がっている。
【0020】
可動蓋3を図1および図3に示す閉状態から図2および図4に示す開状態へ移動させる際(すなわち可動蓋3を開ける際)には、図5に示すように、長穴4aに挿通された突起3cは、当該長穴4aにガイドされつつその前端部分から後端部分に向けて移動し、長穴4bに挿通された突起3dは、当該長穴4bにガイドされつつその上端部分から下端部分に向けて移動する。一方、図2および図4に示す閉状態から図1および図3に示す開状態へ移動する際(すなわち可動蓋3を閉じる際)には、可動蓋3および突起3c,3dは、開く際と同じ軌跡で逆方向に移動する。
【0021】
よって、上記構成によれば、図5に示すように、可動蓋3の前方側の端辺部3aまたはその近傍に配置される突起3cが、開口部2aの縁2eに略沿って直線状に伸びる長穴4aに沿って移動するため、可動蓋3(の端辺部3a)が開口部2aの外方(本実施形態では上方)へ大きく張り出すのが抑制される。
【0022】
また、本実施形態では、可動蓋3の移動をより円滑に行わせるため、本体部2に回動可能に軸支されて横スライダとしての突起3cを押す横スライド補助部材としてのアーム5aと、本体部2に回動可能に軸支されて縦スライダとしての突起3dを押す縦スライド補助部材としてのアーム5bとを設けてある。突起3c,3dは、それぞれ対応するアーム5a,5bに形成された長穴5c,5cに挿通されており、突起3c,3dは長穴5c,5cの側面から押されながら、当該長穴5c,5cに沿って移動するようになっている。すなわち、本実施形態では、これら突起3c,3dと長穴5cを有するアーム5a,5bとによって、突起3c,3dの直動(往復動)とアーム5a,5bの回動との間で動作を相互に変換する動作変換機構が構築されている。なお、長穴5cに替えて、当該長穴5cのアーム5a,5bの先端部を開放したアーム5a,5bの径方向に略沿って伸びる細長い切欠を形成してもよい。
【0023】
さらに、本実施形態では、これらアーム5a,5bを相互に連動させるため、アーム5aに固定したギヤ6aと、アーム5bに固定したギヤ6bとを相互に噛合させて連動機構6を形成してある。
【0024】
かかる構成により、突起3c,3dのうち一方の動きを、アーム5a,5bおよび連動機構6を介して他方に伝達することができるため、突起3c,3dを長穴4a,4b内でより円滑にスライドさせることができるようになる。その具体例について、図3および図4を参照して説明すると、例えば、図3の閉状態から可動蓋3を開ける際、使用者は、可動蓋3に例えば凸条として形成された操作部3fを手指等で後方(開放方向、図3では右側)に動かす。すると、突起3cが後方へ移動する力がアーム5aに伝達されて当該アーム5aが時計回り方向へ回動し、その回動が連動機構6を介してアーム5bに伝達されてアーム5bが反時計回りに回動する。このとき、突起3dがアーム5bの長穴5cの上方側(開方向手前側)の縁に接触していたとすると、アーム5bから突起3dが下方へ向けて力を受けることになる。したがって、突起3dが長穴4bの側面に押し付けられて下方へ動きにくくなるのが抑制され、ひいては、可動蓋3のより円滑な開動作が実現される。
【0025】
また、図3,図4,図6に示すように、本実施形態では、アーム5aを本体部2に対して反時計回り方向へ付勢する付勢機構としてのコイルスプリング7を設けてある。このコイルスプリング7によって、アーム5aは反時計回りに付勢され、これにより可動蓋3は閉方向へ付勢される。本実施形態では、コイルスプリング7が駆動機構に相当する。
【0026】
さらに、図3,図4に示すように、本実施形態では、可動蓋3を開状態で本体部2に対して固定的に保持するロック機構8を設けてある。このロック機構8は、可動蓋3の開方向の奥側(本実施形態では可動蓋3の開状態で下方側、閉状態で後方側)に設けた突起3eを当該奥側へ押し込むことでこれを保持し、可動蓋3を開状態で当該奥側(下方側)へ再度押し込むことで突起3eの保持を解除するように構成されている。
【0027】
したがって、本実施形態では、図4の開状態で可動蓋3を下方へ押し込むと、ロック機構8による可動蓋3のロックが解除され、コイルスプリング7の付勢力によって可動蓋3は図3の閉位置へと戻ることになる。このとき、連動機構6によってアーム5bがアーム5aに連なって回動するため、突起3cは付勢力によって反時計回りに回動するアーム5aによって前方(図3,図4の左方)へ押されるとともに、突起3dが長穴5cの下方側(閉方向手前側)の縁に接触していたとすると、当該突起3dは時計回りに回動するアーム5bによって上方(図3,図4の上方)へ押されることになる。
【0028】
このように、突起3c,3dは、対応するアーム5a,5bによって、それぞれ往復動方向に押されるようになっている。したがって、可動蓋3をより円滑に開閉させることができる。
【0029】
また、本実施形態では、可動蓋3が図4に示す閉状態にあるとき、突起3dは、上下に伸びる長穴4b内で、重力によって、下向きの力、すなわち他方側へ移動しようとする力を受けるが、突起3dは、コイルスプリング7によって付勢されるアーム5bによって支持され、落下するのが抑制されている。
【0030】
さらに、本実施形態では、アーム5a,5bおよびギヤ6a,6bの回動軸心C1,C2を、対応する長穴4a,4bの長手方向中央位置に対して側方となる位置に設定するとともに、回動軸心C1,C2の対応する長穴4a,4bからの距離r1,r2を同じに設定することで、突起3cの移動に伴うアーム5aの回動角度の変化と、突起3dの移動に伴うアーム5bの回動角度の変化とが、同じになるようにしてある。したがって、連動機構6によって連動しながら突起3c,3dの双方を押すことが可能な構成を、比較的容易に構築することができる。
【0031】
また、図3,図4に示すように、本実施形態では、二つのギヤ6a,6bのうち一方のギヤ6bに噛み合うギヤ9aと粘性流体収容部9bとを有するダンパ機構9を設けることで、可動蓋3の移動速度の急変を抑制し、可動蓋3が本体部2に突き当たって音が生じたり、使用者が可動蓋3の動作に違和感を覚えたりするのを抑制している。
【0032】
以上、説明したように、本実施形態では、本体部2に、開口部2aの縁2eに略沿って前方側から後方側にかけて略直線状に伸びる横レールとしての長穴4aと、内室2bの後方側で当該内室2bの深さ方向(本実施形態では上下方向)に略沿って伸びる縦レールとしての長穴4bと、を設け、可動蓋3に、開口部2aを閉じた姿勢で前方側となる位置に長穴4aに沿って案内される横スライダとしての突起3cを設けるとともに、開口部2aを閉じた姿勢で突起3cに対して後方側となる位置に長穴4bに沿って案内される縦スライダとしての突起3dを設けた。よって、突起3cが開口部2aの縁2eに略沿って伸びる長穴4aに沿って移動するとともに、突起3dが深さ方向に略沿って伸びる長穴4bに沿って移動することになるため、開閉の際に可動蓋3が開口部2aの外方(本実施形態では上方)に大きく張り出すのを抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態では、本体部2に回動可能に軸支され、その回動に伴って突起3cを押す横スライド補助部材としてのアーム5aと、本体部2に回動可能に軸支され、その回動に伴って縦スライダとしての突起3dを押す縦スライド補助部材としてのアーム5bと、アーム5aとアーム5bとを連動させる連動機構6と、を設けた。よって、連動機構6を介して相互に連動されるアーム5a,5bを設けたことで、可動蓋3をより円滑に開閉させることができる。
【0034】
さらに、本実施形態では、本体部2に、アーム5a,5bのうちいずれか一方(本実施形態ではアーム5a)を駆動する駆動機構としてのコイルスプリング7を設けた。連動機構6を設けた分、一つのコイルスプリング7を備える比較的簡素な構成によって、突起3c,3dの双方に対してスライド力を与えることが可能となる。
【0035】
(第2実施形態)図7は、本実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の閉状態を示す図、図8は、蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開状態を示す図である。なお、図7,図8では、左側の構成のみ示すが、右側も勝手違いの同様の構造となっている。
【0036】
本実施形態にかかる蓋可動装置としての車室内用蓋付きボックス1Aは、連動機構6Aの構成が上記第1実施形態と相違しており、この連動機構6Aを除く他の部分は、上記第1実施形態と同様の構成となっている。
【0037】
すなわち、本実施形態にかかる連動機構6Aは、アーム5aに固定されたギヤ6a、このギヤ6aに噛み合うギヤ6c、ギヤ6cに固定されたプーリ6d、アーム5bに固定されたプーリ6e、ならびにプーリ6d,6e間に掛回された弾性体からなる無端ベルト6f、を備えている。
【0038】
本実施形態でも、アーム5a,5bは相互に逆方向に回動する。そして、ギヤ6a,6cの歯数やプーリ6d,6eの径を適宜に調整することで、突起3cの移動に伴うアーム5aの回動角度の変化と、突起3dの移動に伴うアーム5bの回動角度の変化とが、同じになるようにしてある。したがって、可動蓋3は、上記第1実施形態にかかる図6と同様の軌跡で開閉することになる。
【0039】
上記本実施形態では、アーム5a,5b間に、弾性体からなる無端ベルト6fを介在させている。したがって、無端ベルト6fの伸縮(弾性変形)によって、各部のがたつきを吸収することができ、突起3cがアーム5aによって押されるとともに突起3dがアーム5bによって押される状態を、比較的簡単な構成によって得ることができる。
【0040】
(第3実施形態)図9は、本実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の閉状態を示す図、図10は、蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開状態を示す図、図11は、蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開閉軌跡を示す図である。なお、図9〜図11では、左側の構成のみ示すが、右側も勝手違いの同様の構造となっている。
【0041】
本実施形態にかかる蓋可動装置としての車室内用蓋付きボックス1Bは、アーム5bを備えず、アーム5aのみ備えている。
【0042】
また、突起3c,3dには、長穴4a,4bに沿って転動可能なカラー3gを設け、長穴4a,4bに沿って移動する際の抵抗を減らしてある。
【0043】
また、付勢機構および駆動機構としてのコイルスプリング7Bを、アーム5aを、上記第1および第2実施形態とは逆方向(すなわち図9および図10の時計回り方向)に付勢するように構成して、可動蓋3Bに対して、開方向の付勢力が与えられるようにしてある。
【0044】
ロック機構8は、可動蓋3Bの閉方向の奥側(本実施形態では可動蓋3の閉状態で前方側、開状態で上方側)に設けた突起3eを当該奥側へ押し込むことでこれを保持し、可動蓋3を閉状態で当該奥側へ再度押し込むことで突起3eの保持を解除するように構成されている。
【0045】
また、長穴4bには、可動蓋3Bの閉状態で突起3dが重力によって下方へ落ちるのを抑制すべく、突起4cを設けてある。図9および図10に示すように、本実施形態では、長穴4a,4bは独立して形成されており、その分、本体部2Bの剛性および強度が向上している。
【0046】
かかる構成では、図9の状態で可動蓋3Bを前方へ押し込むと、ロック機構8による可動蓋3Bのロックが解除される。すると、コイルスプリング7の付勢力によってアーム5aが時計回りに回動し、このアーム5aによって突起3cが開方向奥側(本実施形態では後方側)へ押され、図10に示すように可動蓋3Bが開く。一方、可動蓋3Bを閉じる際には、操作部3fを手指で引き上げてさらに前方に移動させて、可動蓋3Bを閉じる。可動蓋3Bの開閉に際し、本実施形態では、突起3c,3dがカラー3gを有しているため、長穴4a,4bに沿ってより円滑に移動することができ、可動蓋3Bはより円滑に図11に示す軌跡で開閉することができる。
【0047】
以上の本実施形態によれば、突起3c,3dを、対応する長穴4a,4bに沿って転動可能に構成した。よって、可動蓋3Bが移動する際のフリクションを低減して、可動蓋3Bをより円滑に開閉させることができる。なお、本実施形態の構成では、アーム5aによって駆動されず上下方向に移動する突起3dのみを転動可能に構成してもよい。
【0048】
また、アーム5bを省略した分、部品点数を減らして、構成を簡素化するとともに、製造コストおよび製造の手間を減らすことができる。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、内室が上方へ向けて開放された蓋可動装置について例示したが、開口部の開口方向は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。また、可動蓋の移動方向も、水平方向(前後方向)には限定されない。
【0050】
また、上記実施形態では、可動蓋を駆動する駆動機構としてねじりバネとして機能するコイルスプリングを設けたが、これには限定されず、引張バネあるいは圧縮バネとして機能するコイルスプリングを設けてもよいし、エラストマその他の弾性体等による付勢機構を設けてもよい。あるいはモータ等によって可動蓋を駆動してもよい。また、開方向に駆動するか、閉方向に駆動するかは、適宜に変更可能である。
【0051】
また、レールは、長穴には限定されず、溝や凸条などとして構成することも可能であるし、スライダもそのレールに沿ってスライド可能な構成であればよく、突起には限定されない。また、スライダを押すスライド補助部材のスペック(位置、形状、大きさ等)も、上記実施形態には限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態にかかる蓋可動装置を備えた車室内用蓋付きボックスの斜視図であって、可動蓋を閉じた状態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる蓋可動装置を備えた車室内用蓋付きボックスの斜視図であって、可動蓋を開いた状態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の閉状態を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開状態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開閉軌跡を示す図である。
【図6】図3のVI−VI断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の閉状態を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開状態を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の閉状態を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開状態を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態にかかる蓋可動装置の側面図であって、可動蓋の開閉軌跡を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1,1A,1B 車室内用蓋付きボックス(蓋可動装置)
2,2B 本体部
2a 開口部
2b 内室
2c 側面
2e 縁
3,3B 可動蓋
3a (一方側の)端辺部
3c 突起(横スライダ)
3d 突起(縦スライダ)
4a 長穴(横レール)
4b 長穴(縦レール)
5a アーム(横スライド補助部材)
5b アーム(縦スライド補助部材)
6,6A 連動機構
7,7B コイルスプリング(駆動機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部に形成された内室の開口部を覆う可動蓋の相互に対向する端辺部のうち一方側を他方側に移動させて、前記可動蓋を前記内室の前記他方側の側面に沿う姿勢で格納する蓋可動装置であって、
前記本体部に、前記開口部の縁に略沿って前記一方側から他方側にかけて略直線状に伸びる横レールと、前記内室の前記他方側で前記内室の深さ方向に略沿って伸びる縦レールと、を設け、
前記可動蓋に、前記開口部を閉じた姿勢で前記一方側となる位置に前記横レールに沿って案内される横スライダを設けるとともに、前記開口部を閉じた姿勢で前記横スライダに対して前記他方側となる位置に前記縦レールに沿って案内される縦スライダを設けたことを特徴とする蓋可動装置。
【請求項2】
前記本体部に回動可能に軸支され、その回動に伴って横スライダを押す横スライド補助部材と、
前記本体部に回動可能に軸支され、その回動に伴って縦スライダを押す縦スライド補助部材と、
前記横スライド補助部材と前記縦スライド補助部材とを連動させる連動機構と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の蓋可動装置。
【請求項3】
前記本体部に、前記横スライド補助部材および前記縦スライド補助部材のうちいずれか一方を駆動する駆動機構を設けたことを特徴とする請求項2に記載の蓋可動装置。
【請求項4】
前記横スライダおよび前記縦スライダのうち少なくともいずれか一方を、対応するレールに沿って転動可能に構成したことを特徴とする請求項2または3に記載の蓋可動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−137765(P2010−137765A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317178(P2008−317178)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】