説明

蓋材

【課題】 本発明は、電子レンジでの使用も可能であって、光を殆ど透過させず、食品用容器内に収納した食品の変質を防止することができる蓋材を提供する。
【解決手段】 本発明の蓋材Aは、食品用容器Bの開口部を閉止するための蓋材であって、基材フィルム1の一面に、遮光層2、第一隠蔽層3、及び、表面フィルム4がこの順序で積層一体化されていると共に、基材フィルムの他面に第二隠蔽層5が積層一体化されているので、電子レンジを用いた場合にあっても火花などは発生せず、食品用容器内の食品を円滑に加熱することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用容器の開口部を閉止するための蓋材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙製の食品用容器中に食品を収納し、食品用容器の上端開口部を蓋材によって剥離可能に閉止した上で販売されている。このような蓋材としては、食品容器に熱圧着されるシート状の食品容器用蓋材であり、裏面側にシーラント層が備えられていると共に表面側に透明樹脂層が備えられ、外透明樹脂層上にアルミニウムなどの金属薄膜からなる被覆層が積層されている食品容器用蓋材が提供されている。
【0003】
しかしながら、食品用容器中の食品を温めるために電子レンジを用いることが多く、このような場合において、蓋材にアルニニウムなどの金属被膜が含まれていると、電子レンジ内において火花が発生するといった問題を有していた。
【0004】
【特許文献1】特開2006−103764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電子レンジでの使用も可能であって、光を殆ど透過させず、食品用容器内に収納した食品の変質を防止することができる蓋材に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の蓋材Aは、図1に示したように、基材フィルム1の一面に、遮光層2、第一隠蔽層3、及び、表面フィルム4がこの順序で積層一体化されていると共に、基材フィルム1の他面に第二隠蔽層5が積層一体化されている。
【0007】
上記基材フィルム1としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、セロファンなどが挙げられ、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
【0008】
基材フィルム1の一面には遮光層2が積層一体化されている。この遮光層2は、光を遮断することができればよく、黒色着色剤とバインダーとを含有していることが好ましい。このような黒色着色剤としては、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、松煙、黒鉛などが挙げられ、カーボンブラックが好ましい。
【0009】
遮光層2は、黒色着色剤を含有することによって優れた遮光性を発揮し、外部からの光が食品容器内に入射して食品容器内に収納した食品が変質するのを防止することができる。
【0010】
遮光層2を構成するバインダーとしては、特に限定されず、例えば、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、尿素メラミン系樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどが挙げられ、ポリウレタン系樹脂が好ましい。
【0011】
遮光層2中における黒色着色剤の含有量は、少ないと、蓋材の遮光性が不充分となることがあり、多いと、流動性悪化に伴う分散不良により隠蔽度にばらつきが生じることがあるので、35〜45重量%が好ましい。
【0012】
上記遮光層2の一面には第一隠蔽層3が積層一体化されている。この第一隠蔽層3は、遮光層2が外部から視認できないようにするためのものであって、白色着色剤とバインダーとを含有していることが好ましい。白色着色剤としては、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、鉛白などが挙げられ、二酸化チタンが好ましい。なお、バインダーは、遮光層2を構成しているバインダーと同様のものを用いることができるので、その説明を省略する。
【0013】
第一隠蔽層3中における白色着色剤の含有量は、少ないと、遮光層2を完全に隠蔽することができず、遮光層2が外部から視認可能となる虞れがあり、多いと、遮光層2と第一隠蔽層3との間の一体化が不充分となって、遮光層2と第一隠蔽層3との間に層間剥離が生じる虞れがあるので、72〜80重量%が好ましい。
【0014】
ここで、第一隠蔽層3は単層であってもよいが、単層であると、遮光層2の隠蔽性が低下することがあり、そこで、第一隠蔽層3の厚みを厚くすることも考えられるが、第一隠蔽層3が単層であって厚みが厚い場合には、第一隠蔽層3に過度な折り曲げ応力などが加わった時に亀裂が生じ易くなり、遮光層2の隠蔽効果が損なわれることがある。
【0015】
そこで、第一隠蔽層3は、複数の第一隠蔽基層を積層一体化させてなるものが好ましい。このように、第一隠蔽層3を複数の第一隠蔽基層から形成することによって各第一隠蔽基層の厚みを薄くすることができ、第一隠蔽基層に折り曲げ応力などが加わった場合にあっても、第一隠蔽基層に亀裂などが生じることはなく、遮光層2を確実に隠蔽することができる。
【0016】
ここで、第一隠蔽層3を複数の第一隠蔽基層から形成するにあたって、全ての第一隠蔽基層の白色着色剤の含有量を多くしてもよいが、白色着色剤の含有量が多いと、第一隠蔽基層同士の積層一体化が不充分なことがあり、第一隠蔽基層間において層間剥離を生じ易くなることがある。
【0017】
そこで、第一隠蔽層3を構成する第一隠蔽基層を、白色着色剤の含有量の多くてバインダー量の少ない第一濃隠蔽基層31と、白色着色剤の含有量の少なくてバインダー量の多い第一淡隠蔽基層32とを交互に積層一体化させることが好ましい。
【0018】
更に、第一隠蔽層3を三層の隠蔽基層から形成する場合には、第一濃隠蔽基層31の数を増やしたいことから、二層の第一濃隠蔽基層31、31間に第一淡隠蔽基層32を介在させた状態で三層の隠蔽基層31、32、31を積層一体化させることが好ましい。
【0019】
このように構成することによって、第一濃隠蔽基層31と第一淡隠蔽基層32とを互いに強固に積層一体化させることができると共に、第一隠蔽層3全体の耐折曲性も向上させることができ、種々の状況下において第一隠蔽層3で確実に遮光層2を隠蔽することができる。
【0020】
第一濃隠蔽基層31中における白色着色剤の含有量は、少ないと、遮光層2が外部から視認可能となる虞れがあり、多いと、インキ塗膜の強度が不足することがあるので、77〜80重量%が好ましい。
【0021】
第一淡隠蔽基層32中における白色着色剤の含有量は、少ないと、遮光層2が外部から視認可能となる虞れがあり、多いと、バインダー不足による積層一体化が不十分となることがあるので、72〜76重量%が好ましい。
【0022】
このように、第一隠蔽層3を複数の第一隠蔽基層31、32から形成し、第一濃隠蔽基層31と第一淡隠蔽基層32とを交互に積層一体化させることによって、遮光層2を確実に隠蔽することができる。更に、第一隠蔽基層31、32の厚みも薄くすることができ、第一隠蔽基層31、32に折り曲げ応力などが加わった場合にあっても、第一隠蔽基層31、32に亀裂などが生じることはなく、遮光層2を確実に隠蔽することができる。
【0023】
更に、第一隠蔽層3の一面には表面フィルム4が積層一体化されている。この表面フィルム4は、第一隠蔽層3が外部との摩擦によって損なわれるのを防止していると共に、蓋材の外観性を向上させている。
【0024】
この表面フィルム4は、使用状況下において生じる摩擦力に耐えることができる程度の強度を有しておればよく、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、セロファンなどが挙げられ、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
【0025】
表面フィルム4の内面、即ち、第一隠蔽層3に対向する面には、汎用の要領でもって図柄や文字を印刷して印刷層を形成しておいてもよい。基材フィルムの内面に印刷層を形成する場合には透過性を有する必要があり、基材フィルムは透明であることが好ましく、無色透明であることがより好ましい。
【0026】
又、基材フィルム1の他面にも遮光層2を隠蔽するための第二隠蔽層5が積層一体化されている。第二隠蔽層5は単層であってもよいが、単層であると、遮光層2の隠蔽性が低下することがあり、そこで、第二隠蔽層5の厚みを厚くすることも考えられるが、第二隠蔽層5が単層であって厚みが厚い場合には、第二隠蔽層5に過度な折り曲げ応力などが加わった時に亀裂が生じ易くなり、遮光層2の隠蔽効果が損なわれることがある。
【0027】
そこで、第二隠蔽層5は、複数の隠蔽基層を積層一体化させてなるものが好ましい。このように、第二隠蔽層5を複数の第二隠蔽基層から形成することによって各第二隠蔽基層の厚みを薄くすることができ、第二隠蔽基層に折り曲げ応力などが加わった場合にあっても、第二隠蔽基層に亀裂などが生じることはなく、遮光層2を確実に隠蔽することができる。
【0028】
ここで、第二隠蔽層5を複数の第二隠蔽基層から形成するにあたって、全ての第二隠蔽基層の白色着色剤の含有量を多くしてもよいが、白色着色剤の含有量が多いと、第二隠蔽基層同士の積層一体化が不充分なことがあり、第二隠蔽基層間において層間剥離を生じ易くなることがある。
【0029】
そこで、第二隠蔽層5を構成する隠蔽基層を、白色着色剤の含有量の多くてバインダー量の少ない第二濃隠蔽基層51と、白色着色剤の含有量の少なくてバインダー量の多い第二淡隠蔽基層52とを交互に積層一体化させることが好ましく、第二濃隠蔽基層51を基材フィルム1の他面に積層一体化し、第二濃隠蔽基層51上に第二淡隠蔽基層52を積層一体化させることが好ましい。
【0030】
このように構成することによって、第二濃隠蔽基層51と第二淡隠蔽基層52とを互いに強固に積層一体化させることができると共に、第二隠蔽層5全体の耐折曲性も向上させることができ、種々の状況下において第二隠蔽層5で確実に遮光層2を隠蔽することができる。
【0031】
第二濃隠蔽基層51中における白色着色剤の含有量は、少ないと、遮光層2が外部から視認可能となる虞れがあり、多いと、インキ塗膜の強度が不足することがあるので、77〜80重量%が好ましい。
【0032】
第二淡隠蔽基層52中における白色着色剤の含有量は、少ないと、遮光層2が外部から視認可能となる虞れがあり、多いと、バインダー不足による積層一体化が不十分となることがあるので、72〜76重量%が好ましい。
【0033】
このように、第二隠蔽層5を複数の第二隠蔽基層51、52から形成し、第二濃隠蔽基層51と第二淡隠蔽基層52とを積層一体化させることによって、遮光層2を確実に隠蔽することができる。更に、第二隠蔽基層51、52の厚みも薄くすることができ、第二隠蔽基層51、52に折り曲げ応力などが加わった場合にあっても、第二隠蔽基層51、52に亀裂などが生じることはなく、遮光層2を確実に隠蔽することができる。
【0034】
次に、上記蓋材を製造する要領について説明する。先ず、表面フィルム4を用意し、この表面フィルム4の他面に必要に応じて公知の要領にて印刷を施して印刷層を形成する。
【0035】
しかる後、表面フィルム4の他面に、第一隠蔽層3を形成し得るインキ、好ましくは、上記白色着色剤、バインダー及び溶剤を含有する白色インキを塗布、乾燥させて第一隠蔽層3を形成する。インキを塗布するには、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などの汎用の手段を用いればよい。
【0036】
白色インキを構成するバインダーとしては、特に限定されず、従来からインキに用いられているものが用いられ、例えば、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、尿素メラミン系樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどが挙げられ、ポリウレタン系樹脂が好ましい。
【0037】
上記溶剤としては、特に限定はされず、バインダーと白色着色剤の種類に合わせて適宜選択すればよく、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロピルアルコールなどが挙げられる。
【0038】
第一隠蔽層3を第一濃隠蔽基層31と第一淡隠蔽基層32とを交互に積層一体化させてなる場合は、第一濃隠蔽基層31を構成し得るインキと、第一淡隠蔽基層32を構成し得るインキとを交互に塗布、乾燥させればよい。
【0039】
第一濃隠蔽基層31を構成し得る白色インキ中における白色着色剤の含有量は、少ないと、遮光層の隠蔽性が低下して外部から遮光層が視認される虞れがあり、多いと、遮光層又は第一淡隠蔽基層との間において層間剥離を生じる虞れがあるので、33〜40重量%が好ましい。
【0040】
又、第二淡隠蔽基層32を構成し得る白色インキ中における白色着色剤の含有量は、少ないと、遮光層の隠蔽性が低下して外部から遮光層が視認される虞れがあり、多いと、第一濃隠蔽基層と第一淡隠蔽基層の間において層間剥離を生じる虞れがあるので、25〜32重量%が好ましい。
【0041】
次に、第一隠蔽層3上に、遮光層2を形成し得るインキ、好ましくは、上記黒色着色剤、バインダー及び溶剤を含有する黒色インキを塗布、乾燥させて遮光層2を形成して第一積層シートを作製する。インキを塗布するには、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などの汎用の手段を用いればよい。
【0042】
一方、基材フィルム1を用意し、この基材フィルム1の他面に、第二隠蔽層5を形成し得るインキ、好ましくは、上記白色着色剤、バインダー及び溶剤を含有する白色インキを塗布、乾燥させて第二隠蔽層5を形成して第二積層シートを作製する。なお、白色インキや、第二隠蔽層5、第二濃隠蔽基層51及び第二淡隠蔽基層52の形成要領は、上記第一隠蔽層3、第一濃隠蔽基層31及び第一淡隠蔽基層32と同様の要領であるので、その説明を省略する。
【0043】
次に、第二積層シートの基材フィルム1の一面に接着剤を塗布し、この接着剤上に、第一積層シートをその遮光層が接着剤に対向した状態となるように重ね合わせて厚み方向に押圧することによって、第一、第二積層シートを積層一体化させて蓋材を製造することができる。なお、接着剤は、汎用の接着剤が用いられればよい。
【0044】
このようにして得られた蓋材Aは、図2に示したように、食品Cが収納された食品用容器Bの上端開口部に張設されて用いられ、食品用容器の上端開口部を閉止することができる。
【0045】
本発明の蓋材Aは、上述のように、金属層を含有していないので、電子レンジを用いて食品用容器B内の食品Cを加熱するにあたっても火花などが発生するようなことはなく、円滑に食品Cを加熱することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明の蓋材は、食品用容器の開口部を閉止するための蓋材であって、基材フィルムの一面に、遮光層、第一隠蔽層、及び、表面フィルムがこの順序で積層一体化されていると共に、基材フィルムの他面に第二隠蔽層が積層一体化されているので、電子レンジを用いた場合にあっても火花などは発生せず、食品用容器内の食品を円滑に加熱することができる。
【0047】
そして、第一隠蔽層が、白色着色剤を77〜80重量%含有する第一濃隠蔽基層と、白色着色剤を72〜76重量%含有する第一淡隠蔽基層とが交互に積層一体化されてなる場合には、隠蔽基層同士を強固に積層一体化することができると共に、濃隠蔽基層及び淡隠蔽基層の双方の厚みを薄くして折り曲げ応力に対する優れた耐性を付与することができ、長期間に亘って遮光層を確実に隠蔽することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
(実施例1)
先ず、表面フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、このポリエチレンテレフタレートフィルムの他面にグラビア印刷によって印刷層を形成した。しかる後、ポリエチレンテレフタレートフィルムの他面に、二酸化チタン35重量%、バインダーとしてポリウレタン系樹脂10重量%及び溶剤55重量%からなる白色インキをグラビア印刷によって塗布し乾燥させて厚みが2μmの第一濃隠蔽基層を形成した。なお、第一濃隠蔽基層中における二酸化チタンの含有量は78重量%であった。
【0049】
次に、第一濃隠蔽基層上に、二酸化チタン30重量%、バインダーとしてポリウレタン系樹脂10重量%及び溶剤60重量%からなる白色インキをグラビア印刷によって塗布し乾燥させて厚みが1μmの第一淡隠蔽基層を形成した。なお、第一淡隠蔽基層中の二酸化チタンの含有量は75重量%であった。
【0050】
更に、第一淡隠蔽基層上に、二酸化チタン35重量%、バインダーとしてポリウレタン系樹脂10重量%及び溶剤55重量%からなる白色インキをグラビア印刷によって塗布し乾燥させて厚みが2μmの第一濃隠蔽基層(二酸化チタン含有量:78重量%)を形成することにより、二つの第一濃隠蔽基層が第一淡隠蔽基層を介して積層一体化されてなる第一隠蔽層をポリエチレンテレフタレートフィルムの他面に積層一体化した。
【0051】
第一隠蔽層上に、カーボンブラック10重量%、バインダーとしてポリウレタン系樹脂 15重量%及び溶剤75重量%からなる黒色インキをグラビア印刷によって塗布し乾燥させて、第一隠蔽層上に厚みが1μmの遮光層を積層一体化させて第一積層シートを作製した。なお、遮光層中におけるカーボンブラックの含有量は40重量%であった。
【0052】
一方、基材フィルムとして別のポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、このポリエチレンテレフタレートフィルムの一面に、二酸化チタン35重量%、バインダーとして ポリウレタン系樹脂10重量%及び溶剤55重量%からなる白色インキをグラビア印刷によって塗布し乾燥させて厚みが2μmの第二濃隠蔽基層を形成した。なお、第二濃隠蔽基層中における二酸化チタンの含有量は78重量%であった。
【0053】
更に、第二濃隠蔽基層上に、二酸化チタン30重量%、バインダーとしてポリウレタン系樹脂10重量%及び溶剤60重量%からなる白色インキをグラビア印刷によって塗布し乾燥させて厚みが1μmの第二淡隠蔽基層を形成して第二積層シートを作製した。なお、第二淡隠蔽基層中における二酸化チタンの含有量は75重量%であった。
【0054】
そして、第二積層シートのポリエチレンテレフタレートフィルムの一面に接着剤(三井化学ポリウレタン社製 商品名「主剤A969V 硬化剤A5」)を塗布した後、第一積層シートの遮光層上に、第二積層シートをそのポリエチレンテレフタレートフィルムが第一積層シートの遮光層に対向した状態に重ね合わせて厚み方向に押圧することによって第一、第二積層シートを積層一体化させて蓋材を製造した。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の蓋材を示した縦断面図である。
【図2】蓋材の使用要領を示した縦断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 基材フィルム
2 遮光層
3 第一隠蔽層
4 表面フィルム
5 第二隠蔽層
31 第一濃隠蔽基層
32 第一淡隠蔽基層
51 第二濃隠蔽基層
52 第二淡隠蔽基層
A 蓋材
B 食品用容器
C 食品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品用容器の開口部を閉止するための蓋材であって、基材フィルムの一面に、遮光層、第一隠蔽層、及び、表面フィルムがこの順序で積層一体化されていると共に、基材フィルムの他面に第二隠蔽層が積層一体化されていることを特徴とする蓋材。
【請求項2】
第一隠蔽層は、白色着色剤を77〜80重量%含有する第一濃隠蔽基層と、白色着色剤を72〜76重量%含有する第一淡隠蔽基層とが交互に積層一体化されてなることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
【請求項3】
第一隠蔽層は、三層の第一隠蔽基層が積層一体化されてなり、中央の第一隠蔽基層が第一淡隠蔽基層に、両側の第一隠蔽基層が第一濃隠蔽基層に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の蓋材。
【請求項4】
遮光層は、カーボンブラックを含有していることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
【請求項5】
表面フィルムの他面に印刷が施されていることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
【請求項6】
基材フィルム及び表面フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−220823(P2009−220823A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64120(P2008−64120)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(596111276)積水フイルム株式会社 (133)
【Fターム(参考)】